匿名さん 2022-12-28 19:47:12 |
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(まさか名前を褒められるとは思っておらず、驚いたように目を丸くして相手を見。目の前の彼の雰囲気は明らかに街の人間とは違い、此方へ向けられた視線も柔らかいものに感じる。こんな森の中まで迷い込んだ動機が受け入れられるかはともかく、少しは信じてみていいかもしれない。ずっと昔からコンプレックスだった赤い瞳を隠すように目を伏せれば、ぽつりぽつりと)
おれは他のやつとはちがうから。だから逃げてきた。…みんな、おれはいらないって
あぁ、なるほど。
…不思議だよね。人間って。
自分たちにはないものを恐れるんだ。僕も君と同じだから、気持ちはよくわかる。
( 相手の言葉は凡そ予想していた通りのもので、頷きながらその話を聞き。この森に来る前の自分と相手とが重なったように見え、こちらもぽつりと呟くように話をし始める。人間というのは本当に身勝手な生き物だ。嫌という程知っている。相手の赤い髪も赤い目も本当に綺麗なのに。)
おなじ…?でも、まほうが使えるのはすごいことじゃないの?
(ゆっくりと、彼の発したことばを?み砕いていく。その語り口調は優しいもので、今まで自分が抱いていた恐怖や不安なんて簡単に溶けてなくなってしまいそうだ。そんな中、相手の最後の一言を聞いては不思議そうに顔を上げ疑問を。その瞳からは警戒の色はほとんど見て取れず、子供特有の純粋無垢な眼差しで首を傾ければ)
…僕はね、生まれた時から魔力が人よりも多くて。
もしも魔力が暴走したら誰も抑えられないって畏れられるようになったんだ。だからこの森にひとりで暮らしてる。
( 確かに彼が不思議に思う通り、魔法使いというのは貴重なもので誰でもがなれる訳では無い。ただ自分は生まれながらに人よりもはるかに多い魔力を持ち、魔法の威力も桁外れだったため、知らず知らずのうちに畏れの対象として誰も近寄らなくなった。魔力が暴走するなど仮説がひとり歩きして、今では王から森の奥に住むことを命じられ、1人ひっそりと暮らしている、というわけだ。自分の話をしていくうちに、相手の緊張もとけてきたようで子供らしい様子が見られるようになれば、微笑みながら「だから僕も君とにている」と伝え。)
…うん、おれといっしょ
(一度警戒が緩んでしまえばあとは簡単なもので。彼の返答に親近感を覚えたらしく、つい先程までの不安気な表情から一変、どこか嬉しそうにこくりと頷く。緊張が解れたことで、意識が別のところにもまともに機能するようになったのか、随分と喉が渇いた。残りのホットミルクを一気に飲み干したところで、それに呼応するようにぐぅ、と情けなく腹の音が)
おっと、お腹が空いているみたいだね。
何か作ろう。嫌いなものとかない?
( どうやら自分の過去を話したことが功を奏したのか、相手の嬉しそうな顔が見られたところで、聞こえてきたおなかの音に小さく笑って。何か作ろうかと提案をしつつ立ち上がると、そんなにも食材はそろっていないので簡単な物しか作れないななんて思いながら、一応食べられないものはないか尋ねて。)
なにもない、だいじょうぶ
(首を横に振ってその問いかけに反応を。よく考えてみれば、深夜に元居た家を抜け出してからというもの、このログハウスに連れて来られるまで一切飲み食いをしていなかった。長時間外に居たせいもあり相当空腹なのだろう。一度席を立った彼を視線で追うも、大人しくソファーに腰掛けたままで)
うん、わかった。
( 答えを聞くと、昨日作ったパンをトースターに入れ。フライパンに油を引くと、卵を落とし目玉焼きに。焼けたパンにバターを塗ると、皿に移し、目玉焼きを乗せた皿にはサラダもつけて。フォークと一緒に皿を相手の元に運び、自分も同じ物を相手と同じテーブルに並べて。「僕も横で食べていい?」 と一応尋ね、にっこりと笑って。)
……!!
(鼻腔を擽るパンの香ばしい匂い、いざ並べられた料理たちには瞳を輝かせ。視線はまっすぐ机上へと向き、全ての意識がそちらに向いているためか、隣を良いかとの問いには何の抵抗もなしに頷く。抑えられない食欲に抗うことなくトーストへとかぶりつき、夢中で頬張ってはもぐもぐと)
ははっ、ゆっくり食べてよ。
何なら僕のパンも食べていいから。
( 相手の隣に腰を下ろすと、すぐさま食べ始めた相手の勢いに目を丸くするも、余程お腹が空いていたんだなと思うと仕方がないと笑って。相手の頭にそっと手を置くと、優しく撫で、ゆっくり食べてと伝えると同時になんなら自分のパンも食べてもいいと皿を差し出し。スープがないなと思うと、今一度立ち上がり。簡単なコンソメスープ温めれば、2人分マグカップに入れて運び。)
(相当空腹だったのか脇目も振らず口を動かし続け、みるみる小さくなっていくトーストや目玉焼き。追加で差し出された彼の分のトーストも含め、あっという間に完食してしまった。満足そうに息を吐き、服の袖で少々乱雑に汚れた口を拭う。あたたかい部屋に美味しいごはん、手厚い保護を受けすっかり警戒も解けた様子で、隣に座る彼を上目遣いで見つめれば小さく笑ってみせ)
――ありがとう、おいしかった
どういたしまして。
…あぁ、そうだ。無理に元にいたところに帰れとは言わないから、好きなだけここに居るといいよ。どうせ僕1人だし、2階の部屋なんかも空いているから。
( 空腹が満たされ満足した様子の相手は、年相応の子供らしい表情をしていた。可愛らしいその笑顔に、こちらも釣られて笑顔になる。食器を重ね台所へ運ぼうとし、ふとこの後彼はどうするのか気になり。元いた場所に帰りたい、ということはきっとないだろう。かといって身よりもない少年を再び森に出すほど鬼では無い為、好きなだけここにいてくれて構わないと提案をする。どうせ1人で住んでいる家だし、部屋も余っているため問題はない。そう言いつつ、流し台に食器を置くと相手の意思に任せようと判断は委ね。)
……ほんと?
(彼からの提案を聞き、驚いて目を丸くした後に大きく頷く。もうあんなに辛い思いはしなくていいんだ、何処にも行く宛がなかった自分にとってその提案はまるで夢のように嬉しいもので、ぱっと表情を明るくし。興奮した気持ちのままソファから立ち上がると、小走りで彼の元へと駆け寄っては相手の腕を両手でぎゅっと)
おれ、いろいろ手伝うから!おにーさんのためになんでもする!
あはは、それは頼もしいなぁ。
じゃあ、改めて宜しく。クロス。
( 突然自分の元に駆け寄ってきた相手に目を丸くするも、明るくなったその表情を見て自分もなんだか心がほっとする気持ちになり。自分の腕にぎゅっとしがみついた相手が可愛く、愛おしい気持ちさえ湧いてきてそっと頭を撫でながら、相手の申し出には嬉しそうにして。相手の目線になるよう少し屈むと改めて挨拶を。あと、「おにーさん」という呼ばれ方には慣れていない為、名前でいいことを付け足し。 )
あと、僕のことはルミエでいいよ。
るみえ――うん、じゃあよろしくね、ルミエ!
(言い慣れない名前を数度繰り返し、自分の中へと落とし込む。優しい手付きで頭を撫でられると擽ったそうに目を細めるも、はにかんでそれを受け入れ。警戒心なんてものは初めからなかったかのように綺麗に消え去っており、子供らしい無邪気な笑みを添えて挨拶を返せば)
さて、じゃあ。クロス。
2階の部屋を案内するよ。
今はベッドしか置いてない部屋だけど、必要な物があったら今度揃えよう。
( お互い挨拶も終わったところで、先程言っていた2階の部屋を案内しておこうと再び立ち上がり。リビングの奥にある階段を上ると2階には3つほど部屋がある。階段からすぐ手前の部屋は自分の部屋、そしてその隣の部屋が空き部屋となっている。もうひとつの部屋は書斎として使っている部屋で、魔法などに関する本が沢山ある。彼の部屋の扉を開けると、ベッドが一つだけ置かれた何も無い空間となっている。)
すごいすごい!おれだけの部屋ってこと?!
(言われるままに階段を上って、興味津々で周りを見渡す。長い間誰にも使われていなかったためか、紹介された空き部屋の空気は少し冷えていた。中にはベッド一つと大変シンプルな構造になっているものの、今の自分にとって物の有無なんてものは些細な問題、自分専用の部屋があるという事実だけでもう十分に満足したようで。今はまだベッドのみのこの空間を駆け回ってはテンション高く)
もちろん。君だけの部屋だよ。
ちなみに僕の部屋は横。向かいにあるのが書斎。
ここで生活するなら、服なんかも用意しなきゃね?
( 自分だけの部屋にはしゃぐ彼の姿には、今までそんな部屋なんて与えられていなかったのだろうと思うとそれは嬉しいだろうと思う。微笑ましく彼の様子を眺めていると、ここで生活するならば服や下着なんかも用意しなくてはと思いつき。その為には街に買いに行く必要があるな、と少し考え込んで。)
そっか、…あ、おれね、ルミエと同じやつがほしい!かっこいいし、おれの髪もかくせそうだから、
(急いで飛び出したのも長時間森の中を彷徨っていたのもあり、今の自分の服装はお世辞にも綺麗とは言えなかった。どんな服を着たいか、試しに考えてみると結論は案外簡単に出て。そして、ぴっと相手の着ているローブを指差す。ローブにくっついた大きなフードは今後街などへ出掛ける際、この赤髪を隠すためによく使えるだろうと)
うん、これはいざというときに隠すのに便利なんだ。
明日にでも見に行こう?今日は、疲れてるだろうし。お風呂に入ってゆっくりするといいよ。
( 自分のようなローブが欲しいと言っているのだろう。確かにこのローブは頭や顔を隠す際に使える。最も、街に行くときなんかは、魔法で姿を変えているのだが。お安い御用だと笑うと、明日にでも2人で買い物に行こうと提案する。まだ午前ではあるが、1度風呂に入ってゆっくりした方がいいと伝え。今来ている服は後で魔法で綺麗にしてあげようと思う。)
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