検索 2022-07-09 20:46:55 |
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気に入ったなら何よりだ
(相手の目の前に好物でありこの店とっておきでもあるクリームソーダが運ばれてくると相手の瞳はグラスに負けず劣らずキラキラと煌めいて思わず見入ってしまう。無邪気にはしゃぐくらいには気に入ったようでこの店を選んで良かったと嬉しさと擽ったさが同時に胸を満たして、クリームソーダを観察する相手をじっと見つめて観察してしまった。続いてこちらのコーヒーが運ばれてきて目の前に置かれるが相変わらず目線は相手から外すことはできず、相手はクリームソーダを一口飲み込む。爽やかで甘いサイダーの味が広がったのかその顔には満足気な笑みが浮かんでいて、これ程喜んでくれるならばこちらまで満ち足りるというものだ。かつて何度か味わったお気に入りのクリームソーダを相手が口にしている事に喜びを覚えつつコーヒーを口にする、酸味が少々強い大人っぽい味は学生時代にこれを飲めなければハードボイルドではないと何とか飲めるようになった懐かしい味だ。クリームソーダにはもうひとつ主役がいてそれは相手の好物でもある、相変わらず相手を見つめながら「上に乗ってるアイスクリームもマスターがこだわってんだ。それもめちゃくちゃ美味いんだぜ?」とどこか得意げに話して)
これかい?…ん、美味しい! 手作りなのかな、バニラビーンズがたっぷりだ。
(キラキラと宝石のように輝くクリームソーダの彩りに目を惹かれていれば相手から観察されている事も気付けない。いつまでも見ていたい仕上がりだが溶けてしまう前の今でしか味わえない物もある。ストローからメロンソーダを飲むと満足げに笑みが浮かぶ。一方相手は優雅にオリジナルブレンドのコーヒーを口にしていて何とも至福の時間だ。メロンソーダ部分を味わっているとその上のアイスクリームを勧められる。マスターこだわりの、と聞けば俄然興味がそそられ早速崩してしまわないように注意しなから側面の辺りをすくって口にした。途端滑らかな口当たりの濃厚なバニラの味がすれば直ぐに相手の方を見て感想を伝える。市販品ではあまりない濃厚さでこだわりの、というくらいならば手作りの可能性もある。メロンソーダとはまた違う甘味を感じると自然と笑みが浮かんで今度は下部の溶けかけのところも食べてみる。こちらも十分美味しくてメロンソーダとの相性バッチリだ。この味ならば相手の飲んでいるコーヒーにも合うはずだと直ぐに考えが浮かぶと更に一口分すくって「これはそのコーヒーとも合うはずだ」と言いながら何の躊躇も無しに相手の口元に運んで)
売ってるのとは全然違ぇだろ?……、…ん、…何回もこの店来たことあっけど、アイスとコーヒーを一緒に食ったのは始めてだ。…お前がいるおかげだな
(バニラアイスはマスターの店のが風.都.で一番美味いだなんて騒いだ事もあったがその感想に違わず相手も満足したようで一口食べた後にすぐ煌めく瞳がこちらへと向いた。愛するこの街で自分が好きになったものを今相手が目を輝かせながら食べていることが思い出を共有しているようで何とも嬉しい。溶けかけのアイスを味わう相手から相変わらず目を離せないでいると相手がメロンソーダを纏った溶けかけのアイスをこちらへと差し出してきて目を瞬かせる。ここのマスターとその奥さんとは古い知り合いだ、思わずチラリと二人の様子を窺ってしまうが奥まった席のお陰で人目はない。それならば問題ないだろうと多少照れくさそうにしつつも相手が差し出した一口を身を乗り出して受け取った。爽やかなソーダに濃厚なアイスの味が口いっぱいに広がる、そこへ苦味の引き立つコーヒーを飲めば二つの味が調和して思わず吐息を吐いた。これまでそれぞれを単体で頼むことはあっても同時に口にしたことはない、特にハードボイルドを強く意識しだしてからはクリームソーダなんてご無沙汰だ。この組み合わせを味わえたのも相手と一緒にここへ来たからこそ、相変わらず照れくさいが先程から相手に見蕩れっぱなしの心は普段言わない言葉までも口にさせてしまって誤魔化すように頬をかくと「お前も一緒に飲んでみろよ」とこちらのコーヒーを相手に差し出し、一拍迷うように置いてからスプーンを取ると同じく溶けかけのアイスをすくいとって相手へと差し出して)
(/いつもお世話になっております!もう一度くらいお返事できそうな気もしますがタイミングもありますので今のうちに……本年も大変お世話になりました。この一年でまた日常からシリアスなものまで思い出深いお話がたくさん検索様とできたこと、とても感謝しております。まだまだ趣味全開のお話も残しておりますので来年もお互いのペースで楽しくやりとりしていきましょう。それでは良いお年を!)
そうなのかい? ああ、二人で訪れたからこその味だ。
(スプーンですくったクリームソーダの一番美味しい所を相手に差し出すとその目が瞬く。何かを確認する動きでここが一応外であるのを思い出すがこの味を相手と共有したいのだから仕方ない。相手は少々照れくさそうにしつつも身を乗り出してアイスを口にする。感想を聞かぬともその緩んだ顔と吐息を聞けば美味しく感じているのは直ぐに分かってこちらも口元が弧を描く。そして一緒に食べたことが無いと聞けばキョトンとするも二人でこの店を訪れてそれぞれ注文して、こうやって分け合う関係でなくては味わえないものだと気付く。それを自分のおかげだとストレートに語る姿を見れば相手の初めてのきっかけになれたことに心は暖かくなった。そして当然のように交換する為にコーヒーが差し出され、今度は相手がクリームソーダのアイスをすくって差し出してくればふにゃりと笑いながら身を乗り出し、アイスを口にする。そのままコーヒーを飲むとちょっぴり酸味の目立つ芳醇な苦味とバニラアイスのまろやかさがマッチして「最高に美味しい特別な味だね」とご機嫌に感想を述べて)
(/こちらこそいつもお世話になっております。そして本年もお世話になりました。今年も探偵様のおかげで様々な話をする事が出来てとても充実した一年でありました。こうやって年の瀬にご挨拶をしてまた新しい一年を探偵様と迎えられること大変嬉しく思っております。探偵様とならばやりたい話も着きませんので来年も2人のペースで続けさせて貰えたら、と思います。よろしくお願いします。)
あぁ、違いねぇ。お前のおかげでまたひとつこの店の魅力に気づけた
(これまで何度かこの店に訪れたことはあったもののクリームソーダとコーヒーを同時に味わうにはこの店に二人以上で訪れなければならない。加えて連れ立ったもう一人とは互いのものを交換できる仲でなければいけないわけで、つまるところ相手以外にそんな人間はいなかった。相手の好物がそろう喫茶店だからと選んだ場所だったが新たな発見ができるだなんて思いもしなかった。この味も当然相手と共有したいものでアイスをすくったスプーンを差し出すと相手の目はアイスにも負けないくらいに蕩けてこちらの一口を頬張った。相手はすかさずコーヒーを飲む、その味は十分満足するものだったようでご機嫌な様子にこちらの口元も緩んでしまっていた。相変わらず相手からは目を離せない、「そのコーヒーもここのマスターのオリジナルブレンドだ」と補足を加えつつ溶けかけたアイスをもうひとすくいいただくとまた相手の手元からカップを取ってコーヒーを飲み、今しか味わえない心地を存分に楽しんでいて)
君が連れてきてくれたおかげだよ。ならここだけの特別な味だね。
(以前自分が案内した洋食屋の組み合わせのように二人で来店してそれぞれ分け合うからこそ新たな組み合わせの発見もある。相手が差し出してくれたアイスを頬張ってコーヒーを飲むとバッチリな組み合わせに口元が緩んだ。この味が味わえるのも自分が好きだろうからと馴染みの店に連れてきてくれたからだろう。更にコーヒーがこの店だけのオリジナルブレンドだと知ればますます特別感は増して上機嫌に笑った。更に相手がアイスとコーヒーの組み合わせを味わっていればその姿をじっと観察していた。そうしてアイスが溶けかけた部分のクリームソーダを飲んだりコーヒーと交互に飲み合ったりブレンドの配合を当てようとしたりして時間を過ごした。ゆったりとした時間を過ごす中、クリームソーダがあと少しとなったところで大切に取っておいたさくらんぼを口にすると甘酸っぱい味が広がった。純喫茶ならではの味を楽しみながらふとさっきも見たメニュー表を開く、そこにはクリームソーダ以外のメニューもあって興味深く見ながら「クリームソーダがこれだけ美味しいなら別のメニューも気になるね…」と呟いて)
(/あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。)
他のメニューか?ケーキは奥さんがここのオリジナルブレンドに合わせて作ってるって自慢してたな。あとはスフレパンケーキも雑誌で紹介されてたはずだ
(この店だけの特別な味で、さらには相手といるからこそ味わえる組み合わせの味を二人でゆっくりと味わいながらゆったりとした時間を過ごす。相手は終盤まで大切にさくらんぼを取っていて赤い実を口に含むとまた目を細めていて最後までクリームソーダを楽しむ相手に存分に心を掴まれながらその様子を見守っていた。終盤になったところで相手は他のものも気になるのか再びメニュー表を手に取る、当然純喫茶であるここのメニューは看板商品だけに留まらない。相手が捲った先のページはデザートを紹介している場所でいつか奥さんと交わした会話を思い出しつつ解説を挟む。他にも相手がページを捲るのに合わせてオリジナルブレンド以外の様々な種類のコーヒーが乗ったページやサンドイッチ等の軽食のページなどにコメントを挟んでいって)
(/あけましておめでとうございます!こちらこそ本年もどうぞよろしくお願いいたします。)
ケーキにスフレパンケーキ…! 翔太郎、次も絶対また来よう!
(クリームソーダの醍醐味を味わって幸せそうにしながらも他のメニューが気になるとメニュー表を開く。今回は看板メニューと呼ばれるものをチョイスしたがページを捲ると軽食からスイーツまで様々な種類のものが並んでいる。その一つ一つに解説が挟まるのがその全てが興味をそそられるもので目を輝かせた。オリジナルブレンドのコーヒーとクリームソーダがこれだけ綺麗で美味しいのだから他の物も十分期待出来るだろう。色々な解説を聞いた時には期待は最高潮に高まって相手の方を向くとまだ店内に居るにも関わらず次の機会を所望して)
そうだな。俺も全部食べたわけじゃねぇし、また来ようぜ
(相手がページを捲るのに合わせてそれぞれ解説していけば相手の瞳は再び輝き出す、今日はこちらのおすすめとしてクリームソーダをいの一番に推したがこの喫茶店の魅力はまだまだこれだけではない。相手の期待値はうなぎ登りのようでもう次の機会を所望されれば思わず笑ってしまう、だがこちらが古くから馴染みにしている店を相手が気に入ってくれるなら何よりというものだ。調査の合間やまたデートでも相手と二人でここを訪れる機会はこれからもたくさんある、相手が望んでくれるのならば尚更その機会は多くなるだろう。こちらも頷いて同意したあとにチラリと時計を見やる、ゆっくりとした時間を過ごしている間に日はすっかり落ちていて空はもう暗くなりかけている。そろそろ良い頃合いだろう。相手の方に目線を戻すと「そろそろ出て公園のほう戻るか」と声をかけて)
ああ、約束だ。…そうしようか、
(相手からの解説にテンションが上がって次の機会を所望すれば相手が笑いを零す。今注文することも考えたがまた何回でもこの場所に来ることは出来るのだから楽しみは後にとっておいた方が良いだろう。相手がこちらの意見に同意してまた来ることを告げれば深く頷いて約束だと告げておいた。そうしてクリームソーダを最後まで啜って飲み終えたところで相手が視線を明後日の方に向ける。それを追うと窓の外はいつの間にか暗くなりかけているようだ。予想以上にのんびりしていたことに驚きつつ店を出るように相手に言われると賛成の意志を示す。席を立って会計をしてくれる老夫婦に「ご馳走様でした、美味しかったです」と告げ、店を後にする。公園へと続く道を歩きながら「良いお店だったね」とご機嫌に告げて)
あの店どれも美味いからな、また顔出そうぜ
(頃合いを見計らって相手に店を出ようと持ちかける、会計を終えると相手は老夫婦に挨拶をしていてまた一つ自分の好きな街と自分の好きな人が繋がったことに嬉しさを覚えつつ「また来ます」とこちらも声をかけて店を出る。右隣をご機嫌に歩く相手にこちらも呼応するように笑みを浮かべながら元来た道を戻った。公園の入口に差し掛かると道の脇にずらりと植えられた木々は電飾によって輝きを纏っていて「クリスマスマーケットが本領発揮すんのは夜だからな」とまた期待を煽るようなことを言いながら光のトンネルを抜けていく。やがて視界が開ければ再びクリスマスマーケットへとたどり着く、しかし日が落ちたそこは赤白緑の電飾や店頭の光、何より中央にあるクリスマスツリーで昼間よりも輝いていて)
ああ、昼とはまた雰囲気が変わったみたいだね。…っ、綺麗だ。
(またあの店を訪れる声がけに「もちろん」と答えながら公園へと続く道を歩く。入口までやってくると木々に巻き付けられた電飾が光を放っていて先程訪れた時とは印象が変わっていた。周りの空気も少しずつ冷たくなって暗くなっていく中でこれからが本領発揮と言われるとますます期待は高まっていき、わくわくしながら光のトンネルの中を抜けて行く。視界が開けると昼にも見たクリスマスツリーがより煌びやかに輝いて輝きを放っていると思わず立ち止まってその光に目を奪われていた。また夜になったからか昼よりも人が多くなっていて賑わっている。クリスマスツリー以外にも周囲にはイルミネーションの飾りなんかもあってさりげなくその手を取ると「また見て回ろう」と声を掛けて歩き始め)
…、……だろ?あぁ、そうしようぜ
(日が落ちて木々に飾り付けられた装飾がキラキラと一際輝きを放つ中、その木々を背景にするクリスマスマーケットはより沢山の色の輝きを纏って煌めいていてこの場所全体が宝石箱のようだ。戻ってきたところで相手が立ち止まり思わず向こうの方をみる、周囲の装飾が放つ煌めきは相手の瞳の中で反射して瞳を彩っていて、その瞳のまま相手が一言呟くとさらに相手の瞳自信の輝きが加わってより目が離せない美しさを放つ。その瞳に魅入られるように見つめたまま短く返事をしながら無意識に笑みを浮かべていた。何をいうでもなく手が取られてこちらも手を握り返す、この輝きの中では誰も自分達を気にはかけないだろう。マーケットを歩き出せば売り物のオーナメントやスノードームは光を受けてより輝きを放つようになっていて飲食店は日が落ちて気温が落ちたからかふわりと美味しそうな匂いと共に湯気が沸き立っている。昼間よりも活気溢れる中を歩きながら中央のクリスマスツリーへとやって来る、定番ソングが流れるなか電飾が輝く姿は昼間見た時よりも断然綺麗だ。相手の方をみると「こいつの前でも写真撮らねぇか?」と持ちかけて)
やっぱり夜の方がクリスマスの雰囲気があって良いね。…ああ、せっかくなら撮ろう!
(今のこの賑わいの中ならば他人に関心が向いたりしないだろうとその手を取ると相手が握り返してくれた。確かな温もりと力強さを感じると口角が上がって上機嫌でマーケットの中を歩き出す。お店の光やオーナメントは輝きを放っていて飲食店もより活気を増している。昼間でも十分にクリスマスの雰囲気を感じられたが夜になって暗くなったからの方がより一層それらしくなった。やはりクリスマスパーティやイルミネーションなどのイメージからも本番は夜だろう。そんな事を話しながら歩いているとクリスマスツリーの前にやってくる、暗い中でもキラキラと電飾が輝いていて一番上で光る星が一等星のようだ。相手から視線を受けてそちらを向くと写真撮影を持ちかけられて笑顔で了承する。丁度撮影スポットにもなっていた所のようで早速相手の右隣に並んで構図を考える。後ろのツリーを納めようとするとそこそこくっつく必要があり、更に距離を詰めながら「ポーズはさっきと一緒で良いかい?」と問いかけ)
……いや、夜だしな…フィリップ、こっちだ
(日はすっかり落ちて空は暗くなっているがクリスマスマーケットはより一層煌びやかになっていて、中でもクリスマスツリーは昼間とは違い幻想的な輝きを放っている。多くの人が同じことを考えるようで周囲にはカメラを構えている人も多い、写真を撮ろうと声をかけた場所は数ある撮影スポットの近くだったらしい。相手からポーズの相談を受ける、もちろん先程と同じだっていいのだがこの誰もが浮かれている幻想的な雰囲気の中で手を繋いでいればもっと恋人らしい写真を撮りたくなってしまう。相手に声をかければ軽く手を引きながら少しだけ移動する、撮影スポットということもあり巨大なプレゼントが積まれているオブジェが二つあってその間に入れば周囲からの視線がほとんど外れる。一旦手を解いてバ.ッ.ト,シ.ョ.ッ.ト.を構えると相手と再び先程と同じくらい、もう少し近く寄れば周囲へと目線を走らせた。そして誰の視線も向いていないのを確認すると「撮るぞ」とそのタイミングを見計らうように言って相手の頭に手を添えると軽くこちらへと傾けさせる。こちらも顔を傾け寄せれば互いの顔を寄せれば二人の距離はより近くになってその瞬間にシャッターを切る。先程よりもより近くてくっついた写真が出来上がったがこのまま長くいるわけにもいかず直ぐに頭を離すと「いい写真になったんじゃねぇか?」と素知らぬ顔で声をかけ)
え、あぁ。…確かにこっちの方がデートらしいね。…!本当だ、なかなかイケメンに写ってる。
(当然クリスマスマーケットの象徴でもあるこの場所で写真を撮ることには当然賛成だ。さりげなく距離を詰めてくっついた状態でポーズの相談をしていたが夜だからと言われると目を瞬かせる。相手には何か考えがあるようで案内されるように手を引かれると大人しく着いて言った。そうして向かったのは巨大なプレゼントボックスのオブジェの元で中に入ってしまえば辺りからほとんど見えなくなる。ようやく意図に気付くと口元がニヤけてデートにピッタリだと称しながら立ち位置を調整してカメラの方を向く。さっきよりも近い恋人としての距離だが声を掛けられると共に頭を支えられお互いに寄り添うような近い状態でシャッターを切られた。一瞬遅れてこの距離での恋人らしい写真が撮れた嬉しさと恥ずかしさと動揺が襲ってきた。だが相手が直ぐに顔を離してしまうと少々寂しいという我儘を覚えて周りに人が居ないのをいいことにすぐに相手の腰に腕を回して引き寄せ、再度顔を寄せながら写真を確認する。2人の恋人らしい写真へそれらしい褒め言葉を言いながら「せっかくならもう一枚どうだい?」と提案する。有無を言わせないまま再びバ.ッ.ト.シ.ョ,ッ.トを構えると頬がくっつきそうなほど近づいた自然体の写真を合図を出さずにパシャリと撮影して)
(/お世話になっております。ご連絡遅くなってしまい大変申し訳ありません。本日中のお返事ができそうになく、明日お返事させていただきますので今しばらくお待ちいただければ幸いです。デートのいい所で申し訳ないです…)
だろ?っ、…お、れはいつでもイケメ、え?…ッ!?
(この幻想的な光の中でどうしてももっと恋人らしい写真を撮りたくなってしまえば周囲の一瞬の隙をついて二人の頭を寄せて今日一番くっついた写真を撮る。何の説明もなくくっついたおかげで相手には動揺が見えて小さなサプライズが成功したとほくそ笑んでいた。しかし元の距離に戻ったのに相手は腰に腕を回して引き寄せられて不意打ちで再び距離が縮まると目を見開く。オブジェに挟まれているおかげで腰に回された腕は周囲から見えないだろうが外気が寒いせいか妙に相手の暖かい腕を意識してしまう。写真を確認する距離も先程撮影したときと大して変わらなくてなんとか返事をしようとするも相手は止まることなくもう一枚写真を提案されて、聞き返すために顔をあげるとあってあまりの顔の近さに心臓が跳ねてしまった。だが相手は既にカメラを構えている、慌てて視線をカメラの方に向けると焦っていたせいか相手に寄らなければと意識が向いて結果的に自ら互いの頬をくっ付けてしまった。新たに加わった柔らかく暖かい感触に完全に動揺してしまうとその瞬間がシャッターによって切り取られる。慌ただしく進行していった二枚目の写真に「お前、…撮る時言えよ!」と羞恥を誤魔化すように叫びながらそのままの距離で相手の方を見て)
(/大変お待たせいたしました。本日もまだお返事頻度不安定なのですが、明日からはいつも通りのペースで返せると思います!引き続きよろしくお願いします/こちら蹴りでお願いします)
これも良い感じに撮れたみたいだ。 だってこういう自然体の写真は不意打ちを狙ってこそだろう?
(腰を引き寄せてくっついたまま写真を確認してその流れでもう一枚撮影することを提案すれば顔を上げた相手が動揺したのが分かった。その反応に口元が緩んでしまいそうになりながらカメラを構えてそちらを向く。相手も慌てて目線を向けようとするがその勢いが余ってか二人の方がくっついた。言い訳のしようがない距離感にこちらも少し驚くも横目で見た相手の反応を見れば口角を上げながらシャッターを切った。距離感はそのままに写真を確認すればさっきのよりも更に近い状態でキメきれずに動揺した相手とにやけてしまっている自分の姿があって思わずくすくすと笑って感想を零す。一方で隣の相手から文句の言葉が上がるとご機嫌にそれらしい理由を口にする。二つのプレゼントのオブジェクトの間でこういうやり取りが出来ているのが幸せで思わず相手の頬を軽く摘みながら「キメていないこっちの君の写真も欲しかったし」と調子よく、悪びれる様子もなく言葉続けて)
(/こちらも返事出来ない時間帯が多かったのでお気にならさず!同じく明日からはいつも通りのペースに戻ると思いますのでよろしくお願いします/蹴りでお願いします)
自然体ってこういう事じゃねぇだろ!ったく……、…これで終わりじゃねぇからな
(周囲の人に気づかれないよう一瞬の隙を狙ったというのに相手の体は離れる事がなくずっとくっついたままだ、人々の目がクリスマスツリーに奪われているのが幸いといったところだろう。恋人の距離のまま存分に動揺した瞬間を相手とくっつきながら収められてしまえば文句のひとつも叫んでしまう、写真を確認すればこちらはしっかり焦った顔をしていてカッコ良さからは程遠く相手といえばこちらの様子ににやけている状況だ。しかし相手は全く悪びれる様子はなくてご機嫌にこちらの頬を摘んでいる。煌めくプレゼントボックスに囲まれて相手がご機嫌なのは大変良い事だが良いようにされてばかりではいられない。それに、こうやってずっとくっついていれば少しずつその願望は大きくなってしまうものだ。摘んでいる相手の手を止めるように取る、そしてその手を引き寄せると指に軽く口付けた。ただ唇を当てるだけでは物足りなくて軽く食むような動作も交えて口付けを施すと相手と目を合わせてまだ終わっていないと宣言しておく。いくら物陰に隠れているといってもここで出来るのはここまでだ。そのまま手を繋ぐとちらりと公園の時計を確認して「そろそろ移動すっか」と遅れてやってきた羞恥を誤魔化すように言いながら手を取ってまた歩き出して)
君の反応が良いからつい、…っ!あぁ…。
(それらしい言い訳をしていれば相手からツッコミが入る。ちょっとした仕返しという意味もあったが自分の行動でコロコロと表情や反応を変える相手を見ているのが面白いという面の方が大きい。一枚はちゃんとした二人の写真を撮ったのだから二枚目は好きに撮っても構わないだろう。そうやって笑いを零しながら文句を言う相手の頬を触っているとその手を取られる。そして見せられるようにキスが落とされると思わず目を瞬かせる、それだけに留まらず指を食むような動作をされると目を見開いて固まってしまった、そして相手がこちらを向く。目が合ったまま宣言を受けると顔に熱が登って曖昧に返事するしか出来なかった。そのまま取られていた手を握られ移動を開始する、オブジェクトの間から抜け出して撮影スポットを後にした。夜になって辺りは更に暗く寒くなってきた、手を引かれるまま相手の横を歩くが時計を見ていたのを思い出すと「今から何かあるのかい?」と期待を滲ませた声で問いかけ)
時間ピッタリにいきてぇとこがあんだ。その為に、これに乗る
(散々好きに翻弄された意趣返しにまっすぐ見つめたまま指に口付けを落としてやれば相手に動揺が見て取れて気持ちを立て直して小さく笑う、そのまま手を引いて移動を始めてしまえば浮き沈みしていた動揺も落ち着いてきた。来た時よりもだいぶ暗く寒くなってきた空気の中最初こそ電飾で彩られた道を歩いていたが不意に飾りも何も無い、道すらもない場所へと入っていく。暗がりの中で時間を気にしていたことを指摘されると何とはハッキリ言わずにまた期待を持たせるような言い方で返事を曖昧にした。その返事の頃合いにちょうど目的地へとたどり着く、目の前にあるのはこの公園の倉庫で裏手に回ったところにはハ.ー,ド.タ,ー.ビ,ュ.ラ,ーが待機していた。ここで二人で乗り込む予定だがチラリとまた時計を確認してまだ時間に余裕があるのを確認すると口角をあげる。先程これで終わりではないと宣言したばかりだ、忘れないうちに精算は済まさなければならない。不意に繋がった相手の手を引いてその体を寄せるとそのまま背中に腕を回し抱きしめる、この暗がりならば人目などありはしない。再び相手をまっすぐと見つめれば「さっきの続きをしとかなきゃな」とスカした声で言うとそのまま唇を重ねる。先程の指と同じように触れさせた後にそこを食むような動きを重ねて柔らかな感触を刻み込んで)
空を経由するならばとっておきの場所が期待できそうだ。っわ、…続き?ン…
(手を引かれるままついていくと段々と電飾で彩られた広場から離れていき、辺りも暗くなっていく。相手の案内なのだから道に迷ったということは無いだろうが行き先は読めない。道とも呼べない場所を歩き始めるとつい問いかけるが相手は更にもったいぶった言い方をする。そうして何かの建物の裏側にやってくるがそこにあったのはハ.ー,ド.タ,ー.ビ,ュ.ラ,ーだ。以前自分も同じ手段を取ったが時間指定かつ、歩きでもバイクでもない方法で行く場所となればよっぽど特別な場所なのだろう。予測は立たないものの自分達ならではの行き方に期待を寄せて声を弾ませていると相手が手元の時計を確認する。何か気になる物の楽しみにしておこうと思った矢先繋いでいた手を急に引かれると思わず声を上げてしまう。そのまま相手の腕の中に納まると顔をあげる、先ほどと同じくらいの至近距離で続きと言われ、その意味に思い当たった所で唇が重なった。悪戯の為に軽く触れるような物でなく、食むような仕草と共に柔らかな感触が伝わってくれば小さく息が零れた。ちらりと相手を見る、屋外でありながらそこは暖かくて自らも腕を回して相手を抱きしめると自らも軽く唇を軽く擦り合わせてお互いを感じ合うようなキスを続けて)
……ん、…、……フィリップ、
(自分達だけが行ける空という場所、そこへ飛び立つ前に忘れないうちに先程の意趣返しの続きとして唇を重ねる。といってもそれは建前で二人でずっと恋人の距離でいて写真撮影の時により二人だけの距離になってしまえば先を知っている身としてはこれ以上を求めてしまうというものだ。周囲は暗がりで人影は一切ない、それならばもっと深く相手との距離を詰めたって問題ないはずだ。先程相手が撮影した時と同じく相手を他所に唇を重ねてそこを食めば冷たい素肌に熱い吐息があたってクラりと脳内を揺らした。互いに唇を擦り合わせだんだんと滑りが良くなるそこの感触に集中しながら時折吐息を漏らす。だがこれは意趣返しの意味もある、不意に動きを止めて相手の名前を呼び意識をこちらへ向けさせると後頭部に手を添えて緩んだ口の間に舌を一気にねじ込んだ。程よく湿ったそこをわざと音を立てるように掻き回した後相手が動き出す前に舌を引き抜く、後頭部に手を添えたまま至近距離で見つめると「そろそろ時間だし、これ以上はまた今度だな」とあえて行為を止めるとすました顔で小さく笑みを浮かべて)
…ん、…翔太郎?、ッん!?ぁ…君の方がよっぽど悪戯好きじゃないか……、…
(クリスマスの煌びやかな光から離れて暗闇に二人きり、そんな状態で抱き寄せられて唇を重ねてしまえば意識はそちらに流されていく。ただ重ねるよりも深く、唇を擦り合わせて濡らして恋人だけの柔らかな心地を堪能して夢中になっていれば相手の吐息が肌の表面を擽る。無意識に腕に力を込めてキスを続けていると不意に相手の動きが止まる、続けて名前を呼ばれると何かあったのかと顔を向け名前を呼び返す。その瞬間後頭部が押さえられて薄く開いていた唇の間に舌が割り込んできて目を見開く。驚きで固まった口内を舌が好きに動いて響いた水音がやけに大きく感じられると困惑の声を上げるとともに一気に顔に熱が集まる。ただ触れるよりも数段踏み込んだ行為に動揺している間に相手の舌は引き抜かれ唇も離れて行く。それに寂しげな声が出てしまったことにまた羞恥が募りつつじっと相手を見つめる。さっきは相手が顔を赤くしていたというのに今は随分とご機嫌なのが隠し切れない顔をしている。悔しそうに文句を口にするがそれだけでは収まりがつかなくて自ら顔を寄せるともう一度軽く唇を重ねてからその下唇を甘噛みしてやる、そのまま離れると一瞬得意げな顔を見せたのち「ほら、とっておきの所に連れて行ってくれるんだろう?」と無理やり話を切り上げ相手をハ.ー.ド.タ.ー.ビ.ュ.ラーに乗せ火照った顔を隠すようにその後ろに乗り込んで)
ッ、…ンっ…おい!…ったく人の事言えねぇだろ……しっかり掴まっとけよ
(こちらは散々振り回されたのだから同じくらい翻弄しても良いだろうと勝手に口内へと侵入する。寒い中で特別暖かく感じるそこにもっと踏みいりたくなってしまうが何とか気持ちを収めて舌を引っ込めた。しかし口を離した瞬間に相手は顔を赤くさせながら切なげな声を漏らしていて脳内を激しく揺さぶる、もっと掻き乱してしまいたい衝動を満足気な顔で隠してこの場を切り上げようとした。しかし相手の顔が再び近づいて唇が重なりさらに唇が甘噛みされる、衝動を押し込めていた体は必要以上に反応してしまって甘い痺れが脳内を走ると今度はこちらの口から上擦った声が漏れだした。人目がないとはいえ外で色の乗った声を出してしまいまた顔には熱が昇る、しかし相手は逃げるように体を離して何も言えぬままハ.ー.ド,タ,ー,ビ,ュ,ラ.ーに乗せられてしまった。文句のひとつでも飛ばしあわよくば上がり始めた熱をもっとぶつけたくなってしまうがそれでは今日の計画が台無しだ、今は小さく文句を言うだけに留めるとハンドルを握って落ちないようにと声をかける。ハットを一旦外して落ちないようにした後エンジンをスタートさせて一気に空へと舞い上がった。公園の上空へとたどり着けば先程のクリスマスマーケットを上から眺めることが出来る、宝石のような煌めきを見下ろしながらハ,ー,ド,タ,ー,ビ,ュ,ラ,ーを風,都,タ,ワ,ーの方へと飛ばして)
ああ、任せた。…この高さから見てもイルミネーションが綺麗だね。
(その場を切り上げようとした相手を引き留め、仕返しとばかりに下唇に甘く噛み付くと上擦った声が聞こえてきた。暗闇の中で秘事のように行った行為と響いた音にぞくりと何処かが震えたが気付かぬフリをしてそのまま機体の上に相手を乗せた。文句を言う相手のそのうしろに自らも乗って腰あたりに腕を回すとやれやれとばかりに相手が準備を始める。今夜今から空を飛ぼうとしている人達など自分達くらいだろう。落ちないように、と声が掛かると調子良く返事をして更に相手にぎゅっと抱き着いた。エンジンがかかって動き出すと一気に風.都の空に飛び立った。あっという間に高度の高い所に到達し、真下には先程まで居たクリスマスマーケットが広がる。他の場所もイルミネーションをしている所もあるようで街中がキラキラと宝石箱のように輝いているようだ。やがてハ,ー,ド,タ,ー,ビ,ュ,ラ,ーは風.都.タ.ワ.ーに近づいて行く。その分辺りの風は強くなって寒くなってきたが相手にくっつき、肩から顔を出しながら「同じ高さから見る風.都.タ.ワ,ーというのも物珍しいね」と感想を口にして)
上から見るイルミネーションってのも悪くねぇな。……あぁ、このまま風.都.タ,ワ.ーに着けるぞ
(二人で機体に乗り込んで冬の空へと舞い上がる、夜の風は一際冷たいが今だけは我慢だ。眼下には愛すべき街が広がっている、普段の夜景よりも各所にイルミネーションが設置された風の街はいつにも増して輝いていてこちらへと抱きつく相手の腕の温かさを感じながら輝く風.都.を眺めていた。そのうち機体は夜闇に静かに立つ真っ暗な風.都.タ,ワ,ーへと近づいていく、こうやってタワーを真横から見るのは滅多になくそれこそ前回相手が考えてくれたデートの時以来だ。肩から顔を出す相手の頭をぽんぽんと軽く撫でてからこの街の象徴へと機体を近づける、やがて機体は優雅に回る風車のすぐ下へと滑り込んだ。小さなスペースに鉄塔だけが上に伸びているそこへ降り立つと機体を端へと止めて「到着だ」と声をかける。先に降りると足元も覚束無い暗がりの中で相手の手を取って移動しスペースの中心、ちょうど鉄塔の真下へとやってきて「ここにお前を連れてきたかったんだ」とようやく目的地を明かして)
…、それは確かに特別な場所だ。
(自分達だけが見れる空からの景色を楽しみながら辺りを見渡す。自分が連れてきた時とはまた違う夜景で顔を覗かせると頭が軽く撫でられた。だがわざわざここに来た割には風,都.タワーはイルミネーションなどで飾られている訳でも無くただそこに静かに立っているだけだ。行先が読めないでいるとこのままタワーに着けると聞いて少し驚く。どうやら風.都.タ.ワ.ーを見に来たのではなく、そこが目的地らしい。ある意味自分達しか来れない所だと納得しつつ機体は下に潜り込んで小さなスペースで止まった。辺りには足元を照らす明かりすらなくて戸惑っていると先に降りた相手に手を取られて続けて機体から降りる。そのまま少し移動して鉄塔の真下にやってくる。そこでようやくここが目的地だと明かされるが見た所何か特別な景色や物がある訳では無い。辺りを観察するように見ながら「確かに他に誰かが来れる場所でもないし、この街の象徴の場所ではあるけど…君が連れてくるような何かがあるようには見えないよ」とイマイチピンと来ていないような素直な反応を見せて)
確かに、これじゃただの薄暗い場所だよな。でも……3…2…1…、
(相手の手を取り薄暗い鉄塔の真下へとやってくる、二人っきりの空間ではあるがただの薄暗いスペースに相手はどこか戸惑っているようだ。確かに移動はしたもののこのままでは先程の倉庫裏と大した違いはないだろう。それを認めるように返事をしつつ再び時計を確認する。どうやら時間ピッタリの様だ。減っていく秒数に合わせてカウントダウンをしていく、そして0になった瞬間、周囲の鉄塔が眩く輝き始めた。二人をぐるりと囲うように鉄塔に施された電飾が煌めいて光が波打つような演出のあと、その光の波は上へと伝搬していって遂には風.都.タ,ワ.ーの羽根へと広がり頭上が一気に明るくなった。今度は周囲が緑色の光に包まれまた波打ちながら登っていくとタワーの羽根を緑色に変える、その後も様々な色と演出を交えながら自分達の周りと風.都.タ.ワ.ーは煌めき続けた。暫くその光に目を奪われた後に相手の方へ目線を戻して「風.都.タ.ワ.ーのイルミネーション見るなら特等席がいいと思ってな」とようやくここに来た目的を明かしつつ手を強く握ると「ここからの景色をお前と見たかったんだ」と心の内を伝えて)
でも…? …っ!…綺麗だ。
(薄暗いスペースでここに来た理由が読めずに戸惑いの感情を見せていれば相手は肯定を示す。その表情から何か用意しているのは明らかで期待を持たせるような言葉とカウントダウンに何となく繋いでいた手に力を込めた。相手がいうカウントダウンがゼロになった瞬間、鉄塔に巻き付けられた電飾に一気に光が灯った。まるで生きて波打っているかのように次々に光が宿って色がついて上部へと広がっていく。その景色に圧倒されて何も言えないでいると今度は辺りにだけあった緑光が上まで伝わってその街の象徴であるタワーの羽根部分を染め上げて輝きながらゆっくりと回る。壮大で綺麗なイルミネーションの一番近いところ、或いはその中に自分達が居ることに心が震えると段々と変わっていく風.都.タ.ワーの景色を目に焼き付けながらぽつりとありのままの感想が零れた。そのまま目を奪われていたが視線を感じて手を強く握られると顔を相手の方に向ける。相手はこの街のことを良く知っていてクリスマスも何度もここで過ごしているはずだ。そんな相手が選んだこの景色は風.都の中で一番の景色なのだろう。それを見る為の自分達だけの特等席を用意してくれて一緒に見たかったと言われると胸は感動や嬉しさでいっぱいになって「こんな景色初めて見たよ。…翔太郎、風.都.一綺麗で幸せだ」と無邪気に微笑んで)
……お前がそう言ってくれるなら何よりだ。……、…
(カウントダウンがゼロになった瞬間に薄暗かった周囲は一気に眩い光に包まれる、チラリと相手の方をみれば食い入るように登り広がっていく光を眺めて夢中になっていてポツリと呟く言葉が聞こえれば胸が暖かくなるのが分かった。この景色を相手と見たかったのだと伝えればその顔には無邪気な笑みが浮かぶ、その瞬間に心から今日相手と共にここへきて良かったと気持ちが華やいでこちらにも笑みが浮かんだ。イルミネーションの光は止むことがなく二人を包み込む、光の波の中に二人ではいって目の前には微笑む相手がいる。この胸に溢れる幸せは止むことがなくて少しでもこれが伝わるようにと相手の正面に立てば背中へ腕を回して抱き締める、そして眩い光の中で相手と口付けを交わした。先程のような悪戯なものではなく相手へと想いを伝える口付け、暫くの間唇を重ねたあとゆっくりと離してその瞳を見つめる。揺れる光が相手の瞳に反射してその輝きに魅入られるようだった。上半身を少しだけ離すと内ポケットに手を入れる、そして細長い箱を取り出すと「メリークリスマス、フィリップ」と相手へ差し出して)
……翔太郎、ん…。…、随分と準備が良いみたいだね
(特等席で次々に移り変わる光の波を目に焼き付けながらもここに連れてきてくれた相手に感想を伝えるとその顔が柔らかく微笑んだ。現実離れしたこの空間では美しい景色も含めて二人だけの世界に来てしまったかのようだ。胸が温かいものでいっぱいになっていると相手が正面にやってきて抱きしめられる。こちらからも背中に腕を回すとどちらともなく顔が近づいて唇が重なった。以前クリスマスについて調べた際ヤドリギの下でキスをすると幸せになれるという言い伝えが一瞬脳裏に浮かんだが自分達にはこちらの方がピッタリだろう。十分にその感触と相手からの好意のようなものを受け取り、確かめたところでゆっくりとその唇を離す。こちらをまっすぐと見つめる相手の瞳にはきらきらと周囲の光を反射して何よりも綺麗で愛おしく思えた。軽く擦り寄るような仕草をしていると相手が内ポケットを探って細長い箱のようなものを取り出すと思わず目を見張る。だがすぐにそれがクリスマスプレゼントだと分かれば破顔して子供のような笑みを見せながら箱を受け取った。包装されたプレゼントは持ってみても大きな特徴がある訳でもなく、中身が気になると「ここで開けてみてもいいかい?」と楽しみが隠し切れない声色で問いかけて)
そりゃ特別なクリスマスデートだしな。…あぁ、開けてみてくれ
(相手を抱き締め見つめ合えばどちらからともなく唇が重なる、奪い去る口付けだって好きなのだがこうやって想いが通いあう口付けも何度だって交わしたい。再び目線を合わせて相手がこちらへと擦り寄る感触に口元を緩ませながら細長い箱を差し出す、今日この日に相手に渡すために用意したクリスマスプレゼントだ。リボンに包まれた箱を見た相手はとびきりの笑顔になってこちらにまでその喜びが伝わってくるようで、楽しみが溢れ出すその反応を一時も逃さないように見つめ続ける。気持ちが浮つくままにキザっぽく返事をするものの直ぐに照れくさくなってしまって思わず自分で笑ってしまう。相手の子供っぽい笑みは止まらなくて中身が気になるようでこの場で蓋を開けるように促す、リボンが解け蓋がなくなったその箱の中には腕時計が収められていた。相手は個性的な服装を好んでいて腕につける時計もそれに負けないくらいに個性的だ、そのバランスも加味して銀色の縁に濃い深緑色の文字盤、茶色の革ベルトは通常よりも太めのもので存在感のある腕時計を選んだ。煌めく光の中で同じく時計もその光を反射して輝いていて「なぁ、それつけてみてくれねぇか?」と願いを口にして)
…これは、時計? 今着けているのに全体のデザインは似ているけど文字盤が僕の色だ。…ああ、
(普段はツッコミを入れるキザっぽい言葉すら今は気にならないほど貰ったプレゼントに舞い上がって宝物のようにそれを見つめる。中身が気になって開けて良いかと問えば了承の返事がされてリボンを丁寧に解いてそっと箱を開けた。中には見慣れない腕時計が収まっていて感嘆の声と共に目を輝かせると心が動くままにそっと取り出してみる。良く依頼人や街の人がしているような細身のデザインやスタイリッシュな物では無く、太めの茶色の革ベルトの上に存在感のある文字盤が配置されている個性的なデザインだ。貰った時から着けている今手首にある物と大まかな雰囲気は似ているが自分のメインメモリ本体と端子の深緑と銀色がより映える配色とデザインになっていて一気に心が奪われる。選び抜かれたであろうことが伺える拘りに声を弾ませていると相手が早速装着するように促す。勿論それに承諾すると今の時計を外して貰った時計を身につける。ベルトを締めて位置を調整してみると思った以上にしっくりとそこに収まって周囲の光を反射して輝いているようにも見えた。相手の方を向くと文字盤が見えるように手首を自分の前に持ってきながら軽くポーズを取ると「どうだい?」と既に誇らしげな笑みで見せて)
散々迷ったけど、その文字盤が買う決め手だったんだ。……すげぇよく似合ってる
(自分が選んだプレゼントを最初に相手が見る瞬間はいつだって緊張するものだが腕時計を目にした相手は目を輝かせて直ぐさま時計を取り出していてその興奮具合がよく分かれば思わずニヤけてしまう。相手は直ぐに文字盤がメインメモリの色であることに気がついて拘った部分を気に入ってくれた様子にまた胸は華やいでしまう、理想的な文字盤の色に縁が端子と同じ銀色だったこれを見つけた時は心が踊ったものだ。時計を選ぶにあたって一番心を掴んだ文字盤のことに触れつつ時計を着けるようにお願いすると相手は早速今つけているものを外してプレゼントしたばかりのそれを身につける。狙い通り相手の個性的なファッションに埋もれない太いベルトは存在感ばっちりで満足気に笑みを浮かべるが、それ以上に相手がどこか誇らしげにプレゼントした時計をこちらへと見せているのが嬉しくて幸せで、プレゼントを喜んで身につけてくれていることが何より幸福だった。再び相手の背中へとしっかり腕を回して抱き締めると「そいつをお前がつけて事務所にいく日が楽しみだ」と期待を寄せれば大切な人に大切だと伝えるように強く抱き締めて周りの輝きに背中を押され「愛してるぜ、フィリップ」と飾らない言葉を口にして)
今日から共に過ごす時も離れていても検索してる時もずっとこの時計と一緒だ。…僕も愛してる、最高のプレゼントをありがとう、翔太郎
(自分が最初に目についてこの時計を気に入った所が相手が選んだ決め手だと聞けば同じ事を考えているのが分かって自然と口角があがる。促されて早速身に付けてみれば手元でばっちり存在感を示しながら今の格好に馴染んでいる。正真正銘自分のモノになったような気がして相手からも褒められると誇らしげに時計を見せた。無邪気に喜んでいれば相手の腕が回されて期待の言葉と共に抱きしめられる。この時計は相手の言う通りこれから事務所に行く時は勿論何処に行く時も身につけるだろう。別々の得意分野で捜査して離れる時や地.球,の.本.棚にアクセスする時も相手がくれたこの時計が相手と気持ちを繋いでくれると思えば悪くない。弾んだ気持ちを伝えていれば相手と目が合う、そして最上級の言葉が送られるとこちらも自然と笑みが浮かんで感謝を伝えた。そうして再びぎゅっと抱きしめていたがふと顔を上げると「あ、…君の後だと少々インパクトに欠けるけど僕もプレゼント用意してるんだ」と話を切り出す。ポケットを探って小さめの紺色のプレゼントの箱を取り出すとそのまま相手に差し出す。「アクセサリーとかマフラーとも悩んだけど君がこの街の人に手を差し伸べる時に二人で居るにはこれが一番かと思ってね」と説明を添える箱の中身は黒の本革素材の名刺入れだ。アクセントとして入っている紫の革と糸のラインやゴールドの金具が切札メモリを感じさせるがポケット部分の裏地には自分のメモリの色でもある深緑が忍ばせてあるのもポイントだ。街の中で事務所を紹介したり探偵である事を名乗ったりする時、必ず使う名刺とそれを入れる名刺入れはその人と自分達を繋ぐ重要なツールだ。今まで相手だけで行われていたそれに相棒として自分も関わりたいと思って選んだ名刺入れを見ながら「アキちゃんに言って名刺も新調して貰ったんだ」と数枚入れておいた名刺を指さして)
どういたしまして。…え、お前も用意してくれてたのか?
(自分が贈ったものをこれほど喜んでくれるのが嬉しくて胸に幸せは止まらず溢れる気持ちのまま抱き締め言葉を送る、目線を交わす相手からお礼と同じ言葉を受け取ると口元は綻んで互いに腕に強く力を込めた。そうして体温を共有していればふと相手が顔をあげてプレゼントがあるのだと言われこちらも顔をあげて目を瞬かせる。デートだと言っただけで特にプレゼントの話題は出しておらずサプライズのつもりだったが相手も考えることは同じだったらしい。同様の思考回路に照れくささを覚えつつ「ありがとよ」と礼を言いながら小さな箱を受け取る、相手がどんな思いでこれを選んでくれたのかを聞いたあとそっとその蓋を開けた。中に入っていたのは名刺入れでシックな黒に鈍く光る本革を用いた大人っぽいデザインにパッと顔を明るくさせると早速中身を取り出す。探偵の魂たる帽子はいつでも携えているものだが探偵をいつでも名乗れるように名刺入れだっていつでも胸ポケットに控えている大事な仕事道具でこれさえあればいつでも二人で一緒に泣いている誰かに手を差し伸べることが出来る、二人で仕事を出来るようにとこれを選んでくれたことを思えば胸が暖かく華やいだ。アクセントとして付けられた紫の部分を指でなぞると「俺の色だ」と嬉しそうに口にし中を開けてみる、すると裏地には相手の色である深緑が敷かれていて今度は宝物でも見つけたように無邪気に笑いながら「お前の色だ!」と声を弾ませた。さらに名刺まで新調したと聞かされると「そうなのか?よくアキコ説得できたな」と驚きの表情を見せる、あの守銭奴の所長の了承を得るには骨が折れたことだろう。促されるように指をさされると中に収められた名刺を一枚取り出して)
心機一転、新しいのが欲しいってお願いしたんだ。 それともう一つ理由があって…これ、僕の名刺も作って貰ったんだ。 だから最初の一枚目、君が貰ってくれるかい?
(プレゼントの存在を明かすと相手は目を瞬かせる。クリスマスといえばプレゼントだと教えてくれたのは相手だ。小さな箱を渡すとそれが相手の手によって開かれ、その中身がシックなデザインの名刺入れだと分かれば相手の顔がぱっと輝いた。表には相手の色である紫が、中の裏地には自分の色である深緑があってそれを見つける度に子供みたいにはしゃぐ相手は微笑ましくて自然と笑みが浮かんだ。メインの贈り物はこれだけだが中にある名刺も新調したと告げれば少し驚いたような反応が返ってくる。メモリのせいとはいえ一度相乗りを降りかけた自分達がこれからもこの街で探偵をやっていけるように選んだ名刺入れでもあり、決意という意味もそこに含んでいる。形から入る相手に倣って心機一転という気持ちともう一つ、所長を説得した要因としてはこちらが大きいだろうと語りながら取り出したのは一枚の名刺だ。だが今相手の手元にある名刺とは違って『鳴.海.探.偵.事.務,所 フィリップ』と事務所の情報と自分の名前が刻まれているのを見せる。今まで名刺の類は持ってなくて必要であれば相手のものを渡していたが今回新たに作って貰ったのだ。安楽椅子探偵であることと組織から隠れてる身として作って貰った枚数は少なく、実際に誰かに渡す機会もあまり無いだろうが名刺であることには変わりない。今手元にあるのはその記念すべき一枚目だと自慢げに告げるといつも相手がしているように名前の面を相手の方に向けながら差し出して)
お前の?、………あぁ、もちろんだ
(相手と自分の色が織り込まれた名刺入れから新たな名刺を取り出す、書体や文字の配置がより整えられ綺麗になっていて心機一転という言葉に相応しい出来だ。だがそれでも所長を説得するには難しいように思っていると相手から一番の要因が明かされた。相手が一枚の名刺を取り出す、そこには鳴.海.探,偵,事,務.所の文字と共に相手の名前が刻まれていて暫し固まって名刺から目を離せなくなってしまった。今まで表に出て調査をするのは自分の役目で相手は組織の目を避けるためもありガレージにいることが多かった、依頼人と会うことさえなく依頼を解決した回数だって少なくない。しかし相手は自らの意思でこの名刺を作ってきた。クリスマスデートと称したこれの発端は相乗りの解消まで至った事件で二人の関係を修復し取り戻した先でのものだった。一度瓦解しかけた所から元に戻ってそれ以上の位置へ相手が腰掛けて相乗りを続けようとしてくれている。相手の事情を考えれば多くの名刺を渡すことは出来ないかもしれないがそれでも相手は事務所の探偵であり間違いなく自分の相棒なのだとより強く感じて、相手もそれを強く宣言しているように思えた。相手の記念すべき一枚目の名刺がこちらへと差し出されて目線を相手へと戻す。この特別な一枚を受け取らないわけにはいかない、むしろこの最初の一枚を誰にも渡したくなかった。名刺を受け取れば改めて相手の名前が刻まれたそれを見つめて「大切に取っとかねぇとな」と口元を緩めると今貰ったばかりの名刺入れに相手の名刺を収めて)
これも僕の初めての相手だね。…翔太郎、
(自らの名刺を見せると相手は固まってじっとその文字を見つめている。事務所名とともに刻まれた自分の名前はそこの所属を表していて相手の名刺と同じデザインをしている。今までも間違いなくこの街の探偵だったのだがこうして形になるとより一層相手の相棒である実感が強く湧くものだ。その特別な一枚を相棒に差し出すと目線がこちらを向く。力強い返事と共に名刺が受け取られて再び相手の視線が自分の名前をたどる。そして嬉しそうに口元に弧を描くのを見れば胸が幸せで充実した気持ちでいっぱいになっていく。大切そうに名刺入れに自らの名刺が仕舞われると二人の名前が並ぶようになってこれも自分の【初めて】であると声を弾ませた。相手から貰う事はこれまで何度も合ったがこうして自分が考えた物を渡して喜んでくれる所を見るのは珍しく、そして何よりも嬉しい。2人だけのこの特等席で特別な想いも物も沢山受け取って風の冷たさなど感じなくなるくらい心が暖かくなるが溢れる気持ちは収まりがつかなくて今度はこちらから腕を回して勢い良く抱き着くと軽く擦り寄りながら「今までで一番幸せなクリスマスだ!」とありのままの気持ちを口にして)
あぁ。お前の初めての名刺を受け取ったのもこの名刺入れに初めて名刺を入れたのも俺達だ。…、フィリップ…違いねぇ。最高のクリスマスプレゼントをありがとな
(相手の名刺を相手から贈られた名刺入れへと仕舞う、これも初めてだと声を弾ませる相手に軽く頷くとまた相手と【初めて】を共有したのだと噛み締めるように口にした。相手が自分の名前を呼ぶ、煌めく光の中で呼ばれるその名前は心に染み渡るように響いてこちらも名前を呼んだ。相手はこちらへと勢い良く抱きついてきてそれをしっかりと抱きとめる、溢れ出る相手の気持ちを受け取ったようでもいてこちらからも相手の体を強く抱き締めた。続いて弾んだ声が聞こえればこちらも口元に笑みを浮かべながら同意する、去年のクリスマスだってもちろん幸せだったが相手とまた同じく時を過ごしてそれ以上に幸せな時間を過ごせたことが嬉しくて仕方がなかった。擦り寄る相手にこちらからも頬をくっつけるようにして接触面積を増やす、相手と幸せな時を過ごして心はこれ以上なく暖かいのだが触れる頬はすっかり冷えてしまっていてそのギャップにまた笑い声を漏らした。どうやらそこそこの時間この幸せな空間で過ごしているらしい。この輝く場所にいつまでもいたい気持ちもあるが風邪を引いてしまってはもともこもない、名残惜しくはあるが相手と目を合わせると短い口付けを送って「そろそろ俺達の家に帰るか」と声をかけて)
どういたしまして。…ん、そうしようか。
(沢山の想いと初めてを受け止めて溢れる気持ちのまま相手に抱きつくと力強く受け止められて感じる温もりに笑みが零れた。ぎゅっと抱き着きながら最高のクリスマスだと話すと直ぐに肯定の返事がされてこうやって幸せだと言い合える事に満たされる想いがした。相手に擦り寄って頬までくっつけるとひやりと冷たい心地がしてお互いに小さく笑う。気づかぬうちに大分冷えてしまっていたらしい、ぱちりと目が合うとまた自然に顔を近付けて口付けを交わす。少し離れてみるとイルミネーションの光に照らされた相手は依然輝いてみえるが同時に早く二人きりの場所に連れ去ってしまいたくもなった。相手も似たようなことを考えたのか帰宅することを提案されると賛成を示し、こちらからも軽くキスを送ってからゆっくりと腕を解いた。再び手を繋ぎ、なんとなく街の方に目を向ければイルミネーションが行われている場所は勿論個々の家の明かりが見えた。この全てが自分達が暮らす街で守っていきたい場所なのだと実感すれば自然と口元に笑みが浮かんだ。そのまま停めていたハ,ー,ド,タ,ー,ビ,ュ,ラ,ーの元に行くと相手に続いて乗り込み、腰に腕を回すと「帰りも安全運転で頼むよ」と笑いながら告げて)
あぁ、任せとけ
(二人で想いを伝えあって分かちあって胸はただただ相手といる幸せでいっぱいになる。自分達しか来ることの出来ない特別な場所が名残惜しくもあるがそろそろ相手を暖かい部屋で独り占めしたい気分だ。どちらからともなくまた口付けを交わして尽きない幸せに浸っていたが相手からも口付けを受けるとそっと腕を解いて手を繋ぎ直す。ハ.ー.ド.タ.ー.ビ.ュ.ラ.ーへ戻る前に相手は街の方へと目を向けてつられるように眼下に広がる風の街を眺める。自分を育ててくれた愛すべき街、そして相手と共にずっと守っていきたい大切な場所は様々な明かりを放ちながら風,都,タ.ワ.ーに負けないくらいに輝いている。チラリと相手の方をみればその口元には笑みが浮かんでいてこちらも自然と笑みが浮かぶ。相手は間違いなくこの街の探偵だ、懐に入れた名刺に刻まれた通りに。やがて相手と共に機体へと乗り込めば腕がしっかりと回される、そこを軽く叩いて合図をしてから再び空へと舞い上がった。煌めく風都の周りをぐるりと一周回って空からもイルミネーションを眺めてから家の方面へと移動する。自宅近くの裏路地にあるちょっとしたスペースに降り立てば「到着だ」と背後に目線をやりながら言って)
ありがとう。寒くなってきたし今日は帰ろうか。
(今日だけの特別な街の姿をしっかりと目に焼き付け、これからもここで過ごして守っていくのだと思えば自然と笑みが浮かぶ。ちらりと見た相手も同じような笑みを浮かべていてちゃんと二人でこの場所で居れることの幸せを噛み締めていた。そうして機体に乗り込んでしっかりと相手に掴まると帰りの運転も相手に任せる。軽い合図の後、機体は空へと舞い上がってクリスマスの街を大きく一周する、自分たちしか見れないであろう贅沢な景色を堪能し、今まで訪れた場所を当てたり個性的なイルミネーションを見つけたりしながら空の旅を楽しんだ。そうしてゆっくりとか高度を下げて家の近くの裏路地に降り立つ。到着が告げられるとテンションが上がった勢いで感謝の言葉と共に後ろから頬に短く口付けを落として機体から降りた。特等席でイルミネーションを楽しんでいる内に大分地上は寒くなっていて吐く息も白い。デートが終わってしまうのは少々寂しいが一緒に居ることは変わりなくて降りた相手の手を取るとそのまま自宅へと歩いていく。去年貰った鍵で家のドアを開けて「ただいま」と帰宅の挨拶をしながら中へと入る。早速暖房を付けて上着を脱いでハンガーで掛けていると部屋の明かりを反射する貰ったばかりの時計の存在がより強く感じるようになる。軽く掲げてみながら気に入った文字盤と縁の色を見ると一人で満足げに笑みを零して)
ただいま。……よっぽど気に入ったみてぇだな
(街を彩るイルミネーションを二人で存分に眺めてからハ.ー.ド,タ.ー,ビ.ュ,ラ.ーが地面へと降りたてばいよいよ特別なクリスマスデートも終わりの時だ、だがデートが終わっても相手と二人で一緒にいることに変わりはない。到着を告げれば後ろを向いた顔の頬へ短く口付けがされる、こんな些細なことにさえ唇が伴うなんてなんとも恋人っぽいことに照れ笑いが浮かんでいた。機体にはガレージに戻るよう指示を出しておき相手と手を繋いで二人の家へと移動する。心はまだまだ相手への想いや今日の思い出で暖かいが吐く息は白くなっていてすっかり体も冷えていることだろう。玄関へとたどり着けば相手は自分色のキーケースを取り出していて贈ったものがこうして日常に馴染んでいることにまた喜びを覚えていた。帽子や上着など一通りのものをしまい終えて相手の方をみればその視線は掲げられた腕時計へと注がれている。プレゼントを見つめる姿をみればまた嬉しさが込み上げてきて思わず背後から相手を抱き締める、相手と同じ目線で時計をみてみるとやはりそれは相手によく馴染んでいて「これ選んで正解だった」と軽く首元に擦り寄り)
ああ、外の明かりと蛍光灯では見え方がしばしば変わる事があるけどどちらも綺麗な色だ。 時計のプレゼントには同じ時を刻みたいとか離れていても一緒という意味が込められているそうだよ。
(二人で手を繋いでいつもの家に帰ってくる。これでクリスマスデートは終わってしまったが贈られた想いも物も手元に残っていて上着をしまうとつい視線は腕時計に向かう。より見えやすいように手を掲げて時計を見ては笑みを浮かべていると背後から近付いてくる気配と共に後ろから抱きしめられた。上着が無くなった分相手の体温をより直接感じるようになると軽く体重を預けるように身を傾けながら相手の言葉に肯定を示す。装飾品や服は外と家の中では受ける印象が変わることも多いがこの時計は依然自分を示すメモリの色と共に存在を示していて口角が吊り上がる。相手も気に入った上での贈り物だったようで首元に擦り寄られながら告げられた言葉にくすっと笑うとその頭を軽く撫でながらプレゼントについて調べた時に得た情報を共有する。時計の贈り物は時間に関しての意味合いが強いようでちらりと相手の顔を覗くと「相乗りしてる僕達にピッタリだね」と嬉しそうに笑って告げ)
そうなのか?…あぁ、俺達の思ってる事そのままだ
(相手を後ろから抱き締めて一緒に今日贈った時計を眺める、上着を纏わなくなった分二人の体はより近づいて温まり切っていない体はまだひんやりとしていた。体温を共有していると軽く体重が預けられてしっかりとその体を抱きしめたまま相手の視線は文字盤の深緑へと注がれる、受ける光の色が変わっても変わらず相手の腕に映える緑は綺麗で心底これを選んで良かったと思えた。軽く頭を撫でられて相手の手に擦り寄っている間に腕時計を贈る意味を教えられる、意識して選んだわけではなかったが同じ時を刻みたいという想いも離れていても一緒だという想いも何度も互いに願ってきたもので、交わしてきた約束だ。こちらを覗く相手に軽く頷きながら同意する、偶然にもより強く相乗りを誓った二人に相応しい贈り物になったようだ。視線があえば引き寄せられるように唇を軽く重ねてそこの柔らかさを享受する、そこでもう一つ今日の思い出の品があるのを思い出すと抱き締めた体が離れないようにめいっぱい手を伸ばして脇に置いていた袋を手にとると「こいつも飾らなきゃな」と中からスノードームを取り出して)
大切にするよ。…ああ、今日の大切な思い出だ。
(顔を覗かせる相手の頭を軽く撫でながら腕時計を贈る意味を説明すればそこまでは考えていなかったようで感心したような反応がされる。閉じこもって自分だけの世界で過ごすのではなくこの街で同じ時間を歩むのに必要な物、常に身に着けるだろう時計が相手から贈られたことに改めて幸せを?みしめていた。自分の想いを伝えながらその送り主に視線を送ると目が合って再び顔を近づけて軽い口づけを交わす。そっと離れたあとも軽く擦り寄っていると相手がこちらを抱きしめたままテーブルの上の袋に手を伸ばす。ほんの僅かな時間と距離すらあけたくないという相手の態度に思わずくすくす笑いながら袋を手に取り、中身を取り出す様子を見つめる。あの後スケートをしたりイルミネーションを見たりと色々したが本体は壊れることなく、二人の雪だるまの上に綺麗な雪を降らせていて表情が緩んだ。これも今日を示す大事な思い出の一つだ。手の中に収めて暫し雪が降る様子を見つめていたが部屋の中をきょろきょろを見渡すと相手の腕を掴んで離さないまま数歩移動して相談していたようにベッドの近くの棚の上に置いてみる。それだけで一気に部屋の中が冬っぽく彩られると「これならいつでも二人の雪だるまを鑑賞できそうだ」と無邪気に笑って)
……そうだな。この位置なら部屋の何処からでも見れそうだ
(ただ相手と目があったからとそれだけの理由で軽く口付けを交わす、特別な理由がなくたって恋人だけの行為ができることに胸を満たされながら擦り寄る相手の心地を堪能していた。なるべく体を離さないようにスノードームを手にすると相手は小さく笑っていて相手の体の前でスノードームを取り出し手渡す、接着に問題はなかったようで二人で作った二つの雪だるまが煌めく雪の中に仲良く並んでいてまた相手と共に暫くそれを眺めていた。やがて相手が腕を掴んで移動を始める、相手の歩幅に合わせて棚の傍までやってくると予定通り棚の上にスノードームが置かれた。二人を模した二つの雪だるまが収められたそれは棚の上に置いたことで部屋のどこからでも見える位置にあっていつでもこの最高のクリスマスデートを思い出せそうだ。スノードームがこの部屋に加われば後に考えることは相手だけ、後ろから抱き締めたまま後頭部に軽く擦り寄りつつ「そろそろ風呂はいって体温めてきたらどうだ?」と提案して)
ああ、後で撮った写真も整理しなければ。…そうだね、今日は体も使ったし後はゆっくり過ごしたい
(二人で棚の前まで移動してきてスノードームを飾る。相手の言う通り何処からでも見れる位置に置いたことで見る度に今日のことを思い出すだろう。思えば最初に来た時よりも随分自分のものや二人の思い出の物も増えてきて相手の家から二人の家になったことに自然と笑みが浮かんだ。スノードームと同じく二人で撮った写真も後で整理しておこうと口にしていると相手が後頭部に擦り寄ってきて風呂に入ることを促される。大分外の冷たさは無くなってきているがこの後ゆっくり過ごすことを考えても先にやる事を済ませてしまった方が良さそうだ。同意するように頷くと相手の腕の中で体の向きを変えて向かい合うような形になる。少し温まった相手の頬に手を添えるとまた短くキスを落とした。今日だけでも何度もキスをしたことに子供のように笑うと「じゃあ先に入ってくるから待っててくれ」と伝えて少々名残惜しいが腕を解いて脱衣所に向かう。貰った腕時計も外して大事に取って置き、服を脱いで中へと入る。長時間外にいた体にはシャワーの温かさが身に染みて安堵の息を吐いて温まりながら髪と身体を洗う。泡を洗い流して浴室を後にすると相手の色の寝巻に着替え、軽く髪を拭きながら「上がったよ」と声を掛けて)
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