匿名さん 2022-12-28 19:47:12 |
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さて、と。買い物を済ませて帰ろうか。
( 花を受け取ると、彼女に挨拶を済ませ店を出ることに。何故だかモヤっとする気持ちを振り払うように、少し明るめの口調で買い物を済ませようと提案し。再び街中へ出ると、市場へと向かい。)
(花屋を後にしてから暫くして。行き慣れた商店街で着々と買い物を済ませ、これで自分の用事も無事済んだ――と思ったのだが偶然か必然か。偶々通り掛かった雑貨屋の店先で、ガラス製の綺麗な花瓶が売られているのを発見した。先程彼が購入していた赤い花を飾るのにもぴったりだと直感が言っている、思わず雑貨屋の前で立ち止まってはその花瓶を指し)
ね、これも買っていい?ルミエが買ったそれ、折角なら綺麗に飾りたくて
いいね。ちょうどいい花瓶もないし。
( 買い物をしている間もやはり先程の彼女と彼が仲良く話している光景が頭から離れず。一通りの買い物を済ませ、街を歩いていると相手にそう言われ、確かに家によい大きさの花瓶が無かったと頷けば、それを手に取り。)
――すみません、これください
(彼からの賛同も得られたところで、早速雑貨屋の店主へ声を掛け購入の手続きを。この買い物もスムーズに済み、これで本当に街での用事も終わり。店主に一言お礼を伝えてから「帰ろうか」と彼の方を見)
あ、あぁ。うん。
( 購入手続きを済ませた後も何処か上の空で。返事をすると街の外へ。いつも通り転移魔法で森の自宅へと辿り着くと、荷物を持って家の中へ入り。買ってきたものを彼と一通り片付け終えると、早速買ってきた花瓶に水を、そしてそこへ赤い綺麗な花を1輪差して窓際へ。)
(窓際、綺麗に飾られた花を見て満足そうに笑みを浮かべ。やっぱり花瓶を買っておいて良かったね、そう同意を求めようと彼へ視線を送るも、当の相手はどこか心ここにあらずの様子。明確な理由は分からないが普段と様子が違うことには疑問を抱き)
どうしたの、なにかあった?
いや。ちょっと疲れたのかもしれない。
少し休もうかな。
クロスは?
( 相手の心配してくれる言葉に、少し間を空けて首を横にふると、苦笑して大丈夫だと告げる。街に出て疲れたという理由をつけて、羽織っていたローブを脱ぐと少し自室で休もうと言う趣旨を伝えてから、彼はどうするかを尋ね。)
…じゃあ、後は頼むね。何かあったら呼んで?
( 何かを察したような表情の彼に苦笑すると背を向け、家事を頼むと自分は2階の自室へ。ベッドに横たわると、この先程からのもやもやに大きくため息をつき。自身の中ではこの気持ちが何かはよくよく分かっているつもりだが、彼の交友関係に口は出せない。)
…どうしようかな。
───
【リリー】
( あれからクロスのことが頭から離れない日々を過ごしていた。いわゆる一目惚れ。もう少し彼のことが知りたいし、近付きたいとも思うが、あの二人は街に住んでいない。考えるより行動だと、自らの足で森への道を進み、ついに来てしまった。街の人ならば周知のこと、この森へは足を踏み入れてはならない。なぜなら恐ろしい魔法使いがいるから。しかしどうしても会いたい気持ちは抑えきれず、ログハウスを見つけると数回ノックして。)
――り、リリー…さん?!
(とある日、突然聞こえてきたトントンとドアを叩く音。こんな場所に来客なんて誰だろう、念のためにローブを身に付け扉を開く。と、そこには一人の少女――街で出会った花屋の彼女が。途端に頭の中を埋め尽くす疑問符。混乱を隠す様子もないまま彼女の名前を口にするも、“どうしてここにいるのか”まで言葉は続かなかった。状況が呑み込めないまま、どうしていいか分からずに愕然とその場に立ち尽くし)
【リリー】
ごめんねっ、突然家まで訪ねてきちゃって…。
どうしても…クロスくんに会いたくて。
( 扉が開いたその向こうにいたのは望んでいた彼の姿。やはり酷く驚いている様子の相手を見て少し申し訳なさそうに。正直な気持ちを頬を染めて話し。)
【ルミエ】
( 森に誰かが入ってきた気配を感じてはいたが、扉を叩く音に自室から下りてきて。こんな所に来る者はいない。少し警戒をしていると、以前の花屋の女性。その表情を彼の後ろから見るに、やはり予感は的中していたようだ。彼女は恐らくクロスのことが好きなのだ。何故か痛む胸。いつものように笑顔を貼り付けて、クロスにそう言い。)
…とりあえず、中に入れてあげたら。こんな所まで訪ねてきてくれたんだから。
そう…だよね。取り敢えず、どうぞ
(階段を下りる足音。この異常事態に気が付いたのか、やってきた彼の言葉ではっと我を取り戻す。取り敢えず目の前の彼女を招き入れ、簡単に人数分の紅茶を用意するとそれぞれの席の前へ置き。二人だけの空間に第三者が加わるだけでこんなにも緊迫する空気。花屋の店内とは打って変わった気まずいような雰囲気のなか、確認の意も込め此方から話を切り出して)
――それで、リリーさんは俺に会いに来てくれた……ってこと?
( 彼らの会話の邪魔をする気は無い。彼女もクロスに会いに来たのに自分がいてはきっと話しもしづらいだろう。また以前のようなモヤモヤした気持ちを抱えながらも、ここは大人な自分が空気を読まなければとクロスに2階の部屋にいると伝え、紅茶だけもらい階段を上がり。)
【リリー】
…う、うん。
すごい迷惑なの分かってるんだけど…、クロスくんに伝えなくちゃいけないことがあって。
( 紅茶を出してもらうとペコッと頭を下げて。彼の質問には少し戸惑い気味に、頬を赤くしながらどう答えようかと悩み。)
――うん、なに?
(空気を察してか席を外してくれた彼。気遣いは有難いものの、今はその優しさがじわじわと心を苦しめる。素直に見送ったはいいが正直なところ彼には隣に居て欲しかった。彼女が此方に向ける視線の違和感、言葉を選ぶような目の前の相手。“伝えなくてはならないもの”この言葉に固唾を呑むと続きを促して)
【リリー】
実は、この前初めて会った時からクロスくんのことばっかり考えちゃって…その、えっと…、あたしクロスくんのこと、好きなの。
( 2人になった空間にどこか落ち着かない様子で、頬を紅く染めながらどう言葉を紡ごうか考えていたが、勇気を持って彼を見つめ告白をして。)
(相手の口から発せられたのは、己に向けられた告白だった。彼女の様子から心の何処かでなんとなく察していた部分もあり、あまり驚くこともなく。こうして好意を向けてくれたことは嬉しくても自分には何年も前からずっと想いを寄せている人がいる。告白を受け、暫くの間を開けた後困ったよううに)
ありがとう。――でもごめんね、俺は…リリーさんの気持ちには、応えられないかな
【リリー】
…そう、なんだ。
もしかして、だけど。好きな人いるの?
( 彼の返事に明らかに落ち込む様子を見せるも、どこか分かっていたように彼の好きな人について話をして。なんとなく告白の返事から、そんな雰囲気を感じ取ることができて。それならば、仕方ないと諦めがつく。)
――うん。昔からずっと好きな人がいるんだ
(名前は明かさなかったものの、“好きな人”の存在は隠すことなく頷いて。今は自室に居る筈の彼を頭に浮かべつつ、ほんの少し照れくさそうに俯いてから、改めて目の前の彼女へ視線を戻すと「だから……ごめん」想いに応えられないことへの謝罪の言葉を続け)
【リリー】
そっか、なら仕方ないね。
…急にお邪魔してごめん。また街に来たらお店に来て!その好きな人に渡すお花選んであげるから。
( 彼の返事には頷いて。笑顔を作ると、また店に来て欲しいと明るく話し。どこかその様子はすっきりとしているようにも見え。)
ありがとう。じゃあ…その時は遠慮なくお願いしようかな
(彼女の言葉に背中を押された気がする。相手の笑顔につられるように口角を上げると、素直な感謝の言葉と共に笑ってみせ。もう彼女に対して抱いていた蟠りのようなものは綺麗に消えてなくなっており、残ったのは純粋な友情関係で)
( 盗み聞きをしていた訳では無いが、彼女が彼のことを好きなのは何となく分かっていた。階段を上り自分の部屋へと続く廊下で足を止めて会話が聞こえてくる。勿論、彼は彼女の告白を聞いて「好きな人がいる」と断ったわけだが、それが昔と変わらず自分であるかどうかを聞くことも、本当は彼女のような人と一緒になった方が彼のためになるのではと思ったことも、今の臆病な自分には言い出せない。なぜなら、自分は彼のことが好きだと気付いてしまったから。彼女が家の扉を出ていく音を聞き、1階へと下りると、彼の姿を捉えて。)
…帰ったんだね。
コーヒー飲もうと思うけど、クロスもいる?
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