サン・テグジュペリ。 2022-11-20 11:57:35 |
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んん、ありがとう中也…えぇ、そうよ、おまじないも付いてくるわ
(二度目に言うのを中原に阻止して貰えれぱ、ほっと胸を撫で下ろしつつも、問いかけには頷いて見せた。厨房代わりの方へたたっ、と走っていけば、作ってもらうように伝えに行く。暫くしては、二人分のオムライスをもって戻ってきて、彼らの前に置く。「それじゃあ、美味しくなるおまじないをかけさせて頂きます、宜しければご主人様もご一緒に、…お、美味しくなーれ、もえもえ、きゅん、!」と手でハートを作りながらおまじないをかけて、)
……………
(あまりの感動に言葉にならずに黙ってしまう。なんだったら心の中は彼女の可愛さに当てられて完全に死にかけではあるが。中原は「こんなことしないといけねぇなんて大変だな」と完全に同情したような目をして。ようやく我に返った太宰は「これ、オムライスを注文する度にやってくれるって事だね?」と期待した目で彼女を見て)
大変…みんな面白がるから、
(中原からの同情の言葉に肩を落としながらも、太宰からの問いかけに、「何頼んでもやる決まりになってるわよ?」と答えつつ、二人のオムライスにケチャップでそれぞれの名前を書いては、他の客に呼ばれ、「ごめんね、」と声を挟み、そちらに注文を聞きに行き)
なるほどねぇ…次は何にしようかな
(何を頼んでも、というワードにメニュー表を開いて。名前を書かれたオムライスを食べながらも彼女の姿を目で追っていて。見ると、さっき中原が注意したクラスメイトらが「ちょっと、あんたのせいで水かかっちゃったんだけど」と大きい声でイチャモンをつけている。明らかに彼女が来る前に濡れていたようだが)
あら、…大変!失礼するわね、
(イチャモンつけられても嫌な顔ひとつせずに、相手の濡れてしまっているスカートを手持ちのハンカチで拭いてやる。ここで変に反応してはこっちの立場が弱くなるってものだ。「ごめんなさいね、手元が緩いみたいで。」と謝罪までして)
さっきの人達だね
(声がする方を見て据わった目のまま呟いて。中原もじっと睨むように見ている。その2人が見ていることに対して、何を勘違いしたのかさらに気が大きくなっていくクラスメイトらは「クリーニング代とか出してもらわないと困るんですけどー」「制服って高いよねぇ」「手元も股も緩いよねぇ」なんて言って困らせている。それを見ていた太宰は当たり前のように裏方へと入っていく。それを止めるクラスメイトに「まぁまぁ」なんてかわして)
…調子に乗るのも大概にしなさいな。
(拭き終わっては、彼女達の発言に歯を食いしばる。すると、不意に立ち上がり二人を見下ろしては、珍しく、軽蔑する様な冷酷な視線で見下ろす。その声も、凍てつくように冷たく、低いものだった。苛立っているのだろう、表情も無表情で、彼女達に顔を近付けては、「やろうと思えば、貴女達を退学にさせる事も容易って事を忘れないで。」と耳元で脅して、)
失礼、うちのメイドがなにか不手際をされましたか
(いつの間にか執事服を来て裏から出てくる。さすがの美形なのか周りからは羨望の視線を浴びていて。こんなことで彼女が気を病んだり、悪役になる必要も無い。土器を顕にしている彼女の肩に手を乗せて下がるように促して。その2人の雰囲気に気圧されたの、何もクラスメイトらは何も言えず)
え?……え?あ、…治、どうしたの、その格好は、
(後ろから不意に声を掛けられれば、振り返るも彼の姿に目をぱちくり。苛立っていた気持ちはどこへやら。彼の姿に見蕩れてしまいながらも彼女達を気圧させている彼に、思わず尊敬の念が沸き上がる。すると、彼がいるからかふっといつもの笑みを浮かべて)
…ここでは治様と呼べって言っているでしょう?
全く、教育が足りてないみたいですみません
(なにかの役に入り切ったのか、呆れたように目を伏せて肩を竦めてる。きっと彼女も大事にしたくないだろうし、収めるにはこうするしか無かった。まごついているクラスメイトらは「もういい、行こ」と行ってしまう。それを見送ったあと「大丈夫だったかい?」と、いつもの太宰の顔で心配そうにして)
ぁ、あ、……えぇ、大丈夫、だったわ、
(いつもと様子ががらりと違う太宰に思わず、場違いにもどきどきとしてしまう。当の彼女達が居なくなった後、いつもの表情に戻っている彼に頬から耳まで赤く染めつつも、こくりと頷き、熱くなった顔を隠そうと、手で顔を覆って、)
ぁ、あ、……えぇ、大丈夫、だったわ、
(いつもと様子ががらりと違う太宰に思わず、場違いにもどきどきとしてしまう。当の彼女達が居なくなった後、いつもの表情に戻っている彼に頬から耳まで赤く染めつつも、こくりと頷き、熱くなった顔を隠そうと、手で顔を覆って、)
それはよかった
ね、どう?この服、借りてきたにしては似合ってる方じゃないかい?
(自信ありげに彼女の顔を覗いてみて。やっぱり耳が赤くなってる、なんてクスって笑って。顔を覆ってしまう彼女に「どうしたんだい」とからかってみる)
に、似合ってるわ、…その、…かっこよすぎて見れない…、
(太宰の言葉に何度か頷きながらも、からかいにまともに、答えてしまえば自分でもはっとしてしまい、「なんでもない!」と首を横に振っては、太宰から離れるように他の客の注文を取ったり、案内をしたりし始めて、)
それは嬉しいよ、何だったら貴方だけの執事になりたい所だけど…
(彼女の言葉に周りが見たら勘違いしてしまいそうな程の、笑顔を見せてそんなことを言ってみる。周りの「注文いいですか?」なんて言葉に「お伺いします」と、さっき見せた笑顔とは違った、少し作ったような顔で言って。「またあとでね、メイドさん」と、彼女の耳元で呟いてその横を通りすぎ)
はゎ、……、
(太宰の笑顔や声色に思わずどきどき。何だか恋する乙女みたい、と顔を真っ赤にしながらも、とにかく仕事をこなしていく。他の客の卓に料理を置きに行っては、おいしくなーれ、とおまじないを掛けつつも、ふと思い出したように中原に近付く。「私のシフト終わったら、少しばかり一緒に回らない?」と誘ってみて、)
国木田先生、私がおまじないかけてあげようか
(近くを通り過ぎただけの国木田を捕まえて、ニヤニヤと教室へと腕を引いて。「お前におまじないなどかけられたら、俺は一生悪夢を見ることになるだろうな」と腕を振り払われたあと、「お前はこのクラスじゃないだろう」なんてげんこつを食らっている。中原はその様子をもっとやれ、と言いだけに見ているところに声をかけられて。「俺はいいけど、手前はいいのかよ」と聞いてみて)
えぇ、治は多分他の女の子と回るでしょうし…たまには二人ってのも悪くないでしょう?
(国木田先生可哀想、なんて笑いながらも中原からの問いかけには頷いてみた。眉を下げつつも「本当は3人がいいけれど、」とつぶやいて)
水のおかわり如何ですか
(国木田に振り払われた後、2人が話しているのを見て足早に近づいて。二人の間に割り込むようにして、水差しを机の上にどん、と少し大きめの音を立て置く。「ところで、なんの話ししてたのかな」と、中原の方を見ずに、彼女の方だけに話しかけて。)
わっ、!…あぁ、えっと。そろそろ交代の時間だから一緒に回らないかーって、
(コップを置く音に驚きながらも、太宰に対してそう答える。「治は他の女の子と回るだろうなって思ったから中也だけ誘ったんだけれど、…治も一緒に回る?」と首を傾げ)
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