検索 2022-07-09 20:46:55 |
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俺達はゲームの中で動くキャラクターじゃねぇんだ、俺達がお前の思い通りに動くと思うなよ
(とうとう本音を微塵も隠さなくなってきたニタリにこちらも惜しげも無く敵意を向ける、応援しているだなんたと言って相手も見世物小屋の住人だと思っているのだろう。ニタリにとって相手は応援の対象ではない、享楽の消費物なのだ。相手も自分も彼が情報を集めて作り上げた理想像に収まってやる義理はない、相手に手を出さないよう忠告するが直接としか限定しないあたり相手に手を出そうとしているのは明白だ。後で相手にこのやり取り伝えることを決めつつ、「二人で一人の探偵を舐めんじゃねぇ」と言い残してニタリの部屋を去った。一方で相手がゾクルの部屋に入ると豪華絢爛な家具に囲まれた空間に玉座の上には彼女が、アンティークなテーブルを挟んで向かいには同じくアンティークなチェアが用意されており『待ってたわフィリップ。あなたとは仲良くなりたいと思ってメッセージを送ったの、お互い左.翔.太.郎が大好きな者同士でしょう?楽しい話が出来ると思って』と歓迎ムードを出しながら向かいのチェアに座るよう促して)
俺達はゲームの中で動くキャラクターじゃねぇんだ、俺達がお前の思い通りに動くと思うなよ
(とうとう本音を微塵も隠さなくなってきたニタリにこちらも惜しげも無く敵意を向ける、応援しているだなんたと言って相手も見世物小屋の住人だと思っているのだろう。ニタリにとって相手は応援の対象ではない、享楽の消費物なのだ。相手も自分も彼が情報を集めて作り上げた理想像に収まってやる義理はない、相手に手を出さないよう忠告するが直接としか限定しないあたり相手に手を出そうとしているのは明白だ。後で相手にこのやり取り伝えることを決めつつ、「二人で一人の探偵を舐めんじゃねぇ」と言い残してニタリの部屋を去った。一方で相手がゾクルの部屋に入ると豪華絢爛な家具に囲まれた空間に玉座の上には彼女が、アンティークなテーブルを挟んで向かいには同じくアンティークなチェアが用意されており『待ってたわフィリップ。あなたとは仲良くなりたいと思ってメッセージを送ったの、お互い左.翔.太.郎が大好きな者同士でしょう?楽しい話が出来ると思って』と歓迎ムードを出しながら向かいのチェアに座るよう促して)
…ああ。僕も翔太郎から話を聞いて君のことは気になっていたよ。綺麗なお姉様だったとね
(部屋に入ってみるとニタリとはまた違うインテリアで飾られていて奥には豪華な玉座に座る女性が居た。相棒がデレデレするのも理解は出来る美人でやはり彼女がサポーターなのだろう。入口の辺りでそうして観察と思考を巡らせていれば彼女から声が掛けられて思っていたのとは違う歓迎ムードに拍子抜けしてしまう。分かりやすく敵意や悪意を感じなければ促されるまま向かいのチェアに座る。相棒のことを大好きと語る彼女に少し引っかかりを覚えるものの友好的ならそれに越したことはない。一定の警戒は続けながらも相棒から聞いた印象を伝えて彼女と会話する姿勢を見せて)
『あら、翔太郎がそんなこと言ってたの?嬉しいわ。分かっているみたいだけど一応名乗っとくわね。私はゾクル、左.翔,太.郎のことを応援してるサポーターよ。よろしくね』
(探偵が自分のことを美女だと称していたことに機嫌良さそうに返事をしながら相手を迎え入れたゾクルは相手が席に着いたタイミングを見てテーブルに置かれていたベルをチリンと鳴らす、すると別の扉から仮面で顔を隠した男がワゴンを押しながら入ってきてクッキーの皿をそれぞれの前に置き紅茶をいれるとゾクルと相手へと出して直ぐに去っていく。ゾクルは優雅に紅茶を一口飲んだ後にジッと相手を観察するように見つめながら薄く笑みを浮かべると『ねぇ、あなたは翔太郎のどんな所が好きなの?あなたが一番近くにいるんだから一番知っているでしょ?』と興味を瞳に宿しながら問いかけて)
ああ、宜しく。…まさかこんなに歓迎して貰えるとは思わなかったよ。
(こちらが席に着くとベルを鳴らして従者のような仮面の男がワゴンを押して入ってきてクッキーや紅茶が用意されていく。本当に友人と話をするような待遇に驚きつつ改めて自己紹介を受けるとこちらも短く返事をする。情報が食い違っていた件といい相手を悪いように扱いこちらにもあまり良い対応をしないだろうと身構えた分、そのギャップに素直な感想を零した。彼女が紅茶を1口飲むとこちらも口をつける、銘柄は分からないが嫌な渋みがなく恐らくこれも高級品だろう。少し警戒を解いた所で興味が乗った瞳で相手の好きな所を問われると一瞬身を固める。誰かに好きなところを語るなんて普段は断る所だが同士という意識が芽生え始めていれば「好きな所…、色々あるけれど一番に浮かぶのは真っ直ぐな所だ。それで失敗することも勿論あるけど誰に対してもどんな事でも真摯に向き合う所は好ましいと思っているかな」と素直に答えて)
言ったでしょ?私達、左.翔.太,郎を好きな者同士なんだもの。……あぁ、分かるわ。ほんとあの子って何処までも愚直で自分のことを顧みず前へ進むことしかできない、とても愚かで、でも愛おしい
(ゾクルは本気で相手をお喋りのために呼んだようにもてなしその様相はさながらお茶会だ、相手が紅茶に口をつけいくらかリラックスしたところで相手が探偵を好む所を聞いてその答えを薄い笑みのまま待つ。相手が探偵を語る間軽く頷いて相槌を打つと同じ気持ちだと言わんばかりに優雅な手つきで胸に手を当てる。今度はゾクルが探偵のことを語ると興奮からかその頬は薄らと色づいて悩ましげなため息をついた。その言葉には僅かに狂気が混じっていて相手に同意を求めるようにその瞳を見つめる。ゾクルがゆらりと手を振るとテーブルの上に小さなモニターが現れて映像が流れ始める、『この映像を手に入れるためにあらゆるツテを使ったのよ?』と少々自慢げな言葉と共にそこに映ったのは分岐した世界の探偵、相棒を失い自暴自棄になっていた姿だった。どうやら映像はあの時空の探偵が相手に会う前の映像らしく、時折ノイズが入る監視カメラ映像には煙草を口に咥える姿が映っていてやがて襲いかかってきた男達と殴り合いが始まった。探偵が頬に一発貰った瞬間にゾクルは口角を大きくあげて「私、この時のこの子が大好きなの。こんなに泥水をすすっているのにギリギリ前を向いてる。あなたもこういう翔太郎が好きでしょ?」と興奮気味な視線を相手に向けて同意を求めて)
…え? っ、なんであの翔太郎の映像が…!
(この悪趣味なゲームを観戦して応援する者達は何やら悪意があると思い込んでいたが活躍出来るようにバックルを手渡した件といい彼女は素直に相手を応援しているのかもしれない。そんな考えが頭に浮かびながら好きな所を語ると彼女からも同意の返事がされる。だがその後続いた言葉はその真っ直ぐな所を歪んだ捉え方をしているような感想で好んでる者に向けるとは思えないワードに身を固めた。そうして戸惑っている内に何やら彼女が合図を送るとテーブルの上にモニターが現れる。そこに写ったのは忘れることの出来ない自分がいなくなった世界線の相棒の姿だ。だが画面に写った場所や状況に覚えがなく恐らくあの世界線で相棒を無くして自分とあの事務所で会う前の出来事だろう。何故そんな映像がここにあるのかと目を見開いて驚愕していれば映像の中で殴り合いが始まって探偵が頬に拳を受けて思わず顔を顰めた。だが彼女はその姿に興奮したように口角を上げて嬉しそうに語るのを見れば決定的に彼女と自分が違うのが分かった。そして彼女の好みは相手にとって悪影響でしかないことも。一気に表情と視線に警戒と軽蔑の色を滲ませると「確かに翔太郎の真っ直ぐで諦めない所は好きだけどそれで苦しんでいる所は見たくないし君みたいに楽しむ趣味は一切ない。悪いけど一緒にしないでくれるかい」と不快感を露わにして)
『あら、そうなの?そうやって苦しんで苦しんで、ズタボロになりながら無理やり前へ進むところが最高に無様で可愛いのに。分かり合えないなんて残念ね。でも、さっき底に落ちるための一歩を踏み出したってニタリから連絡が入ってたわ。ニタリはイラついてるみたいだったけど』
(ゾクルが自ら探偵の好ましい所を語れば相手の表情は一気に変わる、リラックスしていた表情は明確に一線を引いたのが分かってそれさえ見透かしていたようにゾクルの表情は変わらなかった。同じ考えだと思っていたと心にもないことを言いながら悲しそうな表情を作って頬に手をあてる、しかしその口角はすぐに上がって探偵と相手のサポーターとの間の取引について情報を口にした。その内容は伝えないまま探偵がより過酷な道を選んだ事だけを伝える、ニタリから取引について連絡を受けた時からこうなることは予想していたのか想像通りだとまた興奮が高まって吐息をついていた。クッキーをひとつ手に取り一口齧って咀嚼すれば人差し指で軽く唇を撫でながら『あなたの相棒がゲームを続行する選択をして良かったわね、これであなたは思う存分あの子を裏切ることが出来る』と熱の篭った声で言うとクッキーを持った手で相手を真っ直ぐ指さして『あなた、デ.ザ.ス.タ.ーなんでしょ?』と相手に突きつけられている役割をあえて口にして)
やはり君達も繋がっていたのか。翔太郎に何を吹き込んだんだい。…ッ、それは…、…翔太郎と対立してるのはゲームでの役割の上だけだ、それで僕達が変わったりはしない
(こちらが警戒を見せても彼女は優雅に微笑むだけだ。元から同じ考えで話し合おうとは微塵も思ってなかったのだろう。演技臭い表情で残念がる彼女を睨むような目で見ていたが自分のサポーターと相手との間のやり取りの話をされると動揺を見せる。ニタリが自分をプレイヤーに推薦したとい話から相手のサポーターもそれに噛んでいる線は疑っていたがやはり二人は繋がっていたらしい。彼女の好みの話を聞いた上で詳細は明かさず底に落ちるための一歩と聞けば嫌な予感しか浮かばず更に鋭い目を向ける。運営も含め未来人のサポーターは信用に値しないと席を立とうとしたが裏切りというワードを聞くとぴくりと動きを止める。興奮して熱の篭った声が続き、クッキーを持った手がこちらを指さしながらデ.ザ.ス.タ.ーであることを指摘されると大きく瞳を揺らした。ずっと後ろめたく思っていることを言われ心乱されるが彼女のペースに飲まれかけているのを自覚すると意識的に息を吐いてあくまでゲームのルールだからと主張する。だから彼女の思うようなことは起こらないと言い返すが半ば自分に言い聞かせるような意地を張る言い方となって)
『ちょっとした知り合いなの、取引の内容は後で翔太郎に聞くといいわ。えぇもちろん。デ.ザ.ス,タ,ーはあくまでもゲーム上の役割、だからあなたが何をしてもあの子はあなたを許すわ。だからね、これは私からのお願いなんだけど……あの子を手酷く裏切ってくれないかしら。泥沼に突き落として這いつくばらせるの。それがあなたの役割でしょう?そして、私の見たい左.翔.太,郎の姿』
(ゾクルがニタリと探偵との取引の話を持ち出せば相手は動揺を見せる、だが彼女にとって取引破棄は喜ばしいことで概要にもなっていない説明だけを与えてあとは二人の探偵の情報交換に任せることにした。ニタリとの繋がりを知って相手は席を立とうとするがデ.ザ.ス,タ.ーであることを知っていると告げてやればまた動揺に瞳が揺れて思惑通りの反応にまた口角はあがる。相手はあくまでもゲーム上の役割だと主張するが彼女が求めているものもまさにそれだ。相手と探偵とが特別な関係であるのはオーディエンスにとっても周知の事実、それを崩壊させる行為はこのゲームを大いに盛り上げる展開になるはずだ。その行為もゲーム上のものならば探偵の理解も得られる、『あの子、あなたが新興宗教の神様にされた時も諦めなかったしなんならメモリを作ってたことも許してたじゃない。大丈夫、あなたなら何をしても許されるんだから、思いっきりやっちゃいなさいよ。その方がゲームも盛り上がるし、ね?』と最後には圧をかけるように言い)
…君達には全部筒抜けということか。 …、翔太郎の苦しむ姿を喜ぶ君の言う通りに動くつもりはない。 そもそも君が翔太郎に伝えた話によると脱落したらその人は願いに関する想いが消えるのだろう? ならば尚更その話には乗らない
(ニタリが苛立っていたということは相手はその取引に乗らない選択を取ったように思えるが彼女がご機嫌になるということはそちらも良くない手なのだろう。手のひらに踊らされているような感覚を覚えていればデ.ザ.ス,タ.ーの役割を当てられ動揺してしまう。それに対してゲームの役割だと主張すると彼女からその役割を全うして欲しいとお願いがされる。予想外のことに驚いているとこれまで二人の間にあった出来事を次々と言われ、未来人の技術か何かで大事な過去が知られている事実に眉をひそめ不快感を示す。一方で相手ならばゲームで役割をこなす為に仕方なかったと言えば確かに許して貰えそうだと思ってしまったのも事実でそれを振り切るように拒絶の返事をする。オーディエンスを盛り上げなければ風.都.がめちゃくちゃになると言ったニタリの言葉が頭を過ぎる。否定する理由を探していれば脱落した人に起きることで情報が食い違っていたのを思い出して彼女の言う通りに動くと相手が風.都を思う気持ちが失われてしまうことを指摘して反応伺い)
あら、いつの間にその話をしたのね。やたら端末を触ってると思ったらそういうこと。ならあなた達はこのゲームに参加している時点で負けてるって気づいているかしら?デ.ザ,神にはたったひとりしかなれないならあなた達二人共に幸せは訪れない。二人で勝つにはこのゲームを退場しないようにしてやり過ごした後、次のデ.ザ.グ.ラで願いを変えて優勝する、これしか道はないの
(相手を裏切り者としてより先鋭させるためにゾクルは少しずつ外堀を埋めていく、こちらのお願いを拒否する相手には表情さえ変えず脱落のペナルティの話を持ち出されれば大袈裟に驚く表情を見せる。実際ニタリから聞いた話によれば相手は敗者の末路を正しく知らなかったはず、肘をテーブルについて少し体乗り出しながらジッと相手を見つめると情報交換をしたタイミングを言い当てて見せて期待通りの行動だと楽しげに笑っていた。だがそれならばもっと退路を断つように外堀を埋めるだけのこと、もう相手と探偵にはこのゲームで未来がないことを告げる。探偵が相手に提案したことを後押しするようにこのゲームでの勝ちに意味はないのだと示して、ついでに勝ち筋を教えた。しかし次のデ.ザ,グ,ラに参加するになそれなりの実績、つまりはオーディエンスに求められる事が必要で『次のデ.ザ,グ,ラ,にも参加するためにあなたは正しくデ.ザ.ス.タ.ーの役割を全うしてオーディエンスにアピールし、あなた達二人がこのゲームに相応しい駒だと示さなきゃならない。それにはね、相棒関係の崩壊なんていう最高のドラマはうってつけなの。あなた達が将来的に二人での勝ちを手に入れるために翔太郎を泥沼の底まで突き落とす必要があるの、分かった?』と再び圧をかけるように問いかけて)
次のデ.ザ.グ.ラ…、………少し考えさせてくれ。
(流石にあれだけ端末を触っていたのは不自然だったのかそのタイミングを当てられる。畳み掛けるように薄々感じていた自分達の勝ち目の無さを告げられるとまた瞳が揺れる。恐らく脱落後に起きることは彼女の方が正しいのだろう、自分達が願いに街のことを書くという事もここまで勝ち上がって来る事も読まれていた。ここまで用意周到ならば自分をデ.ザ.ス.タ,ーにするよう提言した可能性すらある。相手の言う通りまともにゲームに取り合うのが馬鹿馬鹿しいような状況だ。だがそこに救いの蜘蛛の糸のように第三の勝ち筋を提示されると思わず聞き入ってしまってそのワードを口にする。この一回だけで全てを解決しようとしていた為全く考えていなかったがこのゲームはあの4人のように繰り返し参加することが可能だ。今全てが解決出来ないなら次に託すというのも懸命な選択なのかもしれない、あれだけ拒否していた彼女の言葉に飲まれている事に気付かないまま考えを巡らせていれば、その策を取るためにはデ.ザ.ス.タ.ーとして相手を裏切りオーディエンスを惹き付けなければならないと念を押される。相手を苦しめる彼女の思惑通りに動きたくは無い、だがオーディエンスの関心や注目を集めていれば自分達を活かす要素として街が荒らされる事もなく、また違う状況で再チャレンジ出来る。相手が言っていた運営に逆らうという手よりも合理的に考えてそちらの方が可能性があるのではと考えてしまえば視線は伏せていき、ぽつりと迷いを滲ませた返事を返して)
『えぇ、じっくり考えるといいわ。でも実際あなたがデ.ザ.ス.タ.ーの役割を派手に全うすればするほどあなた達の勝率は高くなる。この前あの子に相棒を辞めるって酷いこと言われたばっかりでしょ?ちょっとした仕返しと思ってやればいいじゃない』
(このゲームには既に勝ちがないこと、そして先を見据えた勝ち筋を提示してやれば相手は話を聞きいるように耳を傾けていて最終的に迷い始めるとゾクルは内心ほくそ笑む。自分の望む展開へ誘い込んで最高のショーを見られる可能性にイヤでも興奮してしまっていた。ここまで情報を与えてやれば十分だろう、身を乗り出していた所をひいてカップに指をかけてまた紅茶を一口飲みながら迷う必要などないと背中を押すようにまた二人の過去を持ち出してクスリと小さく笑う。残っていたクッキーを全て口の中に入れて咀嚼し飲み込めば『どちらにせよ、ニタリから聞いたと思うけどあなたがデ,ザ.ス.タ.ーとしてつまらないことをすれば今回のゲームは取りやめになってあなた達の街はジ.ャ,マ.トに荒らされたまま、もしくはもっと酷いことになって終わるわ。それを決めるのは私達オーディエンス、よく覚えておくことね。私からのお願いは以上よ。あの子の相棒としてあなたのことも応援してるわ、フィリップ。翔太郎によろしくね』と言えば軽く手を振って感情の読めない笑みをニコリと浮かべて)
…ああ。……もし僕が君達の期待通りに動くと決めたとしたら、これ以上翔太郎には余計な手は出さないでくれ。変に介入するよりプレイヤーが自発的に争っていた方が面白いのだろう?
(彼女らの思い通りに動きたくはない。だが今わかっている情報を考えればそれ以外に有効的な手はないように思える。迷いを見せていれば彼女は引っ込んでその策に乗るべき理由とそれらしい免罪符が告げられる。黙り込んだまま二つの間で揺れていればニタリから聞いたゲームが放棄された場合の街の有様について改めて告げられて顔が青ざめていく。別の時間軸の映像まで取ってこれる技術にこんな悪趣味なゲームとそれを観戦するオーディエンスがいるのだ、デ.ザ.グ.ラ開催地を破壊しつくすというエンターテインメントを行う可能性も否定が出来ない。吹きこまれた情報を元に考えれば考えるほど八方塞がりでどうしようもない、やはり罠だとしてもこの策に乗るべきではないかと思考が傾いていく。最初に見た印象とは大きく変わって感情の読み取れない彼女の笑みが今は恐ろしく思えた。何とか短く返事をすれば重たい体を動かして席から立ち上がる。ゲームは明日ならば今晩の内に結論を出さなくてはならないだろう。入り口のドアの前までやってくると彼女の方に振り返る。そして仮定の話と前置きした上でこれ以上相手に手を出さないように釘を刺す。今から裏切るかもしれない立場で無事を願うなど滑稽かもしれないがこれ以上相手を傷つけたくはない。彼女たちが好むような理由を添えるとそのまま部屋を後にした。扉が閉まった瞬間どっと色んなものが湧いて力が抜けそうになったが本番は明日だ。あまり長く不在では他のプレイヤーに印象が悪いと深呼吸してからサロンに向かう。その最中もゾクルに言われたことが頭に何度も浮かんでは心が乱され寝る支度をしていた景和たちに若干上の空気味に返事をしながら何とか寝床に戻ってきて)
『えぇ、もちろん。あなたが自主的にあの子を裏切ってくれた方がもっともっと酷い姿が見れるんだもの。期待してるわね』
(相手には自分の示した道しかないのだと刷り込むように、実際それしかないのだが、相手が探偵を裏切るように仕向けていけばその顔は真っ青に染まって追い詰められているのがよく分かってますます内心で口角を上げるのが止まらない。相手は短く返事をして席から立ち上がる、去り際にもしもの話をされれば流石に口角を上げざるを得なかった。相手はもしもの話をしているのだろうが探偵への裏切りを選択肢に入れてしまった時点でほぼほぼこちらの思惑通りに事は進むだろう。遠くない未来に見れる探偵の無様な姿に興奮気味に勢い良く返事をすれば相手を見送った。直ぐに乾いてしまう喉を紅茶で潤せばクスリと小さく笑って『まぁ私が飽きるまで二人ともデ.ザ,神.にさせないけど』と誰もいない空間で呟く。勝ち筋を示しはしたがそれは二回目以降のゲームで優勝出来たらの話、そもそもデ.ザ.グ.ラ.を勝ち抜くこと事態が至難の業でそこにオーディエンスの介入があれば優勝なんて不可能だ。しばらくは楽しめる推しのプレイヤーとその相棒を見つけたことにゾクルはまた悩ましげに吐息をついてサロンの様子を観察することに戻った。一方で探偵はニタリの部屋から帰ってきて相手がいなことに気がつく、他の参加者に所在を聞くが誰も知らなくてしばらくは景和が入れてくれたお茶を片手に談話が続いた。いよいよ寝る時間になったところで相手が戻ってきて生返事をしながら粛々と寝支度を整えていく。その顔は傍から見ても明らかに浮かないもので各々が寝床に潜ったタイミングを見計らって相手の元へ向かうと隣へ座り「どうしたフィリップ?なんかあったか?」と様子を伺うように問いかけて)
…っ、ビックリした…。…何も無いよ、どうすればこの状況を解決できるか考えていたけどいい考えが浮かばなくて少し参っていただけだ。
(ゾクルの部屋を後にしてサロンに戻ってくると皆寝る準備をしている所だった。自分がどうするべきなのかという思考が大半を占めていればそれらしい生返事をするのがやっとで相手に声をかけることなく寝床のソファに向かった。どうにか他に方法はないかと考えるが策が浮かんでも実現できる可能性は皆無に等しいものばかりでドライバーが奪われている状態ではあまり無茶も出来ない。そうしてまた思考の沼に沈んでいこうとしていれば相手が近づいて来たことも隣に座った事にも気づかず、声を掛けられてやっと相手の存在を認識してすぐそばにいることに僅かに肩を跳ねさせた。どうやらずっと上の空だったようで様子を伺うように問いかけられるとゾクルとの会話が過ぎる。今ずっと考えていることを相手と共有していつものように二人で解決策を考えたいがこのゲームのルールとしても提示された勝ち筋の点からしても伝えることは出来ない。相手の方を見ると目が合うがいつもの真っ直ぐな瞳がこちらが隠していることを見透かしているように思えて視線を逸らすように前を向くと当たらかずも遠からずの理由を告げて)
(/お世話になっております。お互いのサポーターと接触して盛り上がっていく最中ではあるのですが一つご提案とご相談があります。次はジ.ャ.マ.―ボ.ー.ルの予定だったとおもうのですがここまで最高のお膳立てして頂いてますので裏切りの仕方が分かりやすい時限爆弾ゲームにするのはいかがでしょうか。検索側も爆弾をぶつける、解除を遮るなどの妨害もしやすいですし、直接街の人が被害にあうゲームなのでそれに加担するデ.ザ.ス.ターへの探偵君の怒りや絶望感が煽られるかと!もしジ.ャ.マ.―ボ.ー.ルで考えているイベントや流れがありましたら是非そちらをやりたいのでご検討と返信頂ければ幸いです)
そうか…あんまり考えすぎんなって言いてぇとこだが俺も全然解決策が思い浮かばねぇな。さっきニタリから持ちかけられた取引も俺達で解決するって断っちまったし
(相手は相当考え事に集中していたらしく隣に座っても気付かず声をかけてようやくこちらの存在を認識したようで驚いたような反応を見せていた。何か悩み事だろうかと思ったが相手の顔は前へと向いて視線が合わなくなってしまう、今後のことを悩んでいたようだがどうにも歯切れが悪くてルールで禁止されている事項について考えていたのだろうかと想像するしかなかった。だがこちらも状況は同じで考えても考えても次に動くべき一歩が見当たらない、これくらいなら話しても大丈夫だろうとニタリとの取引を蹴ったことをさらりと伝えながら詰まった息を吐き出してソファに背中を預けた。たどり着かない答えにこちらも幾らか参っているがそうなれば前に進む以外選択肢はなくて「ダ.ブ,ル.ド.ラ,イ.バ.ーを手に入れるチャンスが来るまではゲームに順当に参加するしかねぇな」と愚痴をこぼすように言って)
(/こちらこそお世話になっております。そして素敵な提案ありがとうございます!なんとなくジ,ャ,マ.ー.ボ.ー.ルの印象が残っていたので提案させていただいていて風.都が舞台ならば地の利を活かして裏道からゴールを狙ったり、みたいな展開は考えていたのですが時限爆弾ゲームでも同じようなことが出来そうですので、ぜひそちらにしましょう!探偵の怒り度合いもあげることが出来ますし、記憶がリセットされるなら所長やイレギュラーズが狙われたりする展開も面白いかなと!別々に行動するので検索くんもデ.ザ.ス.タ.ーとしてより動きやすいかと思いますので次のゲームは変更してしまいましょう!)
…その様子だと悪趣味な条件で手助けするとでも言われてそうだ。…ああ、今の状況ではどうしようも無いね。
(あまり良い誤魔化し方では無かったがルールで共有出来ないことに悩む要素があると解釈されたようで深く突っ込まれることはなかった。相手もあれから良い策が浮かばなかったらしい。その話の流れでニタリとの取引の話が出てくると一瞬体を固める、だがあまり引き摺っていない様子を見る限り何かニタリの思惑を叶えられるような条件と引き換えにヒントか手助けを提示されたという所だろうかと推測を口にする。奇しくも自分のサポーターよりも相手のサポーターの思惑を知った形になったがその毒牙にかかる可能性を思えば余計焦りは募る。視線を伏せていると隣から愚痴っぽい言葉が聞こえてきた。相手の言う通り何も無ければチャンスを伺いたい所だが彼女の提示した勝ち筋に乗るならデ.ザ.ス.タ,ーに停滞は許されない。戻るも進むも止まるも地獄ならばより可能性がある方に賭けるべきなのかもしれない、相手の言葉に同意して諦めの含んだ声でぽつりと零すと踏ん切りを付けるように相手の方を向く。いつになく真剣な顔をすると改まったように「翔太郎」と名前を呼んで)
(/それでは時限爆弾ゲームにいたしましょう。それと所長やイレギュラーズが狙われてしまう展開もとても良いと思います!検索じゃないと知り得ないことややらない事が逆にデ.ザ.ス.タ,ーを疑う理由になってしまったりすると面白いかも知れません。本編と同様ある時間までのタイムリミットでしたが同じようにするか少しアレンジするかいかがでしょうか。)
あぁ、俺がゲームから退場するのが条件だった。ンなもん願い下げだぜ
(相手にニタリとの取引のことを言われれば軽く頷きながら答える、相手がひとりになることを異様に望んでいたニタリだったが一人で出来ないことを二人でならば乗り越えられることをよく知っている身としては相乗りを自ら降りるようなことは決してしない。だがそれはそれとして活路が見いだせないのは確かで愚痴を零せば相手からは何処か諦めの感情を含んだ言葉が聞こえてきて再び相手の方を見た。現状八方塞がりではあるがそれでも相手はいつもより塞ぎ込んでいるようにみえる、愚痴を言ったところではあるが嘆いていては始まらないのも確かでソファに預けていた体を引き起こして明るく声をかけようとした。その前に相手の方もこちらを向いて目が合う、その顔は何時になく真剣で名前を呼ばれるとこちらも相手の空気を察すれば「なんだ、フィリップ」と相手の名前を呼びながら真っ直ぐと相手を見つめて)
(/このゲームでどんどん検索くんへの疑いが膨らんでしまってギクシャクしてしまうのも良いですね!今回でデ.ザ,ス,タ,ー投票で一名、得点制度もいれて最低点を出した一名の計二名が脱落してしまうのはいかがでしょうか?こちらとしましては得点制以外は本編同様タイムリミットありの時限爆弾があって正しい色のコードをジ.ャ.マ,ト,を倒すことで見極めて、な流れで良いかなと思ったのですが検索様はいかがでしょう?アレンジな展開の案があれば入れてしまうのもいいかなと思います!)
…今日までのゲームといい、このデ.ザ.グ.ラ内ではこの先何が起こるか分からない。だけど、それで僕達がこれまで築いてきた物も、僕の想いや考えは変わらないから。それだけは覚えておいて欲しい
(ゾクルがあの様子ならばニタリも同じような物だろうと考えていたが相手が退場するのが条件だと聞けば目を瞬かせる。二人の間を引き裂いて一人にするのが目的なのかもしれないがゾクルが取引が無くなって喜んでいた理由が漸く分かった。だがそんな無茶苦茶な取引を持ち掛けたのなら断られたニタリが素直に引き下がるとも思えない。この八方塞がりの状態を更に悪くしない為に自分の中で覚悟のような物が出来れば相手の名前を呼ぶ。こちらの空気を感じたのか茶化すことなく真っ直ぐとした瞳が向けられる。これからやる事を思えばまともな言葉を交わせるのは今ぐらいだろう。突発的で不審に思われるのも承知の上でこちらも真っ直ぐな瞳を向けるとフィリップとしての言葉を口にする。二人で重ねてきた時間や思い出も今まで伝えてきた言葉や想いも嘘ではないと当たり前のことを、表面だけでも裏切ってしまう前に伝えたかった。願わくばそれが訪れた時に自分の真意に気づいて欲しいと独りよがりな想いを込めて。これ以上は何があったのかと聞かれてしまいそうで「…なんて考え込みすぎて変な事を言ってしまったね」と小さく笑って誤魔化して)
(/計2人脱落するのは有りだと思うのですが検索がデ.ザ.ス.タ.ー退場枠だと狐君、探偵君、二人のどちらかが残る形になるのでそこから話していた内容の流れって形で宜しかったでしょうか? なるほど、ならば基本的には得点制のゲームで緊急ミッションとして時限爆弾のことが明かされる流れはどうでしょうか?ポイントのことを考えれば普通の爆弾解除に回った方が効率が良いが時限爆弾には知り合いが巻き付けられていて、のいった感じだとハラハラした展開になりそうです。またこちらもご相談なのですがゲーム中は正体を隠し、その些細な行動で疑いを高めて投票前の話し合いで裏切り者だと気付いて指摘するパターンとゲームの中盤で裏切り者だと分かるムーブをして判明、その過程を知らない他の参加者たちの前で探偵が裏切り者だと主張する形で対立するのどちらが宜しいでしょうか?)
…当然だ。ここじゃ俺達の常識を超えることも簡単に起こりやがる、誰かの思惑が介入してくるゲームならいつも通りではいられねぇ。でも、何があってもお前は俺の相棒で最期まで相乗りする約束は変わらねぇ
(互いに視線を交わして相手の言葉を静かに聞く、この先の波乱を予感させそれでも互いの関係が何も変わらないことを告げられる。直後空気を変えるように相手は笑ってその場を誤魔化す、なぜ今この言葉を自分に言ったのか、そうやって誤魔化すのか、そこに思考を取られそうになるが今はきっとその時じゃない。余計な考えを捨て去ると意志を込めて力強く返事をする。強制的にお互いの腹を探り合うようなこともさせられオーディエンスのためならば人を残酷に弄ぶゲームに自分達は参加している、だが例え何があっても相手と二人で築いてきたものは絶対に揺るがない。あの始まりの夜から続く二人の関係は相棒という名で存在し続けている。本当は恋人として腕の中に閉じ込めて相手の不安が溶けるまで背中を撫でてやりたい、だが今はそれは叶わぬ事でせめて少しでも体温が伝わるようにと「そうだろフィリップ?」と同意を求めるように手を差し出し相手を見つめて)
(/すみません、時限爆弾ゲームの後に検索くんがデ.ザ.ス.タ.ーとして脱落するところまで一気にいってしまう感じですね、分けるものだと勘違いしておりました。検索くんがデ.ザ,ス.タ.ーとして退場する際は前にご相談させていただいた通り検索くん、狐くん、探偵で探偵の票で検索くんを落とす、という流れをやりたいなと思っております。ですので次のゲームで上位三人のみが生き残り、その三人でデ.ザ.ス,タ.ー投票、という流れでいかがでしょうか?そして時限爆弾が突発ミッションというのもぜひぜひそうしましょう。探偵がより人助けにのめり込んでしまう感じがいいかなと思います。また検索くんがデ.ザ.ス,タ.ーだと判明する経緯ですがゲーム中に判明してしまう方が面白そうかなと思いました。風.都,の街の人を救わなければならない場面で妨害行為を見るかされるかして互いに感情を揺さぶられた後に投票へと臨む展開はいかがでしょう?もし検索様のご希望の展開あれば教えていただければ!)
ああ、僕たちはいつまでも二人で一人だ。…君とこうして話しているだけでも色々気持ちに整理がついて安心するよ。
(傍からすれば唐突過ぎるであろう自分の言葉を相手は静かに聞いてくれる。自分の想いを伝えるだけの行為だったが相手から力強い返事がされると胸がぎゅっと掴まれた感覚がした。自分がデ.ザ.ス.ターとして動くのにあたって一番怖いのは相手を裏切ること、そしてそのことで今までの関係にまた亀裂が入る事だ。もう二度とあんな思いはしたくもないし、させたくもない。だが相手は何があっても自分を相棒だと断言してくれていて、それが嘘でない事は今までの関係で一番良く分かっている。同意を求めるような口調と共に差し出された手に自らの手を重ねると良く知った温かさが伝わってきて自然と表情を和らげいつものフレーズを口にする。詳細は話していないがこうして一緒に居て相手の言葉を聞くだけで沼に沈んでいきそうだった思考も幾らか晴れていく。確かにデ.ザ.ス.タ.ーとして動くのはサポーター達からの脅しにも近く告げられた最悪の事態を回避するためだが逆にそれほどオーディエンスの影響が大きいならそこを上手く利用すれば新たな活路が開ける可能性もあるかもしれない。相手の言葉で整理がついて少しだけ前向きな考え方も出来るようになると重ねた手をソファーの上でこっそり繋ぐように動かしてからぎゅっと握って)
(/本編と人数やゲーム数が違うのでややこしくてすみません。流れについてはそれが自然かなと思いますのでそんな感じでやっていきましょう。突発ミッションについてもそんな感じで効率的には他を回った方が得だけど、みたいな探偵君の良さが見られたらと思います!また判明の流れも承知しました。まさにそんな感じでゲームの中盤か終盤辺りにその現場を目撃するかゲームを盛り上げるために途中で裏切るなどして話をする暇もないまま投票の流れで致しましょう。その他はひとまずこちらから相談することや希望はないのでいつものように好きに要素を詰め込めたらと思います。探偵様の方に何もなければこちら蹴りで大丈夫です)
同感だ、俺もお前がいるだけで前を向ける。…っ、
(揺らがない関係と約束をより確かなものにするように手を差し出せば相手からも握り返されていつもの体温が掌から伝わってくる、同時に相手の表情は緩んで思い詰めた顔もマシになればこちらも緊張を解くように笑みを見せた。そしていつもの二人だけのフレーズを持ち出されると握っていた手に自然と力が籠る、互いに情報交換は出来ず先行きはいつも以上に見えないが相手とならば進んでいけるのだと改めて強い思いを抱いた。次に相手から聞こえてきた言葉は諦めではなく前向きな言葉でそれがこちらの存在があるからだと言われると擽ったい気持ちを抱えながらこちらも同じなのだと返事をする。そうやって会話をするうちに繋がったままの手はソファの上に降ろされてそこでこっそりと繋ぎ直されると予想外の行動に目を見開いてしまった。動きとしては不自然ではなかったがこの監視生活では手を繋いでいるところが映ってしまっているのではないかと顔に熱が上がりそうになる。何か言おうとしても言葉が出なくて目を泳がせていると『そろそろ電気消すよー』と景和の声が聞こえてきて思いっきり肩を跳ねさせてしまうと「お、おぅ!」と大袈裟な声で返事をしてしまった。程なくしてサロンの明かりが落ちる、いつまでもここにいるのは不自然で自分の寝床に戻らなければならない。だがこの繋がりが無くなってしまうのは惜しくて相手をチラリとみた後に顔を寄せた。そしてそのまま頬に口付けをそっと落としてこちらからも手をぎゅっと強く握る、映像でみれば耳打ちでもしたように見えるだろう。すぐに体勢を元に戻せば「おやすみフィリップ」と言葉を送ってから名残惜しげに手をそっと離して自分の寝床へと戻って)
…っ! …おやすみ、翔太郎
(変わらない関係がこれからも続いていくことを確かめ合って本当の自分の想いを伝えることが出来れば罪悪感や不安は残る物の沈んでいくような重たい気持ちは無くなった。更に想いをつたえるように手を自然な形で下ろしてこっそり繋ぎ直すと分かりやすく相手が目を見開く。オーディエンスの前で更にくっつくことは出来ないがどうせ自分達の過去がバレているならこれくらい許容範囲だろう。何も言えなくなって視線を泳がせる相手にさらに笑みを零していれば景和から声が掛けられる、背もたれのおかげでこの手は見えないだろうが相手が大げさな声で返事をして不思議そうな視線を感じるもすぐにそれは散っていく。サロンが暗くなればそろそろタイムリミットだ、状況は悪いが今日は昨日よりも穏やかに眠れるかもしれないと思っていればちらりとこちらを向いた相手と目が合う。そして顔が寄せられると頬に柔らかい感触と手に力強い温もりを感じて今度はこちらが目を見開いてしまった。久しぶりの感触に心臓は跳ねている間に相手は離れて行く、それが惜しいと思ってしまうが今の状況ではこれ以上は出来ない。代わりに手をもう一度強く握って同じ就寝の挨拶を返すとそれぞれの寝床に戻る。幾つか前向きになった思考で明日のことを考えながら眠りについた。翌朝、緊張で少し早く目が覚めてまた考え事をしながらも端末に届いたサポーターの応援メッセージに既読だけつけて昨日に引き続き皆で朝食を取る。気まずさはなくなったものの何となく皆の疑うような視線は昨日よりも強くなっていた。朝食を食べ終わり片づけをしたタイミングで『まもなく第四回戦を開始します、皆様お集まりください』とアナウンスが流れ相手に目配せするとまた神殿のような所に移動して)
…つまり、今回で三人が脱落して下手すりゃデ.ザ,神まで決まっちまうってことか
(久しぶりに感じた恋人の体温と胸の高鳴りに加え暗がりになってしまえば衝動的な行為をしてしまうには十分な状況で相手の頬に口付けを落とした。相手の体は一瞬固まってもっと相手を感じたくなってしまうが流石にここではここまでだ、代わりに再び強く手を握られればそこには相手の体温が残った気がして繋がっていた手を温めるようにしながら眠りについた。翌朝、すっかりいつも通りとなった朝食をとるが食卓を囲う雰囲気は何処かよそよそしい、まだデ.ザ,ス,タ.ーがこの中にいてこれから新たなゲームが始まるとなれば警戒するのも当然だろう。食事を終えて片付けが終わればタイミングを図ったように第四回戦のアナウンスがされる、相手と目配せしたあとに神殿のような空間へと全員で移動した。ナビゲーターが皆の前に立つのもすっかりお馴染みになって『おはようございます皆さん、それでは早速次のゲームについて説明します。次のゲームは、ジャマト狩りです。街で暴れ人々を襲うジャマトを倒し得点を獲得してください』とゲーム概要が説明された。ここにきてまたシンプルな内容になったが続いて『このゲームの勝者は得点の多い上位三名のみです。さらに上位三名の方によりデ,ザ.ス,タ.ー投票を行い投票の多かった方が脱落となります。』と説明がされて途端に緊張感は増す。このメンバーで上位に残るのも難しいがそこからさらにデ.ザ.ス.タ.ー投票となると今回で三人もの人間が消えることになる。さらにもし最後の二人にデ.ザ.ス.タ.ーが残っていた場合その時点でデ.ザ.神の横取りが確定するということだ。一気に近づいたゲームの終わりに参加者は互いに目を合わせる、この中で勝ち上がりさらに裏切り者まで見つけなければならないのだ。そんな緊張感を他所にナビゲーターが『それではゲームスタートです!』と宣言すれば視界が白に染まって直後見慣れた光景が視界に広がる。飛ばされた場所は風.都のシンボルである風.都,タ,ワ.ーの真下でどうやら今回はこの街全体が舞台ということらしい。愛すべき街が再び危険に晒されることに表情を険しくさせながらバックルをセットするとドライバーを起動させ変身して)
個人の得点形式なら別々に動いた方が効率は良さそうだ
(すっかり馴染みになってしまった場所に訪れると早速ナビゲーターが次のゲームを説明する。内容を聞く限りは単にジ.ャ.マ.トを倒した得点を競うらしいがこの状況でそれだけで終わるとは思えない。そして今回のゲームのボーダーが上位三位までと聞けば目を瞬かせる。つまりこのゲームに勝つ為には3位まで入った上で投票を回避しなくてはならない。それは普通のプレイヤーにとっても同じで今までとは違う難易度に一気に空気が緊張感でピリッと鋭くなった。互いに目を合わせる中ナビゲーターがゲームの開始を宣言するとまた視界が真っ白になって次に開けた時には見慣れた景色が広がっていた。音につられて上を見上げると風.都,タ,ワ.ーが風を受けて回っていて自分達の街が舞台だと再認識する。この街を守る為にも自分のなす事をやり抜かなければ。バックルを装着して変身すると皆と顔を見合わせる。上位を狙うならより多くのジ.ャ.マ.トを効率的に倒す必要がある。その攻略法を見つけることに加えオーディエンスが好むような妨害役をやりやすくする為にも個人で動く形に流れを持っていく。祢音達もそう考えていたのかそれぞれ単独で動くようになり「じゃあまた」と相手に声をかけるとこちらも皆とは違う方向に移動する。一人になったタイミングで端末が通知を知らせ開いてみれば【デ.ザ.ス.タ.ーミッション 他プレイヤーの妨害】と個別のミッションが送られていた。それだけならば前回と変わらないがその下に【ボーナスミッション 左.翔.太.郎への攻撃、若しくは妨害行為】と書いてあった。誰が設定したのかすぐに分かる個人名を指定した露骨なミッションに眉をひそめる。加えて地図機能に他プレイヤーの位置がある程度分かる機能が追加されているようでそれだけオーディエンスはデ.ザ.ス.タ.ーの活躍を望んでいるということなのだろう。無意識に息を吐いていると何処かに向かうジ.ャ.マ.トの姿を見つけまずは得点を稼ごうと攻撃を仕掛けて)
おぅ。…ん?なんだよこんな時に……あのなアキコ、俺らまだ依頼から帰れねぇって、
(優勝が迫るゲームの舞台は相変わらず風の街で今回はその範囲も広そうだ、やることはいつも通り街の人を泣かせないことだがそこにゲーム要素があるとなるとやはりこの大会自体が悪趣味だと眉間のシワは深くなる。変身を果たせば相手から単独行動を提案される、ゲームエリアになった場所が広いことを考えればここは各々散って広い範囲の人を助けた方がいいだろう、もちろんその中で得点を稼ぐことも必要なのだが。こちらからも相手に声をかけてまずは人が多そうな繁華街へと足を進めようとする、他の参加者よりも土地勘があるのは自分達が有利な所だろう。だが早速走り出そうとした所で体から通知音が鳴って足を止める、音を発していたのはス.タ.ッ.グ,フ,ォ,ン.の方で画面に表示された名前には思わず愚痴を零してしまった。電話に出てみれば開口一番『もう!翔太郎くんもフィリップくんも!いつまで事務所空ける気?!』と所長様のお説教が飛んできた。共同生活を強いられている関係上所長には依頼が泊まりがけになったと言って誤魔化している。自分達がとんでもないゲームに巻き込まれているとは知らずに所長は『まぁいいわ。それより近くにフィリップくんいる?』と言われて居ないことを伝えると『えー?!事務所にお礼のパイナップル届いたからフィリップくんに切り方検索してもらおうと思ったのに』と文句が飛んできて思わず額に青筋を走らせてしまった。そもそも果物の切り方なんて地.球,の,本.棚で調べるべきことでは無い、「ンなことにフィリップ使うんじゃねぇ!」と思わず叫べば『なによ!いいもん私ひとりで食べるから!どうせ賞味期限今日の夕方までって書いてあるし、独り占めしてやる!』と叫び返されてしまいブチりと電話が切れた。またもため息が出てしまうがこの異常事態にいつもの所長の声が聞けたのは心強くて仮面の下で口角をあげると繁華街へ向かってジ.ャ,マ.ト.を倒し始めて)
…昨日のジ.ャ.マ.トよりも弱い? やはり妙だ…
(早速ポイントを稼ぐためにジ.ャ.マ.トに攻撃を仕掛けるが予想に反してあっさりと倒れていく。あっという間に集まっていたジ.ャ.マ.トを倒してしまうと手応えの無さに拍子抜けした。だが端末を確認するとちゃんと得点にはなっているようで妙な状況に違和感は募るばかりだ。これは先に情報収集するべきだと考えると地図上の一番近い人物の場所に向かう事にした。花見に来たりつい先日もクリスマスマーケットを開催していた公園の近くにやってくると祢音の姿を見つけた。声を掛けてみると彼女が戦ったジ.ャ.マ.トも同じような状況のようで『簡単に倒せるのは楽だけど何かヘン』と違和感を口にしていた。そうしていると公園沿いの道路にトラックが止まる、なんとなくそちらを見るとジ.ャ.マ.ト数人車から降りてきて荷台から箱を取り出す。例の言語を話しながらその箱を何処かに運ぼうとする様子を見ると彼女と顔を見合わせる。社会的にも見える行動に驚いていたがひとまずジ.ャ
.マ.トを倒そうと二人で攻撃をしかけた。このジ,ャ.マ,トも手応えがなかったが攻撃した拍子に箱が地面に落ちて林檎が出てきた。それは彼女の足元に転がっていくと妙に膨張を始め、妙な音も聞こえてくれば嫌な予感がして地面を蹴って飛び出し彼女の体を突き飛ばす形で林檎から距離を取らせる。直後大きな音と共にその林檎が爆発して、有り得ない光景に「まさか…『爆弾!?』」と2人の声がハモって驚愕の声を上げて)
ッ、危ねぇ!!…なんだ今の
(繁華街にたどり着けば予想通り悲鳴が聞こえてきてジ.ャ,マ,ト.を見つければ早速攻撃を加える、しかし敵は呆気なく消滅していって拍子抜けだった。四回戦まで来ているのにここまで敵が弱いのもそもそもゲームがシンプルなのもおかしい、隠された何かがあるはずだ。違和感を持っていれば敵の一団の中にオレンジを紙袋いっぱいに詰め込んで運んでいるジ.ャ,マ,トを見つけて怪訝な顔する、直後紙袋からオレンジが飛び出して壁際に逃げていた女の子の足元へと転がった。そのオレンジはゆっくりと膨張し始めて探偵の勘が危機を告げるとオレンジへと走り出し妙な音を出し始めたそれをジ.ャ.マ.トへと投げつけた。すると派手な爆発が起こって目を見張る、こんな派手な攻撃を一般人に仕掛けてくるなんて。さらに怒りが湧き上がっているとス,パ.イ.ダ,ー,フ,ォ,ンの通知音が鳴った、それはナビゲーターから動画通話で『皆さん緊急事態です!ジ.ャ,マ.トからのメッセージが届きました』と告げられそのメッセージが画面に表示される。そこには『お前達の世界に時限爆弾を仕掛けた。タイムリミットは日没、爆弾に巻き込まれた人質の命は助からない。永久に』と書かれていて言葉を失った。このゲームで命を失った人が記憶を消され復活するのも許されることではないが、時限爆弾に巻き込まれればその人は復活することなく死んでしまうのだ。強く拳を握って怒りを顕にする。街の人を助けるのはもちろんだが時限爆弾によって命が失われてしまうならゲームだなんだ言ってる場合ではない、人質を助けなければ。ジ,ャ.マ.トを蹴散らしながら走り出すと人質を最優先に時限爆弾を探し始めて)
っ…ひとまず彼らの言う時限爆弾というものを見つけよう。さっき何処かにあの箱を運んでいるようにも見えたから既に配達済の可能もある、よく調べよう
(二人で驚いているとス,パ.イ.ダ,ー,フ,ォ,ンに通知が入り確認してみればナビゲーターからの童話通話が映る。そこにはジ.ャ.マ.トからの爆破予告ともとれる文章が翻訳されて表示されて思わず目を見開いた。爆弾は間違いなく今の林檎のことだろう、そして人質とはこの街で暮らす街の人の事だ。直ぐにこれがこのゲームの肝であることを理解するがそれ以上にこの街の平和を脅かす内容に唇を噛み締める。約束が違うと吠えても何にもならないだろう、今できるのは最悪の事態を防ぐ事だ。だがデ.ザ.ス.タ.ーミッションはそれを遮ることであってとことんこのゲームの悪趣味さに舌打ちでもしてしまいそうになる。『どうしよう』と困った反応をする彼女に一刻も早く爆弾を見つけるように告げると大きく頷いてまた二手にわかれた。人質の救出とミッションの両立をどうするべきか決めかねていたが彼らが乗っていた運転席に何やら紙のような物を見つけて手に取る。未知の言語で書かれているがある程度規則性がありそうで先程ナビゲーターが見せたメッセージの翻訳と照らし合わせてみる。対応する文字が欠けている物もあって全ては読めないが何とか解読できた一文を読むといつの日か女性に混じって一緒に買ったクレープ屋の名前があって小さく声が漏れた。この紙との繋がりを確かめると言う意味でもそのクレープ屋を目的地とすれば最短ルートで駆け出して)
なんだあれ…?
(ジ.ャ.マ,トを倒しながら進んでいけば一定の方向から人が逃げて来ていることに気がついてその流れに逆らうように走る、人気がなくなってきた頃合いに今までとは違う格好をしたジ.ャ.マ.ト.がいるのに気がついた。トラックのロゴが入った作業着を着てバナナの房を運ぶ姿はまるで配送業者のようだが荷物がフルーツであるのをみれば先程のオレンジのことを思い出しハッとする、恐らくあれも時限爆弾だ。ジ.ャ.マ.ト,を観察していると向こうはこちらに気がつき慌てて逃げ出していく、参加者から逃げるということは何かしらの理由があるのだろう。「待て!」と叫びながらその姿を追いかけると観念したのか今度はこちらへと襲いかかってきて攻撃をかわしながらチェーンソー型の武器でカウンターを叩き込んだ。ついでにバナナを宙へと高く巻いあげればジ.ャ.マ.トは消滅しバナナも爆発して散り散りになる。訳の分からない状況にふと足元をみれば緑色の蔓のようなものが見えた。これがこのジ,ャ.マ.トを倒したことによる報酬ということだろうか。その使い道は分からないもののとりあえずそれを手に取りまた元の道へ戻って走り始める。走っていく先にはかつて相手と共に訪れたことがあるクレープ屋があって周囲に人気はなかった。ここは大丈夫かと思った矢先『誰か助けて!』と裏手から声が聞こえて弾かれたように走り出す、そこにいたのは縛られた状態で地面に転がされた女子高校生情報屋の二人で「クイーン!エリザベス!大丈夫か?!」と変身を解除しながら近づいて)
…!クイーンにエリザベス!…これも果物だ。ということはこれが届けられた時限爆弾だろう
(運搬しているような様子に場所の描かれたメモ、その繋がりを証明するためにクレープ屋に向かう。道中遭遇したジ.ャ.マ.トも乗っていた自転車の後ろに箱を乗せていて咄嗟にそのタイヤにクナイを打ち込んでパンクされる。制御できなくなった自転車は倒れ箱の中からマンゴーが出てきたと思えばそれは途端に膨らみ始めてジ.ャ.マ.トを巻き込んで爆発した。本当に様々な箇所に爆弾が仕掛けられている状況に焦りが募りながらも黒焦げになった自転車の横に青色の紐か蔓のように見えるものが落ちていれば思わず拾い上げる。用途は分からないがジ.ャ.マ.トが落とした物ならゲームに関係ありそうでひとまず仕舞うと目的地に急いだ。クレープ屋の近くにやってきたが何故か客の姿は無い。不審に思っていれば少し遠くから女性の叫び声が聞こえて奥に見覚えのある背中が見えた。反射的にその背を追って裏手に回ると変身を解いた相手が居てその視線の先に女子高校の情報屋が地面に転がされていて思わず声を上げた。こちらも変身を解除すると相手をちらりと見てから彼女達の元にしゃがみこむ。彼女達は緑色と黄色の二色の蔓のようなもので拘束されていてその蔓の先を辿ると異様に膨張したバナナと繋がっていた。『クレープ食べに来たらご自由にどうぞって箱があったからクイーンと開けてみたらこの蔓みたいなのが何かにゅるにゅるって伸びてきて!』と説明するエリザベスの話を聞くにこれが指定場所に届けられた時限爆弾なのだろう。バナナには宙に浮かぶ画面のようなものが表示されていて夕刻までのタイムリミットを示している。前に二人で爆弾を解除したことを思い出すと「前の奴と一緒ならどちらかを切れば解除出来るだろうけど…間違ったら多分爆発するだろうね」と推測を口にすると二人は怯えたような声を上げて)
フィリップ!…っ、落ち着け!絶対に俺達が助けてやるから
(見知った顔が拘束されているのをみれば叫ぶように声をかけるが同じくらいの声量で『翔ちゃん遅い!』『全然大丈夫じゃない!』と文句が飛んでくればとりあえず参ってはいないだろうと気を落ち着ける。そこに相手がやってきてまた声をあげる、変身解除した相手と目配せをしたあとにやることはいつも通りだ。エリザベスの証言を聞く限り誰かが開けるのを待っていたトラップだったようだ、街の人を無差別に狙うとは相変わらず悪質なことをする。二人に巻き付く蔓の先には少しずつ膨張するバナナがあって相手の言う通りこれがジ.ャ.マ,トが仕掛けた時限爆弾だろう、ご丁寧に時間も表示されていて相手の見解に同意するように頷いた。そしてバナナから伸びる蔓は二色あってそれが女子高生二人に絡みついている、爆弾に二色の配線となればやらされることは何時でも同じだ。相手が切る配線を間違った場合の事を口にすれば女子高生二人は取り乱して傍にしゃがむとそれぞれの肩に手を置いて落ち着かせる。睨むようにバナナの時限爆弾を見たところでこれに見覚えがあることを思い出して「あ!」と声をあげて先程手に入れた緑色の蔓を取り出し相手へと見せる、「さっきこれと同じバナナを運んでた奴を倒したらこいつを手に入れたんだ。時限爆弾を仕掛けたジ.ャ,マ.トを倒した報酬がこいつってことは、これが正解ってことじゃねぇか?」と提案して)
翔太郎?…なるほど、確かにゲームとしてありそうな線だ。…じゃあ切るから万が一のために二人を庇っていてくれ
(街の人が被害に合っているというのは理解していたが交流のある顔なじみが巻き込まれていれば落ち着いてはいられない。今ジ.ャ.マ.トが運んでいるのが開封した人を人質にする爆弾の贈り物だと分かればデ.ザ.ス.タ.ーのことは忘れてその解除方法を探す。お決まりのように伸びる二色の配線について触れ、考えるまま間違った時のことを不用意に口にすれば二人は取り乱してしまって相手がそれを落ち着かせる。余計なことを言ったと二人に謝罪しつつ配線の様子を確認していれば相手が隣で声をあげて懐を探る。その様子を首を傾げて見ているとあいては緑色の蔓を取り出して入手経路とそれが意味することを説明する。爆弾を解除するためにはその爆弾を運んでいたジ.ャ.マ.トを見つけて倒さなければならない、オーディエンスに見せるゲームとしてはありそうなルールだ。こくりと頷いて相手の考えに同意すると迷うことなく二色の配線を一本ずつに分ける。ご丁寧に一緒に同封されていたニッパーを手に取ると相手の方を見て二人のことを任せるように言うと緑色の線に狙いを定める。「行くよ」と声を掛けると覚悟を決めて一気に配線を切った。断ち切る音が響くが爆発の衝撃はやってこない、バナナの方に目を向けると画面のカウントダウンは止まった後に表示が消え、二人を拘束する蔓が生命力を失ったように細くボロボロになっていく。容易に抜け出せるような状態になると「…どうやら正解のようだね」と安心した笑みと共に相手の方を見て)
任せとけ。…、……読みは当たってたみたいだな。悪ぃ、クイーン、エリザベス。このまま情報収集を頼みてぇ
(確証はないがこれがゲームであることを考えれば討伐の報酬が問題の答えであるのは有り得る話だ、相手はこちらの考えに同意して早速蔓を切る体勢に入る。相手に言われバナナと二人の間にしゃがむと少しでも爆発が及ばないように再び変身して装甲を纏う、ダブルのものよりは心許ないがないよりはマシだろう。エリザベスが『え、何それ?!』と叫ぶ間に相手が蔓を断ち切る、一瞬の静寂の後顔をあげるが変化はない。バナナの方をみればカウントダウンは止まり蔓はボロボロになって二人の拘束が解けた。変身を解除すると相手と目を合わせてこちらも安堵の笑みを浮かべる、大切な仲間が失われずにすんで何よりだ。爆弾は解除したものの特にアナウンスや表示は現れない、つまり時限爆弾を解除しても得点にはならないということだ。あくまでも得点が得られるのはジ.ャ.マ.ト.,を倒した時と言うことだろう。だが人の命がかかっているならば得点なんて気にしている場合ではなく恐らく時限爆弾はこれで終わりではない、となればここからもいつも通りに行動するだけだ。まだ先程のピンチを抜け出したばかりだが女子高生二人に情報収集を依頼する、この街で情報屋をしているだけあって肝は座っているのか、はたまた仕返ししてやろうという魂胆なのか二人は口角をあげて『いいよ。今回は助けてもらったお礼でタダでやったげる』と返事が返ってきた。そこからフルーツの蔓に拘束されている人かフルーツを運ぶ怪人を見かけていないかと情報を呼びかけてみればすぐさま二件ほど拘束されている人を見かけたと情報が入ってくる。相手の方をみれば「手分けするぞ、フィリップ」と声をかけて女子高生二人には引き続き情報収集を頼みつつ相手と別れて時限爆弾を解除しに走って)
二人とも助かるよ。 …ああ、分かった。
(緑色の配線を切ると爆発する事はなく、カウントダウンも止まった。爆弾を解除する事が出来れば相手と顔を合わせて安堵の笑みを浮かべる。だが何か通知が表示される訳でもなくどうやら爆弾を持つジ.ャ.マ.トを倒す事だけが得点源らしい。街の人の事について何も考慮されていないルールに思う所はあるがひとまず情報屋の二人を助けられたことに安堵していると相手は彼女達に情報収集を依頼する。今被害にあっていたばかりだがターゲットが街全体となれば人手が欲しいのも事実だ。すると二人は口角を上げて良い返事をするものだからこちらも軽く笑って感謝を伝えた。それから拘束された人の情報を聞くと二手に分かれて対処しようと相手から声が掛かって返事をすると再び分かれた。街の人を助けなくてはいけないがそろそろデ.ザ.ス.タ.ーとしても動かなくてはオーディエンスに飽きられてしまう。さっき拾った青色の蔓も恐らく爆弾を解除するヒントなのだろうが夕刻までまだ時間はある。そのままにしておくことを決めると教えてもらった場所に向かった。拘束された人が居るという商業施設にやってきて二階を探していたが被害者の姿は見つからない。だがあの言語が聞こえてきて振り向くとカゴいっぱいのブドウを持ったジ.ャ.マ.トが何処かに向かっている所だった。それを追いかけようとした矢先一階から聞いたことのある声がして下を見ると景和が何かを探しているようだった。2階に居るこちらには気付いていないようで格好のポジションにデ.ザ.ス.タ.ーミッションが頭をよぎる。あまりしたくないが目的の為だと割り切ると変身をしてジ.ャ.マ,トに遅いかかってそのカゴを奪う。そして一階の景和の周りに誰も居ないのを確認してから一階へと突き落とす。突然上から降ってきたジ.ャ.マ,トに景和は驚くも直ぐに変身して応戦するのを観察する。あと少しで倒せるとなった所でカゴで膨らみつつあったブドウの粒を二階からぶちまけて降らせると景和とジ.ャ.マ.トの辺りに散らばって小規模の爆発を沢山起こす。油断した所に多数の爆弾による攻撃を受け変身が解除してしまった景和と倒したジ.ャ.マ,トの場所にオレンジの蔓を確認すると変身解除して直ぐにその場を去って)
景和?!どうしたんだよ、それ
(女子高生二人の情報を元に海辺付近の広場にやってくるとまた人気はなくなって、代わりに『たすけてぇー』とか細い声が聞こえるとそちらへ向かう、そこで縛られ地面に転がされていたのはサ.ン.タ.ち,ゃ.んで急いで側へと駆け寄った。先程は偶然かと思ったが連続すれば人質の人選にも意味が乗ってくる、きっと風の街に住む自分と相手の知り合いを狙って人質にしているのだ。更なる醜悪さに奥歯を噛み「絶対助けてやるからな」と声を掛けながら周囲を観察すれば傍には蔓を伸ばし膨張していくブドウを見つける。ご丁寧にまた二色の蔓があってどちらかが正解なのだろう。今は正解が分からず一旦サ.ン.タ.ち,ゃ.んの元を離れてブドウを運ぶジ.ャ,マ,トを探しに行こうとする。しかし暫く進んだところで黒焦げになった景和と鉢合わせると思わず声をあげて近づいた。悲惨な状況に何があったのか尋ねると『急にジ.ャ,マ.トが降ってきたんだ!しかも倒そうとしたらさらにブドウが降ってきて爆発して巻き込まれて…もー散々だよ』と愚痴を零す。ジ.ャ,マ,トが上から降ってくるなんてどういう状況だとツッコミたくなるがその可能性にはすぐ行き着いて、景和も同じ考えなのか『やっぱり、デ.ザ.ス.タ.ーの妨害かな?』とこちらの顔色を伺うようにしながら問いかけられる。参加者の不利に働くような不可解な状況を起こすのはデ.ザ.ス,タ.ーしか考えられず、しかし「かもな」と確証はない言い方で答えていた。それよりもより重要なワードであるブドウのことを問おうと「さっき言ってたジ.ャ,マ.トって作業着着てなかったか?倒した時に蔓みたいなのが落ちてたならその色が知りてぇ」と聞いてみる。景和なら素直に答えるだろうと思っていたが『あぁこれ?』とオレンジの蔓を出されると望んだ答えを手に入れ口角をあげて「それだ!ありがとよ」と礼を言って呆気に取られた景和を置いてサ.ン.タ.ち,ゃ.んの所へ戻った。戻ってすぐに傍にあったニッパーでオレンジの蔓を切る、すると拘束は解けていきまた安堵の息を吐いた。サ.ン.タ.ち.ゃ,んは何度も礼を言いながら傍に落ちていた箱を指さすと『一緒に入っていた紙に今日の夕方までにお召し上がりくださいって書いてあったからさぁ』とその内容を話す。その瞬間に、つい先程同じ言葉を言われたことを思い出して一気に血の気が引いた。アキコからのあの電話、届いたものはパイナップルで賞味期限、もといタイムリミットは夕方までだ。「まずい、」と焦ったように声を出すと事務所の方へと走り始めて)
…ひとまずこれでミッションの方はクリアだ、あとは…。
(現場から離れると一息つく。端末を見ればデ.ザ.ス.タ.ーミッションは無事にクリアということになっていた。その下のミッションが目に入って胸は重く感じるがこういうムーブを求められているのだろう。上位に食い込むためにジ.ャ.マ.トを探すため周辺を探索していると『誰か居ないかー助けてくれ!』と聞こえてきてその声の元に向かう。警察署近くの駐車場の物陰であるそこを覗き込むと先程の情報屋二人と同じく地面に転がされ刃.野.刑事が助けを求めていて慌てて駆け寄った。刃.野.刑事もこちらに気付いて解除を求める視線の先には膨らみつつあるマンゴーがあり、黄色と青の配線が繋がっている。先程の相手の推理と行動から察するにあの時拾った蔓の色である青色が解除のために切る答えだ。早速解除にかかろうとするがニタリとゾクルの言葉が頭を過ぎってその動きが止まる。オーディエンスの彼等の望みを叶えるには相手を裏切るのが最高のドラマだと言っていた。ならばこの状況は使える手なのではないだろうか。幸いどちらのコードを切るかは既に判明している、その為少々遅延してもタイムリミットを迎える前に爆弾を解除すれば刃.野.刑事の命が失われることはないだろう。胸が痛みながらも頭の中でオーディエンスが好みそうなシナリオを組み立て「待っててくれ、どうにか解除できる方法を探してくる」と嘘をついてその場を離れる。情報屋の次に刃.野.刑事が標的になっていることに嫌な予感を覚え、相手の方の状況も確認しようと考えると電話をかけて)
__アキコッ!っ、…落ち着け!それとハードボイルドだっ!!
(急いで鳴.海.探.偵.事務所に戻り所長の名前を叫びながら中へと入る、そこでいつも通りに所長が過ごしてくれていれば良かったが奥のスペースには蔓に拘束された所長が『翔太郎くぅん』と弱々しい声を出していて急いで近づいた。傍には既に腕で抱えられないほど膨れ上がったパイナップルがあってカウントダウンが刻一刻と減っている。夕方まであまり悠長なことはしていられない状況だ。アキコに絡みついているのは緑色と紫色の蔓で意味ありげな色にまた眉間のシワが深くなる。その間に所長はパニックから抜け出せずにいて『これなに?!ってか二人ともまだ泊まりの予定って言ってたのになんでいるの?!いつものハーフボイルドの格好は?』と捲し立てるように質問されて肩を掴んで制止した、ついでに聞き逃せない言葉は否定しておく。まだパイナップルを運ぶジ.ャ.マ.トは倒せていない、他の参加者から情報を貰うか女子高生二人とサ.ン.タ,ちゃんの情報を待つか、どちらにせよ片っ端から当たっていかなければアキコが危ない。そんな緊迫した場面にも関わらず『今それ関係ある?!』と叫ばれて思わず「お前が言い出したんだろっ!」といつものように言い合いが始まりそうになったところで通知音が鳴った。画面をみれば相手からの着信だ、所長のスリッパがなく永遠に続きそうだったやり取りが止まって内心ホッとしつつ電話に出る。先にこちらの緊急事態を伝えるべきだろうと「フィリップ!人質にされてんのは俺達に縁のある人達だ。今事務所にいてアキコがパイナップルの爆弾に繋がれてる」と状況を説明して)
アキちゃんが!?っ、よっぽど僕達に嫌がらせしたいようだね…。僕は景和達に連絡取って目撃情報か既に蔓を入手してないか聞くのと辺りを探してみる、君は情報屋と色が分かったら直ぐに切れるよう事務所周辺を当たってくれるかい。
(相手の状況も確認しようと電話をかけるとこちらが声を発する前に焦りと緊張が伴った声で所長の危機を知らされて声をあげる。見知った顔ばかり時限爆弾に拘束されると思っていたがやはりこれが運営とオーディエンスの意向なのだろう。思わず悪態じみた声が零れるが不満を言っていてもしょうがない。パイナップルの爆弾を解除する蔓の色はまだ知り得ていない。すぐにでも探さなくてはと気持ちが焦ると相手に情報収集の分担と詮索範囲の指示を飛ばす。「見つかったらすぐに連絡する」と言って電話を切るとすぐに参加者に連絡を取った。だが三人ともパイナップルを運んでいたジ.ャ.マ.トは見ておらず蔓も持っていないらしい。得点にならない事に彼らが嘘をついている可能性は低く解除の鍵が見つかない事にますます焦ってしまう。その一方その先を見据え最後に掛けた祢音に「なら見かけたら連絡して欲しい。それとこれとは別件で僕の街の仲間が警察署の方でジ.ャ.マ.トっぽいものを見かけたって教えて貰ったんだ。もし余裕があれば確認して何かあったら僕か翔太郎に教えてくれ」と告げ刃.野.刑事の発見を促しておいた。承諾の返事を聞いてから電話を切っては目的のジ.ャ.マ.トを探しに行き)
あぁ、分かった!頼んだぜフィリップ!
(相手に事務所の状況を伝えれば驚きと共に悪態めいた言葉が聞こえてくる。こちらも心境は同じだ、よっぽど自分達を追い詰めたいらしい。相手から情報屋と蔓を切る役目を預かると力強く返事をして電話を切る。所長のもとに戻るとまた肩に手をかけて「アキコ、俺とフィリップが必ず助けてやる。もうちょっと待っててくれ」と声をかければ不安げな顔ながらも所長は頷いていた。少しでもジ.ャ.マ.トに出会う確率を上げるために事務所を出る、そのタイミングでウ.ォ,ッ.チ.ャ.マ,ンから連絡があって慌てて電話に出た。すると『サ.ン,タ,ち,ゃ,ん,から聞いたよー?フルーツを運んでる怪人を探してるんだって。ボキのこと忘れるなんて翔ちゃんもいけずだなぁ』と場違いなテンションで言われるが言い方からして朗報だろう、「連絡しなくて悪かった。それで、お前の情報網に何がかかったんだ?」と気取った言い方で返事をすればフルーツの模様が書かれた箱を持った怪人が近くの路地裏で発見されたのだと教えられる。礼を言ってから電話を切ると直ぐに路地裏へと向かった。人気はないがちょっとした広場になっている場所にジ.ャ.マ,トが複数体たむろしていて一番奥には作業着を来てダンボールを抱えたジ.ャ,マ,トを見つける。しかしそれを守るように立ち塞がる敵の数は多くて奥歯を噛み締めていると『いい狩場だな』と声が聞こえてそちらを向く、後ろに立っていたのは英寿だった。彼を見つけるや否や「頼む!協力してくれ。俺はあの奥の奴を狙うから露払いしてくれ」と協力を申し出る。それに英寿は鼻で笑って『俺にジ.ャ.マ.ト.を譲っていいのか?このままだと最下位だぞ』と現状を突きつけてくるがそれを薙ぎ払うように胸ぐらを掴むと「ンなもん今は気にしてる場合じゃねぇんだよ!風.都.の人を守るのがこの街の探偵の、俺の役目だ!」と叫んだ。それを表情ひとつ変えずに聞いた英寿は片側の口端を上げまた笑って『タイクーンよりお人好しがいたとはな』と馬鹿にするように言った後にバックルを取り出す。どうやら協力してくれるらしい。手を離してこちらもバックルを取り出すと二人並んで「変身っ!」と装甲を纏う。英寿に雑魚を任せて一直線に作業着のジ.ャ.マ,トへ向かっていくとジ.ャ.マ,トはその場から逃げ出してしまう。それを追いかけていけば倉庫に逃げ込まれてそれを追うように中へと入って)
(電話の先から聞こえる声からはこちらへの全幅の信頼を感じられてそれを現に裏切っている状況にジリジリと胸が痛む。だがこの役割は相手には任せられない、悪魔らしい自分の仕事だ。それぞれに連絡を取りタイムリミットまでまだ時間があることを確認してからまだ誰も探していないであろう繁華街から少し離れた場所に向かっていると相手を示す紫の丸が英寿を示す白い丸の元に重なった。どうやら二人が接触したらしい。英寿の行動は未だ読めないがこれまでのゲームの実力を見れば今回も間違いなく上位3位に食い込む動きをしているのだろう。そちらは二人に任せるとしてパイナップルのジ.ャ.マ.トを探しているとぽつんと立った今は使われていない店からジ.ャ.マ.トが出てきて近くの壁に身を潜めた。ジ.ャ.マ,ト達は店の中から果物の絵が書かれた箱を近くに停めたトラックに運び出している。ここが出荷地の一つなのだろう。運ばれていく果物の中にパイナップルは無かったがこれらが運ばれて犠牲者が増えるのは見逃せない。ここで一気に殲滅するのも手だが今まで倒したのが歩いて運んでいるジ.ャ.マ.トだったことを考えるとこのトラックで荷物を運び現地に運搬役が別にいる可能性が高い。その中に目的のジ.ャ.マ.トがいる可能性だってある。ならばここで無闇に倒すより果物を運ばせ現地のジ.ャ.マ.トと一緒に倒した方が効率的だろう。そう判断すると変身してからこっそりと近付いて荷物の積み込みが終わるのを待つ、恐らく全て載せ終わってジ.ャ.マ.トが前の運転席に乗ったのを確認すると積み込み役を倒してから荷台の上に飛び乗った。運転役はエンジン音でその音が聞こえなかったのかトラックは発車する。車内のジ.ャ.マ,
トは広場の仲間からピンチの知らせを受け二人が戦っている場所に向かう。倉庫裏にトラックが止まると運転していたジ.ャマ.トは荷台を開けて爆弾である果物の箱を抱え仲間の元に向かう、その隙にトラックの裏に降りると彼らの様子を伺って)
ッ!お前が正解か!
(日も落ちてきて電灯のついていない倉庫の中は薄暗く雑多にものが置かれているせいで視界も悪い。逃がさないうちに早く仕留めなければとダンボールを持つジ.ャ.マ.トに斬りかかればふわりとダンボールの蓋が浮いて一瞬だけ中身が見えた、暗がりの中だったが緑色の特徴的な葉と濃い黄色のフォルムは間違いなくパイナップルだ。あのジ.ャ.マ.トを倒せばアキコを助け出せるはず、チェーンソー型の武器を構えて走りよったが直後同じダンボールを持つ作業着のジ.ャ,マ,トが現れて攻撃を妨害されてしまう。二匹のジ.ャ,マ,トは見た目が全く同じで今ならばパイナップルを持っている方が分かるが時間が経てば経つほどどちらが目的の敵か分からなくなるだろう。しかも作業着のジ.ャ,マ.トは基本的にこちらから逃げようとする、正解の方を追おうとするがもう一方が攻撃を仕掛けてきてそれに応戦し、目的の方も攻撃に加わってきて一旦引くが距離を取ればすぐに逃げ出そうとする。どちらも倒すのが手っ取り早いがこの狭い通路では長物であるチェーンソーを上手く振り回せなくて決定打を与えられないまま攻防が続いていて)
、アレはアキちゃんの…!
(トラックのジ.ャ.マ.トは広場の方に向かっていったが倉庫から音が聞こえてきてそこを覗く。荷物が積んであってよく見えないがじっと見つめていれば相手の変身後の姿と作業着姿のジ.ャ.マ.トが居るのが見えた。そして何より相手の攻撃を回避する時に段ボールの蓋が僅かに動いてパイナップルの特徴的な葉が見えて目を見開いた。奴を倒せば所長を倒せる、ならば取るべき手段は一つなのだが相手に他を探すと行った手前今ここで姿を表すのは不自然だ。ならば先程の景和と同じくデ.ザ.ス.タ.ーの妨害という形でサポートすれば良い。そうと決まれば音もなく中に忍び込み柱の後ろを陣取る。2人に増え上手い連携で相手の攻撃を躱して逃げているジ.ャ.マ.ト達が角を曲がったタイミングで脇差を振るい積んである近くの荷物を斬りつけるとバランスを失い一気に崩れて行方を遮る。逃げ場を失って驚くジ.ャ.マ.ト達の内パイナップルでは無かった方の箱にすかさず手裏剣を投げて段ボールに切れ目を入れる。その間から林檎が3個、箱から零れ落ちてジャマト達と追ってきた相手の元に転がると今にも爆発しそうなほど膨らんでいき)
な、爆弾…?!
(狭い通路と武器の相性が悪く早くジ.ャ.マ,トを倒さなければならないのになかなか決めきれない、不用意にチェーンソーを振るえば荷物が崩れて通路を潰してしまうだろう。歯痒い思いをしていればジ,ャ.マ,トを追いやった先から激しい音が響いた、どうやら積み上げられていたものが崩れたらしい。だが荷物が崩れたおかげでジ.ャ.マ.ト達が逃げる通路が塞がれて口角を上げる、その影に相棒が隠れているとは知る由もなかった。一気に両方を仕留めるチャンスだと仮面の下で口角をあげるとチェーンソーを振りかぶる、しかし直後何故かダンボールから林檎が床へと転がり落ちた。衝撃を受けたせいか林檎はすぐに膨らんで息を飲む、振りかぶっていたチェーンソーを咄嗟に前に持ってきてガードするようにしながら後ろへ飛び退いた。爆風に押されて地面に転がるもなんとか無事に爆発から逃れる、いつの間に林檎が零れ落ちたのだろうかと疑問が過ぎるがその前に蔓が落ちているのを見つけて急いで駆け寄った。パイナップルを持っていたジ,ャ,マ,トが持っていたのは緑色の蔓だ、これでアキコを救うことができる。蔓を引っ付かんで踵を返し歩き出すと同時にアキコを救う手段が見つかったのを伝えようと相手へと電話をかけて)
っ、!……はぁ、ここなら、
(あの爆弾は時刻を迎えるか箱から取り出した上で衝撃を与えると膨張して爆発するという仕組みだ。その性質を利用して恐らく同じくフルーツの入っている方を狙い、違和感に気付かれる前に床に転がしてジ.ャ.マ.ト諸共爆発させると相手は機転を効かせ無事に回避したのが見えた。それから爆発した地点で緑色の蔓を拾い上げたのを見れば一人で安堵の息を零す。これでひとまずは所長の方は解除の見込みがついた。そう気を抜いていたせいか相手の行動から目を外していて倉庫を出る直前端末からバイブレーションを感じるとびくっと肩が跳ねる。今の行為がまだ自分のせいだとバレる訳にはいかず着信音を掻き消すように咄嗟に手裏剣を投げ付け金属音を鳴らすと慌てて倉庫を後にした。足音を立ててしまったが自分の存在がバレるよりはマシだ。倉庫の間を駆け抜け十分に距離を取った頃には大分着信音が繰り返し鳴った後だったがここなら大丈夫だろうと電話を取ると「すまない、戦闘中だった。翔太郎、何か情報が見つかったのかい?」と焦った演技をしながら問いかけ)
ん…?あぁ、タイミング悪かったな。でも朗報だぜ、アキコの爆弾解除できそうだ
(倉庫を出ていこうとしたその瞬間に倉庫内に金属音が鳴り響いて咄嗟に振り返る、直後誰かが走り去る足音が聞こえれば思わず足を止めた。この倉庫内に何者かが潜んでいたようだ、さっき突然荷物が崩れたのも林檎の爆弾が転がり出てきたのも偶然ではなくこちらを狙った行為だったのかもしれない。すなわち先程までデ.ザ,ス.タ,ーが近くにいてこちらを狙っていた可能性があるということだ。こちらが街の人を、その中でもより大切なアキコの命を救おうと奔走している最中に妨害してくるなんて。人の命より自分の勝利を優先する行為にまた怒りを覚えるも今はアキコを助けるのが先だと気持ちを切り替えて事務所へ走り出すと相手と電話が繋がる。走りながらアキコの無事が確保できそうだと相手に伝えれば「また情報が入ったら連絡する」と告げて電話を切る。やがて事務所にたどり着くと扉を開いてアキコのもとへ駆け寄る、パイナップルは人の背程の大きさになっていて『翔太郎くぅぅん』とまた所長は情けない声を出していた。しかし今度は「待ってろ、今助けてやる」と自信を宿した笑みを浮かべればニッパーで緑の蔓を迷いなく切る、切断の瞬間アキコは散々騒いでいたが蔓がボロボロに崩れ去りパイナップルが萎んでいけば二人して安堵の息を吐いてへたりこんだ。その瞬間に派手なファンファーレと共に【Secret Mission Clear 時限爆弾を3つ解除する】と文字が宙に浮かんで大量の得点が入った。一件意味が無いと見せかけて一気に点が入るのは何ともゲームらしい。だが全ての爆弾を解除すればきっとアナウンスがあるはず、連絡があるまではこの街を走り回るしかない。困惑したままの所長に「いいか!絶対に事務所から出んなよ!」と言いつけて文句を背中に浴びながらも再び事務所を後にした。そのタイミングでまた通知音が鳴る、相手は祢音だ。電話に出れば『良かった繋がったーフィリップに繋がらないからどうしようかと思った。フィリップから聞いて警察署の周り調べたら縛られてる人見つけたよ!』と告げられて一瞬動きを止める。そこは女子高生二人からの情報を受けて相手が担当していたはずの場所だ、何故相手ではなく祢音がそこを調べているのだろう。渦巻く疑問は疑念に膨らみそうになる、それを振り払うように頭を振って「分かった、俺もそっちに向かう」と移動し初めて)
それは良かった…。こっちはジ.ャ,マ.トには遭遇するけど果物を持ってない個体ばかりなんだ。僕は他にも探してみるからアキちゃんのこと頼んだよ。
(相手の方からは走っているような足音と息遣いが聞こえてきてどうやら事務所に向かっているようだ。所長を助けられる安堵と先程から良い報告が出来ていない事に対してそれらしい嘘の理由を語ると所長の事は相手に任せて電話を切った。そのタイミングで宙に【Bonus Mission CLEAR】の文字が浮かんで十分な量の得点が入る。工作活動に奔走していた身としては上位に食い込むために有難い得点だ。更に何処からともかくミッションボックスが出現して箱を開けてみると黒いベース色に赤色が映えた大型バックルが入っていた。これで更に場を荒らせということなのだろう。相変わらず悪趣味なサポートに眉を顰めているとまた端末に着信が入る。だが発信主に祢音の文字を表示されていれば敢えてそれを取らずに懐に仕舞った。ドライバーの反対側にブ.ー.ス.タ.ーバ,ッ.クルをはめ下半身に装備すると直感的にその仕様を理解する事が出来て専用機能らしいバイクを出現させる。空を見上げると日が沈みかけていてそろそろタイムリミットだろう。覚悟を決めるために長く息を吐き出すとエンジンをかけ、一度トラックに戻って一箱拝借すると揺らさないように後ろに括り付け、他にジ.ャ.マ.トや時限爆弾が無いのか確認する為街を1周させながらオーディエンスのいうクライマックスを迎えるために警察署の方向に向かって)
ッ、ジンさん!無事か?クソ、もう時間がねぇ
(連絡を受けた場所にたどり着き祢音と合流すると拘束されている人の元へ案内される、そこにいたのはまたも見知った人物でまた声をあげながらジンさんに近づいた。ジンさんの隣で人の背以上に膨らんでいるのはマンゴーで表示されている時間は少ない。だがマンゴーを持ったジ.ャ,マ.トはまだ見かけていなくて黄色と青、どちらが正解の蔓かは分からなかった。タイムリミットまでにどうにか正解を見つけ出さなければならない、祢音も協力してくれるようで手分けをして探すことになって先に祢音がその場から離れていく。ジンさんの傍にしゃがむ、まだ青かった頃から何度世話になったか分からない恩人を死なせる訳にはいかなくて「絶対に助けるから待っててくれ」と声をかけるとある程度場馴れしてるいのか冷静に『頼んだぞ翔太郎。さっきフィリップも解除の方法を探しに行ったから、二人で俺を助けてくれよ』と励まされて、その言葉に妙に安心した。この場に相手がいないことを勘ぐってしまったがただジ.ャ,マ.トを探しに行っただけのようだ。ジンさんに向かって強く頷くとその場を離れて走り出す。とはいえ手がかりは一切なく虱潰しに街を駆け回るしかできない、情報屋全員に改めて連絡をとってみるがマンゴーはまだ見かけていないようだ。焦る気持ちをなんとか抑えながらがむしゃらに走ってターゲットを探していて)
…やるしかないか、
(ざっと街の中を走ったが他に時限爆弾らしきものは無かった。情報屋などの手を借りても見つからず騒ぎになっていないという事はアレが最後の一個なはずだ。そろそろ時間は少なく警察署の方に向けバイクを走らせていると見覚えのある後ろ姿があって敢えて何も言わずにその横を通り過ぎる。相手の観察眼ならば背後に詰んだ箱のフルーツの絵に気付くはずだろう。相手を呼び寄せるネタを仕掛けそのまま走り去る、警察署に辿り着いてちらりと刃.野.刑事の方を見ればマンゴーは今にも爆発しそうなほど膨らんでいる。今すぐにでも解除したい、しなければならないと思う気持ちを押さえ込んで変身を解除すると前方から祢音がやってくる。さっき得点を見た時彼女は4位で割かし大きな差が無かった。何かの拍子にシークレットミッションをクリアされたりすれば一気に逆転される可能性だってある。その動きを封じる為とゲームの盛り上がりの為にもここは動くべきだろう。彼女もこちらに気付くと『もー、さっき連絡したんだよ。それよりもあれ、今にも爆発しそうで、マンゴーの爆弾みたいなんだけど運んでたジ.ャ.マ.ト見なかった?』と問われる。それに対して「見ていないけど気になるものを見つけたんだ」と返答しながらバイクの後ろにあった箱を手に取る。彼女の顔から真摯な心配から読み取れるとそれを傷付けることに胸は痛むが唇を一瞬噛み締め心の中で謝罪しながら箱の中身のミカン達をいきなり彼女の上空にぶち撒ける。一瞬困惑した様子だったが果物が爆弾だと思い出したのか彼女は直ぐに変身して装甲を纏う。だが避ける前に幾つかミカンが空から降ってくるのが先で空中で小規模な爆発が一気に起こると彼女にも幾つか当たって爆破の衝撃で地面を転がる。勢い良く壁に衝突して凄い音が響き、あの様子では若干意識がクラクラしているかもしれない。背後から見れば彼女がダメージを受けたまま地面に転がっていてその周辺には爆発したミカンの中身や皮が飛び散り、それを眺める相棒という光景が広がっていて)
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