ビギナーさん 2022-08-20 17:26:05 |
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…ありがとう、ハート。
(凪のように穏やかな表情を目にして胸を撫で下ろす。自分の肩に大きな手が添えられて触れられているのを実感すると、何だか両耳が熱くなってくる。たとえ自分の想いが具体的な形となって叶わなくたって、別に良い。相手が理解しようと努めてくれるだけでも十分過ぎたから。感謝の意を相手に伝えた後はすっかり安心し切ったらしく、自然と笑みを溢していて)
礼は要らない。
(相手の笑みを見るとこちらも安心したようで、変わらぬ笑顔のまま両肩から手を離す。耳が赤いことには気付かなかったようで、「折角外に出てきたんだ、茶でも飲まないか」と丁度近場にあったオープンカフェを指差した。相手から好意を伝えられた所で対応が変わるということもなく、相変わらず「親友」として接しているようで)
良いな。実はちょうど休憩したいと思っていたところだったんだ。
(此方からはっきりと好意を伝えたので、さぞかし驚いているだろうが、相手の言動から以前と変わらず接してくれているのが分かる。そして食事に誘われたのが何よりも嬉しくて大きく頷いており、それは仕事の疲れさえも忘れてしまう程で)
そうか、なら良かった。
(相手が誘いを承諾すると、そのまま相手を連れてカフェの中に入っていく。適当な席に腰を下ろし、アイスコーヒーを注文した後は店内を見回していたが、特に目ぼしいものは無かったのかまた相手を真っ直ぐに見据えた。「…誘っておいて何だが、こういう場所は落ち着かないな」と小さく溢し)
まぁまぁそう身構えずに、話したいことを話そう。
この前買ってたケーキ、メディック達は気に入ってた?
(店内を見渡すと学生や若いカップルで賑わっていて、相手にとっては慣れない環境下だろうと推測していた。先程店員が運んでくれたホットミルクを一口啜り、最近の出来事について話題を振ってみることにして)
ああ、とても喜んでいた。
(仲間達の話題になると少々持ち直したらしく、昨日の二人の顔を思い浮かべつつそう答える。そうしている内に運ばれてきたアイスコーヒーに口を付け、「お前の方こそ…仕事の調子はどうだ、泊進ノ介」と尋ねて)
良い感じだよ。
前よりも忙しくなって大変だなって思う時もあるけど、やりがいのある仕事だ。
(異動後は責任の重い仕事が増えて、時折目前の壁にぶつかってしまうこともよくある。それでも市民を救う警官兼仮面ライダーとして困難を乗り越えて前に進むんだ、と決心しているようで力強く頷きながら答えており)
そうか、良かった。
(話している間中ずっと相手の顔をじっと眺めていたが、相手が力強く頷くのを見ると穏やかな笑みを浮かべ、自身も大きく頷いた。その後手元のアイスコーヒーを半分ほど飲み干し、「それでこそ俺の友だ」と何故か納得したようにそう付け加え)
うん。……ハートにそう言われると、やっぱり嬉しいな。
(相手の言葉を耳にして感嘆の余り両眼が見開かれた後、胸中から嬉しさが込み上げて来たからか目尻を下げて笑っていた。好きな相手から大切に想われていることを改めて実感して、同時に屈託のない笑みに心奪われているのが悟られないよう視線を落とす。目の遣り場を見失って鈍い光を放つ耳元のピアスの方を眺めていて)
ん、気になるのか?
(相手の目線がピアスに向いていることにふと気付き、一旦グラスを置くと小さく音を鳴らしながら指先でピアスに触れる。その後に「お前も付けるか?」と何気ない調子で問い掛け)
えっ!?あぁ、その。相変わらずピアス似合ってるなぁ~と思ってさ。俺は穴開けてないから付けられないけどな……。
(我ながら照れ隠しが下手だと思いながら、再度シルバーアクセサリーの方を見つめ直す。見た目からして普段の相手と何ら変わりない筈なのに、自分が今恋をしていることで相手の格好良さが一層増しているように感じられて面映い表情を浮かべており)
気になるなら開けてみるか?
(相手の目線が下げられても相変わらずピアスを気にしていたようだが、相手の言葉を聞くとそう問い返し、「友達は『お揃い』というものをするんだろう?」と続け)
ああ。服とか…ストラップを友達とお揃いにする人は、周りに結構いると思う。
確かに良いかもな、ハートと同じ所に穴を開けるの。
(『お揃い』という言葉を耳にして相手の関心事が意外に思えた一方、それが愛おしく感じたので目を細めて笑いかける。そもそも自分がピアスを付けるという考えを思いついたことが今までに無かったので、段々と興味を持っているらしく)
案外似合うと思うぞ。
(乗り気に見える相手の態度に気分を良くしたらしく、妙に強張っていた態度が徐々に普段の態度へと戻っていく。顔には普段のように屈託無く、どこか冗談めかすような笑顔を浮かべていて)
似合うかな。ハートみたいに格好良くはなれないだろうけど。
(先程まで場に慣れていない様子に見受けられたが今は大丈夫そうだ。緊張がほぐれたようで良かった、と思いながら相手を眺めており、コーヒーカップの方はすっかり空になっている。相手と話していると胸に溶け込むような幸福感を覚え、時間が経つのが一瞬のようにも感じられる。嬉しい余り胸の内をそっと明かしており)
何度も言ってるだろうけどさ…俺、またお前に会えて凄く幸せなんだ。あの時最期のお別れだと思ってたから。
…そうだな。
(相手の言葉に釣られるかのように瞳を伏せ、"あの時"のことを回想する。そのまま消滅するのかと思っていたが、今はまた復活して此処に居る。一際穏やかに微笑んで相手を見据えつつ、腕を組み)
でも今は俺の目の前に、隣にいるわけで。…嬉しいな。
(眺めていると心奪われてしまうその微笑みを見据えて、幸福感を噛み締めながらゆっくりと喋り出す。先日あの場所で巡り合いこうして相手と話しているのは、まさに奇跡に近いと内心思いながら内面の喜びを吐露しており)
前にも言ったが…俺もだ。再びお前と会えて喜ばしいと思っている。
(相手の言葉を聞いてゆっくりと頷き、手違いであったとはいえ、自身を復活させてくれた詩島剛に内心感謝を述べ)
じゃあ…、俺そろそろ行くな。今日はとても楽しかった。また話そう。
(椅子から立ち上がり、相手の顔を見つめながら微笑みを浮かべた。それから会社携帯と長財布を持って店から離れてゆき)
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