仮面の裏を召し上がれ 〆

綺麗な色だね、深海みたいだし、深くて吸い込まれそうだね
（隣に座った相手の目を見るとじっと見つめながら感想を言って。深く吸い込まれそうな瞳を眺めながら感想を言うと、なぜサングラスをしてるんだろうとも少し思い、尋ねてみて）
でも、なんでサングラスを…？日に弱いとか？

褒めてもらうとやっぱり恥ずかしいな…理由はそんな感じ。他の人より少しだけ眩しく感じるんだ。
(自分の目をじっと見つめられ、綺麗な色だと褒められると頬を軽く紅潮させ、照れたように微笑む。このまま相手の方を見ていれば見つめ続けられそうで顔の向きを前に戻すと、フォークにパスタを巻き付けて食べ始める。理由も本当は夜の姿を隠せるよう瞳の色を見せないようにするため。だが、本当の理由を言うことは出来ないためサングラスをしている理由を聞かれた時にいつも言っていることを伝えて)
あとは単純に慣れないからかな…。裸眼で人のことを見るのが恥ずかしいんだ。

そうなのか、大変だな…そんなに長い間付けてたんだ
（相手が食事を取るために目を背けたため、じっと相手の横顔を見ながら訳を聞くと頷きながら折角綺麗な色なのにな…と思いながら食事をしている様子と目を再び眺めて。次々と質問してしまうのは好奇心と仕事柄尋問のように質問をしてしまって。相手のサングラスも見てからあまりサングラスをつけないためふと素朴な疑問が湧いて）
それにしても、このサングラスかけたら景色の色って変わってるの？不憫じゃない？

そうでも無いさ。眩しいなって気づいたのはだいぶ成長してきてからだし…。景色だってちょっと茶色掛かってるくらいだな。
(嘘をつく時には真実を少し混ぜると信憑性が増すと聞いたことがある。実際サングラスをかけ始めたのはカフェを始めるより前で、外でサングラスを掛けたまま出歩いたこともある。料理も最初は失敗することが多かったが長年やってきた中で覚えた音と勘、する前と後で何度も見比べて覚えていたから作れている。ふふん、と少し自慢げに口角を上げて笑いながら不便では無いことを告げて)
それに料理だって音とこれまでの経験で作れてるしな。不便でもないよ。

そうか、偉いな…
（相手の言葉を、仕事柄全て鵜呑みに出来ない自分に少し呆れながらも、想像すると中々大変だったのだろうと思い相手の頭を思わず撫でて。今相手の料理を食べれているのは事実だし、イメージでだが茶色のかかった世界は慣れるまではきっとなかなか見辛そうだっただろうなと思いながらしばらくの間撫でてから慌てて手を離して）
おっと、ごめんね…つい

……いや、大丈夫だが…びっくりしたな。
(偉いと褒められてもそれほどのことをしたまでではないので少しむず痒くなった。更に頭を撫でられれば、口にパスタを含んだまま固まってしまう。頭を撫でられる経験なんぞ子どもの頃が最後で、ここ数年は全くない。まだ構成員時代、上の者から頭を鷲掴みされ鬱憤晴らしの相手にされたことはあっても……。慌てて手が離れ、謝罪をされれば口の中のものを飲み込んでから少し驚いたことを告げる。頬を恥ずかしさからか嬉しさで赤く染めれば、アイスティーのグラスに口をつけながら久々に撫でられたことを零して)
久々に撫でられた……結構嬉しいものだね。

ふふ、そっか…ならまた撫でてあげよう
（自身もよく頭を撫でるかと言われるとそこまでないが、何度か部下にしたことはあるものの何度もしてあげたくなる反応を見せる相手はなんだか甘やかしたくなったためそう言ってから久々に撫でられたと言う相手にもう一度撫でて）
かわいいね、甘やかしたくなるよ

ちょ、撫でるな…！1個年下でもいい歳した男相手に可愛いも無いでしょ。
(自分のことを可愛いと、甘やかしたくなるとまた頭を撫でてくる相手の手をぺしっ、と払い除ける。勿論ただの照れ隠しで、男相手に可愛いということは無いと言えばぷいっとそっぽを向いて食べ進めた。相手の暖かな手が頭を撫でる気持ちよさと自分を見る柔らかな眼差しに、心臓の鼓動が早くなった気がして体の熱さをアイスティーで冷まさせる。早口で食べ終えればこれ以上醜態を晒さないよう、思い出したかのように話題を変えて)
……あ、そういやカールはマフィアって言ってたけど、どこに所属してるんだ？有名なとこ？

そう？じゃあやめておこうかな…有名かどうかは分からないかな、興味があるのはいいけどそう言うのはどんな立場であれ聞くべきじゃないよ
（照れ隠しなのだろうな、と思いながら顔を逸らされたので撫でるのをやめて。相手が話題替えなのか聞いてきた質問を耳にした瞬間、相手へ送っていた穏やかな視線が冷え切り、柔らかく笑っているが目が笑っていないまま聞くべきじゃない、と答えて。相手がただの興味本位で聞いたならいいが常に最悪の場合を考えて、仲良くしているからと言う理由で何か巻き込んだ時に情報を吐かれたら困る、と言う心配が一番あるため人差し指を唇に当てて。自分の性格の悪さを重々理解しながら目を瞑って微笑み、相手の心配ももちろんしているので告げて）
そう言うの知っちゃったら変なやつに巻き込まれるかもしれない、最低限そう言うのは聞かない方がいいよ。聞いているから知り合いあってボロが出る情報をセクが持ってて巻き込まれたら…悲しいから

そっか……そうだよな。悪い、ただの興味本位だった……。注意してくれてありがとう、気をつけるよ。
(うっかり口を滑らせてくれるか、と考えていたが安易な行為だったと苦い思いを抱える。暖かな眼差しが冷えきった際は思わずビクッとしてしまったが、その言葉から自分を心配してくれていることを感じ取ればその緊張はすぐに解れ興味本位で聞いてしまったと謝罪した。こうして会っているとマフィアだということが嘘のように思えるが、やはり相手も自分と同じ存在なのだと改めて認識した。自分を心配して注意してくれたことへ、ありがとうと告げるとこういう質問は避けるようにすると約束して)

大丈夫だよ、けど本当に気をつけてね？
（相手の謝罪を聞いていつも通りの微笑みに戻って。興味本位なら仕方がないと思いながらも、自身は相手を殺したり、傷つけたり巻き込みたくないため選択しないがもし、違う人に同じ質問をしたらと思うと気が気ではなかったのでもう一度気をつけてと言って。けれど、相手が本当に自分がマフィアでも快く接してくれているのだと思うとただ嬉しかったが自身の立ち位置的にきっと、相手が自分の組織に入ってくれればバラスが、そんなことはあり得ないし巻き込みたくないため一生言えはしないな、と思って）
マフィア関連以外の質問なら答えるよ、セクは、私の中で一番の友人だから

ふふ、ありがとう。僕も、カールが1番の友達だと思ってるよ。
(もう一度、気をつけてと言われれば頷いて答える。自分が相手にとって1番の友人だと言われれば嬉しそうに笑って、自分も同じ気持ちだと伝えた。偽善者、と頭の中で自分を罵る声が聞こえる。それが過去の、綺麗な子どもの自分か、マフィアとして幾人もの命を奪ってきた裏の自分かは分からないが、今の自分はそうだね、と答えるしか無かった。きっと相手は自分が同種だと知れば、これまでの友人たちと同じように嫌って、軽蔑して離れていくだろう。だからこそ、今の時間は幸せなものとして覚えておきたいものだ。グラスの中の氷が溶けて、カランッと音が鳴ったのを合図に椅子から立ち上がって試作品を作ってみようとカウンター内に移動して試食もするか尋ねて)
さてと、そろそろ試作品作ってみるかな。小さいの作るつもりだし、完成したら食べてみるか？

ふふ、嬉しいよ…ありがとう
（嬉しそうに笑って、一番の友達だと言われると嬉しく罪悪感がとてもあるものの笑顔を浮かべて。もしも、恐らくここで一番有名な組織のボスだと相手が知り、人を駒のように上手く使って自分で手を汚すことがない自分を軽蔑するだろうかと考えていると氷の音が聞こえてハッとして視線を上げて。相手が立ち上がり、カウンターに移動すると尋ねられてことに自分はまだ食べれるため頷いて）
うん、ぜひ食べたいな…ここで食べたら普段以上に食べてしまうな

太りそうな時は自分でセーブしてくれよ。僕は責任持たないからね。
(普段以上に食べれるということは太ってしまうかもということで、思わずくすくすと笑みを零してしまう。食べても動くことが多そうでカロリーもすぐ消費してしまうだろうし、どうってことないだろう。皿とグラスをシンクに入れたところで食材を仕込む時に使う、使い捨てのゴム手袋を取り出して手にはめる。冷蔵庫から卵を取り出し深めの皿に割入れて溶きほぐすと食パンを二枚取りだし、6等分にすると卵液に漬け込んで電子レンジで少し温めた。その間に冷蔵庫から、具に使う食材を取り出せば食べやすい大きさに切り始める。どうせなら3種類、と1つ目はハムチーズ、2つ目はツナに玉ねぎとキノコのソテー、3つ目はカリカリベーコンと焼きトマト…。冷蔵庫にある余り物で完成形を想像しながら、小声で歌をうたいながら調理を進めて)

あはは、普段食べる方じゃないから大丈夫だよ
（相手の言葉に頷きながらも、少しは心配なのでトレーニングはするか…と心の中で思いながら相手が作っている様子を眺めて。多く手に種類だろうと思っていたのでまさかの３種類も作っている様子に少し目を輝かせて。全て美味しそうで眺めていると相手が小さい声で歌っているのを耳にして少し微笑み、大人しく待って）

……よし、こんなもんかな。
(フライパンに油を敷いて、半分に玉ねぎとキノコのソテーを、もう半分でベーコンとトマトを焼いていれば油の跳ねる音と、焼ける匂いで頬が緩んだ。無意識に歌っているため聞かれていることに気づいていないが、こうして料理している時間が一番幸福であった。レンジがチンッと終わりの音が鳴れば中から皿を取りだし、もう1つのフライパンをコンロに乗せてはバターを薄く塗って卵液ごと中に流し込んでフレンチトーストを作る。綺麗に焼き目がつく頃に皿を取りだして自分用と相手用で3枚ずつのせれば、残りは夕飯…というよりボスの夜食用だ。出来上がったパンの上にそれぞれ具材を乗せて、3種類のフレンチトーストが完成すれば出来たことを呟いて。定番の物から凝った物まで作ってみたがどれがいいだろうかと、考え相手用の皿を差し出して)
はい、試作品。味の感想もよろしくな。

すごく美味しそうだね、いただきます
（自分以外にも数個作っているのを目敏く確認するがそこは特には触れずに美味しそうだと言って笑顔を見せて。実際、作ってる最中は楽しそうな相手を見れるし、香ばしい香りはすでに食欲を沸き立たせていて。早速出来上がったものを一口食べると、まず玉ねぎとキノコのソテーを食べて。少しキノコがあまり好きではなかったが美味しく、目を輝かせながら頷いてあっという間に食べると、ベーコンとトマト、ハムチーズも文句なしに美味しく、思わず頬に手を添えて嬉しそうに笑って）
すごく美味しい、セクは本当に天才だね！私キノコってあまり好きでもなかったけどこれなら食べても良いって思ったよ

ははっ、ほんとカールは美味しそうに食べてくれるね。苦手な物も美味しいって言ってくれるなんて、作ってよかった。
(キノコが苦手だったとは少し驚いて、でも相手のことを知れたのは嬉しく思えた。しかも自分の料理なら食べれると言ってくれたことで、余計に心が踊るようだった。自分も、皿にのせた口に入れて試食する。ハムチーズはシンプルで良いが定番すぎて味の予想が着いてしまう、ツナと玉ねぎキノコのソテーはツナの甘さとソテーした2つの食材の食感がいいが少しくどい様な…、ベーコンとトマトはカリカリとしたアクセントとトマトの瑞々しさがマッチしていて美味いがトマトの食感が苦手な人もいるだろうか。それぞれの長所と短所を考えつつ、メモに書いていけばむむ、と首を傾げる。自分だけで考えることは難しいため参考までに、と相手にも意見を聞いて)
この3つの中から1つか2つに絞ろうかと思うんだ。参考までにカールの意見も聞きたいな。

ふふ、実際に美味しいからね…１つか２つなら、ハムチーズは定番だけど好き嫌いはあまりいないだろうし良いと思ったよ。もし余裕があるなら日替わりでセットとかにして残りの２つめは選択制にするとか？ハムチーズが好きな人はもう一回食べれてラッキーかなって思ったけど、食材とかの問題もあるだろうし参考にはならないかな
（相手の問いかけてに少し考えて。自分も好き嫌いはあるためそれを考慮すると二つ種類をワンプレートにしてそのもう一種類は好き嫌いを考慮してみるのはどうかと言ってみて。ただ、正直に言ってみたものの相手の商売なためそこは相手に任せて）

んー、やっぱりハムチーズは定番だよな…でもプレートにするのはいい考えだな……。
(相手の意見を聞き、ハムチーズの定番さと受け入れやすやを考えてふむふむ、と納得する。また、日替わりでのセットメニュー。プレートにまとめて提供するという考えが思いつかなかったのでそれもいい考えだと頷いた。どうせ作るのは3種類てそう時間もかからないものばかり。玉ねぎとキノコのソテーだって最初に軽く火を通して置けばどんな風にも使えるし……、なんならパンを焼いている間に火が通るだろうと思案すればメモに追加して。一通り書き終わればふぅ、と一息ついて食べ終わった相手の皿に手を伸ばして、意見を言ってくれたことへの感謝を伝え)
やっぱり誰かに意見聞くっていいな。自分じゃ考えつかないこと言ってくれる。…ほんと、ありがとう。