通りすがりさん 2022-07-18 12:10:27 |
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……正直に言えば、もちろん自身が飲むのもいいと思いましたが、右近衛さんが背を向けているので信用しているのかな、と思いまして…それならそんな方が死に至る毒を入れることはないだろうと思いました
(お茶を空にするとそう告げ、後から言うのは言い訳がましいだろうかと思いながらも、相手の理由もなく守ることはないと言う言葉に頷くと湯呑みを机に置いて)
ごちそうさまでした
私相手だけに限るなら、どのような時だろうと平気で致死性の毒を盛って来る御仁だという信用はあるな。……が、良い判断だ。
(意味もなく毒を盛ることはないと言ったその舌の根が乾かぬうちに、信用はしていてもまったく違うベクトルでの信用から来る言葉を述べ、すぅっ、と切れ長の双眸を細め。軍医から渡された書類を小脇に抱え、軽く礼をしてから相手の方へ顎を引いて合図しつつ踵を返し)
ミヅカネ女史、すず殿。職務中に邪魔をした。私どもはこれで失礼する。
ミヅカネ(+すず):
わざとらしく背を向けおって、お主の方がよほど新人を試しておるではないか。こやつほど盛ってもつまらん男は居らん。
(ふくれっ面から忌々しげな渋面に変わり、どちらにとっても所詮は戯れの内にしかならぬと吐き捨てて引き出しの中から何枚かの書類を叩き付けるように「つまらん男」と称した男へ渡し。掌をしっしと追い出すように振る軍医の一方で助手は空になった二つ分の湯呑みを下げながら、相変わらず無言と無表情で頭を下げて見送り)
この後はどうせあのジジィのところじゃろう?今度は献体の一つでも持って来るがえぇ、いつでも儂は待っておるぞ。まっ、お主らがその献体になるやもしれんがのう?
右近衛さんとミヅカネさんの信頼は独特ですね
(相手と女医、2人の会話を聞きながら相手の合図があったため後ろをついて行き、扉を閉める際に一礼をして扉を閉めると、そう呟いて。すずという少女の話さない様子にも少し興味は湧くものの最後のミヅカネが言っていた"ジジィ"と呼んだ人についても気になり、相手に尋ねて)
次は…先ほどミヅカネさんの仰っていた方の元に…?
然様。ミヅカネ女史と、今から向かう者は仲が良くなくてな。だからどうということにはならぬが、あまり本人らの前で話題に出さぬよう覚えておいた方がいい。ミヅカネ女史には御歳のことも、だが。
(新しく渡された書類を脇に抱え、医務室から出て再び廊下を規則正しい足取りで歩きながら頷くとここでの数少ないうちに入る注意事項を述べて。途中で他の施設のことに関しても簡単に説明を挟みつつ、少なくとも見た目はたいして可愛らしくもないであろう色々とあまりよろしくない意味合いで関わり合う者達の扱いを他に外部の者が居ない手前もあって堂々と隠すことなくそう評して)
この両人の相手に慣れる頃には、他の軍や諸々の者達なぞ可愛らしく思えるであろうよ。
そうなのですね…気をつけつつ頑張って慣れます
(相手の言葉に思わず他の軍やらが可愛く見えるなんて…と思いながらこの後会うであろう相手を少し考えながら今相手に言われた本人たちの前では話題に出さないようにと言われたことを心に留めながら相手と同じように歩き)
それで、ここは書庫と記録保管室を兼ねている。名の通り、様々な資料や記録を置いている訳だが……大老。
(当然ながら見た目的な意味で可愛らしいと思っていることはなく話題はそのまま流して向かったのは書庫兼記録保管室で、そこそこ広い空間らしい中にはぴっしりと本棚が規則正しく並び、その本棚の中にも秩序正しく書物や綴じられた紙が並んで仕舞われており。その中に足を踏み入れると、その書庫の少しだけ隙間が出来ているような場所の小さな椅子に座している老人へと声を掛け)
末大:
……なんじゃ、わしを差し置いてあのババァのところに行っておったのか。気に食わん匂いがしてたまらん。
(入室と共に掛けられた声に丸まった背姿の老人が扉の方へ振り返ると同時に微かに匂う消毒液独特のアルコールの匂いにわざとらしく鼻を摘まみ、嘆くように大仰に肩を落としてみせて。それから目許も見せぬままにふさふさとした白眉を持ち上げ、身体を丸めて腕を組み)
わしはここを任されておる末大じゃ。まぁ、そこの橙の小僧のように好きに呼ぶがいいし、ここも好きに使うとよいぞ。
(末大/すえひろ)
大日本帝国軍第零師団内の書庫兼記録保管室の主。
見た目は背の低く、腰の曲がった総白髪と目や口を覆い隠す真っ白な眉毛と豊かな白髭を蓄えた老人。こちらも軍服は着ておらず、その辺の一般人のような和装。
ミヅカネとはお互い仲が非常に悪く、「毒ババァ」「マツダイのジジィ」と罵り合う仲。
一見は人の好さそうな好々爺といった風情。か弱い老人ムーブをする癖に、そこらの若い軍人よりもよっぽど元気。
「ヒロ爺」やら「マツ爺さん」やら、皆好き勝手に呼んでいて正しく名前を呼ばれることはあまりない。右近衛はシャレの意味を込めて「大老(たいろう)」と呼んでいる。
公開・非公開問わず軍内の書物や記録のみならず、帝国図書館内の蔵書であるのならば、内容を大体知っている。だが訊かねば教えてはくれないし、訊いたとしても教えてくれるとは限らない。
お初にお目にかかります…末大さん
(好きに呼ぶように言われるが無難に名前で呼ぶとどこか落ち着きがなさげに書物に視線を移し、相手の許可を得る前に気になった書物の方へ行き、丁寧に手に取りパラパラと読んで)
右近衛さん、少し見てきます
分かった。持ち出しの際は、大老の許可を取るように。
(本棚の方へ向かう相手の背中を見送って言葉少なに投げ掛けてから、相手の手にする書物の詳細はこちらからは見えずにこの部屋の主を見遣るとここの主は何も言わないままで。持って来た書類をそのまま渡すと、場に静かに頁を捲る音が響き)
……お待たせ致しました、気になる資料があったのでつい
(一通り気になったものを、中々早いペースで読み終えると相手の元に戻り、少し頭を下げてからこの部屋の主にも同じように頭を下げると一冊の資料だけ持ち出しできるか許可を得ようとして)
すみません、末大さん…こちらの資料だけお借りしてもいいでしょうか
いや。こちらはこちらで用を済ませていたのでな。熱心なのは何よりだ。
(相手が本を読む間、こちらはここの部屋の主とぽつりぽつりと話を交わしたり同様に車庫内の史料を読んで時間を過ごしており、やがて戻って来た姿に顔を上げて気にする風もなく首を振り。問い掛けにこの部屋の主が鷹揚に頷くのを視界に入れつつ、ここから持ち出すという資料を見遣り)
ここで、貴公の興味を惹くものがあったとはな。
これまで現れた未知のもの達やらの資料です。
これからの任務で何かの参考になるかと思って
(妖などの類は、任務と言いつつも何か惹かれるものがあり、個人的にも知りたいと思った面もあったため相手にはそう言いつつ、未知のものへの対処した術などの書かれた本を見せて。もちろんこれで学んだことを活かして任務に向かいたいという熱もあり、資料から目を離すと相手の方を見て)
右近衛さんの調査資料もちらりと視界に入ったので参考にしようと思って
末大:
期限は定めておらんが、汚したり破くような真似はするでないぞ。
(この階に置いて在るものは閲覧も持ち出しも禁止されていないものばかりであるので、他の書庫や図書館のような注意事項を述べただけで特に然したる反応もなく。好々爺然とした豊かで白い眉を軽く上げ、ゆるりと肩を竦め)
報告書は書く者のクセが強過ぎるのがどうにもというところじゃの。
……大老。
(こちらは静かに相槌を打つのみに留める心算であったが、続くこの部屋の主の言葉に少し眉を潜めてたしなめるように一言告げてから、改めてここの主について補足をするものの僅かばかりどう言ったものか困ったように小さく零すような語調で)
書物や記録のことならば大老が大体知っているから、何か気になることがあったらここに来るといい。……他人に報告記録を読まれるのは、いまだ少々気恥ずかしいものであるな。
(/背後です…!
すみません、ここ数日忙しくて返信が遅くなっていて…まだ忙しくて返信が遅くなりそうなので数日待っていただけると幸いです…本当に申し訳ないです!)
(/こちらも背後のみ失礼いたします。返信、承知いたしました。レスの方は気になさらず、そちらの落ち着いた頃で大丈夫ですのでどうか無理なさらないで下さいね)
はい、決して汚しません…少しクセが強いですね。絵を描いている人もいますし
(注意事項に頷きながら少し笑みを浮かべると、書物を大事そうに抱えながらある一頁を相手に見せるとそのページには妖の姿が描かれた絵を見せて。相手の報告記録も見たいため少し探すと見つけた為その頁を開いて読んでみると中々クセのある相手らしい報告書で思わず少し笑ってしまって)
…普段の右近衛さんらしい報告書ですね
(/やっと落ち着きました!時々返信遅いかもしれませんがこれからもよろしくお願いします。)
あまりに癖の強いものはこちらで代わりに報告している。……貴公の「らしい」がどのような解釈なのか、訊きたい所ではあるな。
(視界の端に自分が書いた報告欄が見えると微かに眉間に皺を寄せて何とも言い難い表情になり、やや潜めた声音で呟き。それも数秒間のこと、他にも気になるところはありそうだがとしながらも表情を改めて末大の方へ向き直って目礼し)
大老、あまり他の者を揶揄うのも程々に。他のことについては、また。
(/返信は余裕のある時に、ゆっくりでも構いませんのでお気になさらずに。こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします)
……どこか読めないところがあるけど、真面目な部分がわかる、と言う意味です。右近衛さんの報告書が今の所分かりやすいと感じる報告書だったので
(相手の言葉に決して悪い意味ではないとも言うわけではないが、読めない部分もあるけど真面目さが分かる相手らしいと称しながら末大さんの方を見てお辞儀をして)
それは……ふふ、貴公は律儀というか、貴公の方が余程真面目のように私は思う。むしろ、正直であると言うべきか。
(些か難しげな顔から緩い瞬きと僅かな間を置いた後に鼻から下、口許や顎に掌を添えて小さな笑みに似た吐息を零して。見た目だけは好々爺の風体でひらひらと手を振って見送る末大から背を向け、書庫兼記録室を出ると再び施設内の案内に戻ってあらかたの説明を終えると振り返り)
あちらは予科士官のための施設となる。今は調練の時間の筈だが……さて、これで一通り話したと思ったが、今までのところで何か説明の分かりにくい所はあっただろうか。
そうでしょうか、ありがとうございます。
(相手の言葉に素直にお礼を言うと、そのまま施設の案内に耳を傾け、説明が終わり特に質問はなかったため首を振って)
いえ、特に質問はないです。ありがとうございます
そうか。ならば、本日はこれで以上だ。私は少々用向きがある故にな。
(答えに一つ頷きを返して口許や顎にあてていた手を下ろして、中から窓越しに外を見遣るとまだ陽も高い時刻で空模様も快く、戻った平坦な表情で淡々と変わりない声色で告げ)
緊急の招集には勿論応じて貰わねばならぬが、外出にも制限はない。自室の整理もあるだろう、好きに過ごすといい。
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