セイチャットファンさん 2022-08-13 14:34:00 |
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……あ?行かねえよ。
(国家の犬、国家の犬、ねえ。アイツの言った言葉を反芻していたが、今日は休日出勤だったことを思い出した。デスクの上に丸めてあったジャケットを小脇に抱え、帰ろうとしたところで同じく休日出勤の同僚からこのあと飲みに行かないか、なんて誘われるが酒は好きじゃない。断って颯爽と職場を飛び出し、フルフェイスのヘルメットを被ると乗ってきたブラックのバイクに飛び乗って自宅への道を飛ばす。)
はぁ……嫌だなぁ
(暑い中歩いて事務所に帰るのは少し気怠く、文句を言いながら歩いていると、小さい鞄を手に持っていたがその鞄を盗られて。「あ…」と呟いたもののひったくった人物に何かをするわけでもなく「まぁ仕方ないか」と呟いて)
…あ~…疲れた。
(自宅に戻り、バイクを止めてドアを開けると玄関でネクタイを緩め、堅苦しいジャケットをそこら辺に脱ぎ捨てる。いつも通りの緩いスウェットに着替え、冷蔵庫からアイスを取り出して口の中に放り込んではクッションに埋もれながらさほど面白くもないバラエティが延々と流れるテレビを惰性で点けて眺めていた。スマホの画面を点けても特にやることはない。ただ時間が流れていくだけの気楽な時間)
あー最悪!朝から仕事させられるし良いことない
(鞄の中には大したものは入っていなかったためそのまま事務所に戻ると、依頼が来ていたものの中ですでに解決できそうなものはそのままメールを送信し、諸々を済ませるとゆっくりベッドに体を預けて目を瞑って)
…
(ああ、そういえば明日は平日だ。まともに出勤しないといけないのか…ダルいなあ、なんて思いながらソファに埋もれてスマホとテレビを点けっぱなしに、そのまま寝落ちしていた。次に目を開けた時は外は真っ暗の深夜で、変に凝り固まった身体を伸ばしてスマホを触っているとしばらくしてまた眠りに落ちる。)
……あぁぁ…ねむ
(翌朝になるとねむたげに目を擦ると起床して。昨日の事件はどうなっただろうかと思いながら自分が行っても良いのか分からなかったので呼ばれたら行くか、と思って着替えると椅子に座って)
…了解しました。
(嫌々ながら出勤すれば上司から言われたのは昨日の「探偵さん」とまた組んで事件を解決しろ、なんて指令。思わずふざけんな、と言いかけた口を押さえて百点の営業スマイルで返事を返すと上司が呼んでくる、なんて言いながらそそくさと逃げたのが見て取れた。デスクに苛立ちをぶつける様に乱暴に足を乗せ、組んでネクタイを締め直しつつ「探偵さん」の到着を待ちながらコーヒーメーカーでブラックを淹れて飲む。)
ん……招集されて来ました
(数分後、あの役に立たなさそうな上司にあの警察さんと組んで欲しいと言われて給料を倍にする契約を内密にすると中々苛立ってる態度の昨日の警察さんに声をかけ、「それが調査資料です」と言って相手に上司さんからもらった調査資料を渡して)
ああ、失礼しました。
(どうやらもう「探偵さん」が来ていたらしい。コーヒーを飲み切ると急いでデスクから足を降ろし、営業スマイルを浮かべて資料を受け取ってそれにさっと目を通す。内容は昨日のチープなオカルト物よりは多少悪趣味かつ丁寧に作りこまれたもので、一週間はメシが食えなくなりそうなものだった)
今回はとても芸術センスが皆無なようです
(損傷を見ても平然とそう告げると、そういえば…と追加するように相手を見て「僕の能力、目を合わせた人の情報を抜き取る能力です」そう言って教えてから先を歩いて)
…
(どうやら見立ては合っていたらしい、「探偵さん」は随分ゴリッパな能力の持ち主だった。現場まで急ぎながら向かい、その悪趣味なシロモノを出来るだけ目に入れないようにして)
……内臓は抜き取られていますね。売買でしょうか
(警察さんは見ようとしないため、遺体の損傷を見ながら手袋をしたまま開かれた目と目を合わせ「クリスティーヌ・エバンス、女性、29歳、花屋、遺体の損傷は激しく面識のない相手にされたようで。ストーカー被疑で何度か警察に相談したらしい」と述べてから抜き取られた内臓を確認して)
……内臓は抜き取られていますね。売買でしょうか
(警察さんは見ようとしないため、遺体の損傷を見ながら手袋をしたまま開かれた目と目を合わせ「クリスティーヌ・エバンス、女性、29歳、花屋、遺体の損傷は激しく面識のない相手にされたようで。ストーカー被疑で何度か警察に相談したらしい」と述べてから抜き取られた内臓を確認して)
…内臓だけ抜き取る能力者は、聞いたことがありませんね。
(メシを食えなくなるのは御免なので、できるだけ顔を背けながらも死体に目を向けると「…どの傷も内臓を抜き取れるほど大きいわけではない。」思わずそう口から漏れる。事実その死体の傷口は小さいものは正に切り傷程度、大きくても多少指を突っ込める程度。この隙間からじゃ例え腸だって引っ張り出せるとは思えない。)
内臓を抜き取るというより何かを抜き取れる能力者では?例えば、鞄の中から財布だけ手元に移動させるとかの物を抜き取る能力者とか
(確かに傷口は死傷に至る傷ではなく出血だって致死量ではない。そう考えると移動させる系の能力者かもしれないと言いながらその動機もいまいち分からないが取り敢えずこれ以上は流石に見ていられないと思って「そういう趣味があるものかもしれませんし、取り敢えず死因はショック死、抜き取られた臓器は…ほぼ全部」と言ってから相手の方を見て「……すみません、少し気分が悪くなりました…」と元気のない声で呟いて)
…まあ、誰でも良い気分じゃないでしょう。
(そこに関しては「探偵さん」と同感だ。出来るだけ見たくもないし、さっさと解決してしまいたい。「…成程、何かを抜き取る能力者…ですか。」それくらいなら腐るほど居るだろう。そこら辺を歩いているだけでもそんな能力を窃盗に使ってるヤツがいる。)
……カフェに入りません?暑いですし
(能力を持っているのを探そうと思うものの、それには少し気分が悪いのでそう提案して。きっと経費として食事代は警察持ち出し、と思い提案すると相手の手をとって有無を言わさずにカフェを目指して)
…おおっと…
(視界が揺れ、気付いた時には存外力の強い「探偵さん」に引っ張られるままカフェに向かって歩き出していた。カフェの中に入ると店員に注文を取られるのでとりあえずはアイスコーヒーとメニューの一番上にあったケーキを頼んでおく。席に腰を下ろし、「こういった場所は慣れないんですけどね。」と笑ってみせて)
いちごのパフェと、ココアと…まぁそれでいいかな、後で追加するかもなので
慣れないなら今から慣れたらいいと思う
(メニューを眺めると遠慮すると言う言葉を知らないかのように注文すると、追加すると宣言しながら取り敢えず注文をして。相手の笑みにそう答えてから「美味しいし涼しいし、人の観察も捗るいい場所だよ」と付け足して辺りを見回して)
…そうですね、こういうオシャレな雰囲気が落ち着かないんでしょうか。
(答えてる内に運ばれてきたアイスコーヒーに口を付ける。流石と言うべきか、職場の液状コンクリートみたいなコーヒーを出すコーヒーサーバーより百倍は口当たりがいい。ついでに運ばれてきたケーキも切って一欠片放り込む。美味いのは美味いが、周囲の目線がどうも気になりやがる)
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