ある日、その審神者は──
怪我をした刀に「骨折!?切り傷には包帯と…」と慌てました。
ある日を境に刀を「〇人」と数え始めました。
ある刀剣男士の事を「好き」だと眠れぬ夜を過ごしました。
ある日、その刀剣男士は──
戦場で「生きたい」と口にしました。
「今日の遠征は〇人の…」と、審神者からの指示書に違和を感じなくなりました。
審神者に大して抱く感情に身体が軋むような感覚を抱き、それを「恋」だと笑いました。
時の政府は考えました──恋慕や情は戦の弊害になり得ると。
同時にこうも考えました──否、これを上手く使えば審神者の力が手に入り、付喪神達をも満足させられるのではないかと。