ビギナーさん 2022-08-20 17:26:05 |
通報 |
……はいはい。
(パラドに手を引かれ、相手と向かい合う位置に胡座をかいて座る。メインメニューからキャラの装備を確認したのち通信モードに移行させて、対戦相手とマッチングするのを待機しながらスナックをつまんでおり)
(永夢は時折連動するように身体を動かしながらキャラクターを操作しており、パラドはそんな永夢の様子を横目で見ながら相手に向かって「スナイプ、今日泊まっていかないか?まだやりたいゲームがあるんだ!」と機嫌の良い様子でコントローラーを持ったまま相手の周りをうろうろしていて)
おい。落ち着け……
(ふわふわとしている黒髪を撫でて、テンションがやや高めな相手を宥める。その時に永夢とは感触が違うなと瑣末なことを考えていた。銃で敵を撃破する傍ら話を聞いていると、思いも寄らないパラドの一言に些か驚き、ワンテンポ遅れて「良いのか?」と疑問の言葉を投げかけ)
(「永夢がいいならいいぞ?」とパラドは不思議そうに首を傾げながらゲーム中の永夢に相手を泊めてもいいか、との内容を問いかける。永夢は「うん、いいよ~」と軽い返事ではあったがゲーム画面から目を離し、相手とパラドの方を振り返って笑い)
じゃ、お言葉に甘えて。
(そう言って一瞬フッと笑い、視線をゲーム画面に戻す。誰かの家に泊まるのが久しぶりで嬉しく、気もそぞろになっていた。一方で過去に医師免許を剥奪されてから誰かと共に居るのを避け、孤独に慣れていた昔の俺からは、随分変わったなと感慨深く)
っしゃあ!
(NPCを完封勝利したらしく、立ち上がって叫びながら永夢がガッツポーズをする。パラドもその様子を見て楽しそうに笑い、「心が躍るなぁ」といつもの台詞を言いつつ)
ふ、良かったな。
(側にあったクッションを膝の上に置き、ゲーム機を操作していると上機嫌な声が聞こえた。顔を上げ、はしゃいでいる永夢を目の当たりにし相手のことが可愛く感じられた。スマホで状況報告も兼ねてニコ宛に『永夢んちで遊んでる。今夜は泊まりだ。』と短いメッセージを送り)
(興奮冷めやらぬ様子の永夢はスナック菓子の新しい袋の封を切り、中身を取り出してぽりぽりと齧る。少ししてからふと思い出したように一言、「あ…大我さんのサイズの服ってあったかな…」と呟いた。ニコからの返信は早く、「りょーかい、ついでにキスでもしてきたら?」と最後には半ば悪ふざけのような文言まで付け加えられており)
ごほっ、
(ニコから届いたメッセージを読んだ途端、コーラをごくりと飲んでいる最中であったため、酷くむせ返った。俺が、こいつとキス。『……ったく、まだそこまでやらねえよ』と思いながら額に手を当て、ジト目で睨んでいるキャラクターのスタンプを送信する。永夢には「寝巻きを取りに戻れるから、別に大丈夫だ」と返し)
あっ、それなら…
(その言葉を聞いた永夢の表情は安堵したように綻び、「大我さんと近いサイズなんてパラドのしかないや、って思ってたところだったんです。」と続ける。スタンプでの返信を受けたニコからの今度の返答は「冗談だって。」と一言、続けて上目遣いをするキャラクターのスタンプが)
確かに。パラドは俺くらいあるだろ。
(とは言い切ったものの、正確には此方側が数cm負けている。バグスターも人間と同様に、成長する機能でも備わっているだろうか、不思議な心持ちだった。届いたメッセージには『そうかよ。少しびびった。』と打ち込み、安心した表情を浮かべているキャラクターを添えて返信した。ゆるい絵柄のせいで微妙に字面に合わないスタンプだが、まあ、良いだろう。それからキリの良い所でセーブをして、ゲーム機の電源を落とした。早速服を取りに帰宅しようと立ち上がり、永夢に向かって「一旦帰る。途中店に寄れるが、何か買って来た方がいいか?」と夕飯の支度をどうするのか気になったので尋ね)
僕作れますよ!
(こちらもゲームの電源を落とし、ソファに腰を下ろしたところで相手の言葉に何故か得意気な顔でそう答える。パラドも同調するように頷き、「永夢は料理できるぞ?」と首を傾げて新たなゲームに手を伸ばして)
心強いな、料理の方は永夢に任せるぞ。
(まるで子供を褒めるように、得意気になっている相手の頭を優しく撫でた。出発してから数分後、自宅に到着し着替えやタオル、歯ブラシ等を鞄に入れて再度永夢の家へ向かう。明日の仕事に響くと参ってしまうのでアルコール飲料は辞めにしたが、缶ジュースを持ち出すことにして)
(永夢が楽しげに鼻歌を歌いつつ、夕食の用意をしているとパラドが横から顔を覗かせて何かしらのちょっかいをかける、二人にとってはいつもの風景が繰り広げられる。「パラド、大我さん帰ってきたら家に入れてあげて」と忙しなく手を動かしながら声を掛け、パラドは了承したように頷いて玄関の方へ駆け出して)
飯は何だろうな……
(夕飯のことを考えながら、坂道をぶらぶらと歩いていた。誰かと食卓を囲むことが久し振りということもあってか、胸の辺りがじんわりと温かくなっている気がする。30手前の男がお泊まり会に燥ぐのもどうかとは思うが、好きな人と過ごせるのは嬉しい。そうこう思索している内に永夢の家に到着し、インターホンを押してドア前で待機しており)
(インターホンの音が鳴るなりパラドが「永夢!来たぞ!」とドアを開けながら料理中の永夢に声を掛ける。永夢は片手間ではあったが「どうぞ!」とキッチンの方から顔を出して相手に笑顔を向けると、妙に凝った料理の乗った皿を持っていそいそと危うい足取りでテーブルへ)
ただいま。ん、美味そうだな。
(パラドの後ろをついて行きリビングに入ると、食欲をそそる香りがして顔が綻びる。手を洗って椅子に腰掛け、盛り付けが凝っている料理を眺めて「すげー…」と呟いており)
良かったです…!
(パラドは早々に椅子へ腰を下ろしており、料理に子供のように目を輝かせている。本人も相手の言葉で安堵したように息を吐きながら相手と向かい合う形で椅子に腰を下ろし)
……いただきます。
(全員が席についた所で手を合わせ、独りで飯を食う際にはあまり言わない挨拶を言う。箸でおかずを一摘みして口にすると、素材と調味料の風味が広がって美味しい。炊き立ての白米と一緒に食べると美味しさが一層増し、穏やかな声色で「うまい」と正面の相手に言い)
ホントだ…!
(相手の言葉を聞き、自分で作っておきながら料理を口に入れるとそう感嘆した声を上げる。パラドも「流石だなあ、永夢!」と言いつつ料理を食べており)
トピック検索 |