ビギナーさん 2022-08-20 17:26:05 |
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これ程甘くして飲んでいるのか……いや、前々から君の嗜好は知っていたのだがね。
(口直しにブラックコーヒーを飲む。『これではコーヒーの風味が消されているのではないか……』と内心呆れる一方で、あまり相手にして来なかった九条貴利矢という1人の人間を知る、良い機会だと考えて)
全く……興味深いよ、君は。私を楽しませてくれる。
そりゃ良かったですね~。
(へらり、と軽そうに見える表面上の、本心が伺えない笑顔を浮かべながらそう笑うと「まあ、自分も神のこと気にならない訳じゃないんですけどね~?」言いながらコーヒーをまた啜って)
この私に興味を持ったかぁ!……私も親しくなりたいとは思っているよ。もちろん、本心だ。
(いつもなら調子に乗り、自由気ままに周囲の人間を振り回す行為、〈神〉の気まぐれを見せるかと思われた。が、一呼吸置いて神妙な面持ちで返答し)
…珍しいこともあるもんだね~。
(普段の振る舞いに戻るかと思えば、伺えたのは珍しく神妙な顔付き。こちらも笑顔を消して椅子に腕を投げ出しつつ「んじゃ、名人たちが戻ってくるまでお喋りでも?」と提案してみせ)
うん……そうだな。先生方が戻って来るまで歓談でもしようか。
(首を縦に振り、相手の提案を聞き入れる。余裕のある物言いをしながらも、どういった話を振れば良いのか解らない様子で、椅子に座ったまま長い足を組み直し)
あ~…喋るっつってもなあ…
(言った当人も話題が浮かばないのか手持ち無沙汰に手遊びをしており、わざとらしい上目遣いを向けて「オッケーしたんだし、話題振ってくんない?」と首を傾げ)
(「ああ」と生返事で返す。突如こちらに向けられた上目遣いに、心臓が縮み上がるような感覚を覚えた。いやまさか、神である私が甘酸っぱい感情を抱くとは、有り得ないと密かに抗って、流した前髪を弄る仕草をし。今更互いの趣味について語るのも、ピンと来ない。ともすれば、かなりデリケートな話題になりそうだが、以前から個人的に気になっていた点を問い)
九条貴利矢は……私のことをどう思っている?
どうって…神のこと?
(振られた話題にやや困惑気味、だが考え込むような仕草を見せれば「…『神』としてなら信用できないってのは確か。まあ、でも自分は『檀黎斗』としてなら言うほど嫌いじゃない…ってところかな。」どこまでもはぐらかすように答え、いつものように笑ってみせて)
そうか。一個人としては、嫌われていないようだな。
(以前の私であれば、ただゲームマスターとして君臨していればそれで満足だった。にも関わらず、言うほど嫌いではない、という相手の評価と、安堵した自分自身に驚き目を丸くし。
人間を辞めた後、周囲と接していく中で心境が変化していったのだろうか。九条貴利矢にとって、いや人類にとって自身は諸悪の根源であり、世間的にはデータごと抹消するのが正しかろう。
いつものように接してくれるのは、喜ばしいことで自嘲気味に笑い返し)
君は優しいな。
私は……そんな君が好ましいと思っているよ。
はっ?
(相手の言葉に上擦った声の返事を返し、理解が追いついていない様子の表情を浮かべる。「え、待って待って。神、自分のことそんな風に思ってたの?」と遅れて顔を若干赤く染め、顔を隠すように伏せて)
しまった。私は今、何を言って……
(まずい、と咄嗟に右手で口を抑えたが、先走って本意を伝えたことを隠すには既に手遅れで。平静を装うとするも、やや赤らんだ相手を見つめるといたたまれなくなり、「ああ、そうさ。」と顔を俯いて言い)
…マジか。自分のことそんな風に見てたの?
(顔を伏せたまま普段の饒舌さは何処へやら、ごく小さい声でそう呟く。その後少ししてから恐る恐るといった様子で椅子に隠れていた顔を上げ、遠巻きな視線だけを相手に送りながら「…正直、あんま嫌じゃない自分にちょっと引いてる。」と付け加え)
ははは、そうだ。君こそ冗談を言っているのか。
(相手の方へじりじりと歩み寄る。意図せず思慕の念を伝えてしまったことや相手の言動を未だ信じられずにいて顔が引き攣り。悪い夢でも見ているのだろう、と勘繰っている様子でもあり)
そう、だったら良かったんですけどね~…。
(視線を天井に泳がせ、言葉を曖昧に濁しながら近寄ってくる相手から逃げるように椅子を後ろに下げる。そして元の位置に戻したところで椅子から下り、「…冗談じゃないんだな~、これが。」と控えめではあったが自分の方から歩み寄っていき)
九条先生……目の前にいるのは、君の命を消した男だ。そいつに好かれて気色が悪いとは思わないのか?
(その場で苦し紛れの口実を作る。このまま近づいて仕舞えば、冗談抜きでライフが減りそうだ。胸に手を当て、相手に視線を向けたまま立ち止まり)
あ~…まあ、あの時のことはアレだけど。
(「あの日」のことを思い出すように眉を顰める。自分は宝生永夢にゲーマドライバーとガシャットを託し、消滅した…はずだった。だがそれはそれ、これはこれと言うように「もう過ぎたことでしょ?自分過去は振り返らない主義なんで~。」と笑い飛ばして)
優しいな。私は君のそういう所が……
そうだな、過去に囚われるのは、らしくないな。
(そう呟いて屈託のない笑顔を一瞬見せ。その場で自身の気持ちを証明しようと思ったが、相手にいきなり身体接触をするのは憚られて、突き出した両手を止め)
…何、何したいの?
(こちらに伸ばしかけ、中途で止められた手を見ると足を止め、どことなく怪訝そうに首を傾げながらそう問いかける。そしてからかうように「きりやくんろくさいだから分かんな~い」とお決まりの文句を)
(揶揄われたため押し黙ったものの、彼の言葉が引き鉄となったのか、物を刺すような眼差しを向ける。先程とは一転したその落ち着き払った態度が、これからの出来事に腹を括っているかのようで)
ふふ、つまりはこうしたかったのだ。
(背後に立ち息がかかる距離まで近づいて首元に腕を回すと、耳元で「好きですよ、貴利矢くん」と囁いて)
ひっ…
(ぞわり、背中が粟立つような感覚に怯えとも嫌悪ともつかない声を上げると身体が震えた。振りほどいてしまおうかとも思ったが自分で煽った以上、それもどうかと思われて直立不動で硬直しており)
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