匿名さん 2022-12-28 19:47:12 |
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(マスターに挨拶を済ませると、通い慣れた店内を歩いて彼の真横の特等席へ。相手の持つメニューを隣から覗き込んで、その文字列と暫し睨めっこ。朝食にパンケーキを食べたこともあり、幾ら名物とはいえど二連パンケーキにするつもりはなく。どうせなら普段頼まないものを、と皿の上にプリンとクリーム、その他果物がふんだんに盛り付けられている写真を指差せば)
――これ、にしようかな。プリンアラモード
それは確かに美味しそうだな…。
んー、僕はこのイチゴのケーキにしよう。
( 彼の指さす写真を見ると、とても美味しそうに見え更に悩むことになる。少しメニューと睨めっこをしてから、隣ページにあるイチゴのケーキを選択して。マスターに2人分の注文を頼むと、飲み物はなにか頼むか相手に尋ねて。自分はやはりコーヒーを、とマスターに頼み。)
飲み物は何にする?
僕はコーヒーにしよう。
…俺もコーヒーにする。
(普段ならオレンジジュースでも頼んでいるところだが、いつまでも子供じゃないという気持ちの表れか、彼の真似をしてコーヒーを選び。マスターに己の注文を告げ、厨房へと戻っていく背中を見つめながら商品が届くのを待ち)
珍しい。
クロスがコーヒーを頼むなんて。
( いつもならばジュースを頼む相手がコーヒーを頼んだのを見て少し驚くも、たしかに甘いものにはコーヒーが合うと納得をする。こういった些細なことにも彼がここに初めて来たときよりも成長をしたのだと感じられ、何とも微笑ましい。)
大人になった、ってことだよ
(驚く彼には上記を伝えて笑ってみせ。そうこうしているうちに頼んだケーキやプリンも届き、自分の目の前にはメニュー写真に劣らない程綺麗に飾り付けられたプリンアラモードが置かれた。その隣にはミルクも砂糖も何も入っていないブラックコーヒー。試しに一口飲んでみると、舌の上に広がる珈琲独特の苦みに思わず眉を寄せ)
ミルクと砂糖入れたら美味しいよ。
( ブラックのまま口をつけた相手を見るとやはり苦かった様子。卓上に置かれたミルク、砂糖をひとつ自分のコーヒーへと入れると、相手もそうしたらどうかと提案をして。目の前に置かれたケーキを見ると「いただきます」と言ってからフォークで1口。甘すぎないそのケーキの味に幸せそうに笑って。)
っ、ううん、このままで平気だから
(彼が親切にミルク、砂糖を勧めてくれたが、謎のプライドからその提案には乗らず。強がるようにぐっと珈琲を呷るも、やはり苦いものは苦い。口直しにプリンアラモードを頬張るも舌の上にこびりついた痺れは中々緩和されず、未だ眉は顰めたままで。この苦みと重なるようにふと蘇る、隅に追いやったはずの雑貨屋での店主の発言。有耶無耶なこの感情をはっきりさせたいと、一度スプーンを置いて彼の目を見据え)
……ルミエ、俺ってルミエの、何?
…クロスは、僕の大切な家族だよ。
( プリンを食べる相手を見ていれば、急に神妙な面持ちになったことを不思議そうにして。問われた質問には、もしかしたら先程の雑貨屋の店主に弟、と呼ばれたことを気にしているのだろうかと推測し。正直な気持ちを伝える。彼は自分にとってかけがえのない存在。つまり家族だと。)
――家族、か
(ぽつり、返ってきた単語を繰り返す。彼がそんな風に思ってくれているのは勿論嬉しいし、自分にとってかけがえのない存在であることは揺るぎのない事実。ただ、その家族の定義はやはり曖昧なままで。どこか煮え切らないその回答を前にして、語気強めに言葉を続ければ)
それって、さっきのお客さんが言ってたみたいな――弟みたいだからってこと?俺、本当の家族のことは分かんないけど……弟とかそういう子供扱いは、嫌だよ
そっか、店主が言ってたことやっぱり気にしてたんだね。
( 弟みたい、というふうに思ったことはない。どちらかと言えば、似たような境遇で理解し合えるような、そんな絆を感じ家族という風に言ったのだが、中々上手く伝えられないものだなと困った表情をうかべて。)
僕は、クロスのこと弟だって思ったことは無いよ。
…なんていうかな…、大事な存在っていうか、うーん言葉にするって難しいよね。じゃあ逆にクロスにとって僕は?どんな存在?
大切で、命の恩人で、ずっと一緒にいたくて……でも、お父さんとかお母さんとか、そういうのじゃなくて、
(彼をどう思っているか。やはり一言で纏められるようなものではなく、浮かんだ言葉ひとつひとつを口に出すことで正解を探す。昔、彼に読んでもらった魔女と王子の物語。思い返してみれば、自分のこの感情はあの王子が魔女に対して抱いているものにそっくりだ。暫く考え込んだ末に辿り着いた答えを)
……大好きな人、かな
…僕も、クロスのこと好きだよ。
( 自分の感情を探すように言葉にしていく相手に、自分の感情とも照らし合わせ。しかし、まさか大好きだなんて言葉が相手から出てくるとは思わず少し目を見開いてから、照れくさそうに笑えば自分もだと言う。自分としては家族に対する愛情に近いこの感情、相手の大好きもそんな感じなのだろうか。)
ほんとに?――じゃあ、確かめてもいい……よね
(彼の返答を受け、明らかに己の胸の鼓動が大きくなった。やはり、これを家族愛というのは少し違う。幸い店内には自分たち以外の客は居らず、何かを察したマスターは暫く前から厨房へと戻ってくれていたらしい。呟くように言葉を続け、一度辺りを見渡してから彼の頬に口づけを)
…ク、クロス…!
( 周りを確認する動作を見せた相手、確かめるとは一体何をするのか不思議に思っていると、ぐっと距離が近づき頬に触れた感触に目を丸くして。頭の中はどういうことなのかとパニックになっており。)
……これが俺の気持ちだよ、ルミエ
(実際に行動へ移してみたおかげか、つい先程まで心の中を漂っていた暗いもやもやはきれいさっぱり消えて無くなっていた。そっと口を離すと満足そうに笑みを浮かべ、混乱している相手へ上記を投げかけ)
( クロスの気持ち、あんなことをするということは十中八九自分に対する彼の感情は「恋」なのだろうか。困惑の色を隠しきれない様子で。それに自分は性別でいえば彼と同じ男だと確認し。)
…クロスの気持ちは、分かったよ。でも、僕男だけど…。
いや、ダメじゃないよ。
…とりあえず、一旦出よう。買い物を済ませて家に帰ってから続きを話そう?
( 別に恋に性別は関係ない、とは思う。しかしながら、ずっと一緒に生活し、共に時間を共有してきた唯一の相手。自分もだが、相手を信頼している。そういった感情を恋愛と勘違いしている可能性もなくはない。だって彼の傍には自分しかいないのだから。しかし、彼からそういう気持ちを向けられることは嫌ではないのも事実だからなんと返していいか更に迷い。ともかく、ここは外だし家に帰ってからゆっくり話そうと一旦自分の考えをまとめるためにも彼にそう伝え。)
(彼の困ったような態度には疑問を覚えたものの、その言葉には大人しく頷いて。いつの間にか最後の一口となっていたプリンを口に運ぶと、もう珈琲の苦みは消え、純粋な甘味だけが舌に残った。マスターに支払いをして店を出、その流れで最低限の買い物も済ませてしまう。食材の詰まった紙袋を両手に抱え、隣の彼に視線を送り)
他に買うものあったっけ?俺はもうこれで大丈夫だけど……
そうだね。
…帰ろうか。
( 買い物を済ませると頷いて。街の郊外に向かって歩き始める。再び転移の魔法を使うために相手へと手を差し伸べるが、どうも先程の気持ちを聞いてから妙に落ち着かない。帰ったらなんて話始めよう。そればかり考え。)
あぁ、ありがとう。
( 買い出しのものを彼と一緒に片付け、一息ついていた所お茶を運んできてくれた相手に礼を伝え。マグカップに口をつけて、正面に座る相手を見る。後で家に帰ってから話そうという約束を取り付けてしまったがために、ここで逃げる訳にはいかない。)
クロス、さっきの話なんだけど。
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