サン・テグジュペリ。 2022-11-20 11:57:35 |
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っ、……
(芥川の言葉を聞いては、思い当たる節があまりにもありすぎて、いつもならば大丈夫よ、なんて明るく云う所を珍しくも沈黙してしまう。どうしよう、と思考を張り巡らせるも、その友人の時にはただ見えていただけだったから何とか対処出来たが、聞こえるとなると対策が分からない。気の所為では片付けられない、どうしよう。と自身の下唇を噛みながらも考えては、やはり思い付かず、中原でも敦でもなく、太宰に、泣きそうになりながら「どうしましょう…、」と問いかけてしまい、)
芥川君、彼らはなんて言ってるんだい
(不安そうな彼女の肩を抱き寄せて。優しく、けれど鋭い声色で芥川に問いかける。数秒の沈黙の後、不機嫌そうな顔をして口元を抑えて「全て聞くに耐えん他責思考の類だ、いい歳をしているというのに恥も知らぬ、死しても尚邪魔をするかのようにひたすらにくだらん雑言を言っている」と明らかに怒気を露わにして言う。何を言っているかをそのまま言わないのは、芥川の優しさからきているのだろうか。)
……そう。そうなのね、…ちゃんとお祓いとかはしたのだけれど、…、
(肩を抱き寄せられては、少し安心した様子で深呼吸をしながらも、その息は震えていて。芥川の言葉を聞くなり、フラッシュバックした遺書の内容に、顔色を悪くしながらも、肩を小さく震わせた。思考をフル回転させながら、どうにかして彼に罵声を聞かせている両親の念を鎮めなければ、と顔を上げては、「盛り塩でもしてみましょうか?そしたらすこしは収まるかも、しれないわ。」と明るい声色や表情で告げてみて)
もうその必要は無いみたいだよ
(苦笑いをして言う太宰が指さす方には、どこからか引っ掴んできた塩を、両親がいるであろう片隅へと投げつけている芥川が居る。その芥川の顔は無表情というか軽蔑しているように見えて、かなり冷酷そのもの。そんな彼を必死に止める2人がいる。「何してんだ手前!」「全く僕にはこの状況が理解できてないけど、お前がおかしくなったって言うのは分かる!」「いきなり人様の家に塩をぶちまける奴があるか!!」「え、そっち!?」「そんな事情知らぬ、僕は不愉快だからこうしているだけだ」「馬鹿なのか!?」)
…わ、ぁ、…ふ、ふふ、一寸、杞憂だったみたい、
(塩を投げつけ始めた芥川に、糸が切れたようにふっと柔く笑う。それを止めている二人にも、ついつい笑ってしまった。なんだか嬉しくて、暖かくて。笑いが止まらず、目尻に浮かんだ涙を指で拭っては、「そこまでやれば流石に居なくなったはずよ、ありがとう芥川くん。」と目を細めて)
…わ、ぁ、…ふ、ふふ、一寸、杞憂だったみたい、
(塩を投げつけ始めた芥川に、糸が切れたようにふっと柔く笑う。それを止めている二人にも、ついつい笑ってしまった。なんだか嬉しくて、暖かくて。笑いが止まらず、目尻に浮かんだ涙を指で拭っては、「そこまでやれば流石に居なくなったはずよ、ありがとう芥川くん。」と目を細めて)
今日は私たちが居るから心配はいらないよ
(内心、自分には見えなくてよかったなんて安心してしまう。もし見えていたら、消えた両親に対して何をするか分からなかったから。自分も含め、あの3人が居るし特に今日は何も起こらないだろう。「ご飯、冷めてしまうし食べてしまおうか」と提案して。机のうえにはカレーライス、シーザーサラダ、トマトスープが配膳されている。芥川は自分のカバンの中から財布を出して1000円札をサンの前に差し出して)
ふふ、本当に心強いわ!今日貴方達を呼んで良かった、
(満面の笑みを浮かべながらも、心底嬉しそうな声色へと戻る。太宰の提案に頷きつつも、机に並べられた美味しそうな料理達に、感嘆の声を漏らしては、「すごい!美味しそう、!」と軽く拍手を送った。すると、芥川から1000円札を差し出され、目を丸める。何の1000円だろうか、と首を傾げながらも、「どうしたの?大丈夫よ?」とその1000円札を受け取らず)
そうだとも、これからは何かあったらすぐ私に…
(すぐに自分だけに依存させようとする。美味しそうと喜ぶ彼女に「これくらい普通だろ」と少し呆れたように中原が言う。「塩の料金、及び清掃代として」と小さく言いにくそうに言葉を繋いで。さすがに悪いと思っているのか、いつもの無表情ではなく目がかすかに泳いでいる。「それだじゃ足りないだろ、サン先輩、一発叩いたほうがいいですよ!」と自分の事のように怒る中島には反応せず、「貴方がそう望むのであれば」と頭を小さく下げる)
ふふ、そうね。何かあったら、貴方達を、…治を頼りにするわ、
(太宰の言葉を受け取れば、目を細めながらも頷いてみせた。目の前の料理に対し普通だといえる中原の生活力に驚きながらも、芥川の気遣いに思わず感心してしまう。だが、一発叩いた方がいい、と言う敦やそれに対し言い返さなき芥川に眉を下げながらも、芥川の頭を撫でてやる。「気持ちだけ受け取るわ、お塩なんて簡単に掃除できるもの!それよりも、本当にありがとう、芥川くん。」少しだけ、あの怨念の呪縛から放たれた気がした。そこまでは言わずとも、心の底からの感謝を告げて)
24時間365日、いつでも駆けつけるよ
(「何だったらここに住ませて頂きたいくらいだ」と、ちゃっかり同棲に流れこもうとしている。先輩として私もなにか言ってあげようと芥川に「感謝は受け取るものだよ、君のしたことに意味ができるからね」と薄く微笑んでみて。頭を撫でられた芥川は一瞬、目を見張ったが抵抗はせず。お礼に対しては何も言わずに「……せめて、掃除はする」と一言。そんな3人に「冷めちまうから食ってからにしろ」と、まるでお母さんのように中原が言う)
あらあら、部屋はいくらでも余ってるから是非来てちょうだい?
(そんな同棲の誘いを、珍しく断らずに小さく微笑む。掃除はする、と言った芥川に少し悩みつつも、これも断ったら可哀想だと思えば、「なら、お願いしようかしら。」と目を細めた。すると、母親のようなことを言う中原に、はぁい。なんて返事を返しては、手を合わせて、いただきます。と言えば、まずカレーライスから一口食べて)
本当かい!?それならもう今日にでも
(断られると思っていたから一瞬、驚いたがその申し出を受け入れようとしてる太宰の背中を中原の蹴りが入る。「手前みたいな害悪な獣と一緒にできるわけねぇだろ」と吐き捨てて。珍しく素直にうなづいた後、芥川も席へと着いて。いただきますと手を合わせて、ご飯を食べ始めて)
あらあら、ふふ。
(獣だなんて、酷い言われようの太宰にくすりと笑いつつも、そのカレーの美味しさに感激してしまう。人の手作りなんて何年振りだろう。幸せを噛み締めながらも、満面の笑みを浮かべながら中原と敦に、「美味しい!」と告げて)
中也にしては上手なんじゃないの
(少し不格好な切り口の人参を見つけて「これは敦君が切ったやつだね」と当ててくるから、その言動に引きながら「はい、そうですけど…」と中島が返事をする。「んな事言うなら抜きにするぞ」とここでもお母さんのようになってしまう中原の隣で、もくもくとカレーを食べる芥川)
ふふ、……幸せだわ、
(みんなの会話を聞きながらも、カレーをぱくぱく。シーザーサラダや、トマトスープも食べつつも、小さくそう呟いては、目を伏せ微笑む。家族だなあ、ふとそんなふうに考えつつも、その、底知れない幸せに涙が滲むのを堪えて)
…中也、私プリン食べたい
(いつもから少食のためか、食べ終わったようで彼女の涙を滲ませる姿を見てふんぞり返って中原に言う。「もちろん豆乳のね」と付け加えるものだから「手前のわがままも1個1個聞いてきた俺も馬鹿だったが、いい加減にしろ」と怒ってしまう中原に「えー、豆乳ないの?なら買ってきてよ、サンも食べたいよねぇ?」と、買いに行かせるように促して。食事を終えて片付けをしている中島にも「敦君も、お風呂入って来た方がいい」とお風呂場へと促す。床の掃除を終えた芥川は気分不良のためか、離脱してソファーで座って寝ている。太宰は何故、彼女がないているかを聞き出すのに必死のようで)
……ぁ、え?ああ、豆乳プリン…そうね、食べてみたいわ!一緒に買いに行きましょうか?
(全く話を聞いていなかったようで、太宰に食べたいよね、と言われれば驚いた様子で目をぱちくりとさせつつも、頷いては首を傾げる。何やら太宰は、周りから人を居なくならせようとしてるな、と察しつつも、目尻に浮かんだ涙を軽く拭っては、)
こんな夜に女の子を出歩かせる訳には行かないよ
という訳で中也、行ってきてよ
(それを聞いた中原はまた吐き捨てるように「これっきりだからな」と言って、財布を掴んで出ていく。「お風呂、先に借りますね」とタオルと着替えを持ってリビングを覗いて言った後、お風呂場へと行って。それを見送ったあと、彼女に「そこに座ろうか」と微笑んで)
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