学園長 2022-08-05 14:56:45 |
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>361 | 東風谷 凉
顔が良いってすげえ羨ましがられることだろうけど、それなりに苦労すんだな。まあ俺はあんたの外見も内面も全部気に入ってる上で傍に居る訳だし、全部が全部悪いことだけじゃねえだろ。あんたの反応、すげえ可愛いからつい。凉が俺以外の奴に顔向け出来ねえようになったらそれはそれで好都合だし、いっそのこと出来なくさせてやろうか。……嗚呼でも、そろそろタイムリミットか。残念。あー、退学は駄目。先輩の邪魔はしたくねえし、凉が居ねえなら俺も自動的に学校行かなくなるし。…けど、一日くらい学校行かずに一緒に寝てても許されるよな?凉が何考えてんのか、益々分かんなくなったわ。劣情、か。──抱ける、つったらどうすんの?気持ち悪いって突き放す?俺の傍から離れる?…俺にはそういう経験も知識もねえし分かんねえけど、少なからずそういう感情も多少はある訳で。ただあんたに拒否されるくらいならずっと今のままでいい。凉の望みが俺の望みでもあるから。満足だよ、俺の解釈と一致してるって確認が出来たから。…なあ、俺のこと誘ってんの?そう、だから凉も俺に大人しく捕まえられてて。( きっと経験した人にしか理解出来ないであろう苦難を聞き、彼の本質を知った上で気に入っているという周りとは違う自分を見て欲しくて密かなアピールを。彼の恍惚とした表情に見惚れふと手の動きを止めては、引き寄せられるようにゆっくりと顔を近付けていき。唇の触れ合いそうな寸前の距離にまで達すると近くから生徒の話し声が聞こえ、我に返ったように慌てて顔を離して。漸くそこで自分が何をしようとしていたのか自覚し、そんな気持ちを誤魔化すようにマスクの紐を取り何時も通りの彼の姿へと戻して。自分は良くても彼の学校生活を奪ってしまえば後ろめたい感覚に陥るため一度は拒否するも、あまりに好都合で魅力的な提案を捨てられず。記憶上愛して貰っているとはっきり言えるような経験は無く、こうして人肌に触れたのも初めてに近いため余計に手放せなくなってしまい『…勘違いすんだろ、馬鹿』とか細い声で呟き。彼にもっと近付きたい、理解したいと願う一方で一切感情を読ませてくれない彼に手を焼き。此処で馬鹿正直に答えてもいいものなんだろうか。しかし伝えたとて彼に否定された時の恐怖心が強く対処法も無いため、今の関係が壊れる前に気持ちを確認するべく問い掛けて。御機嫌斜めの彼とは反して此方は満足気に双眸細めて笑い掛け。甘ったるい声が自身の鼓膜を揺らしそれを機にスイッチが入ってしまったのか、視線合致した彼に迫るようにぐいぐいと上体前のめりに。大人しく捕まえられている彼の様子を見下ろしつつ、態とらしく耳許に顔寄せ彼の意を確かめ。彼の不器用な弁明を受け心底嬉しそうに表情崩して笑えば、彼の袖掴む自身の掌を一瞥して。彼の吐息が耳にかかり思わずごくんと生唾嚥下しては、彼の制止求む声も一切届いていないようでそれどころかどんどん行動はエスカレートしていくばかりで。彼のシャツの釦を上から一、二個開けては首から鎖骨にかけて下るように何度も柔い唇を押し当て。)これやだ?離れたい?──…ふ、そっか、うん。すげえ安心した。俺の手、握ってくんねえの?もうこの際受け入れちまえよ、あんたの力なら無理矢理引き剥がすことだって出来んのにそうしてない訳だし俺に何されても文句言えねえよ。ふは、駄犬なんて酷いなあ。まあでも凉に構って貰えんなら別にいいか。
>362 | 諏訪 晴臣
ずっと晴臣の一番でいさせてくれるなんてすげえ贅沢、まあ最初から誰にも譲る気なんてねえけど。俺が言われ慣れりゃいいんだろ、そんなん簡単。──勿論、宜しくお願いします。今まで晴臣に沢山愛情貰ったから、今度は俺の番ね。…なあ晴臣、好き、大好き。絶対誰にも渡さねえから。どうせこれから同棲するんだし毎日一緒に作れるから、ゆっくり精度上げてこうな。受け止めるだけじゃ嫌、もう晴臣に甘えてばっかの前の俺とは違う。あんたに負けねえくらい俺も愛情表現すっから覚悟してて。…う゛、俺そういう気持ち伝えんのとか苦手なんだよ。でも晴臣の此処、破壊してやりてえとは思ってる。幽霊になっても俺にしがみつく気?もう守護霊なのか悪霊なのか分かんねえな、それ。いざ言われるとどう反応したらいいか分かんねえな、……うん、でもやっぱ嬉しい。多少の痛みも我慢出来ちゃうくらいには俺に溺れてんだな、まあ俺も似たようなもんだけど。すげえ応援するし、俺にもなんか手伝えることあったら言ってな。失って初めて気付くことだってあるから。…まあでも幾ら悔やんだって過去は変わんねえし俺もすげえ憎いけど、だからこそぜってえ晴臣のことも晴臣の耳も大事にすっから。あ、でもこれから受験とかで忙しくなるだろうし晴臣はもう少し後でも良いんじゃねえ?──…自分で言っておいてすげえ恥ずいっつうか、緊張するっつうか。( 先程まで不安で寝れないと散々喚いていたにも関わらず、いざ彼の傍で目を瞑ると襲ってくる眠気に一瞬で包まれてしまい直ぐに意識を手放して。最期まで彼の一番で居られることに嬉々を滲ませては、必ず彼を手放さないよう捕まえておこうと密かに心に決め。強気にそう言い放つも実際は吃驚するほど可愛いに対して免疫がなく信憑性は皆無であり。晴れて彼と恋人になれたことに幸福を感じつつ、やはり照れ臭いのか無意識に普段絶対に使うことのない畏まった口調で告白の返事をして。今まで彼に思いを伝えて貰った分自身もその倍で思いを返したいという気持ちが強く、俯く彼にもお構い無しに両手で頬を包み込み強引に視線合わせては真っ直ぐに恋情をぶつけて。これから毎日同じ家で過ごすのならば彼の願いも容易に叶うだろうと優しく笑い掛け。段々と身体の力が抜けていくのが分かり倒れ込むように彼の胸へ飛び込めば『良いよ、俺の身体はもう晴臣のもんだし。あんたの不安は全部俺が解消してやりてえから。…普通はもっと嫌がるもんだけどな。つうかこれ、友達にどう説明すんの?』と予想外の反応を見て呆気にとられ。受け止めて欲しいと述べる彼に食い気味で反抗しては、目前の光景に思わず生唾嚥下して一瞬怯むも自身も負けじと彼の手を取り甲に口付けを。過去こうして自身の思いを伝える経験も伝えられる経験も無かった所為かいつの間にか苦手意識を抱いており。それでも自身の気持ちを伝えるこの行為を止めようと思うことは一切無く、壊してやりたいと彼の心臓付近にそっと掌を当てて。彼の笑顔につられるように此方も表情崩して笑い掛け。当たり前だと言わんばかりの強い口調で肯定され内心は安堵やら嬉々やら抱くも、いざ直面すると恥ずかしくなってしまい左右に視線彷徨わせ。此方も痛みなんて二の次で、彼のものだという証明が身体に刻まれることは喜ばしいことであり。先程まで進路について消極的だった彼がこうしてやる気を出してくれたことが嬉しく屈託の無い笑みを浮かべて。左耳を奪ってしまったという事後以降、こうしてお金を送っているのだから彼のことを気にしているのは間違いなく。彼と彼の親が良い関係になればと願ったこともあったが今は誰よりも彼を愛せる自信のある自分の存在があるため、彼を一番に愛すのは自分だと言いたげに左耳へ優しく口付けを。思わず抱き合って眠る場面を想像してしまい一気に赤面してしまえば隠すように手の甲で口許抑え。親から了承が出たことを伝えようと彼の顔の前にトーク画面を差し出しては『これでいつでも晴臣の家に行けるよ』と無邪気に笑って見せ。嫉妬されたいと願う彼に拒否するように首を振っては、自制の効かなくなった自分が何を仕出かすか予測出来ないため怖く。ふと恋人繋ぎに変えられた掌を一瞥した後、謝罪と申し訳程度の好意を伝えるも羞恥心に負け直ぐに目線逸らして。追い討ちをかけるような言葉に涙で視界が歪み始めたため、泣き顔を見られぬよう慌てて彼の肩口へ顔埋め。彼の強請る様があまりに可愛らしくレアケースということもあり我慢なんて出来る筈も無く、欲望のままに彼の唇を奪い。不服そうな彼の反応を愉しみつつ問い掛けて。彼の言葉に肯定するように頷くも、彼の人の良さが逆に不満なのかぶつぶつとバツが悪そうに呟いて。一緒に居ない時間に彼が何をしているのか、何処に居るのか気になっているのは自分だけだと思い込んでいたこともあり報告を求める彼に少々吃驚して。自分の欲望だけを優先した所為で彼に迷惑が掛かってしまうことを恐れて中々触れ合えず、直ぐに彼の手から逃げるように顔背け。嬉しそうな彼に満足気に頬緩めては『もっと好きにさせんのは晴臣次第だから、まあ精々病気が治んねえように頑張ってよ』と試すような口振りで。彼を好きだと自覚して以降、苦手ながらに伝えてきたつもりだったがまだ足りないのかと瞳覗かせ。態とらしくリップ音を掻き立て乍ら口付ける彼に欲情してしまい、阻んでいた食指を彼の顎へと添えれば不意に唇重ねて。中々鎮まらない自身の心臓に困ったように顔顰めては、彼のネクタイを掴み自身の方へ引き寄せつつ理不尽な台詞を平然と吐き。普段なら直ぐに許容するだろうが彼の思い通りにしたくないという厄介な反抗心が湧き出てしまい、頬撫でる手を掴み引き剥がして。 )やーだ、嫉妬したら多分おれ暴走するし何するか分かんねえから。不安煽って御免な、大好きだよ晴臣。……分かってる、もう十分伝わってるからその辺にしといて。あーあ、晴臣のお強請りが可愛くてもう我慢出来ねえわ。兄弟じゃ結婚出来ねえもんな?その解釈で間違いねえよ、ただ晴臣が完璧なのは悪い虫が寄ってきそうで困るから多少は悪いとこもあって欲しいけど。…ん、報告は全然出来るけど晴臣と一緒に居ない間に俺が何してるか気になったりすんの?俺ももっと触れてえけど、人目を気にするっつうか。やっぱ晴臣って友達多いだろうし見られたら困んだろ?あんたの愛情が重くなればなるほど逃げたくなくなるようなタイプだから安心して。…俺だって晴臣に負けねえくらいには重てえ愛情送ってるつもりだけど、まだ足んねえの?──…無理、俺が我慢出来ねえから。全部あんたの所為だから、ちゃんと責任取って。運命なんて信用してなかったけど、晴臣と出会って本当に存在すんだなって思ったわ。…許さねえ、絶対許さねえもん。何時も晴臣のペースにのまれてばっかだけどそうはさせねえ。
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