ビギナーさん 2022-08-20 17:26:05 |
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さて、そろそろ此方に取り掛からなくては。もう一踏ん張りといった所だ。
(遠目でドクター達を見届けた所でドレミファビートの筐体に戻る。期限が差し迫った衛生省への報告書、電子メールの返信等をその膨大な量に辟易しながら処理し)
飯行くか~、名人。
(またバグスターを消滅させ、一息ついたところでふと口からそんな言葉が飛び出す。冗談のつもりが、思ったより乗り気に返事を返した名人に押されつつ二人で連れ立って食事へと)
そうか、オペは滞りなく完了したようだな。
(画面を通じてポッピーからの現場報告を受ける。報告書類が佳境に入った所で小腹満たしにゼリー飲料を口に含み。「最近使用する機会がめっきり減った」と不服そうに独りごちり、プロトXのガシャットを弄んで天井を仰ぎ)
…もう無理~…
(どうやら食事の際に飲みすぎたらしく、成人男性一人分の体重を支えて不安定にぐらつく名人の肩にだらしなく凭れ掛かり、CRまで運ばれてくる。「僕送っていけませんからね!」強調するようにそう一言言い残した名人は拗ねた子供のようにCRを出ていってしまい)
宝生先生?……なんだ君か。ふ、酒に飲まれてどうする。
(声が聞こえたCRの方へ戻ると、酒気を帯びた相手の姿があった。これは丁度良い、存分に揶揄ってやる、と内心思って忍び笑いをする。
「立てるかい?いや、これは無理そうだなぁ」と面白がって、右腕を背中、左腕を膝の裏に回して相手を抱え上げる体勢をとり)
…あ~?
(少々乱暴に椅子へ放り出されてぼんやりとしている間に抱えられたようだが、本人はまだ意識がはっきりしていないようで締まりのない声を上げる。自分を抱え上げる相手の顔をじっと覗き込んでいて)
全く。無防備にも程がある。
(相手の耳元に「貴利矢」と吐息混じりの声で名前を呼び、額にキスを落として。掌で体温を感じ、本来なら隙を見せない人物がどんな反応をするのか楽しんでいる様子でもあって)
あ~…あ、黎斗だ。
(耳元の声にぞわり、と身体を震わせると相手の顔に首を傾げる。「…ははっ」と何が面白いのか微かに笑いながらアルコールで潤んだ瞳を向け、啄むような口付けを相手の唇に)
はぁ……?おい、今私の口に、しただと。
(驚愕した矢先に、それはほんのりとアルコールの風味がした。暫くは酔いが醒めて暴れ出す、といったことは起こらないだろう。先を越されたのは癪だが、素面に戻った君がどう弁解するのかが内心楽しみでもあり。お返しに、と唇に短く口付けをした後抱き上げている相手の身体をそっと下ろして「ほら、帰るぞ」とエレベーターに向かうよう促し)
…は~い。
(だらり、と相手の肩にしなだれかかるようにしてふらつきながらも立ち上がり、覚束ない足取りでエレベーターまでの道程を歩く。少し進んだところで足を止めては相手を振り返り、「…送ってくれないの?」と少しだけ普段を彷彿とさせる悪戯っぽい笑みを浮かべ)
ふっ、最初からそのつもりだ。
(暗闇の中で妖しく笑い、背中をトンと押して相手をエレベーターに連れ込む。ボタンを押して数十秒後、地下駐車場へと到着して。介抱しながら自家用車の元へと辿り着き、ドアロックを解除して助手席に座るよう促し)
…ん。
(相手に促されるままに助手席へ腰を下ろし、どこか焦点の合わない瞳でぼんやりとフロントガラス越しに地下駐車場の風景を眺めていて)
まるで借りてきた猫だ。ひとまず君の自宅にまで送ればいいか?
(相方のシートベルトを締めようとして顔を覗くと、認めたくは無いが今の貴利矢を見ると「可愛い」と思ってしまう。
やがて病院の敷地を抜けて、車を走らせながら行き先を尋ねる。助手席横の窓を開放すると、夜風が車内に流れ込んで頬をくすぐり)
…うん。
(酔いが相当回っているらしい、幼い子供のように随分と素直に頷き、風に目を細めながら「…黎斗ぉ~、好き。」と甘えるような声を出してみせ)
きりやくーん、そんな気軽に好きって言ってもいいのかなぁ?
(サイドミラー越しに見違えるほど締まりがない貴利矢を眺め、悪性な笑みを浮かべる。次の日には素の彼に戻るのか、と惜しく思いながら信号の色が緑に変わるのを待ち)
…好きだから、いいの。
(拗ねた子供のように、効果音が付きそうなほど態とらしく頬を膨らませては相手の頬に口付けを一つ。それで満足したのか瞼を閉じ、寝息を立て始め)
……はぁ、全く。普段は誤魔化す癖に。
(医者の不養生とはこのことか、と呆れながらも満更でもない顔で呟き。九条宅の前で車を停めた後、先程自販機で購入したペットボトルを相手の熱った頬にピタリと付け「着いたぞ、起きろ。まずは水でも飲め」と声を掛けて)
…分かった。
(寝ぼけ眼のまま相手からペットボトルを受け取り、封を切ると一気に飲み干す。「…どこ入れたっけ…」と力無く呟きながら自身の家の鍵を覚束ない手付きで探していて)
それは君しか知らないな。服や鞄のポケットの中は見たか?
(運転席から降り、冷んやりとした外気を吸い込んで吐き出す。辺りは薄暗く、まるで街一帯が眠りについたような印象を受けヘッドライトと街灯だけが光を主張していて。助手席のドアを開けて鍵の在処を探している相手を見入り、愛しさの余り頭をくしゃりと撫でていて)
……あ~…あった。
(ガサガサと鞄やらズボンのポケットやらを探していたが、結局ズボンのポケットに入っていたようで声を上げる。「…一人、つまんねえ。」鍵を開け、ドアノブに手を掛けながらそう小さく呟いて)
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