良い人止まり（〆）

あ、侑くん。
(へらりとした笑顔のまま声を掛けてきた相手に手を振り、「優しいっていうか…当然じゃない？困ってたら助けてあげないと。」と言ってみせ)

俺はあまり見たことがないけど、断る人もいるって聞いたから(自分の周りでも当然あるが気付いていないらしく、きょとんとしながらそう言い、「一也君が友達で、すごく嬉しいな」とえへへと笑って言い)

そうなの？酷い人もいるんだね。
（相手の言葉を聞けば眉を顰め、「侑くんは困ってることない？手伝えることなら手伝うよ」と提案し）

困ってること？
…あ、たまに人から付き合って言うから、いいよって言ったのに、もういいって言われること、かな？(何かあっただろうかと考えていると、外見からたまに告白されるらしく、その付き合うを、一緒に行くだと思っていて、OKすると今度は『そうじゃない、もういい』と言われる事を思い出し、言ってみて)

うーん…それは侑くんと相手の解釈の違い、かな。
(しばらく首をひねっていたが、苦笑いとともにそう言っては「多分相手の付き合って、は恋人になってほしい、ってことだと思うよ」と言い)

え、違うの？！(相手に違うと言われて驚き、意味を聞くと顔を赤くして「ど、どうしよう…」と呟き)

どうしよう、って…侑くんはどう思ってるの？
(困ったように眉をひそめ、相手に向けてそう問いかけては首を傾げ)

えっと、どうって言われても…
みんな優しいし、いい人だと思うけど…(恥ずかしさから顔を赤らめたまま、もじもじして、「で、でも、みんな諦めると思うし…」と言っていれば、友人から、「侑、考えてくれたか？」と言われ、どうしようと困惑してしまい)

恋人にするにはちょっと…かな？あはは、俺がよく言われるやつね。
(言葉を繋げては自虐的に笑い、眉を下げて頭を掻き)

一也君、そんなに言われるの？
俺は好きだけどなぁ…(相手の言葉に、不思議そうにしながら言い、適当に言って友人と別れ、「一也君は無いの？困ってること」と言い)

俺は特にないかな…みんな助けてくれるしね。
(乾いた笑い声を上げ、そう言ってみせると鞄から取り出した菓子パンを齧り始め)

そっか、一也君がいい人だから、みんな助けてくれるんだね(周りが助けてくれると聞くと、へへっと笑って)

…どうなんだろ。
(菓子パンを齧りながらぼそり、そう小さく零すと空になった袋をまたカバンに押し込み)

違うの？(きょとんとしながら首を傾げ、「てっきり、そうなのかなって思ったんだけど…」と言い)