探偵♀ 2022-09-23 20:42:24 |
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( 好きな物や食べたい物を聞かれると、その問いに対して考えるように暫く口を閉じて黙り込む。その間に、殺されてもいいよなんて笑い混じりに答えた相手へ、思わず放り投げていたナイフを受け止めそのまま握りしめる。)
へぇ、一人で死ぬよりも今死ぬことを選ぶ…か。ますます変な奴だぜ。
( 握りしめたナイフは刃が顔を出すこともないままポケットへ再度しまわれ、それと同時に上記を述べた。孤独死というのは嫌な事なのだろうか と、いずれそうなるだろうと何度も想定していた故か、疑問に思う。
そして、やっとの事で食べ物に関し何か思い出したのか「 オムライス… 」と少ししてボソリと呟いた。昔々、好んで食べていたような記憶がうっすらとあるだけで、決して今も好きだとか食べたいとかではない、はず。おまけに、オムライスは異国の料理だし、そもそもこの家に米があるかも分からない。)
うーん、よく言われるんだけど…私ってそんなに変かなぁ?
(前に会ったときのように変だと口にする彼に、困ったように首を傾ける。変だとは彼以外にもよく言われる。凝り固まった慣習を楽しく踏襲するばかりの貴族簾中に言われるならまだしも、殺人鬼にさえ変だと言われると流石に妙な気分だ。
そう思って口にしつつも、彼の口から出たリクエストに少し目を丸くする。オムライス、というのはケチャップライスを卵で包んだあれだろうか。正直作った経験がないのだが、随分と可愛いリクエストだと思いあたるとそんな気持ちを率直に告げる。なんにしても、せっかく彼がここを訪れてリクエストしてくれたのだ。断るわけには行かないと意気込み)
オムライス?あー、あの卵で米を包んでるやつ…?随分可愛いチョイスだね!作ったことないけど、やってみるよ。米と卵ならこの前友達がくれたのがあったはず…!
( 自覚が無いというのもそうである証だな、なんて思うが口には出さず、表情筋がほとんど動かない中で瞳だけでもとぼけたようにぐるりと回す。
そして、自分がボヤいた言葉に相手が反応し、あろう事かそれを作ると言い出せば、少なからず驚いたような…それでいて気まずそうに首筋をかいた。)
いや…別に可愛くはないだろ。
それに、作って欲しいから言ったわけじゃ……。
( そうは言っても、既に相手は作る気満々で上機嫌に台所へ向かっては友達から貰ったはずだと言っていた米やら卵やらを探し出しているようで…今更止められる訳でもなくて、ましてや自分の口が滑ったことが原因ではあるし、久しぶりに食べたい気持ちが全くない、、訳では無い、という何とも難儀な気持ちも合わさり、大人しく相手の背を追ってついて行くのだった。
その姿は突如大人しくなったヒヨコのように、相手の動作を後ろから様子見しているようで。)
ふふ、やっぱり君って可愛いね。…オムライスは家族にでも作ってもらってたの?
(異国の食べ物が好きな友達が旅先から贈ってくれた品々を漁り、材料になるものを一つ一つ集めて調理台の上に並べる。米も卵もケチャップもありそうだし、彼のご所望のオムライスは作れるだろう。
自分の後ろで夕食を待つ子供のようにそわそわしている彼が可愛らしく思えてくすくすと笑みを漏らしつつ、オムライスというのが彼にとって特別な料理なのかもしれないという疑問を彼に向ける。この質問で彼の生い立ちについても知れるかもしれないと期待しつつ、米を炊き始めるとともにその他の材料をまとめて支度していき)
…まぁ、そんなもん。
( 何やらくすくすと笑っている相手の様子を見れば、その背後でむっと小さく眉をひそめる。しかし、そのまま家族の事を聞かれればあまり多くは語らず、一言、特に関心も無さげに上記を返すのみだった。
実際、家族に作ってもらっていたものだが、その頃の記憶は随分と乏しい。好んでいたとはいえそこまで思い入れのあるものではないが、裏を返せば作ってもらった料理が他に思いつかないため、自分の中では色々な意味で思い出深いのかもしれない。)
それにしても、お前、料理できんの?
( 自ら話題を変えるように言葉を続けると、テキパキと支度をこなす相手を見ながらそんなことを呟き、「あくまで変な物を入れないように見張っているだけだ」とぶっきらぼうにも付け足しつつ、相手の背から尚も様子を伺っている。自分はまともに家事なんてした事が無いし、誰かがやっているところも見た事がないので幾らか興味はあるらしい。 )
(彼の生い立ちや今までどうやって生きてきたのかについてもぜひじっくり聞いてみたいところだが、彼に話す気がないのなら無理強いするのは良くないだろう。彼が話す気になるのを待とうと決め、深い追及はせずに料理の手順を踏んでいく。
そのうちに料理をできるのかなんて問いをかけられると貴族らしくないだろうかと思って楽しげに笑いながら頷く。彼も誰かと住んでいるわけではないのだとしたら、料理くらいしないのだろうか。そう思うと同じように質問を返し)
うん、興味があったから少し勉強したの。社交界の皆さんは"使用人にやらせるものだ"って言うけどね。
アイザックは料理とかしないの?
( 勉強熱心だな、と口だけな言葉を返せば、相手の手元の他に綺麗に整頓され充実した台所全体を見渡す。これだけ金持ちであるなら、その社交界の皆さんとやらが言うことにも一理あるし、自分だって彼女のように自身で料理をするお嬢さんがいるとは思っていなかった。)
元々料理をするのは好きじゃない。
……で、お前こそその使用人やら家族はどうした。こんな広い家に元々一人って訳じゃねぇだろ。
( 料理はしないのかという質問に対してはシンプルかつ簡潔に返答し、再度ポケットに両手を突っ込んでは、相手の隣に立ち彼女が作業をしている台に腰を預け凭れかかっている。先程言っていたように住む家もままならないような生活も相まって、料理をするという考えをそもそも持ち合わせてはいないのだろう。
それよりも、豪華であると同時にだだっ広いこの家で、相手が一人で生活しているというのが単純に気になった。ここまで金持ちであるなら例え一人暮らしだろうと使用人ぐらいはいそうなものだ。)
両親は亡くなってるし、お兄様たちもお姉様たちも結婚して家を出てるよ。この屋敷が私のものになってから探偵の仕事を始めたんだけど、おしゃべりな使用人は客が嫌がるし、使用人たちも客を怖がるしで…色々ごたつくくらいなら私一人のほうが効率いいかなって思って全員解雇したの。
(彼からの質問に、少しは彼も自分へ興味を抱くようになったのだろうかと相変わらず前向きな捉え方をしながら返答する。探偵の仕事を始めてからこの屋敷に少々世間へ後ろめたさを持つ人物が出入りすることも増えたし、お喋りな使用人はそういう客から疎まれた。そうでない使用人もあんな連中とつるみたくないと訴えてくることがあったし、結局それぞれに別の雇い口を紹介したから今は自分ひとりだ。
そんな説明をしながら苦笑い混じりにその寂しさを付け加えては、卵液の支度を済ませて米が炊きあがるのを待ち)
でも、いざ一人になるとちょっと寂しくなっちゃって。だからこうやってアイザックと話せるのは楽しいんだよね。
(/返信遅くなってしまい申し訳ありません!ここのところ多忙でなかなかお返しできず…;;今後も11月末頃まで返信速度落ちてしまうのですが、もしよろしければお待ちいただけると大変ありがたいです…!)
( 相手の話を最後まで聞けば「ふぅん」と毎回のごとく特に興味の無さそうに返事をする。しかし、内心色々思うところはあるようで、生まれも境遇も全く違うが、“一人”である点ではなんだか自分と重なる部分もある気がして、なんだか居心地の悪そうに首筋をさすった。
そして、自分と話せるのが楽しいなんて言う相手をちらりと見やれば、今度は相槌を打つことも無くすぐに視線を逸らす。どうやら無言の肯定というやつらしい。やはり、少なくともずっと一人で話し相手もおらず過ごすよりは…と此方も思ったようで。)
お嬢さんの道楽の足しになって何よりだ。
……喉乾いた。水、飲んでいいか。
( どうにもこうにもまだ素直にはなれないのか、嫌味ったらしく一言付け足せば、今度は飲み物を要求するように口を開く。思えば水分もまともに摂取しておらず、つくづく自分の生活に無頓着だも自分でも思う。この際、この女に要らぬ警戒はしなくても良さそうだなんて心の隅で思えば、ずっと付けていた黒いマスクを脱ぎ出した。)
( / こんばんは!
ご連絡ありがとうございます。お気になさらないで大丈夫ですよ!私も11月から色々とドタバタして返信が遅くなるかと思いますが…その際はまた一言お声かけしますね! )
(首を擦る様子を横目で見遣り、なにか思うことでもあったのだろうかと思案を巡らせる。その答えがなんであるのかはわからないが、少しずつ彼の壁が融けてきたような気がするのは気の所為だろうか。このまま自分に素直に心を許すようになってくれればいいと思っているうち、どこか嫌味っぽいような口ぶりで言葉をかけられると楽しげに笑みを漏らす。そうして素直になれないところもなんだか可愛いかもしれない。
そんな考えのうちに彼がマスクを脱ぐと少し目を瞬かせたあと、それが素顔を晒す程度に心を許された証のような気がして上機嫌な素振りを見せ始め)
!…水ならもちろん好きなだけ飲んでいいよ、冷蔵庫にミネラルウォーターとかジュースとかあるから、好きなの飲んで!
(/優しいご対応ありがとうございます~!
11月以降の件承知いたしました、ご連絡ありがとうございます!今後もよろしくお願いいたします…!)
( マスクを外したことで分かりやすく嬉しそうな反応を示す相手に、まだまだその様な反応に慣れないせいか、少しぎこちない様子で取った其れをポケットへ。
ブロンド髪で色白な彼女とは似つかないような顔を晒せば、好きなのを飲んで良いという言葉に甘え、勝手ながら冷蔵庫を漁る。ミネラルウォーターのボトルを手に取れば、一間考えるような素振りを見せつつ、蓋をあけて豪快に飲み干す。大方、未開封だし今更異物を混入させるような奴ではないだろう。と思考したらしい。)
……西洋人は良いよな。こうした煌びやかな場所がサマに見えるぜ。底辺にいる奴らは大体が余所者だからな。
( 口元から溢れた少量の水を拭えば、ぼそりと上記を呟く。今の時代、幾多の人種が混在して生活してはいるが、国柄なのか否か、西国では東洋人の貧困が多いように感じる。
まぁ、その国の人々がその国で成り上がるのは自然なことだろうが…自分の顔を見ると薄暗い社会がチラついてしまい、自分自身あまり良い気はしない。 )
(ミネラルウォーターをコップに注ぎもせずに飲み干す彼の姿に、自分との育ちの違いを感じてしまう。言ってくれればグラスも渡したのだが、彼は水が飲めれば容器にもこだわらないのだろうか。
そんなことを思っていたところで不意に西洋人はいいなんて言葉が出ると、自分とは異なる彼の顔立ちを眺める。たしかに彼は自分のいたような西洋人だらけの社交界ではきっと浮いてしまうだろう。彼のような出で立ちの人物はどうしても社会的には低い場所にいる印象がある。余所者、という彼の言葉にぼんやりと納得感を持ちながらも、彼に少し歩み寄るとその顔をじっと見詰めて思いついた長所を並べてみる。顔立ちも整っていることだし、もっと着飾ったら彼の言う"きらびやかな場所がサマになる"出で立ちにすることができるかもしれない。そう思うと楽しげに提案してみて)
それがコンプレックスで顔を隠してるの?私は結構好きだけどな、アイザックの顔。光に当たると綺麗に見える茶色の目とか、私にはない黒髪とか!
そうだ、髪をワックスで整えて、お兄様の着てた服を着せたらもっと上品になるかも!後でやってみる?
…目立つと後々面倒臭いからだ…ッ。
( 不意に近付かれると、少し驚いたように足を一歩引き下げる。コンプレックスという言葉に反応したのか、反発するように上記を述べ目を逸らした。生業上、元々目立つ容姿も相まって、普段から素顔を晒すのも危険が伴うし、何より自分の顔が好きでは無い…それを所謂コンプレックスと言うのだろうが、口先では認めたくないらしい。)
…良いよなって言ったところで、別に憧れている訳じゃない。あんな息苦しい格好、俺はゴメンだね。
普通の生き方ですら息が詰まるってのに。
( 続けて、相手の提案を拒否するように首を振れば、腕を組み溜息を洩らした。煌びやかな世界は凄い、とは思う。しかし、そんな世界に自身が交わろうなんて思わないし、我ながら今の生活が断然性に合っている気がする。
ただただ普通に生活することでさえままならず、最も、小さい頃から“普通”を知らずに育ったため、自分の場合仕方がないものかもしれない。)
…まあ、顔が割れちゃったらそんな仕事続けらんないもんね。でもここにいる時くらいは普通に顔見せてよ、表情が見えないのも寂しいし!
(目立つと面倒くさいという口ぶりも、何かを隠そうとして出た言葉のような気がしてしまう。逸らされる目を観察するように見遣ってからすぐにいつも通りに笑うと、明るい口ぶりでここにいるときにはマスクを外していてほしいと告げる。この屋敷で彼が素顔を躊躇なく見せてくれるようになったら、きっととても気分がいいだろう。
そんな彼が普通の生活の息苦しさを語るのにぼんやりとした同情を覚え、少し考えてから甘やかすような言葉を並べる。そのうちに米が炊きあがると、再び支度の続きに取り掛かり)
ここでは好きに過ごしていいよ。血まみれで帰ってきてもいいし、食事だって用意してあげるし、欲しい物があるなら買ってあげる!少しでも息が詰まんないところがあったほうがいいでしょ?
…あ、ご飯炊けたみたい。もうちょっとで完成するから待ってて!
( 素顔を見せてよと言われれば「 気が向けばな 」なんて一言で返事をする。しかし、これまでの返答よりは毒素がいくらは抜けているようで、相手の明るく分け隔てのない笑顔を見るとなんだか調子が狂ってしまう。)
…、お前、とんだお人好しだよな。
( 初めて出会った夜にも思ったが、彼女はどうにも人を甘やかしたいらしい。
相手が殺意むき出しの自分にも躊躇なく世話を焼こうとしてするぐらいお人好しなのは十分分かっているが、人を甘やかす事や人へ甘えることの心地良さや幸福感なんてものは丸っきり分からない。
だが、久しぶりに嗅ぐ炊きたての米の香りと、台所へ向かう相手の姿を眺めると、決して嫌な気持ちにはならなかった。
怒りなのか呆れなのか喜びなのか、ふん、と一つ鼻を鳴らせば、再度料理をする相手の手元を覗き込もうと無意識に体を寄せ、どこか懐かしそうに目を細めた。 )
まあ、そうかもしれないけど…アイザックは特別だよ。
(お人好しだなんて指摘をされると、軽く笑ってそう答える。たしかに大抵の人間とは仲良くしたいが、その中でも彼は特別だ。流石に犯罪者相手にこれほどの好待遇をすることは今までなかったし、実際自分は彼を気に入っている。そんな意味を込めながらも、炊きあがった米でケチャップライスを作っていく。
オムライスなんてなかなか食べないために何を入れるのが正解か分からないが、きっと栄養がある方がいいだろう。そんな考えから微塵切りにした野菜や肉を混ぜてバターとともに炒めると、ケチャップで味をつける。
それを柔らかく火を通した卵で包むと、初めてにしてはよくできたと一人満足しながらそれを皿に盛り付けて彼に見せ)
よし、できた!こんな感じで合ってる?
特別…ね。
( 相手の言葉を復唱すると、自分には似合わない言葉だと1つ鼻で笑う。しかし、嫌な気持ちにはならず、それどころか少し安心してしまう自分がいる。
ただひたすら、ぼんやりと料理をする相手の手元を眺めていれば「できた」の声にハッとして我に返った。黄色い卵にケチャップが鮮やかなオムライスを見ると、すでに薄れてきた母親の姿が脳裏に浮かぶ。まさにロクでもない母親だったが…記憶が薄れるにつれて思い出というのは美化されるものだと痛感する。
現に、今脳裏にいる母は薄気味悪いくらいに綺麗で優しく此方に微笑みかけているのだ。)
…ん、確かに、料理の腕はいいらしいな。
( 視線は皿の上を見つめたまま、目を細めて呟いた。料理を勉強したという彼女の技術は確かなものらしく、実際に出来たての良い匂いに釣られれば思わず腹の虫が大きく鳴り響いてしまって。
気恥しそうに目を逸らせば「 食う 」と一言付け加える。 )
ふふ、随分お腹すいてるみたいだね。
(出来上がったオムライスと彼の表情とを見比べ、どうやら気に入ってもらえたらしいと思うと満足げに表情を和らげる。彼の腹から空腹の音が耳に入るとくすくすと楽しそうに笑みを漏らし、気恥ずかしそうな眼差しを一瞥してからその皿を食器とともにダイニングへと運ぶ。
見た目はこれで合っているかもしれないが、味が彼の口に合うかどうかは分からない。食事なんて結局口にするものだし、美味しくなくては意味がないだろう。彼の気に入るかどうかを密かに気にしつつも、食器と皿をテーブルに置いて)
ほら、冷めないうちに食べて!
( クスクスと笑う相手を見れば「うるせぇ」と精一杯の照れ隠し混じりに、愛想悪く舌打ちも1つ。どんなに足掻いても腹の虫は正直だ。
食器が運ばれていくのをこれまたヒヨコのように後追いしては、促されるがままに皿の置かれたテーブルの前へと腰掛ける。ダイニングの内装もそうだが、皿や他の食器までもが自分の住む世界との違いを見せつけられる。それなのに、皿に乗っているのは庶民的なオムライス…そのちぐはぐさがなんだか自らの奇妙さを物語っているようだ。
ゆっくりとスプーンを手に取れば、オムライスをすくってそのまま口の中へ。最初の一口を咀嚼し飲み込んでしまうが、相も変わらず表情はさほど変わらない。しかし、オムライスを口の中へとかき込むその様子を見れば、少なからずオムライスの出来は分かることだろう。)
……悪くない。
( 口元についたケチャップを拭いながらその食べっぷりとは裏腹に口だけは頑固なようで、ぶっきらぼうに感想を述べると、その後ものの数分でぺろりと完食してしまう。
幼少期に食べていたものと味は多少違ってはいるが、それでも美味しいものに変わりはなく、懐かしい気持ちと共に誰かに作ってもらった料理で腹の中が満たされるのは久々に良い気分だと感じた。)
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