天っ才とエビフライ（〆)

お前の事？
そりゃあ、っ……仲間！(相手のことを『好き』で、つい言いかけてしまうも、すぐに仲間だと誤魔化し、頬から手を離されると、相手に背を向けて｢やっぱお前の発明品で、俺も一緒に戦える訳だしな！｣と言い)

そ。

（相手の返答を聞くとまた素っ気ない返事を返しておき、放置していた発明品の作業に戻る。先程まで相手の頬に触れていた手が妙にじわりと熱を持っていて、首を傾げつつも後ろは振り向かないようにして)

…っ、先にやったのはそっちだからな、仕返しだ！(キスをされた頬に感触が残り、その頬に触れ、振り払うように首を横に振って、お返しに同じように頬にキスをしてやろうと相手の元へ行き、作業している相手の頬にキスをしては、悪戯に笑いながら仕返しだと言い)

…

（無表情を取り繕っているものの、内心は何故か相手のことを可愛いなんて思ってしまう気持ちが微かに湧き出る。作業を再開して少し経つと飽きたのか背筋を伸ばし、倉庫の中を歩き回っていて)

発明はもういいのか？(筋トレをしていたが、基本出来るまで机に張り付いている相手が歩き回る事に疑問持ち、一旦やめて相手に尋ねて、机を見ては｢まだ途中じゃねぇか｣と呟き)

飽きた。

（それだけ言うとパソコンの前に座り、少しの間ぼんやりしていたが何か思いついたのか、相手を自分のところへ手招きする。「ばーんじょ」と妙に間延びした声で名前を呼ぶと柔らかく笑って)

あ？…今度はなんだよ(未完成な発明品を見ていたが、相手に呼ばれそちらを見ては、手招きされ、文句は言いつつも相手のそばに行き、｢またなんか揶揄う気じゃねぇだろーな｣と自分ばかりからかわれるのは納得いかないらしく、不満げに言い)

…万丈さ、俺のこと好きでしょ？

（暫くパソコンと向き合って考えた結果、そもそも相手は自分のことが好きではないのかーとの結論に至った。ぐい、とこちらへやって来た頭を引き寄せると恐らく弱いのであろう耳元へ顔を近づけてそう囁いてやり)

っ、な、何言ってんだ！(耳元で囁かれた言葉に、一気に真っ赤に染まり、慌てて相手から距離を取り、｢そ、そ、そんな訳ねぇだろ！ばか、ばぁか！｣と否定しては子供のような暴言を言い)

…ホント分かりやすいね、お前。

（面白いほど図星の反応を見せてくれる相手にそう言って薄く笑い、その反応を少しばかり楽しんでいるような表情を見せ)

だーもう、うるせぇな、俺は戦兎が好きだよ！(相手の楽しんでいるような表情に多少ムカつきつつ、耳まで真っ赤にしたまま、半ばやけくそになりながら、はっきり相手が好きだと言い、相手の唇に触れながら｢さっきみてぇに揶揄うってんなら、お前のここにキスするからな｣と言い)

どーぞ？

（相手から聞いた言葉にかなり気分を良くしつつ、相手の言葉を更に煽るように両手を広げて瞳を細めてやる。これで来るも来ないも自由だが、来れば応えるくらいしてやろうかと考えつつ)

なんで『どーぞ』になんだよ…(相手の言動に少し驚きつつそう呟いては、相手がいいと言うならと、恥ずかしさから相手の目を手で覆ってから触れる程度のキスをして、冷静を装いつつすぐに離れては内心で喜んでいる為か、つい｢…っし！｣と呟きながら小さくガッツポーズしてしまい)

じゃ、お返し。

（相手が離れるのを待っていたように立ち上がると、相手の近くへ歩み寄って同じように唇へキスを落とす。片手は相手の耳朶に触れ、もう片方の手は相手の頬に伸ばされ)

っ…！(相手からもキスを受けると、一瞬思考止まり、我に返れば、未だ相手も同じという事は微塵も思っていないらしく、顔を赤くしながら｢ちょ、ちょっと待てよ！なんでお前もキスすんだよ！…しかもすげぇ余裕そうだし｣と言い)

お返しって言ったじゃん。

（悪びれるでもなく唇を離し、「余裕に決まってるじゃないの。俺天っ才だよ？」と悪戯っぽく笑う。相手の表情をじっ、と眺めるとまだ一度くらいは許してくれそうなので「もう一回してもいいよね？」と問いかけてみて)

…戦兎が俺の事どうなのか、教えてくれたらな(顔を赤くしたまま、相手が自分をどう思っているのか教える事を条件に出し、相手にされないようにと自分の口を手で覆い、教えろと言うように相手の目をじっと見つめて)

…可愛いとは思ってるよ。

（少し考えたものの敢えてはぐらかすような言い方を選んでみて、相手の反応をじっと伺う。ついでにみーたんを見習った最大限自分の顔を駆使した上目遣い＋あざとい表情を浮かべ、「もう一回」と拗ねたような声で言ってみて)

…っ、それじゃ全然分かんねぇ(可愛いというのはどういう事だと思うも、相手を見てはみーたんのようなあざとさを感じ、揺らぎかけるも、顔を逸らして覆ったまま首を横に振りながらダメと言い)

……すき。

（自分から言いたくは無いので少しの間黙っていたが、やがて面倒そうに溜息を一つ。ぐい、と頭を自分の方へ引き寄せるとまた耳元で、わざと拙い発音でそう言ってやった後繰り返し好きだ、と囁いてみて)