匿名さん 2022-09-13 22:47:42 |
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( 掛けられた言葉と差し出されたハンバーガーに、緊張のせいか口少なにこくこくと頷く。心配そうな彼の視線を受けつつ、件のハンバーガーと真正面から対峙すると、以前口にした時より多少は大人になっているはずだという自負心とともにそこへ齧り付いて。しかし途端に広がる辛味と酸味に、すぐさま泣き声のような悲鳴を上げるとあえなく降参。静かにハンバーガーをトレイの上へ戻すと、負け惜しみのようにぼそぼそと言い訳しながら彼の方へと押しやって )んんっ……! ……う、うちやってあと一年すれば食べれるもん……。
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( どのくらいの時間そうしていたのだろう。目を閉じて彼女の体温だけに意識を集中していると、ふいにレッスン室にスマートフォンのアラームが鳴り響き。その音で退室時間の少し前に設定していたことを思い出せば、名残惜しそうにしつつも大人しく身体を離す。両手だけは彼女の背中に残し、腕の中に閉じ込めたまま、然程大きくないながらも鳴り続ける通知音を止めることすらせずに彼女を見つめて )……あ、時間切れだ。
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