鬼の哭く夜（〆)

ふふ、そうか…なんか嬉しいな
（相手の口元の笑みを見て、柔らかい表情でそういうと「じゃあ今度はわたしもそのうち話すね」と言いながら家に行くなら菓子折りというのが必要だと思い、目の前に見えた菓子店に行くと商品を見始めて）

……では、そろそろ司令部に戻りましょうか。
（軽く頭を下げると自分もぼんやりと菓子を眺めつつしばらくの間ルカを待っており)

あぁ、一緒に上に頼みに行こうか
（購入したお菓子を持つと、相手に微笑んで頷きついて行き）

……ええ。
（司令部まで心做しかゆっくり歩くと門扉を開き、新兵たちの挨拶に軽く返しながら日本庭園の長椅子に腰を下ろして)

日本っていいね、のんびりできる
（長椅子に腰を下ろすとあくびをし、「お母さんとかお兄さんとは仲がいいの？」と尋ねて）

…それなりに、ですね。
（池で鯉が跳ねるのを静かに眺めつつ答え、軍帽を取ると疲れたように瞳を閉じて)

いいね、ちゃんと大事にするんだよ
（瞳を閉じる相手に、そう告げると鯉がはねる池に近づき、池を眺めて）

……そう、ですね…
（途切れがちに答えると穏やかな寝息を立て始め、軍帽を顔に乗せたまま眠りに落ちて)

ここの鯉って結構元気だね…って寝てる、眠かったのなら言えばいいのに
……部屋も知らないしな、まぁいっか
（相手に話しかけようと振り返ると眠っていることに気付き、じっと見てから起こさないよう、隣に座り軍帽を優しく取って自身の膝の上に相手の頭をのせてあげ、軍帽を自身の上に乗せて遊んだり、静かな日本庭園を特に何をすることなく相手の頭を撫でながら眺めて）

………
（しばらくして浅木は目を覚ましたようだったが、頭を起こすと少しの間眉間に皺を寄せた厳しい顔付きで固まっており)

おはよう、柔らかい枕ではなくてごめんね
（固まってる相手にクスッと笑うと被っていた相手の軍帽を相手の顔に乗せ「もう少し寝てもいいよ？まぁ、君なら起きるっていうんだろうけど」と言って）

……いえ…こちらこそ申し訳御座いません。賓客殿を枕代わりにするなど…
（まだ寝ぼけ眼のままではあったが、半ば普段の浅木に戻って謝罪を述べ)

大丈夫だよ、それくらいわたしといると気を抜けるのかもしれないし。よく眠れた？
（相手の謝罪にそう伝えると少し微笑んで相手の頭を撫でて）

…ええ。
（話しているうちすっかり普段の浅木に戻り、軍帽を被り直すと体を起こして）

それならよかった、ちゃんと眠れてる？
（普段通りに戻った相手を見ながら眠れているのか尋ねて）

…近頃はあまり。
（眉間を揉み、皴を解消しながら大きな息を一つ吐いて答えた後日本庭園に視線を移し、「…落ち着きますね。」と零して）

それなら、今夜いいリラックスティーをあげるよ。鍛錬するのもいいけど休みも大事だよ
（落ち着くとこぼす相手にそういうと心配そうに呟き）

……有り難う御座います。
（瞳を伏せ気味に言葉を返し、しばらくの間は日本庭園を見つめてぼんやりしており)

どういたしまして、ここ好きなの？
（日本庭園を見つめている相手と同じように日本庭園を見つめ）

……そうですね…嫌いではありませんよ。
（そう言いつつ長椅子から腰を上げ、「……戻りましょうか。」と声を掛けて)