検索 2022-07-09 20:46:55 |
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っ、……まぁ何事も慣れだ。お前が転けそうになったら絶対に俺が支えるけど、あんまり無茶なことはすんなよ
(普段は決してお目にかかる事の無いスケート靴が目の前にやってきていの一番にブレードに触らないように言うが相手はまさにそこを触ろうとしていたところで既で手が止まる。まったく油断も隙もないものだ。手の怪我を阻止したところでスケート靴をしっかりと足に固定するように履いて準備が整う。相手は早速ベンチから立ち上がるが細いブレードで立たなければならないスケート靴には当然不慣れで途端に体がふらつく。慌てて体を支えれば転倒は回避できたものの相手は少々不安げだ、こればっかりは慣れるしかなくてこちらも立ち上がると相手の正面に立って両腕に手を添えて支える。相手が転けそうになった時に必ず支える自信はあるが硬い氷の上を滑る関係で派手に転倒すればアザができるのは避けられない、下手すれば大怪我まで発展する可能性だってなくはないのだ。一応釘は刺しておくものの脅しすぎては楽しめるものも楽しめない、相手の腕を支えたまままずはスケート靴に慣れさせようと「立ち上がっちまえば体の重心はブレねぇしさっきみたいにふらつかねぇはずだ。支えてるからちょっと歩いてみろよ」と少しだけその場からさがりつつ声を掛け)
ありがと…ああ。…こんな感じだろうか。
(スケート靴を履いて立ち上がると慣れないバランスにふらついてしまって、咄嗟に相手が支えてくれた。礼を伝えるがやはり普段履かないバランスの靴ではまず立ち姿勢から怪しい状態だ。相手はどうやらアイススケートの経験があるらしく、支えてくれると断言されるのは頼もしいものの普段と違う状態なら相手を巻き込んで一緒に転倒する可能性もゼロでは無いだろう。相手の言葉に頷きつつ少し不安げにしているとまずは慣れるためにこの場で歩くことを提案される。少し怖さはあるがせっかくなら早く慣れて楽しみたい。支えられたまままずは右足を踏み出してみる、片足になると少しふらつくものの足を着地させると姿勢は安定する。歩幅小さくよちよちとペンギンのような歩き方になるが倒れることなくちゃんと前に進めていれば「…意外とこの細い幅でも歩けるものだね」と細いブレードの印象と違う実感に驚きと感心の呟きを零して)
あぁ、いい感じだ。歩くだけならいけそうだろ?氷の上に行ったら今みたいに小さい歩幅で歩くとこから始めんだ。さっきのペンギンみたいな歩き方な
(スケートは滑れるようになれば気持ちのいいものだが最初は不安が勝っているものだ、少しずつ不安を取り除こうとまずはこの場で歩く練習をしてスケート靴に慣れるところから始める。不安定なスケート靴で歩けば自然と歩幅は小さくなって相手の体の軸も安定してくる、よちよちと歩く姿は胸を擽られるものがあるが最初の歩き方としては正しいもので頷きながらその調子だと声をかける。ひとまず歩けるようになったのなら次は氷の上にいく番だ。相手に手袋を渡し自分も装着すると荷物をロッカーへと預けて早速スケートリンクへと移動する。先に氷上に立つと相手の方へ振り返って「まずは壁掴みながらゆっくり氷の上に立つとこからだ。転けそうになったら俺に任せとけ」と自信を滲ませた笑みを浮かべると相手の方に手を差し出して氷上へと誘って)
少しずつ慣れていく訳だね。 ああ、…うわっ、…っ、立てた!翔太郎、立てたよ!
(いつもよりも歩幅を小さくして重心を安定させると思ったよりも歩けるものだ。どうやらこの方法であっているようで体重のかけ方を学ぶと緊張の表情を緩めて頷いた。だが本番はこの床ではなく氷の上だ。スノードームも含めて荷物をロッカーに預けて手袋を着用してからよちよちとぎこちない動きながらスケートリンクに移動する、氷のせいかひんやりした冷気を感じながらまずは相手が先にリンクの中に入って氷の上に立つ。相手のアドバイスを聞いてその手を取りながらそっと片足を氷の上に乗せる。するとつるりと滑っていきそうになって声をあげるが咄嗟に柵に掴まってそれを防ぐ。体勢を整えてもう片方の足も氷の上に置くとこちらも滑りそうにはなるが先程の姿勢を思い出して重心を意識すると少々へっぴり腰ながらも氷の上で静止して、第一段階のクリアに相手に喜びの声を掛け)
なっ、……あぁ、着実に進化してんな。まずは壁に手をつきながらあの奥まで移動するか
(いよいよ相手が氷の上に立つ瞬間となり差し出した手が掴まれると相手はそっと第一歩を踏み出す、だがやはり慣れないもので足を滑らせるのをみれば慌てて相手を支えようとした。幸い壁に手を着いていたおかげで事なきを得てもう片方の足も氷の上へと移動するとついに相手は氷上へと降り立った。まだバランスを保つことに慣れていないのか少々へっぴり腰で間の抜けた姿は写真に収めたくなるほど可愛らしいのだがそれでそっぽを向かれてしまっては一緒にスケートを楽しめない。滲み出る笑みはそのままに喜ぶ相手に頷きながら相手を支えるためという名目でしっかりとその手を握る。まだまだ相手には慣れの時間が必要だ、あまり人がいない一番奥のスペースを指さした後に「こうやって爪先を開いて歩いてみてくれ」と足を逆ハの字に開くと見本を見せるようによちよちと小さな歩幅で歩いて)
ああ、そうしよう。…こうかい?
(少々不格好な状態ではあるが無事に氷の上に立つことが出来れば少しずつ慣れてきたことに喜びの感情が浮かぶ。こちらを見守る相手も同じような表情を浮かべていてアイススケートを楽しむ第一歩を踏み出すことが出来ただろう。その次として今度は奥のスペースに移動することが提案される。手袋をしていれば相手の体温はあまり感じることは出来ないがその力強さと想いは伝わって来てこちらからも支えとして手を握った。相手が説明と共に足先を開いて小さな歩幅で歩いて見せると自分もそれを真似してみる。角度を付けるように立っているおかげで比較的安定を保ったまま足を踏み出すことが出来て思ったよりもスムーズに前に進む。少しコツを掴めてくれば壁から手を離してみると相手と繋いだ手だけで立ち、歩く事が出来て「おお、こんな感じか」と声を上げながら一緒に少しずつ奥のスペースに移動して)
いい調子だぜ、フィリップ。なら次はちょっとだけ滑ってみっか
(相手に見本を見せるためにペンギンのように足を軽く開きながら歩いて見せると相手も同じようにスケート靴で歩き始める。歩幅を小さくする歩き方にも慣れてきたようで端へと移動しながらもその足取りはスムーズだ。やがて壁から手を離して難なく歩けるようになれば相手からは喜びの声が上がってその感情は繋がれた手を渡ってこちらにも伝わるようだった。二人して手を繋いでよちよち歩くのはなかなか恥ずかしい光景だが今は練習なのだから仕方がない。人があまり通らない端の方までくれば早速次のステージだ。相手と並んで立ったまま「さっき歩いてた要領で一歩だけ前に足出したあと、足の形はそのままで反対の足で軽く氷を蹴るんだ」とゆっくりした動作と共に解説を加えると最後には実際に氷を蹴って片足で軽く前へと滑る。相手の隣に戻ってくれば後ろから軽く両脇腹に手を添えて支えつつ「軽く蹴るだけで十分滑るから、やってみてくれ」と促して)
いよいよ滑る段階だね。一歩出して後ろの足で蹴る…っわ、
(二人で並んで氷の上を歩く。床よりも確かに滑りやすいがブレードに角度をつけて重心を安定させると変に滑っていくことはなくなって歩幅は小さいものの一緒に端の方までやってくることができた。成長を実感した所で練習はいよいよ滑り出す段階に移る。先程の歩行をベースに相手が後ろの足で氷を蹴ると軽やかに前方へと滑っていく。その様子をじっくり観察してやり方を学ぶと相手は後ろに回って脇腹の方に手を添えられる。少々過保護な気もするが相手の支えがあるなら多少ふらついても受け止めてもらえると勇気が湧いてきて言われたことを復唱しながら左足を前に出してから右足で意識的に氷を蹴る。すると勢いの着いた体は氷の上を滑り始め、少しバランスを崩しそうになると咄嗟にこちらを支える相手の手を掴んだ。だが思ったより安定的は姿勢で前に進んだことが出来れば感嘆の声を上げる、更に左足で氷を蹴るとグンと加速して前に進み、らしくなってきて)
上手いじゃねぇか!あとはその調子で足を交互に出せば完璧だ
(いよいよ最終段階とも言うべき滑る段階にくれば見本を見せたあとに相手の後ろへと回る。不安定なことへの不安感も随分薄れてきたのか早速相手は一歩を踏み出し氷を蹴った。多少ふらついて相手はこちらの腕を掴むものの大きく崩れはしなくて脇腹に添えた手には変に力を加えずもしものサポートに徹する、相手はそのまま体勢を立て直してゆっくりと滑り出せばこちらも褒めるような声を掛けて後ろをゆっくりと滑る。二歩目を踏み出せば一気に相手は加速しそれなりの形になってきた。ここまで来ればあとは滑りながら足を踏み出す感覚を掴むだけだ、数歩問題なく足を踏み出すのを見守れば補助はそろそろ不要だろうかとそっと脇腹から手を離して相手を見守り)
この動きをキープして…!出来た、ちゃんと滑れているよ、翔太郎!
(いざとなれば相手が支えてくれると思えば迷いなく挑戦することが出来て後ろ足で氷を蹴る。順調だと背後から褒め言葉が掛けられると自信へと繋がって蹴った足を前に出して反対側の足で氷を蹴ると更にスピードは増して姿勢も安定してくる。習ったことを実践することに集中していれば相手が離れたことも気づかないまま更に数歩分氷を蹴って滑っていく。外からみた利用客と同じくらい安定して滑ることが出来れば感激の声を上げて背後を振り返る。だがそこには相手が居なくてこの離れた距離の分自分で滑ることが出来たと思えば口角は上がる。足の角度を変えると曲がることが出来る事に気付くとぐるりと旋回して相手の元に戻ってこようとするがふと減速のやり方を習っていないことに気付くと「翔太郎、これどうやって止まるんだいっ!?」と焦った声をあげながらスピードを出したまま相手の元に突っ込んでいき)
おぉ!方向転換もバッチリだし、免許皆伝だぜフィリップ。……あ、
(相手の足取りはだんだんと慣れて自然なものになっていってふらつきもない、そっと手を離せば夢中になっているせいかこちらが離れた事も気が付かず安定して氷の上を滑っていく。少し離れたところで相手はこちらへと振り返って笑みを向ければひとりで滑った実感が沸いたのか相手の顔にも笑みが浮かぶ。相手は要領を掴んだようでまっすぐだけでなく曲がることも自然と出来るようになれば感嘆の声をあげた。嬉しそうにはしゃぐ相手にこちらも声を弾ませ返事をしていれば相手がこちらへと帰ってきた。しかしその途中で相手はブレーキができない事に気が付き、それを聞いてからようやくこちらもブレーキを教えていないことに気がつく。勢いのついていた相手はそのままこちらへと突っ込んできてその体を受け止めるように抱き締めた。そのままでは倒れるか押されるかだがまっすぐ進む勢いをいなして回転する動きへと勢いを変換するとその場で二人の体がクルクルと回った。予想以上の勢いで回ってからようやくスピードが緩まってくると相手の勢いの良さに思わず大きな声で笑ってしまって「悪い、ブレーキ教えんの忘れてた」とあまり反省のみえない声で謝りながら背中をポンポンと軽く叩いて)
あぶな、っ……危うく交通事故を起こすところだったよ。
(止まり方が分からないことを相手に告げればそちらも今気付いたといったリアクションを取る。相手を避けて自然に止まるまで待てばいいのだが軽いパニックを起こすとそんな考えも浮かばずにスピードを出したまま相手の元に突っ込む。相手によってしっかりと抱き留められるとそのまま押し倒してしまうかと思ったが相手が機転を利かせて回転する方にエネルギーを逃がして二人でその場でくるくると回る。まるでコーヒーカップのように回転していれば段々と減速していってやっと動きが制御できるくらいになれば相手が大声で笑いだした。ひとまずは大事に至らなかったことに安堵しつつ反省の色の見えない謝罪受けるとこちらもそれっぽく文句を言いながら口元は楽しそうに弧を描く。これもアイススケートならではのアクシデントだろう。完全に動きが止まって立てるようになれば小さな歩幅で相手の横に並び立ちその手を取る。ここは外ではあるが初心者を支える為ならばサポートするのは不自然ではない。そんな理屈を立てながら「まだ慣れないから君が引っ張ってくれるかい?」と期待を込めた目でお願いして)
結果的に面白かったからセーフだろ?…あぁ、お安い御用だ
(突っ込んできたその体を受け止めてクルクルと景気よく二人で回ればその勢いの良さに思わず笑ってしまった。相手から文句は飛ぶもののその顔には笑みが浮かんでいて満更でもないらしい。こちらも調子よく返事をしていれば相手がよちよちとまた歩いてこちらの隣へとやってくる。そして手を取られて引っ張ることを所望されるとまた口角はあがった。外で手を繋ぐのはルール違反だが初心者である相手を支える為ならば仕方がない。なにせ相手が転けそうになったとき自分が支えなければならないのだから手を繋いでおくのも道理といったところだろう。こちらもそうやって理屈を作りつつ相手の手をしっかりと握ると相手がバランスを崩さないようにゆっくりと手を引っ張ってその場から滑り出す。そこから少しスピードをあげれば他の人々がリンクに沿って回っている流れの中へと入っていった。軽快に氷の上を滑りながら手を繋ぐ隣の相手を見ると「いつもより風感じられて気持ちいいだろ?」と問いかけて)
ああ、バイクに乗った時とは違う特別な風だ。
(相手の隣に並んで引っ張られることを所望すればその口元に笑みが浮かぶ。初心者ならばサポートが必要だからという建前でその手を取ると相手からも繋がったそこを強く握り返されてゆっくりと引っ張られる。繋がった手の力強さもバランスを崩さないように気遣われているのが分かる仕草に胸が暖かくなるのを感じながら相手に身を任せていればだんだんとスピードは増していきメインの人の流れの中に混ざる。バランスの取り方も分かってくれば周囲を見渡す余裕も出てきて、辺りを見れば自分達と同じように楽しんでいる人々ばかりだ。その中で相手と共に滑っていればアイススケートの風の具合は聞かれ、ご機嫌な声色で応える。歩いている時ともバイクに乗ってる時とも違う風は今日のこの場所ならではだろう。こちらも氷を蹴って時折相手の手を引くようにして一緒に滑りながら「これも今年の初体験だ」と無邪気に笑って)
そうだな。なら、俺も初体験させてもらうかな
(スケートリンクに広がるひんやりとした空気をいつもでは考えられないスピードで移動して風として受ける、ここでしか味わえない心地の感想を問えば上機嫌な返事が返ってきてまた胸が擽られた。最初は手を引かれるだけだった相手も段々と自ら氷を蹴って滑り出していて時折立場が逆転して手が引かれるまでになった。無邪気に笑いながらこれも『初めて』だと言われれば笑みを浮かべながら頷き答える、相手の初めてを共有するためにデートコースにアイススケートを入れたわけだがこれ程楽しんでくれているのなら選んだかいがあるというものだ。相手が十分にスケートに慣れたのをみれば今度はこちらの番だと言わんばかりに口角を上げる。相手の少し前に出て繋がっていた手を自分の腰に添えるとそこからこちらは自ら動くことを止めて相手に押される形になる。ちらりと後ろを振り返れば「役目交代だ」と楽しげに笑って言ってのけて)
…ふふ、確かにこれは初めてだ。じゃあ行くよ、
(相手に引っ張られて、時に相手を引っ張ってスケートリンクを滑って回る。普段とは違う、この場でしか味わえない風や疾走感を感じながら初めてだと告げると相手は笑みを浮かべて嬉しそうにする。また一つ相手と初めてのことに挑戦して強く記憶に残る体験をしているのだがふと相手が口角を吊り上げて妙なことを言ったかと思うと前方にやってきて、自分の手を腰元に添えるように促す。キョトンとしていたが相手が動くのを止めて委ねるような姿勢になったと共に振り返った相手と目が合うと意図を理解して笑い声を零した。確かにこれはお互いとも初めてだろう。声を弾ませながら相手の腰をしっかり持ち直すと力を込めて後ろから押して相手を滑らせる。こちらがハンドルを握っているのをいい事に一気に加速したり大きく旋回したりと好き勝手に相手の体を押して滑る。その頃には滑るのにもそこそこ慣れてきてスケートリンクの端の方で減速しながら一旦腰に添えた手を離す。そのまま相手の横に移動してくると今度は肩に手を置いて更に滑って近付き、相手の頬に軽く触れるだけのキスを落とすと悪戯に笑いながら滑って後ろに離れ)
だろ?任せたぜ、フィリップ。___なかなかスリリングな滑り、ッ?!バカっ、お前!!
(相手の前方に移動し自ら動くのを止めて相手に全てを委ねてみれば相手からは笑い声が溢れる。スケートは何度か経験があるがこうやって誰かに後ろから押してもらったことはない、まさしく二人して初めてを共有する瞬間だ。相手の声はますます跳ねて笑みを噛み殺していると腰が掴まれる、そこからは相手にハンドルを任せてハイスピードでリンクを駆け抜けたり流れとは逆の方向へ曲がったりと好き勝手に体が進んでいく。相手との相乗りで向こうがハンドルを握るフ.ァ.ン.グ.ジ.ョ,ー.カ.ーでは最初好き勝手に振り回されたものだがその時とは違って二人揃ってはしゃいで時折笑い声を上げながらリンクを駆け巡った。やがて二人でリンクの端へとやって来ると相手が隣へと移動してくる、感想を伝えようとしたところで相手が更に近づいてくるのに気がついてそのまま頬に柔らかな感触が降ってくると目を見開いて相手の方を見た。完全な不意打ちにカッと一気に顔が赤くなると思わず声をあげてしまう、先程まで周囲の人は各々スケートに夢中で見られていることはないだろうが声をあげたことで逆に注目を集めてしまいそれ以上相手に文句を言うことができなくなってしまった。勢いが萎んでいくと「あとで覚えとけよ…」と耳打ちするのが精一杯で)
せっかくなら初めては多い方が良いだろう? ふふ、アイススケートも楽しいね。…翔太郎、好きだよ
(ハンドルを任せてもらったことをいい事に相手を押して好き勝手に駆け巡る。十分に楽しんだ所でリンクの端に戻ってきて隣に並び、共にその頬に口付けを落とすと相手はわかりやすく目が見開かれてこちらを見る。その顔がみるみる赤くなるのを見れば口角が上がって文句を告げられるのも気にせず楽しげにこれもまた初めてだと語っておいた。相手が大声をあげたせいで他の利用客からの視線が集まるのを感じると相手の言葉の勢いは段々弱まっていき、最終的には負け惜しみのような言葉が耳打ちされると得意げな表情を浮かべる。悪戯が成功してすっかりご機嫌な様子で感想を伝え、また近付こうとする。だが顔を寄せる前に止まると相手の名前を呼び、小さな声で好意を伝えるとまた文句を言われてしまう前に離れ、その場から立ち去ろうとすっかり慣れた様子でに滑って逃げようとして)
なッ……お前にスケート教えたのが誰か忘れたみてぇだな、フィリップ!
(確かに相手とアイススケートリンク上でキスをするのは新たな初めての経験ではあるがそもそもキスはこんな白昼堂々するものではないはずだ。リンクという特別な場所で相手と恋人としての時間を過ごしキスを受けるのは嬉しいのだがやはり恥ずかしい。周囲の注目も集めてしまい後でやり返すことを耳打ちするのが精一杯だったが相手の悪戯な笑みはそれでも止まない。再びこちらへ近づいて来ようとするのをみれば同じ轍は踏まないとでも言いたげに身構える、だが相手は更に近づいてくることはなくて拍子抜けしているとその隙を突くように好意の言葉が告げられた。先程のキスで動揺し更には油断していたところへの不意打ちはこちらに深く突き刺さってまたぶわりと顔の熱が上がる。すっかり顔を赤くされ文句を言おうとするがあろうことか相手はその場から逃げ出した。このままで引き下がれるはずもなく一旦その場でしゃがむと手袋で氷上を撫でてそこに細かく削れた氷を纏わせる。そして足に力を込めれば氷を蹴って滑り出した。これまでは相手に合わせて加減していたが容赦する必要はないだろう。走るよりも遥かに早いスピードで相手との距離を縮めると「捕まえた!」と後ろから相手に腕を回して抱き締めて片腕でしっかりと相手を拘束したまま素早く服の中に手を侵入させると氷が溶けて冷えきった手袋を素肌の腹部へと押し当てて)
(/お世話になっております!毎年のことではありますが本日から年始付近までいつも以上にお返事の頻度が不安定になると思われます。楽しい冬のデート中ですがじっくりと二人の時間を過ごせればと思っておりますので、検索様もいつも通り背後事情優先しつつ楽しんでいければ幸いです。よろしくお願いします!)
えっ、何でそんな早、ッひぁ!?
(相手と共に新しい事を体験してご機嫌になればその分浮かれている自覚はある。相手の反応を見れば更にからかいたくなるものでまた頬にキスをすると見せかけて近い場所から相手への好意を囁くとまた顔が赤くなっていくのが見えて口角があがる。文句を言われたりやり返される前に距離を取るとそのまま慣れたように滑って逃げ出す。人の流れのある本流に混じってしまえば簡単に追い付けないだろうと少々調子に乗って氷を蹴って逃げようとするが名前を呼ばれると思わず振り返る。それなりに距離が出来たと思っていたのだが相手は想像以上に素早く、一気に距離を詰められると困惑の声をあげる。相手が今まで自分にペースを合わせてくれていた事に気付いた時には後ろから捕らえられていて、抵抗する暇もないまま冷たく濡れた手袋が直接素肌に触れられると思わず体は震え裏返ったような情けない声が出た。氷のような冷たさは一気に体に染み渡って堪えると相手の手首を掴み「僕が悪かったから、」と言いながら自らの服の中から追い出そうとし)
(/お世話になっております。返信速度について承知しました。年の瀬でもありますしこちらも中々安定しない事が多いと思いますので、いつも通りのんびりと2人の時間を過ごせたらと思います。よろしくお願いします/こちら蹴りでお願いします)
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