検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ありがとう。寒くなってきたし今日は帰ろうか。
(今日だけの特別な街の姿をしっかりと目に焼き付け、これからもここで過ごして守っていくのだと思えば自然と笑みが浮かぶ。ちらりと見た相手も同じような笑みを浮かべていてちゃんと二人でこの場所で居れることの幸せを噛み締めていた。そうして機体に乗り込んでしっかりと相手に掴まると帰りの運転も相手に任せる。軽い合図の後、機体は空へと舞い上がってクリスマスの街を大きく一周する、自分たちしか見れないであろう贅沢な景色を堪能し、今まで訪れた場所を当てたり個性的なイルミネーションを見つけたりしながら空の旅を楽しんだ。そうしてゆっくりとか高度を下げて家の近くの裏路地に降り立つ。到着が告げられるとテンションが上がった勢いで感謝の言葉と共に後ろから頬に短く口付けを落として機体から降りた。特等席でイルミネーションを楽しんでいる内に大分地上は寒くなっていて吐く息も白い。デートが終わってしまうのは少々寂しいが一緒に居ることは変わりなくて降りた相手の手を取るとそのまま自宅へと歩いていく。去年貰った鍵で家のドアを開けて「ただいま」と帰宅の挨拶をしながら中へと入る。早速暖房を付けて上着を脱いでハンガーで掛けていると部屋の明かりを反射する貰ったばかりの時計の存在がより強く感じるようになる。軽く掲げてみながら気に入った文字盤と縁の色を見ると一人で満足げに笑みを零して)
ただいま。……よっぽど気に入ったみてぇだな
(街を彩るイルミネーションを二人で存分に眺めてからハ.ー.ド,タ.ー,ビ.ュ,ラ.ーが地面へと降りたてばいよいよ特別なクリスマスデートも終わりの時だ、だがデートが終わっても相手と二人で一緒にいることに変わりはない。到着を告げれば後ろを向いた顔の頬へ短く口付けがされる、こんな些細なことにさえ唇が伴うなんてなんとも恋人っぽいことに照れ笑いが浮かんでいた。機体にはガレージに戻るよう指示を出しておき相手と手を繋いで二人の家へと移動する。心はまだまだ相手への想いや今日の思い出で暖かいが吐く息は白くなっていてすっかり体も冷えていることだろう。玄関へとたどり着けば相手は自分色のキーケースを取り出していて贈ったものがこうして日常に馴染んでいることにまた喜びを覚えていた。帽子や上着など一通りのものをしまい終えて相手の方をみればその視線は掲げられた腕時計へと注がれている。プレゼントを見つめる姿をみればまた嬉しさが込み上げてきて思わず背後から相手を抱き締める、相手と同じ目線で時計をみてみるとやはりそれは相手によく馴染んでいて「これ選んで正解だった」と軽く首元に擦り寄り)
ああ、外の明かりと蛍光灯では見え方がしばしば変わる事があるけどどちらも綺麗な色だ。 時計のプレゼントには同じ時を刻みたいとか離れていても一緒という意味が込められているそうだよ。
(二人で手を繋いでいつもの家に帰ってくる。これでクリスマスデートは終わってしまったが贈られた想いも物も手元に残っていて上着をしまうとつい視線は腕時計に向かう。より見えやすいように手を掲げて時計を見ては笑みを浮かべていると背後から近付いてくる気配と共に後ろから抱きしめられた。上着が無くなった分相手の体温をより直接感じるようになると軽く体重を預けるように身を傾けながら相手の言葉に肯定を示す。装飾品や服は外と家の中では受ける印象が変わることも多いがこの時計は依然自分を示すメモリの色と共に存在を示していて口角が吊り上がる。相手も気に入った上での贈り物だったようで首元に擦り寄られながら告げられた言葉にくすっと笑うとその頭を軽く撫でながらプレゼントについて調べた時に得た情報を共有する。時計の贈り物は時間に関しての意味合いが強いようでちらりと相手の顔を覗くと「相乗りしてる僕達にピッタリだね」と嬉しそうに笑って告げ)
そうなのか?…あぁ、俺達の思ってる事そのままだ
(相手を後ろから抱き締めて一緒に今日贈った時計を眺める、上着を纏わなくなった分二人の体はより近づいて温まり切っていない体はまだひんやりとしていた。体温を共有していると軽く体重が預けられてしっかりとその体を抱きしめたまま相手の視線は文字盤の深緑へと注がれる、受ける光の色が変わっても変わらず相手の腕に映える緑は綺麗で心底これを選んで良かったと思えた。軽く頭を撫でられて相手の手に擦り寄っている間に腕時計を贈る意味を教えられる、意識して選んだわけではなかったが同じ時を刻みたいという想いも離れていても一緒だという想いも何度も互いに願ってきたもので、交わしてきた約束だ。こちらを覗く相手に軽く頷きながら同意する、偶然にもより強く相乗りを誓った二人に相応しい贈り物になったようだ。視線があえば引き寄せられるように唇を軽く重ねてそこの柔らかさを享受する、そこでもう一つ今日の思い出の品があるのを思い出すと抱き締めた体が離れないようにめいっぱい手を伸ばして脇に置いていた袋を手にとると「こいつも飾らなきゃな」と中からスノードームを取り出して)
大切にするよ。…ああ、今日の大切な思い出だ。
(顔を覗かせる相手の頭を軽く撫でながら腕時計を贈る意味を説明すればそこまでは考えていなかったようで感心したような反応がされる。閉じこもって自分だけの世界で過ごすのではなくこの街で同じ時間を歩むのに必要な物、常に身に着けるだろう時計が相手から贈られたことに改めて幸せを?みしめていた。自分の想いを伝えながらその送り主に視線を送ると目が合って再び顔を近づけて軽い口づけを交わす。そっと離れたあとも軽く擦り寄っていると相手がこちらを抱きしめたままテーブルの上の袋に手を伸ばす。ほんの僅かな時間と距離すらあけたくないという相手の態度に思わずくすくす笑いながら袋を手に取り、中身を取り出す様子を見つめる。あの後スケートをしたりイルミネーションを見たりと色々したが本体は壊れることなく、二人の雪だるまの上に綺麗な雪を降らせていて表情が緩んだ。これも今日を示す大事な思い出の一つだ。手の中に収めて暫し雪が降る様子を見つめていたが部屋の中をきょろきょろを見渡すと相手の腕を掴んで離さないまま数歩移動して相談していたようにベッドの近くの棚の上に置いてみる。それだけで一気に部屋の中が冬っぽく彩られると「これならいつでも二人の雪だるまを鑑賞できそうだ」と無邪気に笑って)
……そうだな。この位置なら部屋の何処からでも見れそうだ
(ただ相手と目があったからとそれだけの理由で軽く口付けを交わす、特別な理由がなくたって恋人だけの行為ができることに胸を満たされながら擦り寄る相手の心地を堪能していた。なるべく体を離さないようにスノードームを手にすると相手は小さく笑っていて相手の体の前でスノードームを取り出し手渡す、接着に問題はなかったようで二人で作った二つの雪だるまが煌めく雪の中に仲良く並んでいてまた相手と共に暫くそれを眺めていた。やがて相手が腕を掴んで移動を始める、相手の歩幅に合わせて棚の傍までやってくると予定通り棚の上にスノードームが置かれた。二人を模した二つの雪だるまが収められたそれは棚の上に置いたことで部屋のどこからでも見える位置にあっていつでもこの最高のクリスマスデートを思い出せそうだ。スノードームがこの部屋に加われば後に考えることは相手だけ、後ろから抱き締めたまま後頭部に軽く擦り寄りつつ「そろそろ風呂はいって体温めてきたらどうだ?」と提案して)
ああ、後で撮った写真も整理しなければ。…そうだね、今日は体も使ったし後はゆっくり過ごしたい
(二人で棚の前まで移動してきてスノードームを飾る。相手の言う通り何処からでも見れる位置に置いたことで見る度に今日のことを思い出すだろう。思えば最初に来た時よりも随分自分のものや二人の思い出の物も増えてきて相手の家から二人の家になったことに自然と笑みが浮かんだ。スノードームと同じく二人で撮った写真も後で整理しておこうと口にしていると相手が後頭部に擦り寄ってきて風呂に入ることを促される。大分外の冷たさは無くなってきているがこの後ゆっくり過ごすことを考えても先にやる事を済ませてしまった方が良さそうだ。同意するように頷くと相手の腕の中で体の向きを変えて向かい合うような形になる。少し温まった相手の頬に手を添えるとまた短くキスを落とした。今日だけでも何度もキスをしたことに子供のように笑うと「じゃあ先に入ってくるから待っててくれ」と伝えて少々名残惜しいが腕を解いて脱衣所に向かう。貰った腕時計も外して大事に取って置き、服を脱いで中へと入る。長時間外にいた体にはシャワーの温かさが身に染みて安堵の息を吐いて温まりながら髪と身体を洗う。泡を洗い流して浴室を後にすると相手の色の寝巻に着替え、軽く髪を拭きながら「上がったよ」と声を掛けて)
あぁ。アイススケートで結構体力使ってるはずだしな、あとはゆっくりしようぜ
(スノードームも無事定位置を見つけてまたひとつ部屋に彩りが加わる、大騒ぎしながら撮った写真も大切に保管しておかなければ。風呂に入るように促せば相手から同意の返事が返ってくる、慣れないアイススケートでめいっぱい氷の上を滑ってなんだかんだ言いながら歩き回ったのだからそこそこ体力は使っているはずだ。明日のためにもこの後の時間はゆっくりと過ごした方がいいだろう。相手を浴室へと見送って残っていた片付けを済ますとふと視界に今日着ていったジャケットが目に入る。引き寄せられるようにそこへ近づくと胸ポケットから今日貰ったプレゼント、名刺入れを取り出した。ハードボイルド探偵に相応しい大人っぽさの中にメモリと同じ紫と金が入っていて何よりお気に入りは中を開けた時に見える深緑色だ、きっとこの名刺入れを開ける度にいつでも相手が傍にいるのだと実感することが出来るだろう。その中に差し込まれた相手の名刺をそっとなぞる、これもどこかに保存しなければならないが暫くはこの名刺入れの中に居て欲しかった。そうやってプレゼントを眺めていると相手が風呂から上がってきて「おかえり」と声を掛ける、相手が纏う色はこの名刺入れと同じく紫色で自然と口角を上げていて)
ただいま。…すっかり僕達の周りはこの色で溢れるようになったね。
(風呂から上がってリビングにやってくると相手はハンガーにかけたジャケットの前に居てその手には今日贈った名刺入れがあった。そして相手の視線が自分の着ている寝巻きに注がれたのに気付くとその意味に気付いてこちらも口角が上がった。おかえりに対応した言葉を向けながら相手に近付くと緩くその体に抱き着く。風呂上がりのぽかぽかした体温を分け合いながら視線を名刺入れに向ける。この寝間着も名刺入れもそうだが箸からキーケースまでいつの間にか生活の中で自分達を表す色を沢山この部屋に置いたり持つようになった。色とお互いが結び付いている事に喜びの声を弾ませると「君も早く僕の色に染まりたまえ」とじっと相手を見つめて)
確かにそうだ、これもそのひとつだな。……あぁ入ってくる
(自分に贈られた名刺入れと相手が纏う色と、そのどちらもが同じ色であるのが嬉しくてつい幸せを噛み締めてしまった。その間に相手は近づいてきて緩く抱き締められるとこちらからも腕を回す、相手の体温は風呂によってすっかり暖かくなっていてその心地良さに吐息をついた。相手の言うように二人を示す色はこの家を、そして日常を至る所で彩っていて二人で一人を表すものになっている。日常の中に当たり前にこの二色が溢れているのが相手と一緒にいるのだと強く感じさせてくれる。弾む声にこちらも頷きながら答えていると今度はこちらが風呂に入るよう促された。つい名刺入れを見入ってしまったがせっかく目の前に相手がいるのだから二人だけの時間を存分に過ごしたい。こちらを見つめる相手に軽く口付けを送ってから一旦腕を解く、名刺入れを内ポケットへ仕舞えば風呂場へと向かった。温かいシャワーを浴びれば僅かに残っていた冬の空気さえ流れていって全身が温かくなる。体を洗い終えて相手の色の寝間着を纏ってバスタオルで髪を拭きながらリビングへ戻ると「待たせたな」と声をかけて)
…おかえり。せっかくだからコーヒーの代わりにクリスマスマーケットで見たホットチョコレートを入れてみたんだ。勿論飲むだろう?
(身の回りに溢れた自分達の色を見ていると相手の服も早くお揃いの自分の色に染めたくなってじっと見つめながら風呂に入るように促す。すると軽く口付けがされて直ぐに了承の返事がされると満足そうに笑みが浮かぶ。「行ってらっしゃい」と言って相手を見送ると髪を拭くのはそこそこに何かほっとするものを飲みたい気分だ。いつものようにコーヒーを入れても良いのだがクリスマスマーケットの中に気になるメニューがあったのを思い出すと台所に向かった。キッチンの前に立ち地.球.の.本,棚に入ってその飲み物、ホットチョコレートについて調べてみる。作り方を調べると思ったより簡単そうで早速棚からお揃いのマグカップを出してくると小鍋で牛乳を温める。軽く沸騰するくらい熱すると火を止めて探し出してきた板チョコを割り入れて溶かした。そのタイミングで風呂場から相手が上がってくる音がすればマグカップに出来たホットチョコレートを入れてから相手を迎えに行く。リビングにやって来た相手は自分の色の寝間着を纏っていて自然と笑みが浮かぶ、そしてテーブルに並ぶ二つのマグカップを指差すと自信たっぷりな様子で尋ねながら手を引いて移動して)
…、…すげぇ良い匂い……もちろんだ。ありがとよ、フィリップ
(髪を拭きながら戻ってきたリビングで一番最初に感じたのは先程までなかった匂いで甘い香りが鼻腔を擽ると体が温まったのも相まってさらに体の力が抜けていく。こちらにやってきた相手はお揃いであり相手の色でもある寝間着姿に満足そうに笑う、そしてホットチョコレートをいれたのだと指さされた方を見てようやく匂いの正体が分かればパッと顔を明るくさせた。特別でしっかりと寒い日を過ごした後にはピッタリの飲み物だろう。自信たっぷりにこちらの回答を待たずに相手は手を引き始める、もちろん答えは相手の想像通りのものだ。テーブルまでやってくるとより一層甘いチョコレートの香りが辺りを漂っていてこちらの表情まで溶けてしまう、せっかくならと二人分の椅子を並べるようにしてから左側へと座った。相手が隣に座ればいつか夢の国で買った思い出の品であるマグカップを手に取る、こちらが風呂をあがるのにあわせて作ってくれたのかマグカップはホカホカでそんな心遣いにさえ嬉しくなってしまう。相手の方を見てから「じゃあ、いただきます」と口にしてから早速一口ホットチョコレートを飲んでみる。温かい体にさらに甘くて温かい心地がじわりと全身に行き渡っていくと思わず目を閉じてその味に浸りながらホッと息をついて「あったけぇ…」としみじみ呟いて)
もう少しクリスマス気分を楽しみたいからね。…じゃあ僕も、…甘くて美味しい…
(お揃いの寝間着でそれぞれの色を纏った所でホットチョコレートを入れたことを告げると相手の顔がぱっと明るくなる。デート自体は終わってしまったがまだクリスマスの余韻に浸るというのも悪くないはずだ。返事を聞かぬままその手を引いてテーブルの方に移動すると特別な時のように椅子が並べられて微笑みながらその右側に座った。お揃いのマグカップを両手で包み込むように持つと甘い香りと温かさが広がってほっと一息ついた。先に相手がこちらを向いてからホットチョコレートを飲む。分かりやすく目を閉じてその温かさと甘味を味わっているのが分かれば自然とこちらまで表情が緩んだ。早速自分も火傷しないように軽く冷ましてからマグカップに口を付ける。チョコとミルクの優しい甘さとほっとするような温かさが広がって想像以上に今の状況にピッタリのドリンクになれば幼く笑ってさらに1口分飲みながら「クリスマスにピッタリだ」と呟いて)
クリスマスマーケットで見つけてたのか。…あぁ、今日だけ特別ないい甘さ具合だ
(クリスマスという単語が出てきてホットチョコレートを選んだ理由に合点がいくと口元に弧を描く、きっと最初にマーケットを見て回った時に見つけていたのだろう。クリスマスの夜を過ごすのには最高のお供だ。相手のホットチョコレートを飲めば温かさと甘さが相まって風呂でほぐれた体はさらに緩まっていく。リラックスするようにゆっくりと呼吸するが様々な温かさに包まれていれば唯一足りない相手の温もりも欲しくなってしまう。相手が一口飲んでいる間に二人の間を詰めるように体を寄せてまた一口ホットチョコレートを飲む、相手が用意してくれたものというそれだけで嬉しい温かさに浸って身も心も解されていく。普段はハードボイルドな探偵であり半熟という言葉と甘いという言葉は厳禁だがすっかりホットチョコレートによって溶かされた脳内では素直にいつもは口にしない単語を言葉にしていて相手の方に体を傾けながら軽く擦り寄った。そうすればより相手の体温を感じることが出来て「このままじゃ溶けちまいそうだ」と冗談めかしていって)
…ふふ、今日は最高のデートに連れて行ってくれたからそのお礼も兼ねてだ。…溶けてしまっても構わないよ?ここには君と二人きりだからね。
(ふとした思い付きから作ったホットチョコレートだったが予想以上のリラックス効果に身も心もほぐれていく。更に1口マグカップを傾けていると相手が更に身体を寄せてきて口元に笑みが浮かぶ。ハードボイルドを第一に考える相手に表面上は断る態度を取られる可能性も考えてはいたがすっかりその建前も溶けているようで甘さを肯定しながら擦り寄られると何とも可愛らしい仕草に気は緩んで自然と手が伸びてその頭を軽く撫でる。体が傾いてくっつくようになればお互いの体温を共有するようになって心地好い温かさを感じるようになる。今日一日色々な下見や準備から計画立てなども含め最高のデートプランを考えてくれたお礼と労いだと告げていると冗談めいた言葉が聞こえてきて笑いを零す。ゆるゆると相手の頭を撫で続けながら口角を上げ、その言葉を肯定してしまうと相手の顔を覗き込んでそのまま軽く口付ける。お互いに飲んだ後だからかその唇からチョコの風味を感じると「今日の中で一番甘いキスだ」と無邪気に微笑んで)
…へへ、……フィリップが喜んでくれたんなら俺も嬉しい。…お前の前なら溶けちまっていいか
(体の内も外もホットチョコレートの温かさと甘さに包まれてすっかり体のネジは緩まっていき相手にくっつき体を傾ける、すると手が伸びてきて頭を撫でられた。暖かで柔らかな手つきにさらに体の力は抜けていって幼い笑みを漏らす、軽く相手に体重を預けていると今日のデートのお礼なのだと言われて口元が緩んだ。相手に喜んでもらえるようにと考えた計画を最高だと言われてしまえば幸せこの上ない。緩んだ口で心のままを伝えていると相手がこちらを覗き込んで目が合う、頭を撫でられ甘やかされるスイッチが入ってしまい冗談めかしていった言葉さえ肯定されてしまえばもっと相手に甘えたくなってしまった。そのまま顔が寄れば自然と目を閉じて口付けを交わす。二人きりの空間で交わす口付けはホットチョコレートのおかげでいつもより温かくて甘い、口付けの余韻に浸りながら自らももっと甘えたいのだと言外に添えて緩みきった笑みを見せた。無邪気に笑う顔を見ていればもっと甘いキスをしたくなってしまってホットチョコレートを一口飲んで唇に甘さを纏わせてから直ぐに顔を寄せて再び唇を重ねる。先程今日一番甘いキスだといった言葉を塗り替えるように軽く下唇を食むようにして唇に残ったホットチョコレートを塗り込むようにしてからそっと口を僅かに離して「これで今日一番が塗り替えられたな」と楽しげに告げて)
…ん、…確かに一番甘いね
(今日一日スマートにエスコートしてもらったお礼も含め頭を撫でてみれば幼い笑い声が聞こえてきた。ここからは自分が甘やかす番だと声を掛け、覗き込んだ顔に口づけを送ると外でした物よりも甘くて温かい。ほっとするようなキスの味に微笑みを浮かべると相手からも更に甘えることを望む言葉と共に緩み切った笑みが向けられて愛おしさが募る。その目を見つめながらまた頭を撫でるのを再開していると相手はホットチョコレートを更に口にする。薄らと唇に膜が張った状態で顔が寄せられてまた口づけを交わすと確かなチョコの風味を感じた。それだけでなく、下唇を食むような動きでお互いの唇が擦り合わされると先ほどよりもはっきりとその特別な甘味と温もりを感じることになって小さく息を零す。やがて少しだけ顔が離れるとこれが今日一番だと子供のように得意げに言う物だから更に相手の想いは溢れてその味を確かめるようにもう一度唇を重ね舌先で舐め取るように表面を擽ってみる。深追いはせずにすぐに唇を離すと素知らぬ顔で肯定の返事をして)
…っ、……
(今しがたされた一番甘いキスをさらに上回ろうと下唇にホットチョコレートを塗りこめば相手の口端から吐息が漏れる、それが頬を掠めると緩やかな温かさとは違うものが熱を持った気がした。目論見通りより甘いキスを終えて得意げな顔をしていれば再び唇が重なる、そして僅かに残る甘ささえ拭われるように舌先が唇を擽ると体が小さく跳ねた。唇とは違う生暖かい感触に自然と口が開く、しかし舌はそれ以上深入りせずに離れていってしまった。こちらに素知らぬ顔が向くと消化不良の物足りなさに思わず寂しげな顔をしてしまう、しかし直後自分がこの先を望んでいるのだと自覚してしまうと顔に熱が上がってきて目が泳いだ。だがすっかり緩んだこの心身では一度願ったものを我慢できる状態になくて再びホットチョコレートを一口飲む、口内は再び温かい甘さに満たされて体を相手の方に向けるとジッとその瞳を見つめる。そして「口の中の方が、もっと甘ぇから…中まで、入って欲しい」と一瞬目を泳がせながらも深い口付けを望んで)
…翔太郎? それは確かに味わってみなければ、…、……
(もう一度こちらからキスをしてその表面を舌先で擽ってみるとその身体は小さく跳ねた。何事もなかったかのように離れてみると先ほどまで無邪気に喜んでいた顔は何処か物足りなさそうな寂しげな表情が浮かんで、その次に赤く染まっていけば分かりやすい反応の変化に思わず口角が上がりそうになる。わざとそれに気づかない振りをして探るように相手の名前を呼べば相手は再びホットチョコレートを口にする。そして自分の方を向いたかと思えば先ほどとは少し様子の違う瞳がこちらを覗く。そして恥ずかしそうに目が一瞬泳ぎながらも更に深い口づけを望まれると無意識に口元は緩み、それらしい事を言いながら後頭部に手を添えるとそのまま唇を重ねる。さきほどと同じように唇に舌を這わして少し焦らすように表面の味を確かめてから薄く開いた隙間に舌を差し入れる。温かく甘い味を求めるように舌を動かして頬の内側や上顎、相手の舌の表面を愛でている内に小さな水音が弾けるようになって)
…っ、……ん………は、…
(口の中を甘いホットチョコレートでいっぱいに満たして先程よりも甘いからと理由を作り深いキスを望むと相手の口角が上がって撫でていた手が後頭部へと添えられる、自らより深みへ進む選択をしたことに多少羞恥を覚えていると相手がこちらへと寄っていよいよだと妙に緊張してしまえば体が強ばった。しかし口を薄く開けていたにも関わらず相手はまた唇の表面をなぞるだけで望むものとは違う感触に焦らされているとも分からず眉を下げる、また離れていってしまうのではないかと気持ちが逸れば咄嗟に腕を伸ばして相手の寝間着を掴んだ。しかし直後に薄く開けた隙間に舌が入り込んでくるとようやく望んだものが与えられて幸福と舌の温かさでクラりと脳内がまた溶けていき腕を伸ばして相手の腰に緩く抱きつく。口の中に残るホットチョコレートを全て食すように舌が動かされて口内を這う、こちらも甘さを相手に分け与えるように舌の側面や裏側を舌先で擽って絡ませて、そうしているうちにホットチョコレートに変わってどちらのものとも分からない唾液が口内を満たし始める。ホットチョコレートとは違う相手の味とも言える甘さが口内へと広がっていく、自分の中が相手に満たされていくような感覚に思わず口元に弧を描くと唾液をさらに求めるように相手の舌と自分の舌とを擦り合わせていれば二人の間で弾ける水音は次第に大きく明確なものになっていって)
……ン、……ぁ、は…
(後頭部に手を添えて唇の表面だけを舐めていれば急かすように寝間着を掴まれる。その様子と薄く開かれた唇に誘われるまま舌を差し入れると緩く抱きつかれたのが分かった。相手の口内に広がるチョコの味を求めるように舌を動かしていれば相手からも舌が伸ばされて表面を擽ったり絡み付いたりする。その相手をしたり時には逃げるように他の箇所に舌を這わせて口内を好きに愛でていく。だんだんと口内に残るホットチョコレートは無くなっていくはずなのに代わりに口内と舌は唾液で濡れて、そこが甘く感じるようになる。いつの間にか添えていた後頭部の手は位置を固定するように相手を押さえて触れる相手の舌に軽く吸い付く。穏やかな空気に包まれていた部屋には淫らな水音が響くようになり、さらに舌を差し込んでわざと大げさに相手の口内で動かせば一際大きな音が弾けた。軽く舌を絡めてから僅かに唇を離すと銀の糸が二人を繋いでいて、息を少々乱しながらも色付いた目で相手を見つめて「翔太郎の方が甘い気がする」と呟いて)
……ぁ…ン、……、ァ……なら、…もっと、欲しくねぇか?…俺も、フィリップの甘いのが欲しい
(口内へ招き入れた舌は好き勝手に動いてチョコの甘さを共有しようと絡ませるのに時折相手の舌はこちらから逃げていってこのまま離れてしまうのではないかと口端から寂しげな吐息を漏らす、逃げられれば余計に繋ぎ止めたくなってしまうものでより深く相手がこちらへ侵入できるように口を開けながら必死に舌を追いかけていた。いつの間にか頭は固定されて口内のものが奪い去られると淫らな音が鼓膜を揺らして脳内まで響き渡りクラクラと思考が揺れた。唇が離れると切なげな声を漏らして相手を見つめる、穏やかなホットチョコレートの温かさと相手の体温に包まれていたはずがいつの間にか劣情が混じる熱が腹の底に蠢き始めている。焦らされ逃げられたせいか相手を求める気持ちが駆り立てられてしまってこれで終わりだと言われれば到底我慢することなど出来なくなってしまった。二人の間で繋がる銀の糸を舌をわざと大きく出して見せつけるようにして舐めとる、熱で蕩けかけた瞳を向けながら相手を誘うような言葉をかけた。しかし溢れる気持ちはそれだけではなくて結局自分の望みまで口にして縋るように相手に回す腕に力を込めると「移動しねぇか?」と相手を見つめながら誘い)
…っ!…欲しい、…ああ。
(穏やかな温かさと甘さを共有していたはずなのにそれ以上の物が欲しくなってしまって一旦顔を離すと色を宿した瞳で相手を見つめる。すると二人の間にあった銀の糸を見せ付けるように舐め取り、蕩けかけた瞳で誘いの言葉をかけられると自らの瞳を大きく揺らす。さらに深みへと落ちる誘いに鼓動が跳ねていれば相手からも同じ物を望まれると腹の底がぞくりと震えて小さく息を吐くと欲の乗った声でありのままの願望を口にした。だがさらに相手を求めるにはこの場所では少し難しい。腰に回された腕に力が入るのを感じながら移動を持ちかけられると短く返事をしてこちらも相手の腰に手を添えて一緒に立ち上がる。本当は抱き上げたい所だが無理をしてバテては元も子もない。短く相手の頬にキスを落とすとくっついた状態をキープしながらベッドまで移動する。ベッドの傍までやってくれば相手を先に座らせ、その相手の太ももの横に膝を置くような形で上からのポジションを確保すると相手の頬に手を添える。その手を顎まで滑らせ、持ち上げるような形でこちらを向かせると「翔太郎」と名前を呼びキスまでの動作を見せ付けるような緩慢な仕草で顔を近付け再び唇を重ねて)
ッ、……ン、…っ、ぁ……フィリップ、
(こちらの誘いに相手は瞳に熱を揺らしていてそれだけでも胸の奥底を擽られたが、こちらの願望を漏らせば相手からは欲が滲んで隠しきれない一言が返ってきて胸が強く鼓動を打つ。こちらが相手を求めるのと同じく相手もこちらを求めていることに喜びと興奮とが一気に胸の内へと押し寄せた。互いに腰に手を回して離れないようになると相手から頬へと口付けが落ちる、今日何度も交わしたなんてことの無いもののはずなのに熱が燻るこの体ではこれだけで小さく上擦った声を溢れさせてしまった。そのまま移動すればこちらが先に座って相手が膝の上に跨るようになれば下手に体を動かせなくなってしまう、視界さえ相手しか映らなくなってしまった。そんな状態で頬に手を添えられてゆっくりと手が下り顎へと添えられると顔を上へと向けられる。流れるような動きは恐ろしく妖艶で今から熱へ堕ちていくのだと自覚させられるような動きに鼓動が早鐘を打つ、名前を呼ばれて再びあの甘い口付けが降りてくると胸は高鳴ったが相手の動きは相変わらず緩慢だ。見せつけられるような動作はやはり煽情的で同時に羞恥を煽られると思わず生唾を飲む、一方で早く相手が欲しくて逸る気持ちは押さえられずに自ら首を伸ばせば喉が震えさせながら熱い吐息を漏らして相手の名前を呼んだ。漸く唇が重なり望んだ感触を手に入れると自ら口を開き相手の舌を誘うように唇の間に舌先を差し入れて、その隙間に何度も舌を這わせて唾液を塗り込んでいき)
……ン、……は、ぁ……
(もっとくっつける場所に移動してきて顎に手を添え、顔をこちらに向けさせる。今から口付けをするのだと意識させるように名前を呼びゆっくりと顔を近付けると相手は既に熱い吐息を零して物欲しそうに名前を呼んでまたぐらりと脳が揺れた。漸く唇を重ねると今度は初めから招かれたように開かれた唇の間に舌を差し入れて相手の舌先と擦り合わせる。先程の余韻もあってか直ぐにそこは濡れて再び水音を発し始めた。さらにその面積を増やそうと更に深く舌を侵入させ相手のモノと絡めたり普段触れない歯列などをなぞって愛撫とマーキングを行う。その間顎に添えていた手を後頭部に戻し、軽くそこを撫でてから更に相手の興奮を煽るように首元から背筋、腰にかけてゆっくりと手を這わせていく。やがて寝間着の中に手を忍び込ませると直接腰の辺りの素肌を撫でながら深いキスを続けて)
……ハ、んっ……ッ、ぁ…んンッ!
(唇を重ねて相手の舌を誘うと今度は直ぐに口内へ相手の舌が入ってきてそれだけで胸が満たされる、背中に腕を回して相手の舌に自分のものを絡めれば直ぐさま水音が響き始めた。顎に添えられていた手が後頭部に回り相手の体温に包まれながら頭を撫でられるとその熱だけで脳内は溶けていくようで自分が普段触ることもない場所まで舌が這いマーキングされる水音が頭の中によく響いて、伝染するように体内の熱が上がれば漏れ出す吐息も色が乗っていく。後頭部に添えていた手がゆっくりと下っていけば頭を上げて背筋を張っているせいか体の芯まで撫でられる感覚にさらに呼吸は乱されて上擦った声を溢れさせた。下っていった掌はやがて服の下へと侵入して素肌を愛撫する、その体温は想像以上に熱を持っていてゾクリと体が震えると直後腰を撫でられれば体が跳ねた。直接欲を刺激されるような手付きに喘ごうとするも深い口付けによって上手く息をすることもできず縋るように相手の寝間着を両手で握りしめながら何度も腰を浮かせていて)
……は、…甘い? ここもすっかり熱いね、
(自分だけが許される特別な口内を軽く舌でなぞって相手のモノと絡ませながらゆっくりと相手の背筋を撫でると口端から上擦った声が聞こえはじめる。それに機嫌を良くしながら腰の辺りまで下ろして更に服の中まで忍ばせて素肌を撫でるとぴくりと体が跳ねたのが分かった。それによって発せられる喘ぎ声すら飲み込むように相手に食らいついて大袈裟に舌を動かすとまた水音が弾けた。縋るように握られる寝間着に口角が上がりながら素肌を撫で続け深いキスを続けた。やがてゆっくりと唇を離すがその口は閉じさせずに舌を伸ばすとそこに纏ったどちらともない唾液を重力のまま相手の中に注ごうとする。銀の糸が途切れて下にいる相手に滴り落ちると先程の誘い文句からその感想を求めた。その反応を見ながら下で浮かせている腰の動きを押さえ込むように相手の太腿の上に乗ると今度は赤くなった耳が目に付いた。外では寒くて薄ら赤くなっていたが今は違う理由で色付いていて顔を寄せると縁を舌でなぞってみる。耳朶を甘噛みしたりしながら愛でつつ囁き声で熱を持っていることを指摘すると悪戯にふーっと息を吹き掛けてみて)
……ッ、ン……ハ、…あまい……ンんッ…あッ、っ…フィ、り…ひァッ!
(熱が蠢く場所を直接掻き乱されるように相手の掌が腰を撫でて喘ごうとするのに舌を絡めたキスでそれも構わない、上手く呼吸出来ない状態で何度も腰を浮かせていれば漸く口が離れた。息ができるチャンスだというのに相手とのキスが途切れた事の方が寂しくて切なげに眉を下げる、しかしそれでは終わらなくて舌が伸ばされたまま銀の糸が口内へ注がれると惚けた顔で口を開けたままその全てを受け止めた。やがて糸が途切れて喉を鳴らして口の中に溜まったものを飲み込む、二人の熱が混じりあったそれはどうにも甘くて締まりのない笑みを浮かべながら返事をしていた。そのまま相手はこちらの膝の上に腰を下ろす、互いの欲の中心がより近づいて腰の熱さだけで上擦った声と共に体を震えさせるが相手が膝に乗った状態では完全に動けなくなって快楽を上手く逃がすことが出来なくなる。相手の目は次にこちらの耳へと向けられる、体中が熱いこの状態では耳も真っ赤に染まっていることだろう。そのまま相手の顔が寄って耳朶に舌が生えば甘い刺激が走って悩ましげな声で啼く、だが体を跳ねさせることも捩ることも出来なくてただ相手に強く抱きつき縋るしかなかった。相手が耳を愛でる刺激も音も脳に近いこの場所ではより深くまで響いて蕩けた声で相手の名前を呼ぼうとする、その前に生暖かい息が耳穴に向かって吹きかけられるといじらしい刺激に また甘い声を上げた。熱を十分に擽るのに強くはない刺激にまた体は相手が欲しいと駆り立てられどうしようもなくなってしまえば相手に強く抱きついて「フィリップ…もっと、強くて甘いののが欲しい…」と堪らず懇願して)
…もっと強くて甘いのって、こういうのかい?
(人の唾液など到底甘いはずがないのに舌から注いだ銀の糸を受け止め、喉を鳴らして飲み込んだ相手が締まりのない笑みを浮かべて答える姿を見れば精神まで侵食したような感覚にゾクゾクとした興奮を覚えた。相手の上に乗って動きを封じながら真っ赤になった耳を舐めたり甘噛みしたりと刺激を加えると悩ましげな声が聞こえてきた。濡れた舌でそこを愛でていれば自然と水っぽい音も響くようになって自分の下で相手が反応したのがわかる。ますます相手への好意と嗜虐心が煽られるのを自覚しながらその場所に息を吹き掛けるとまた甘い声があがる。そうして耳に甘く愛でるような、或いはじわじわと弱火で煮詰めるような柔い刺激を与え続けていると縋るように強く抱き着かれてもっと強い行為を求められ腹の底の熱がまた一段と昂るのを感じた。無意識に熱い吐息を零すとまた耳朶に甘噛みしてそこから首筋、鎖骨へとキスを落として行く。肩の部分に到達すれば襟部分を軽く引っ張って露出させ、何度か口付けを落として位置を確かめると歯を立てて最初から遠慮なしにそこに噛み付いて)
ッ、…あ、ンッ…ふぃッ、りっぷ、…は、ぁッ……い゛ッ、ああ゛ッ!
(焦らされて欲が満たされて、そんなことを柔く繰り返されるうちにただただ相手を求める想いと劣情が強くなっていく。耳を愛撫されるのだって甘い刺激のはずなのに直ぐにそれでは物足りなくなってしまってより強いものを求めた。すると相手は熱い吐息を吐き出してそれがまた耳にかかれば体が跳ねそうになるのにそれさえ許されない、耳が甘噛みされて小さく鋭く刺激が走り上擦った声が漏れるがやはり足りなかった。そこからはまたゆっくりと相手の位置が下ってその間にキスが落ちるもやはり淡い刺激にしか与えられず熱く荒い息を吐きながらまた焦らされて時折体をピクりと反応させながら縋る声で相手の名前を呼んだ。相手はいよいよ肩へとたどり着いて素肌が晒される、問いかけに蕩けた目のまま急かすように頷くがそこに降るのはやはり口付けだけだ。今や刺激にすらならない柔らかい感触にもどかしく切なげな声を漏らした直後、相手の歯が一気に肌を食い破った。柔い刺激に慣らされていた体に強すぎる快楽が襲いきて背筋をそらしながら嬌声を上げる、特別甘くて強い刺激は簡単に脳の許容量を超えてしまって視界が激しく明滅した。体は跳ねようとするのに動かすことすら出来なくて自らを支えられなくなった体は相手に凭れ縋り付きながら震えるしかなくて)
…ン、…っ、綺麗に着いたみたいだ、
(煽られるようなお願いを受け段々と下るようにキスをしていれば小さく反応しながらも急かすように名前を呼ばれる。露出させた素肌にまた口付けを落とすと切なげな声が聞こえてくるが前触れもなく強く歯を突き立てると背筋は反り今日一番の嬌声があがる。自分の下で体が跳ねようとするがそれも許さずに強弱をつけて今噛んだばかりの箇所に歯を食い込ませる。こちらに凭れかかって震える姿にますます興奮を煽られると相手の肩に噛み付いたまま身体を支え、ベッドに押し倒して覆い被さる形で相手の動きを閉じ込めてしまう。一旦顔を離すと噛み付いたところには綺麗に赤い痕が刻み込まれていて、劣情と熱を宿した目を細めながら満足げに呟く。だが眼下に広がる蕩けた相手の姿を見ればもっと溶けさせてしまいたくて付けた跡を舌でなぞりながら手をまた寝間着の中に侵入させる。欲の中心に近い下腹部から腹筋の辺りを指先で擽るように撫でながら「次、ここに痕付けたいから見えるように服捲って欲しい」と自ら噛まれる場所を明け渡すように甘えたような声でお願いしてはまた肩の痕に軽く噛み付いて)
あ、ンッ、…い゛ッ…はッ……ぁ…ひ、んンッ、…そこッ……え、
(一気に強度を上げられ思考回路が焼ききれてしまうと相手から与えられる刺激しか認識することが出来なくなる、体に力が入らないまま所有痕に何度も強弱を付けて噛みつかれると開けっ放しの口から上擦った声を漏らし続け相手にしがみつき震える事しか出来なかった。体を支えられるとそのままベッドへと押し倒されて相手に組み敷かれる、その間に口が離れていかず噛み付かれたままだったのが嬉しくて痛みのはずのものはますます相手から与えられる快楽として変換されてしまい相手から与えられるものならばもっともっと欲しくなってしまう。相手の口が離れていけばまた切なげな声を漏らして相手を見つめる、荒く熱い息を吐いて必死に酸素を取り込みながら恍惚とした表情で相手を見上げる瞳には生理的な涙で薄らと膜を張っている。見下ろす相手の瞳には劣情が揺れていて腹の底がゾクリと掻き乱されると同時に相手がこちらに夢中になっている事実が幸せで仕方がなかった。やがて相手の手は再び寝間着の中に侵入し先程刻まれた所有痕に舌が這えば簡単に甘ったるい喘ぎ声をあげる、しかし組み敷かれた状態では体を震えさせるのさえ出来なくて相手の背中に回した手でそこを強く掴むしかなかった。欲の中心に近い場所を撫でられ劣情がさらに煽られると脳内がクラクラ揺れる、直後相手からのお願いを聞けば目を大きく目を開いて瞳を揺らした。所有痕を刻まれるために自ら素肌を明け渡す行為が既に恥ずかしいのにその場所が欲の中心の近くとなれば先程以上の刺激になるのは間違いない、それを自ら望むなんて。既に顔は赤くなっていたが輪をかけて顔を赤くし目を泳がせる、しかしその間も相手の甘い声が脳内に響いて先程の痕にまた刺激を加えられれば音を立てて僅かに残っていた理性の糸がちぎれた。自ら上着とズボンに手をかけると上着は布部分を掴んで捲りあげズボンは親指でゴム部分に指を掛けて下にずらし下腹部から腹筋までの素肌を相手に向けて晒す。震える息を吐き出せば「…ここに……フィリップのものだって、痕つけてほしい…」と自ら所有痕を刻まれることを望んで)
……ッ、ああ。…ここも全部僕のモノだ。翔太郎、…っ、
(ベッドに組み敷いて閉じ込めた相手は既に恍惚とした表情をしていて自分だけが見ることの出来る表情に理性が乱されていく。もっと相手を溶かして乱したくて腹部の素肌を撫でながら自ら所有痕を刻む場所を晒すお願いをすれば大きく目が見開かれて躊躇の反応を見せた。今まで以上に顔を赤くして目を泳がせているのを見ればその戸惑いすら溶かしてしまいたくて今からつける刺激を予感させるように痕に刺激を送った。すると相手が動く気配がして一旦全ての動きを止めてその様子を見つめる。自ら寝間着に手をかけ、普段は人に見せることの無い部位を露出していく姿は何とも官能的で無意識に生唾を飲み込む。素肌が晒され自ら痕を残すことを望まれると支配欲や独占欲など薄暗い欲も含め腹奥の熱が掻き回されて脳内がクラクラと揺れた。溢れる思いのままに軽く口付けてから熱に揺れる瞳で短く返事をすると身体の位置を相手の下へと移動する。露出された腹部に顔を寄せると今までと同じく数度にかけてその素肌にキスを落とす、独占欲の滲んだ言葉を呟くと甘く相手の名前を呼んでこちらに意識を向けさせる。自らも相手をちらりと見上げ、目を合わせた状態で見せ付けるように腹筋の辺りに噛み付いた。より明確に痕を残すように歯を突き立てると続けざまに少し下へ移動した下腹部の辺りに更に強く噛み付いて)
…んっ、…、……ぁ、ンッ…ふぃ、りッ…ああ゛ぁッ!…っ、ひ、ぁ゛ッ、!
(自ら寝間着に手をかけて痛みを伴う強い快楽と共に所有痕を刻まれるのを望んで素肌を晒せば相手が生唾を飲んだのがみえる、相手が興奮するほど煽情的なことをしているのだという羞恥がよぎるがそれ以上にこちらの姿をみて相手が欲情している事がどうしようもなくこの胸を幸福で満たしてしまう。蕩けた思考のまま言葉でも所有痕を望めば短く口付けがされて熱を宿す目で射抜かれればまた腹の底の熱がぐちゃりとかき混ぜられた気がして熱い息を吐き出す。腹部に顔が寄せられ思わず身を固めるが降ってくるのはまた短い口付けで望むものより遥かに弱い刺激に細かく悩ましげな喘ぎ声を漏らす。独占欲を隠さない言葉が鼓膜を震わせじわりと脳内に響けば体が痺れるようで名前を呼ばれれば頭をもたげて名前を呼ぼうとした。しかしその前に見せつけられるように相手の歯が素肌を食い破る、腹部から全身に駆け抜ける快楽に加えて視覚からも刺激を与えられてしまえばガクガクと体を震えさせながら甘い声で啼いた。間髪入れずにより欲に近い下腹部に相手が移動すると刹那の間に息を飲む、直ぐさま甘くより強い刺激が与えられればビクンと体を跳ねさせながら背をそらして甘く強い刺激を享受して一際高く甘い声で啼いた。相手が噛み付く刺激はもはや欲の中心に与えられているようで達するような感覚に震えながら瞳からは涙が溢れ出す。脳内は甘い刺激と相手への想いと高まり過ぎた熱とでぐちゃぐちゃで「ふぃ…ッ…あ゛ッ…りっぷッ…ひ、あッ!…ふぃりッ…んッ…ぷ…あ゛ンッ」と喘ぎながら相手の名前を呼ぶことしか出来なくなっていて)
…ん、しょうたろ……、このままここも僕のモノにして良いかい?
(望まれるままに、そして自らに滾る欲のままに腹部に顔を寄せて名前を呼んでからそこに噛み付く。甘い声で鳴いて強い刺激に震える身体を押さえ込んで更に位置を下に移動してみると相手の体が強ばったのが分かった。無意識に口角を釣り上げながらより欲の中心に近い所に歯を立てて痕を残すように食い込ませると一段と高く甘い声が響いて相手をここまで乱してしまっている事にゾクゾクとした興奮を覚える。ちらりと見上げた相手の瞳は涙に濡れ、理性や思考が伺えないほど蕩けてしまっている。そんな相手が甘い声でただひたすら喘ぎながら自分の名前を呼んでいれば仄暗い欲望を満たして一気に理性が擦り切れていく。もっと相手を蕩けさせたい、乱したい、自分の熱でいっぱいにしたいと思考が熱暴走を始めるとその跡を舌で這わせこの刺激を相手の体と脳に刻み込む。もっと深く相手を愛して、乱したくて欲で滲んだ低い声で相手を呼ぶと今から自分で満たすその場所に軽く頬擦りして見せる。擦り寄る頬が下腹部を、髪が腹部の痕に触れて刺激を与えてから熱と劣情を隠さない顔で相手を見上げると更に深く自分のモノにして良いか許可を求めるように問いかけ)
あッ、あ゛ッ…ァッ…ふぃり、…ッ!ンッ、ああッ…いい…ぜんぶ、おまえのものが、…いい、
(脳内は完全に溶かされてしまって今認識出来るのは相手と相手から与えられる快楽だけで喘ぎながら名前を呼ぶことしかできない、下腹部に刻まれた痕に舌が這えば違う場所にも舌が這っているようで甘い刺激が深く深く心身に刻まれていく。意識さえ朦朧となっていると欲に塗れた声で名前が呼ばれてそれさえ体の芯を擽れば熱い吐息を漏らした後に相手の方へ力無く顔を向ける。涙でぐしゃぐしゃになり蕩けた目で恍惚とした表情のままうわ言のように名前を呼ぼうとすると相手が頬擦りしている姿が視界に入ってあまりに妖艶な姿に瞳が揺れる。そもそも下腹部と腹部が刺激され喘ぎ声が溢れ出すのにこちらに欲情し色欲に塗れたまま上目遣いで見られれば別のものを想起してしまう。下腹部に所有痕が刻まれ腰が揺れたがそれだって擬似的なものだ、相手のモノで自分の中がいっぱいになった時の感覚を思い起こせば所有痕さえも柔く焦らされる刺激に思えてしまう。もっと相手からのモノが欲しい、誰も踏み入る事が許されない深い深い所まで相手に染められ支配され塗りつぶされ、相手のモノなのだと刻み込まれたい。焦点の合わなかった瞳はみるみる物欲しそうなものへと変わって自らたくしあげる寝間着を強く握り熱く荒い息を吐く、相手しか見えていない欲情しきった瞳のまま拙く返事をすると切なげな声で「はやく、…」と急かすように言って)
っ、心配しなくとも直ぐにあげるよ。 翔太郎、…愛してる
(特別な場所を愛でていると相手は熱い吐息を漏らして甘い声が絶えず零れる。欲望を隠さない声で名前を呼んでその場所に軽く頬擦りして見せればこちらを見る相手の瞳が熱に揺れる。別の事を連想させるように痕をなぞりリップ音混じりにキスを落としてからここを自分のモノにしていいかと尋ねると蕩けて朦朧とした意識が焦点を結び、物欲しそうな顔がこちらを向く。自ら服をたくしあげて欲情しきった顔で自分のモノになることを望まれるとぐらりと脳内は揺れて最後の理性すら焼き切れる。切なげな声で急かされるとますます腹奥の欲が煽られ余裕無い声色で言葉を返す。痕を指先でなぞり、最後の一枚の布地に手をかけると最上級の愛の言葉を送りながら熱の芯を咥えこんで更に深く相手を落とそうとして)
(/いつもお世話になっております。そろそろ暗転かと思いお声がけさせて頂きました。シリアス後のクリスマスデートですが終始甘く充実した二人きりの時間を過ごすことができてとても楽しかったです。検索のことを考えたデートプランで無邪気にはしゃいだり、沢山の初めてを経験して思い出に残る大切な一日となりました。もう現実世界は歳を開けてしまいましたが去年のクリスマスからまた沢山色々なことをした実感が湧くようなやり取りも多くてとても癒される時間でした、家に帰ってからの甘い時間もシリアスがあった分とても幸せを感じる瞬間でした、今回もありがとうございました!
じっくり二人の時間を過ごすことも出来ましたので次は依頼絡みの話でも以前お話した他作品とのコラボ的な話、シリアスでも良いかなと思っているのですが探偵様はいかがでしょうか。)
(/こちらこそいつもお世話になっております。区切りが良さそうなので一旦こちらだけで失礼します。暗転ありがとうございました!一度途切れかけてしまった関係をしっかり結び直してさらに強く深められたとても充実したお話ができました。探偵がエスコートして行く先々で無邪気にはしゃいで笑う検索くんが本当に可愛らしく、再びのプレゼント交換も前回よりももっと踏み込んだものを渡しあえて二人の絆が時間と共に深まったのを感じることが出来たお話でした。家に帰ってきてからの二人きりの甘い時間も存分に甘やかしていただいて、二人きりでしか見せられない姿をお互いたっぷりと見ることができて幸せな時間でした。こちらこそありがとうございました!
次のお話ですが重いシリアス、たっぷり甘いお話と続きましたので弾けた話が良いかなと思っておりまして、ぜひ他作品とのコラボなお話で狐のグランプリに参加させられるお話はいかがでしょうか?ダ,ブ,ル,ド,ラ,イ.バ.ーがなんらかの形で盗まれてミッションクリアの報酬になってしまう、とかでいつもの変身ができない状態になってしまい、強制的に二人も参加する形になるなんて展開いかがでしょうか?)
(/では狐のグランプリの話にいたしましょう!未来人が風.都かダ,ブ,ル,ド,ラ,イ.バ.ーに目をつけたみたいな感じで報酬にしちゃいましょう。狐本編のキャラについては登場させるか舞台とナビゲーターだけお借りするのか悩むのですがいかがでしょうか?二人参加でそれぞれのIDコアで変身する事が出来ると思うので共闘でもゲームの内容やデ.ザ.イ.ア.カ.ー,ドの願いの件で個人戦という形でも楽しめそうです。サポーター関連だったり取り入れてみたい要素は色々あるのですが探偵様もその他こんな事がやりたいなどありましたらお聞かせください!)
(/ダ.ブ.ル.ド.ラ,イ.バ.ーが未来人に目をつけられちゃう流れいいですね!ドライバーきっかけにそれぞれ別のサポーターがついてしまう流れにもできそうです。こちらも本編キャラ悩みどころなんですがあまり上手く動かせる自信がなく、描写で共闘したり軽く言葉をする程度でガッツリ絡ませない、みたいな塩梅はいかがでしょう?狐くんに関しては重要なところで出てきても良いかなと思ってます。といいつつ個人戦途中に本編キャラとペアを組まされる、みたいなのも面白そうかなと…。全体的な流れとしては最初個人戦から始まってそれで当然共闘したところ運営の策略でチーム対抗戦で別々のチームに、サポーターも加わりさらに強制的に溝を深められていく、みたいな感じにできれば楽しそうかなと思っています。あとは本編でもあったジ.ャ.マ.ー,ボ.ー.ルをやるのも面白そうかなと!ひとまずやりたいこと羅列してみましたが全部やっていたらキリがないので精査しながらやっていければいいかなと思いますが、検索様のやりたいこともぜひお聞かせください!)
…これで、全部かな。あとは…っ! 翔太郎、今の
(深く熱に溶けるようなクリスマスの夜を過ごした翌朝、アイススケートや諸々で使った箇所の筋肉痛がやってきて違う意味で声を上げたりしながらも何とか寝坊せずに起きる事が出来た。相手から貰った新しい時計をして出勤をすれば事務所で所長に気付かれニヤニヤされてしまったがちらりと視線を向ける度に輝く自分の色の文字盤を見ると無意識に口元が緩んだ。そうして平和で少々慌ただしい時間を過ごし、また相手と共に新年を迎えてから数日後。事務所で使う事務用品や休憩時のお菓子の買い出しを頼まれ二人で街に出ていた。渡されたメモを見て全て揃ったことを確認していると遠くの方で人の悲鳴の様なものが聞こえ直ぐに相手と目を合わせる。新年早々ド.ー.パ.ン.トが暴れているのかと当たりをつけると「行こう!」と声をかけ、そちらの方に走り出して)
(/本編キャラ並びにほか参加者は基本的にはそういう進行に致しましょう!ならば第一回戦は個人戦で共闘、その途中もしくは第二回戦で狐錬金映画か神経衰弱ゲームのような形で本編キャラとペア組みで一旦別行動、そこで本当のことのネタ明かしやサポーターの介入があってゲーム上で対立、という流れはいかがでしょうか。そこでどちらかがデ,ザ.ス.ターとなって次のゲームのジ.ャ.マ.ー,ボ.ー.ルに参加、妨害活動することでますます溝が深まっていく、みたいな感じだとやりたい事全部盛り出来るのではないでしょうか!こちらとしてもサポーターとの絡みや何処かで二人で狐君を出し抜くような展開が盛り込めたら面白そうだと思っています。
ひとまず風.都.の中にジ,ャ.マ.ーエ.リ,アが発生したみたいなイメージで初回回させてもらいました。かけつけた時にはジ,ャ.マ.トがいて、戦闘してドライバーを落としてしまうか運営の能力的な感じで没収されてピンチな所にナビゲーターちゃんがやってきて…みたいな導入を考えていますがいつも通り好きな感じに改変しながら乗って貰えたらと思います…!)
なんだあいつら……ド.ー.パ.ン.ト、なのか?
(脳の髄まで溶かされ相手のことしか考えられずに深い熱に堕ちたクリスマスの翌日、相手が自分からのプレゼントである腕時計を眺めているのを度々目撃して密かに笑みを浮かべていたが不意に所長から『新しい名刺どう?』と話を振られてなんの気なしに名刺入れを出したのが運の尽きだった。新調されたそれをみて所長は『へー、フィリップくんからのプレゼントは名刺入れだったんだ。ふーん』とまんまとバレてしまい、その後依頼人に名刺を渡す時に隣でニヤニヤする所長がいる時期が続いた。それに怒鳴りつつ年を越してから数日、その所長様に命じられた買い出しを行っていると誰かの悲鳴が聞こえて咄嗟に相手を見る。誰かが傷つけられようとしているならば止めなければならない、相手の声掛けに「あぁ!」と強く答えて悲鳴の方へと向かった。そこには人々を襲う怪人が数体いてドライバーを腰に据えるがなんとも違和感があって戸惑ってしまう。数人いる怪人はどれも植物を纏った姿をしていてそういうド.ー.パ,ン,トなのかもしれないが何処か違和感もある。だがこの街の人が襲われているなら早く助けなければならない、「考えるのは後だ。いくぜフィリップ!」と声をかけるとメモリを二本装填し変身を果たして街の人を守るために駆け出して)
(/上手く纏めていただいてありがとうございます!神経衰弱ゲームいいですね!またどちらかがデ.ザ.ス.タ.ーになってしまうのもめちゃくちゃいい展開だと思います。ごめんなさい、本当のことのネタ明かしの流れがどうしても思い出せないのですが、封筒に普通の参加者は他人に知られたくない秘密、デ,ザ,ス,タ,ーはお前がデザスターだ的なことが記されているんでしたっけ?他の作品と混じってるかもしれないです、記憶曖昧ですみません…もしどこら辺あたりのお話かご存知ならばその周辺の話数見直してきます!
そして風.都.がジ.ャ.マ,ー.エ.リ.アになってしまうのもめちゃくちゃいいですね…!運営が既にサポーター贔屓寄りでダ.ブ.ル,ド,ラ.イ.バ.ーに目をつけられて運営権限で奪われる→景品にされる、みたいな流れでいかがでしょう?とりあえずそれらしく乗って起きましたのでいつも通り好きなこと盛り込みつついきましょう。)
ああ、変身!…彼らが話す言語、未知のものだ。 っ、翔太郎、あれ!
(悲鳴のする現場に駆けつけると人々を襲う怪物が数体居た。通常のド.ー.パ.ン.トとは違う雰囲気のように見えて眉を寄せる。だが人々を襲っているのは事実で相手の声かけに応じるとメモリを構えて変身を果たす。そしていつものように攻撃を仕掛けると効いている手応えは感じるものの怪物は自分の知らない言語で会話をしている。ド.ー.パ.ン.トならば人間が変化しているはずでますます疑問が募った。更に一向に人々の悲鳴が聞こえなくなるのに気づいて応戦中に視線を向けると逃げようとしている人々の前に不透明な壁のような物が出来ていてそこから外に出られないらしく見たことの無い光景に思わず目を見開いた。すぐに相手にもそのことを共有していると怪物全員がこちらにやってくる。だが何故か攻撃してくる訳ではなく腰部のドライバーを引き剥がそうとしていて)
(/ネタ明かしって言い方が紛らわしくてすみません。賞品がドライバーってだけだと二人ではどちらか片方が勝てば良いみたいな考えになりそうだと思ったので未来人の話やエリアの消失などの情報を先に明かして「お前が勝たないと風.都.が消えるよ」みたいな対立する動機付けをしたりする時間が出来たら、と言う話でした。情報を口外したら失格みたいなルールも付けて共有したいけど出来ないみたいなそわそわ感が出来たら楽しそうです。
正にそんな感じでドライバーを取り返す+風.都.を守るためにゲームに参加する、という流れで進めていきましょう。運営やサポーターの思惑込み込みで翻弄される二人が出来たらと思います。)
(/すみませんお話開始しためちゃくちゃいいタイミングなのですが、体調崩してしまいました……申し訳ごさいません。体調戻り次第お返事させていただきますので、暫くお待ちいただければ幸いです。よろしくお願いします。)
(/ご連絡ありがとうございます。寒さと流行病もあり体調を崩しやすい季節ですのでこちらの事はお気になさらず、体調回復に専念なさってください。余裕が出来てから返信頂けるのをのんびりお待ちしております。)
(/一旦背後だけで失礼します。なかなか体調が回復しなかったのですが本日一日しっかりおやすみさせていただきましたので明日からいつも通りお返事できそうです。お待たせしてしまい申し訳ありません…今しばらくお待ちいただければ幸いです。)
とにかく倒してみるしか……っ、んだよあれ!
(怪人達の能力はそれほど高いものではないらしく十分応戦可能なのだが周囲から聞きなれない言語が聞こえてきて仮面の下でますます眉を顰める。ド.ー,パ.ン.トに変異して特異な言語を話すようになるなんて事例は今までにない、そういうメモリなのだと言われてしまえばそれまでだがやはり違和感は拭えなかった。そうして応戦していると相手に呼びかけられて目を向ける、そこには障壁のようなものが出来ていて言葉を失った。あまりにも異様な光景に嫌な予感を覚えながらもとにかく街の人を救わなければと思った矢先、怪人が一斉にこちらを向いてまた絶句する。そして次々に襲いかかってきたかと思えばドライバーへと手を伸ばし始めてそれを振り払いながら応戦する。誰かに号令をかけられたように一斉に動く姿にまた不気味さを覚えながら近接戦に特化したフォームにチェンジしようと相手に持ちかけようとしたところで何やら球体が複数こちらへと飛んできた。それは明確な意志を持ってこちらへと体当たりを仕掛けてくる、変わらず怪人はこちらを襲い続け怪人に腕を弾かれたと同時に球体がドライバーへと当たって強制的に変身が解除させられてしまった。装甲が剥がれながら地面を転がり痛みを覚えながら顔を上げる、悪態をつきながら顔を上げるも直ぐに違和感に気づいて「っ、ダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーがねぇ!」と血相を変えて叫んで)
(/大変お待たせいたしました。またこちらが長期に休んだばかりに不安にさせてしまい申し訳ございません。お言葉に甘えてゆっくりさせていただいたおかげで体調戻りました。お待ちいただいて本当にありがとうございます。
そして諸々勘違いしていたようで申し訳ないです…運営及びサポーターが二人の協力関係を早めに潰しにかかるために情報を制限したり、本来知りえない情報を与えてしまうのいいですね!一回戦終わりから参加者同士の情報交換禁止が言い渡される→サポーターが中途半端な知識をそれぞれに与えて対立させられていく、みたいな感じでしょうか?ここに加えてさらにデ.ザ.ス,タ,ーがどちらかになって、みたいな展開ができればさらに溝を深めていけそうですね!)
ッ、翔太郎! えっ、…さっきの怪物と妙な球体の動きを見るに操り主はダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーが狙いだったんじゃ…
(今までのパターンとは違う異様な現象が続く中、怪物はドライバーに手を伸ばし始めてますます違和感は募る。フォームチェンジすべきだろうかと考えていた所で眼球のようなデザインの球体が複数飛んできてこちらに体当たりしてくる。統制のとれた動きに翻弄されていると球体の一つがドライバーにあたって強制的に変身が解除された。意識が相手の体から弾き出されて元の体に戻る、同時に普段なら続いているはずの意識や感覚の共有が途切れると不安や恐れが湧き上がって急いで立ち上がって相手の元に駆け寄る。傍に来てしゃがみこむが見た所かすり傷だけで大きな怪我は無くて一旦ほっとする。だが血相を変えてドライバーが無いと言われると驚愕の声をあげる。相手の腰部にはドライバーが無く、嫌な予感がして懐を探ると疾風のメモリが無かった。大事なものが無くなったことに酷く動揺してしまうが原因は明らかだ。深く呼吸をして冷静さを保つようにしながら起きた出来事を振り返ると元々ドライバーが狙いだったのでは無いのかと推測を立てる。現に周りを見れば例の壁は残っているもののあの怪物と球体の姿は無くなっている。ひとまずは街の人が襲われることはなくなったが、ドライバーが無くては変身が出来ない。表情に焦りを見せているとどこからともなくこちらに近付いてくる足音がして顔をあげる。そこには白と黒の浮世離れした格好の女性が居て二人の前でピタリと止まると「左.翔.太.郎様、…フィリップ様。お二人にデ.ザ.イ.ア,グ
ラ.ン.プ.リへの招待状が届いております」と言いながら見慣れない妙な箱をそれぞれに差し出してきて)
(/体調が戻ったようで良かったです、今年の風邪などは長引きやすいようなので引き続き無理はなさらず、返せるタイミングでやり取りを続けて貰えたらと思います。また、昨日の件は文面の感じや言葉遣いからなりすましだろうなと思って様子を見ていたのですが深夜の一報や今回の返信で安心しました。他の場所でも同様の被害が出ているようで、今でも判別は出来るのですが念の為トリップなど付けた方が良いでしょうか?
まさにそんな感じで普段の連携が取れない二人が出来たらと思います。余裕があれば本編同様、共同生活の描写を挟んでも面白いかもしれません。ちなみにどちらがデ.ザ.ス,タ.ーの方をやるか希望はございますか?)
くそ、なんのために……ッ、…デ.ザイ.ア.グ.ラ,ン,プ.リ.?
(地面から何とか顔を上げたタイミングで相手が傍にやって来ると大丈夫だと目配せをする、だが直後に変身の要であるドライバーが無いことに気が付き声をあげた。相手が咄嗟に懐を探るがどうやらメモリの方もないらしい、こちらも体を起こして内ポケットを探るが本来そこにあるはずの三本のメモリは跡形もなく消えていた。焦りが募るなか相手が冷静に状況を分析する、あの怪人に出くわした途端に怪人はこちらのドライバーを狙ってきたのだから相手の推理は正しいのだろう。しかし相手と相乗りするためのドライバーだけを奪取するとはまた奇妙な話だ。相手がいなければあのドライバーは使えない代物だ、少なくとも組織の人間ならばその事は知っているはずだろう。謎は残るが一旦怪人も居なくなり周囲の悲鳴も収まった、状況を把握しなければと思った矢先に高い靴の音が響いてそちらへ目を向ける。そこにいたのはまたなんとも奇妙な服を着た女性で、にこやかな笑顔と共に知らない単語が並べられて思わず同じ言葉を聞き返してしまった。見慣れない箱に怪訝な目を向けて再び女性に目線を戻す、相変わらず彼女は不気味なほどにこやかなままで『お二人の望みを叶えるためにデ.ザ.イ.ア,グ.ラ.ン.プ. リ.に…仮,面.ラ.イ.ダ.ー.になることオススメします!』と告げられ奇妙な言葉の後に聞きなれた単語が挟まり目を見開いた後に思わず相手の方を見る。望みを叶える、とはすなわちドライバーを取り返す、ということだろうか。ドライバーの存在を知っているならば彼女は敵なのだろうかと様々な思惑が渦巻く中このままでは埒が明かないだろうと箱を受け取る。そっと蓋を外してみると中にはまた見慣れぬものがあって「なんだこれ、ドライバー…か?」と眉をひそめて)
(/結局しっかり流行病にかかっておりまして、ただ体自体は元気ですので凡そいつも通りにお返事していけそうです。検索様も体調の崩しやすい時期と感染しやすい病とが蔓延している状態ですのでご自愛くださいませ。検索様とはそれはもう長らくお付き合いがありますので判別はできるかと思いますがせっかく搭載されている機能ですしトリップ使用してみましょうか。最近被害の頻度も多くなっていますので…
そして不本意ながら時間ができたのでざっと狐の物語も見返して参りました!ぜひぜひデ.ザ.ス,タ,ー指名されるのと同時に共同生活もやりましょう!またデ.ザ,ス.タ,ーですがどちらがいいかかなり悩んでおりして…探偵なら前回のメモリに引き続き探偵が検索くんを裏切る形になってトラウマが再発するようなことが出来ますし、検索くんなら上手く立ち回りつつ探偵が半熟らしく揺さぶられまくってデ.ザ,ス,タ.ーの疑いを集めてしまうお話もできそうですし…検索様のご希望はいかがでしょう?)
みたいだね、それとこれは…?…っ!やはりこれがドライバーのようだ。なら…
(にこやかな笑顔とともに奇妙な箱が差し出され、聞きなれないワードを女性は口にする。状況からして先ほどの怪物などと関係があるように思えるが何より仮,面.ラ.イ.ダ.ーというワードに反応を示す。その単語を今持ち出してくるのもそうだが変身するためのドライバーは今しがた奪われたばかりだ。相手と目を合わせ困惑を見せるが箱に手を伸ばしたのを見ればこちらも蓋を開けてみる。中にはまた見慣れぬものがあってその隣には何か動物のような、恐らく鳥のようなシルエットが描かれた緑色の円柱状の物が置いてあった。試しにどちらも手に取ってみて見た目を確認してみるがやはり良く分からない。女性の方を見てもずっと微笑んでいるだけでこれがドライバーならばと試しに腰部に宛がってみると突如現れたベルトが身体に巻き付いて装着がされ目を見開いてすぐに相手の方に視線を向ける。ドライバーの中央にはあからさまに丸く何かを嵌めるための窪みがついていて手元の円状を見るとそこに入れてみる。すると何処からか【Entry】と音声が聞こえ眩い光と共に意識を失った。__はっと意識を取り戻すと目の前には異世界というべきか、空に浮かんでいるような妙な空間に立っていた。辺りには他の人もいて動揺している者から妙に冷静に見える者までいるようだ、訳が分からないことばかり続いているがすぐ隣に相手の姿が見えなければ不安になって「翔太郎?」と辺りを探し始め)
(/承知いたしました。初めてトリップ使うので上手く出来ているか分からないのですがこちらで行かせて貰います。荒らしに関しては引き続きスルーの方向で行きましょう。
こちらもかなり悩んでいたのですが今回は検索がデ.ザ.ス,タ,ーがいかがでしょうか。より頭を回る方を封じるという運営の悪意を感じる形になりますし、信じたい気持ちと探偵の勘や経験で怪しく思う間で揺れ動く探偵君や単独行動で怪しい行動をしたり追い詰められていく検索が出来そうです。その他、こんなことがやりたい等ありましたらお聞かせくださいませ…!)
ぬぁッ?!…、フィリップ!大丈夫か?…んだよ、ここ…
(奇妙な箱の中からまた奇妙なものが現れてますます不信感を募らせていると相手は中身を取り出す、それに習ってこちらも箱の中に収められたものを取り出した。ドライバーは相手と全く同じもののようだが隣にすえられていた円柱の何かは相手と色が違うようだ。こちらの色はなんの因果か紫色で表面に描かれているのは犬のように見えた。大方何をすればいいか予想は着いたが牽制も含めて女性に説明を求めようとしたところで相手がドライバーを腰に据えるとベルトが巻きついて思わず相手の方を見て目があった。予想した使い方は間違っていないらしい。さらに相手が中央の窪みに先程の円柱のものを嵌め込んだ途端、相手は突如として目の前からいなくなって「フィリップ!」と思わずその名を叫んだ。思わず女性の方を睨むがやはりそのにこやかな笑顔は崩れない、どうやらドライバーだけでなく相手の隣を取り戻す為にも今はこれを付けるしかないようだ。腰にドライバーをすえて紫の円柱を窪みに嵌め込めば意識が真っ白に塗りつぶされた。次に見えた景色はなんとも異様なものだった。宙に浮かんだ何処かステージのような場所に集められた多くの人、なんとも言えない雰囲気が漂う中相手を見つけると一気に安堵して名前を呼びながらいつもの左隣へ並んだ。声をかけたのも束の間、またあの女性が今度はステージの中央に現れて相変わらずのにこやかな笑みを浮かべると『皆さんこんにちは!私はゲームナビゲーターのツ.ム.リです!ようこそ、デ.ザ.イ.ア,グ.ラ.ン,プ.リへ!』と紹介が始まって、ますます眉間の皺を深めると「ゲーム…?ナビゲーター……??」とまったく読めない状況にまだ困惑していて)
(/それでは検索くんにデ.ザ.ス.タ.ーをお願いします!追い詰めたくないのに探偵の勘で何かを感じてしまう所とか怪しい行動を取ろうとしたところに鉢合わせてしまったりとかピリッとしたところができれば幸いです。おそらくお話の性質状複雑になるところもあるかと思いますので必要であれば都度都度背後で詳細詰めながら進めていきましょう!せっかくのコラボなお話ですから好きなこと詰め込みながら楽しんでいきましょうね。今回もよろしくお願いします!/何も無ければこちら蹴りで大丈夫です!)
翔太郎! 分からない…、他の人も恐らく同じ経緯でここに集められたのだろうけど…
(未知の場所に転送されてきて全く状況が飲み込めない。腰にはドライバーが付いたままで困惑しながら辺りを探すと見知った声が聞こえてそちらを向く。そこには相手の姿があり、相棒が定位置に並ぶようになると肩の力が幾らか抜けた。ひとまず相手と離れ離れにならなくて良かったが依然として分からない事ばかりで他の人の腰部にも同じドライバーがあるのを確認しながら言葉を返していると先程の女性がステージの中央部に現れる。彼女は自己紹介をした後、ナビゲーターという言葉通りに今の状況を説明していく。『皆様はこれから仮.面.ラ.イ.ダ.ーとしてこの世界を脅かす敵、ジャマトと戦って貰います。そして見事勝ち抜いた人、通称デ.ザ.神になった人は自分の理想の世界を叶えることが出来ます。つまりどんな願いでも一つだけ叶えることが出来るのです!』と説明すれば周りの人が食い付いたのが空気でわかる。何とも現実離れした話に唇に手をやりながら聞いていると『それでは皆さん、お手元のデ.ザ.イ.ア.カ.ー.ドに願いをご記入ください』と彼女が言った途端、手元に上品なデザインとカードが現れる。願いを叶えられるといった言葉に一気に辺りはざわめき始め、何にするか悩むような声が聞こえてくる。カードの表裏を確認してから相手に視線を向けると「…翔太郎、どうする?」と意見を伺って)
どんな願いでもひとつ……ここまできちゃ引き下がれねぇ。覚悟決めるしかねぇな
(相手と並び立って言葉を交わせば幾分か落ち着きは取り戻すがやはり訳が分からない状態なのは変わらない、周囲にいる大半の人間も戸惑っている様子だ。この状況を理解しているのは中央に現れた彼女だけだろう。彼女の説明で聞きなれた単語はやはり仮.面.ラ,イ.ダ.ーのその一言だけで後の単語は初耳のものばかりだ。だがどうやらいつも自分達がやっている変身して怪人を倒す、という過程がゲームとして成り立っているらしいことは理解する。しかもなかなか壮大な景品付きだ。周囲の人が分かりやすく色めき立つ中手元にカードが現れる、どうやらこれに願いを書くことが参加の意思表示代わりらしい。彼女が『なお』と続けると宙にモニターが現れてありえない文明レベルに驚いているとそこに写ったものにさらに驚く、『今回はいつもとは一味違う報酬が用意されていますのでお楽しみに!』と高らかに宣言すると共に黒塗りにされた何かがいくつか映るがその中にダ.,ブ,ル.ド.ラ.イ.バ.ーがあったのだ。同時に戸惑う人々の中で妙に冷静だった数名がこのアナウンスに反応しているのが見える、中にはあからさまに色めきだっているのもいてあれがドライバーだと見抜いているのかもしれない。こうなればもう後には引けないだろう、もともとダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーを取り返す気でいたがそれが報酬に組み込まれているのならば別にひとつ願いを叶えられるということ、ペンを手に取り走らせれば相手の方へ見せる。そこには【二度とこのゲームが風.都.で行われないこと】と書かれていて「あくまで俺達の目標はドライバーだけどな」と言葉を付け加えて)
っ、まさか報酬になっているとはね…。これは是が非でもデ.ザ.神とやらになってドライバーを取り返さなくては。…僕も似たようなことにしようかな。
(手元のカードについて相手に相談を持ちかけようとすれば彼女は話を続け突如宙にモニターが浮かぶ。そこには中身が分からないように黒塗りされた写真が映るがその中に明らかに見慣れたシルエットがあれば思わず息を飲んだ。他にも今回の報酬に反応している人が見受けられて皆が巻き込まれたのも忘れてこのゲームに参加しようとしているのが感じられた。奪われたドライバーの行方が分かったのは良かったがその使われ方に思わず呟きを零す。大事なドライバーを取り返す為にゲームに参加する覚悟を決めて言葉にするがこのカードに書く願いは悩んでしまう。個人的なことから街のことなど色々浮かぶがちらりと相手の方を見れば何とも相棒らしい願いが書かれていて小さく笑う。それを真似て【風.都が平和であること】と書き込むと相手に見せた。皆がカードに願いを書いたのか彼女がそれを回収して回る。自分達も手渡すと彼女はステージの中央に戻って『皆様の願い、承りました。それでは早速第一回戦のステージに向かいましょう!』とにこやかに告げると再び視界が白く染まった。次に目を開けると何処かの森のような所に立っていた。そこは以前鬼退治として幼い相手と足を踏み入れた森と同じようで「…雰囲気は少し違うけど風.都の森だ」とぽつり呟いて)
いい願いだ。……っ、…あぁ、風.都.で間違いねぇ。…お前、いつの間に服が
(自分達のドライバーが報酬となっている以上このゲームから引くことはできない、本当は向こうのルールに乗ってやる義理もないのだが今は下手に騒ぐより様子を見た方が良さそうだ。そうして方針が決まりこちらがカードに願いを書き込み見せれば相手が小さく笑う、相手の願いが書き込まれたものを見せられればこちらも同じく笑みを見せた。二人とも風.都の探偵として思うことは同じ、この街を泣かせる要因は無くすに限る。カードが回収されて高らかな号令のあとまた視界が白く染まった。次に目を開けた時にいたのは森の中だ、妙に静かだが地形には確かな見覚えがあってここが自分の庭だと確信する。ふと隣の相手を見ればいつもとは異なる服装をしていて思わず声を掛ける、だが直後自分も同じくネイビーとブラックで作られたジャケットと真っ黒に一筋白のラインが入ったズボンを履いていることに気がついた。どうやら周りにチラホラいる参加者も全く同じ格好をしているらしい、服装による差異を無くすためだろうか。いつもの帽子が無くなったことに不満を覚え頭に手をやっているとどこからともなく『第一回戦、最初のミッションは宝探しゲーム!ジ.ャ.マ.トに奪われた宝箱を取り返してアイテムをゲットしてください!』と声が聞こえてくる。同時にあの時にみた怪人が現れて参加者に一斉に襲いかかり始めた。周囲の人を助けに行きたいところだがこちらにも狙いを定めているジ.ャ.マ,トが数体いる、怪人を睨みつけながら相手の前に出ると「下がってろフィリップ」と声をかける。こういう荒事はこちらの担当だ、こちらから駆け出していくと振り下ろされた腕を交わして渾身の拳を叩き込んでやる。続けざまにもう一体拳をおみまいしてやればその一体が宝箱を落として)
本当だ、これがこのゲーム中の標準服ってことだろうか。…、ああ!
(あの妙な異世界のような場所から自分達の街に戻ってきたが壁のような物は健在であの時とは雰囲気が異なる。ここでゲームをやるのかと辺りを見ていると相手が声を上げて自分の服を見る。いつものロングパーカーではなくシンプルなデザインのジャケットとズボンを着ていて時計を始めとするアクセサリー類もなくなっている。隣の相手も他の参加者も同じ格好をしていて統一された参加服のようなものだと理解する。トレードマークでもあるハットを探すような仕草をする相手を横目に見ながらどこからともなく彼女の声が響いてゲームの開始が宣言された。直後、あの時の怪物が出てきて参加者に襲いかかってくる。自分達も例外ではなく、こちらに数体やってきて思わず固まってしまうが相手の声を聞けば返事をして言う通りに後ろへと下がる。相手は自ら立ち向かっては拳をぶつけ、後退した隙にもう一体に攻撃を加える。するとその怪物が宝箱の様な物を落としたのが分かれば彼女の言葉を思い出して気付かれないように足音を殺しながらそっと近付き箱を回収する。そのまま離れて中を開けてみると見慣れないピンクのハンマーを模したようなバックルが入っていた。恐らくこれが宝なのだろう。観察している内に独特の形と矢印の向きが腰のドライバーに一致することに気付くとまだ応戦している相手に「翔太郎!これ、ドライバーの右側に使えるかもしれない!」と言いながらバックルを投げて渡し)
っ、…こいつがダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーでいうメモリってとこか。よし……
(怪人がせまり相手を下がらせると自らジ.ャ.マ.トへと立ち向かっていく、生身で怪人と相対することに不安が無かった訳では無いがジ.ャ.マ.トは生身でも十分戦えるほどの戦闘力で拳でその体をよろめかせられる程度のものだ。続けて数体の怪人を相手をし距離ができたところで相手から声をかけられ投げられたバックルを掴み取る、これが相手の予想通りドライバーに差し込めるものならばこれはメモリと同じく何らかの力が込められたものなのだろう。怪人に対峙しバックルを右側へと装填すると背後にどこからか光が集まりピンク色のHammerという文字を作り出す、ひとりの時と同じく拳を作った右手を掲げると「変身っ!」と声をあげてバックルを捻った。体が光に包まれていつもとは違う感覚に包まれる、直後体は黒い装甲とも言えないようなものを纏い右手にはピンクのハンマー、そして顔は紫のドーベルマンを模した仮面に包まれた。いつもとは全く異なるどころか足りなさすぎる装甲に「なんじゃこりゃ!」と思わず叫ぶ。だがジ.ャ.マ,トは構わずこちらへと襲ってくる、奴らを相手どるなら十分すぎる戦力だろう。向こうからの攻撃をハンマーで弾いてさらに追撃してやればあっさりと敵は倒れていく、武器を持ったこちらに不利とみたのかジ.ャ,マ.トは次々逃げていってそのうちの一匹がまた宝箱を落とした。近づき中を開けてみれば中には緑色の弓矢のようなバックルが入ってあり「フィリップ!」と声をかければ今度はこちらが相手へとバックルを投げ渡して)
これがこのゲームでの仮.面.ラ.イ,ダ.ー…、ありがとう。っ、これで僕も…変身!
(ゲームと称するならば宝はプレイヤーにとって嬉しい物だろうとの推測からバックルを投げ渡すと相手も使用方法に検討がついたようだ。バックルを装填すると背後に光が集まってそこを操作すると体もそれに包まれた。光が晴れると黒い装甲にドーベルマンのような仮面を被った姿に変わって目を見開く。普段のダブルの姿に比べて簡素過ぎる装備ではあるがナビゲーターの言葉通りならこれがこのゲームの中でいう仮.面.ラ.イ.ダーの姿なのだろう。興味深く見ていれば相手はバックルの力であろうハンマーを用いて怪物の攻撃を弾いて追撃して倒していく。逃げていく一体が宝物を落として相手が中身を確認してからこちらに投げ渡してきてそれをキャッチする。恐らくこれもバックルの一つであり、これで二人ともゲームクリアの条件を満たしたことになる。相手にお礼を伝えているとその奥で若い女性がジ.ャ.マ.トに襲われているのが見えた。すかさず受け取ったばかりのバックルを右側に装填するとARROWの文字が背後に浮かび掛け声と共に操作すれば体が光に包まれる。相手と同じく黒い簡素な装甲に緑色の弓、そして頭部には猫のラガマフィンを模したような仮面に包まれた。吊り目がちな緑がかった複眼でジ.ャ.マ.トの方を見て弓を引けば複数の矢が怪物の足元に放たれて牽制を果たす。その間に女性が無事に逃げるのが見えるとひとまずは安堵して改めて自分の姿を確認する。そして相手の方を向けば「ダブルほどの装甲ではないけど、こうして二人で変身して並び立つってのも新鮮だ」と素直な感想を口にして)
(/すみません、先に提示していた鳥のモチーフがしっくり来なかった為変更させて貰いました。こちらで進めさせて貰おうと思うのでよろしくお願いします/こちら蹴りでお願いします。)
ナイスだぜ、フィリップ。そうだな。いつもなら二人で一人か片方だけで変身だし、別々に変身ってのも慣れねぇな。それにしても……随分可愛い仮.面.ラ.イ.ダ.ーだ
(これまでも他の仮.面.ラ.イ.ダ.ーと出会ったことはあるがその中でも圧倒的に装備が薄く武器も正直頼りなくて特異なライダーだ。あれだけの人数がこのゲームに参加しているなら相対的に一人一人のライダーとしての力は削られるということだろうか。とにかく勝ち進むしかないだろうともうひとつ宝箱をゲットして相手にバックルを渡す、すると遠くでジ.ャ.マ.トが女性を襲っているのが目に入った。自分が走っていくのでは恐らく遅い、相手もそれを理解したのかバックルをドライバーに装填して変身を果たす。すると黒の装甲部分だけは同じで武器と仮面が全く違う姿に変身していてまた驚いてしまう。仮面はIDコアの動物、武器はバックルに対応しているのだろう。ともあれ相手は女性を救うことに成功して労いの言葉をかけて隣へと並ぶ。いつもとは違いすぎる姿に新鮮さを覚えながら頷き返事をする、二人で戦える状態に変身するというのは普段ならばありえない状況だ。それに相手の仮面のモチーフは猫らしく吊り目ながらもまるっこい顔はなんとも愛らしい、思わず頭を撫でていると背後から『アイテムゲットおめでとうございます』と声がして慌てて手を引っ込めて振り返る。そこには仮.面.ラ,イ.ダ,ーとは違う白と赤の仮面を付けて白いフードを被った男がいて『こちらへどうぞ』と何処へ案内しようとしているようだ。ナビゲーターの彼女と同じような存在だろうかとチラリと相手の方を見てから変身を解除し仮面の男についていって)
体の基礎的な所は共通で頭部は使用者に近い動物をモチーフにしているのだろうね、君もそれっぽいし。
(この姿への初めての変身を果たして目的を達成すると相手が隣に並ぶ。普段はこうして横並びするのが普通であるが変身して戦える状態で肩を並べることは無く変な感じだ。相手がこちらを見ると仮面の頭を撫でられる。以前メモリの影響で猫になったこともあったが今回もどうやらIDコアに描かれた動物の仮面になったようだ。可愛いと言われるのは少々複雑な気持ちではあるがネコっぽいと相手に言われることもあり、一方の相手もドーベルマンと言われると納得できる部分が幾つかあって最初にIDコアを渡された時点で使用者に見合う動物がモチーフとして宛がわれているのだろうと考察を口にする。大人しく撫でる手を受け入れていると背後から声が聞こえて慌てて振り返る。そこには独特の仮面とフードを被った男が居て案内が申し出される。アイテムゲットという発言を聞くにこのゲームの関係者なのは確かで相手と目を合わせるとこちらも変身を解除して後をついていった。案内された扉を開けてみると広々としたラウンジのような部屋が広がっていて自分達と同じ服を着た数人が既にコーヒーを飲んだり他の人と話をしたりしてくつろいでいる。独特のオーラのある男がちらりこちらを見ると『今回の第一回戦のクリア者はこれくらいか』と余裕気に呟いていてどことなく値踏みされているようにも感じられた。ひとまず近くにあったソファーに二人して座ると少ししてからナビゲーターの彼女が扉からやってきて『お待たせいたしました。ここに居る皆様は第一回戦クリアです!そしてここに居ないお宝をゲット出来なかった人たちは脱落となります』と宣言して)
っ、もうこんなに脱落なのかよ……
(相手は猫でこちらは犬、なんともそれぞれらしい動物を割り当てられたものだ。このハードボイルド探偵をドーベルマンに指定するセンスもなかなか気に入った、ここでチワワになんてされたら文句のひとつも出ていただろう。そんな話をしているうちに新たに現れた仮面の男に連れられ嫌に豪華な扉をくぐるとそこはラウンジのような空間でまた驚くことになった。どうやらこのゲームを運営する人間にとって空間を飛び越えることは容易なものらしい。余裕そうな言葉を飛ばして値踏みしてくる男をチラリとみやる、最初に参加者が集められた場所でも妙に落ち着いていた奴のひとりだ。怪訝そうな顔を向けながら相手と共にソファに座るとナビゲーターによって今回のクリア者がここにいるだけの人間だと説明される。同時にまた宙にモニターが出てくれば全参加者が表示されて次の瞬間には大半の名前がグレーに暗転しLoseの文字で塗りつぶされる、参加者が一気に数えられる人数になってしまえば思わず驚きの言葉を漏らしてしまった。モニターを見つめ驚くこちらにひとりの男が鋭い目線を向けてくるのに気がつくとこちらも向こうへ目線を向ける。刹那の間睨み合ったあと「なんだよ」とこちらが発すれば男は鼻で笑って『お前ら、この後も二人で仲良しこよししながらデ.ザ.イ.ア.グ.ラ,ン.プ.リを勝ち進む気か?』と馬鹿にするように話しかけてきてその言い草に静かに怒りを燻らせつつ「それの何が悪ぃんだよ」と言い返して)
…翔太郎、抑えて。…その口ぶり、何回かこのゲームに参加したことがあるのかい?
(ナビゲーターが第一回戦の結果を発表する。最初はあれだけ人が居たのにクリアしたのはこの場所にいる人だけのようだ。参加者の一覧が一気にグレーに暗転して塗り潰されるのを見れば思った以上の熾烈さに焦りを覚えた。そうしていると何処からか鋭い視線を感じてそちらに目を向ける。すると一人の男がこちらを見ていて相手が痺れを切らして声を出せば馬鹿にするような口調で声を掛けてきた。相手の言葉に『そんな覚悟で勝てるほどこのゲームは甘くないんだよ。俺は勝つ為には誰であろうと蹴落としてぶっ倒す。…まあお前らなんて直ぐにリタイアするだろうけどな』と鼻で笑ってくればイラッとするものの先に相手を宥めるように声を掛ける。自分達のスタンスを馬鹿にされた不快感はあるがそれ以上にその男の口ぶりが気になると浮かんだ一つの可能性を尋ねる。すると男は僅かに眉を上げ反応し『…ああ』と返事するのを聞けばますますデ.ザ.イ.ア.グ.ラ,ン.プ.リの存在に疑問が募っていく。一方携帯のような物を持って温和そうな見た目の男が近付いてくると『左.翔.太.郎さんとフィリップ君だよね? 俺は桜.井.景.和、宜しく』と友好的に声を掛けてきて)
っ、言わせておきゃ……よろしく。お前もあいつと同じで何回かゲームに参加してる口か?
(こちらが睨みを効かせたまま男に返事をすればさらに挑発するような言葉が返ってきて思わず立ち上がりそうになる、しかしその前に相手に宥めるように言われてしまえばなんとか衝動を引っ込めた。同時に相手が問いかけた事で冷静に男の言葉を振り返る事ができる。まだ一回戦のはずなのにあの男はこのゲームのことをよく知っているようだ、ならば相手が問いかけた通りこのデ.ザ.イ.ア.グ.ラ.ン.プ,リは何度か開催されていることになる。目論見通り男は肯定してこれで参加者の中に妙に落ち着きのある人間がいることの説明がついた。空気を察してか友好的な空気を持った男が近づいてきて自己紹介される、こちらからも「よろしくな」と声を掛けたあとに事情を聞いてみれば『そうだよ。俺とさっきの道長と英寿、あと祢音ちゃんとかが経験者かな』と紹介がされて祢音と呼ばれた彼女はこちらに向かって手を振っていた。軽く挨拶を返したあとに「優勝してほんとに願いを叶えたことある奴はいんのか?」と問いかけてみれば景和が答える前に『俺だけだな』と鼻につく自信満々の声で英寿が遠くから会話に割り込んでくる。自信を宿した顔にいやでも嫌な顔をしていれば『英寿は何回もデ.ザ.神.になったことがあるんだ』と景和に教えられ偏った戦績にまた驚くしかなくて)
なるほど、道理で冷静だったのか。…特別?
(敵対的な様子だった男とは対照的に友好的な人物から声がかかると軽く対応をする。そして相手の質問の回答として彼から経験者について紹介がされる。全員最初の場所で冷静な反応だった人物であの時の様子に納得がいった。更に相手が深く問いかけて見ればあの余裕のあるオーラのある男が話に入ってきた。そして英寿の経歴を聞けば一緒に驚いた反応をしてしまう。どうやら願いが叶うという触れ込みは本当らしい。そんな人物が参加している事への焦りと何度も願いを叶えて尚このゲームに参加している動機に興味が湧いた所で『だがゲーム開始直前に急遽初めての参加者が追加になるのを見たのは初めてだ。よっぽど特別な招待客らしいな』と言われると目を瞬かせる。確かにナビゲーターの彼女も似たようなことを言っていたがダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーの持ち主以外に何か理由があるのだろうか。この場所について、そしてこのゲームについて更に知る為に「そもそもこのデ.ザ.イ.ア.グ.ラ.ン.プ,リって、」と疑問を尋ねようと口を開いた所で部屋の中の電話が突然鳴る。それを取りに行った彼女に自然と部屋の中の人物全員が注目が集まる、彼女が電話を切ってこちらを向くと『皆様、緊急事態です、新たなジ.ャ.マ.トが現れました!』と声をあげて)
情報収集もここまでか。いくぜ、フィリップ
(このゲームが過去何回も行われていることにも、実際に願いを叶えなお参加している人間がいることにも驚きでこのデ.ザ.イ,ア.グ.ラ..ン.,プ.リが一筋縄でいかないことを痛感させられる。ゲームを勝ち進むだけですんなりドライバーを取り返せるのが一番良いが参加経験者も優勝経験者もいるこの状況ではそもそもそれさえ難しい、あの道長と呼ばれた男があれだけ啖呵を切るのも気になるところだ。そんなことを考えていれば英寿から自分達が特別な招待客なのだと称される、ダ.ブ.ル.ド.ラ.イ,バ.ーの持ち主という意味では確かにそうだが考えればドライバーを奪うだけで自分達を大会に参加させる必要はないはずだ。この謎を解くためにもこの大会のこと、引いてはこの大会を仕切る奴らのことを知らなければと考えが募る。どうやら相手も同じようで質問をしようとしたところでそれを遮るように電話の音が鳴り響いた。そしてジ.ャ.マ.トの出現が告げられる、話を聞くのはまた後になりそうだ。そのままナビゲーターに促される形で移動し扉をくぐればあの宙に浮いた祭壇へと出る、相変わらずむちゃくちゃな空間移動だ。参加者の前に立ったナビゲーターがまたにこやかに笑うと『第二回戦は神経衰弱ゲームです!今回皆さんには運営が用意したルーレットで出た方とデュオを組んで貰います』と宣言されると同時に宙にはそれぞれのコアに描かれたアイコンを使ったルーレット画面が現れた。二人一組で挑むゲームなら自分達一番の得意分野だ、相手と組めることを祈るしかない。一方景和はルーレットを不思議そうに眺めながら『この前はくじ引きだったのに…』とひとり呟いていて
…吾.妻.道.長、このゲームを勝ち抜くためにも協力しよう
(こちらの質問は電話の音とジ.ャ.マ.トの出現の知らせによって遮られる。もっと情報を集めたい所だが風.都.がゲームの会場になっている以上、暴れて万が一街の人に被害が出るなんてことは避けなくてはならない。相手の声掛けに「ああ」と短く返事をして扉をくぐった。そこは最初に集められた空間でやはり現実離れした技術が使われている。全員が集まるとナビゲーターは第二回戦の開催とゲームの趣旨が説明される。二人一組となれば自分達の得意分野であるがその組み合わせは宙に浮かんだルーレットで決められるらしい。それを見上げていると景和の独り言が聞こえてきて思わず視線を向ける。今回から方針が変わったということだろうか、と考えを巡らせていれば早速ルーレットが回される。一人の名前を呼びそのペアになる人物をルーレットで決めるという流れで進んでいくようで初めに呼ばれた人物は他の初参加者とデュオを組むことになった。『続いてフィリップ様のデュオを決定いたします』と宣言がされてルーレットが回る。ルーレットの針はゆっくり速度が落ちていき相手のアイコンの上で更に減速すれば期待が高まるもののそこを通り過ぎて牛のようなアイコンの上で止まる。このアイコンの主を思い出したのと同時に「コイツとペアかよ」と嫌そうな声が斜め後ろから聞こえた。相手と組みたい所だったが道長もこのゲームの経験者であり何か思う所があるようだった。ならばゲーム中何か聞き出せるかもしれないと考えを切り替えると支給された携帯のようなもので名前を確認してから声を掛けると『せいぜい足引っ張んなよ』と言いながらそっぽ向かれてしまった。少々不安を覚える中『次は左.翔.太.郎様のデュオを発表します』と進行が進んでいき)
っ、くそ。よりによってあいつかよ。…あぁ、よろしくな祢音
(次のゲームのためデュオが次々に決められていく、遂に相手の番になりルーレットが回り始めた。徐々に回転スピードが落ちていき自分のアイコンの上で止まりかければ思わず拳を握る、しかし針は僅かに滑って牛のアイコンを指した。思わず悪態をついたのも束の間、牛のアイコンは何を隠そう先程絡んできた道長で同じく悪態をついている様子にこちらもまた追加で愚痴を零してしまった。相手の隣にいれなくなってしまったことも、奇しくも緑と紫でダブルの色合いが揃ってしまっていることも気に食わなくて心中穏やかでは無い。だがここで騒いだって結果は変わらないのだろう、相手が話しかけても相変わらずそっぽをむく様子になんとか怒りを抑えていれば今度は自分のデュオが決められるルーレットが回り始めた。ルーレットはスピードを落とし猫のアイコンの上にくれば今度はあっさりとそのままそこに止まる。先程とは随分と滑り具合が違うように見えた。違和感を覚えながらも祢音に『よーし。犬猫コンビで頑張ろうね、翔太郎』と話しかけられればこちらも軽く笑みを浮かべながら返す、こちらは性格面では相性が良さそうだ。その後デュオ決めが進み全ての組み合わせが決まればモニターには街の様子が映し出される、そこには見知った街にト.ラ,ン,プ.ジ.ャ,マ.トが暴れる様子が映っていて眉をひそめた。そしてナビゲーターが『今回はポイント制です。ポイントの高かった上位三組が勝ち抜けとなります。』と説明が追加された後『それでは、ゲームスタート!』と高らかに宣言される。相手の方をちらりとみて目配せした瞬間にまた視界が一瞬白く包まれて、次の瞬間には風の街へと降りたっていて)
ポイント制ならば単純に多くのジ.ャ.マ.トを倒せば良い訳だね。
(道長からあまり良い対応をされない中、ルーレットは相手の番になる。ルーレットの針は徐々にスピードを落として素直に猫のアイコンの上で止まる。どうやら祢音が相手のデュオらしい。相手の隣に誰かが居ることもモチーフが自分と同じ猫であることもあまり気に入らないがゲームのルールであれば仕方ないと何とか気持ちを切り替えようとする。全ての組み合わせが決まるとモニターの画面は変わってト.ラ,ン,プ.ジ.ャ,マ.トが暴れる様子が映し出されて思わず画面を睨みつける。ドライバーを取り返すだけではなくこの街を守るためにも戦ってこのゲームを勝ち抜かなくてはならない。ルール説明があった後ゲームの開始が宣言されると相手と目配せした瞬間視界が真っ白に包まれた。目を開くと今度は風.都.の市街地に降り立つ、今いる場所はそこまで人が集まるような所ではないが近くには大きな公園があったはずだ。ルールを確認しながら方針を固めていくと道長は『ああ、行くぞ』と愛想のない返事をしながらドライバーでZOMBIEの文字を背後に変身を行う。紫の厳つい印象を受ける牛の仮面を纏った姿になり勝手に足早に歩き始めるのを見れば自らもその場で変身を果たす。今回のゲームでは別行動になるが次に進むためには自分達のデュオと相手のデュオのどちらもが勝ち抜ける必要がある。相手の方を向き「じゃあ翔太郎、また後で」と告げると慌てて道長を追いかける。何とか追いついた所で道端からト.ラ,ン,プ.ジ.ャ,マ.ト達が飛び出してくる、道長がそれに動じることなくチェーンソー型の武器を構え、攻撃から逃げようとするジ.ャ.マ.トを見れば逃げ場を封じるように矢を放つ。その隙に道長がチェーンソーを振りかざして一斉に攻撃をすればその高い攻撃力に怪物は倒れ撃破する。直後目の前の空間に【+20p】と表示が浮かび「これがポイントか」とシステムを理解したように呟き)
おぅ、気をつけろよ。…友達ってより俺の相棒だ。とりあえず今はここを勝ち残らねぇと、頼むぜ祢音
(視界が白に染まり次に見えたのは風の街だ、手元の端末を確認してみればジ.ャ,マ,トの倒し方などで獲得点数が変わるらしい。数だけでなく倒し方にまで気を使う必要がありそうだ。相手がルールを確認していると道長は相手を置いて変身しさっさと移動を始めてしまう、声をかけて見送るものの共に勝ち上がる為には相手には道長を上手く乗りこなして貰わなければならない。無意識に相手が去った方を見つめてしまうと祢音から『フィリップと友達なの?』と問われてそれ以上の関係なのだと答える、その答え方ひとつで相手への信頼度を感じ取ったのか笑みを浮かべる彼女に鼓舞するような言葉をかけると二人で並んでバックルをドライバーにセットし変身を果たす。デ.ザ.イ.ア.グ.ラ.ン.プ.リの知識はないがこちらには風.都の知識がある。ジ.ャ.マ.トが人を襲うなら人の多い所に行くはずだ。この街に詳しいことを彼女に伝えつつ公園内の噴水広場へと移動すれば案の定大量のジ.ャ,マ.トを見つけた。二人で乗り込んで怪人を倒していけば少ないながらもポイントを稼ぐ事が出来る、ハンマーを頭に叩き込む事が出来れば若干ポイントは高く暫くはヘッドショット狙いが続いた。その中で祢音がまた一体ジ.ャ,マ.トを倒して『やった!』とガッツポーズを作る、しかし彼女が背を向けた直後ジ.ャ,マ,トの体にスペードのマークが浮かび一瞬体の模様が弾け飛ぶ。直後模様が体へと集約されるとジ.ャ,マ,トは再び動き出して彼女へと襲いかかって「危ねぇ!」と叫びながらその体を無理やり掴んで地面を転がり攻撃を回避する。ピンピンしている怪人をみれば「なんだ?さっき確実に倒したはずだろ」と眉をひそめて)
っ、さっきと同じ攻撃をしたはずなのに…。…もしかして、吾.妻.道.長、胸部のマークが同じジ.ャ.マ,トを探してくれ!
(それからもジ.ャ.マ.トを見つけては倒すを繰り返す。道長の使う大型バックルはかなりの攻撃力があるようでそれを主体に撃破する戦法だ。そうして連携していけるようになれば『…初めてとは思えない動きだな』と言われて少々驚く。この街で別の.仮.面.ラ.イ.ダ.ーをしていると言っても良いものか迷い「まあ、こういう事には慣れているからね」と濁して返事をすれば「…そうか」と返され牛の仮面でその表情を伺うことは出来なかった。ジ.ャ.マ.トは人を襲うという情報の元、近くの公園の芝生の元にやってくれば少し離れた噴水広場に相手とデュオの彼女の姿が見えた。どうやら考えることは同じらしい。ピクニックしている街の人にジ.ャ.マ.トが襲いかかっているのを見ると彼に声を掛けて攻撃を仕掛ける。今までと同じく自分が足止めと牽制をして彼がチェーンソーを振るい、確かに倒せるだけの攻撃をしたはずだがジ.ャ.マ.トは床を転がるだけでまた起き上がってきて目を見開く。だが攻撃を受けてか胸部のトランプにダイヤの4のマークが浮かぶ。撃破出来なかったことに苛立った道長が近くに居たジ.ャ.マ.トに斬りかかると今度はその胸部にスペードのマークが浮かんだ。別々のトランプのマークに第二回戦を告げる時に聞いたゲーム名、その二つが繋がると検証する為にも彼に指示を飛ばしながら辺りのジ.ャ,マ.トを攻撃していき)
倒せる奴との判別はつくがどうやったら……っ、祢音!
(しばらく戦闘を続けていれば倒せるジ.ャ,マ,トと倒せないジ.ャ.マ.トの違いが見えてくる、全員もれなく体にカードを貼り付けているが白紙の怪人は倒すことができるのだ。問題はカード部分に模様がある方だ、こいつは最後の一撃を加えてもトランプのマークが浮かび上がったあとにまた復活してしまう。遠くの芝生の方には相手と道長のデュオの姿が見えて相手が的確に遠隔からの足止めと牽制をし道長が前衛で次々敵をなぎ倒している、愛想はなかったが相手は上手く役割分担を敷いたようで息のあった連携を見せていて思考が乱された。さらに人が多いからと噴水広場を選んだもののその分守る人が多くて戦いの手を休める暇がない、それに加え祢音が女性だからと無意識に守りながら戦う立ち回りをしていて全てのジ.ャ.マ.ト.を一手に引き受け余計にこのゲームの攻略法を考えられずにいた。だが街の人が襲われてるいるのなら見捨てることなど出来ない、彼女はちらりと端末を確認して『どうしよ翔太郎、私達最下位だよ』と知らされ余計に焦りは募る。苦々しい顔をしながら街の人を襲おうとしていたジ.ャ.マ,トをまたハンマーで吹き飛ばすと『シークレットボーナス!』と声が鳴り響いて目を瞬かせた。傍には【街の人を5人助けた +100p】と浮かんでいる。これで少しは足しになっただろうがそれでもあのジ,ャ,マ,トの攻略法を見つけなければ上位3組には入れない。祢音を背に守りながら気づけば周囲には模様があるジ,ャ.マ.トしかいなくなっていて「くそっ、」と悪態をついて)
よし、じゃあタイミングを合わせて一緒に倒すよ。
(一つの仮説を検証しようとマークに注目しながら攻撃することを指示すれば怪訝な反応をされてしまったがすぐに言う通りに動き始めてくれる。ふと噴水広場の方を見れば街の人と彼女を守る動きをしているせいか上手く動けていないようにも見えた。そちらに気を取られていると道長から『おい、居たぞ』と声があがった。そちらを向けばダイヤの4を纏ったジ.ャ.マ.トが居て推測通りのことに口角があがる。続けて同時に撃破することを提案して遠くの一体に向け弓を強く引くと道長も意味を察したのかチェーンソーを構える。そしてフルパワーでジ.ャ,マ.トを撃ち抜いてもう一方も同時に切り裂くとその体は爆発して目の前に【+40p×2】のメッセージが浮かぶ。単純に倒せるジ.ャ.マ.トとは大違いのポイント数にこれがこのゲームの肝だと悟る。「ナイスタイミングだ」と同時に倒せたことに労いの言葉を掛けるが無意識に視線は苦戦していた相手の方に向かう。どうやらマークのあるジ.ャ
マ.トに囲まれているのが分かればつい「翔太郎、神経衰弱だ!その中に同じマークのジ.ャ.マ.トが居るだろう」と今わかったばかりの攻略法を相手に叫ぶ。ライバルを助けるような行為に『おい!!』と強く道長に怒鳴られ)
っ!そうか!だからこのゲームは二人一組なのか!ありがとよ、フィリップ!
(何度倒しても立ち上がってくる敵に最下位という現実、二つが重なり焦りは募るばかりでしかし守るべきものを守らなければと思考回路は戦闘に割かれてしまう。今一度ハンマーで敵を砕くがやはりマークが浮かんだ後に敵は立ち上がってくる。万事休すかと思った時に相手の声が何よりも強く大きく聞こえてきて今の状況全ての点が線で繋がると声を挙げた。分かってみれば名前の通りのゲームなのだ、ト.ラ.ン.プ.ジ.ャ,マ,トのカードを同時に捲ればカードは消える。その為には祢音と連携することが必要だ、ちらりと彼女の方をみれば『翔太郎が戦ってくれてたおかげでここら辺にいるジ.ャ,マ,トのスートと数、全部分かるよ』とピースサインが向けられた。どうやらしっかり敵を観察してくれていたらしい。彼女は女性だがこのゲームの参加者でありなんなら経験者なのだ、今は彼女がデュオ相手なのだから二人で息を合わせなければこの局面は乗り越えられない。彼女の前に立つのをやめれば「なら一気に片付けるぜ、祢音!」と声をかければ彼女と共に怪人の元へ突っ込んでいく。彼女に倒すジ.ャ,マ,トを教えて貰いリズミカルに動く彼女に合わせて渾身の一撃を対になるジ.ャ.マ.ト.に叩き込めば【+40p×2】のメッセージが浮かんだ。これで点数を稼げるだろう。だが他のデュオは先にこのカラクリに気づいていたはず、巻き返しを図るべく次々とペアのジ,ャ.マ.トを倒していって)
このゲームは上位三組の勝ち抜き戦だろう?なら僕達がその圏内に入っていればどのデュオが同じく勝ち抜きの枠に入っても関係ないはずだ。
(このゲームの大事な要素について叫んで伝えると相手は直ぐにその意味を理解する。お礼の言葉が帰ってきて彼女と何やら話して怪物たちの元に駆け出すと今度は調子よくジ.ャ.マ.トを倒していく。二人の連携に思うことが無い訳ではないがあの様子なら今から挽回することも出来るだろう。一方結果的に彼の怒鳴り声を無視する形になっていれば『アイツらに攻略法を教えるとか何考えてんだ』と詰め寄られてしまう。このゲームの趣旨を考えればライバルを有利にさせることはするべきではないだろうがそれらしい理屈をこねて彼を見る。すると胸倉を掴まれ『…これは命を賭けたゲームだ。他人に気を回してる様だとお前もアイツも退場することになるぞ』と低い声で言われてしまう。何やら経験したような口振りと第一回戦の時に聞いたのは脱落とは違う退場というワード。だがそれを聞く前にジ.ャ.マ.トが出てくれば『先にコイツらを倒す』と彼が言いチェーンソーを構える。こちらも弓を構えるとジ.ャ.マ,トを倒してポイントを重ねていく。あらかた倒し終えた所で『皆様、七瀬橋にト.ラ,ンプ.ジ.ャマ.トのボス、キングトランプジ.ャ.マ.トが出現しました!』とどこからとも無くアナウンスが聞こえてくる。わざわざ宣言があるということは一発逆転が可能な高得点のジ.ャ.マ,トの可能性が高い。「行ってみよう」と彼に声を掛けると相手のデュオの行動も確認しつつ橋の方に向かって)
ンの野郎っ!…、悪ぃ
(相手にこのゲームの攻略法を教えて貰えば一気にやるべきことが見えてくる、いつも依頼を解決する時と同じように相手の一言で全ての道筋が繋がる瞬間のようだ。それを相手と共有出来ないのはもどかしいが今はデュオ相手である祢音とこの局面を乗り切るしかない。また二匹同時にジ.ャ.マ.トを倒せばポイントが加算される、そのタイミングで道長が相手に掴みかかっているのが見えた。道長はそもそも他人を蹴落とすことを良しとしていて参加者同士で協力することを毛嫌いしている、ライバルチームであるこちらに攻略法を教えるなんて言語道断の行為なのだろう。だがその理屈が分かっても相手に掴みかかっている光景には頭が血が上ってその場から離れてしまいそうになる、しかし彼女に『翔太郎!次行くよ!』と言われて意識を引き戻した。同時に相手と道長も離れていったのをみれば謝罪してまたジ.ャ.マ,トを倒すことに集中する。人を助けつつトランプ.ジ,ャ.マ,トを倒していくおかげかそこそこ点数を獲得できている。あたりを一掃し終えると顔を見合わせハイタッチを交わす、彼女とはこういうノリは良く合うようだ。そのタイミングでキングトランプ,ジ.ャ,マ,ト.のアナウンスが入る、名前からしてもきっと点数の高いターゲットだろう。祢音と目を合わせると「いくか」と声をかけて七瀬橋の方へと走り出して)
橋の幅もそこまで無いからこのまま突っ込んでも大勢を相手しなければならないけど、どうする?
(七瀬橋に着くとまだ誰も来てないようで一番乗りだ。橋の上には王冠を被った厳つい見た目のジ.ャ.マ.トが二人並んでいてその周りには白紙のト.ラ.ン,プ.ジ.ャ.マ.トやカードを胸部に持つジ.ャマ.トが家来のように周りに集まっていた。今までと同じカラクリならキングトランプ,ジ.ャ,マ,ト.も同時に倒す必要があるが一筋縄ではいかないような雰囲気だ。端から様子を伺いながら彼の方を見て戦法を聞けば『まずは一番後ろのアイツが持ってるミッションボックスを奪ってお前の装備を強化する。その頃には他の奴らも来てるだろうから雑魚は任せてあの頭を潰す』と何とも合理的な作戦が共有されて少し驚く。その反応に『今馬鹿にしただろ』とツッコミが入って「いや、流石経験者だと思ってね」と言い訳をしておいた。自分勝手かと思ったがこちらの装備を考えたりと案外面倒見が良いのかもしれないと認識を改めながら早速作戦を実行しようとすれば『ここで会うなんて奇遇だな』と透かしたような声が聞こえ振り向く。そこには狐と狸のライダー、即ち英寿と景和のデュオが居て『二人もキングトランプ,ジ.ャ,マ,ト.狙い?』と聞かれ不機嫌そうな道長の代わりに「ああ、作戦会議中だ」と答えて)
よぉ、全員キング狙いか?
(祢音と共に橋の方へと向かう、途中でちらりと端末を確認したあと橋にたどり着けばそこにはビッシリとジャマトがいてその中に王冠を被った敵が二体いた。ひとまず相手のデュオ、そして英寿と景和のデュオに合流する。これだけ人数がいればジ,ャ,マ,トを倒し切る事はできるだろうが問題はどのデュオがキングを倒すかだろう。他のデュオはこの間にもコツコツ点数を稼いでいるはず、ここで下手に得点を得られなければ上位三組に入れない可能性だってありそうだ。それぞれの思惑が交差して一瞬の静寂があったあと、英寿が『この状況ならミッションボックスを獲得したデュオがキングを倒すことになりそうだな』と口にして一斉に緊張が走った。それぞれのデュオの片方は重厚な装備を持っているがその相方である相手と自分と景和は汎用的な武器だ。キングはそれなりに体力があるだろう、つまり武器に差があれば倒すタイミングに差が生まれ、すなわち同時に倒す難易度が高くなる。だが武器の威力が同等ならばキングを同時撃破するのも容易だろう。全員が同じ思考を共有した瞬間に英寿がいの一番に走り出した。ジ,ャ.マ.ト,を蹴散らしながらボックス目掛けて敵を倒していく姿に「俺達も行くぞ!」と思わず相手に声をかけてしまって『私とでしょ!』と祢音に怒られ「あ、悪ぃ」と謝ったあと敵目掛けて駆け出していって)
ああ! …あ、何でもない。君はボックスの方は頼んだ!
(二人と話していると相手と祢音のデュオもやってきて中々の大所帯となる。皆高得点のキングを狙いに来たのだろう。一瞬探るような静寂が満ちた後英寿がキングを倒す鍵を口にすると一気に皆に緊張が走った。あのミッションボックスを取らなければ、と認識した途端英寿が走り出してそれを合図に全員が動き出す。目的を前にして相手から声が掛かると当たり前のようにそれに応じて隣に並んで走ろうとする。だが祢音の声が挟まると今は相方でないことを思い出しては小さく声が漏れた。道長からも『よそ見すんな』と怒られてしまい、気を取り直すと争いになるであろうミッションボックスの方は彼に任せて周りの白紙のジ.ャ.マ.トを攻撃していく。高得点も大事だがこうした積み重ねも後に響く要因になる。そうして道を切り開いていくと片方のキングとその側近の所に辿り着く。力量を測ろうと今まで通り弓を強く引いて矢をぶつけてみるがぺちっとその辺の小石が当たったような反応をしていれば「やっぱり今までとは強さが段違いだ…」と呟きを零す。その攻撃が怒りを買ってしまったのかキング達が一斉に手元の槍をこちらに向け振るい始めると何とかそれを避けることしか出来ずにいて)
俺じゃ間に合わねぇ、頼んだ!
(英寿が目標を定めたことによって全員が一斉にボックス獲得に向かって動き出す。ボックスを持つジ.ャ,マ,トには英寿と道長が既に乗り出していて自分ではパワー不足だ。機動力の高い祢音にボックスを任せてこちらは白紙のジ.ャ.マ.トとカードの中身を確認するため模様のあるジ.ャ.マ.トを一時的に倒していった。カードを捲る感覚でまた一体模様付きのジ.ャ.マ,トを倒せば今までにない、ある意味見慣れたマークが浮かんで息を飲む、その意味を考えていると相手がキング,ジ.ャ.マ.ト二体に狙われているのが見えた。考えるより先に体が動き出すと敵と相手の間に無理やり割り込んで槍をハンマーで弾き飛ばす、「援護頼むぜフィリップ!」といつもの調子で指示を飛ばせば片方のキングは牽制しつつ、もう片方のキングにはダメージを与えていく。キングを相手取っている間英寿と道長と祢音は互いに牽制しながらボックスを奪い合っていて、しかしマグナムで二人が吹き飛んだ隙に英寿がボックスを獲得していた。このままではあの狐の思惑通りになってしまう、あいつのシナリオ通りになるのは癪だ。ハンマーを思いっきり振りかざすと傍にいた模様入りのトランプジ.ャ,マ.ト,を祢音の方へ、続いて牽制ばかりしていたキングを道長の方へと吹っ飛ばす、「合わせろ道長!」と叫んで合図を送ると、相手の方には振り返ることなく「もう一体は俺達で決めるぞ」と三人でキングを仕留めようと叫んで)
翔太郎!分かった。 …っ、ああ。いつも通りに行くよ
(遠距離武器に槍の近中距離武器は相性が悪く、更に強敵となれば攻撃に回ることが出来ずに避け続けるのがやっとだ。道長があのボックスを獲得してくれるまで粘るしかないかと考えていれば自分とジ.ャ.マ.トの間に相手が割り込んできて槍を弾く。思わず声を上げるが端的な指示にすぐに応じると弓矢を構え一方にはこちらに近付いて二体同時に相手にしないように牽制を、もう一体は槍や目の辺りに矢を当てて攻撃動作を妨害しながら相手のハンマーの攻撃を援護射撃する。そうして息のあった動きでダメージを与えていれば端の向こうでボックスの奪い合いの結果が出ていた。英寿は得意げな様子で中身を確認していたがこのままあのデュオを一人勝ちさせる訳にはいかない。相手も同じことを考えたのかハンマーでジ.ャ.マ.ト.達を吹っ飛ばしてから道長に指示を出す。そして当然のようにこちらに片方のキングを共に倒すように声がかかると短く返事をする。アローを最大限まで引くと最も火力が高くなるようにギリギリまで引き付けてから何も合図がせずとも相手の動きに合わせて矢を放つ。奥では道長もチェーンソーを大きく振るい、同時にキングト.ラ.ン.プ.ジ.ャ.マ.トを撃破した。大きな爆発が起きて辺りに風が吹き荒れる、その勢いで他のジ.ャ.マ.ト達のカードが捲り上がり、祢音の近くにいるジ.ャ.マ.トと今倒したキングの側近の中に見慣れた模様、トランプの中ではキングやエースよりも強いとされるジョーカーのカードを見つけ無意識に口角が吊り上がった。本来神経衰弱にはジョーカーは使われないがゲームのボーナスポイントと言ったところだろう。さらなる得点のチャンスに「翔太郎、右から3番目もう一体行けるかい?」といつもの調子で声を掛けて)
最高のタイミングだぜ、フィリップ。…あぁ!これで決める!
(道長には合図を出したが相手とならば目を合わせずとも息を合わせられる自信がある、実際ハンマーを構えた段階でドライバーがなくとも相手の呼吸が手に取るように分かった。こちらがハンマーを振り抜き与える渾身の一撃と相手が放つ最大火力の矢と道長の必殺の攻撃が全て同時にキング.ジ.ャ.マ,トへと叩き込まれる。ジ.ャ,マ,トは声をあげながら爆発し撃破に成功する、だがここではまだ終われない。舞い上がるト.ラ.ン.プ.ジ.ャ.マ.トの中に馴染みのある記号を見つけると思わず仮面の下で口角をあげた、相手もその存在に気づいたようで狙いを指定されれば力強く応える。祢音にもその意図は伝わったようで傍にいた一体に狙いを定めていた。再び目を合わせずに呼吸を合わせて相手と自分の渾身の攻撃を合わせてジ,ャ,マ,ト,へと叩き込む。トランプの模様が弾け飛ぶと中からはJokerの文字が浮かび上がる、祢音が撃破した敵も同じ文字が浮かんで二体のジ.ャ,マ,ト,は爆破した。すると相手の目の前には【Mission Complete キングトランプジ,ャ,マ,ト,を倒す】の文字が、そしてこちらには【Secret Mission 裏ボス ジョーカートランプ.ジ,ャ,マ.ト,を倒す】の文字が浮かんでそれぞれのデュオに大量に得点が入る。同時にどこからがナビゲーターの声が聞こえてきて『ボスと裏ボスが倒されました!第二回戦は現時点を持って終了となります!』とアナウンスがされて)
これできっと第二回戦も突破だ。僕たちならではの勝ち方だね
(ボスのキングを無事撃破出来たが次のチャンスを見つければ端的に指示を飛ばす。力強い返事に高揚を覚えながら再び弓をジョーカーのジ.ャ.マ.トに向けて構えると息を合わせて最大火力を叩き込んだ。二人の渾身の攻撃ともう一方に祢音の攻撃が同時に当たるとJokerの文字が浮かび上がってそのまま爆破した。一息ついていれば目の前にミッションクリアの通知が表示されて大量の得点をゲットしたのが分かった。相手にも裏ボスの撃破得点が表示されて、これをもって第二回戦の終了がアナウンスされる。これだけの得点が獲得出来たなら間違いなく上位3組には食い込めただろう。ちらりと英寿の方を見ればミッションボックスから獲得したであろうバックルを持ちながら少し驚いたようにもこちらを見ていて優勝経験者を出し抜けたことに口元がつい緩む。変身を解除すると相手と二人で大型バックルに相当する力が出してボスを倒せた喜びを分かち合う。本来の攻略法ではないのだろうがデュオ外の人と協力してはいけないというルールはない。調子の良く声を弾ませながらハイタッチするように手を掲げて)
あぁ、間違いなく俺達の勝利だ!
(二対のジ.ャ.マ,トが撃破され同時に終了のアナウンスが鳴り響く、英寿は自分の予想と全く違う展開になったのに驚いている様子で隣にやってきた景和は『あんなのもありなんだ』と少し嬉しそうにこちらを見つめていた。変身を解除すれば相手と目があって弾んだ声で話しかけられるとこちらも同じく喜びが隠しきれない声で返事をして互いの手のひらを合わせる、周囲には良い音が響き渡って祢音からは『私がデュオなのにー!』と文句が飛んでくれば「悪い悪い」と軽く謝罪をしておいた。そうしているうちに空中にモニターが現れて『それでは結果発表です!上位三組は…』とナビゲーターの声のあと三組が映し出された。三位が自分達のデュオ、二位が相手のデュオ、そしてボスを倒していないのになお少々余裕の点差を持って英寿と景和のデュオが一位と表示されると隣で祢音が『え、あの点数ならキング狙わなくても良かったじゃん』と驚きの声をあげていた。英寿の方を向けば「お前、わざと俺達を煽って大物狙いするよう仕向けただろ。キングを倒す前はお前らが独走で俺達は他のデュオと大差ない点数だった。キングを狙うように誘導して点数を稼がせないようにしその間に他のデュオに逆転させ、自分がキングを倒すことで点数不足で俺達を蹴落とす。いい作戦だったが俺とフィリップの前じゃ通用しなかったみたいだな」と得意げな顔で告げてやって)
会ってもらいたい人物? それはデ.ザ.イ.ア.グ.ラ.ン.プ.リの、ってことかい?
(相手と喜びを分かちあって祢音の文句を軽く流している中、道長の方を見ればこちらはやはり不服そうだった。そうしているうちに空中にモニターが現れて結果が発表される。自分と相手のデュオが上位3組に入ったのは想定内だったがボスを倒してない英寿達が余裕の点差で一位なのを見れば驚いてしまう。あの時橋で集合してた時にはとっくに一位を独走していたのだろう。ならば何故、と考えた所で相手が彼の考えを当てて見せる。高得点のボスキャラを倒しに来た自分達に得点を取らせないように時間を稼ぐことで後に手強いライバルになる経験者を一気に落とそうとしたということだろう。それをひっくり返した自分達の戦法に得意げな顔をする相手を見ればこちらも自然と笑みが浮かぶ。相手の言葉に英寿は意味ありげな笑みを浮かべ『どうだろうな』と飄々とした態度を見せる。隣の景和が今初めて知ったといった顔をしている辺りやはりなかなか掴めない人物だ。いつの間にかナビゲーターが6人の前に現れていて『それでは次回の第三回戦については後ほどご連絡させていただきます。そして左.翔,
太.郎様、フィリップ様。お二人には会って頂きたい人物が居ます』と声が掛かって思わぬ内容に相手の方を見て)
…じゃあ後でな、フィリップ
(狐の思惑を暴いてやるが当の英寿は飄々としている、流石はこのゲームを何度も優勝してきた強者と言ったところか。互いの考えていたことがどうあれここにいる6人が勝ち抜けだ、自分達と参加経験者が残っているあたり順当な順位と言えるだろう。いつの間にか現れた神出鬼没なナビゲーターからゲーム終了の知らせがありまたあのサロンで休息だろうかと思った矢先、相手と自分とだけに呼び出しがあって予想だにしない内容に相手の方を見る。向こうも同じく驚いたのかちょうど目が合った。相手が問いかけるも彼女は『会っていただければ分かります』とハッキリしたことは伝えずに先に歩き出してしまう。下手に騒ぐ理由もなく今は彼女について行くのが良いだろうと相手とまた目配せをして後へと続いた。近場の扉をくぐればサロンのある場所に戻ってきたようで見たことのある廊下を三人で歩いていく。そしてとある扉の前で彼女は立ち止まると『フィリップ様はこちらへ。左様はもう少し先になります』と相手と別れるように言ってきた。この右も左も分からない状況であまり相手と離れたくはないのだがここは見送るしかなく、一言声をかけるとまた彼女と共に連れ立って歩き出して)
え、…ああ、またあとで。…君は何か知っているのかい?
(自分たちだけの呼び出しとなれば何があるのか分からずに相手の方を向く。目が合って相手も状況が読めていないのが分かるがこちらの問いかけにもハッキリとした回答が無ければ今は大人しく着いていくしかないだろう。そうして近場の扉からサロンに移動してそこから廊下に進んでいく。とある扉の前で彼女が止まると自分と相手が行先が違うことが告げられ思わず声を上げる。てっきり二人一緒だと思っていたが呼び出しは別々らしい。あまり気が進まないが相手を見送ると恐る恐る扉を開ける。中は今まで見てきたような不思議な空間にお屋敷の中のような豪華な調度品の並んだ一部屋になっていて、ソファーに相手と同じかそれより少し年齢が上に見える男性が座っていた。こちらを見るなり『あ、えっと…今はフィリップ君で良いんだっけ。待ってたよ』と手招きされる。妙な愛想の良さに戸惑っていると彼は立ち上がってこちらにやってきて『私は君のサポーターのニタリだ。このデ,ザ.イ.ア.グ.ラ.ン.プ.リについて知りたいだろう?』と見知らぬワードと自己紹介と共に今一番知りたいことを提示される。この状況の不審な点への疑いと新たな情報への興味との間で揺れ、後者に傾いた問いを投げかけると男はにたりと笑って『勿論、君が知りたいことは大体知っている。さあ、座ってくれ』と向かい合うソファーに座ることを促され大人しくそこに座ると男の話に耳を傾けて)
サポーター?…それは貴女が俺を応援してるって事ですか?あのゲームにおいて
(ナビゲーターに案内されて通されたのはまたも不思議な空間で一部屋くらいの空間にまるでお城のような豪華な調度品が並べられている。その中央にすえられた玉座に似たソファに一人の女性が座っていた。黒を貴重としたマーメイドドレスを纏った彼女はまさに女王とも言える風格を纏っている。キツめに施されたメイクは彼女本来の目力を何倍にもしていてその瞳がこちらを射抜く。少々面食らいながらも相手が年上の女性ならばと「貴女が俺を呼んだっていう?」といつもの気取った口調で話しかけた。すると彼女は自信を宿した笑みをこちらに向けて『そう。私はゾクル、あなたのサポーターよ』と自己紹介がされた。だがその一言であらゆる疑問が襲いかかってくる。自分を応援してくれるのは喜ばしい事だがそれはすなわち何処かで自分達がジ.ャ.マ,トと戦い競っていたことを見ていたことになる。この様子では街の人間ということでもないだろう。考えが顔に出てしまったのか『分かりやすい子ね。まずはそこから説明してあげるわ。デ.ザ.イ,ア,グ.ラ.ン.プ.リにはね、私みたいなオーディエンスがいるの。あなた達が世界を救う姿をエンターテインメントとして楽しんでいるの』とゲームの真相が明かされれば目を見開いて驚愕し、その後は嫌悪感が胸をよぎって眉をひそめて)
…やけに分かりやすく盛り上がるようなゲームのつくりをしていた理由が分かったよ。それで君もあのゲームを進行している人物も普通の人では無いのだろう?
(促されるまま向かい合うように座って彼の話を聞く。知的に見える眼鏡の奥にギラギラとした興奮のような物を感じなから彼はこのデ.ザ.イ,ア,グ.ラ.ン.プ.リが自分達のような人が楽しむリ.ア.リテ.ィ.ラ,イ.ダーショーだと明かす。先程のゲームの様子もバッチリ放映されていたようでそれを楽しむそのオーディエンスの中で特定の人物を応援して支援出来るのがサポーターらしい。現実離れしたような話だが誰かに向けたようなナビゲーターの説明とちらりと見た事のあるバラエティ番組のように設定されたミッションや隠しボスの存在を思えばまるっきり嘘とは思えない。口に手をやりながら納得の相槌を打てば彼の口角が嬉しそうに上がる。だがゲームの間カメラの存在は感じなかった。そもそもこの空間も転移システムのようなものも現代技術では難しいものばかりだ。じっと男を見てその素性について指摘すれば『やっぱりその頭の良さ、推して正解だったよ。そう、私達は君に合わせた言い方をするなら未来人ってことかな』と告げられ流石に目を見開く。だが過去や未来に干渉出来る手段があることは様々な件で経験済で、今までの全てが未来の技術と言われると納得してしまえる。半信半疑といった態度で考え込んでいれば更に男は調子よく『君の事を知ってからずっと興味を惹かれていてね、君ならば私の見たいものを見せてくれると思ってデ.ザ.グ.ラに推薦したんだ』と続けられ、このゲームに参加するきっかけが彼由来だと知れば「え、君が?」と素直な反応を返して)
なら、そのオーディエンスってのを楽しませる為に風.都.に住む人を危険に、…
(自分達が体を張って行う死闘をエンターテインメントと言い切るのも気持ちのいいものでは無かったが、それよりもそのエンターテインメントのために一般人が巻き込まれているのは我慢ならない。一気に顔を険しくさせて追求しようとするが相変わらず彼女はクスクスと笑って『最初に出てくるのが人の心配なんて、ほんとあなたって私が見込んだ通りの男ね』と見透かされたように言われてしまい言葉が途切れる。その後説明されたところによればジ.ャ.マ.トによって事切れた一般人は後に蘇生されデ.ザ.グ.ラの記憶が消されて普通の暮らしに戻っていくらしい。蘇生されるならば問題ないなんてことは当然なく苦い顔をしていれば『それよりも自分の心配をすべきよ』と言われて再び彼女に視線を向ければ、彼女はこちらに向けて二本の指を立てた。『参加者が.デ.ザ.グ.ラから去る時のパターンは二つ。ひとつは退場、もうひとつは脱落よ』と優勝以外の行く末について説明がされた。退場はゲーム中に死亡した時、それは即ちこの世からの退場も意味しているらしく一般人とは違い参加者は復活することがないらしい。そしてもうひとつの脱落、これはゲームに負けた者に適用されるもので何より厄介なのはカードに書いた願いを願った心自体が失われる事だろう。相手も自分も風.都.の安全について祈ったのだ、つまり「俺達片方が勝っても、もう片方は風.都を想う心を失っちまうってことか?」とたどり着いた驚愕の結論を口にする。その様子にゾクルは楽しげに笑って『そう。この絶望的な状況、あなたならどうする?』と答えの出ない問いが投げられ固まってしまって)
風.都.が…? っ、皆の裏切り者をやれってことかい?
(自分をこのゲームに推薦したと聞けば無意識に警戒してしまうが敵意や悪意といったものは感じられない。『それよりも…もうちょっとこっちに来てくれ』と何かを確認するように辺りを見てから自分を手招きする。眉をひそめながら近付くと内緒話をするように『今言った通り私もこのゲームの運営も未来から来ている。だからもし仮.面.ラ.イ.ダ.ーが全員脱落や退場をしてしまったり、オーディエンスの視聴率や反応が悪ければ運営は今回の舞台である風.都.をめちゃくちゃにしたまま撤退するんじゃないかな。もしくはもっと悪趣味な事をしてもおかしくない』と告げられ大きく瞳を揺らす。もしもそんな状況になってしまえばドライバーを取られている今対処の仕様がない。そしてそれが出来るかもしれない技術はこれまで見てきた。もしかしての可能性に背筋が冷えていると『今の情報は本来プレイヤーには明かされてない物だ。だけど君には伝えておいた方が良いと思ってね』と続けてから彼が離れていく。そしてテーブルの上に置いてあった封筒を手に取り『これは運営から渡してくれとのことだ』と中身を差し出してくる。彼と封筒を交互に見てから中身を開けてみれば【第三回戦 フィリップ様:デ,ザ,ス.タ.ー】と書かれた紙が入っており、その下には具体的な役割と【自らがデ.ザ.ス.タ.ーであること、また第二回戦以降に知った情報を他者に共有した場合即刻脱落とする】との注意書きが書かれていた。運営の内通者として他のプレイヤーを妨害したりした上で正体がバレずに生き残ることでデ.ザ.神の座を乗っ取れる役らしい。ジ,ャ.マ.トを倒すゲームを妨害するということは風.都.を危機に晒すことでもあり、守ろうとする人を裏切るということでもある。思わぬ役割に動揺していると『簡単に言うとそういうことだね。風.都と街の人を守るためにも君がデ.ザ.ス.ター第三回戦を盛り上げ、デザ神の座を奪って君の願いを叶えて貰わなくてはならない。勿論私もできる限りのサポートはさせてもらうよ』と自分の成すべきこととサポートの意思を告げられ戸惑う事しか出来なくて)
プレゼント?…道長と同じ奴じゃねぇか
(ただこのゲームに勝ち抜いて最終的に自分か相手が優勝すればダ.ブ.ル.ド.ラ,イ,バ.ーを取り戻し風.都.に平和が訪れると思っていた。しかしこのルールでは例えどちらかが勝ち抜いたとしても一人はこの街を愛する心を無くしてしまう、二人で一人の探偵さえ出来なくなる可能性もあった。道長の言葉を思い出す、誰かと協力することを極端に嫌ってはいたがこういう事情があるせいなのかもしれない。こんなところで二人であることが弊害になってくるとは思わなかった。このゲームが終わるまでになんとか突破口を見つけなければと思考を巡らせていると相変わらずゾクルは楽しそうにこちらを見つめていて『あなたがこの状況をどう切り抜けるか楽しみにしてる。これはその応援の気持ち』と言ってボックスが机の上に置かれた。受け取り中を見てみれば中に入っていたのは道長と同じバックルで思わず愚痴を言うように彼女の方を見てしまう。だが彼女は相変わらず何もかもを見透かした笑みを浮かべたまま『コアとバックルには相性があるの。さ、そろそろ時間ね。期待してるわ』と見送りの言葉を言われてしまい礼を言ってから謎の空間を出ていった。こちらが出ていってからゾクルはクスクスとまた笑って『にたりがあの子を推薦してきた時はどうかと思ったけど、思わぬ宝石が降ってきたわ。さぁ、見せて頂戴、左.翔,太,郎。あなたが絶望で地に平伏し何度でも這い上がる姿を』とひとり興奮気味に呟いていた。一方で探偵はバックルを服の中にしまいつつサロンへと戻ってくる、相手の姿は見えなくて景和や祢音と軽く言葉を交わしながらソファへと座れば相手が戻ってくるのを待っていて)
…分かった、風.都を守るためにこのゲームを勝ち抜いて見せるよ
(その役割からしてデ.ザ.ス.ターは皆の妨害をする係であり、皆の裏切り者といえる。だがわざわざそんな役割を作るということは未来人のオーディエンスはプレイヤーが疑心暗鬼になって読み合いや蹴落とし合いを望んでいるのだろう。何とも悪趣味な嗜好だが盛り上がるゲームにしなければ風.都.が滅茶苦茶になるという言葉が心を掻き乱す。自分達が守るべきこの街が、相手が愛する大切な街を未来人に好きにさせる訳にはいかない。そうして決意を固めていると『デ.ザ.神が決まれば被害にあった街の人も脱落したプレイヤーもデ.ザ.グ.ラに関する記憶だけ消されて元に戻る。そして二度と風.都が舞台にはならないおまけ付だ。…私にも君の大切な物を守る手助けをさせて欲しい』と真摯な声色で背中を押される。見知らぬ人の掌に踊らされて見世物になっている事は気に入らないが自分が勝てば全てが丸く収まる、そう思えば答えは一つで鋭い目つきで彼を見ながら意志を示すと彼は満足げな笑みを浮かべる。ふと彼が視線を向けた先にはサロンの中を映したモニターがあり、ちょうど相手が戻ってきたところだった。『そろそろ時間のようだね。勿論今の話は相棒である彼にも話すのは禁止だ。一人で心寂しいかもしれないが君には私がついているから』と言葉を贈られる、あまり好ましい印象はないが勝つためには彼のサポートが必要だろう。「ああ、宜しく」と短く返事をすると部屋を後にした。残されたニタリは『あの鋭い視線、未知のことへの興味と聡明さ…やはり彼は孤独で誰にも染まらないからこそ輝く人物だ。だからこそ今彼を歪めて縛る物から解き放ってあげなくては。その為にも今回のゲーム、期待しているよ、園.咲.来.人くん』と一人笑みを浮かべて呟いていた。一方廊下に出てくれば深く息を吐き出す、ここからは相棒にも頼れない一人の戦いだ。顔色に出ないように気持ちを整えてからサロンに戻ってくると景和や祢音が声を掛けてくれる。それに軽く応じながら相手の元に向かうと「サポーターという人物と少し話し込んでしまった。君の方にもいたのかい?」とあくまで自然に相手の方について探るように問いかけ)
お前もサポーターに会ってたか。俺の方は特別美しいお姉様で…そんなことよりお前と相談したいことが、
(景和と祢音と話していれば相手が戻ってきて隣へと座る、どうやら向こうも同じくサポーターに会っていたらしく何やら話をしていたらしい。この調子だと何度もデ.ザ.グ.ラに参加している他のメンバーにもサポーターがついているのかもしれない。ゾクルのことを思い出しつい口を滑らせてしまうが今はそんなことを話している場合ではないと軽く頭を振る。ただこのゲームを勝ち抜くだけでは二人揃って元の世界へとたどり着けない。解決策はまだないがひとまず情報共有すべきだろうと口を開くがその前にナビゲーターの『皆さんにお知らせです!』という声で出かけた言葉はかき消されてしまった。全員の注目が集まる中ナビゲーターは端末を腕に抱えながら『第三回戦に向けて数点皆さんにお伝えしておくことがあります。まずひとつ目は今後参加者同士でデ.ザ.イ,ア.グ,ラ.ン.プ.リの情報を交換することを禁止します。違反した場合は最悪退場になりますのでご注意を』とアナウンスがされて思わず相手の方を見た。これからの作戦を立てるためにも相手と話し合わなければならないのに。相手もサポーターから何かしらの話をされているはずだ、この状況を打破するためにも情報交換が必要なのに早々にそれを封じられるなんて。何かしら運営の意図を感じながら続いてナビゲーターは『二つ目ですが、皆さんの中にはデ,ザ.ス,タ,ーが潜んでいます。デ.ザ,ス.タ.ーは他のライダーを妨害しジ.ャ.マ.ト.側に味方をする秘密のミッションが与えられています』と新たな要素を明かして周囲の空気が一瞬でピリついた。ゆっくりと呼吸すると「つまりデ.ザ,ス,タ,ーってのは裏切り者のスパイってことか」と状況を整理するように呟いて)
…、そういうことになるね。
(相手のサポーターについて探ろうと問いかけを投げると少々デレデレした内容の言葉が返ってきて思わず鋭い視線を向ける。どうやら相手のサポーターは年上の美女らしい、相手の悪女運を考えるとろくでもない気がすると考えながら相手が何か話しかけようとするが途中ナビゲーターが声が挟まってたち消えた。皆がナビゲーターに注目すると全体に向け情報交換の禁止が言い渡される。ゲームを有利に進めるため、あるいは運営について探るために相手が得た情報や経験者4人の話も聞きたがったが早々に封じられてしまった。だが元々デ.ザ.ス.タ.ーとしても情報共有が禁止されているのを思えばルールだからと秘匿出来るのは潜む上で悪いことではなくて僅かに肩の力を抜いた。そして2つ目としてデ.ザ.ス.タ.ーの存在が明かされる、その瞬間辺りにピリッとした緊張感が走って伺うような視線が交錯する。その中で相手が整理するように頷いた【裏切り者】という敵意のあるワードにズキっと胸が痛みながらそれらしい肯定の返事をした。プレイヤーの反応にナビゲーターはにっこりと微笑むと『それだけではなく、デ.ザ.神が決まった際デ.ザ.ス.ターが生き残っていた場合その座を奪い取ることが出来ます。そのため皆様にはゲームの節目ごとにデ.ザ.ス.ターだと思う方一名を選んで投票して頂きます。そして一番票が多かった人はデ.ザ.ス.ターか否かを問わず追放、つまり退場となります』と説明を続ける。つまりゲームをしながら疑われないようにミッションをこなして投票もかいぐくる必要がある、その難易度の高さに眉を顰めながら「疑われるような行為は謹んでゲームに貢献した方が良さそうだね」と一般的な攻略法について相手と共有する。そんな中『そして三つ目、今回のゲームでは先ほどの情報共有に関するルールも含め不正を防止するため、皆様にはここで共同生活を送って頂きます!』と宣言され、初めて聞く情報に「え、」と戸惑いの声が零れて)
そうだな。勝手にデ.ザ.ス.タ.ーに仕立てあげられちゃたまったもんじゃねぇぜ。…はァ?!聞いてねぇぞそんなの!
(ゾクルの底は読めないのにどうしてもその美貌に釣られてしまいつい『美しいお姉様』なんて言い方をしてしまえば相手の鋭い視線が飛んでくる、事務所に来る依頼人と違って相手はゾクルと会ったわけではないのだから余計な事は言わない方が良さそうだ。三回戦に向けてルールが追加されていく中、デ.ザ.ス.タ.ーについてはつい悪いように言ってしまう。先程彼女から聞いた情報が耳に残っていて風.都.を荒らす敵に味方するならばと裏切り者というワードが口をついて出てしまった。その星が自分の隣にいる相棒だとは欠片も思わないでいると英寿が『そういうお前がデ.ザ.ス.タ,ーじゃないのか?』と鼻で笑いながらカマをかけてくる。スカした態度は相変わらず気に入らなくて文句を言おうとするがその前に共同生活が発表されて思わず叫んでしまった。驚愕が渦巻いてもナビゲーターは意に介さず『なおこの共同生活も全てオーディエンスの皆様に配信されます。オーディエンスの皆様も誰がデ.ザ.ス.タ,ーかを予想して投票していただき、内容がゲームに影響を及ぼす事もありますので気をつけて生活してくださいね』と更なる情報が追加されて言葉を失ってしまう。共同生活だけでなくその全てが他人の目に晒されるなんて、これでは相手と二人きりになる時間、恋人としての時間を過ごす隙間なんてない。息の詰まるような内容に全員が何も言えずにいると『それでは失礼します』とナビゲーターは一礼してそのまま去ってしまって)
…なんというか、気の抜けないゲームになりそうだ。ひとまずそれぞれが快適に過ごす為にも自分の場所決めでもしようか。
(そういう役割とは言えデ.ザ.ス.タ.ーについて悪い印象を隠さず敵意にも近い口調で意見を言う姿を見れば以前相手から向けられた目を思い出して心が乱される。そんな状態で共同生活とその様子が配信された事が説明されると思わず固まってしまう。ゲーム中だけでなくその他の日常の時間もデ.ザ.グ.ラの見世物の一部であり、未来人にとってのエンタメということなのだろう。皆が何も言えないでいるとナビゲーターは一礼してそのまま去っていく。そこで一旦僅かに空気が緩まるとため息混じりに感想を口にする。オーディエンスの投票結果もゲームに影響するならそれこそ気の休まる時間なんてないだろう。自分の役割を考えれば尚更だ。こんな時にドライバーがあれば他の人にバレずに2人で相談したりも出来るのだが今はそれも叶わない。何とも言えない空気になっていればひとまずそれぞれのスペースを決めることを提案する。場所取りで恨みを買って争い会うのはオーディエンスのみたい展開でもないだろう。初めに祢音に端の大きなソファーを譲ると後の男性陣で場所を決めておく、それらしく五等分場所を決めたところでこっそり相手に近付くと小声で「配信されているならいつもの様には寝られなそうだ」とぽつり呟くように伝えて)
(/お世話になっております。ここからの話の展開についてご相談させて頂きたくお声かけしました。やっと本題と言った所なのですがこれからどういった流れにするか、またゲームをそのまま利用するか他のものにするかで悩んでおりまして…。ふわっとしたイメージでは最後に二人+狐組の1人が残って探偵君の票で結果がきまるといった所まで持っていきたいと考えていたのですがエンドを順当に片方脱落→想いを無くした方を復活させる方に振るか何かしらで運営とサポーターの思惑を破って勝利!にするかで色々変わる為探偵様のご意見やアイデアがあれば是非お聞かせくださいませ。)
だな。こういうのはレディファーストだ。まずは祢音から決めてくれ。野郎共はジャンケンでもして決めようぜ
(この中に裏切り者がいるという状況で仲良く共同生活など送れるはずもない、せめて表面上だけでも和やかにしておきたいところだがちょっとした言動で自分がデ.ザ.ス,タ.ーだと疑われてしまうのなら全く気が抜けない日々になるはずだ。それをエンターテインメントとして消費するなんて、つくづくこのゲームを主催する連中もオーディエンスもタチが悪い。とはいえドライバーを取られ突破口もないこの状況ではルールに従うしかないだろう。相手の提案にこちらも乗っかってそれぞれの場所を決めていく。相手とは一応場所でいえば隣にはいるがそれはいつもの横並びとは全く違う状況だ。それぞれ独立したソファに眠る配置では相手の寝顔すら拝めない。各自が自分の寝床を整える中で相手がこちらに近づいてくれば小声で話しかけられる、それがこちらと全く同じ考えであれば思わず息を詰まらせてしまった。顔が赤くなりそうになるのを必死に抑えながら「当たり前だろ!…しばらくはお預けだ」と最初こそ叫ぶものの最後には少々物足りなさそうにポツリと呟いて)
(/こちらこそお世話になっております!ここまで熱くお話を展開できましたのでこちらもこの後どう持っていくか悩んでおりました。一旦間を飛ばしましてデ.ザ.グ,ラの決着の付き方には2パターン案がありまして、ひとつ目が映画のように狐くんが『風,都,の探偵が街を愛する心を失わない世界』とカードに書いていて元の生活に戻れるパターン。もうひとつが最終決戦時にドライバーを取り戻しダブルとしてデ.ザ.神になることで『ひとりが勝利した』カウントになり二人共願う心が消えないパターンを考えておりました。デ.ザ.ス,タ.ーの最終投票を挟むなら検索くんがスパイと指摘されてリタイア→狐くんと最終決戦になりダブルとして検索くんの意識だけを呼び戻し勝利する、というお話ができそうです。またサポーターを絡めるなら探偵はデ.ザ.グ.ラ.自体を止めるべきという思想にのめり込んで、探偵と狸くんがサポーターに唆されて運営のドライバーを奪取→ラ.イ,ダ,ー,バ,ト,ルに発展していき最終的に運営のドライバーを手にしたサポーターをダブルと狐くんで撃破、デ.ザ.グ.ラの勝敗は有耶無耶になりドライバーを運営に返してデ,ザ.グ.ラは次の舞台へと移っていく、みたいなのを思いつきましたが……あくまでもざっくりな考えですのでもし検索様がやりたい事や思いついたことなどありましたら教えてください!)
…早く全部終わらせてうちに帰ろう。僕達が出来るのはそれだけだ。…、行こう、翔太郎。
(それぞれが寝床を整える中で相手の元にやってきて思ったことを告げると相手が息を詰まらせるのが分かった。いつもならもっとからかったりスキンシップをする所だがそんな顔を誰だが知らない未来人達に晒す訳にはいかない。少なくともこのゲームが終わるまでは一般的な距離感で居なければならないだろう。相手からもツッコミが入るが少し間を開けて聞こえた呟きは今の自分と同じ気持ちであることを示している。相手にだけ聞こえる声で決意と今からすべきことを告げる。自分達の大切なものを守るためにもこのゲームには勝たなくてはならない、例え他の人を相手を欺いてでも、だ。改めて自分のやるべき事を考えていれば無意識に思い詰めた様な暗く硬い表情になっていたが向こうの方から『翔太郎!フィリップ!GMがご飯用意してくれたんだって』と祢音から声が掛かって意識と視線をそちらに向ける。美味しそうな匂いもしてきてずっとゲーム中戦ってきたのもあってお腹がすいて来た。改めて相手を見た時には夜ご飯に期待するような笑みを浮かべては一緒にカウンターの方に向かって)
(/後者のふたりでひとりカウントめちゃくちゃ好きです!サポーター運営絡みの件も気になるのでいいとこ取りをして最終投票で検索を追放してリタイア→デ.ザ.ス.ターが居なくなったのでゲームを変更して一騎打ちへ→狐君の機転やオーディエンスの要望などで盛り上がる戦いが出来るようにドライバーの返却・変身、検索の意識を呼び出し→二人の意思疎通が測れるようになったことからルーレットの件や今からのゲームでの過度なやらせや運営のルール違反などを告発→狐くんと一緒にVS運営orサポーター、みたいな流れにするのも良いかなとも考えました。それとせっかく素敵なサポーターも考えて頂いたのでもう少し絡みが見たいのと探偵君とニタリ、検索とゾクルを接触させたら面白いかもと思っております…!)
それは、…フィリップ?…、あぁ
(寝床まで指定され相手との距離感さえ奪われてしまった状況で胸を擽られるようなことを言われればどうしても相手にしか見せられない隙を見せて少々弱気なことも口にしてしまうものだ。本当はこのまま相手を腕の中に閉じ込めて安心できる場所を確かめたい、そして先の見えないこのゲームの突破口を相手と探したい。いつもの様に。だがそれは今叶わない事で全てを終わらせようと相手から声が掛けられる、しかしその方法が分からないからこそ次の一歩をどう踏み出すべきか決められなくてきちんとした返事が出来ずにいた。しかし相手の言葉も途切れて目を向ければその表情は何処か硬くて思い悩んでいるのは明らかだった。思わず相手の名前を呼ぶも直ぐに祢音から声がかかって相手の表情は元に戻ってしまう。この状況では相手の心配をすることさえままならない。ため息がでそうになるのを押し殺して返事をすればカウンターの方へ向かった。用意されていた晩飯はカレーにサラダ、それに唐揚げで「合宿の飯みてぇだな」と思わず突っ込む。祢音と景和がテーブルをセッティングしてくれたようで道長以外がテーブルを囲うようにして座ると全員で手を合わせて「いただきます」とそれこそ合宿のように皆で口を揃えて)
(/気に入っていただけたようで何よりです!狐くんがカッコイイのもいいんですがやっぱりダブルの二人が輝いて欲しいですからね!
そして流れも考えていただいてありがとうございます!それでは最後は狐くんと一緒にVSサポーター戦にしニタリとゾクルを撃破、これを見た運営がオーディエンスにデ.ザ.神に相応しい方へ投票を呼びかけ→ダブルが選ばれる、なんて流れはいかがでしょうか?
そしてそしてぜひぜひ互いのサポーターと接触する場面もいれさせていただければと!ニタリも検索くんへの執着だとか孤独であるべきみたいな変な決めつけがあってサポーターとしてめちゃくちゃ魅力があるので探偵と接触させてみたいです。ですのでこの後は本編と同じく校長,ジ,ャ,マ,ト狩りをして一名脱落、その後互いのサポーターと会ってさらに疑心暗鬼になりながらジ.ャ,マ,ー.ボ,ー,ルが始まり二名脱落、あとは予定通りな感じでいかがでしょうか?)
いただきます。…こうやって食卓を囲むのも何だか新鮮だ。
(自分が今からやらなくてはいけないことを考えていればつい難しい顔をしてしまっていた。声を掛けられそれに気付くがちょうど良いタイミングで向こうから呼ばれるとそれに応える形でカウンターに向かう。美味しそうな食事とテーブルがセッティングされていて早速座ってみるも5人だけで一人居ない。ソファーの方に顔を向けると道長は一人でそっぽ向いて先に食事をしていてどうやら馴れ合うつもりはないらしい。そんな態度も三人にとってはお馴染みのようなものらしく、気にしないまま皆に合わせて手を合わせ、お決まりの挨拶をしてから食事を開始する。出来たてで熱々のカレーと唐揚げはオードソックスかつ満足のいく味付けでサラダもみずみずしい。充実した食事に先程走っていた周囲の緊張は幾らか解けていて、自分も相手と二人か所長を含めた三人での食事以上の人と囲む食卓に新鮮さを感じていた。すると食事をしながら『さっき翔太郎がフィリップのこと相棒って言ってたけど二人で何かしてるの?』と祢音に問われる。情報共有が禁止なのはデ.ザ.グ.ラに関することであれば「僕と翔太郎はこの街で探偵をしているんだ」と返す。すると景和とこっそり英寿も反応したのが見えて『へぇ、探偵って本当に居るんだ』と興味の視線向けられ)
(/その後の流れもそちらで問題ありません、では大体の流れはそんな感じで更に入れたい描写があったらいつものように盛り込むと言った感じに致しましょう!
是非是非煽ったり理解者面したりと更に疑心暗鬼にしたり推し以外に見せる表情を見たいですし、恋人のサポーターを見た二人も見たいです。この後の流れもそれで問題ありません。全部やろうとすると長くなりそうではありますがこの世界ならではの2人が楽しめたらと思います…!他に相談することやご規模がなければこちら蹴りで大丈夫です。)
俺達はこの街に泣いてて欲しくねぇ。だから探偵としてこの街の人の涙を拭ってんだ
(二人の間に微妙な空気が流れたのも食事が始まれば流されていって一転穏やかな夕飯が始まる。二人のことを問われると相手がこの街の探偵なのだと答えて二人に注目が集まる。それならばといつも通りハードボイルドな探偵らしく自分達の在り方をキメ顔と共に語ると景和は目をキラキラと輝かせて『おーかっこいい!』と尊敬の念を向けられた。こうもストレートに褒められることは余りなく調子づいて「ハードボイルドな俺には当然のことだぜ」とさらに続けて答えていた。祢音はハードボイルドの部分はスルーしていたが『だからフィリップのこと相棒って言ってたんだ。なんか二人ってお互いのことすっごい信頼し合ってるもんね。阿吽の呼吸って感じ』と二人のことを褒められると嬉しさを滲ませた笑みを浮かべて「そこまで言って貰えると光栄だな。こいつは俺の唯一無二の相棒だ。どんな時も、例え窮地に立たされても、俺は絶対にこいつの隣にいて最後まで信じ抜いて戦ってみせる」と無意識のうちに決意表明を語って)
僕にとっても翔太郎は大事な相棒だ。運営はこのゲームで疑心暗鬼にしたいようだけどこれくらいでは僕達の信頼は崩せないよ
(探偵という職業が珍しいのか注目が集まる、相手がいつものかっこつけたスタンスを明かせば景和は純粋な尊敬の目を向けていて相手は分かりやすく上機嫌になる。そういう所がハードボイルドではないのだがツッコミは野暮だろう。どうやらデュオの時に自分のことを祢音に紹介していたようで褒められると何だか擽ったい。だが心底嬉しそうな笑みを見せてこのゲームへの意気込みのようなものを聞けばちくりと罪悪感が胸を刺す。ゲームのルール上とはいえ今からこの信頼を利用する立場になると思うといつものように素直に喜ぶことは出来なかった。だがこの運営のことを思えばゲームを放棄することも出来ず、相手に続ける形でこちらも大事で信頼しているのだと告げる。その上でさっきのぴりっとした疑い合う空気に対抗する姿勢を見せると『そういう関係憧れるな』と彼女に羨ましがられてしまった。そういえば先ほどから会話に入ってないと英寿の方を見ていれば依然と飄々としたような表情で話を聞いているようだった。だがその視線に探るような物も含まれている気がして無意識に背筋が伸びる。やはりなかなか読めない相手だ。その後まだ詳しく自己紹介していなかったからとそれぞれの職業や身の上話をしながら食事を進めていき、食べ終わると「ごちそうさまでした」と手を合わせて)
……お前もなかなかお人好しなんだな
(自分達の自己紹介のあと他の三人と、巻き込まれ気味に道長の身の上話もしながら食事を進めていく。英寿の職業を聞いた時に『ス.ター,・オブ・.ザ・ス.タ,ーズ・オ.ブ・.ザ・ス.タ.ー,ズ』と名乗られた時は一瞬時が止まった気がしたがそういう所も含めて読めない男というのがよく分かった、狐に相応しいと言えよう。景和と祢音は親しみやすかったがこのゲームの常連であるなら侮れない存在であるのは確かだ。実際全員が穏やかに会話をするだけでボロらしいものは出てこなかったのだから。食事が終わって手を合わせると特にやることもなくてそれぞれ交代で風呂へと入っていく。景和と最後の順番を譲り合った後結局景和に甘えて最後から二番目に風呂に入りバスタオルで髪を拭きながら廊下を歩く。すると廊下の先に道長がいて静かに壁に背を預けて佇んでいる。特に用事もなく横を通り過ぎようとしたところで『俺は忠告したからな』と言われて思わず足を止めた。ようは相手と協力するなと言いたいのだろう、だがあの食事の場で相手への信頼は確認したばかりだ。それに、どんな状況であろうと相手が自分の相棒であることは揺るがない。軽く鼻で笑って揶揄うように言ってやれば舌打ちして道長は去ってしまう。ふと傍にある扉を見つめる、そこでゾクルから言われたことを思い出すと表情は硬くなってしまってその顔のままサロンに戻ってくると自分の寝床であるソファへと座って)
おかえり。…表情が硬いよ、何かあったのかい?
(意外な話が飛び出したりしながらも賑やかに食事が終わって片付けを手伝う。それからは特にやることもなくて譲られるまま三番目に風呂に入っていた。一人になって試しに地.球.の.本.棚に入ってみたがデ.ザ.グ.ラのことは出てこなかった。やはり未来のことは記載されていないのだろう。いつもと違うシャンプーなどの匂いと服で出てきて交代を告げる。サロンでは各々が好きに過ごしていて今日はこのまま就寝の流れだろう。本当は情報交換禁止ルールの対象外でもあるニタリと接触して何か更なる情報を得たい所だが一人だけ不在だと不審に思われる可能性は高い。結局は軽く景和などと会話をしてから自分のソファに戻ってきてサロンにあった適当な本を読んでいた。そうしていると隣のスペースの相手が風呂から帰ってきて声を掛ける。だがバスタオルの間から見えた相手の顔は硬く暗いように見えると体の向きを相手に向けて声を掛ける。だが自分と同じくサポーターから聞いた話ならばその相談に乗ることが出来ないことに気付くと「…ルール違反ならその内容は聞くことは出来ないがそれに伴う感情の共有などはセーフなはずだ」と言葉続けて)
フィリップ……お前の予想通り理由はちゃんと言えねぇんだが…俺達でデ.ザ.グ,ラ自体を止めねぇか?
(穏やかな食事の時間は過ごしたものの問題は何も解決していない、道長とゾクルの言葉でまた答えの出ない考えを巡らせていると相手から声を掛けられる。どうやら顔に出てしまっていたらしい、これではデ.ザ.ス.タ.ーの探り合いでは不利に働いてしまう。表情を整えながらも相手からは運営の情報には触れずに相談に乗る案を受けて幾らか詰まっていた息が通る気がした。やはりどんな状況でも信頼できるのは相手だけで何より安心することが出来る。あまり他の参加者には聞かれたくない内容で相手の寝床であるソファまでやってくると友人の距離感で座って少し声量を落とすと情報交換を禁止される直前に相手へ伝えようとしたことを伝える。その理由を伝えられないのは歯痒いがこのまま進んでいってもどう展開が転ぼうが二人にとっては負けなのだ。それならばそのルールを敷いているこのゲーム自体を壊してしまえばいい。つまりはノーゲームに持ち込めば良いのだ、「決着がつかないように遅延行為するとか全員に点数が入らないように立ち回るとか…つまりオーディエンスにゲーム自体をリセットさせたくなるような状態にしちまえばデ,ザ.グ,ラ自体がなくなって俺達はゲームから抜けられるんじゃねぇか?」と苦肉の策を相手へと共有して)
デ.ザ.グ.ラを? …っ、それは駄目だ。ゲームを放棄したら、きっと、もっと酷いことになる。
(肝心なことは伝えることは出来ないがそれに伴う不安や考えを共有したり言葉にするだけでも少し変わるはずだ。そうして提案すると相手がこちらのソファにやってくる。普段の距離からしては少し離れているが今はこれが精一杯だ。そうして具体的な内容を伏せながらこのゲーム自体を止める案が出されると思わず目を瞬かせる。相手の言う通り遅延行為でゲームをまともに進行出来ないようにすればオーディエンスや運営がつまらなさを感じてゲームを放棄する可能性は確かにある。何も知らなければその案に賛成したかもしれないがそうなった時に運営が何をするかを聞いてしまった、そうでなくとも風.都.にジ.ャ.マ.トを大量に送り込むだけで自分達の街の平和は壊れてしまうだろう。地.球.の.本.棚を持っても分からない技術を持った者に歯向かう無謀さと街のことを考えると反射的にこの意見に反対の言葉を告げる。こちらも理由はちゃんと言えないが僅かに視線を伏せると迎えてしまうであろう結末を口にした。再び視線を相手に向けると「何か打開策があるなら別だけど、ゲームは続けるべきだ」と強ばった口調で真反対の意見を伝えて)
…、…ならせめて俺達はダ.ブ,ル.ド.ラ,イ.バ,ーを取り戻す方に切り替えるべきだ。このまま進んでも俺達が勝つことはねぇ。まともにゲームに参加すべきじゃねぇんだよ
(まともな路線で勝つことが出来ないのならそれこそ卓袱台をひっくり返すように全てを根底から覆してこの状況から抜け出すしかない、それこそこのゲームのルールに従ってやる義理なんて本来はないのだ。しかし相手は勢いよくこちらの意見に反対の意を唱えて今度はこちらが目を瞬かせた。相手は地,球.の,本,棚で検索を行ったのかそれともサポーターに何かを言われたのか、ゲームの放棄は悪い方向へと転がっていくのだと主張する。確かに自分達がゲームに非積極的ならば運営が何らかのテコ入れを行う可能性はあるがこのデ.ザ.イ.ア,グ.ラ.ン.プ.リではオーディエンスの意見も強く反映されているように思う。つまりはオーディエンスの心理を新たなゲームの方に切り替えてしまえばこのゲーム自体が撤退していくか、もう一度あのカードに願いを書くチャンスが回ってくるかもしれない。本来ならば他の参加者に意見を聞きたいところだがそれも許されていない、持ち合わせているのはゾクルから聞いた情報だけだ。他の打開策として自分達のドライバーを取り返す案も提示するがこれもこのゲームと運営に歯向かう為の手段だ、相手を真っ直ぐ見つめながら「俺達二人の力なら乗り越えられるだろ」と自分の意見を曲げずにいて)
ダ.ブ,ル.ド.ラ,イ.バ,ー…、確かにアレがあれば幾らかやりようがあると思うけど…。
(肝心な事が伝えられないせいか2人の意見は噛み合わない。こんなゲームにまともに参加するべきではないという想いも勿論あるが何も情報がないまま無闇に歯向かってもどうにもならないのもまた事実だろう。少なくとも願いを叶えてくれるのは事実であり、あくまで番組という形を取っているならデ.ザ.神になることが一番穏便に事を済ませられるのではないかと後ろ向きな安全策ばかりが浮かぶ。相手は意見を曲げる気はないのか他の打開策を口にするがそこで自分達のドライバーの名前が上がると反応を示す。運営の干渉が無くルールにデ.ザ.グ.ラのルールに縛られることのない力、それがあれば今の状況を覆せるかもしれないがデ.ザ.神の報酬となって今は行方がしれない。取り返す方法なんてあるのだろうかと歯切れ悪く呟く中、このままでは良くないと主張する相手の口調は何処か切羽詰まったような確信めいた様子でその先の事を知っているようだ。僅かに伏せていた視線をあげるとまっすぐと見つめる瞳と目が合う。そして今までと同じく二人なら何とかなると言われるとデ.ザ.ス.ターとしてきめた決心が揺らぐ。今の状況では判断がつかなくて僅かに視線を逸らすと「そうだね、どちらにしろ明日のゲーム中に早々に脱落してしまっては打つ手はない。何か出来る事や情報を探りながら機会を伺った方が良さそうだ」と可否を明確にしないまま冷静に明日の行動について意見を述べて)
…、…つまり、お前は明日も真面目にデ.ザ.グ.ラに参加するってことかよ
(デ.ザ.イ.ア,グ.ラ.ン.プ.リという枠組みに囚われない自分たちの力であるダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーならきっと打開策を見つけられる、そもそもいつだって窮地に立たされた時は相手と相乗りし二人で一人として乗り越えてきたのだ。ゾクルに一部しかルールを教えられていないとはいてデ.ザ.グ.ラ.の枠の中ではどうしても元の生活には戻れずそれこそ相手の言葉を借りるならばもっと酷いことにしかならないのだ。その事を真っ直ぐ相手を見つめ伝えたのに相手からは目を逸らされてしまいズキリと胸に痛みが走る。互いに情報交換できないばかりに足並みが揃っていないことは分かっているのだがそれでも今自分の手札から見れば相手は袋小路に突っ込んでいくような、または破滅に突き進んでいるようにしか見えなかった。相手からは続いて当たり障りのない返事が返ってきてゲーム続行という変わらない答えが告げられる。足並みが揃わない歯がゆさについ棘のある言い方をしてしまえばこちらも目を逸らして体を正面に向けた。だが情報が不足しているのも確かで「まだデ.ザ.神が決まるまで時間があるし、デ.ザ,ス,タ,ーも誰か分かんねぇしな。もう少し調査続けるか」と一応は相手に同意するものの何処かぶっきらぼうな言い方になってしまって「おやすみ」と相手の目を見ないまま告げると自分の寝床へ戻っていって)
…っ、…おやすみ。
(英寿を除く3人は経験者かつデ.ザ.神になったことが無いとならば今までゲーム中に脱落した経験がある可能性が高い。それでも彼ははこのゲームに意欲的に見えて心配していた脱落によるデメリットも無さそうだった。今自分の持っている情報では下手に運営の機嫌を損なうよりも素直に従って風.都.を平和にしてもらう願いを叶えてもらった方が利口だと言う考えが捨てきれない。自分がデ.ザ.ス.タ.ーで今回のゲームのオーディエンスからしたら見所を担っているとしたら尚更だ。そんな状態では相手の真っ直ぐとした視線が耐えられずに逸らすとそれらしいことを告げる。すると棘のある言い方で考え方が違うことを指摘され再び視線を向けた時には相手は正面を向いてしまった。自分のこの情報を知っていれば納得してくれるはずなのに、新たな機転をきかせてくれるはずなのに一人と一人になってしまって情報の伝達が塞がれた今では考えがまとまらない。こちらが何も言えないでいるとそれらしく会話がまとめられるがその言い方はやはりぶっきらぼうだ。結局目が合わないまま就寝の挨拶がされると短く同じ言葉を返して寝床に戻っていくのを見送る。相談してスッキリするはずがモヤモヤした気持ちが残ることになってしまったがどうしようもない。何にせよ本番は明日からだ、万全な体勢でいられるようにさっさと寝てしまおうと横になるがいつもの温もりが無ければなかなか眠気がやってこない。何もやることが無ければ余計なことを考えてしまいそうでそれを遮るようにも頭まで毛布を被って丸まると無理やり目を瞑る。そのまま小さくなっていれば僅かにある眠気の波を掴まえてゆっくりと眠りに落ちていき)
……昨日のアレか
(相手の就寝の挨拶を背中に聞きながら自分の寝床へと戻る、相手のおやすみを遠くに聞くのもひとりで寝転がるのも昔は当たり前だったはずなのに今や有り得ないものになってしまっている。何もかもが違う寝床ではサロンの電気が消えてもなかなか寝付けず、しばらく今後のことを考えながら天井を眺めていたがやはり答えは出なくて結局は無理やり目を閉じて眠りに着いた。翌朝、またもGMが用意してくれた山盛りのサラダと焼鮭と味噌汁という合宿のような朝食を道長以外のみんなととる、二人の間に流れる空気が微妙に気まずくなっているのを察してか景和がよく喋ってくれてひとまずは助かった。その後一息入れてからナビゲーターがやってきていよいよ第三回戦が始まる事が告げられてあの祭壇のような場所に移動するように言われる。その間もこの並行状態で相手に何を話せばいいか分からずまともに口を聞けずにいた。だが今はまだ相手の言うように情報を集める時期なのかもしれない、参加者から得られないならばゲームが運営される中から推測するか、もしくはサポーターから話を聞くしかないだろう。今は焦っても仕方がないと言い聞かせているとナビゲーターから『今朝までの皆さんの様子をみてオーディエンスの皆様には誰がデ.ザ.ス,タ,ーなのか予想投票していただきました!』と案内が入り宙に浮かんだモニターに円グラフが表示される。円グラフでは圧倒的に自分の面積が大きくて目を見開く、つまりデ.ザ,ス.タ,ーだと疑われているのだ。全員の視線が一斉にこちらへと向く、どうやら昨日相手にゲーム自体を止めようと持ちかけたのが怪しく見えたか、もしくは怒りを買ったのか、どちらにせよ心証は良くなかったらしい。無言の視線に耐えきれず「俺じゃねぇからな」と一言断っておいて)
(/お世話になっております!第三回戦の校長.ジ.ャ,マ.ト探しですがジ.ャ.マ.ト,ボ,ー,ルもありますので特段やりたい事がなければさらっと流してしまっても良いかと思います!もし検索様がご希望の展開があればじっくりやるのもありかと思いますので流れ作って下されば乗っかりますので!よろしくお願いします/こちら蹴りで大丈夫です)
…デ.ザ.ス,タ,ーはゲーム中に妨害してくる役なのだから今の段階で判断するのは早計だろう。
(翌朝、各々が目を覚ましてGMが用意した朝食を囲むがやはり相手との間に流れる空気は気まずいままだ。それを察してか景和達がよく喋ってくれて暗い空気にはならなかったが昨日信頼する相棒と伝えた手前不思議そうな視線が刺さった。間もなくして第三回戦を行うことが告げられ着替えてからあの場所に移動する。早速ゲームが始まるかと思ったがオーディエンスの予想投票と称した円グラフがモニターに表示される。そこには相手のアイコンの割合が圧倒的に大きく表示され、自然と皆の視線が相手に集まる。対して自分の割合は殆どなく客観的に見ても怪しまれていないことは好都合だが相手が脱落するのは避けたい。相手がデ.ザ.ス,タ,ーでないことは一番自分がよく分かっているのだから。冷静な意見としてさりげなくフォローを入れると英寿も『デ.ザ.ス,タ,ーは尻尾を隠すのが役目だからな。誰が化かしに来てもおかしくない』と相変わらずの笑みで言葉を続けた。今後も定期的に予想投票を行うと案内があった後『それでは第三回戦、校長.ジ.ャ,マ.ト探しを開始します!』とナビゲーターが宣言すればまた目の前の視界が白く染まった。降り立ったのは何処かの学校のグラウンドで状況を確認していると端末に通知が入る。詳細なルールが書かれている中で更に舌にスクロールすれば【デ.ザ.ス,タ,ーミッション:他のプレイヤーに優等生ジ.ャ.マ.トを計三回攻撃させる】と書いてあった。個別通知をそれぞれ確認すると校長.ジ.ャ,マ.ト探しをするために校内へと入った。序盤シークレットミッションでニ.ン.ジャバックルを手に入れると教室で静かに勉強している優等生ジ.ャ.マ.トの足に密かにクナイを掠らせ喧嘩を誘発する形で戦闘に巻き込んだり打開策がないという空気を作り出し、痺れを切らした道長派手に壁を壊す方向に行動を誘導して間接的にその部屋にいたジ.ャ.マ.トを攻撃させたりしてミッションをクリアする。だが皆で校内を探しても肝心な校.長.ジ.ャマ.トが見つからなければ近くに居た景和に「そもそも校長っていうのは通常何処にいるような人物なんだい?」と単純な疑問を尋ねて)
(/お世話になっております。こちらも二回ゲームをしたら長いかなと思っていましたのでさくっとダイジェスト気味に流してしまいましょう。投票→結果発表→追放の辺りは是非やりたいと思っているので何か良い感じにまとめて頂けると幸いです、その最中の行動も好きに作っちゃって貰って大丈夫です。よろしくお願いいたします。/こちら蹴りで大丈夫です)
くそ!なんでこの学校校長室ねぇんだよ!職員室にも校長ジ.ャ,マ,トいねぇし……穴でも掘って地下に逃げてんのか?
(デ.ザ.ス.タ.ーの容疑者として全員の目が一斉にこちらを向き居心地の悪さを覚える、相手のフォローとついでに英寿の言葉で皆もそれぞれに納得したのか目線は外れて気持ちを切り替えどこかの学校へ転送される。だがデ.ザ.ス.タ,ーの尻尾を掴まなければならないのはこちらも同じ、ミッションをクリアしながら参加者のこともこのゲームのことも探らなければならないのだ。精神統一するように軽く息を吐くと全員が一斉に変身する、すると道長はこちらが同じバックルを使っていることに気がついて舌打ちをしていた。その後もバックルが同じということは生来の性格が同じなのか何かと狩場が被ってしまい度々道長と衝突することになって、何やらミスでも犯したのか段々イラつきが大きくなった道長は最終的には痺れを切らしてこちらに攻撃を加えて妨害されてしまった。悪態をつきながら視界の端に移ったジ.ャ,マ,トを倒してみるがどこを探しても肝心の校長ジ.ャ,マ.トは見つからない。他の参加者も同じ思考を持ってきた頃に本来校長室がありそうな最上階の角部屋に行ってみるが何も無い。また悪態をつきつつ可能性を探っていると『そういうことか。参考になった』と声が聞こえてきて思わず振り返る。そこにいたのは英寿で「急に出てくんなよ!ってかなんだよそのバックル」と思わず叫びながら見慣れない装備に目を走らせる。英寿はこちらの質問に答えないままごつい砲台のようなものを構えると部屋の中にモルタルのようなものを発射し始める。みるみる間に壁が出来上がり机が出来上がり扉が出来上がり、最終的には校長室が出来上がれば「ンなのよありかよ!」と思わず突っ込んでしまった。校長先生は当然校長室にくるもので暫くもしないうちに校長,ジ,ャ,マ.トが現れる。英寿と目を合わせて倒そうと動き出すがその前に道長が物陰から現れると二人に攻撃を加えて跪かせた後校長.ジ.ャ,マ,トを横取りしてしまう。だが英寿はそれさえ読んでいたのか意気揚々と飛び出していった道長と校長ジ.ャ,マ,トを壁を作って分断してしまうとそのまま巨大な剣さえも生成し校長.ジ.ャ,マ,ト.を一刀両断して倒してしまって)
……ああ、それがこのゲームのルールのようだからね。誰に入れても恨みっこなしだ
(デ.ザ.ス.ターのミッションを達成すれば後はゲーム自体の目標をクリアするだけだ。疑う隙を与えないように常にだれかと共に行動するようにして校内を探索するが目的のジ.ャ.マ.トは見つからない。元来の疑問を口にして景和から「え、えっと…校長室とか?」と返答があった途端上部から今までにない類の音が聞こえてきて目を合わせて階段を駆け上がる。そこには未知のバックルをつけた英寿と前に見た時には無かった校長室が出来上がっていた。それから目的の校長,ジ,ャ,マ.トが現れるも三人、正確に言えば飛び出してきた道長と英寿の争いに割り込むことが出来ず、校長.ジ.ャ,マ,トの撃破を見ているしか出来なかった。生成した剣で一刀両断され目的が達成されると『浮.世.英.寿様の活躍により校長,ジ,ャ,マ.トの発見および撃破がされました。』というアナウンスとともにミッションクリアの旨が表示される。美味しい所を全部持って行った英寿は得意げな顔をしていて一方の道長は分かりやすく不満を露わにしていた。ほどなくして元の神殿のような場所に転送されて『ミッションクリアおめでとうございます』とナビゲーターの出迎えを受ける。さっきまでのゲームならここで終わりだが寧ろ本番はここからだ。『まずは今回のゲームを受けてオーディエンスの方のデ.ザ.ス.タ.ー予想はこのようになっております』という言葉の元モニターに再び円グラフが表示される。先ほどは圧倒的に割合の多かった相手への票はある程度減ったものの依然半数程を占めている、その次に単独行動の多い道長が並んであとの3人はほぼ横並び、今回活躍した英寿が一番少ない。『この値も参考に皆様にはデ.ザ.ス.タ.ーだと思った方に投票していただきます。投票期限は一時間後、一番票が多かった方がその場で退場となります。なお棄権は退場処分となりますのでお気を付けください。』と説明があった後ナビゲーターがその場を去ってプレイヤーだけが残される。『退場させる人を決めないといけないんだよね…』と祢音が躊躇するように言うのを聞けば肯定するように言葉を告げつつ視線は無意識に相手の方を向いて)
……案外他人の意見に流されんだな
(校長ジ.ャ.マ,トが倒されミッションクリアが案内されると再びあの祭壇のような空間へと戻ってくる。続いてオーディエンスによる予想が発表されれば自分への疑いはいくらか晴れたもののそれでも半数を占めていて依然状況は悪い。ジャマトをある程度撃破しおかしな行動も取らなかったが大きく貢献したわけではなくて悪いイメージを払拭できなかったという所か。反対に道長は単独行動が目立って自分への票がある程度流れたらしい。ナビゲーターから改めて投票の説明がされて投票期限が一時間後に定められた。その投票までの時間もエンターテインメントということだろう、相変わらず趣味が悪い。ナビゲーターが去っていきプレイヤーだけが残されると話し合いという名の探り合いが始まる。正直今の時点では全くデ,ザ.ス,タ,ーの目星はついていない、道長と衝突してばかりでそれどころではなかったからだ。ちらりと相手を見れば向こうもこちらを見ていて状況を窺っているように見える、誰も核心に触れずにいると道長が『あの結果みりゃ分かんだろ、そいつがデザスターだ』とこちらを顎で指してくる。こんなところで脱落するわけにはいかず鼻で笑いながら言い返しておいた。道長は悪目立ちしすぎてデ,ザ.ス,タ,ーの可能性は低いように思う、あそこまで堂々と闇討ちしておいて裏切り者だったならば大立ち回りと言えよう。だが道長が悪目立ちすればするほど他人の様子が見えなくなるのは確かで道長がヘイトを集める分影に潜むデ.ザ.ス,タ,ーは動きやすかったはずだ。それならば、次の投票でデ.ザ.ス.タ.ーを暴く為に道長を排除しておくべきかもしれない。道長をじっと見据えると「そういうお前は随分他人の妨害に必死だったな」と言い返してやると景和と祢音も覚えがあるのか同意するように数度頷いていて)
…運営がわざわざデ.ザ.ス.ターという役割を作ったなら第一回目はすぐにバレるような難しいミッションは与えてないだろう。だから今回は直感で怪しい人に入れた方が良さそうだ。
(ナビゲーターが去ると自然とお互い探り合うような空気へと変わる。ちらり相手を見れば目が合うもまだ誰か確証を持てていない様子だ。皆が何も言えずにいると道長が先陣を切って相手がデ.ザ.ス.ターだと主張する、それに相手が鼻で笑いながら言い返すと二人の間に火花が散ったように見えた。ますます不機嫌を露わにする道長に相手が不審な点を投げかけると景和と祢音が数度頷く。確かにゲーム中道長は単独行動や妨害ともとれる行為は多かったがそれは第一回戦から一貫している。二人は流されやすいタイプなのかもしれないと考えながら残る英寿に目を向けると二人の言い合いを観察しているようでその顔から感情は読めない。このゲームの中で警戒するのはやはり彼だろう。『ギ.ー.ツよりも早く校長,ジ,ャ,マ.トをぶっ潰すためだ』とその理由を説明するが二人の疑いは拭えていないようだ。この調子ならばこちらに矛先が向く可能性は無いだろうが積極的に便乗しても不自然だ。あくまで冷静な態度で今回は誰にでもデ.ザ.ス.タ.ーの可能性があると提示しながら自然と今のままの感情で投票に繋がるような言い回しをする。それでこれ以上の話し合いは無駄だと思ったのが『俺はデ.ザ.ス.タ.ーじゃない、…信じるって言っておきながら今もこの中に平気で人を騙してる奴が居るなんてな』と言い捨てては何処かに行ってしまった。それを機に何となく解散の空気になるがすっかり誰しもから裏切り者扱いにズキっと胸が痛むと端末に表示された投票画面をぼんやりと見つめて)
…どうした?誰に投票するか迷ってんのか?
(こちらが道長の妨害行為に言及すれば二人から同意が得られて自分に向けられた矛先が下げられていくのが分かる、きっとこの場にいる誰しもがデ.ザ.ス.タ.ーとして告発すべき人物が見当たらず戸惑っているのだろう。だがデ.ザ.ス.タ,ーの目星がつかなくとも投票はしなければならない、となれば根拠なく心証の悪い人物が選ばれやすいはず。こちらはオーディエンスの評価は悪いもののプレイヤー内ではそこまででもない、道長が圧倒的に繋がりがなくまた今回のゲームで他人への攻撃を繰り返していたのなら一番信用はないはずだ。道長が去った事でそれぞれがバラけていってこちらと相手だけが残る。景和と祢音はこちらの主張に流されてくれそうだが問題は英寿と相手だろう、英寿はこちらの思惑を読んで道長を退場させるために同じ投票をしてくれればいいのだが。一方で相手はじっと投票画面を見つめている、その表情は迷っているものとはまた違ったように見えたが他に話しかける言葉もなくて顔を軽く覗き込みながら努めていつも通り明るく問いかけてみて)
…翔太郎。それもあるけどこうして人の感情を読み合って疑われないようにするってのが慣れなくて…つくづく僕の苦手なジャンルのゲームだと実感してる所だ。
(無闇に投票すればその人から反感を貰うことになるが流されていれば便乗してるとも取られかねない。目的の為にどう立ち回れば良いのかと投票画面を見て悩んでいれば意識は上の空で相手が近付いてきたことも気付かなかった。声をかけられてやっと意識がそちらに向くと顔を上げる。今朝の気まずさはあまり感じられず明るい声色であればこちらも普段通りに名前を呼んだ。デ.ザ.ス.タ.ーの動き方について考えていたとは言えないがそれ以外でも思うような近しい内容を愚痴っぽく零す。実際誰かの心情を読み取ったりそこからなにか気付くのは苦手で普段は相手の役割だ。今は何とかなっていれば人が少なくなっていくほど難しくなっていくだろう。端末を閉じると「君がデ.ザ.ス.ターなら強敵そうだ」と冗談っぽく告げて)
……、…俺だけがデ.ザ,グ.ラに参加してたらぶっちぎりで優勝したかもしんねぇけど、お前の前じゃ俺が隠し事出来ねぇのはよく知ってるだろ?
(相手と方針は相変わらず平行線であれからまともに話せていないが思い詰めるような顔をする相手を放っておけるわけがない。今は同じ方向を向いていないことを差し置いてでも相手の隣にいたかった。相手はこの状況に息が詰まっていたのか愚痴っぽい言葉が告げられる、それに軽い調子で答えようとしたのだがふとした違和感が脳内を過ぎった。多人数で誰かが裏切り者かもしれないと探り合うのに息が詰まるのは分かる、しかし次に出てくる言葉が【疑われないようにする】だったのがなんとも脳内に引っかかった。デ.ザ,ス.タ.ーはプレイヤーを妨害する裏切り者だ、警戒するだとか誰かを疑う事に神経をすり減らすのなら分かるがそうではない言葉が相手から出たのだ。それならば相手はどんな立場でその言葉を発したのだろう、答えはひとつしかないが相手の言葉が別におかしい訳では無い。現に今デ.ザ,ス,タ.ーではない自分も疑われないように動いているのだから。道長の声が脳内に響いてくる、それを振り払うように無理やりニヒルに笑えばこちらも冗談めかして返事をした。「こういう時こそお前の理屈っぽいとこの見せ所じゃねぇか」とまた軽い調子でいいながらも胸の内には僅かな違和感を抱えたままで)
そうだね、君は思ったことが顔に出るから嘘が分かりやすい。情報があれば説得させたり推理は出来るけどこういう場合主観的な印象や出来事が多いから難しいよ
(ずっと息が詰まっていた状態で相手と二人になれば幾らか気が抜ける。これからの投票で票を入れられないためにはゲーム中の活躍と怪しまれないための行動が必要だ。それがデ.ザ.ス.ターに寄った思考故の発言だと気付かないまま口にするとワンテンポ相手の返答が遅れた。ふと相手の方を見るがイマイチその原因が分からず話せない理由の何かに引っかかったのかと勝手に判断する。自分一人なら優勝できると冗談めかした話を聞けばこちらも軽く笑みが零れる。相手なら自分よりも上手くできるかもしれないが案外表情に出やすくて直ぐ違和感に気付くことが出来るだろう。そんな話を続けながらも手元の端末を操作してプレイヤー同士でメッセージのやり取りが出来るツールを開くと画面を見ないで文字を打っていく。昨夜相手と意見のすれ違いを起こしてしまったが一人布団を被って考え事をしている時に相手の意見も一理あると考えていた。どうにか運営の弱みを掴めば対等な関係になれるかもしれない、昨日の段階で映像と音声は放映されている事は分かったが文字なら何とか監視の目をくぐって伝えられるかもしれない。あくまで自然と会話をしながら『映像で監視されてるがこうして死角にある文字なら少しは情報共有出来るかもしれない。この画面を見たら二回瞬きをしてくれ』と記入した画面が自然と相手の視界に入るような持ち方をしてみて)
あぁ、俺達がいつもやってる情報を集めて答えを導くってやり方が封じられてるのが歯痒いな。…まぁ、それでも俺はデ.ザ,グ.ラについて探るのを止めねぇけど
(一度持ってしまった疑念を完全に払拭するのは難しい、それこそデ.ザ.ス.タ,ーが誰か明かされるその時まで今の感覚は忘れられそうにない。なにせ探偵の勘が反応してしまっているのだから。いつも通りを装いながら内心は心臓が煩いのを無視していると相手がこちらの顔を見て会話しながらも端末を取り出して何かを打ち込んでいく。こちらも返事をしていれば端末の画面がちらりとこちらに向けられてそこにはメッセージが刻まれていれば相手が何をしたいのかを理解した。この生活は今この瞬間も配信され監視されている、自分達が今一番必要としている情報交換を封じられているのだ。だが相手はその隙を突こうとしているらしい、確かに端末の画面ならば今の二人を映像として撮られていたとしてもその内容は他人に知られることはないはずだ。情報量に限りはあるがそれでも情報交換できないせいで平行線を辿る自分達にはこれだけでも解決の糸口になるかもしれない。自分の変わらない意志を示しつつも二回瞬きをして相手へ合図を送って)
そんな事を言っているとオーディエンスの疑いがまた君に向きそうだけどね。いつの間にか吾.妻.道.長と同じバックルを持っていたようだし
(何となく先ほどから若干上っ面のような雰囲気を感じる物の今の状況ではその要因が多くて判断出来ない。それが自分への疑惑であることは露知らず顔を合わせて会話をしながら端末の画面を見せる。僅かに相手の視線が画面を向いて瞬きが二度繰り返される。どうやらこちらのやりたいことの意図は伝わったようだ。言葉でも変わらない意思を示す相手にそれらしい返答をしながらも文字を消して再度打ち込み始める。聞いたことをそのまま書いても良いが万が一この内容が見られて脱落となっては意味がない、まずはそのラインを探るべきだろう。咥えて手元が怪しまれない程度にオーディエンスたちの注目を引く会話を続けなければならないとなれば率直に第三回戦で抱いた疑問を口にする。少なくとも第二回戦の段階では相手はあの紫のバックルは持っていなかった。だが第三回戦で皆で変身していた時に持っていた、となればその間に入手したものだろう。そしてその入手先が綺麗なお姉様らしいサポーターだと推測が立つと若干口調に不満げな感情が混じる。ほぼ同時に文字を打ち終わると【デ.ザ.グ.ラについて地.球.の.本.棚で調べたけど情報はなかった。運営は僕でも分からない程の未知の技術と力を持っていてサポーターはある程度それを指図出来る立場にあるようだ】と書かれた画面を見せ)
デ,ザ,ス,タ.ーに投票すんのは俺達なんだからオーディエンスは関係ねぇだろ。ゲームに影響するかもって言ってたから油断ならねぇけど。で、まぁバックルの方は…お前の予想通りそのサポーターから貰ってな
(会話上ではなんてことのない内容を続けながら相手がまた端末で打ち込みを始めるとこちらも返事をしながら文字上の会話を待つ。こちらも相手に情報を伝えるべきだろうと投票権は自分達にしかないのだとアピールするように端末を取り出し軽くふる、これで違和感なく端末を手元に置くことが出来た。だがそうやって秘密裏に会話しているのとは別に相手は自分が綺麗なお姉様と口走ってしまった人物からプレゼントを受け取っていたことに不満なようで素直に相手の予想通りだと白状する。特段親密な空気にはなっていないのだがそれも相手の知らぬところだ、余計なことはこれ以上口走らない方がいい。同時に相手は文字を打ち終わったのか画面を確認する、地球の全ての記憶が記録されているはずの場所にも情報がないとは思わなくて内心驚いて表情に出さないように抑え込んだ。相手が地.球,の.本.棚で調べて分からない事なんて普通はない、となると相手が言うように超常的な存在なのは間違いなさそうだ。相手がやけに慎重な姿勢なのもそのせいだろう。今度はこちらが端末に文字を打ち込んでいく。それはそれとして相手のサポーターも気になる所で「お前の方のサポーターはなんかくれなかったのか?お前を応援してくれてるんだろ?」と聞きつつ打ち込みが終わると画面を相手の方に向ける。そこには【それなら俺の聞いた話も嘘じゃねぇかもな。デ.ザ.神.以外の敗者には2通りのパターンがあって、ゲーム中に死亡してこの世から消えちまう退場とゲームに負けた時の脱落とがある。脱落はカードに書いた願い事を求める心を失っちまう】と自分が聞いた話を相手へ伝えて)
随分熱烈なファンが居るようだね。僕の所は特に…、ああでもバックルを手に入れたシークレットミッションを設定したのは彼かもしれない
(相手が自然な話の流れで端末を取り出す、これでお互いに話をすることが出来るようになった。相手の持っていたバックルの出所はやはりサポーターのようでかなり強く推されているようだ。相手を好ましいと思う気持ちはよくわかるがそんな存在が居るのはあまり面白くない。だがそれを素直に表に出すのは子供っぽく思えて当たり障りのないコメントで濁した。運営達の技術や力について分かるように地.球.の.本.棚を持ち出して状況を伝えると今度は相手が端末を操作し始める。そちらばかりに気を取られないように自分のサポーターについて問われると直接は無いと返すがゲーム中に発生した特殊な条件だったシークレットミッションのことを思い出すとあれが支援だったかもしれないと言葉を続ける。直接的でなく自分がクリアしそうなミッションやデ.ザ.グ.ラについての情報提供という形で手助けしてくれているのだろう。そんな話をしていれば相手が入力の終わった画面をこちらに向ける。そこにはこのゲームの敗者の行方とその後起きることが書かれていてその内容に固まりそうになる。何とか一瞬瞳が揺れる程度に押さえ込んだが要するにどちらかがデ.ザ.神になれば片方は風.都.の平和を願う気持ちがなくなるということだ。相手がゲームに乗るべきではないと主張していた意味が分かったがニタリから聞いていた話とは食い違う。再び端末を操作して【僕が聞いた話では脱落した人はデ.ザ.グ.ラでの記憶を失うだけとのことだった】と書き込んだ画面を見せる。どちらが正しいのか分からないがこの様子では何か食い違いがあるかもしれない。再び操作して【デ.ザ.グ.ラでは今までもオーディエンスに評判の悪かった時はその開催地である街を】とまで打ち込んだところで突然横から『投票先はお決まりでしょうか?』との声がして体が跳ねる。慌てて端末の画面を隠しそちらを見ればにっこりとした笑みのナビゲーターが立っていた。『投票時間が迫っていますのでお知らせに参りました』と告げられるともしかしたらバレたのかと焦りつつ「ああ、直ぐにするよ」と返して)
わざわざミッションを用意したってことか?そいつは一筋縄じゃいかねぇファン、……おぅ、ありがとよ
(二人の間で言葉での会話と文字での会話が同時並行で進む。サポーターについて話せば相手はあまりいい顔をしていない、こちらを応援している美女がいると言われればこうなるのも仕方がないだろう。一方相手のサポーターはストレートに応援するタイプではないようだ、直接贈り物をするのではなく敢えて試練を課すとは。そのひと手間に何やらこだわりや強い思想がある気がして半分嫉妬と半分心配を感じていた。そうやってオーディエンスの興味を引きそうな会話をしながら互いに端末を操作し続ける。こちらが敗者の末路を伝えれば相手は一瞬体を固める、これでこちらが勝ち進むことを渋っていた理由も分かるだろう。だが続いて相手から見せられた画面には自分が知っている情報とは違う事が書かれていてまた反応しそうになってしまう。負けても記憶を失うだけならばデ.ザ,グ,ラがなかったことになるだけでこれからの生活になんら支障はない。二人の情報が食い違ったということはどちらかの情報が間違っているということ、どちらかのサポーターが嘘をついていることになる。先ほどの話を聞く限り相手のサポーターは一癖がありそうだがこちらのゾクルも信頼出来るとは言えない。どう考えるべきか考えていると再び端末に文字が打ち込まれる、矛盾を考えるのに必死でつい端末を凝視してしまっていると突然ナビゲーターから声をかけられて勢いよく振り返ってしまった。投票時間を知らせにきただけらしいがその表情は相変わらず読めない、彼女も運営のひとりならば二人の不審な動きに気づいて警告しにきたのかもしれない。相手の方を見れば「そろそろタイムアップみたいだな」とどちらとも取れることを言えば端末を投票画面に切り替えて)
…ああ、失格になる前に投票しようか。
(元となる情報が違うとなればお互いの意見が噛み合わないのも当然だ。それもどちらかな情報が間違っているなら尚更で、情報源であるサポーターが意図的に嘘をついたり事実を隠している可能性が出てきた。ならばお互いの情報をすり合わせれば足並みも合うかもしれない、と考えた所でナビゲーターに声をかけられて端末を隠す。相変わらず表情は読めないが運営の警告として声をかけてきた可能性を考えれぱこれ以上続けるのは危険だ。視線を受けて相手からも切り上げる旨を伝えられると同意を示して投票画面に切りかえた。投票先は悩むが下手に違う人に入れてその人から悪印象を抱かれるよりも今回は皆に揃えた方が良いように思う。道長を選んで投票すれば【投票完了】という画面に変わって端末を閉じた。それから少しすると『全員の投票を確認いたしました。結果を発表しますのでお集まりください』とアナウンスがあり、相手と目を合わせると祭壇のような空間に向かい)
……よし、行くか
(投票画面を開けば自分を含めた6人の名前が並ぶ、タイムリミットが近づいているが投票する人物は決まっている。それぞれ考えることは違えど同じ人物に投票することを願いながら道長の名前を選ぶと画面には【投票完了】の文字が表示された。結果発表のアナウンスが入り相手と共にあの宮殿のような空間へと戻る、全員が再び顔を合わせると再び緊張が走った。やがてナビゲーターがやってくると『皆様投票お疲れ様でした。それでは結果を発表いたします。』という言葉と共に宙にモニターが浮かぶ。全員が固唾を飲んで見守る中、ピコンと気の抜けた音と共に自分の名前の横に星の印がつき息を詰まらせる。オーディエンスの予想通りならば一番不利なのは自分だ、嫌でも心拍数が上がる中再びピコンと音が鳴り2つ目の星が自分へと着いてさらに目を見開く。やっと相手の考えを理解し始めた所なのにこんなところで消えるわけにはいかない。それに敗者の行方は未だはっきりしていないのだ。無意識に拳を強く握っているとまたピコンと音が鳴り今度は道長に星が灯る、視界の端で道長の目線が鋭くなったのを感じた。またひとつ星は道長へと灯る、これで道長と並んだわけで思わず道長の方を見る。ちょうど道長もこちらを見ていて一瞬の静寂が流れた。そして、軽やかな音がピコンピコンと二回連続で鳴って二つの星が現れる、それはどちらも道長に宿って『投票の結果、吾.妻,道.長様は脱落となります』と告げられた。結果的にはこちらの思惑通りとなってホッと息をついていると道長は相手とこちらを交互に睨んで再び口を開こうとした。どうせ言われることは同じだろう、先手を打つように「お前に言われたことは肝に銘じておく」と自分にも言い聞かせるように言って)
…ああ、そうだね。明日もあるようだし休養しなければ。
(ナビゲーターがやってきていよいよ結果が発表される。モニターにはそれぞれの名前が並んでそこに票を表す星が表示されていく。全部で6票であるが初めに続いて2票目も相手の横に表示されると嫌な汗がでる。その内の一票は道長だろうが残りは英寿か、それとも意見を変えた二人のどちらということになる。固唾を飲んで見守っていると道長の横に二つ星が点って票数が並ぶ。この時点でほぼ二人のどちらかが確定したようなものだ。視界の端に二人が目を合わせるのが見える中、静寂のあと残りの二つが道長の名前の横に現れる。そしてナビゲーターによって今回の投票結果が発表されると相手が脱落せずに済んだことに肩の力を抜く。当人は先程の空気で察していたのかさほど取り乱した様子はないが自分達を睨み付けてから何かを言おうとしたが相手が先に言葉を挟んだ。言葉を横取りされたことに道長は軽く舌打ちをすると再び相手と何故か英寿の方を睨んでは【Retire】という音声と共にデータのように消えてしまった。初めて間近に見る退場の姿に相手が端末で見せてきた敗者の末路の一つが浮かんで背筋が冷たくなった。ある意味自分たちの手で退場されたような物で景和達も何も言わず空気が重たい物に支配される。だがそれも気にせずナビゲーターは『次のゲームは明日の予定になっています、時間までゆっくりとお休みください。またサポーターの方から一部の参加者にメッセージをお預かりしております。ス.パ.イ.ダ,ー.フ,ォ.ンでご確認ください』と告げるとそのまま去ってしまった。5人だけが残されると依然空気は重たかったが『よーし、今日のゲームも終わったしご飯にしよう!』と祢音が極めて明るい声で提案すると幾らかそれも晴れた。気分を切り替えるためにそれに同意すると景和に続いてちらり相手の方を見ながらサロンの方に移動して)
フィリップの言う通りだ。しっかり休息とっとこうぜ。……ん?
(投票結果が出て道長はこちらと英寿を睨みつけた後に音声と共に消えていく、初めて目にする敗者の消え方はあまりにも呆気なくてそれこそゲームキャラのように消えていく様に息を詰まらせた。自分に投票されるのを避けるために道長に票を集めたのは自分だ、陥れるようなことをしたのは事実であまり良い気分ではない。場の空気が重くなった所で祢音が夕食を提案して相手に続いて空気を切り替えることにした。移動の前に景和がちらりとこちらに視線をやる、それはこちらを探るような視線にも見えてもしかすると自分に投票したのは道長と景和ではないかと考えが過ぎる。案外侮れないのかそれともオーディエンスの結果に流されたか、答えは分からないが今分かるのは道長が居なくなった以上今後もっと誰がデ.ザ.ス.タ.ーかの読み合いが激しくなっていく事だけだ。端末を見てみれば起動時に【吾.妻,道.長はデ.ザ.ス.タ.ーではない】と表示されて予想していたこととはいえここで裏切り者が脱落していればどれほど良かったことかと無意識に息を吐き出す。まだ探り合いは続きそうだ。続いてアナウンスがされていたメッセージを確認してみれば見慣れぬ名前があって思わず首を捻る。てっきりゾクルからだと思ってたが相手の方に目線を向けると「なぁ、ニタリって奴知ってるか?」と彼からのメッセージを見せながら聞いてみて)
え、…ニタリは僕のサポーターだけど、送り間違えじゃないのかい?
(初めての追放の結果は呆気なかった。1ゲームで1人を選んでいくとしたらあと数回はこれを繰り返さなくてはならないだろう。そんな罪悪感から逃れるようにも夕食を食べる提案に賛成するとサロンの方に移動していく。昨日と同じくGMに用意された今日の夕飯はハンバーグにサラダとコンソメスープとパンだ。美味しそうな食事を前にすると幾らか気持ちも上がって配膳を積極的に手伝う。そうしていると端末を見ていた相手が首を傾げながらその画面を差し出してくる。その中で一度も相手に伝えていない自分のサポーターの名前が上がると困惑の声をあげた。メッセージを確認してみるとそこには確かに送り主がニタリとなっていて【左.翔.太.郎 君と取引がしたい。詳しい話は会ってからするが君にとっても悪くない話になるはずだ。私の部屋で待っているよ】と本文が続いている。自分がサポートしている人物にメッセージを送ったり呼び出したりするのは理解出来るが何故彼が相手にコンタクトをとるのだろうか。試しに自分も端末を開いて見るが道長の結果が表示された後に表示された画面は何もメッセージを受け取ってないことを示している。困惑しながら「昨日話している限りはその取引とやらの話は一切出てなかったけど…何故君に?」と疑問を口にして)
お前のサポーターかよ。理由は分かんねぇけど取引か…良い予感はしねぇけど情報が得られるかもしんねぇし行くしかねぇな
(配膳の手伝いをしつつ相手にメッセージを見せればその送り主が相手のサポーターだと知りこちらも驚く、普通こういう時に呼び出すのは自分が応援しているプレイヤーだろう。先程のシークレットミッションの話を思えば癖のありそうな人物だとは予想していたがそんな人間から【取引】という言葉が出ると自分達に素直に有利なものになるとは思えなかった。だがお互いの持つ情報が食い違いまだ身の振り方の結論が出ていない以上サポーターから得られる情報は貴重なものになるはずだ、ここは嫌な予感がしても会わざるを得ないだろう。相手に会いに行くことを伝えていると『用意できたよー!』と景和から声がかかる。相手と目を合わせればひとまずは夕飯にありつくことにした。全員意図的に道長の話を避けるようにして明日のミッションの話やもっと他愛ない会話で盛り上がりながら夕飯を進めていく。全員が食べ終わり手を合わせて片付けが終わったあとに「じゃあ行ってくる」と相手に声をかければニタリの元へと歩き出した。一方で探偵が去ってからその隙間を狙ったように相手の端末が通知音を鳴らす、そこには【あとでこっそり二人だけで会いましょ ゾクル】とメッセージが入っていて)
…ああ、危害を加えてくることは無いと思うけど気をつけて。
(何故わざわざ相手を呼び出すのか疑問は尽きない、自分には友好的でサポートしてくれているのは伝わってくるが相手に対しても同じ対応とは限らないだろう。このメッセージを無視するという選択も取れるが相手は行くことを決めたようで胸がざわめいた。そうしていると夕食の用意が出来た旨の声かけがされてひとまずは食卓についた。何となく気を遣うような空気はあるもののそれなりに盛り上がりながら食事を進め、片付けも手伝う。その後各自の自由時間となったところで相手から声がかかる。サポーターが直接参加者に手を出すとは思えないが不安が過ぎれば一言付け加えて相手を見送った。その背中が遠くなって見えなくなった所で端末が通知を鳴らして僅かに肩を跳ねさせる。見知らぬ名前からの連絡だったがこのタイミングとメッセージの内容からするに恐らく相手のサポーターだろう。わざわざそれぞれのサポーターが推しの相棒に接触を持ち掛けることにますます嫌な予感がするが先程の食い違いを確かめるチャンスでもあるだろう。【分かった】とだけ返すも妙に落ち着かなくてサロンの設備を借りてコーヒーを淹れて過ごすことにした。一方探偵が部屋を訪れるとニタリが中に招き入れる。紅茶と茶菓子を用意して優雅にくつろいでいたが宙に浮かんだモニターに映るのはデ.ザ.グ.ラの映像ではなく以前探偵が意識を乗っ取られ検索が初めて一人で変身して止めようとしている時の映像で『ちょうど君たちの記録を見ていたんだ』と何処か楽しげにも告げながら停止する。探偵を中まで招くと『私はニタリ、今の君の相棒でもあるフィリップのサポーターをさせて貰っている者だ。君のサポーターのゾクルとも知り合いでね、そのツテで連絡させて貰ったよ』と紳士的に自己紹介と状況説明をして)
ッ!この映像何処で…!…良い趣味してるぜ
(相手と別れる直前に警告を告げられ頷いてから歩き出す。ニタリという奴は相手を真っ直ぐとは応援していない、となればその相棒と取引をしたいというメッセージは好意的なものとは思えなかった。指定された場所へたどり着けば扉を開けて中に入る、ゾクルの時と同じような空間が広がっているが置かれている家具は違うようだ。だがそれらよりも目を引いたのは宙に浮かんだモニターの映像で思わず息を詰まらせてしまう、そこに映っていたのは思い出したくもない忌まわしい記憶だ。意識を支配され相手の命を奪おうとしてしまった時の記録、例の組織の監視カメラ映像だろうか。だがそんなものをどうやって手に入れたのか検討もつかない、相手が言っていたようにこのゲームの運営もサポーターも超常的な存在に間違いなさそうだ。そしてこれで目の前の男が自分に敵意かそれに近いものを持っているのを理解する、やはり取引とは良い話ではないらしい。まんまと動揺させられてしまい自分達の過去を覗き込む悪趣味さに悪態をつく、しかしニタリはずっと何処か楽しげで自己紹介をされた。ゾクルと知り合いとはまた嫌な予感が募る、情報が矛盾していることを思えばあの二人がグルである可能性だって十分ある。目の前の男を睨むように見据えながら「そのフィリップのサポーターがなんで相棒の俺を呼んだんだ?」と警戒を解かないまま問いかけて)
『応援している人の事は何でも知りたくなるタイプなんだ。…そんな警戒しないでくれ、今からするのは君にも利になる話のはずだよ』
(モニターに映っていた映像に探偵が反応するとニタリは悪びれることなく、寧ろお気に入りのコレクションを説明するような口ぶりでその理由を明かす。暗に二人の過去もある程度知っているとアピールした上でソファに座るとニタリは足を組んで上機嫌に探偵を見る。すっかり睨まれて警戒しているのが分かる姿に臆することなく探偵を宥めるような言い方をしながら眼鏡を上げる仕草をした。そのままじっと探偵を見ると『明日のゲーム、ミッションの失敗でもデ.ザ.ス.タ.ーとして追放されるのでも何でも方法は構わないから自然な形で脱落してくれないかい?そしたら君が今懸念していること、全部解決してあげるよ』と取引を持ち出して)
『応援している人の事は何でも知りたくなるタイプなんだ。…そんな警戒しないでくれ、今からするのは君にも利になる話のはずだよ』
(モニターに映っていた映像に探偵が反応するとニタリは悪びれることなく、寧ろお気に入りのコレクションを説明するような口ぶりでその理由を明かす。暗に二人の過去もある程度知っているとアピールした上でソファに座るとニタリは足を組んで上機嫌に探偵を見る。すっかり睨まれて警戒しているのが分かる姿に臆することなく探偵を宥めるような言い方をしながら眼鏡を上げる仕草をした。そのままじっと探偵を見ると『明日のゲーム、ミッションの失敗でもデ.ザ.ス.タ.ーとして追放されるのでも何でも方法は構わないから自然な形で脱落してくれないかい?そしたら君が今懸念していること、全部解決してあげるよ』と取引を持ち出して)
知り方に問題があんだろ。…、……俺が懸念してること?あんたによりゃデ.ザ,グ,ラで負けても記憶が消されて元の生活に戻るだけなんだろ?俺が懸念することなんてねぇはずだ
(あのモニターでどれだけのことを知れるのだろうか、組織絡みの映像まで手に入れられるならば自分達の始まりの夜だって知っている可能性だってある。無遠慮に過去を覗き見られている感覚に、そしてその興味が相棒に注がれていることがなんとも居心地悪い。まさかそれらが遥か未来の技術によるものだなんて知る由もなかった。相変わらず楽しそうなニタリは眼鏡を上げた後に早速取引を持ち出してその内容にピクリと眉を動かす。こちらが懸念していることとは敗者の末路の話だろう、だがニタリが相手にした内容を思えばそれは懸念事項にはならない。ということはやはりニタリは相手に嘘を教えていることになる。その事実にますます眉間のシワを深くしながら敵意を持ちながらとぼけた声を出す。まずは目の前の男が自分にとって、そして相手にとって本当の味方かどうか判断した方が良さそうだ。さらに情報を引き出そうと「それにデ.ザ.グ,ラのルール自体を変えるようなことがお前ひとり出来んのか?」とさらに踏み込んで問いかけて)
『おや、てっきりデ.ザ,グ,ラの記憶を消されたら君たちが大切にしているあのド.ラ.イ,バ.ーの行方が分からなくなることを心配しているのだと思ったのだけど』
(ニタリが取引を持ち掛けると探偵の眉が動く。ますます強くなった敵意とこちらの考えを探るような返答に薄く口角を上げて惚けた声を漏らす。あくまで検索に伝えた情報が虚偽ではないという建前を保つように記憶を失って探偵達が困るであろう件を口にする。それは心配では無いのかと煽るような視線を送りつつ探偵の問いには『ルールを変えずとも失ったデ.ザ,グ,ラに関する記憶などは再び自身のIDコアに触れると思い出す事が出来る。君がこの取引に乗ってくれればナビゲーターにまたIDコアを届けさせよう。そうすれば全て元通りだ』と一つ一つ探偵が反対する理由を潰していき)
、……それなら問題ねぇ。俺かフィリップがデ.ザ.神になりゃいい。ダ.ブ.ル,ド,ラ.イ.バ.ーが今回の賞品ならどっちかが勝てば良いんだ、頭数を減らすわけにはいかねぇな
(こちらが想定していなかったパターン、つまり二人ともが敗北しドライバーの行方が分からなくなる未来を示されるとまた一瞬動きを止めてしまう。だがそのスタンスで来るなら解決方法は簡単だ、どちらかが勝ち抜ければいい。もうひとりが負けても記憶がリセットされるだけだ、風.都.を想う心が失われないなら問題はないはずなのだ。そしてまたひとつ新たな情報を手にする、IDコアに触れれば記憶が戻るのは初耳だ。ここ数回は英寿が優勝していて他の複数回参加しているプレイヤーはなぜ経験者として振舞っていられるのか疑問だったが負けても再び参加すれば記憶が蘇るということらしい。だがどちらにせよ取引に応じるメリットはなく、そもそもこんな怪しい奴に乗る気もしなくて「お前の力を借りなくても俺達だけでこのゲームを乗り切る」と啖呵を切って)
『俺達、か。ゾクルには悪いけど君のそういう所が気に入らないな。君に感化されるせいで彼自身が持つ美しさが損なわれてしまっているんだ。彼に相棒なんて要らないのに』
(探偵の言っている事は間違ってはいないが正解でもない。どちらがデ.ザ.神になるということはこの街でデ.ザ.グ.ラが行われなくなることであり、そうなれば運営側が接触をしなければIDコアには触れる機会はない。探偵が願いを無くせばそれを取り戻す為だと次のゲームに参加させる事ができ、検索が願いを無くせば二人の関係に亀裂をいれることが出来る。つまりこのゲームに探偵達を参加させた時点で思惑に乗せたも同然だがせっかくならばもっと輝いている所がみたい。そうしてニタリが取引を持ち掛けるが探偵によって一蹴される。更に自分達だけで何とかすると啖呵を切るのを聞けば初めて機嫌良く友好的な表情を崩して冷たい目を向けた。それはやがて自分の理想を邪魔する者への態度へと変わりニタリは妙に熱の篭った口ぶりで探偵への苛立ちと検索への執着を語る。ニタリは再び眼鏡をあげり仕草を行うと『まあ君が乗ってくれないなら違うプランを試すまでだ。ゾクルの方も何か考えがあるみたいだからね』と言いながらソファから立ち上がって)
ようやく本性出してきたな。…あいつはひとりで黙って検索してた方が良かったってことか?それなら俺の全てでそれを否定してやるよ
(正直未だこの局面を切り抜ける方法は分かっていない、だがこのニタリと取引をしたとしても決して自分達の望む未来を手に入れることなんて出来ないだろう。自分の行き先を他人に委ねれば自分の望む場所へは行けない、こちらに冷たい目を向ける奴相手なら尚更だ。ようやく彼の本音が見えてくれば思わずニヒルに笑いながら軽く煽ってやる。ニタリは相手の過去を一通り知っているのだろう、その上で相棒が必要ないと言うことは彼が理想とする相手の姿とはあの夜までの姿、知識を探求し続ける悪魔の子なのかもしれない。彼の語り口には熱が篭っている、この調子ならば相棒である自分のことは相当邪魔だと思っているのだろう。自ら退場するのを取引条件にしたのも納得だ。だが相手に対する捻じ曲がった理想は真っ向に否定してやる他ない、唯一無二の相棒を手放すことなんて有り得ない相談だ。ニタリは眼鏡を上げながら別の策を仕掛けると宣言してくる、それに対して「望むところだ」と徹底抗戦の構えを見せると彼に詰め寄って襟首を掴んで「俺に何仕掛けたって構わねぇがフィリップには手ぇ出すなよ」と忠告し)
『面白い事を言うね、見世物小屋の中の存在の君に何が出来る?…勿論、直接は何かするつもりは無いよ。彼は私の大切で一番の推しだからね』
(交渉が決裂すれば探偵は推しを更に理想の状態に持っていく為の駒や踏み台以下の存在だ。ニヒルに笑って徹底抗戦の構えを見せる探偵をニタリは鼻で笑うと口元にも薄い笑みを浮かべながら心底馬鹿にしたような声色で問いかける。もう用済みだと探偵を追い出そうとするがその前に探偵が詰め寄って襟を掴む。また気に入らない言い方で忠告をされると眼鏡の奥で目を細め【直接は】関与しないと告げる。更に探偵にとっても検索が特別だと知っていればその精神を逆立てるように一番だと執着を見せていた。 一方検索はサロンにあった道具でコーヒーを入れ、興味を示した景和達にも振舞っていたが一向に帰ってこない相手に不安が募る。それにあれからメッセージも来なくて妙に落ち着かない。カップなどを片付けると少し迷った後廊下へと向かう、相手から見せて貰ったニタリからのメッセージの通りならここに居るだろうかとニタリの観客席のようだった部屋のドアにてをのばそうとして)
俺達はゲームの中で動くキャラクターじゃねぇんだ、俺達がお前の思い通りに動くと思うなよ
(とうとう本音を微塵も隠さなくなってきたニタリにこちらも惜しげも無く敵意を向ける、応援しているだなんたと言って相手も見世物小屋の住人だと思っているのだろう。ニタリにとって相手は応援の対象ではない、享楽の消費物なのだ。相手も自分も彼が情報を集めて作り上げた理想像に収まってやる義理はない、相手に手を出さないよう忠告するが直接としか限定しないあたり相手に手を出そうとしているのは明白だ。後で相手にこのやり取り伝えることを決めつつ、「二人で一人の探偵を舐めんじゃねぇ」と言い残してニタリの部屋を去った。一方で相手がゾクルの部屋に入ると豪華絢爛な家具に囲まれた空間に玉座の上には彼女が、アンティークなテーブルを挟んで向かいには同じくアンティークなチェアが用意されており『待ってたわフィリップ。あなたとは仲良くなりたいと思ってメッセージを送ったの、お互い左.翔.太.郎が大好きな者同士でしょう?楽しい話が出来ると思って』と歓迎ムードを出しながら向かいのチェアに座るよう促して)
俺達はゲームの中で動くキャラクターじゃねぇんだ、俺達がお前の思い通りに動くと思うなよ
(とうとう本音を微塵も隠さなくなってきたニタリにこちらも惜しげも無く敵意を向ける、応援しているだなんたと言って相手も見世物小屋の住人だと思っているのだろう。ニタリにとって相手は応援の対象ではない、享楽の消費物なのだ。相手も自分も彼が情報を集めて作り上げた理想像に収まってやる義理はない、相手に手を出さないよう忠告するが直接としか限定しないあたり相手に手を出そうとしているのは明白だ。後で相手にこのやり取り伝えることを決めつつ、「二人で一人の探偵を舐めんじゃねぇ」と言い残してニタリの部屋を去った。一方で相手がゾクルの部屋に入ると豪華絢爛な家具に囲まれた空間に玉座の上には彼女が、アンティークなテーブルを挟んで向かいには同じくアンティークなチェアが用意されており『待ってたわフィリップ。あなたとは仲良くなりたいと思ってメッセージを送ったの、お互い左.翔.太.郎が大好きな者同士でしょう?楽しい話が出来ると思って』と歓迎ムードを出しながら向かいのチェアに座るよう促して)
…ああ。僕も翔太郎から話を聞いて君のことは気になっていたよ。綺麗なお姉様だったとね
(部屋に入ってみるとニタリとはまた違うインテリアで飾られていて奥には豪華な玉座に座る女性が居た。相棒がデレデレするのも理解は出来る美人でやはり彼女がサポーターなのだろう。入口の辺りでそうして観察と思考を巡らせていれば彼女から声が掛けられて思っていたのとは違う歓迎ムードに拍子抜けしてしまう。分かりやすく敵意や悪意を感じなければ促されるまま向かいのチェアに座る。相棒のことを大好きと語る彼女に少し引っかかりを覚えるものの友好的ならそれに越したことはない。一定の警戒は続けながらも相棒から聞いた印象を伝えて彼女と会話する姿勢を見せて)
『あら、翔太郎がそんなこと言ってたの?嬉しいわ。分かっているみたいだけど一応名乗っとくわね。私はゾクル、左.翔,太.郎のことを応援してるサポーターよ。よろしくね』
(探偵が自分のことを美女だと称していたことに機嫌良さそうに返事をしながら相手を迎え入れたゾクルは相手が席に着いたタイミングを見てテーブルに置かれていたベルをチリンと鳴らす、すると別の扉から仮面で顔を隠した男がワゴンを押しながら入ってきてクッキーの皿をそれぞれの前に置き紅茶をいれるとゾクルと相手へと出して直ぐに去っていく。ゾクルは優雅に紅茶を一口飲んだ後にジッと相手を観察するように見つめながら薄く笑みを浮かべると『ねぇ、あなたは翔太郎のどんな所が好きなの?あなたが一番近くにいるんだから一番知っているでしょ?』と興味を瞳に宿しながら問いかけて)
ああ、宜しく。…まさかこんなに歓迎して貰えるとは思わなかったよ。
(こちらが席に着くとベルを鳴らして従者のような仮面の男がワゴンを押して入ってきてクッキーや紅茶が用意されていく。本当に友人と話をするような待遇に驚きつつ改めて自己紹介を受けるとこちらも短く返事をする。情報が食い違っていた件といい相手を悪いように扱いこちらにもあまり良い対応をしないだろうと身構えた分、そのギャップに素直な感想を零した。彼女が紅茶を1口飲むとこちらも口をつける、銘柄は分からないが嫌な渋みがなく恐らくこれも高級品だろう。少し警戒を解いた所で興味が乗った瞳で相手の好きな所を問われると一瞬身を固める。誰かに好きなところを語るなんて普段は断る所だが同士という意識が芽生え始めていれば「好きな所…、色々あるけれど一番に浮かぶのは真っ直ぐな所だ。それで失敗することも勿論あるけど誰に対してもどんな事でも真摯に向き合う所は好ましいと思っているかな」と素直に答えて)
言ったでしょ?私達、左.翔.太,郎を好きな者同士なんだもの。……あぁ、分かるわ。ほんとあの子って何処までも愚直で自分のことを顧みず前へ進むことしかできない、とても愚かで、でも愛おしい
(ゾクルは本気で相手をお喋りのために呼んだようにもてなしその様相はさながらお茶会だ、相手が紅茶に口をつけいくらかリラックスしたところで相手が探偵を好む所を聞いてその答えを薄い笑みのまま待つ。相手が探偵を語る間軽く頷いて相槌を打つと同じ気持ちだと言わんばかりに優雅な手つきで胸に手を当てる。今度はゾクルが探偵のことを語ると興奮からかその頬は薄らと色づいて悩ましげなため息をついた。その言葉には僅かに狂気が混じっていて相手に同意を求めるようにその瞳を見つめる。ゾクルがゆらりと手を振るとテーブルの上に小さなモニターが現れて映像が流れ始める、『この映像を手に入れるためにあらゆるツテを使ったのよ?』と少々自慢げな言葉と共にそこに映ったのは分岐した世界の探偵、相棒を失い自暴自棄になっていた姿だった。どうやら映像はあの時空の探偵が相手に会う前の映像らしく、時折ノイズが入る監視カメラ映像には煙草を口に咥える姿が映っていてやがて襲いかかってきた男達と殴り合いが始まった。探偵が頬に一発貰った瞬間にゾクルは口角を大きくあげて「私、この時のこの子が大好きなの。こんなに泥水をすすっているのにギリギリ前を向いてる。あなたもこういう翔太郎が好きでしょ?」と興奮気味な視線を相手に向けて同意を求めて)
…え? っ、なんであの翔太郎の映像が…!
(この悪趣味なゲームを観戦して応援する者達は何やら悪意があると思い込んでいたが活躍出来るようにバックルを手渡した件といい彼女は素直に相手を応援しているのかもしれない。そんな考えが頭に浮かびながら好きな所を語ると彼女からも同意の返事がされる。だがその後続いた言葉はその真っ直ぐな所を歪んだ捉え方をしているような感想で好んでる者に向けるとは思えないワードに身を固めた。そうして戸惑っている内に何やら彼女が合図を送るとテーブルの上にモニターが現れる。そこに写ったのは忘れることの出来ない自分がいなくなった世界線の相棒の姿だ。だが画面に写った場所や状況に覚えがなく恐らくあの世界線で相棒を無くして自分とあの事務所で会う前の出来事だろう。何故そんな映像がここにあるのかと目を見開いて驚愕していれば映像の中で殴り合いが始まって探偵が頬に拳を受けて思わず顔を顰めた。だが彼女はその姿に興奮したように口角を上げて嬉しそうに語るのを見れば決定的に彼女と自分が違うのが分かった。そして彼女の好みは相手にとって悪影響でしかないことも。一気に表情と視線に警戒と軽蔑の色を滲ませると「確かに翔太郎の真っ直ぐで諦めない所は好きだけどそれで苦しんでいる所は見たくないし君みたいに楽しむ趣味は一切ない。悪いけど一緒にしないでくれるかい」と不快感を露わにして)
『あら、そうなの?そうやって苦しんで苦しんで、ズタボロになりながら無理やり前へ進むところが最高に無様で可愛いのに。分かり合えないなんて残念ね。でも、さっき底に落ちるための一歩を踏み出したってニタリから連絡が入ってたわ。ニタリはイラついてるみたいだったけど』
(ゾクルが自ら探偵の好ましい所を語れば相手の表情は一気に変わる、リラックスしていた表情は明確に一線を引いたのが分かってそれさえ見透かしていたようにゾクルの表情は変わらなかった。同じ考えだと思っていたと心にもないことを言いながら悲しそうな表情を作って頬に手をあてる、しかしその口角はすぐに上がって探偵と相手のサポーターとの間の取引について情報を口にした。その内容は伝えないまま探偵がより過酷な道を選んだ事だけを伝える、ニタリから取引について連絡を受けた時からこうなることは予想していたのか想像通りだとまた興奮が高まって吐息をついていた。クッキーをひとつ手に取り一口齧って咀嚼すれば人差し指で軽く唇を撫でながら『あなたの相棒がゲームを続行する選択をして良かったわね、これであなたは思う存分あの子を裏切ることが出来る』と熱の篭った声で言うとクッキーを持った手で相手を真っ直ぐ指さして『あなた、デ.ザ.ス.タ.ーなんでしょ?』と相手に突きつけられている役割をあえて口にして)
やはり君達も繋がっていたのか。翔太郎に何を吹き込んだんだい。…ッ、それは…、…翔太郎と対立してるのはゲームでの役割の上だけだ、それで僕達が変わったりはしない
(こちらが警戒を見せても彼女は優雅に微笑むだけだ。元から同じ考えで話し合おうとは微塵も思ってなかったのだろう。演技臭い表情で残念がる彼女を睨むような目で見ていたが自分のサポーターと相手との間のやり取りの話をされると動揺を見せる。ニタリが自分をプレイヤーに推薦したとい話から相手のサポーターもそれに噛んでいる線は疑っていたがやはり二人は繋がっていたらしい。彼女の好みの話を聞いた上で詳細は明かさず底に落ちるための一歩と聞けば嫌な予感しか浮かばず更に鋭い目を向ける。運営も含め未来人のサポーターは信用に値しないと席を立とうとしたが裏切りというワードを聞くとぴくりと動きを止める。興奮して熱の篭った声が続き、クッキーを持った手がこちらを指さしながらデ.ザ.ス.タ.ーであることを指摘されると大きく瞳を揺らした。ずっと後ろめたく思っていることを言われ心乱されるが彼女のペースに飲まれかけているのを自覚すると意識的に息を吐いてあくまでゲームのルールだからと主張する。だから彼女の思うようなことは起こらないと言い返すが半ば自分に言い聞かせるような意地を張る言い方となって)
『ちょっとした知り合いなの、取引の内容は後で翔太郎に聞くといいわ。えぇもちろん。デ.ザ.ス,タ,ーはあくまでもゲーム上の役割、だからあなたが何をしてもあの子はあなたを許すわ。だからね、これは私からのお願いなんだけど……あの子を手酷く裏切ってくれないかしら。泥沼に突き落として這いつくばらせるの。それがあなたの役割でしょう?そして、私の見たい左.翔.太,郎の姿』
(ゾクルがニタリと探偵との取引の話を持ち出せば相手は動揺を見せる、だが彼女にとって取引破棄は喜ばしいことで概要にもなっていない説明だけを与えてあとは二人の探偵の情報交換に任せることにした。ニタリとの繋がりを知って相手は席を立とうとするがデ.ザ.ス,タ.ーであることを知っていると告げてやればまた動揺に瞳が揺れて思惑通りの反応にまた口角はあがる。相手はあくまでもゲーム上の役割だと主張するが彼女が求めているものもまさにそれだ。相手と探偵とが特別な関係であるのはオーディエンスにとっても周知の事実、それを崩壊させる行為はこのゲームを大いに盛り上げる展開になるはずだ。その行為もゲーム上のものならば探偵の理解も得られる、『あの子、あなたが新興宗教の神様にされた時も諦めなかったしなんならメモリを作ってたことも許してたじゃない。大丈夫、あなたなら何をしても許されるんだから、思いっきりやっちゃいなさいよ。その方がゲームも盛り上がるし、ね?』と最後には圧をかけるように言い)
…君達には全部筒抜けということか。 …、翔太郎の苦しむ姿を喜ぶ君の言う通りに動くつもりはない。 そもそも君が翔太郎に伝えた話によると脱落したらその人は願いに関する想いが消えるのだろう? ならば尚更その話には乗らない
(ニタリが苛立っていたということは相手はその取引に乗らない選択を取ったように思えるが彼女がご機嫌になるということはそちらも良くない手なのだろう。手のひらに踊らされているような感覚を覚えていればデ.ザ.ス,タ.ーの役割を当てられ動揺してしまう。それに対してゲームの役割だと主張すると彼女からその役割を全うして欲しいとお願いがされる。予想外のことに驚いているとこれまで二人の間にあった出来事を次々と言われ、未来人の技術か何かで大事な過去が知られている事実に眉をひそめ不快感を示す。一方で相手ならばゲームで役割をこなす為に仕方なかったと言えば確かに許して貰えそうだと思ってしまったのも事実でそれを振り切るように拒絶の返事をする。オーディエンスを盛り上げなければ風.都.がめちゃくちゃになると言ったニタリの言葉が頭を過ぎる。否定する理由を探していれば脱落した人に起きることで情報が食い違っていたのを思い出して彼女の言う通りに動くと相手が風.都を思う気持ちが失われてしまうことを指摘して反応伺い)
あら、いつの間にその話をしたのね。やたら端末を触ってると思ったらそういうこと。ならあなた達はこのゲームに参加している時点で負けてるって気づいているかしら?デ.ザ,神にはたったひとりしかなれないならあなた達二人共に幸せは訪れない。二人で勝つにはこのゲームを退場しないようにしてやり過ごした後、次のデ.ザ.グ.ラで願いを変えて優勝する、これしか道はないの
(相手を裏切り者としてより先鋭させるためにゾクルは少しずつ外堀を埋めていく、こちらのお願いを拒否する相手には表情さえ変えず脱落のペナルティの話を持ち出されれば大袈裟に驚く表情を見せる。実際ニタリから聞いた話によれば相手は敗者の末路を正しく知らなかったはず、肘をテーブルについて少し体乗り出しながらジッと相手を見つめると情報交換をしたタイミングを言い当てて見せて期待通りの行動だと楽しげに笑っていた。だがそれならばもっと退路を断つように外堀を埋めるだけのこと、もう相手と探偵にはこのゲームで未来がないことを告げる。探偵が相手に提案したことを後押しするようにこのゲームでの勝ちに意味はないのだと示して、ついでに勝ち筋を教えた。しかし次のデ.ザ,グ,ラに参加するになそれなりの実績、つまりはオーディエンスに求められる事が必要で『次のデ.ザ,グ,ラ,にも参加するためにあなたは正しくデ.ザ.ス.タ.ーの役割を全うしてオーディエンスにアピールし、あなた達二人がこのゲームに相応しい駒だと示さなきゃならない。それにはね、相棒関係の崩壊なんていう最高のドラマはうってつけなの。あなた達が将来的に二人での勝ちを手に入れるために翔太郎を泥沼の底まで突き落とす必要があるの、分かった?』と再び圧をかけるように問いかけて)
次のデ.ザ.グ.ラ…、………少し考えさせてくれ。
(流石にあれだけ端末を触っていたのは不自然だったのかそのタイミングを当てられる。畳み掛けるように薄々感じていた自分達の勝ち目の無さを告げられるとまた瞳が揺れる。恐らく脱落後に起きることは彼女の方が正しいのだろう、自分達が願いに街のことを書くという事もここまで勝ち上がって来る事も読まれていた。ここまで用意周到ならば自分をデ.ザ.ス.タ,ーにするよう提言した可能性すらある。相手の言う通りまともにゲームに取り合うのが馬鹿馬鹿しいような状況だ。だがそこに救いの蜘蛛の糸のように第三の勝ち筋を提示されると思わず聞き入ってしまってそのワードを口にする。この一回だけで全てを解決しようとしていた為全く考えていなかったがこのゲームはあの4人のように繰り返し参加することが可能だ。今全てが解決出来ないなら次に託すというのも懸命な選択なのかもしれない、あれだけ拒否していた彼女の言葉に飲まれている事に気付かないまま考えを巡らせていれば、その策を取るためにはデ.ザ.ス.タ.ーとして相手を裏切りオーディエンスを惹き付けなければならないと念を押される。相手を苦しめる彼女の思惑通りに動きたくは無い、だがオーディエンスの関心や注目を集めていれば自分達を活かす要素として街が荒らされる事もなく、また違う状況で再チャレンジ出来る。相手が言っていた運営に逆らうという手よりも合理的に考えてそちらの方が可能性があるのではと考えてしまえば視線は伏せていき、ぽつりと迷いを滲ませた返事を返して)
『えぇ、じっくり考えるといいわ。でも実際あなたがデ.ザ.ス.タ.ーの役割を派手に全うすればするほどあなた達の勝率は高くなる。この前あの子に相棒を辞めるって酷いこと言われたばっかりでしょ?ちょっとした仕返しと思ってやればいいじゃない』
(このゲームには既に勝ちがないこと、そして先を見据えた勝ち筋を提示してやれば相手は話を聞きいるように耳を傾けていて最終的に迷い始めるとゾクルは内心ほくそ笑む。自分の望む展開へ誘い込んで最高のショーを見られる可能性にイヤでも興奮してしまっていた。ここまで情報を与えてやれば十分だろう、身を乗り出していた所をひいてカップに指をかけてまた紅茶を一口飲みながら迷う必要などないと背中を押すようにまた二人の過去を持ち出してクスリと小さく笑う。残っていたクッキーを全て口の中に入れて咀嚼し飲み込めば『どちらにせよ、ニタリから聞いたと思うけどあなたがデ,ザ.ス.タ.ーとしてつまらないことをすれば今回のゲームは取りやめになってあなた達の街はジ.ャ,マ.トに荒らされたまま、もしくはもっと酷いことになって終わるわ。それを決めるのは私達オーディエンス、よく覚えておくことね。私からのお願いは以上よ。あの子の相棒としてあなたのことも応援してるわ、フィリップ。翔太郎によろしくね』と言えば軽く手を振って感情の読めない笑みをニコリと浮かべて)
…ああ。……もし僕が君達の期待通りに動くと決めたとしたら、これ以上翔太郎には余計な手は出さないでくれ。変に介入するよりプレイヤーが自発的に争っていた方が面白いのだろう?
(彼女らの思い通りに動きたくはない。だが今わかっている情報を考えればそれ以外に有効的な手はないように思える。迷いを見せていれば彼女は引っ込んでその策に乗るべき理由とそれらしい免罪符が告げられる。黙り込んだまま二つの間で揺れていればニタリから聞いたゲームが放棄された場合の街の有様について改めて告げられて顔が青ざめていく。別の時間軸の映像まで取ってこれる技術にこんな悪趣味なゲームとそれを観戦するオーディエンスがいるのだ、デ.ザ.グ.ラ開催地を破壊しつくすというエンターテインメントを行う可能性も否定が出来ない。吹きこまれた情報を元に考えれば考えるほど八方塞がりでどうしようもない、やはり罠だとしてもこの策に乗るべきではないかと思考が傾いていく。最初に見た印象とは大きく変わって感情の読み取れない彼女の笑みが今は恐ろしく思えた。何とか短く返事をすれば重たい体を動かして席から立ち上がる。ゲームは明日ならば今晩の内に結論を出さなくてはならないだろう。入り口のドアの前までやってくると彼女の方に振り返る。そして仮定の話と前置きした上でこれ以上相手に手を出さないように釘を刺す。今から裏切るかもしれない立場で無事を願うなど滑稽かもしれないがこれ以上相手を傷つけたくはない。彼女たちが好むような理由を添えるとそのまま部屋を後にした。扉が閉まった瞬間どっと色んなものが湧いて力が抜けそうになったが本番は明日だ。あまり長く不在では他のプレイヤーに印象が悪いと深呼吸してからサロンに向かう。その最中もゾクルに言われたことが頭に何度も浮かんでは心が乱され寝る支度をしていた景和たちに若干上の空気味に返事をしながら何とか寝床に戻ってきて)
『えぇ、もちろん。あなたが自主的にあの子を裏切ってくれた方がもっともっと酷い姿が見れるんだもの。期待してるわね』
(相手には自分の示した道しかないのだと刷り込むように、実際それしかないのだが、相手が探偵を裏切るように仕向けていけばその顔は真っ青に染まって追い詰められているのがよく分かってますます内心で口角を上げるのが止まらない。相手は短く返事をして席から立ち上がる、去り際にもしもの話をされれば流石に口角を上げざるを得なかった。相手はもしもの話をしているのだろうが探偵への裏切りを選択肢に入れてしまった時点でほぼほぼこちらの思惑通りに事は進むだろう。遠くない未来に見れる探偵の無様な姿に興奮気味に勢い良く返事をすれば相手を見送った。直ぐに乾いてしまう喉を紅茶で潤せばクスリと小さく笑って『まぁ私が飽きるまで二人ともデ.ザ,神.にさせないけど』と誰もいない空間で呟く。勝ち筋を示しはしたがそれは二回目以降のゲームで優勝出来たらの話、そもそもデ.ザ.グ.ラ.を勝ち抜くこと事態が至難の業でそこにオーディエンスの介入があれば優勝なんて不可能だ。しばらくは楽しめる推しのプレイヤーとその相棒を見つけたことにゾクルはまた悩ましげに吐息をついてサロンの様子を観察することに戻った。一方で探偵はニタリの部屋から帰ってきて相手がいなことに気がつく、他の参加者に所在を聞くが誰も知らなくてしばらくは景和が入れてくれたお茶を片手に談話が続いた。いよいよ寝る時間になったところで相手が戻ってきて生返事をしながら粛々と寝支度を整えていく。その顔は傍から見ても明らかに浮かないもので各々が寝床に潜ったタイミングを見計らって相手の元へ向かうと隣へ座り「どうしたフィリップ?なんかあったか?」と様子を伺うように問いかけて)
…っ、ビックリした…。…何も無いよ、どうすればこの状況を解決できるか考えていたけどいい考えが浮かばなくて少し参っていただけだ。
(ゾクルの部屋を後にしてサロンに戻ってくると皆寝る準備をしている所だった。自分がどうするべきなのかという思考が大半を占めていればそれらしい生返事をするのがやっとで相手に声をかけることなく寝床のソファに向かった。どうにか他に方法はないかと考えるが策が浮かんでも実現できる可能性は皆無に等しいものばかりでドライバーが奪われている状態ではあまり無茶も出来ない。そうしてまた思考の沼に沈んでいこうとしていれば相手が近づいて来たことも隣に座った事にも気づかず、声を掛けられてやっと相手の存在を認識してすぐそばにいることに僅かに肩を跳ねさせた。どうやらずっと上の空だったようで様子を伺うように問いかけられるとゾクルとの会話が過ぎる。今ずっと考えていることを相手と共有していつものように二人で解決策を考えたいがこのゲームのルールとしても提示された勝ち筋の点からしても伝えることは出来ない。相手の方を見ると目が合うがいつもの真っ直ぐな瞳がこちらが隠していることを見透かしているように思えて視線を逸らすように前を向くと当たらかずも遠からずの理由を告げて)
(/お世話になっております。お互いのサポーターと接触して盛り上がっていく最中ではあるのですが一つご提案とご相談があります。次はジ.ャ.マ.―ボ.ー.ルの予定だったとおもうのですがここまで最高のお膳立てして頂いてますので裏切りの仕方が分かりやすい時限爆弾ゲームにするのはいかがでしょうか。検索側も爆弾をぶつける、解除を遮るなどの妨害もしやすいですし、直接街の人が被害にあうゲームなのでそれに加担するデ.ザ.ス.ターへの探偵君の怒りや絶望感が煽られるかと!もしジ.ャ.マ.―ボ.ー.ルで考えているイベントや流れがありましたら是非そちらをやりたいのでご検討と返信頂ければ幸いです)
そうか…あんまり考えすぎんなって言いてぇとこだが俺も全然解決策が思い浮かばねぇな。さっきニタリから持ちかけられた取引も俺達で解決するって断っちまったし
(相手は相当考え事に集中していたらしく隣に座っても気付かず声をかけてようやくこちらの存在を認識したようで驚いたような反応を見せていた。何か悩み事だろうかと思ったが相手の顔は前へと向いて視線が合わなくなってしまう、今後のことを悩んでいたようだがどうにも歯切れが悪くてルールで禁止されている事項について考えていたのだろうかと想像するしかなかった。だがこちらも状況は同じで考えても考えても次に動くべき一歩が見当たらない、これくらいなら話しても大丈夫だろうとニタリとの取引を蹴ったことをさらりと伝えながら詰まった息を吐き出してソファに背中を預けた。たどり着かない答えにこちらも幾らか参っているがそうなれば前に進む以外選択肢はなくて「ダ.ブ,ル.ド.ラ,イ.バ.ーを手に入れるチャンスが来るまではゲームに順当に参加するしかねぇな」と愚痴をこぼすように言って)
(/こちらこそお世話になっております。そして素敵な提案ありがとうございます!なんとなくジ,ャ,マ.ー.ボ.ー.ルの印象が残っていたので提案させていただいていて風.都が舞台ならば地の利を活かして裏道からゴールを狙ったり、みたいな展開は考えていたのですが時限爆弾ゲームでも同じようなことが出来そうですので、ぜひそちらにしましょう!探偵の怒り度合いもあげることが出来ますし、記憶がリセットされるなら所長やイレギュラーズが狙われたりする展開も面白いかなと!別々に行動するので検索くんもデ.ザ.ス.タ.ーとしてより動きやすいかと思いますので次のゲームは変更してしまいましょう!)
…その様子だと悪趣味な条件で手助けするとでも言われてそうだ。…ああ、今の状況ではどうしようも無いね。
(あまり良い誤魔化し方では無かったがルールで共有出来ないことに悩む要素があると解釈されたようで深く突っ込まれることはなかった。相手もあれから良い策が浮かばなかったらしい。その話の流れでニタリとの取引の話が出てくると一瞬体を固める、だがあまり引き摺っていない様子を見る限り何かニタリの思惑を叶えられるような条件と引き換えにヒントか手助けを提示されたという所だろうかと推測を口にする。奇しくも自分のサポーターよりも相手のサポーターの思惑を知った形になったがその毒牙にかかる可能性を思えば余計焦りは募る。視線を伏せていると隣から愚痴っぽい言葉が聞こえてきた。相手の言う通り何も無ければチャンスを伺いたい所だが彼女の提示した勝ち筋に乗るならデ.ザ.ス.タ,ーに停滞は許されない。戻るも進むも止まるも地獄ならばより可能性がある方に賭けるべきなのかもしれない、相手の言葉に同意して諦めの含んだ声でぽつりと零すと踏ん切りを付けるように相手の方を向く。いつになく真剣な顔をすると改まったように「翔太郎」と名前を呼んで)
(/それでは時限爆弾ゲームにいたしましょう。それと所長やイレギュラーズが狙われてしまう展開もとても良いと思います!検索じゃないと知り得ないことややらない事が逆にデ.ザ.ス.タ,ーを疑う理由になってしまったりすると面白いかも知れません。本編と同様ある時間までのタイムリミットでしたが同じようにするか少しアレンジするかいかがでしょうか。)
あぁ、俺がゲームから退場するのが条件だった。ンなもん願い下げだぜ
(相手にニタリとの取引のことを言われれば軽く頷きながら答える、相手がひとりになることを異様に望んでいたニタリだったが一人で出来ないことを二人でならば乗り越えられることをよく知っている身としては相乗りを自ら降りるようなことは決してしない。だがそれはそれとして活路が見いだせないのは確かで愚痴を零せば相手からは何処か諦めの感情を含んだ言葉が聞こえてきて再び相手の方を見た。現状八方塞がりではあるがそれでも相手はいつもより塞ぎ込んでいるようにみえる、愚痴を言ったところではあるが嘆いていては始まらないのも確かでソファに預けていた体を引き起こして明るく声をかけようとした。その前に相手の方もこちらを向いて目が合う、その顔は何時になく真剣で名前を呼ばれるとこちらも相手の空気を察すれば「なんだ、フィリップ」と相手の名前を呼びながら真っ直ぐと相手を見つめて)
(/このゲームでどんどん検索くんへの疑いが膨らんでしまってギクシャクしてしまうのも良いですね!今回でデ.ザ,ス,タ,ー投票で一名、得点制度もいれて最低点を出した一名の計二名が脱落してしまうのはいかがでしょうか?こちらとしましては得点制以外は本編同様タイムリミットありの時限爆弾があって正しい色のコードをジ.ャ.マ,ト,を倒すことで見極めて、な流れで良いかなと思ったのですが検索様はいかがでしょう?アレンジな展開の案があれば入れてしまうのもいいかなと思います!)
…今日までのゲームといい、このデ.ザ.グ.ラ内ではこの先何が起こるか分からない。だけど、それで僕達がこれまで築いてきた物も、僕の想いや考えは変わらないから。それだけは覚えておいて欲しい
(ゾクルがあの様子ならばニタリも同じような物だろうと考えていたが相手が退場するのが条件だと聞けば目を瞬かせる。二人の間を引き裂いて一人にするのが目的なのかもしれないがゾクルが取引が無くなって喜んでいた理由が漸く分かった。だがそんな無茶苦茶な取引を持ち掛けたのなら断られたニタリが素直に引き下がるとも思えない。この八方塞がりの状態を更に悪くしない為に自分の中で覚悟のような物が出来れば相手の名前を呼ぶ。こちらの空気を感じたのか茶化すことなく真っ直ぐとした瞳が向けられる。これからやる事を思えばまともな言葉を交わせるのは今ぐらいだろう。突発的で不審に思われるのも承知の上でこちらも真っ直ぐな瞳を向けるとフィリップとしての言葉を口にする。二人で重ねてきた時間や思い出も今まで伝えてきた言葉や想いも嘘ではないと当たり前のことを、表面だけでも裏切ってしまう前に伝えたかった。願わくばそれが訪れた時に自分の真意に気づいて欲しいと独りよがりな想いを込めて。これ以上は何があったのかと聞かれてしまいそうで「…なんて考え込みすぎて変な事を言ってしまったね」と小さく笑って誤魔化して)
(/計2人脱落するのは有りだと思うのですが検索がデ.ザ.ス.タ.ー退場枠だと狐君、探偵君、二人のどちらかが残る形になるのでそこから話していた内容の流れって形で宜しかったでしょうか? なるほど、ならば基本的には得点制のゲームで緊急ミッションとして時限爆弾のことが明かされる流れはどうでしょうか?ポイントのことを考えれば普通の爆弾解除に回った方が効率が良いが時限爆弾には知り合いが巻き付けられていて、のいった感じだとハラハラした展開になりそうです。またこちらもご相談なのですがゲーム中は正体を隠し、その些細な行動で疑いを高めて投票前の話し合いで裏切り者だと気付いて指摘するパターンとゲームの中盤で裏切り者だと分かるムーブをして判明、その過程を知らない他の参加者たちの前で探偵が裏切り者だと主張する形で対立するのどちらが宜しいでしょうか?)
…当然だ。ここじゃ俺達の常識を超えることも簡単に起こりやがる、誰かの思惑が介入してくるゲームならいつも通りではいられねぇ。でも、何があってもお前は俺の相棒で最期まで相乗りする約束は変わらねぇ
(互いに視線を交わして相手の言葉を静かに聞く、この先の波乱を予感させそれでも互いの関係が何も変わらないことを告げられる。直後空気を変えるように相手は笑ってその場を誤魔化す、なぜ今この言葉を自分に言ったのか、そうやって誤魔化すのか、そこに思考を取られそうになるが今はきっとその時じゃない。余計な考えを捨て去ると意志を込めて力強く返事をする。強制的にお互いの腹を探り合うようなこともさせられオーディエンスのためならば人を残酷に弄ぶゲームに自分達は参加している、だが例え何があっても相手と二人で築いてきたものは絶対に揺るがない。あの始まりの夜から続く二人の関係は相棒という名で存在し続けている。本当は恋人として腕の中に閉じ込めて相手の不安が溶けるまで背中を撫でてやりたい、だが今はそれは叶わぬ事でせめて少しでも体温が伝わるようにと「そうだろフィリップ?」と同意を求めるように手を差し出し相手を見つめて)
(/すみません、時限爆弾ゲームの後に検索くんがデ.ザ.ス.タ.ーとして脱落するところまで一気にいってしまう感じですね、分けるものだと勘違いしておりました。検索くんがデ.ザ,ス.タ.ーとして退場する際は前にご相談させていただいた通り検索くん、狐くん、探偵で探偵の票で検索くんを落とす、という流れをやりたいなと思っております。ですので次のゲームで上位三人のみが生き残り、その三人でデ.ザ.ス,タ.ー投票、という流れでいかがでしょうか?そして時限爆弾が突発ミッションというのもぜひぜひそうしましょう。探偵がより人助けにのめり込んでしまう感じがいいかなと思います。また検索くんがデ.ザ.ス,タ.ーだと判明する経緯ですがゲーム中に判明してしまう方が面白そうかなと思いました。風.都,の街の人を救わなければならない場面で妨害行為を見るかされるかして互いに感情を揺さぶられた後に投票へと臨む展開はいかがでしょう?もし検索様のご希望の展開あれば教えていただければ!)
ああ、僕たちはいつまでも二人で一人だ。…君とこうして話しているだけでも色々気持ちに整理がついて安心するよ。
(傍からすれば唐突過ぎるであろう自分の言葉を相手は静かに聞いてくれる。自分の想いを伝えるだけの行為だったが相手から力強い返事がされると胸がぎゅっと掴まれた感覚がした。自分がデ.ザ.ス.ターとして動くのにあたって一番怖いのは相手を裏切ること、そしてそのことで今までの関係にまた亀裂が入る事だ。もう二度とあんな思いはしたくもないし、させたくもない。だが相手は何があっても自分を相棒だと断言してくれていて、それが嘘でない事は今までの関係で一番良く分かっている。同意を求めるような口調と共に差し出された手に自らの手を重ねると良く知った温かさが伝わってきて自然と表情を和らげいつものフレーズを口にする。詳細は話していないがこうして一緒に居て相手の言葉を聞くだけで沼に沈んでいきそうだった思考も幾らか晴れていく。確かにデ.ザ.ス.タ.ーとして動くのはサポーター達からの脅しにも近く告げられた最悪の事態を回避するためだが逆にそれほどオーディエンスの影響が大きいならそこを上手く利用すれば新たな活路が開ける可能性もあるかもしれない。相手の言葉で整理がついて少しだけ前向きな考え方も出来るようになると重ねた手をソファーの上でこっそり繋ぐように動かしてからぎゅっと握って)
(/本編と人数やゲーム数が違うのでややこしくてすみません。流れについてはそれが自然かなと思いますのでそんな感じでやっていきましょう。突発ミッションについてもそんな感じで効率的には他を回った方が得だけど、みたいな探偵君の良さが見られたらと思います!また判明の流れも承知しました。まさにそんな感じでゲームの中盤か終盤辺りにその現場を目撃するかゲームを盛り上げるために途中で裏切るなどして話をする暇もないまま投票の流れで致しましょう。その他はひとまずこちらから相談することや希望はないのでいつものように好きに要素を詰め込めたらと思います。探偵様の方に何もなければこちら蹴りで大丈夫です)
同感だ、俺もお前がいるだけで前を向ける。…っ、
(揺らがない関係と約束をより確かなものにするように手を差し出せば相手からも握り返されていつもの体温が掌から伝わってくる、同時に相手の表情は緩んで思い詰めた顔もマシになればこちらも緊張を解くように笑みを見せた。そしていつもの二人だけのフレーズを持ち出されると握っていた手に自然と力が籠る、互いに情報交換は出来ず先行きはいつも以上に見えないが相手とならば進んでいけるのだと改めて強い思いを抱いた。次に相手から聞こえてきた言葉は諦めではなく前向きな言葉でそれがこちらの存在があるからだと言われると擽ったい気持ちを抱えながらこちらも同じなのだと返事をする。そうやって会話をするうちに繋がったままの手はソファの上に降ろされてそこでこっそりと繋ぎ直されると予想外の行動に目を見開いてしまった。動きとしては不自然ではなかったがこの監視生活では手を繋いでいるところが映ってしまっているのではないかと顔に熱が上がりそうになる。何か言おうとしても言葉が出なくて目を泳がせていると『そろそろ電気消すよー』と景和の声が聞こえてきて思いっきり肩を跳ねさせてしまうと「お、おぅ!」と大袈裟な声で返事をしてしまった。程なくしてサロンの明かりが落ちる、いつまでもここにいるのは不自然で自分の寝床に戻らなければならない。だがこの繋がりが無くなってしまうのは惜しくて相手をチラリとみた後に顔を寄せた。そしてそのまま頬に口付けをそっと落としてこちらからも手をぎゅっと強く握る、映像でみれば耳打ちでもしたように見えるだろう。すぐに体勢を元に戻せば「おやすみフィリップ」と言葉を送ってから名残惜しげに手をそっと離して自分の寝床へと戻って)
…っ! …おやすみ、翔太郎
(変わらない関係がこれからも続いていくことを確かめ合って本当の自分の想いを伝えることが出来れば罪悪感や不安は残る物の沈んでいくような重たい気持ちは無くなった。更に想いをつたえるように手を自然な形で下ろしてこっそり繋ぎ直すと分かりやすく相手が目を見開く。オーディエンスの前で更にくっつくことは出来ないがどうせ自分達の過去がバレているならこれくらい許容範囲だろう。何も言えなくなって視線を泳がせる相手にさらに笑みを零していれば景和から声が掛けられる、背もたれのおかげでこの手は見えないだろうが相手が大げさな声で返事をして不思議そうな視線を感じるもすぐにそれは散っていく。サロンが暗くなればそろそろタイムリミットだ、状況は悪いが今日は昨日よりも穏やかに眠れるかもしれないと思っていればちらりとこちらを向いた相手と目が合う。そして顔が寄せられると頬に柔らかい感触と手に力強い温もりを感じて今度はこちらが目を見開いてしまった。久しぶりの感触に心臓は跳ねている間に相手は離れて行く、それが惜しいと思ってしまうが今の状況ではこれ以上は出来ない。代わりに手をもう一度強く握って同じ就寝の挨拶を返すとそれぞれの寝床に戻る。幾つか前向きになった思考で明日のことを考えながら眠りについた。翌朝、緊張で少し早く目が覚めてまた考え事をしながらも端末に届いたサポーターの応援メッセージに既読だけつけて昨日に引き続き皆で朝食を取る。気まずさはなくなったものの何となく皆の疑うような視線は昨日よりも強くなっていた。朝食を食べ終わり片づけをしたタイミングで『まもなく第四回戦を開始します、皆様お集まりください』とアナウンスが流れ相手に目配せするとまた神殿のような所に移動して)
…つまり、今回で三人が脱落して下手すりゃデ.ザ,神まで決まっちまうってことか
(久しぶりに感じた恋人の体温と胸の高鳴りに加え暗がりになってしまえば衝動的な行為をしてしまうには十分な状況で相手の頬に口付けを落とした。相手の体は一瞬固まってもっと相手を感じたくなってしまうが流石にここではここまでだ、代わりに再び強く手を握られればそこには相手の体温が残った気がして繋がっていた手を温めるようにしながら眠りについた。翌朝、すっかりいつも通りとなった朝食をとるが食卓を囲う雰囲気は何処かよそよそしい、まだデ.ザ,ス,タ.ーがこの中にいてこれから新たなゲームが始まるとなれば警戒するのも当然だろう。食事を終えて片付けが終わればタイミングを図ったように第四回戦のアナウンスがされる、相手と目配せしたあとに神殿のような空間へと全員で移動した。ナビゲーターが皆の前に立つのもすっかりお馴染みになって『おはようございます皆さん、それでは早速次のゲームについて説明します。次のゲームは、ジャマト狩りです。街で暴れ人々を襲うジャマトを倒し得点を獲得してください』とゲーム概要が説明された。ここにきてまたシンプルな内容になったが続いて『このゲームの勝者は得点の多い上位三名のみです。さらに上位三名の方によりデ,ザ.ス,タ.ー投票を行い投票の多かった方が脱落となります。』と説明がされて途端に緊張感は増す。このメンバーで上位に残るのも難しいがそこからさらにデ.ザ.ス.タ.ー投票となると今回で三人もの人間が消えることになる。さらにもし最後の二人にデ.ザ.ス.タ.ーが残っていた場合その時点でデ.ザ.神の横取りが確定するということだ。一気に近づいたゲームの終わりに参加者は互いに目を合わせる、この中で勝ち上がりさらに裏切り者まで見つけなければならないのだ。そんな緊張感を他所にナビゲーターが『それではゲームスタートです!』と宣言すれば視界が白に染まって直後見慣れた光景が視界に広がる。飛ばされた場所は風.都のシンボルである風.都,タ,ワ.ーの真下でどうやら今回はこの街全体が舞台ということらしい。愛すべき街が再び危険に晒されることに表情を険しくさせながらバックルをセットするとドライバーを起動させ変身して)
個人の得点形式なら別々に動いた方が効率は良さそうだ
(すっかり馴染みになってしまった場所に訪れると早速ナビゲーターが次のゲームを説明する。内容を聞く限りは単にジ.ャ.マ.トを倒した得点を競うらしいがこの状況でそれだけで終わるとは思えない。そして今回のゲームのボーダーが上位三位までと聞けば目を瞬かせる。つまりこのゲームに勝つ為には3位まで入った上で投票を回避しなくてはならない。それは普通のプレイヤーにとっても同じで今までとは違う難易度に一気に空気が緊張感でピリッと鋭くなった。互いに目を合わせる中ナビゲーターがゲームの開始を宣言するとまた視界が真っ白になって次に開けた時には見慣れた景色が広がっていた。音につられて上を見上げると風.都,タ,ワ.ーが風を受けて回っていて自分達の街が舞台だと再認識する。この街を守る為にも自分のなす事をやり抜かなければ。バックルを装着して変身すると皆と顔を見合わせる。上位を狙うならより多くのジ.ャ.マ.トを効率的に倒す必要がある。その攻略法を見つけることに加えオーディエンスが好むような妨害役をやりやすくする為にも個人で動く形に流れを持っていく。祢音達もそう考えていたのかそれぞれ単独で動くようになり「じゃあまた」と相手に声をかけるとこちらも皆とは違う方向に移動する。一人になったタイミングで端末が通知を知らせ開いてみれば【デ.ザ.ス.タ.ーミッション 他プレイヤーの妨害】と個別のミッションが送られていた。それだけならば前回と変わらないがその下に【ボーナスミッション 左.翔.太.郎への攻撃、若しくは妨害行為】と書いてあった。誰が設定したのかすぐに分かる個人名を指定した露骨なミッションに眉をひそめる。加えて地図機能に他プレイヤーの位置がある程度分かる機能が追加されているようでそれだけオーディエンスはデ.ザ.ス.タ.ーの活躍を望んでいるということなのだろう。無意識に息を吐いていると何処かに向かうジ.ャ.マ.トの姿を見つけまずは得点を稼ごうと攻撃を仕掛けて)
おぅ。…ん?なんだよこんな時に……あのなアキコ、俺らまだ依頼から帰れねぇって、
(優勝が迫るゲームの舞台は相変わらず風の街で今回はその範囲も広そうだ、やることはいつも通り街の人を泣かせないことだがそこにゲーム要素があるとなるとやはりこの大会自体が悪趣味だと眉間のシワは深くなる。変身を果たせば相手から単独行動を提案される、ゲームエリアになった場所が広いことを考えればここは各々散って広い範囲の人を助けた方がいいだろう、もちろんその中で得点を稼ぐことも必要なのだが。こちらからも相手に声をかけてまずは人が多そうな繁華街へと足を進めようとする、他の参加者よりも土地勘があるのは自分達が有利な所だろう。だが早速走り出そうとした所で体から通知音が鳴って足を止める、音を発していたのはス.タ.ッ.グ,フ,ォ,ン.の方で画面に表示された名前には思わず愚痴を零してしまった。電話に出てみれば開口一番『もう!翔太郎くんもフィリップくんも!いつまで事務所空ける気?!』と所長様のお説教が飛んできた。共同生活を強いられている関係上所長には依頼が泊まりがけになったと言って誤魔化している。自分達がとんでもないゲームに巻き込まれているとは知らずに所長は『まぁいいわ。それより近くにフィリップくんいる?』と言われて居ないことを伝えると『えー?!事務所にお礼のパイナップル届いたからフィリップくんに切り方検索してもらおうと思ったのに』と文句が飛んできて思わず額に青筋を走らせてしまった。そもそも果物の切り方なんて地.球,の,本.棚で調べるべきことでは無い、「ンなことにフィリップ使うんじゃねぇ!」と思わず叫べば『なによ!いいもん私ひとりで食べるから!どうせ賞味期限今日の夕方までって書いてあるし、独り占めしてやる!』と叫び返されてしまいブチりと電話が切れた。またもため息が出てしまうがこの異常事態にいつもの所長の声が聞けたのは心強くて仮面の下で口角をあげると繁華街へ向かってジ.ャ,マ.ト.を倒し始めて)
…昨日のジ.ャ.マ.トよりも弱い? やはり妙だ…
(早速ポイントを稼ぐためにジ.ャ.マ.トに攻撃を仕掛けるが予想に反してあっさりと倒れていく。あっという間に集まっていたジ.ャ.マ.トを倒してしまうと手応えの無さに拍子抜けした。だが端末を確認するとちゃんと得点にはなっているようで妙な状況に違和感は募るばかりだ。これは先に情報収集するべきだと考えると地図上の一番近い人物の場所に向かう事にした。花見に来たりつい先日もクリスマスマーケットを開催していた公園の近くにやってくると祢音の姿を見つけた。声を掛けてみると彼女が戦ったジ.ャ.マ.トも同じような状況のようで『簡単に倒せるのは楽だけど何かヘン』と違和感を口にしていた。そうしていると公園沿いの道路にトラックが止まる、なんとなくそちらを見るとジ.ャ.マ.ト数人車から降りてきて荷台から箱を取り出す。例の言語を話しながらその箱を何処かに運ぼうとする様子を見ると彼女と顔を見合わせる。社会的にも見える行動に驚いていたがひとまずジ.ャ
.マ.トを倒そうと二人で攻撃をしかけた。このジ,ャ.マ,トも手応えがなかったが攻撃した拍子に箱が地面に落ちて林檎が出てきた。それは彼女の足元に転がっていくと妙に膨張を始め、妙な音も聞こえてくれば嫌な予感がして地面を蹴って飛び出し彼女の体を突き飛ばす形で林檎から距離を取らせる。直後大きな音と共にその林檎が爆発して、有り得ない光景に「まさか…『爆弾!?』」と2人の声がハモって驚愕の声を上げて)
ッ、危ねぇ!!…なんだ今の
(繁華街にたどり着けば予想通り悲鳴が聞こえてきてジ.ャ,マ,ト.を見つければ早速攻撃を加える、しかし敵は呆気なく消滅していって拍子抜けだった。四回戦まで来ているのにここまで敵が弱いのもそもそもゲームがシンプルなのもおかしい、隠された何かがあるはずだ。違和感を持っていれば敵の一団の中にオレンジを紙袋いっぱいに詰め込んで運んでいるジ.ャ,マ,トを見つけて怪訝な顔する、直後紙袋からオレンジが飛び出して壁際に逃げていた女の子の足元へと転がった。そのオレンジはゆっくりと膨張し始めて探偵の勘が危機を告げるとオレンジへと走り出し妙な音を出し始めたそれをジ.ャ.マ.トへと投げつけた。すると派手な爆発が起こって目を見張る、こんな派手な攻撃を一般人に仕掛けてくるなんて。さらに怒りが湧き上がっているとス,パ.イ.ダ,ー,フ,ォ,ンの通知音が鳴った、それはナビゲーターから動画通話で『皆さん緊急事態です!ジ.ャ,マ.トからのメッセージが届きました』と告げられそのメッセージが画面に表示される。そこには『お前達の世界に時限爆弾を仕掛けた。タイムリミットは日没、爆弾に巻き込まれた人質の命は助からない。永久に』と書かれていて言葉を失った。このゲームで命を失った人が記憶を消され復活するのも許されることではないが、時限爆弾に巻き込まれればその人は復活することなく死んでしまうのだ。強く拳を握って怒りを顕にする。街の人を助けるのはもちろんだが時限爆弾によって命が失われてしまうならゲームだなんだ言ってる場合ではない、人質を助けなければ。ジ,ャ.マ.トを蹴散らしながら走り出すと人質を最優先に時限爆弾を探し始めて)
っ…ひとまず彼らの言う時限爆弾というものを見つけよう。さっき何処かにあの箱を運んでいるようにも見えたから既に配達済の可能もある、よく調べよう
(二人で驚いているとス,パ.イ.ダ,ー,フ,ォ,ンに通知が入り確認してみればナビゲーターからの童話通話が映る。そこにはジ.ャ.マ.トからの爆破予告ともとれる文章が翻訳されて表示されて思わず目を見開いた。爆弾は間違いなく今の林檎のことだろう、そして人質とはこの街で暮らす街の人の事だ。直ぐにこれがこのゲームの肝であることを理解するがそれ以上にこの街の平和を脅かす内容に唇を噛み締める。約束が違うと吠えても何にもならないだろう、今できるのは最悪の事態を防ぐ事だ。だがデ.ザ.ス.タ.ーミッションはそれを遮ることであってとことんこのゲームの悪趣味さに舌打ちでもしてしまいそうになる。『どうしよう』と困った反応をする彼女に一刻も早く爆弾を見つけるように告げると大きく頷いてまた二手にわかれた。人質の救出とミッションの両立をどうするべきか決めかねていたが彼らが乗っていた運転席に何やら紙のような物を見つけて手に取る。未知の言語で書かれているがある程度規則性がありそうで先程ナビゲーターが見せたメッセージの翻訳と照らし合わせてみる。対応する文字が欠けている物もあって全ては読めないが何とか解読できた一文を読むといつの日か女性に混じって一緒に買ったクレープ屋の名前があって小さく声が漏れた。この紙との繋がりを確かめると言う意味でもそのクレープ屋を目的地とすれば最短ルートで駆け出して)
なんだあれ…?
(ジ.ャ.マ,トを倒しながら進んでいけば一定の方向から人が逃げて来ていることに気がついてその流れに逆らうように走る、人気がなくなってきた頃合いに今までとは違う格好をしたジ.ャ.マ.ト.がいるのに気がついた。トラックのロゴが入った作業着を着てバナナの房を運ぶ姿はまるで配送業者のようだが荷物がフルーツであるのをみれば先程のオレンジのことを思い出しハッとする、恐らくあれも時限爆弾だ。ジ.ャ.マ.ト,を観察していると向こうはこちらに気がつき慌てて逃げ出していく、参加者から逃げるということは何かしらの理由があるのだろう。「待て!」と叫びながらその姿を追いかけると観念したのか今度はこちらへと襲いかかってきて攻撃をかわしながらチェーンソー型の武器でカウンターを叩き込んだ。ついでにバナナを宙へと高く巻いあげればジ.ャ.マ.トは消滅しバナナも爆発して散り散りになる。訳の分からない状況にふと足元をみれば緑色の蔓のようなものが見えた。これがこのジ,ャ.マ.トを倒したことによる報酬ということだろうか。その使い道は分からないもののとりあえずそれを手に取りまた元の道へ戻って走り始める。走っていく先にはかつて相手と共に訪れたことがあるクレープ屋があって周囲に人気はなかった。ここは大丈夫かと思った矢先『誰か助けて!』と裏手から声が聞こえて弾かれたように走り出す、そこにいたのは縛られた状態で地面に転がされた女子高校生情報屋の二人で「クイーン!エリザベス!大丈夫か?!」と変身を解除しながら近づいて)
…!クイーンにエリザベス!…これも果物だ。ということはこれが届けられた時限爆弾だろう
(運搬しているような様子に場所の描かれたメモ、その繋がりを証明するためにクレープ屋に向かう。道中遭遇したジ.ャ.マ.トも乗っていた自転車の後ろに箱を乗せていて咄嗟にそのタイヤにクナイを打ち込んでパンクされる。制御できなくなった自転車は倒れ箱の中からマンゴーが出てきたと思えばそれは途端に膨らみ始めてジ.ャ.マ.トを巻き込んで爆発した。本当に様々な箇所に爆弾が仕掛けられている状況に焦りが募りながらも黒焦げになった自転車の横に青色の紐か蔓のように見えるものが落ちていれば思わず拾い上げる。用途は分からないがジ.ャ.マ.トが落とした物ならゲームに関係ありそうでひとまず仕舞うと目的地に急いだ。クレープ屋の近くにやってきたが何故か客の姿は無い。不審に思っていれば少し遠くから女性の叫び声が聞こえて奥に見覚えのある背中が見えた。反射的にその背を追って裏手に回ると変身を解いた相手が居てその視線の先に女子高校の情報屋が地面に転がされていて思わず声を上げた。こちらも変身を解除すると相手をちらりと見てから彼女達の元にしゃがみこむ。彼女達は緑色と黄色の二色の蔓のようなもので拘束されていてその蔓の先を辿ると異様に膨張したバナナと繋がっていた。『クレープ食べに来たらご自由にどうぞって箱があったからクイーンと開けてみたらこの蔓みたいなのが何かにゅるにゅるって伸びてきて!』と説明するエリザベスの話を聞くにこれが指定場所に届けられた時限爆弾なのだろう。バナナには宙に浮かぶ画面のようなものが表示されていて夕刻までのタイムリミットを示している。前に二人で爆弾を解除したことを思い出すと「前の奴と一緒ならどちらかを切れば解除出来るだろうけど…間違ったら多分爆発するだろうね」と推測を口にすると二人は怯えたような声を上げて)
フィリップ!…っ、落ち着け!絶対に俺達が助けてやるから
(見知った顔が拘束されているのをみれば叫ぶように声をかけるが同じくらいの声量で『翔ちゃん遅い!』『全然大丈夫じゃない!』と文句が飛んでくればとりあえず参ってはいないだろうと気を落ち着ける。そこに相手がやってきてまた声をあげる、変身解除した相手と目配せをしたあとにやることはいつも通りだ。エリザベスの証言を聞く限り誰かが開けるのを待っていたトラップだったようだ、街の人を無差別に狙うとは相変わらず悪質なことをする。二人に巻き付く蔓の先には少しずつ膨張するバナナがあって相手の言う通りこれがジ.ャ.マ,トが仕掛けた時限爆弾だろう、ご丁寧に時間も表示されていて相手の見解に同意するように頷いた。そしてバナナから伸びる蔓は二色あってそれが女子高生二人に絡みついている、爆弾に二色の配線となればやらされることは何時でも同じだ。相手が切る配線を間違った場合の事を口にすれば女子高生二人は取り乱して傍にしゃがむとそれぞれの肩に手を置いて落ち着かせる。睨むようにバナナの時限爆弾を見たところでこれに見覚えがあることを思い出して「あ!」と声をあげて先程手に入れた緑色の蔓を取り出し相手へと見せる、「さっきこれと同じバナナを運んでた奴を倒したらこいつを手に入れたんだ。時限爆弾を仕掛けたジ.ャ,マ.トを倒した報酬がこいつってことは、これが正解ってことじゃねぇか?」と提案して)
翔太郎?…なるほど、確かにゲームとしてありそうな線だ。…じゃあ切るから万が一のために二人を庇っていてくれ
(街の人が被害に合っているというのは理解していたが交流のある顔なじみが巻き込まれていれば落ち着いてはいられない。今ジ.ャ.マ.トが運んでいるのが開封した人を人質にする爆弾の贈り物だと分かればデ.ザ.ス.タ.ーのことは忘れてその解除方法を探す。お決まりのように伸びる二色の配線について触れ、考えるまま間違った時のことを不用意に口にすれば二人は取り乱してしまって相手がそれを落ち着かせる。余計なことを言ったと二人に謝罪しつつ配線の様子を確認していれば相手が隣で声をあげて懐を探る。その様子を首を傾げて見ているとあいては緑色の蔓を取り出して入手経路とそれが意味することを説明する。爆弾を解除するためにはその爆弾を運んでいたジ.ャ.マ.トを見つけて倒さなければならない、オーディエンスに見せるゲームとしてはありそうなルールだ。こくりと頷いて相手の考えに同意すると迷うことなく二色の配線を一本ずつに分ける。ご丁寧に一緒に同封されていたニッパーを手に取ると相手の方を見て二人のことを任せるように言うと緑色の線に狙いを定める。「行くよ」と声を掛けると覚悟を決めて一気に配線を切った。断ち切る音が響くが爆発の衝撃はやってこない、バナナの方に目を向けると画面のカウントダウンは止まった後に表示が消え、二人を拘束する蔓が生命力を失ったように細くボロボロになっていく。容易に抜け出せるような状態になると「…どうやら正解のようだね」と安心した笑みと共に相手の方を見て)
任せとけ。…、……読みは当たってたみたいだな。悪ぃ、クイーン、エリザベス。このまま情報収集を頼みてぇ
(確証はないがこれがゲームであることを考えれば討伐の報酬が問題の答えであるのは有り得る話だ、相手はこちらの考えに同意して早速蔓を切る体勢に入る。相手に言われバナナと二人の間にしゃがむと少しでも爆発が及ばないように再び変身して装甲を纏う、ダブルのものよりは心許ないがないよりはマシだろう。エリザベスが『え、何それ?!』と叫ぶ間に相手が蔓を断ち切る、一瞬の静寂の後顔をあげるが変化はない。バナナの方をみればカウントダウンは止まり蔓はボロボロになって二人の拘束が解けた。変身を解除すると相手と目を合わせてこちらも安堵の笑みを浮かべる、大切な仲間が失われずにすんで何よりだ。爆弾は解除したものの特にアナウンスや表示は現れない、つまり時限爆弾を解除しても得点にはならないということだ。あくまでも得点が得られるのはジ.ャ.マ.ト.,を倒した時と言うことだろう。だが人の命がかかっているならば得点なんて気にしている場合ではなく恐らく時限爆弾はこれで終わりではない、となればここからもいつも通りに行動するだけだ。まだ先程のピンチを抜け出したばかりだが女子高生二人に情報収集を依頼する、この街で情報屋をしているだけあって肝は座っているのか、はたまた仕返ししてやろうという魂胆なのか二人は口角をあげて『いいよ。今回は助けてもらったお礼でタダでやったげる』と返事が返ってきた。そこからフルーツの蔓に拘束されている人かフルーツを運ぶ怪人を見かけていないかと情報を呼びかけてみればすぐさま二件ほど拘束されている人を見かけたと情報が入ってくる。相手の方をみれば「手分けするぞ、フィリップ」と声をかけて女子高生二人には引き続き情報収集を頼みつつ相手と別れて時限爆弾を解除しに走って)
二人とも助かるよ。 …ああ、分かった。
(緑色の配線を切ると爆発する事はなく、カウントダウンも止まった。爆弾を解除する事が出来れば相手と顔を合わせて安堵の笑みを浮かべる。だが何か通知が表示される訳でもなくどうやら爆弾を持つジ.ャ.マ.トを倒す事だけが得点源らしい。街の人の事について何も考慮されていないルールに思う所はあるがひとまず情報屋の二人を助けられたことに安堵していると相手は彼女達に情報収集を依頼する。今被害にあっていたばかりだがターゲットが街全体となれば人手が欲しいのも事実だ。すると二人は口角を上げて良い返事をするものだからこちらも軽く笑って感謝を伝えた。それから拘束された人の情報を聞くと二手に分かれて対処しようと相手から声が掛かって返事をすると再び分かれた。街の人を助けなくてはいけないがそろそろデ.ザ.ス.タ.ーとしても動かなくてはオーディエンスに飽きられてしまう。さっき拾った青色の蔓も恐らく爆弾を解除するヒントなのだろうが夕刻までまだ時間はある。そのままにしておくことを決めると教えてもらった場所に向かった。拘束された人が居るという商業施設にやってきて二階を探していたが被害者の姿は見つからない。だがあの言語が聞こえてきて振り向くとカゴいっぱいのブドウを持ったジ.ャ.マ.トが何処かに向かっている所だった。それを追いかけようとした矢先一階から聞いたことのある声がして下を見ると景和が何かを探しているようだった。2階に居るこちらには気付いていないようで格好のポジションにデ.ザ.ス.タ.ーミッションが頭をよぎる。あまりしたくないが目的の為だと割り切ると変身をしてジ.ャ.マ,トに遅いかかってそのカゴを奪う。そして一階の景和の周りに誰も居ないのを確認してから一階へと突き落とす。突然上から降ってきたジ.ャ.マ,トに景和は驚くも直ぐに変身して応戦するのを観察する。あと少しで倒せるとなった所でカゴで膨らみつつあったブドウの粒を二階からぶちまけて降らせると景和とジ.ャ.マ.トの辺りに散らばって小規模の爆発を沢山起こす。油断した所に多数の爆弾による攻撃を受け変身が解除してしまった景和と倒したジ.ャ.マ,トの場所にオレンジの蔓を確認すると変身解除して直ぐにその場を去って)
景和?!どうしたんだよ、それ
(女子高生二人の情報を元に海辺付近の広場にやってくるとまた人気はなくなって、代わりに『たすけてぇー』とか細い声が聞こえるとそちらへ向かう、そこで縛られ地面に転がされていたのはサ.ン.タ.ち,ゃ.んで急いで側へと駆け寄った。先程は偶然かと思ったが連続すれば人質の人選にも意味が乗ってくる、きっと風の街に住む自分と相手の知り合いを狙って人質にしているのだ。更なる醜悪さに奥歯を噛み「絶対助けてやるからな」と声を掛けながら周囲を観察すれば傍には蔓を伸ばし膨張していくブドウを見つける。ご丁寧にまた二色の蔓があってどちらかが正解なのだろう。今は正解が分からず一旦サ.ン.タ.ち,ゃ.んの元を離れてブドウを運ぶジ.ャ,マ,トを探しに行こうとする。しかし暫く進んだところで黒焦げになった景和と鉢合わせると思わず声をあげて近づいた。悲惨な状況に何があったのか尋ねると『急にジ.ャ,マ.トが降ってきたんだ!しかも倒そうとしたらさらにブドウが降ってきて爆発して巻き込まれて…もー散々だよ』と愚痴を零す。ジ.ャ,マ,トが上から降ってくるなんてどういう状況だとツッコミたくなるがその可能性にはすぐ行き着いて、景和も同じ考えなのか『やっぱり、デ.ザ.ス.タ.ーの妨害かな?』とこちらの顔色を伺うようにしながら問いかけられる。参加者の不利に働くような不可解な状況を起こすのはデ.ザ.ス,タ.ーしか考えられず、しかし「かもな」と確証はない言い方で答えていた。それよりもより重要なワードであるブドウのことを問おうと「さっき言ってたジ.ャ,マ.トって作業着着てなかったか?倒した時に蔓みたいなのが落ちてたならその色が知りてぇ」と聞いてみる。景和なら素直に答えるだろうと思っていたが『あぁこれ?』とオレンジの蔓を出されると望んだ答えを手に入れ口角をあげて「それだ!ありがとよ」と礼を言って呆気に取られた景和を置いてサ.ン.タ.ち,ゃ.んの所へ戻った。戻ってすぐに傍にあったニッパーでオレンジの蔓を切る、すると拘束は解けていきまた安堵の息を吐いた。サ.ン.タ.ち.ゃ,んは何度も礼を言いながら傍に落ちていた箱を指さすと『一緒に入っていた紙に今日の夕方までにお召し上がりくださいって書いてあったからさぁ』とその内容を話す。その瞬間に、つい先程同じ言葉を言われたことを思い出して一気に血の気が引いた。アキコからのあの電話、届いたものはパイナップルで賞味期限、もといタイムリミットは夕方までだ。「まずい、」と焦ったように声を出すと事務所の方へと走り始めて)
…ひとまずこれでミッションの方はクリアだ、あとは…。
(現場から離れると一息つく。端末を見ればデ.ザ.ス.タ.ーミッションは無事にクリアということになっていた。その下のミッションが目に入って胸は重く感じるがこういうムーブを求められているのだろう。上位に食い込むためにジ.ャ.マ.トを探すため周辺を探索していると『誰か居ないかー助けてくれ!』と聞こえてきてその声の元に向かう。警察署近くの駐車場の物陰であるそこを覗き込むと先程の情報屋二人と同じく地面に転がされ刃.野.刑事が助けを求めていて慌てて駆け寄った。刃.野.刑事もこちらに気付いて解除を求める視線の先には膨らみつつあるマンゴーがあり、黄色と青の配線が繋がっている。先程の相手の推理と行動から察するにあの時拾った蔓の色である青色が解除のために切る答えだ。早速解除にかかろうとするがニタリとゾクルの言葉が頭を過ぎってその動きが止まる。オーディエンスの彼等の望みを叶えるには相手を裏切るのが最高のドラマだと言っていた。ならばこの状況は使える手なのではないだろうか。幸いどちらのコードを切るかは既に判明している、その為少々遅延してもタイムリミットを迎える前に爆弾を解除すれば刃.野.刑事の命が失われることはないだろう。胸が痛みながらも頭の中でオーディエンスが好みそうなシナリオを組み立て「待っててくれ、どうにか解除できる方法を探してくる」と嘘をついてその場を離れる。情報屋の次に刃.野.刑事が標的になっていることに嫌な予感を覚え、相手の方の状況も確認しようと考えると電話をかけて)
__アキコッ!っ、…落ち着け!それとハードボイルドだっ!!
(急いで鳴.海.探.偵.事務所に戻り所長の名前を叫びながら中へと入る、そこでいつも通りに所長が過ごしてくれていれば良かったが奥のスペースには蔓に拘束された所長が『翔太郎くぅん』と弱々しい声を出していて急いで近づいた。傍には既に腕で抱えられないほど膨れ上がったパイナップルがあってカウントダウンが刻一刻と減っている。夕方まであまり悠長なことはしていられない状況だ。アキコに絡みついているのは緑色と紫色の蔓で意味ありげな色にまた眉間のシワが深くなる。その間に所長はパニックから抜け出せずにいて『これなに?!ってか二人ともまだ泊まりの予定って言ってたのになんでいるの?!いつものハーフボイルドの格好は?』と捲し立てるように質問されて肩を掴んで制止した、ついでに聞き逃せない言葉は否定しておく。まだパイナップルを運ぶジ.ャ.マ.トは倒せていない、他の参加者から情報を貰うか女子高生二人とサ.ン.タ,ちゃんの情報を待つか、どちらにせよ片っ端から当たっていかなければアキコが危ない。そんな緊迫した場面にも関わらず『今それ関係ある?!』と叫ばれて思わず「お前が言い出したんだろっ!」といつものように言い合いが始まりそうになったところで通知音が鳴った。画面をみれば相手からの着信だ、所長のスリッパがなく永遠に続きそうだったやり取りが止まって内心ホッとしつつ電話に出る。先にこちらの緊急事態を伝えるべきだろうと「フィリップ!人質にされてんのは俺達に縁のある人達だ。今事務所にいてアキコがパイナップルの爆弾に繋がれてる」と状況を説明して)
アキちゃんが!?っ、よっぽど僕達に嫌がらせしたいようだね…。僕は景和達に連絡取って目撃情報か既に蔓を入手してないか聞くのと辺りを探してみる、君は情報屋と色が分かったら直ぐに切れるよう事務所周辺を当たってくれるかい。
(相手の状況も確認しようと電話をかけるとこちらが声を発する前に焦りと緊張が伴った声で所長の危機を知らされて声をあげる。見知った顔ばかり時限爆弾に拘束されると思っていたがやはりこれが運営とオーディエンスの意向なのだろう。思わず悪態じみた声が零れるが不満を言っていてもしょうがない。パイナップルの爆弾を解除する蔓の色はまだ知り得ていない。すぐにでも探さなくてはと気持ちが焦ると相手に情報収集の分担と詮索範囲の指示を飛ばす。「見つかったらすぐに連絡する」と言って電話を切るとすぐに参加者に連絡を取った。だが三人ともパイナップルを運んでいたジ.ャ.マ.トは見ておらず蔓も持っていないらしい。得点にならない事に彼らが嘘をついている可能性は低く解除の鍵が見つかない事にますます焦ってしまう。その一方その先を見据え最後に掛けた祢音に「なら見かけたら連絡して欲しい。それとこれとは別件で僕の街の仲間が警察署の方でジ.ャ.マ.トっぽいものを見かけたって教えて貰ったんだ。もし余裕があれば確認して何かあったら僕か翔太郎に教えてくれ」と告げ刃.野.刑事の発見を促しておいた。承諾の返事を聞いてから電話を切っては目的のジ.ャ.マ.トを探しに行き)
あぁ、分かった!頼んだぜフィリップ!
(相手に事務所の状況を伝えれば驚きと共に悪態めいた言葉が聞こえてくる。こちらも心境は同じだ、よっぽど自分達を追い詰めたいらしい。相手から情報屋と蔓を切る役目を預かると力強く返事をして電話を切る。所長のもとに戻るとまた肩に手をかけて「アキコ、俺とフィリップが必ず助けてやる。もうちょっと待っててくれ」と声をかければ不安げな顔ながらも所長は頷いていた。少しでもジ.ャ.マ.トに出会う確率を上げるために事務所を出る、そのタイミングでウ.ォ,ッ.チ.ャ.マ,ンから連絡があって慌てて電話に出た。すると『サ.ン,タ,ち,ゃ,ん,から聞いたよー?フルーツを運んでる怪人を探してるんだって。ボキのこと忘れるなんて翔ちゃんもいけずだなぁ』と場違いなテンションで言われるが言い方からして朗報だろう、「連絡しなくて悪かった。それで、お前の情報網に何がかかったんだ?」と気取った言い方で返事をすればフルーツの模様が書かれた箱を持った怪人が近くの路地裏で発見されたのだと教えられる。礼を言ってから電話を切ると直ぐに路地裏へと向かった。人気はないがちょっとした広場になっている場所にジ.ャ.マ,トが複数体たむろしていて一番奥には作業着を来てダンボールを抱えたジ.ャ,マ,トを見つける。しかしそれを守るように立ち塞がる敵の数は多くて奥歯を噛み締めていると『いい狩場だな』と声が聞こえてそちらを向く、後ろに立っていたのは英寿だった。彼を見つけるや否や「頼む!協力してくれ。俺はあの奥の奴を狙うから露払いしてくれ」と協力を申し出る。それに英寿は鼻で笑って『俺にジ.ャ.マ.ト.を譲っていいのか?このままだと最下位だぞ』と現状を突きつけてくるがそれを薙ぎ払うように胸ぐらを掴むと「ンなもん今は気にしてる場合じゃねぇんだよ!風.都.の人を守るのがこの街の探偵の、俺の役目だ!」と叫んだ。それを表情ひとつ変えずに聞いた英寿は片側の口端を上げまた笑って『タイクーンよりお人好しがいたとはな』と馬鹿にするように言った後にバックルを取り出す。どうやら協力してくれるらしい。手を離してこちらもバックルを取り出すと二人並んで「変身っ!」と装甲を纏う。英寿に雑魚を任せて一直線に作業着のジ.ャ.マ,トへ向かっていくとジ.ャ.マ,トはその場から逃げ出してしまう。それを追いかけていけば倉庫に逃げ込まれてそれを追うように中へと入って)
(電話の先から聞こえる声からはこちらへの全幅の信頼を感じられてそれを現に裏切っている状況にジリジリと胸が痛む。だがこの役割は相手には任せられない、悪魔らしい自分の仕事だ。それぞれに連絡を取りタイムリミットまでまだ時間があることを確認してからまだ誰も探していないであろう繁華街から少し離れた場所に向かっていると相手を示す紫の丸が英寿を示す白い丸の元に重なった。どうやら二人が接触したらしい。英寿の行動は未だ読めないがこれまでのゲームの実力を見れば今回も間違いなく上位3位に食い込む動きをしているのだろう。そちらは二人に任せるとしてパイナップルのジ.ャ.マ.トを探しているとぽつんと立った今は使われていない店からジ.ャ.マ.トが出てきて近くの壁に身を潜めた。ジ.ャ.マ,ト達は店の中から果物の絵が書かれた箱を近くに停めたトラックに運び出している。ここが出荷地の一つなのだろう。運ばれていく果物の中にパイナップルは無かったがこれらが運ばれて犠牲者が増えるのは見逃せない。ここで一気に殲滅するのも手だが今まで倒したのが歩いて運んでいるジ.ャ.マ.トだったことを考えるとこのトラックで荷物を運び現地に運搬役が別にいる可能性が高い。その中に目的のジ.ャ.マ.トがいる可能性だってある。ならばここで無闇に倒すより果物を運ばせ現地のジ.ャ.マ.トと一緒に倒した方が効率的だろう。そう判断すると変身してからこっそりと近付いて荷物の積み込みが終わるのを待つ、恐らく全て載せ終わってジ.ャ.マ.トが前の運転席に乗ったのを確認すると積み込み役を倒してから荷台の上に飛び乗った。運転役はエンジン音でその音が聞こえなかったのかトラックは発車する。車内のジ.ャ.マ,
トは広場の仲間からピンチの知らせを受け二人が戦っている場所に向かう。倉庫裏にトラックが止まると運転していたジ.ャマ.トは荷台を開けて爆弾である果物の箱を抱え仲間の元に向かう、その隙にトラックの裏に降りると彼らの様子を伺って)
ッ!お前が正解か!
(日も落ちてきて電灯のついていない倉庫の中は薄暗く雑多にものが置かれているせいで視界も悪い。逃がさないうちに早く仕留めなければとダンボールを持つジ.ャ.マ.トに斬りかかればふわりとダンボールの蓋が浮いて一瞬だけ中身が見えた、暗がりの中だったが緑色の特徴的な葉と濃い黄色のフォルムは間違いなくパイナップルだ。あのジ.ャ.マ.トを倒せばアキコを助け出せるはず、チェーンソー型の武器を構えて走りよったが直後同じダンボールを持つ作業着のジ.ャ,マ,トが現れて攻撃を妨害されてしまう。二匹のジ.ャ,マ,トは見た目が全く同じで今ならばパイナップルを持っている方が分かるが時間が経てば経つほどどちらが目的の敵か分からなくなるだろう。しかも作業着のジ.ャ,マ.トは基本的にこちらから逃げようとする、正解の方を追おうとするがもう一方が攻撃を仕掛けてきてそれに応戦し、目的の方も攻撃に加わってきて一旦引くが距離を取ればすぐに逃げ出そうとする。どちらも倒すのが手っ取り早いがこの狭い通路では長物であるチェーンソーを上手く振り回せなくて決定打を与えられないまま攻防が続いていて)
、アレはアキちゃんの…!
(トラックのジ.ャ.マ.トは広場の方に向かっていったが倉庫から音が聞こえてきてそこを覗く。荷物が積んであってよく見えないがじっと見つめていれば相手の変身後の姿と作業着姿のジ.ャ.マ.トが居るのが見えた。そして何より相手の攻撃を回避する時に段ボールの蓋が僅かに動いてパイナップルの特徴的な葉が見えて目を見開いた。奴を倒せば所長を倒せる、ならば取るべき手段は一つなのだが相手に他を探すと行った手前今ここで姿を表すのは不自然だ。ならば先程の景和と同じくデ.ザ.ス.タ.ーの妨害という形でサポートすれば良い。そうと決まれば音もなく中に忍び込み柱の後ろを陣取る。2人に増え上手い連携で相手の攻撃を躱して逃げているジ.ャ.マ.ト達が角を曲がったタイミングで脇差を振るい積んである近くの荷物を斬りつけるとバランスを失い一気に崩れて行方を遮る。逃げ場を失って驚くジ.ャ.マ.ト達の内パイナップルでは無かった方の箱にすかさず手裏剣を投げて段ボールに切れ目を入れる。その間から林檎が3個、箱から零れ落ちてジャマト達と追ってきた相手の元に転がると今にも爆発しそうなほど膨らんでいき)
な、爆弾…?!
(狭い通路と武器の相性が悪く早くジ.ャ.マ,トを倒さなければならないのになかなか決めきれない、不用意にチェーンソーを振るえば荷物が崩れて通路を潰してしまうだろう。歯痒い思いをしていればジ,ャ.マ,トを追いやった先から激しい音が響いた、どうやら積み上げられていたものが崩れたらしい。だが荷物が崩れたおかげでジ.ャ.マ.ト達が逃げる通路が塞がれて口角を上げる、その影に相棒が隠れているとは知る由もなかった。一気に両方を仕留めるチャンスだと仮面の下で口角をあげるとチェーンソーを振りかぶる、しかし直後何故かダンボールから林檎が床へと転がり落ちた。衝撃を受けたせいか林檎はすぐに膨らんで息を飲む、振りかぶっていたチェーンソーを咄嗟に前に持ってきてガードするようにしながら後ろへ飛び退いた。爆風に押されて地面に転がるもなんとか無事に爆発から逃れる、いつの間に林檎が零れ落ちたのだろうかと疑問が過ぎるがその前に蔓が落ちているのを見つけて急いで駆け寄った。パイナップルを持っていたジ,ャ,マ,トが持っていたのは緑色の蔓だ、これでアキコを救うことができる。蔓を引っ付かんで踵を返し歩き出すと同時にアキコを救う手段が見つかったのを伝えようと相手へと電話をかけて)
っ、!……はぁ、ここなら、
(あの爆弾は時刻を迎えるか箱から取り出した上で衝撃を与えると膨張して爆発するという仕組みだ。その性質を利用して恐らく同じくフルーツの入っている方を狙い、違和感に気付かれる前に床に転がしてジ.ャ.マ.ト諸共爆発させると相手は機転を効かせ無事に回避したのが見えた。それから爆発した地点で緑色の蔓を拾い上げたのを見れば一人で安堵の息を零す。これでひとまずは所長の方は解除の見込みがついた。そう気を抜いていたせいか相手の行動から目を外していて倉庫を出る直前端末からバイブレーションを感じるとびくっと肩が跳ねる。今の行為がまだ自分のせいだとバレる訳にはいかず着信音を掻き消すように咄嗟に手裏剣を投げ付け金属音を鳴らすと慌てて倉庫を後にした。足音を立ててしまったが自分の存在がバレるよりはマシだ。倉庫の間を駆け抜け十分に距離を取った頃には大分着信音が繰り返し鳴った後だったがここなら大丈夫だろうと電話を取ると「すまない、戦闘中だった。翔太郎、何か情報が見つかったのかい?」と焦った演技をしながら問いかけ)
ん…?あぁ、タイミング悪かったな。でも朗報だぜ、アキコの爆弾解除できそうだ
(倉庫を出ていこうとしたその瞬間に倉庫内に金属音が鳴り響いて咄嗟に振り返る、直後誰かが走り去る足音が聞こえれば思わず足を止めた。この倉庫内に何者かが潜んでいたようだ、さっき突然荷物が崩れたのも林檎の爆弾が転がり出てきたのも偶然ではなくこちらを狙った行為だったのかもしれない。すなわち先程までデ.ザ,ス.タ,ーが近くにいてこちらを狙っていた可能性があるということだ。こちらが街の人を、その中でもより大切なアキコの命を救おうと奔走している最中に妨害してくるなんて。人の命より自分の勝利を優先する行為にまた怒りを覚えるも今はアキコを助けるのが先だと気持ちを切り替えて事務所へ走り出すと相手と電話が繋がる。走りながらアキコの無事が確保できそうだと相手に伝えれば「また情報が入ったら連絡する」と告げて電話を切る。やがて事務所にたどり着くと扉を開いてアキコのもとへ駆け寄る、パイナップルは人の背程の大きさになっていて『翔太郎くぅぅん』とまた所長は情けない声を出していた。しかし今度は「待ってろ、今助けてやる」と自信を宿した笑みを浮かべればニッパーで緑の蔓を迷いなく切る、切断の瞬間アキコは散々騒いでいたが蔓がボロボロに崩れ去りパイナップルが萎んでいけば二人して安堵の息を吐いてへたりこんだ。その瞬間に派手なファンファーレと共に【Secret Mission Clear 時限爆弾を3つ解除する】と文字が宙に浮かんで大量の得点が入った。一件意味が無いと見せかけて一気に点が入るのは何ともゲームらしい。だが全ての爆弾を解除すればきっとアナウンスがあるはず、連絡があるまではこの街を走り回るしかない。困惑したままの所長に「いいか!絶対に事務所から出んなよ!」と言いつけて文句を背中に浴びながらも再び事務所を後にした。そのタイミングでまた通知音が鳴る、相手は祢音だ。電話に出れば『良かった繋がったーフィリップに繋がらないからどうしようかと思った。フィリップから聞いて警察署の周り調べたら縛られてる人見つけたよ!』と告げられて一瞬動きを止める。そこは女子高生二人からの情報を受けて相手が担当していたはずの場所だ、何故相手ではなく祢音がそこを調べているのだろう。渦巻く疑問は疑念に膨らみそうになる、それを振り払うように頭を振って「分かった、俺もそっちに向かう」と移動し初めて)
それは良かった…。こっちはジ.ャ,マ.トには遭遇するけど果物を持ってない個体ばかりなんだ。僕は他にも探してみるからアキちゃんのこと頼んだよ。
(相手の方からは走っているような足音と息遣いが聞こえてきてどうやら事務所に向かっているようだ。所長を助けられる安堵と先程から良い報告が出来ていない事に対してそれらしい嘘の理由を語ると所長の事は相手に任せて電話を切った。そのタイミングで宙に【Bonus Mission CLEAR】の文字が浮かんで十分な量の得点が入る。工作活動に奔走していた身としては上位に食い込むために有難い得点だ。更に何処からともかくミッションボックスが出現して箱を開けてみると黒いベース色に赤色が映えた大型バックルが入っていた。これで更に場を荒らせということなのだろう。相変わらず悪趣味なサポートに眉を顰めているとまた端末に着信が入る。だが発信主に祢音の文字を表示されていれば敢えてそれを取らずに懐に仕舞った。ドライバーの反対側にブ.ー.ス.タ.ーバ,ッ.クルをはめ下半身に装備すると直感的にその仕様を理解する事が出来て専用機能らしいバイクを出現させる。空を見上げると日が沈みかけていてそろそろタイムリミットだろう。覚悟を決めるために長く息を吐き出すとエンジンをかけ、一度トラックに戻って一箱拝借すると揺らさないように後ろに括り付け、他にジ.ャ.マ.トや時限爆弾が無いのか確認する為街を1周させながらオーディエンスのいうクライマックスを迎えるために警察署の方向に向かって)
ッ、ジンさん!無事か?クソ、もう時間がねぇ
(連絡を受けた場所にたどり着き祢音と合流すると拘束されている人の元へ案内される、そこにいたのはまたも見知った人物でまた声をあげながらジンさんに近づいた。ジンさんの隣で人の背以上に膨らんでいるのはマンゴーで表示されている時間は少ない。だがマンゴーを持ったジ.ャ,マ.トはまだ見かけていなくて黄色と青、どちらが正解の蔓かは分からなかった。タイムリミットまでにどうにか正解を見つけ出さなければならない、祢音も協力してくれるようで手分けをして探すことになって先に祢音がその場から離れていく。ジンさんの傍にしゃがむ、まだ青かった頃から何度世話になったか分からない恩人を死なせる訳にはいかなくて「絶対に助けるから待っててくれ」と声をかけるとある程度場馴れしてるいのか冷静に『頼んだぞ翔太郎。さっきフィリップも解除の方法を探しに行ったから、二人で俺を助けてくれよ』と励まされて、その言葉に妙に安心した。この場に相手がいないことを勘ぐってしまったがただジ.ャ,マ.トを探しに行っただけのようだ。ジンさんに向かって強く頷くとその場を離れて走り出す。とはいえ手がかりは一切なく虱潰しに街を駆け回るしかできない、情報屋全員に改めて連絡をとってみるがマンゴーはまだ見かけていないようだ。焦る気持ちをなんとか抑えながらがむしゃらに走ってターゲットを探していて)
…やるしかないか、
(ざっと街の中を走ったが他に時限爆弾らしきものは無かった。情報屋などの手を借りても見つからず騒ぎになっていないという事はアレが最後の一個なはずだ。そろそろ時間は少なく警察署の方に向けバイクを走らせていると見覚えのある後ろ姿があって敢えて何も言わずにその横を通り過ぎる。相手の観察眼ならば背後に詰んだ箱のフルーツの絵に気付くはずだろう。相手を呼び寄せるネタを仕掛けそのまま走り去る、警察署に辿り着いてちらりと刃.野.刑事の方を見ればマンゴーは今にも爆発しそうなほど膨らんでいる。今すぐにでも解除したい、しなければならないと思う気持ちを押さえ込んで変身を解除すると前方から祢音がやってくる。さっき得点を見た時彼女は4位で割かし大きな差が無かった。何かの拍子にシークレットミッションをクリアされたりすれば一気に逆転される可能性だってある。その動きを封じる為とゲームの盛り上がりの為にもここは動くべきだろう。彼女もこちらに気付くと『もー、さっき連絡したんだよ。それよりもあれ、今にも爆発しそうで、マンゴーの爆弾みたいなんだけど運んでたジ.ャ.マ.ト見なかった?』と問われる。それに対して「見ていないけど気になるものを見つけたんだ」と返答しながらバイクの後ろにあった箱を手に取る。彼女の顔から真摯な心配から読み取れるとそれを傷付けることに胸は痛むが唇を一瞬噛み締め心の中で謝罪しながら箱の中身のミカン達をいきなり彼女の上空にぶち撒ける。一瞬困惑した様子だったが果物が爆弾だと思い出したのか彼女は直ぐに変身して装甲を纏う。だが避ける前に幾つかミカンが空から降ってくるのが先で空中で小規模な爆発が一気に起こると彼女にも幾つか当たって爆破の衝撃で地面を転がる。勢い良く壁に衝突して凄い音が響き、あの様子では若干意識がクラクラしているかもしれない。背後から見れば彼女がダメージを受けたまま地面に転がっていてその周辺には爆発したミカンの中身や皮が飛び散り、それを眺める相棒という光景が広がっていて)
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