名無しさん 2022-12-02 18:14:09 |
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( ぱたぱた、と足を揺らしシーツを蹴り上げる。早く来ないかなぁ、と普段使っている枕を抱きしめたところで服の裾が視界に入り自分がパジャマ姿だったことを思い出し。部屋にまで呼び出しておいて流石にこれで迎い入れるのは如何なものか。徐にベッドから起き上がってパジャマを脱ぎ、クローゼットを開くといつも宿舎で着るようなスウェットが掛かったハンガーを除けてオーバーサイズのパーカーと部屋着のボトムスを取り出して。パーカーに早々と着替え少し跳ねた寝癖を隠すようにしてフードを緩く被り、脱ぎ着したせいで少し乱れた前髪を直して鏡を確認しながらさっきよりはマシだろうと。…あにゃ、ただあの子と部屋で喋ってまったりするだけなんだけど?それなのに着替えて鏡まで確認するなんて随分と浮かれてるみたいで、まるで付き合いたての恋人が部屋に来るからそわそわしてるみたいじゃないか。まぁ事実には変わりないんだけど、一人でこんなことを考えている時点でなんだか居た堪れなくて…再びベッドにぼふ、と身を沈める。壁に掛かった時計が無機質な音を刻む中待てど暮らせど中々開かない扉に、彼の性格上後片付けをしているのは容易に予測が付き、早くこの部屋で二人きりになりたかったとはいえ一人でさせてしまったことに申し訳なさを感じて。どうしようかな、と暫しの間思案している内に耳に届いたのは軽快なノック音。それだけで心臓が跳ねるんだから今日の俺は絶対におかしい。“ ネ~ ”と返事を返すと同時にドアが開き、待ち侘びていたとばかりに直様顔を上げ愛おしい彼の笑顔が視界に入ればぱあっと表情が明るくなり。どうせお前のことだから洗い物もやってくれたんでしょ、なのに待たせたことを謝るなんてどれだけ律儀で優しいの、とか。服、態々着替えてきたのが可愛くて仕方ないとか、色々思うことはあるんだけど。そんなふうに声を掛けている暇もなく大型犬のように無邪気に駆け寄ってきた姿を目で追っていたものの突如視界が揺れ「 ぉあっ、」と間抜けな声が洩れる。迷うことなく隣に寝そべった彼が浮かべる締まりのない笑みが、他でもない自分だけに向けられているという事実が幸せで嬉しくて、釣られるようにふにゃんと締まりのない笑みを溢して。「 さっき会ったばっかりじゃん、…俺も会いたくてそわそわしてたけど…へへ 」本音をぽろっと溢しながらも、さっきの振動でまた顔にかかった髪に手の体の大きさの割に短い大好きな指が触れると照れ臭そうに笑った口元をパーカーの余った袖で隠し。そのまま絡み合う視線に幸せそうに目尻を垂らすものの、はたと口を開き「 ねぇ、後片付けしてくれたんでしょ?こまうぉ。ちゃんとお湯で洗った?手冷えてない…? 」余った袖から細く骨張った両手を出し彼のもちもちした手に重ねて握り、少し眉を下げて。にぎにぎと優しく揉みつつもまつ毛を下に伏せて手の甲に視線を注ぎ、何やら考え込む仕草を。暫くしてふと何かを思いついたように断りも入れず勝手に袖を捲って彼の腕を曝し、其処へ顔を寄せると自動的に手元が緩いフードで一瞬隠れる。その瞬間手首に短く口付けを落としちゅ、と。口付けた手首の少し下に、何を思ったのか上目で切れ長の目を見つめながら徐に舌を出して舐め上げたかと思えばそのまま──ぢゅ…っと強めに吸い付き。唇を離して手首の骨の丁度下辺りに紅い跡が付いたことを確認しては、満足気上がる口角。「 …~ん、…いい子のみんぎゅにご褒美。腕捲ったらキスマーク見えちゃうから、洗い物とか家事の時はヒョンに任せて。」“ 有効期限は消えるまでだからね? ”そう続けるご機嫌な表情は相変わらず悪怯れる様子なんて一切なく、それどころか膝を曲げたり伸ばしたりぷらぷらと交互に宙を舞う足。ご褒美と言うにはちょっと強制的だけど。こうして悪戯っぽく笑ってその黒い瞳を見つめるのは何回目かな。…こんなことするの、お前にだけだよみんぎゅや。だって皆に見つからないよう隠していれば二人だけの秘密になるから。 )
( 複数部屋が並ぶフロア、一人部屋の彼の元へ足を運ぶなんて昨日までは考えられなかったこと。もちろん訪れたことがない訳ではないが、今こうして一つのベッドに二人で寝転んでいるのを昨日の俺が知ったら失神しているかもしれない。なによりいちばん愛おしい君が、同じ意を込めた瞳だけを此方に覗かせる。胸がきゅんと締め付けられるような甘い言葉を紡いだ口元はパーカーの袖に隠れてしまって。ほんの少し触れただけなのに、とろんと溶けるような甘ったるい笑顔…ずるいよ。…っはぁ~~。可愛い…っ!“ だいすき ” なんて幼稚な想いが風船みたいに膨らんでいって、彼と視線を合わせる俺の目はきっとハートになってる。横幅ですら少し窮屈なベッドは、普段から斜めに寝るしかない俺にとってはもちろん縦幅が足りないのだけど、そんなことも今は気にならないくらいに彼しか見えない。単語の一つが発された瞬間 耳を澄ませてすぐ聞き入れる姿勢になると、……ふふっと漏れ出たのは微笑ましい笑み。俺が来るまでの間、気にしてくれてたのかな。後片付けなんていわば俺が好きでやってるだけなのに。心配してくれている彼の優しさが沁みると次に広がるのは愛おしい想い。「 んーん、したいからしたんだよ。けんちゃなよ~。いつものことでしょ? 」袖から自身の手へと重なった手、冷えていた訳でもないのに、彼の気持ちが沁みるようであたたかい。柔く揉んでくれる様子と視線を下へと落とす彼の目とを交互に見る表情はいかにも“幸せです”といった締りのない顔のまま。…だったのだけど。ふと何か考え込む様子にきょとんと眉を下げ、声を掛けようか迷った挙句 「 …ハニヒョン? 」 現実へ連れ戻すように名前を呼んだ。すると何を思ったのか手が離された途端に袖を捲られ、意図が読めずさらにきょとん。晒された腕に顔が寄せられたのは分かった、彼が新しく着替えたパーカーのフード越しに。然しあまりにも予想外で、慌てて伸ばした片手は彼のフードへと。顔が分かるように少し上げれば、次いでに何をしようとしてるかまで分かってしまって。「 ぁ…っ、い、」肌の上を生暖かい感触が這い、ぞくっと手首から全身に伝うように粟立つ。刹那走った甘い痛みに、思わず眉間に皺を寄せては…。「 は、ぁ?えっ、うぇー…、 」まだ少し熱を持った手首の下辺り。頭の中を疑問符が埋めつくしていきながら恐る恐る見れば…予想通りの赤黒さ。「 !?ご褒美だってぇ…?あに嬉しいけど…突然付けることないじゃん~!チンチャヨ?本当にやってくれるの?あ~俺腕も捲れないんじゃ…うう、バレたら責任とってくれるの?」初めての、愛してやまない彼からの所有痕。それはもう…ご褒美以上のものだけど。なんたってバレるかどうかのギリギリな所に付けるのは…やっぱり“ユンジョンハン”でしかない。…一体どうしたら。腕捲りの癖はかなりついてるし、このヒョンは家事をしたがらない。ということは…バレる可能性、大!それを目的に付けただなんて、言わないよね?あにじ、俺に全部任せてしまった責任を感じてのことかなって予想はついてるけど。相変わらず悪怯れる様子は微塵もないのに恨めしくないのはどうしてだろう。それ以上に好きが勝ってるからだな。と瞬時に解決したところで、じっ…と彼を見つめると。伸ばした片手で彼を抱き寄せて、より体温を感じられる距離に。好き勝手動く足を封じてやる、とでもいうように自身の足を絡ませるとすり、と肌を撫でて触れ合わせ、透き通るような茶の瞳から目を離せないまま静かに早まる鼓動を聞く。「 …ハニヒョン、 」なんだかんだ耳まで真っ赤にして。潤んだ瞳は変に火照ったせいだろうか。そっと指先から手のひらを彼の頬に這わせると、痕を付けてくれた赤い唇を親指でなぞっていく。「 ご褒美のほかにさ、俺がヒョンのものだって証くれない?… 」ヒョンからくれないなら、俺からあげようか。ねぇいい?なんて。思ったよりも頬の熱さを手のひらに感じると小さく口角を上げて。)
( 発した言葉に対して注意深く聞き入れてくれるその姿勢が好きだ。鼻にかかった普段より少しだけ高くなった声が鼓膜を擽ぐるのは凄く気分がいい。狼狽が滲み出てるその表情だって大好きなの、お前は自覚もないんだろうな。緩み切った頬をそのままに目尻を下げコロコロと変わる面持ちを見守る露骨に甘い視線は“ おれのみんぎゅや、かわいい ”と言っているようなもので。黒い瞳の奥にハートが浮かんでいるんじゃないかって自惚れてしまうくらいには人懐っこい彼からの愛情をひしひしと感じ、応えるように幾度となく交わってきた視線を飽きもせず甘ったるく交わらせ。これってかなり…バカップルっぽいんじゃない?頭の片隅に浮かぶそんな俯瞰的な思考すら相手が彼となると幸せに変換されてしまう。突然残った手首下の印に戸惑った様子で投げかけられる問い掛けに“ たんよなじぃ~ ”なんて呑気な返事を。仕事や公共の場はまだしも、あの子達にバレたっていくらでも弁解の手札はあるんだから。と思い巡らせているとなにやら形の良い鋭い双眸にじっ…と目つめられそれだけでとくん、と心臓が高鳴り出す。長い腕に抱き寄せられたかと思えばゆらゆらと遊ばせていた足まで封じられてしまい、絡め取るように脚を擦り合わせられてはいよいよすっぽりと彼の中に収まってしまう。すり…と肌を撫でられる度ぴく、と膝を揺らして縺れた足から逃れようと腰をもぞもぞと動かすもののやはり長い両脚からは逃れられず、それどころか射抜くような熱い瞳にも捕まったまま。少し舌っ足らずの低い声が自分を呼ぶと徐々に頬に熱が集まるのを感じ、堪らずシーツに皺を寄せながらも首やら背中やらに腕を回して抱き締め返す。逞しい身体とは裏腹に子犬みたいに潤んだ目とか、行動の割に真っ赤に染まった耳も、俺を夢中にさせるには充分過ぎるんだ。しかもあんなに想い続けていた子とベッドの上で向き合っているなんて。最早脳内は彼でいっぱいに満たされて、正常な判断も付きそうにない。心地良さそうに目を細めて頬に這う手へ擦り寄っては、熱い手の平から伝わる体温が自分のものとあまり大差がないことに気付いてしまうと小さな羞恥心が湧くも、その親指が唇をなぞると鳴り響く鼓動で思考が淡く上塗りされていく。「 ん~…?んふふ、…欲しいの? 」普段からの緩い口調は最早目の前の彼への煮詰めたような愛情を隠すつもりもなく甘々とした声で。証、と言われると自然に目が行くのは口角が上がった唇。「 …いいよ。じゃあ…俺がいいって言うまで目、瞑ってて 」含みたっぷりに囁くと首に回した手を耳朶へと添えてふにふにと捏ねて遊びながら。顔を傾けながらゆっくりと距離を縮めて顔を寄せ、唇が触れる寸前でぴたりと動きを止めちゅ…と軽い音を立てて口付けたのは唇ではなくすぐそばの口の端。絡んでいる長い足を自らの足で挟んで摺り合わせつつも、小気味良いリップ音を響かせながら頬、顳?、接吻を落としていくと身を乗り出し耳裏へ控えめに突き出した唇を押し付けて。れろ、と舌を這わせた後先程より強く肌に吸い付き、皮膚が薄い其処へ念入りに繰り返し舌と唇を使って吸い上げ。…ちゅむっ、仕上げに落としたキスを最後に漸く埋めていた顔を離すと思惑通り耳裏にくっきりと残った赤黒い印。濃く刻み付けた其れは真っ赤になった耳よりも際立って主張していて、暫くは消えそうにない程。「 …~はぁ、綺麗に付いた。お望み通り、お前はヒョンのものって証。 」耳元で悪戯に笑い“ イロケ~、ミンギュからは見えないけどね ”なんて意地悪くも甘さを込めた囁きを。証なんだから好きな場所でいいんでしょ?とでも言うように。臆面もなく首を傾げて笑みは崩さないまま「 ねぇ、ヒョンには…?せっかくお前のものになったんだから好きにしていいんだよ。 」悪戯っぽく向けていた視線は柔らかく包むような眼差しに。そりゃ何にせよ自分が有利なのに越したことはないんだけど。世界中の何よりも誰よりも大好きなお前とは公平でいてあげる。 )
( / こんばんは ! お世話になっております。
突然背後から失礼いたします。
メリークリスマスです (*^^*)
いつも大変素敵な文章と最高なjhをありがとうございます… 背後様の描くjhがあまりにも想像以上のjhで毎度頭を抱えております。新参者様とは思えないのですが…!? 最高すぎて感涙です。
今回こうして素敵な文を描く方にお付き合い頂けて心から幸せを感じております(;;)
本当にありがとうございます。
当方大変文章力に欠けており毎度添削し放題の駄文しか起こせずお恥ずかしい限りで申し訳ないのですが、、(TT)
どうか切実にこれからもお付き合いいただけたら…と願っております…!!
本日背後からお声掛けさせていただいたのは今日中にお返事が出来そうになく、明日以降になってしまいそうなのでお先にご連絡だけさせていただきました * 申し訳ありません ;;
_/w/o/r/l/d holiday ver上がりましたね フフ 笑
どうか素敵なクリスマスをお過ごしください~!!
用件のみですが失礼いたします! )
( / おはようございます!いつもお世話になっています。Merry Christmas ~~ ( ^^ )+.゚
わあ、そんな…お褒めに預かり光栄です!しがない新参者ですがそう言って頂けて嬉しい限りです~!此方こそいつもとっても素敵な文章と最高としか言いようがないmgをありがとうございます。主様のmgが言葉ではとても言い表せないほど魅力的で愛らしくて、毎回驚喜が止まりません…!特に主様の描かれる心情の文章が大好きでして…やはり天才なんですね…。
駄文だなんてとんでもない、主様の文章は本当に魅力的ですよ!こんなに素晴らしい文章を描かれる方のお相手をさせて頂いて常々深い幸せを感じています。
当方もつい長考してしまいお待たせしてしまう日があったり、何より拙い文章力ですがお眼鏡に叶うようにこれからも精進しますね…!いつもいつも本当にありがとうございます。
勿論ですとも!折角こんなに素敵な方と出会えて今凄く楽しくて幸せなので、主様と一緒にこのご縁を大切にしたい所存です。これからも何卒宜しくお願いします (o^^o)
お返事の件、承知致しました◎態々ご連絡くださってありがとうございます!焦らずゆっくりで大丈夫なのでご自身のペースでなさってくださいませ…!
いやぁ~、上がってましたね~!毎年あまりクリスマスの実感がないのですが、_w/o/r/l/d holiday verのおかげでクリスマス気分が味わえました!シャン♪シャン♪
温かいお言葉恐れ入ります* 主様も素敵でハッピーなクリスマスを過ごせますように!
此方は蹴って頂いて構いませんので、どうかご負担にならない程度に…! )
( 別に疚しいことはしてないんだけどなぁ、クロッチ。やけに衣擦れの音が生々しく聞こえて、早まる鼓動とともに加速する緊張。俺の指が彼の肌に触れる度にぴくりと揺れる睫毛だとか、如何にもしあわせそうに細められた目が何度か繰り返す瞬きだとか…そんなきみの些細な瞬間に見惚れて、ちっとも目を離せやしない。指先で感じる唇の柔らかさよりも、余裕の色を浮かべる彼の目に釘付け。ふっと微笑みを浮かべる度に俺は初心みたいに一々反応してしまうからやっぱり心臓は三つくらいあってもいいんじゃない?俺の余裕を簡単にかっさらっていく、本当に罪なヒョン。綺麗で美しい、昔から天使と称されていたほどの美貌を持つ初めの頃は同性と思えなかったきみの、案外男らしい手が首から耳朶を辿る。すでに俺に向けた甘すぎる声音が耳を溶かすのに、大好きな彼に触れられるだけで危うい俺は自分から頼んだくせして堪え性なく爆発してしまいそうだ。従順に頷くのはきっと早く 証 が欲しいからで、彼を映すことをやめた目は瞼によって暗闇のなかへ。彼の些細な瞬間を今度は耳で感じることになり、自然と澄ませた耳は過敏に情報を拾ってくる。…ほら、やけに衣擦れの音が脳内に響いて、ごくんと息を呑めば瞼越しにきみの影を感じる。まるで心の中全て見透かされてるかのように絶妙なタイミングで降ってきた口付けに、軽く眉を下げては内に入れたつま先でシーツをなぞり。鼓動は早さを増し、不意にギッ、と鳴ったスプリング音、鼻先に彼のパーカーを感じた瞬間 皮膚の薄い耳裏へ押し当てられた唇、熱い舌の感覚に思わず震えた吐息が零れて。先程よりも強い刺激に全身ぴりぴりと甘い痺れが広がり、逃れるように腰を動かすも摺り合わせた足に絡めとられてしまっていては逃れられず。堪らず鼻に抜けるような声が一瞬漏れれば慌てて口をおさえ、ぴりりと走る心地いい痛みに耐えれば。また顔に朝日がかかって寄せた眉、薄らと開けた瞼は天使の君をとらえる。「 …~っ、ひょん~…、」ぎゅっと両腕で彼を包み込む。ちょっと照れくさくて、大好きな人からの証はどうしようもなく嬉しくて。 ぽつぽつと呟いた声、「 そうだよ、見えないよこんなとこに付けちゃ~。俺どうやって確認したらいいの? 」耳の後ろの熱に指先で触れては彼の可愛い笑みに反して不満げに唇を尖らせるのだけど、実際は不満よりも満足感の方が勝ってる俺は背に回した腕をもう少しだけ強く。こんな全身を包むような温かい幸せを感じたことがあったかな。ふひ、と溢れてしまった不器用な笑み、目と鼻の先の彼を見つめながら。「 ん、俺にも残させてヒョン。 」ただでさえ儚いきみの綺麗な肌に痕を付けるなんてなんだか罰が当たりそうだけど。茶の瞳に引き寄せられるように、ちゅっ、と鼻先に子供みたいな口付け。そのまま体重をかけて彼を自分の下へと敷けば、被りかけのフードを避けて少し乱れた彼の髪を撫でる。愛おしそうに見つめた先、薄らと目を細めては唇を寄せた……、ばたんッ。…ぺた、ぺた、ぺた…。静寂の中に生まれた微かな音にぴたりと動きを止めた。彼と目を合わせて、“やばい”と信号を送る。廊下から聞こえた足音は案外近く、この部屋が目的ならあと数秒で…。 “ 俺鍵閉めたっけ? ” そんな間抜けなことを尋ねる余裕もなく、とにかく彼から離れなければという頭でいっぱいだった俺がとった行動は…大慌てでベッド下へと転げ落ちるという、我ながらパボすぎると思う。「 …! 痛~っ、」ひぃ、と涙目で見上げるドア…同時に開いた。「 ……?? わ…。なにしてんの?みんぎゅや。あ~、はにひょん、昼ごはん出前とるけど何かいる? 」 気の抜けた声が部屋に響く。早すぎる昼飯の有無を聞きに来たのはどこか眠たげな寝癖をつけた十時十分の目の彼だ。)
( / 大変お待たせいたしました~!!;; 入りづらかったら教えてくださいね◎
お返事蹴り可とのことでしたが、とても勿体ないお言葉を沢山いただいてしまいスルーするのも気が引けて…なにより嬉しすぎて出てきちゃいました。笑
まさかそんなに褒めていただけるとは…身に余る思いです(TT)
こちらもそっくりそのままお返しできるほど本っっ当に本当に背後様の文章とjhが大好きすぎるんです…。これからもゆる~くこのご縁が続くこと心から祈っております…!!(-人-)
素敵なクリスマスは過ごせましたか?.*・゚
年内も余すところわずかですね~…。
今年最後、素敵なご縁に恵まれたこととっても嬉しく思います*
背後共々これからもよろしくお願いいたします!
どうぞ良いお年をお迎えください(*^^*)
こちらには返信不要です!!◎◎ )
( 鼻に抜ける愛おしい声がたった一瞬鼓膜を掠めただけで昂る何かを自覚してしまうほどこの子に惚れ込んでいるらしい。ふと巻きついてきた腕に力が籠ってはそんな場違いな邪念を振り払う。勿論取って食おうなんて発想は端からないんだけど、俺も男だってことなんだろうな。だって考えてもみてよ、そもそも好きな子とこんな風に触れ合ってそれなりの悪戯で留めているんだから手放しに褒めてほしいくらいなんだから。不満げに唇を尖らせていたのにすぐに解けて浮かんだ笑みは不器用で、その表情が可愛くて仕方ない。そんなふわふわした思考が断ち切られたのは優しいのに熱を孕んだ鋭い瞳と視線が絡んでしまったから。鼻先に降ってきた小鳥のような口付けに籠った笑い声を溢してはベッドが静かに軋む音を何処か冷静に聞くのだけれど。大きな影に覆われてその顔に見下ろされると、どうしたって早いリズムを刻む心臓は言うことを聞いてくれない。いつだったかお前の姿形に対してかっこいいとは思わないなんて収録中に言ったことがあったけど、これは流石に撤回しなきゃいけないんじゃない?その双眸から、その唇から目が離せないまま髪を撫でる手の平に擦り寄るように頭を傾けて、そっと微笑んだのが合意の合図。お前のものだって証、一体どこに付けてくれるの?正直どこに付けられても身近な子達になら言い逃れ出来るくらいに手札を用意してるつもりだよ。寄せられた唇に今度こそ瞼を閉じて重なる寸前──…後ほんの僅かの距離。ぱち、と伏せていた睫毛を開くと“ まずい ”自分と同じ意図を持った目と視線が合う。ドアが開いた音だけには留まらず裸足でフローリングを歩く足音が此方に向かってくると察知した頃には時既に遅し。俺が離れた方がいいか、でもこの部屋の主は他でもない自分だ。なら突き飛ばした方が結果的にいいのか。あにゃ、でも…。今関係が発覚してしまうのはいけないという焦燥感が脳内を支配していつもならいくらでも浮かんでくる策略がことごとく却下されていく。とにかくこの大きな身体を隠せる物を…と部屋を咄嗟に見渡すと不意に組み敷かれていた重みから解放されては次の瞬間目で追う暇もなくドスンッ、と鈍い地響きが。思わず起き上がり目を丸くして呆然と言葉を失っていると間髪入れずにドアが開き視線は自然と開いた扉の方へ。「 ……お~…ホシヤ、ヒョンはさっきご飯食べたからやめとくよ。 」別に何も疾しいことなんてしてないんだけど、説明しようのないこの状況に苦笑いを浮かべながら“ こまうぉ~ ”なんて少し怪しいだろうか。彼のことだから誰かに告げ口しない限り心配はないと願うことしか出来ず。特に怪訝そうな目を向けられることもなく素直に返事を返すその子に少し胸を撫で下ろすものの再びばたん、…ぺた、ぺた、と。今度は嫌な予感がして脱げたフードと乱れた襟元を意味もなく正してはベッドから転げ落ちた彼を心配する暇もない。程なくして寝癖が付いた頭の背後から覗いた密度の濃い長い睫毛を携えた双眸と視線がかち合ってしまう。「 ムォヤ~…何してんの…? 」低い声に問い掛けられたところでどの手札を選べばいいのやら、返したのは乾いた空笑い。少し迷惑そうに眉を寄せ室内を覗き込んでくるのは個性的なチームを総括する彼。恐らく原因の分からない地響きを不審に思ってやってきたのだろう。そう言えば2人で酒を酌み交わしていたいつかの夜、正にベッドの下に転げ落ちた彼のことで“ 避けられている気がする ”なんてうっかり溢してしまった事があったっけ。勿論顔を合わせる頻度が少ない理由も意図も分かっていたし、後は俺がどうするかに掛かっていたのも理解していたけど拗ねてしまいたくなる日も稀にあって、タイミング悪くあいつと居合わせたのがその日だったってだけの話なんだけど。どっちにしろ見られた以上は後で誤解だったって言っておかないと。「 ジョンハナ、 」ベッドの上で不自然に笑みを貼り付ける俺と不自然にベッドの下で寝転がる彼を交互に見た後名前を呼ばれたのはこの部屋の主が自分だから。出来る限り頭を働かせつつもベッドから足を下ろして座れば体勢を崩した彼の頭を上からぽん、と優しく撫でて「 …あにぃ、遊んでたら盛り上がっちゃったんだよ。チャムチャムチャムゲームしてて…ね? 」結局絞り出したのは苦し紛れ過ぎる言い訳だったものの、これ以上詰めさせないとばかりに堂々と言い切ると頭に手を置いたまま覗き込んで。大の大人がただの手遊びで転げ落ちるほど騒いでいたら普通なら心配するが、今は言い訳の内容などに構っていられない。質より圧、クッチ?これ以上人が集まっても困るとばかりにいつもの緩い笑みを浮かべながら同意を求めて。 )
( そうだ、何も考えてなかった…。夢心地の今朝から大好きな彼と通じ合えてしまった喜びに俺は浮かれてばかりで、昨日までは慎重に注意を払っていた“最悪の事態”なんて頭からすっぽり抜けてしまっていた。キョトンとあほ面を見せる訪客を なんでもない… とでもいうように軽く首を振って見せ、背中から聞こえた案外落ち着いた返答に安堵する間もなく心臓はばくばくと激しく鳴り続ける。一連の会話が終わり、後は何事もなくこの部屋を去ってくれればセーフ。ホシヒョンのことだ、今は違和感に気づかなくても後から気づくかもしれないが。兎にも角にもこの瞬間が早く過ぎ去ってくれればいい…!チェバル…!!と祈るのも束の間、新たに聞こえた足音に再度降りかかる絶望…。顔を出したのはよりによっての彼だ。13人もいる宿舎で常日頃何処かしらで起きる喧嘩やいざこざを早々に鎮めるべく現場によく現れる彼のこと。火種は小さい内に消しておいた方がいいからな…今は余計なお世話だけれど…。いやに時計の秒針を刻む音が静寂の部屋に響く。原因を知るまで戻るつもりは無いんだろうスンチョリヒョンから発された、俺には出来ない呼び方でハニヒョンを呼ぶ声。相当場違いだとは思うけど俺は昨日までのことを思い出していた。ハニヒョンと同ラインのヒョン達が親しく絡む様子を見るのが苦だったこと。きっとそれ以上の関係になれた今も彼らに存在してる絆は深いもので、俺も同じく。この国では同ラインかそうでないかで友達の関係に成り上がれるかが決まってしまうから。…俺とハニヒョンとの時間を邪魔しないで、なんて。相当場違いな不満を脳内に広げながら地味に痛い腕を擦り、手首を隠すように袖を引っ張った。そんな思考をも現実へと引き戻す彼の手がそっと自身の頭に触れて、さりげなく確認したかった表情を見るべく軽く振り返った…途端に合う目。今は見つめ合う余裕もない。「 えぇい、ひょんったら突き飛ばすんだもん せっかくいいところだったのにぃ~。 」ドア付近の来客に何度か視線を送りながら咄嗟に彼のせいにして逃れる。…後で怒られるかもしれない。肩を竦めて大きい図体の割にやはりどこか自信なさげだが、苦し紛れの言い訳でも問題はないと察したのか案外あっさりと退散していった姿。…パタン。ドアの閉まる音を最後に二人きりの空間に戻ると彼らがしっかり離れたことを耳で確認して。後ろの彼の方を無言で見遣り、アイコンタクトを交わす。何とか無事に窮地を脱したとなれば襲ってくるのは疲労感。「 は~~っ、よかった~っ。まさか二人も来るなんて思ってもなかったよ... 」起こしかけていた体をへなへなと床に落とし腕を広げる。片手で前髪をかき上げつつ、エーンと泣きべそでもかくように顔をしわくちゃにして泣いた素振りを見せてはベッド上からの視線と絡み、困ったように苦笑い。外の日を多く受ける彼は相変わらず綺麗で、隅に追いやった愛しい気持ちを徐々に取り戻していきながら。「 はにひょんありがとう、助かったよ本当に。」俺じゃ聞き入れてすらもらえないかもしれない。取り繕ってくれた彼には感謝しないと。ぽつぽつと呟くけど、咄嗟に床へと転げ落ちるという痛い判断をした挙句 それが目をつけられ、結果彼に責任を押し付けるという最悪の二段構えに苦笑いは消せないまま。彼の様子を伺うように体を小さくして腕を擦りつつ… 「 みあねよ、...? 」ごくんと息を呑むとたどたどしく言葉を紡ぎながら緊張を走らせて。)
( 確かに自分が突き飛ばしたという事でベッドから転げ落ちるという大胆な行動も説明がつく。どこか自信なさげに肩を竦める姿から本意ではないのは明白なんだけど、何分致し方ない。加えてただでさえ不審極まりないこの状況で、彼の発言を否定することは出来ずちらりと訪客を盗み見ながら“ やぁ~お前がズルするからじゃんか~ ”なんて咄嗟に話を合わせるものの、見方に寄ってはぎこちない笑みが張り付いたままで。どうやら子供騙しのような言い訳が通用した…とは思えないが、特にこれ以上詮索する必要はないと結論付いたらしい。思っていたよりあっさり部屋を後にする二つの背中を遮る見慣れたドアが閉まると緊張が一気に解けてがくん、と項垂れる頭。そのまま顔を傾けて彼を見遣ると視線を交わして、長い腕を広げて床に体を預けて泣きべそでもかく素振りを見せる可愛らしい仕草を眺め、取り戻した平穏を噛み締めてほっと一息。徐にベッドから立ち上がって今正に開いていたドアの方へ足を運んではカチャ…と鍵を閉めて今度こそ二人きりの密室にしてしまう。…二人も来るなんて。力なく呟かれた言葉にそりゃそうだよ、お前がベッドから落ちた時凄い音がしたんだから、そう返そうとして初めて色々と出来事が立て続いたせいですっかり抜け落ちていた憂慮が脳裏に過って。いくら丈夫で健康的な体を持っているからって、この子は俺の大切な恋人な訳で。落ちた拍子に何処か怪我なんてしていたら…そんな思考とは裏腹に感謝の言葉まで口にするものだから。ああ、この子はチンチャ。踵を返して再びベッドへ腰を下ろすと苦笑いを浮かべる彼は日に照らされて少し眩しそうで、何処かあどけない。寧ろもっと寄りかかってくれていいんだけど、なんて勝手な歯痒さを抱くのはきっとどうしようもなく惚れてしまっているから。「 何でお前が感謝するんだよ。これは俺たち二人の秘密なんだから、二人で解決するのは当然でしょ 」少し不満げに唇を尖らせるものの、掻き上げた髪も困ったような笑みもなんだか崩してやりたくなって今度はぐしゃぐしゃと髪をかき乱しながら撫で回す。「 …それより怪我してない? 」特別痛がっている素振りが見られないことから大きな怪我をしている心配はないと見積もるも腕を摩る仕草は痛々しく。眉を下げて顔を覗き込んでは、自ら乱した髪を整えながら頭を撫でる手はまるで愛犬を慈しむように。更に縮こまった大きな身体は恐らく先程の発言を懸念しているのだろう。俺が怒ると思ったのかな?お前と時間を共有出来るならそんなことどうだっていいのに。顔色を伺うように紡がれた言葉に思わず笑みが溢れそうになるが、同時に芽生えてしまう加虐心。頭を撫でていた手をぱっと離し、笑みの代わりに薄らと目を細めたのは態と冷ややかな視線を向けるためで。もし思考が具現化するなら彼に垂れ下がった耳と尻尾が見えるように、自分にもにょきっと悪魔の耳と尻尾が生えてしまうかもしれない。途端につんとした態度で床に下ろしていた足をベッドの上に放り出して体勢を変えると、下で息を呑んだ彼と向き合う形で打つ伏せに寝転がり「 ん~…あんで。だって結局俺のせいになっちゃったもん…─ほらミンギュヤ、そこに正座して。 」頬杖を付きながらつぶらな瞳を見つめ、床の上で反省を示せと言わんばかりにもう片方の食指をすぐそばの足元に向けて。そんなにいじらしく振る舞われたらもっと意地悪したくなっちゃうんだよ。上がりそうになる口角をできるだけ結ぶように努めてながら。 )
( カチャ...。まるで俺たち2人の秘密みたい。これから起きること見ること全部二人だけのものにしてしまおうと。誰にも知られないようにと閉めた鍵。彼の手によって部外者は立ち入ることができなくなったこの部屋で、秒針の音が相変わらず響いてる。自分よりも色の白い手が伸びてくると、先程までは髪に沿うように撫でていたから油断していた乱雑さに薄く目を細めては。その先で少々不満げな彼に 「 んん...。まじゃよ。」ごもっとも。だけど二人で解決するのが当たり前だなんて言わないよ。俺自身ひょんに助けられてばかりで、感謝を取り下げることもなくて。これからも続くだろう試練の日々を二人で協力していけばきっと…大丈夫だから。ね、こまうぉよ。戻った平穏の居心地の良さを彼の行動で実感する。此方を覗き込む表情だとか、心配してくれる声だとか。どれも変わらずやさしくて大好きな色。ほんの少しだよ、少しだけ、そりゃぁベッド下に落ちたんだ。全身が痛いけど怪我をするほどじゃない。「 お... うん。心配しないでひょん~、大丈夫っ。俺何回もベッドから落ちてるから... 」嬉々とした感情を表に出す余裕だってあるよ、ほら。君がいつものように髪を撫でてくれる感覚に自然と頬が綻ぶ。...まあ、どうしても引き攣ってしまうのには別の理由があるのだけど。_ ごめんなさい。申し訳ないという気持ちは本心で、謝罪も勿論嘘じゃない。でも...正直撫でてくれるやさしい手の動きから簡単に許してくれると期待していた。あっさり離される手と、向けられた冷ややかな視線。...うん?モンガ思ってたのと違うけど...? のそのそと体を起こしつつ、彼の様子を見届ける視線は不安げだ。“ あんで ” ベッドに横になった彼から発された言葉にぎくり。何度か瞬きをしてその場に茫然と固まった。「 うう、ごめん。ハニヒョン...、」ヨクシ…怒ってる? 眉を下げて顔を覗き込もうとするけど、伸ばされた指の通りしおしおと正座に座り直して。居心地わるそうに視線を逸らしては口元に持っていった爪を噛みそうになって…やめる、のだけど。「 ひょん~...。」くぅんと犬が鳴くように頼りない声音で彼を呼ぶ。どうしたら機嫌直してくれる?今の俺は彼のことで頭がいっぱいでまともに考えられそうにない。もし俺にできることがあるなら何でもするんだけどなぁ。相変わらず口を結んだままのやさしい笑顔のない彼。しゅんと頭を垂れては、「 ...ハニヒョン、」とまた名前を呼んで。「 聞いてほしいんだけど...。俺さ、クプ...ぁ、スンチョリヒョンに、ハニヒョンを取られちゃうんじゃないかってずっと怖かったんだよ。あのヒョン、めちゃくちゃハニヒョンと距離近いでしょ? 」許してほしいとは言わないから、ただ胸の内を伝えてみようと思った。「 それに、スンチョリヒョンとハニヒョンが親しいのは事実じゃん。スンチョリヒョンはボディタッチもするし、じょんはなーって名前も呼べるし...、えぇい、真剣に言ってるんだよ。」控えめに上目で見つめる。「 俺には叶わないものを最初から持ってるのが羨ましくて。俺にとってハニヒョンはこれからもヒョンで、俺は弟のままじゃん~…。」普通の恋人同士のように人前で君の名前を呼ぶこともできない。「 ...、そるちき、今も嫉妬しちゃうよ。……はぁ~っ。だめだ。、、ひょん、さっき二人で解決するのが当然って言ったでしょ。ハニヒョンの一番になれたって実感が湧いて嬉しかったんだよ、」なんの脈絡もなくひたすら紡ぐ彼への愛に、ふと恥ずかしくなればほんのり耳まで赤くして視線を逸らしてしまう。反省の意がとれないよな、と意味もなく姿勢を正したりして落ち着かないのも。やっぱきみのせいだって言ったら今度は本当に怒らせてしまうかな。)
( 全く可愛いにもほどがある。嬉々として大丈夫だと伝えてくるところも、自分の言葉ひとつで不安げな視線を向けてくるところも、どれも口元をだらしなく緩めるには充分過ぎる攻撃なんだ。よく言うことを聞いて膝を折り曲げながら座り直したかと思えば、丸めた手を口元に持っていったもののその短い爪を噛むことなく下ろしてしまうから。きゅん…っ、と胸から変な音が鳴った気さえするから恋っていうのは恐ろしい。いじらしくて愛おしくて、締め付けられる胸から目を背けるように頬杖を付いた手で口元を覆い緩んだ頬を隠す。そもそも怒るようなことは何もないんだから、謝ったりする必要もない。謝罪の言葉にだって今すぐ抱きしめて無条件に許してあげたいくらいにはお前を溺愛してるんだけど、ね?こういう時の彼は妙な引力があるから、もう天性のものだと思う。勿論加虐心を煽る才能。ほらまた、そうやって犬の鳴き声のように俺を呼ぶから…はぁ、ミチゲッソ。口元を隠したままぷい、とそっぽを向いて綻んだ唇が彼の目に触れるのをなんとか回避した、はずなのに。また弱々しく呼ばれた名前に素直に視線を向けたのが間違いだったんだ。ぽつぽつと紡ぐ言葉が甘く心臓を突き刺してさっきとは比にならないほどじくじくと胸が締め付けられる。やっぱり彼をそこに座らせたのは正解だった、ベッドの上だったら今頃組み敷いてしまっていたから。今口を開いたら拗らせた愛情に任せて強い言葉を溢してしまいそうで、飽くまで口を挟まず黙って聞いていると。単に俺にとって都合のいい幻聴なんじゃないって疑うくらいの言葉が少し舌ったらずの大好きな声に乗って鼓膜に届いてくる。脳内に何本かある理性の糸が一本プツン、と切れた気がするけどケンチャナ、まだ何本もあるじゃん。ほんのり赤に染まった耳を眺めながらゆっくりと貰った言葉を噛み砕いて胸に落とし込む。騒がしい胸の内とは真逆に一周回って無表情だった口を開き「 ─……ミンギュヤ、 」とぼそり。不意に首の後ろに手を添え直近まで引き寄せて「 本当に反省してるの…?ほら、手は膝の上。 」まるで命令のように囁けば結んでいた口元を少し綻ばせて。言いたいことは山程ある、けどもう我慢ならない。徐に噛み付くように目の前の唇を奪えばちゅ、ちゅむ、と音を立てて好き勝手に貪り。下唇を食んだり軽く吸ったりと決して思い遣りがある口付けではなく、恋人を床に正座させたままなんて相当趣味が悪いかもしれないな、なんて顔の角度を変える合間に“ んふ… ”小さく笑ってしまう。なのに重なる唇がきもちよくて、でもなんだかおかしくて。怒っているという設定が早くも何処かにいってしまうが理性はしっかり保っている。早々切り上げるように最後に形の良い唇をぺろ、と舐めて顔を離せばこつりと額同士を合わせ「 …俺はね、世界で1番お前が好きだよ。みんぎゅ 」先程の態度とは一変して紡いだのは甘ったるい声色。「 でもスンチョラと仲良しなのは明日からも変わらない。大事なチングだし…、…だからね、そのまま嫉妬してて? 」そんな台詞を吐くにも関わらず目の前の彼が愛おしくて緩やかな笑みが浮かんでしまうんだから、我ながら大人気ないと思う。こんな事でさえ全部この関係のスパイスになるって言ったらお前は呆れるのかな。「 ねぇ、…お前の彼氏が優しく不安を取り除いてあげるような男だと思ったら大間違いだよ。 」だってその嫉妬も嬉しい気持ちもヒョンにくれるんでしょ?全部ってそういうことだもん。悪戯に笑い額を離して目尻を垂らしながらじっと見つめる。「 …そもそもミンギュは弟である前に俺の恋人じゃん。なら二人の時はヒョンじゃなくて…なんて呼べばいいんだっけ? 」半ば問い詰めるような口調だが彼に向ける声と表情はどうしても柔らかいものになってしまって。首の後ろに添えていた手を耳裏に移動させては、正面からは確認出来ないもののさっき付けた赤黒い証を指で撫でながら「 ね、チャギヤ…。 」なんて特別な感情が籠ったそれは歯が浮くほどに甘ったるく。 )
( 今まで抑えては溜め込んできた想いが次から次へ溢れていく。相変わらず微笑みのない表情は不安で、そんなことはないだろうが愛想を尽かされて一日も経たないうちに別れを切り出されたらどうしようなんて心配さえ募ってくる。それほど想い続けた彼を手放すなんてもう出来ないんだ。逸らしていた視線を慌てて目の前へと向けたのはぼそりと彼が俺の名前を呼んだから。するりと伸びてきた手が首に触れると不安げに眉を下げつつ、至近距離の圧に負けて 「 ネー… 」チェソンハムニダ...。しゅんと肩を竦めて膝の上に両手のひらを置いた。刹那彼の髪が肌に触れて、ぞく、と背筋が甘く痺れていく。律儀に膝の上に置いていた手を徐々に丸くし拳を握り、どうして口付けされているのか理解できないまま応えて。上唇を食み、味わうようにじっくり吸い上げる間もなく角度を変えてはどこか余裕のない触れ合いに胸がぎゅぅと締め付けられる。目を細めた先でほんの少し笑った意味だって知る由もない。大好きな人と唇を重ねるのがこんなにもきもちいいなんて、そんな思考に塗り替えられては控えめながら求めるように片手で彼の腕辺りの衣服をギュッと掴んだ。二人の間に光が邪魔するけど、それは可愛らしく触れた額によってまた封じられる。軽く息を整えながら浮かべる恍惚の表情、あぁオットッケ。俺こんな幸せでいいの? 胸にとくとくと響いてく彼の甘い声音に滅法弱い。いつの間にか不機嫌モードが消え去った嬉しさよりも、きっとこの世で一番嬉しい言葉を聞けた嬉しさが圧倒的に勝って。ひょん…っ!嬉々として声に出そうになるが抑えられたのはその後に続けられた言葉のせい。...まぁ当たり前ったら当たり前だ。恋人だからって友人関係まで影響を及ぼさせるのは束縛と同じでしょ。とは思うもののどこか不満げに唇を尖らせて。「 じゃあ...俺が嫉妬でおかしくなったらどうするんだよ~。」はあ~本当にこのひょんは。たしかに俺は“全部あげる”と言ったけど、まさか嫉妬までかっさらうなんて本当に悪いひょんだよ。悪戯に笑う表情にどきっと胸が鳴って、悟られないようにと平然を装うのも手遅れかな。目尻を垂らす眠たげな笑みが大好きだった、今も勿論変わらないけど。視界に入るもの、耳に入るもの。全部穏やかでやさしい天使そのものなのに。あーぁ、きみは悪魔の皮をかぶった天使じゃんか。天国に連れてってくれると思ったら誘導されてるのは地獄への道だ。そう道を示したのは紛れもなく俺だけど、二人きりの空間に“ヒョン”を捨てたら後戻りはもうできないね。指が触れた擽ったさ、ぴりっと走る痺れに目を細めては。追い打ちをかけるように恋人を呼ぶ甘ったるい声音が真っ直ぐ胸に沁みて、抑えていた思いが爆発する。嬉しいような悲しいような、どっちとも取れない感情が込み上げて涙袋をぷっくり膨らませて。「 ......。ん、ジョンハナ。」鼓動がばくばくと激しさを増す。君への想いが重なる度こうして秘密も重なっていくんだ、それを守る覚悟はある?良くはないのにそれでもいっかと諦めがつくのは君がずっと傍に居てくれると信じてるから。膝の上の手も聞きつけを破って伸ばす。そっと壊してしまわないように触れる手を柔い頬へと添わせて。「 世界でいちばん?それなら俺は宇宙でいちばんだけど、」ひひ、とあどけなく笑うのも緊張が解けた証。許しなんて貰ってないけど、いいよね?「 愛してるってこれからも言わせてよ、じょんはな。」頬の膨らみを撫でて彼の愛おしい瞳を見つめたあと、頬から手を離しては首に回し、そのまま飛びつくようにベッドへとなだれ込んで。埋めた首にちゅっ、と強めの口付けを。天使のふりしたきみ、君のいない天国よりも君のいる地獄を選ぼうか。)
( そんなの決まってるよ。嫉妬でおかしくなったお前をたっぷり可愛がってあげる。そうしてその嫉妬は余すことなく隅々まで俺が貰うから…ほら、万事解決じゃない?緩やかに上がる口角とぷっくりと膨らむ涙袋が視界を占領すると、次にその口から発せられる音はもう決まっているようなもので無意識の内に耳を澄ませてしまう。鼻に掛かった低い声が優しく自分の名前を呼ぶから、なんだか照れ臭くて擽ったくて。呼ばれた名前は脳内に甘く反芻するけど、同時にずっしりと重く胸を縛り付けるみたいだ。それが堪らなく嬉しいなんて昔の自分からすればやっぱりどうかしてるけど。…アンデ、この子が好きだ。お前に呼ばれたそれは思っていたよりしっくりきて、予測では似合わないと意地悪を言うつもりが思わずはにかんでしまった。遂に“ ヒョン ”まで手放してしまったらただの恋人同士なのに。それでも皆の前ではこれから先もお前のヒョンで、交わした口付けも触れ合った熱だって秘密だから。宇宙でいちばんだって言うならこの秘密が苦痛だけじゃなくてちゃんと甘い蜜になるように、ちゃんと調整してお前の口に運んであげる。「 やぁ…、生意気。 」言葉とは裏腹に嬉しそうに緩んだ口角を隠し切れずにいると律儀に膝の上に置いていた手が頬を包むけど、最初から咎めようなんて思ってない。切れ長で犬科のようなつぶらな瞳を愛おしそうに見つめ返しながら二回目に呼ばれたそれは愛の言葉とはあべこべに少し舌っ足らずだし、あんまりあどけなく笑うから、まるで。…えぎじゃな。「 んへ …うん、これからいっぱい聞かせて? 」緩い笑みでそう返した途端なだれ込んできた大きな身体を受け止めてベッドの上で縺れ合えば、そのまま腰を抱いたついでに長い両足へ脚を巻きつけホールドする。少し強引に落とされた首筋への口付けにぴく、と肩を竦めつつも小さく漏れた声と共に心地良さそうに目を細めて。例えば愛してる、とか。浮かんでくる言葉なら沢山あるんだけど自然と声に乗ったのは。「 モンガ…赤ちゃんみたいだね、おまえ。」ふくふくと悪戯に笑いながら首に埋められた頭を撫でる手付きは子供にするように優しく。ふと彼の丸っこい耳に口元を寄せて「 …おれのかわいいみんぐ、 」綿菓子のように甘く囁き子供をあやすように撫でる手は止めないにも関わらず密着した胸からはとく、とく、とリズム良く跳ねる脈拍が筒抜け。脳内は彼でいっぱいな上に最早 好き と 可愛い で詰め尽くされてしまって、恋をするとこんなにもIQが下がるものなの?だってもう黙っておくには愛おしさが破裂しそうで、薄く開いた唇から想いが溢れ出すのをただ彼の耳元で垂れ流すことしか出来そうにない。「 ─…好き、好き。みんぎゅや…すき、だいすきだよ。 」とびきり甘い囁きを鼓膜へ注ぎ込むようにとめどない愛を。心に留めていたものをそのまま口にしてしまえば最後、駆け引きでも何でもない本音が胸から溢れて喉元にどっと押し寄せる。「 はあ、オットケ~…俺お前が可愛くて仕方ないや。んん~… 」出来ればある程度は理性的にコミュニケーションがしたい。自分の心に収集が付かなくなる発言も避けたくて言葉を喉の奥に押し込むように悩ましげに唸ってみるものの、不本意ながらあまり余裕がなくなってきた。今にも本心が唇の隙間から漏れ出してしまいそうになり腰に回した腕に力を込めて強く抱きしめ、先程跡をつけた方の耳に鼻先を埋めて気を紛らわせるようにすりすりと。 )
( 部屋の外から微かに聞こえる生活音。どこも同じ時が流れているはずなのに別世界のようにゆったりと時が流れる静寂の空間に、ずっと呼びたかった貴方の名前を響かせる。年功序列に反した自分が正に言われるべき台詞に ふふ、と溢れるのは満足気な微笑み。こんなにも唇に馴染むのならもっと早く言えたらよかったのになぁ。ジョンハナ、なんて嫉妬の元凶だった名前を。今度は俺の声で焼き付けてね。彼の花咲く笑顔にきゅ~~っと胸が締め付けられて、居ても立ってもいられない俺は体を使って愛を伝えてみた。鼓膜を震わせるきっと俺しか知らない甘ったるくとろける声だって何度も聞いたはずなのに、彼への“すき”を何度も新鮮にして。絡んだ脚の感覚だって肌が直接触れるわけじゃないのに心地よくて次から次へ多幸感に包まれていく。“しあわせ”を直に実感して緩みっぱなしの頬が永遠に戻らなかったらどうしよう、なんてパボな危惧をするのに。彼の匂いで胸いっぱいにする傍ら、耳元で拾った声にほんの少し眉間に皺を。「 ...赤ちゃん?なんで? 」少々不服そうに埋めた顔を上げると上目で控えめに彼の表情を覗こう...としたが、大好きな手が髪に触れる感覚に首元へとすぐさまカムバック。肌に唇を付けてふふ、と笑う。彼の甘すぎる声が脳内まで溶かしていくようだ。彼のものになれた、その実感が全身を巡る甘い痺れへと姿を変えていく。「 ...んふ、くすぐったいって 」今度は不安なんてない。自分と同じ鼓動が本心だと教えてくれるから。ああ、あぁ...もうアンデ~!彼も俺も、同じくらいの愛を持ち合わせてるはずなのに。君はとめどなく俺に愛を伝えてくれるから、受け止めきれずに器から溢れてしまうんだよ。「 はぁ~~っ、はじまぁ~。俺だってだいすきなのに... 」ただでさえだいすきな君にそんなにも好きを連発されちゃぁ本当に本当におかしくなっちゃうじゃんか。困ったように口元に苦笑いを浮かべて。「 どうにかなればいいじゃん、俺が言ってたみたいに…俺はじょんはなのせいでどうにかなる寸前だよっ。」さらに密着した体に高めの体温をおすそわけ。彼の些細な動作でさえ愛おしくて、回した手でするすると服を撫でる。吃る彼の声を気にかけて耳を澄ませたせいで擦り寄る感触はひどく擽ったい。「 ...。ね、ジョンハナ~...、キスしたい。ぁ、あに、顔戻してくれないとできないじゃん~...。」片手の指先で彼の柔い髪を遊ぶようにいじって。ふつふつと湧く衝動を抑えるように控えめに彼へと尋ねる。緩やかに尻尾を振るのに、耳は垂らしたまま。自信なさげに呟くのは相変わらずで。)
(/ こんばんは。お世話になっております(*^^*)
度々背後から失礼いたします。
あけましておめでとうございます~.*・゚
昨年は出逢って間もないにも関わらず50スレ達成と沢山お付き合いいただき本当にありがとうございました...!( ; ; )
ついこの前も最高すぎるあまり何度か卒倒しかけましたが、本年も素敵な文を拝めると思うととても幸せです...
背後様の展開の仕方が非常に大好きで。お返事が来る度毎回歓喜の小躍りしております( ; ; )
いつもいつも本当にありがとうございます。
またtv露出がいくつかありましたがご覧になられましたか?.*・
公式からもとんでもないjhmg上がっておりましたね。
これからも緩くお付き合いいただけたらと思います...!
今年もどうぞよろしくお願いいたします* )
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