ビギナーさん 2022-08-20 17:26:05 |
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それならいいけど~。
(相手の返答にはそう答えて引き下がり、今しがた置いた缶を持ち直すと中身を全て飲み干す。空になった缶をテーブルの上に投げ出し、空いた手で相手の頭を撫でてやり)
あたたかい。……悪くは無いな。
(毒気のない口調でそう呟く。それは決して皮肉めいたものでは無く、彼の本心から出た言葉らしい。掌から伝わる感触は心地よく無意識のうちに顎を下げていて、まるで撫でるのを続けろ、と催促しているかのような体勢を取っていた。相手の体温を求めているのか、ゆっくりと顔を近づけた後に抱き付いて)
…
(口に出せばまた機嫌を損ねそうだったので、声には出さないが可愛い、と内心で呟きながら自分に抱き着いてくる相手を優しく抱きしめ返す。頭を撫でる手は止めないが、もう片方の手で相手の首筋やら服から見えている部分を撫で回してみて)
貴利矢。
(微量のアルコールと愛しい相手の仕草に酔いしれて、その名前を語尾の母音を伸ばして呼び掛ける。地肌を撫で回されて『触れたい』という気持ち、あるいは独占欲が昂ったのか、相手の口を強引に奪う。そのままソファに押し倒そうとしていて)
…ん?って、ちょっ…
(呼ばれた自分の名前に返答を返そうとした時、柔らかなものに唇を塞がれる。それが相手の唇だと気付いた時にはソファに身体が沈み込んでおり、下から相手を見上げる形になっていて)
君の戸惑った顔は素敵だ。
(妖しい笑みを浮かべて耳元で囁く。その微笑には、困らせてやりたいという嗜虐性に加えて、本人の熱情が感じられる。
馬乗りになって相手の体を押し付ける。手首を攫み、再度唇にキスを贈るも、それには優しさがこもっていて、なぶるのに不慣れであることが分かる。強情でありながら、心臓がドクリ、と脈打つのをより一層感じていた。相手の色んな表情を知っているのは、この私だけ。…今はただ、彼を独り占めしたいという気持ちが湧いているようで)
っ…黎斗、
(普段からは想像できないほど熱情を露わにした相手を見ると、焦れて切羽詰まったような声で相手の名前を口に出す。自分よりも拙い相手のキスに教え込むような動きでその口内を柔らかく嬲ってやり、少ししてから「…酔い過ぎじゃない?」と問いかける口調はいつも通りであるものの、瞳の奥は妙にぎらついていて)
…こうもしないと、振り向いてくれないだろう?
(珍しくも寂しげな口調で、ぽつりと打ち明けている。普段の貴利矢は掴みどころがなく本心が分からない。そのため、此方に向ける愛情表現は真か、本人はそれを確かめたいようであった。口内を相手の思うままにすっかり懐柔されて恍惚し、「これ程までに欲してしまうとは…私らしくない」と自嘲的になっていて、抑えていた腕の力が弱まり)
…あー…ホント、何なの…
(あまりに頼りない、普段の傲慢不遜な相手からは想像もつかないような発言を聞くと何とも言い難いような表情で天井を仰ぎ、そう口に出す。拘束が緩まったのを良いことにするりと腕を抜き、相手の頭を自身の顔近くまで引き寄せてやると逃げられないように少々力を込めて押さえ込み、頭が近くなったことでこちらも自然と近くなった耳元へ「…もっと欲しがって、確かめていいよ。…可愛いから。黎斗になら、全部あげる」相変わらず本心が読めないながらも節々に熱情を帯びた、普段より数段悪戯っぽい声色で囁くなり先程の柔らかさは微塵もなく獲物を貪る獣のような勢いで相手の唇を奪う。手持ち無沙汰なもう片方の指先は、CRで相手の鎖骨辺りに刻んだ所有印のような自身の噛み跡に這わせられており、表情も先程までの困惑したものから打って変わった捕食者のような眼差しを相手に向けていて)
んっ。あっ、良いぞ。もっと、だ…
(耳元で相手の発言を聞いた際に、暗黒色の目が見開く。どうやら理性のリミッターが解除されてしまったらしい。その口付けの強引さに、内心相手を仕懸けていたことをやや後悔し始めたが遅過ぎた。口いっぱいに舌で蹂躙されて、自身の舌も紐のように絡み合っているせいか、思うように息ができない。獣性を剥き出しにした相手の様子からして、此方側はいわば肉食動物に捕らえられた被食者だろう。頭の中がドロリとした熱い何かで侵食されていく感覚を覚える。光を失い虚ろで蕩けた目つきで、貴利矢を見つめ返すことがやっとだが、乱暴な愛の証明に心の隙間が穴埋めされていく。もっと印をつけて欲しいと言うかのように、無言でシャツを捲り腹部を露わにして)
…ふ、
(こちらを見つめるどこか虚ろな瞳に、自身の心から初めて感じる、征服欲や支配欲じみたものが湧き出てくるのを感じたところで差し出された相手からの随分と可愛らしい要求に微かな笑みを漏らし、顔を上げるが思うように吸いつけないのか舌打ちを一つ、ぐるりと相手を引っくり返すと体勢が逆転して此方が相手に馬乗りになる姿勢となった。照明に照らされた白い皮膚に頭を近付けて最初は優しく、徐々に跡が残るよう吸う力を強めていくと相手の白い肌によく映える幾つもの紅い花が咲いていく。その様子を満足げに見つめ、相手の膝裏に手を差し込んで掬い上げるとその爪先や脛にも何度か慈しむようなキスを落とし、その後にはきつく吸い上げて、自身の衝動のまま差し出された腹部だけでなく足、首筋、腕や相手の全身に所有印を刻んだところで「…まだ、足りない?」と相手に問うような声色だが、半ば己の呟きのような言葉を漏らしては相手の首筋へ吸い寄せられるように顔を寄せ、大きく口を開けるとCRの痕を残す時よりも多少強い力でぎり、と相手の肌に歯を突き立てて新たな噛み跡を残していく。「…黎斗も、していいよ」こちらも肌を露出し、相変わらず相手に向ける瞳はぎらついたままであったがそう薄く笑ってみせ)
は、はははっ。
(押し倒されて痴態を演じている自身に乾いた笑いが込み上げてきた。最後の闘諍は大分前のことだが、私はこれまで彼との喧嘩を何度か経験している。相手を力一杯に殴り、そして思いっ切り殴られる。命を落とすことも度々あった。しかし、同じく己を曝け出す行為と言えど、愛撫は似ているようで違った性質を持つものでは無かろうか。体が相手の色に染められていくのを、素直に悦んでいる。そして体中が傷だらけになっていくのは快感で、荒療治にも思える所行も、ねちっこく物分かりが悪い私にとっては丁度良かった。
相手に頸筋を噛みちぎる勢いで吸いつかれたので、痛みと快感が脳内に駆け巡ってきて無意識に背中を反っている。蝶とそれを誘い込む甘い蜜のように、このまま依存関係になってしまえばいい。
荒い息を途切れ途切れに吐きながら、「想像以上だよ。はぁ、……君でないと満足できない体になってしまったみたいだ」と死霊のような未練がましさをもって呟く。ゆっくりと舌を舐めずった後、相手の首筋に喰らい付いて疵跡を残し)
…っ…
(相手と同じように首筋へ走る痛みに少々眉を顰めるものの、相手の身体に目立つ自身で刻んだ無数の傷痕に目線を落とすと、また煽られたように息を呑む。相手からの呪いにも似た言葉に口元を歪め、指先を妙に艶っぽく見えるその唇へ伸ばして「…ふ…神のお気に入りとか光栄~。」と笑ってみせた。唇の形を確かめるように柔らかくなぞった後は自分の肩口に戻し、噛み跡からじわりと滲む血液を纏わせるとそのまま相手の唇へ持っていき、その次は相手の肩口に指先を這わせ、血液を掬い取るとその指を自らの口元へと見せつけるようにゆっくり運んで)
寵愛にしては少々乱暴だったかな。
(先程の虚脱状態は消えて、不気味にも掴みどころが無い、爽やかな笑みを浮かべて答えている。まるで相手と契約するかのように繊細な所作で赤い液体が滴っている指先を、そっと口に含んで舌で感じ取っている。独特の香りが鼻腔を刺激させて、相手の温もりに情熱を傾けながら「ああ。君は取っておきさ」と囁いており)
…な~んだ、さっきは可愛かったのに。
(すっかりいつもの調子を取り戻したらしい相手を見つめ、そう言うものの表情はいつものままで言葉程落胆している様子は見受けられない。寧ろ自身の首筋に深々と残る噛み跡を気にしているようで、傷痕に手を遣りながら「…あー…これどうしよ。」と小さく呟いており、手近にあった救急箱からガーゼを引き寄せてその傷痕に押し当てていて)
うーむ、流石にやり過ぎたか。
(今くらいは可愛いと言うのを大目に見てやろう、と内心思いながら、相手を見遣ってにんまりと笑っている。当の本人は酔いがすっかり醒めたらしい。先程は妙な言葉を先走った気がするが、自分でも良く覚えていないようだった。無数の傷跡を気にする素振りを見せることはなく、乱れた服を整えており)
…何笑ってんの。
(既にじわりと血が滲み始めているガーゼを首筋に押し当てたままではあったが、相手の笑みを見遣ると途端に不満げな表情を浮かべる。ふと眠そうに欠伸を一つ、「…黎斗、一緒に寝る?」と冗談めかして尋ね)
隣で寝かせてくれ。
(流れに乗って当然の行為をしたまでだ、と本人は考えているため、何故笑っているのかと問われて呆気に取られている。もちろんCRのドクター達に首元の傷が勘付かれた場合には、由々しい事態になりうると頭では理解している。が、何処からか湧いてくる謎の自信のせいで、然程問題視はしていないようであった。
相手の悪戯な表情と誘い文句のお陰でくすぐったい思いがして、無意識のうちに頭を軽く撫でていた。「…これは私からの命令だ」と相も変わらず態度がでかいが、控えめな調子で物言いをし、その語勢から甘えているようにも見受けられ)
はいはい。
(相手からの要請を軽い調子で受け入れ、今しがた二人で本能のまま戯れていたソファに再び体を沈み込ませる。そうしてまた大きな欠伸をひとつ、相手を誘い込むように両手を広げたかと思えば「…ほら、どうぞ」と悪戯っぽく微笑んでみせ)
ふ…
(魅力的な微笑を前に無意識にも笑みが溢れ、相手の体に手を回した。体格差があるため相手を包み込むような体勢で抱き締めている。そして『貴利矢』と名前をささめいて、背中を優しくさすっており)
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