天っ才とエビフライ（〆)

……恥ずかしかったから(飛び出した理由聞かれ、言うか言わないか考えた後、顔だけでなく耳まで真っ赤にしながら、恥ずかしそうに俯き気味にボソリと言い、顔を上げたかと思えば、相手に噛み付くかのように｢つーか無かった事にしてくんねぇのかよ！｣と言い)

そりゃそーでしょ。

（相手の噛みつくような言葉に怯むでもなくそう答え、相手の反応をまじまじと眺める。顔どころか耳まで真っ赤な相手を普段発明品に向けるような興味に満ちた瞳でじっ、と見つめてみると頬杖をつき、「恥ずかしいって…何でよ、」と更に追い詰めるように問いかけて)

聞き出したのはお前なんだから引くなよ
引いたら殴るからな(相手の追い詰めるような質問に、避けられないと思い、相手を睨むように見つつ念を押すように言い)

…なんか怖いんだけど。

（やけに必死な相手の様子を見ると既に若干引き気味ではあったが、形式だけは表情を取り繕ったりと一応は聞く姿勢を取って「…何よ、話してみれば？」と相手の話を促す。どんな話が来ても耐えられる、と言わんばかりに無表情を保とうとしていて)

…俺のせいで、なんか微妙な感じになったろ
だから、恥ずかしくなっちまって、耐えれなかったんだよ(恥ずかしさから顔を逸らしながら言って、不貞腐れたように｢これでいいだろ、無かった事にしてくれよ｣と言い)

…

（想定していた数倍は間の抜けた返答が返ってきて、思わず保っていた無表情まで崩して呆れたような表情のまま無言になりながらもようやく「え、そんな理由？」と心底困惑したような声が漏れる。何故か安堵している自分に疑問を覚えつつも「…ま、いいよ。これでこの話終わりね。」と早々に切り上げて立ち上がり、またベッドへ向かおうとして)

そ、そんなってなんだよ！？(相手にそんな理由かと言われると、自分の中では結構大事だったらしく、引き止めるように相手の背中に向かって言い、｢俺の中では結構大事だったんだぞ！｣と相手に近寄りつつ言い)

あー…分かった分かった。

（身体はベッドに潜りかけつつ、眠いのか半目になりかけの瞳で半ば面倒そうに相手をあしらうと布団を持ち上げて「…もう眠いんだよ。…お前も寝る？」と半分冗談混じりに笑う。本人は来ないなら来ないでそのまま寝る、というような雰囲気を出しており)

…俺も寝たら狭くなんだろ(出来るなら寝たいが、そうはいかないと思い、遠慮するように言いつつも、やはり気になるらしく、ちらちらと相手の隣を見つつ言い)

あっそ。

（相手の返事を聞くと素っ気なく答え、布団に潜り込もうとするものの視線に気付くとふ、と破顔して「お前、ホントポーカーフェイスできないね。」と茶化すように言いながら布団を持ち上げて「どーぞ」と続け)

う、うるせぇ(相手に茶化されると、否定も肯定もせずそう言って、相手の隣に寝転んでは、｢あったけぇ…｣と呟いていれば眠気が出たらしく、欠伸をして、気付けば眠りに落ちていて)

早。

（少し眠った後目を覚まし、相手が眠っているのを確認するとおずおずと手を伸ばしてみて、相手の背中へ手を回してゆるく抱きしめてみる。拍動の音が耳へ心地良く響いてくると妙に安心して、またそのまま深い眠りへと落ち)

ん…戦兎…(数分後に目を覚まし、薄ら目を開いて、相手の顔をみては、寝惚けているようで、相手にくっつくように、ぎゅっと抱きしめて、再び眠り)

…は？

（しばらく男二人で抱き合って眠っていたが、ふと目を覚ますと困惑したような声と共に、自分を抱きしめて呑気な顔で寝こけている相手を見つめる。その寝顔を見ていると無性に腹が立って、全く警戒していない相手の鼻をぎゅ、と摘まんで）

んっ…！
なんだよ、人が気持ちよく寝てたのに…(鼻を摘まれ、目が覚めては自分が抱きしめてる事に気付いていないらしく、起こされた事に不満げで)

いや、こっちの台詞だって。

（相手の不満げな言葉を聞けば状況を指し示すように身をよじり、相手の手の内からするりと逃れる。「…なんで抱き合ってるわけ？」と率直な疑問を口にする表情は、自分が先に抱きしめていたことも記憶にないようで）

は？…！し、知らねぇよ！(相手の言葉でようやく気付き、寝惚けて記憶が無いため知らないと言って、｢つか、お前も抱きしめてたじゃねぇか｣と口を尖らせて言い)

俺が万丈を？ないよ。

（相手の言葉を聞くとそう鼻で笑い、揶揄うような表情を浮かべながら「万丈が覚えてないだけじゃないの？」と首を傾げる。すっかり眠気の覚めた自分はベッドを降りてしまうと、「まだ眠いなら寝てれば？俺作業するし」つん、と顔を背けつつ机の方へ引き寄せられるように歩いていき）

…それはお前も変わんねぇだろ(机に向かう相手に、ぶつける様に言っては、相手に背を向けるような体制にしては寝ようと目を瞑り)

…

（相手の言葉には聞こえないふりをして、机の上に放置してある基盤やらに手を伸ばし、作業を再開しようとするが何故か集中できない。眠っている相手にそれとなく視線を投げかけ、もう一度考えてみるが「…やっぱ分かんない」と呟いて)