鍔 2022-09-23 23:31:31 |
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…では、どうぞ暫くお寛ぎください。監査官殿にとって過ごしやすい本丸であるといいのですが。
( 政府所属の刀剣男士の話を聞ける機会はそう多くない。想起するのは畏まった監査官としての破敵剣の姿。政府では常にあの振る舞いを続けていたのだろうか。どれだけの年月を政府でも過ごしたのかは分からないが、きっと肩が凝る思いをしたことだろう。思う存分狐を撫でて過ごせばいい。今朝彼も言っていた通り、ここでは政府の目もないのだから。運営が芳しくない本丸にしか赴くことのできない彼をほんの少し哀れみながら、呟くような平坦な声音を落とし。
ごねごねと床をのたくる威厳のない管狐を撫でること数分、時間の流れがあまりに伸びやかで、心地良い眠気が優しく手招きする。ここに寝具があれば寝てしまいそう。猫のように背中を丸め、立てた膝に顎を乗せてうとうとと体を揺らす中、側で聞こえた彼の声に薄目を開ける。今朝と同様に遅れて要件を思い出し、ふるふると頭を振って眠気を晴らして気付を。曲がった背筋を伸ばして居直り、立て続けに三つ問う。芳しくない返事は想定内で、後にいくほど歯切れが悪く声が窄まり )
あ……そうでした、その話をしに来たんです。
午後の内番は如何でしたか?歌仙とは上手く付き合えましたか?皆に何か、……失礼なことを言われたりとかは……
( 自嘲の蓋で感情を制した声に違和感を覚えるには、主の為人をまだ知らぬ。その手落ち故、単に社交辞令かと聞き流すだけの対応をとった。
後は昼間の騒ぎが嘘のように数分程穏やかな時間。威厳の欠片も窺えぬ霊狐をかわいがってやる小さな主の手、じきに眠そうに遅まりゆく。それをぼんやり眺めるのは、本丸の中でこの納屋だけが時の流れを外れたかのよう。
萎縮しきった問いかけを向けられた事で漸く頭を緩くもたげ、不安そうな顔を見返し、憂いを払うべく片手をひらり。長期間の監査というのは形骸だ、主は怯えなくていいのだ。この本丸を失うまいと必死なのは主以上に政府の方。花登の娘はそれだけ替え難い人材と聞く。今すぐは無理でな話も、いずれ期待に足る矜恃を身につけてくれると理想であるが、今宵はそう伝えるのも控えておくべきと見る。
ならせめてもの安心にと、正直に答えながら両手を絡めてぐうと伸びをし、やおら立ち上がり戸の方へ。出ていく前に振り返り、こんのすけの傍に置いたままの万事印の荷物を指さす。ちゃっかりと、中に残っている油揚げの包み紙も処理して貰おうなんて横着な魂胆は、当然御首にも出さずに )
いーや、なーんにも。今日はやるだけ真面目にやったし、それなら歌仙も目くじら立てる事もなかった、って感じだな。
明日からはどうなるかわかんねぇけど、まだなるようになるだろ。…そうだ、そこの紙袋ン中。今日の詫びと礼が入ってっからよ、遠慮せず好きに食べてくれよな。
(/遅くなりすみません;;とうとう大包平極が実装されましたね!!いよいよの対面は土曜日との事ですが、まずはおめでとうございます…!!!修行先からのお手紙も楽しみですね!)
詫び、……礼?ですか。お受け取りしますが、どうかお気遣いなく。
( 心安く空を切る隻手に、胸に支えた憂慮が容易く溶かされるのを感じ、同時にその隔てのない態度に甘えていることを自覚する。きっと彼が初日のままの振る舞いであれば、言葉の一つで背筋を丸めず、改めて気を引き締めていただろうに──相手の態度によって反省を欠いて良いものか。より一層励まなくては。
改めて決意表明をする前に、床に置かれた紙袋を示され視線を落とすと、礼という点が腑に落ちず一瞬語尾が上がる。買い出しに付き合ったことだろうか。訊こうかとも思ったが、疲れている相手をわざわざ引き止めることもないだろう。表情に表れる疑問を拭わないまま紙袋を手に提げ、改めて彼の方へと向き直ると、今宵の良い夢路を祈って一礼し )
本日はお疲れ様でした。夜は冷えますから、暖かくしてお休みくださいね。
(/ お疲れ様です!お返事についてですが、数日程度であれば全く問題ございませんので、無理なくお相手くださいませ。
改めてお祝いありがとうございます~!非常に筆舌に尽くし難い気持ちです…溜めてきた云千個の金平糖を早く漏斗で口の中に流し込みたいです……;;一緒に土曜日をそわそわ待ちましょう。
一応ご確認のために申し上げますが、相談通り次のこちらのレスで軽く鏡の描写を入れて二日目を締める予定ですので、破敵剣さんもおやすみ~とお部屋に戻ってくださると幸いです。翌日からは暫し歌仙さんとの交流をお楽しみください! )
あいよー、そっちもお疲れさん。
( 眠りの淵に先刻一度は近づけど、最後は斯様に温良恭倹を忘れない。真面目な気立ては主としてまさに申し分なし。なればこそ、この本丸の著しい成績不振は不思議なものだと首を傾げるも、それを今宵考え込むには既に思考が聊か鈍い。明日以降の猶予ならとくと与っているのだから後回しにしてしまおうか。くぁと呼応の欠伸を漏らし、背中で就寝の挨拶を返した。
私室で二度目の深い眠りを堪能し、監査に入る事早くも三日目。本丸内の廊下には秋のこがねの朝陽が差し込む。変わらず崩れたあの態度で大広間にのっそり現れ、湯気の立つ朝餉をぺろり平らげ、皿を洗って内番の場所へ。今朝も今朝とて、あの目敏い初期刀がそばにつくのだと知ってはいるが、それでもありもしないやる気を絞り出すなど叶わぬ話。気の抜けた立ち姿で待機を )
(/ありがとうございます~!お言葉に甘えさせてもらいました、週末はまた頻度高めで返せる予定です◎なんて言ってるうちにとうとう極包平帰還が明日に迫りましたね…!今頃お手紙を何度も何度も読み返しているころでしょうか、こんぺいとうを流し込まれる大包平の図はにこにこしちゃいます。
リマインド感謝申し上げます。心機一転、破敵剣と伊万里様本丸の刀剣たちの日常風景を一緒に楽しんでくだされば幸いです**)
( 背中を見送り一息つく。力が抜け、肩が下がると共に、体を包むような眠気を感じて小さく欠伸を。預けられた紙袋を提げ、満腹の管狐を外に出して納屋を閉め、温かな布団の待つ寝室へ続く廊下を急ぐ。
夜更けの本丸は少し怖い。翌年には二十歳を数える身で何を言っているのか、と自分でも思うが、誰に吐露するでもない恐怖を抱くくらいは許そうか。しかし、幼き日に過ごした父の本丸では恐れを抱いた覚えはない。まさか年を経て怖がりになったというのだろうか。──こんなことばかりを考えているから心に鬼を作る。何か楽しいことでも、と思い浮かべるのは、久方ぶりに顔を合わせた友人のこと。小鳥か蝶々のようなあの仕草を思い返す中、ふと例の〝おまじない〟とやらが頭を過る。つい忘れていた。試すと言った以上、嘘にするわけにもいかない。
私室で主の帰りを待つ寝具の横を通り過ぎ、明かりを点けて脱衣所へと入る。壁に張られた鏡に映る梔子色を確と見つめ、頬を数度叩いて気を引き締めてから、躊躇いがちに一言「あなたは立派な主です」と。当然ながら返事はない。込み上げる気恥ずかしさに気付かない振りをして、「霊力の扱いも上手で」「主らしい毅然とした態度を崩さず」「政府からの期待を裏切らない」「くよくよと思い悩むこともなく」「常に前だけを見据えて」「…」褒める度、反対の言葉が自分に突き刺さる。これは目標の再確認だ。己への叱咤激励だ。現状に甘んじてはいけない。強く唇を噛んで暫し虚像を睨め付け、就寝前に不適な気持ちを滾らせたまま脱衣所を後にする。そんな状態であっさりと眠りにつけたか否か、お察しといったところ。)
( 早朝の柔らかな日差しを受ける執務室。本来近侍である自分がなぜ部屋を追い出されたかというと、今日も今日とてあの監査官の教育係を命ぜられたからだ。我が主は監査初日の態度を未だ根に持っているらしく、「とにかく仲良くしなさい」なんて、まるで三つか四つの幼子に向けるような言葉を預ける始末。己が畑弄りや馬の世話を好まないことも彼女は把握しているだろうに。早いところ一通り教えて執務室に戻りたいところだが、さて。
戸を引いてすぐ、相も変わらず姿勢の悪い立ち姿が目に入る。既に気に入らないが、昨日と同じくある程度真面目に業務に取り組むのであれば、こちらとしても無礼げな態度を取るわけにもいかない。翡翠の目を弓なりに曲げ、愛想のいい笑みを浮かべて挨拶を )
やあ、おはよう。
殊勝だね。もしや部屋で眠りこけているのではとも思ったが、僕の杞憂だったようだ。
(/ 今週もお疲れ様でした!お休みとはいえお疲れのことと思いますので、お暇なときにでものんびりとお付き合いくださいませ。当方は予想通り本日はそわそわしっぱなしです~!あと一時間半ほどが待ち遠しいです、そわそわ…。今日一日浮き足立っていると思いますが、どうかご容赦ください笑。)
…どーも。冬眠にゃまだ早いんでね。
( 穏やかな挨拶に振り向くとただ角ばった肩を竦めた。
近侍殿は今日も朝から雅な佇まいである。藤色の髪は生まれついてのうねりはあれど見苦しさがなく、普段は垂れている前髪をすっきりと頭頂に束ねた御姿。真っ白い内番着で立ち働けばさぞ爽やかに映えるだろう。そのまま己の分まで働いてくれればいい、とは勿論口が裂けても言えずに。
対面する己は黒の肌着に枯草色の下穿き、これを見れば寒さなど平気なたちとばれるだろうに、いけしゃあしゃあと熊の真似事に興じる素振りを。
嫌な仕事は気が進まずとも早く終わらせるに限る、と、実は図らずも歌仙と同じ考えの上。ついでに他の連中も巻き込み己に目が行かぬようにすれば尚よい。
こきこきと首を鳴らして不逞な準備体操をしつつ、億劫そうに指示を仰いで )
んで、今日の俺は何すんだい。
(/卯ノ花背後様もお疲れさまで御座いました~!お気遣い痛み入ります、爆睡に爆睡を重ねて元気フル充電しております◎アプデ終了後に即お見送りしたのですね、となると大包平帰還まであと一時間を切ったところ…!本丸内でそわそわ行ったり来たりする背後様が目に浮かびます。それはもう!念願の推しの修業期間ですから!数振りいるとしても最初の一度は今日のたった一度きりの体験ですから!心行くまで待ち望んでお迎えして、愛で倒してあげてくださいませ~!!)
昨日も言った通り、まずは一通りの当番に慣れてもらうよ。何か優先したいものがあれば先に言うといい。
( 気怠げな態度はどうにも気に食わないが、このくらいで突っ掛かってはキリがない。ごほん、と一つ咳払いをしてから、当番の名を全て記した懐紙を差し出す。昨日も少し触れてはもらったが、昼過ぎから日没まででは時間も足りない。今日から腰を据えて教えなければ。
さて、主から任命したのは〝仲良く〟すること。ここは率先してこみゅにけえしょんとやらを取ってやろうか、と口を開くと、「僕としては厨番辺りが一番教えやすいんだけれど、きみは料理は好きかな。ああいや、見かけで判断するのも良くないと思ってね。政府にいた頃に嗜んでいたという可能性もあるし、何せまだきみのことを何も知らないから……」などと間隙を埋めるべくぺらぺらと一人で語り始める最中、ふと思い出したかのように漫ろ言とは違った声音で補足を言い添えて。)
……ああ、手合せに関しては説明不要…ということで、今回は選択肢にない。手合せがしたければ、一通り終わった後で主に希望することだね。
(/ 無事お迎えいたしました~!!ばんざーい!!!地雷を踏み抜くこともなく帰ってきてくれてひと安心です!ようやく推しを連れ回してレベリングできる喜びでいっぱいです~!大阪城持ってこーい!というわけで、二週間ほど大変お騒がせいたしました。ログインする度に他の大包平が修行おねだりしてきてさにわ幸せです~!!)
( 目も口も「ガーン……」と大きく開いてしまう、非常にわかり易い反応を。
「ひと通り終わった後で」と予め釘を刺されてしまえば、打つ手もなくなるではないか。のべつまくなしに続くだろう他の内番も終わらせてからでは、気晴らしに混ぜることも今日中には叶うまい。己にとっては、厨番だの馬番だの掃除番だのは、結局どれも煩わしさでは変わりない、灰色一色に塗り潰された仕事。そのどれもにこの手厳しい教育係がついてまわるのも憂鬱である。
詰んだ。終わった。やる気は死んだ。
と、魂の抜けたような力のなさを隠しもせずにうな垂れる己の周りに、朝から元気いっぱいの短刀たちがぴょこぴょこ近づく。「歌仙、今日の内番なーに!」「監査官殿が入るから、入れ替えがあるとお聞きしました」ときゃいきゃい賑やかに取り巻いて、湿気た己とは素晴らしく好対照。
その童たちの明るい声にかき消えそうな細い声で、「好きな配置にしろ…」と伝え )
(/ほんとにほんとにおめでとうございます~!!!先輩審神者様の本丸史の貴重な瞬間に立ち会わせて貰ったことで、私もにこにこしっぱなしです◎愛情込めて育ててきた大包平たちが我も我もと押し寄せるのは耳福眼福たまらんってなりますよね…!お手紙に綴られた文が可愛らしいだとか、三通目や放置ボイスに殺されただとか、悲鳴をあげる大包平推しの声もTwitterでたくさんお見かけしました。人によっては戦々恐々の極実装ですが、卯ノ花背後様にとって安心なかっこよさのまま帰ってきて良かったです…!)
( 万人に伝わるであろう落胆は主も予想に難くなかったようで、「抗議は受け付けます」との伝言を預かってはいるが、……まあ、正直に伝える必要もないだろう。意気阻喪とした様子を他所に、和気洋々と集まってくる短刀のために腰を屈める。きみは買い出しだろう、そういえば主が呼んでいたよ、と短く連絡事項を交わす中、潮垂れた監査官の姿をちらと横目で窺ってから「あくまで簡単に当番の内容を覚えるだけだから、配置換えはないよ」と訂正を。正式に内番に参加するわけではないのだから、全ての業務を早く呑み込んでくれさえすれば互いに早く終わるのだ。尤も、あの様子では何日かかるか分からないが。はぁ、と溜息を一つ吐き、背を伸ばして振り返る。「……きみは暫く出陣が多くなるそうだから、まずは馬の世話辺りが妥当かな」言い終えるや否や、「破敵剣さん!」と、少年の高い声が上がる。
ぴょこん、と跳ねた桃色の髪が視界の端でちょこまか動き、秋田が大きな瞳を爛々と輝かせて距離を詰める。「僕も今日は馬当番なんです!一緒に行きましょう!」初日から興味津々だった分、近付ける機会と知って抑えが効かなくなったのだろう。直後、あー!と羨ましげに上がる声。「ずるーい!」「僕もあとで厩舎に遊びに行ってもいいでしょうか」「馬じゃなくて畑からにしない?」と本人を置いて賑やかな取り合いが始まる。初日と違い、彼らの言動を窘める理由もない。短刀に囲まれる姿を一歩下がって俯瞰し、微笑ましく思いながらも口許を苦笑に歪めて )
(/ わ~んありがとうございます;;特も極も甲乙つけがたいそれぞれの良さがあって、ああやはり最推しだなあと数日しみじみと実感しています。主様もどこかの沼にずぶずぶ嵌って更に狂えるようお祈りしています!ひとまず興奮も落ち着いてきましたので、破敵剣さん推しに戻りますね~!展開のご相談等がなければ背後会話はスルーしてくださって構いません◎長らくの乱文失礼いたしました! )
(/お返事が遅くなり大変申し訳ありません。大変心苦しいのですが、私情により今後御相手が難しく、解消の旨をお伝えさせていただければと思います。
卯ノ花背後様には一切の罪なく、ただただ破敵剣背後の不徳の至りによるものです。
先々の展開まで楽しく相談してくださったのにこのような事になってしまい本当に申し訳ないです。
一方的な決定となり心苦しいのですが、無言失踪はどうしても避けたいため連絡させていただきました。
tkrbを始めたばかりの自分とも楽しく話して下さり、大変救われておりました、沢山の楽しいお話をありがとうございました。
卯ノ花背後様と大包平を初めとした刀剣たちの本丸生活の安泰を心よりお祈りしています。 )
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