検索 2022-07-09 20:46:55 |
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いや、まぁ……これはフィリップへの贈り物だから、まだフィリップからは貰ってねぇな……
(ここ最近はこの女子高生二人組に会う事が多いような気がする。それもこれもカップルっぽい事をするようになったからだろうか。このピンクとハートに溢れた空間で出会った知り合いが二人の関係を知る人物だったのは幸いではあるが、それでもあの写真撮影を見られていたのは恥ずかしい。こちらが怯んでいる間、相手と情報屋の二人で会話は進んでいる。こういうイベントをこの二人が見逃すはずないのは分かるが、先程からエリザベスの視線が痛い。理由は大体分かるものの、羨ましげな声色で質問が飛んでくれば目線をふらふら泳がせながら勢いの削がれた返答をする。今は互いに相手への本命チョコを持っている状態、それを説明するとクイーンの笑みはますます深まり、エリザベスの羨ましげな目線はさらに鋭くなっていく。クイーンは二人の手提げ袋を交互に見ながら『ってことはこの後交換するんだ』と尋問のような質問をされれば、言葉を濁すように「まぁな」と返事をしておく。エリザベスは相手をじっとみつつ『翔ちゃんは今からフィリップくんの本命チョコ貰うんだね…』と未だ相手を諦めていないようで)
…そうだ、二人にはお世話になっているから些細なものだけどプレゼントだ。いつもありがとう
(エリザベスは相手に視線を注いだままでクイーンはこちらの様子も含めて楽しそうに笑みを深めている。うっすらとエリザベスが自分に好意を抱いてくれてるであろうことは理解しているのだが相棒がいる以上それに応えることは出来ない。関係を明かしている以上隠すようなものでも無いが二人に問い詰められタジタジな姿に本命チョコの他に買ったものを思い出す。同じ店で買った個包装のハート型のクッキーだ。左半分にだけチョコがかかってトッピングが乗せられていて変身後の姿みたいだなと手が伸びた。事務所でコーヒーと共に食べようと買ったものだが二人にはお世話になっているし渡してしまっても良いだろう。 それぞれ2枚ずつ個包装のまま差し出すと彼女達の表情が嬉しそうに和らぐ。エリザベスに至っては『ありがとう、ずっと大切にするから!』というものだがら思わず「お菓子だから賞味期限内に食べてくれたまえ」とツッコミをいれていて)
お、良かったじゃねぇかエリザベス。
(相変わらず頼りになる味方だがこちらが追い詰められると弱い、情報屋の攻撃に耐えていると相手から助け舟が出されて二人へクッキーが手渡された。エリザベスは大変ご満悦のようでフォローを入れておいたが、逆にそれが勝者の余裕に写ったのかまたひと睨みされてしまう。やれやれとため息をついたところでクイーンから『せっかく会ったんだし今日渡しちゃお。はい翔ちゃん、私たちからの義理チョコ』とそのチョコの意味をはっきり宣言されながらビニールに包まれたチョコを渡される。ピンクやハートは踊っていないが個包装のチョコが詰め込まれているそれに「ありがとよ、ホワイトデー楽しみにしといてくれ」と軽く手を挙げた。エリザベスは対抗意識に未だ火がついているようで『私も!ホワイトデーには絶ッ対におかえしするからね!』と声高に宣言していて)
ああ、楽しみにしてる。…相変わらず賑やかだね、チョコも貰えたし会えて良かったよ。 ところでホワイトデーというのもあるのかい?
(ひとまず彼女の機嫌は何とか取れたようだ。一方でクイーンから相棒にチョコが渡される。義理チョコだと宣言されながら渡される辺りこちらへの気遣いを伺えると共にこれまでも似たような感じで色んな人から相手はチョコを貰っていたのだろう。自然なやり取りを隣で眺めつつもエリザベスからお返しを宣言されると穏やかな笑みと共に応えておいた。『いつまでもお邪魔する訳には行かないし、そろそろ行くね』とクイーンが自分達の顔を交互に見てから立ち去ろうとする。エリザベスも上機嫌の方が上回っているようでブンブンと手を振って特設店舗へと向かう彼女達を手を振って見送った。再び相手と2人になれば笑みを称えたまま渡されたチョコを指さしながら感想を呟く。彼女達も普段お世話になっている味方、バレンタインを通して喜んで貰えたならここに来た甲斐があっただろう。一段落した所で相棒の言葉とエリザベスの言葉を思い出す。見知らぬホワイトデーという言葉へ疑問を抱くと言っていた本人に解説を求め)
最近あいつらと会うと追い詰められてばっかだな……あぁホワイトデーってのはバレタインのお返しを贈る日だ。バレンタインの対になってる日って感じだな。エリザベスの奴大袈裟なおかえし用意してこなきゃいいが…
(ひとまずは上機嫌のまま去っていく二人に軽く手を振って見送ると相手の方に目を向ける。毎回騒がしくて飽きはしないがその分心労も負っている気がする、二人の関係を明かしても相変わらず追求の手は厳しいものだ。共に信頼関係があるのはこの義理チョコが示しているのだろうが。やれやれと苦笑いを浮かべていると先程話題に出たホワイトデーの事を聞かれ簡単な解説をいれる。何らかの想いを込められ贈られたものを受け取った側からも送り返す、バレタインはある意味ホワイトデーとセットのイベントだ。義理チョコとはいえ貰ったものの感謝は返すもの、1ヶ月後にはまたスイーツと向き合うことになる。そこでふと去り際のエリザベスを思い出す。あの小さなクッキーでさえ大喜びしていたのだ、あの勢いでお返しを用意すれば大層なものになりかねない。もう姿の見えなくなった情報屋が去っていった方をみやりつつ、また騒がしくなりそうだと内心思い)
なるほど。バレンタインデーでチョコを渡して、貰った方はホワイトデーにお返しを渡す。大切な人に物を贈り合う、素晴らしいイベントだ! 僕は面白いお返しの方が嬉しいけどね
(今までも何かとからかわれている所を見ていたが恋愛事情という恰好のネタを手に入れた今、何かと相手は追い詰められてばかりだ。そうしたくなる気持ちはよく分かるから自分も強く止めたりはしない。相手は気の毒かもしれないがそういう運命なのだと諦めてもらうしかない。そんな相手にホワイトデーについて聞くと簡単な解説がされる。物を贈り、そのお返しをする。平等でありながらお互いが嬉しい気持ちになる理にかなった行事だ。次なる興味の対象が現れたことに表情を明るくしながらもそのお返しをしてくれるであろうエリザベスの話に移る。勿論どんなお返しだろうとその気持ちが嬉しいのだが自分としては興味惹かれるような面白い物なら尚更嬉しい。クイーンやエリザベスを始めとする女子高生は自分達とは全く違う考え方や若者ならではの文化を持っている。それらに触れてみたいと感想を口に知る。チョコも購入しフォトスポットの写真も撮れて今度こそバレンタイン会場を満喫出来た。手元の袋を軽く揺らしながらも「帰ろうか」と恋人に声をかけて)
まぁ確かに…想いを形にして伝える良い機会なのかもな。たまには形にするのも悪くねぇし、何が貰えるのか楽しみだしな。
(バレンタインといえば甘酸っぱい告白のイメージが先行していたが、相手と恋人同士になって迎えるバレタインはまた少し様相が異なる。一緒に何処までも走っていければそれでいいのだが想いは目に見えないもの。形にせずとも想いは伝わるものだが、想いの籠った何かを受け取って嬉しいのとはまた別の話だ。自分の性分でいえば面と向かってプレゼントを渡す柄でもなく、こういうイベントは良いきっかけになっているのかもしれない。大切な人を想いながらプレゼントを選ぶのはどこか楽しく、相手の手提げ袋の中身を見るのも楽しみだ。照れくさいイベントも相手と想いを共有するのだと思えばたまにはこういう事をしてみるのも悪くないだろう。二人の間は安心だがエリザベスの動向は全く予測不可能だ、上手くクイーンがコントロールしてくれることを願いつつ、帰ろうという恋人の声に「あぁ」と返事をして会場を後にした。デパートを出て帰る道すがらも相手の手提げ袋の中身が一体どんな物なのか、意識はそこに取られていて隣に並ぶ相手の手元をちらりと覗き込んでみて)
ああ、こういうイベントなら毎年参加したい物だ。 _…カンニング禁止だよ、翔太郎。
(この想いも感謝の気持ちも常に持ってはいるが形にすることは珍しい。当たり前のことだろうと形として伝えるのはまた違った楽しみや嬉しさがある。それも相手と出会ってこうした関係になったからこそ感じられるようになった感情で好奇心を満たす事とは違った充実感に口元を緩める。また来年もこうしてバレンタインという行事に乗じて贈り物をするのも楽しそうだ。ご機嫌のままデパートを後にして帰り道を歩く。ひとまずバレンタインフェアを教えてくれた所長に二人で選んだとっておきのチョコを渡すのが先だ。どんな反応をするのか楽しみにしていると相手の視線が手提げ袋に注がれ、覗き込もうとしているのに気づくとひょいと持ち上げて相手の側とは逆の手に持ち直して隠してしまう。せっかくそれぞれ別にしたのだから中身を確認した時の反応はちゃんと見たい。ルール違反だとその行動を窘めるが気になる気持ちはよく分かる。事務所で渡してしまうか業務が終わり家に帰ってからにするか悩むと「いつ交換しようか?」と意見を伺って)
っと、見てねぇって。そうだな……事務所ではアキコの分だけ渡して俺達の分は家で交換でいいんじゃねぇか?お前のリアクションとかしっかり見てぇし…
(あともう少しで中身が見えそうな所で手提げ袋は反対側へと移動してしまった。覗き見を窘められるとまだ中は見ていないと無罪を主張するように両手をあげる。早くあの袋の中身を見たい気持ちと、落ち着いた場所であの中身を開けてみたい気持ちとがせめぎ合っていた。そんな中で交換のタイミングを問われると目線を下にやって暫し考える。所長の分は今から渡すとして、この本命チョコを相手へと渡してそれが開封される時近くに所長が居ればきっと気取ってまともに相手を見ることは出来ないだろう。相手のものを受け取る時も大体同じ結果なのも明白だ。せっかく初めて渡す本命チョコで滅多にないプレゼントを贈る機会だ、包み紙を開けられて相手のために選んだチョコを相手が目にする瞬間はちゃんと心の中に収めておきたい。それにこれから毎年バレンタインに参加するとしても本命チョコを交換する初めての機会は今回だけだ。それならば二人きりの空間である家で落ち着いてこれを渡したい。ぶっきらぼうな口調ながらも家での交換を提案するとちらりと相手のリアクションを伺い)
ならそうしよう。となれば暫く中身はお預けだ。____ アキちゃん、僕たちの日頃の感謝の気持ちだ。
(仮に見られたとしてもラッピングで肝心の中身は確認出来ないのだが見せないに越したことはないだろう。そのタイミングについて問うと家に帰ってからという答えが返ってくる。自分も同じことを考えていたから異論は無い。所長にここで開けなさいと急かされてしまうかもしれないがそこは上手く躱す事にしよう。そうなれば中身の公開はまだまだ先になりそうで悪戯っぽい笑顔と共に焦らすように伝えておいた。方針が決まった所へ事務所に辿り着く。所長が待ち望んでいたとばかりに出迎えてくれた。会場の様子や感想を伝えていたがその間にも所長の視線は手提げ袋に注がれていて、早速二人で選んだチョコを渡すことにする。どうやら所長もこのお店のことは知っていたようで表情が輝いた。その様子にこちらまでワクワクしながらも開けるように促すと包装が解かれ品のある箱とその中身が開けられる。どうやらそこまでのセンスを期待していなかったようで予想以上の贈り物にチョコとこちらの顔を交互に見た後、嬉しそうな笑みが浮かぶ。『ようやく所長様の有難みが分かったようね!』と鼻息荒く言ってはいるがその口元は緩んでいて喜んでくるのが伝わってくる。大切な人が自分の送った物を気に入ってくれるのがこんなに嬉しいとは。付属していたチョコの説明書きを読みそれぞれの味や特徴を説明しながらも事務所でのバレンタインの時間を楽しんでいて)
(/何かイベントややりたいことが無ければ帰宅したところまで飛んでもらって構いません…! 蹴可)
あぁ、今すぐみたい気持ちは山々だけどな。____ただいまっと。今日は風.都.が平和で何よりだ。
(早く中身を見るかじっくりとその時を楽しむか、結局は後者を選んでチョコの交換はお預けとなる。こちらを焚き付けるように悪戯っぽい笑顔が向けられれば嫌でも期待度はあがるというものだ。楽しみは後に取っておくとしてまずは日頃お世話になっている所長に感謝を伝えるとしよう。事務所に帰り期待まんまんの瞳で迎えられた後相手からチョコが渡される。予想以上の反応に自然と笑みを浮かべていたが『そっちの袋は?』と目ざとくそれぞれが持つ手提げ袋を見つけられてしまった。渋々二人で交換する事を告げると『ラブラブかっ!』と奇しくもクイーンと同じツッコミが飛んできて恥ずかしさを噛み殺す表情を浮かべることとなった。その後はいつもの時間が流れ帰宅の時間となる。所長を見送り事務所を片付けた後二人で帰宅する事となった。いつものように帰る道だが当然まだ手提げ袋の中身は見ていなくて逸る気持ちが勝てばどこか落ち着かない。家に帰っていつも通りを振る舞うもやはりどこか浮ついていて、ハットとジャケットをいつもの位置に仕舞えば「そろそろそれの中身が気になんな」と手提げ袋を指さし)
ただいま。厄介な依頼が舞い込んでこなくて良かったね。…ああ、ようやくお披露目だ。…僕なりに君の事を考えて選んでみた。気に入ってくれると嬉しいのだが…
(仕事も終わり家へと帰ってくる。いつもと違うのは2人の手元にある手提げ袋と妙なこの気持ちだ。部屋に入り上着などを掛けながらも会話を交わす。何か依頼でも舞い込んでくれば帰るのが遅くなったことだろう。風.都.の人にとってもバレンタインを平和に過ごせているのなら何よりだ。一通り落ち着けばいよいよ手提げ袋について問われる。あれほどまで渡すのも相手の中身を見るのもワクワクしていたものだが、いざ渡すとなると妙に緊張してくる。情報屋や所長の時は感じなかった心境だ。相手と向き合うと紙袋からお願いして緑の細いリボンで装飾して貰った紫のシックなデザインの長方形の箱を取りだし、差し出す。所長にあげた店ほど有名ではないが風.都.出身のショコラティエが手掛けた名店の物だ。相棒の目指すハードボイルドらしく大人っぽいデザインだが中身は食べやすい長方形のガナッシュチョコレートだ。表面にはお洒落なデザインやトッピングが施されている。一つだけ本命チョコらしくルビーチョコレートを使ったハート型の物があるのもポイントだ。見た目の上品さと背伸びしすぎない食べやすさ、そして食べる時の事を考えてコーヒーにも合うもので考えたのだがこのセンスで相手が気に入ってくれるかは渡してみないと分からない。自分なりに考えた物だと伝えながらも恐る恐るその反応を伺って)
おぅ……正面からそう言われると照れるけど、ありがとよ。…俺達の色だ…___うん、美味い
(家に帰ってくればあとは二人の時間、ゆっくりとチョコの交換ができるわけだが、今からチョコを貰えると分かっている上、告白でもなんでもないのにどことなく緊張する。うっすら顔を固くしていたが手提げ袋から包装された箱が取り出され、そのカラーリングをみればすぐに顔が綻ぶ。緑と紫、互いを表す色で包まれた箱を受け取れば、その緑の細いリボンを外して紫色の箱を開けた。中身は全体的にお洒落で落ち着いたデザインだ、ハードボイルドな探偵が愛する人から貰うチョコとしてはピッタリな見た目をしている。いつもハードボイルドを自称しているからこそこれを選んでくれたのだろうと思えば胸が華やいで自然と笑みを浮かべていた。シックなデザインの中で一際クールに輝くハートのルビーチョコレートを最初に手に取ると、そのまま口の中へと運ぶ。甘すぎないそれはコーヒーのお供にピッタリだろう。こちらの事を考えて選んでくれたのが節々から伝わる本命チョコだ、デパートで別行動していた時間にそれだけこちらのことを想ってくれていたのが照れくさくて、しかし幸せだ。笑みを抑えようとするがそれは叶わなくて、顔から嬉しさやら感謝やらを溢れさせながら「俺のために選んでくれてありがとな、フィリップ」と恋人の目を見つめながら伝え)
他にも候補は幾つかあったけどこれが一番翔太郎らしいと思ったんだ。___..ん、喜んで貰えて良かったよ。 自分で選んだ物を気に入ってくれるとこちらまで幸せな気分になるね。
(その他にもガッツリハート型のチョコや生チョコなど目をつけた候補は何個かあったが一番ピンと来たのがこれだ。カラーリングに気付いて顔が綻ぶのを見れば選んで正解だと実感するようでもあった。いよいよ箱を開けるのを反応が楽しみなの半分不安半分で見つめていたが中身を見た途端笑顔が浮かんだのを見れば安堵と幸せが込み上げてくる。その中でハート型のルビーチョコが手に取られ相手の口に運ばれる。味までは確かめられてないが反応を見る限り表記されていた通りの甘さで美味しいのだろう。相手の反応や一つ一つから幸せそうなことや嬉しさが伝わってくる。目を合わせて改めて感謝を伝えてくれる恋人に照れ臭さの混じった笑みを向けながらも言葉を返す。人にプレゼントをするなど今回が初めてだが渡す方も色々相手のことを考えて悩み、渡すまでドキドキして、貰って嬉しそうな反応を見るのがここまで幸せとは思わなかった。感想を呟きながらも今度は相手の選んだ物が気になってきて「君の選んだ奴も見てみたい」とお願いして)
あぁ。それに、俺のために選んでくれたってのが伝わってくるのも幸せだ……よし、なら交代だな。一目見てお前らしいと思って選んでみたんだ
(相手と一緒にいれば幸せを感じることは多々あるが、こうやって形あるものを貰うのもまた一層幸せを感じられる。贈るのも貰うのも双方幸せになる、それがバレンタインの醍醐味かもしれない。貰う側の幸せを味わった所で次は贈る側へと回ることにする。手提げ袋から取り出したのは長方形の箱で白い包み紙で包装されているものだ。包み紙を外せば、表面にアンティークな本棚がデザインされた箱が入っている。本棚が描かれた蓋を本のページを捲るように開けば中には本の形をしたチョコが並んでいる。ひとつずつカラーリングが異なり、恋愛小説がイメージされたチョコはピンクに色付けられハートのトッピングが施され、童話がイメージされたチョコは緑色に色付けられ蝶々のトッピングが施され、というふうに様々な本を題材にして作られたチョコが並べられている。相手のトレードマークのひとつである本、それに尽きることの無い好奇心を持つ相手にはこの様々な本のチョコが詰まった箱がピッタリだと、見た瞬間に購入を決めていた。味もその見た目と同様様々でフルーティなものからビターなものまで種類豊富で相手の知的好奇心を満たすのにはピッタリなはずだ。相手がこれをみてどんな反応をするのか、楽しみと緊張と半々の心境で様子を見守って)
ありがとう、 じゃあ開けるよ。_これは…本? 凄い、全部本を模したチョコレートだ…! これは苺のフレーバーのようだ、美味しい。
(贈るドキドキの幸せであったが次は相手が選んだ物を受け取る番だ。白い包み紙を施された箱を受け取り一度相手の方を見てから丁寧にその包装を解く。現れたのは本棚のようなデザインで思いもしなかった物に不思議そうにしながらもその瞳は好奇心に輝き出す。普通の箱のように上方向に外すのではなく本のように横へページを捲るように開くと地.球.の.本.棚のように本の形をしたチョコが並んでいて興奮したような声をあげる。同封してある説明書きには何をイメージした本で何味かなどが記載されていてそれを見るだけでも種類豊富のチョコレートが詰め込まれているのが分かる。子供のような無邪気な笑みが浮かんで思わず選んだ相手にもこの造形の素晴らしさを共有しようと言葉を向ける。少し変わった趣向に種類豊富のチョコレート、加えて自分がよく扱い馴染み深い本のデザインを選ぶ辺り自分のことを心底知り尽くした相手ならではのチョイスだ。ためしに一番に目に付いたピンク色のハートのトッピングなどもされたチョコを口にしてみるとチョコの風味と甘酸っぱい苺のフレーバーが調和して丁度良い甘さだ。口の中で溶けていく甘さも恋人が自分の為に選んでくれたという点も胸を暖かくしていき改めて相手の目を見ると「ありがとう翔太郎、最高のプレゼントだ。」と感謝とこの喜びを伝えて)
バレンタインっぽくはねぇんだけどそれみた時にお前の顔が浮かんで即決だったんだ。____お前が喜んでくれてるだけで俺は幸せだ…
(包装紙が開けられていく所から相手の手元と顔とを交互に見ながらその様子を伺う。外箱をみた時点でその瞳が好奇心で輝き出すと自然とこちらの口角もあがっていく。そして蓋が開けられ中に収められた本のチョコがお披露目されると相手の顔には無邪気な笑みが浮かんで体いっぱいから喜びが伝わってくると思わず歯を見せて笑ってしまった。渡した時に相手がどんな反応をするかある程度想像はしていたが、それを超える喜びようで胸がじわりと暖かくなるのが分かる。いかにもバレンタインらしいハートのチョコを選んでも良かったのだが、そういう視点からでは迷って決められずしかもストレートにハート型を渡すのは照れくさくもあった。そんな中で偶然これを見つけた時、相手にピッタリだと確信があって迷いなくこれを手にしていた。相手がピンク色のチョコを手に取って口へと運ぶ、見た目重視で選んだものだが味も気に入ってくれたようだ。目をあわせて礼を言われると顔を綻ばせてこの胸に浮かんだままの言葉を口にしていた。せっかく互いに買ってきたチョコだ、ゆっくりと相手から贈られたチョコを楽しみたい。「コーヒーいれてくるから座っててくれ」と相手から貰った紫の箱を机の上に置いてキッチンへと向かおうとするが、その前にチョコを贈られた幸せも贈った幸せも両方が胸に溢れてしまってその気持ちを少しでも昇華させるように、不意に近づけば相手の頬に手を添え短く口付けを落とすと、そのまま逃げるようにキッチンへと向かって)
僕のことをよく理解しているチョイスで凄く嬉しい。 こういう形の交換にして正解だったね。 …じゃあよろしく頼むよ、 ッ…狡いだろう、それは。
(確かに会場でよく見かけたのは自分が渡したようなシンプルな箱に何粒かのチョコレートが入っている様なものだ。勿論それだって貰ったら嬉しいが自分の事を考えて選んでくれたこの箱が何よりも嬉しい。目を合わせて顔を綻ばせて伝えられる言葉だって相手のありのままの気持ちが込められていて胸の中がいっぱいに暖かい物が満たして充足感が自分を包んでいた。会場や事務所で普通に渡してしまったなら相手の反応を周りを気にせずこうして向かい合って見る事も叶わなかっただろうし、あの時機転を効かせたのは良い判断だったように思う。幸せを噛み締めていたのだが相手からコーヒーを入れる申し出がされると素直にお願いする事にする。せっかくお互いの為に選んだチョコレートだ、ゆっくりとコーヒーと共に楽しむのが良いだろう。こちらの贈った箱を一旦机に置いたのを見るとそのままキッチンに向かうだろうと思ったからこそ不意に相手が近付いて手を添えられると共に短くキスが落とされると目を見開いて動揺に危うく手元の箱を落としそうになる。心を満たしていた幸福にキスが加わると想いは溢れてぶわりと顔にも熱が上る。逃げるようにキッチンに行ってしまった相手にぽつりと文句にも近い事を呟くと早くこの熱が冷めるように祈って椅子に座り、机の上を片付けながらも気を紛らわせようとして待ち)
あぁ、アキコがいたら横でうるせぇだろうからな。お前の喜んだ顔、じっくり見れて良かった……____ん、どうぞ
(最初はホワイトデーにチョコを返すべきだろうかと思っていたが、こうやって一度に貰って渡してをすることで幸せは何倍にも膨れた気がする。相手のことを思い浮かべて贈り物を選んで、相手からも同じ想いの籠ったものを受け取る、それだけの事がこんなにも幸福だとは。これも相手が突飛なことを言い出さなければ実現しなかった事そう思えばその好奇心には感謝しかない。それに二人の家でチョコを交換したことでその瞬間の相手の表情や感情も含め全て自分独り占めにすることができて、そんな事実にも胸が満たされてしまう。所長には悪いがあの無邪気に笑う顔は自分のものだけにしておきたい。そんな愛おしさが溢れて思わず衝動的な行動をしてしまったが、キッチンで一人湯を沸かし始めると後から照れが襲いきて頭をかいていた。相変わらず気持ちが昂るとどうにも自分をコントロールできない。柄にもない事をすべきではないなとため息をつきながらコーヒーをいれていた。カップ二つに香り高いコーヒーをいれリビングに戻ってくるとひとつを相手の前に、もうひとつを自分の椅子の前に置いて座る。紫の箱からまだ食べていないガナッシュチョコレートを手にすると口へと運んだ。滑らかな口溶けに甘すぎない味はコーヒーとの相性バッチリで、一口コーヒーを飲めば「こっちのも美味いな」と顔を綻ばせていて)
_ありがとう。すっかりコーヒーを入れるのも上手くなったね。それはガナッシュチョコレートって言う種類のものらしいよ。あの会場に行って初めて知ったけど、チョコレートを使ったお菓子にも色々な種類があるんだね
(かっこつけたがる相手だからこそ、ありのままの表情の変化を楽しめるのはこうして2人きりの時の特権だろう。それはとても好ましい事ではあるがそれ故に恋人らしいことを急にされてしまうと照れてしまってどうしようもない。何とか別のことを考えて熱を覚ましていると相手がコーヒーを入れて戻ってきた。今回もちゃんとコーヒーらしい芳醇な香りがして揶揄うように感想を告げる。1口飲むと甘くなっていた口内がスッキリとしたコーヒーの苦味でリセットされて更に甘い物を食べられる口になる。再び貰った箱に視線を移し今度は図鑑を模した緑色のチョコを手に取る。そのまま口にすると抹茶の風味が広がって異なる風味を味わいながらも顔を綻ばせる相手に購入時に見たチョコレートの情報を共有する。チョコを贈り合う行事と聞いて最初はそれ程チョコレートにバリエーションがあるのかと思ったが実際には想像以上に沢山の種類が存在した。毎年贈りあったとしても全てを制覇するには難しそうなその量に素直な感想を口にしてみて)
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