検索 2022-07-09 20:46:55 |
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あぁ、俺達でこの街の涙を拭ってやろうぜ
(手っ取り早くかつ確実に連絡を取れる人物をあげれば相手の顔にも悪い笑みが浮かぶ、最初こそ良いように利用されていたが今度はこちらが利用してやる番だ。相手が電話口で喋れば崇高なる教祖様のお声が聞けて依頼人は随分舞い上がっているようで漏れ聞こえてくるのは事務所で聞いた淡々としたものとは全く違う声色だ。敵側とはいえ少々腑に落ちず不満気な顔をしてから彼女をリ.ボ.ル.ギ.ャ.リ.ーに残して待ち合わせ場所へと向かった。途中服屋に寄るといつもの服を脱いで真っ白なパーカーとズボンを購入して着替える。奴らは白がお好きな集団だ、真っ黒な格好で乗り込めば教会で暴れた人物だとバレてしまうかもしれない。あくまでも相手の従者を装うために着慣れない色を纏うとパーカーを目深に被って路地へと向かった。依頼人は相手に指名され呼び出されたのがよっぽど嬉しかったのかこちらが到着する前に指定場所にいて、事務所とは違い恍惚とした表情で相手を迎える。こちらには見向きもしてないことにやはり不満を覚えつつ依頼人の後ろについていった。先程名前を聞いたビルの裏手にくればカードキーをかざして裏口からビル内部へと入る、やはりそこそこの地位がある人間らしい。そのままエレベーターへと乗りこむと彼女から表側から入った人間は治験バイトと案内して受け入れること、ある程度の身体検査をした後見込みのあるものに『実験』を行っていること、実験で相手と同じ素質を持っている人間を探しているが相手さえいればそんなことをする必要もないことを聞いてもいないのに熱心に相手へと説明していた。やがてエレベーターがビルの最上階へと着くとゆっくりと扉が開く、その先には真っ白なラボらしき場所が広がっていて)
……これが君たちの使っているメモリかい?
(移動する最中服屋に寄ると相手は上下白の服を購入して着替える。どちらかというと黒っぽい服装の多い相手が白いのは珍しくつい観察する目を向けてしまった。そうして準備を整えてから路地にたどり着くと既に依頼人は到着していてこちらに気付くなり恍惚とした表情で出迎えられる。あまりの変わり様に内心驚くが表には出さずに案内を促した。ビルの裏手から彼女の持つカードキーで中に入りエレベーターに乗り込む。その間熱心に団体が行っていることについて説明されるがどれも人を実験体として見ていない内容で興味を持つフリしながらちらり相手の表情を覗き見ていた。最上階について扉の開いた先に見えたのは真っ白なラボスペースでモニターに何かしらのデータが表示され、コードや薬品なんかも置かれている。『教祖様に来て頂けるので急いで片付けて人払いさせてもらいました』と興奮気味に報告する彼女を他所に相手と共に確認していく。モニターに表示された被験者の人数はかなりの人数が居るが大体の名前には横線が入って残っているのは僅か数人だ。その中には彼女の名前があるのを確認しつつ、近くにあった箱の中を覗き込むと見覚えのある小さなメモリが乱雑に放り込まれていた。このの意図を彼女に問うと『ああ、これは不適合者が作った失敗作です。地.球.の,記.憶を引き出せないどころか直ぐに体の方が壊れちゃって…やっぱり教祖様じゃないと駄目なんです』と真っ直ぐな目で答えることに密かな狂気を覚えつつ『こっちにはもっと凄いものがあるんですよ』と興奮気味に手を取られ更に奥に案内され)
…っ、……教祖様に気安く触るな
(エレベーターに乗る間に彼女から語られる話は人を人とも思わない想像よりも数倍は醜悪な話で眉間の皺がさらに深くなる、フードを深く被っていて正解だったようだ。話を遮りたい衝動にさえ駆られたが相手の視線を感じると何とかそれを飲み込んで彼女の話を大人しく聞く。エレベーターが開いて目の前に現れたラボスペースもいつか相手が洗脳された時にみた地.球.の.本.棚.のように何もかも執拗に白で塗りつぶされていて息が詰まりそうになる。だが相手が秘密裏にことを進めるよう言ったおかげで人もおらず目的を果たすにはかなり有利な状況だ。相手が箱に詰め込まれた大量の小型メモリについてきけばそれらは失敗作だと切り捨てるように説明される、このメモリの数と横線が入った人の名前を思えばそれが何を意味するかは明白だ。これだけの数の人が誰に知られるでもなくこの街から居なくなっている。グラグラと煮えるような怒りを感じていれば彼女は興奮気味な口調のまま相手の手を掴んで、反射的にその手首を掴んで離させた。人を人とも思わない、さらには相手を自分たちの都合のいい教祖様としか見ていない人間が相手に触れるのが我慢出来なかった。脳より先に体が動いてしまって当然反抗的な態度は彼女の不信感を産む。一瞬気まずい空気が流れるものの、従者として教祖を守った体で冷たく彼女に触れないよう釘を刺しておく。崇高なる存在に触れたことに気がついた彼女は直ぐに『あぁ、私ったら…すみません!』と謝って事なきを得た。そのまま『もっと凄いもの』があるという奥のスペースに案内されればそこにはひとりの人間が立っている。教祖様を出迎えるようににこやかに笑うその人物の胸には青色のブローチが輝いていて)
、構わないよ。 君もありがとう。……これは、何をしているんだい?…っ!
(これだけの事を隠すこと無く、寧ろ誇らしいことや当たり前の事のように報告してくる姿勢に薄ら寒さすら覚えるがそれ以上に後ろに着いてくる相手からはドライバーが無くとも深い怒りが感じる。この街を愛する相手にとっては全てが許せない光景だろう。これ以上負荷をかけない為にもさっさと根本を潰してしまおうと考えた最中、話を大人しく聞いているのが認められていると思ったのか興奮気味の彼女に手首を掴まれる。だがすぐさま相手の手が伸びてきて彼女の手首を掴んでは引き剥がすのを見ると目を僅かに見開く。彼女から相手に不審な視線が向かうが従者っぽく冷たく釘を刺すと警戒は解け合わせるような振る舞いをしながら相手にも視線を向けた。そして案内された奥のスペースには一人の人間が立っていてその胸元には彼女の言っていた青色のブローチが輝いていて密かに息を飲んだ。彼女の説明からこの人物が現在この宗教団体を取り仕切るトップなのだと紹介される。『教祖様には遠く及びませんが私達はホシの記憶をさらに多く授かる方法を見つけたのです』と語り出した後ろには何やら機械があってそのスロットに量産型といわれるメモリが5本セットされている。男が機械を触って何かを起動すると微かに緑に色づいた光が量産型メモリそれぞれから発されその先にある小さなメモリに集約されていく。以前自分がされたことを思い出して少し嫌な気持ちになりつつ目的を聞けば『見ての通りホシの記憶を一つに圧縮しているんです。これなら強く深く沢山のホシの知識を人の身に宿すことが出来る、更に教祖様に近い存在になれるのです』と爛々と輝く目で熱く語られる。その話を信じるなら通常の何倍も多量もしくは濃縮された毒素を被害者に打ち込んでいたことになり、その結果を想像すれば思わず一歩後退って)
……ここでやってるのがどんな事かよく分かったぜ。今すぐここをぶっ壊すべきってこともな!!
(衝動的に体が動いて相手と彼女とを引き剥がしてしまったが何とか場を濁す事は出来たようだ。こちらを窺うように相手の視線が向く、怒りが湧き上がっているのは確かだが感情のまま動いて目的を果たせなければ意味が無い。大丈夫だと言うようにこちらからも相手の方を見て軽く頷いてから奥へと進んでいく。たどり着いた先にはまた大層な機械と青のブローチをつけた男がいて嫌でも緊張が走った。どうやら奴が頭らしい、自分達の最高傑作を見せるように男は機械を作動させてペラペラと説明を始める。複数のメモリから緑の粒子が集まっていく様は嫌でも複数のケーブルに繋がれた相手の姿を思い出させた。そして小型メモリの仕組みを、より強く地球の記憶を作用させその分より強力な毒素を体に受ける理屈を聞けばもう限界だった。最初は冷静に話そうとするも直ぐに怒りが抑えきれなくなり声を張り上げながらフードを脱ぎ捨てる。キツく男を睨めば男は『お前、あの時の黒い悪魔か!』と恐れながらこちらを指さした。どうやら相手と違って教団からは毛嫌いされているらしい、悪魔らしく不敵な笑みを浮かべれば『お前が教祖様を誑かすせいでいつまでも教祖様は帰ってこないんだ!』と今しがた精製したばかりの小型メモリを取り外す。そしてここまで案内してくれた彼女に何の説明もなくその小型メモリを首筋に突き刺したのだ。彼女の首に生,体.コ,ネ.ク.タ.はなかった、つまり毒素の強い小型メモリを直に挿したことになる。彼女は『きゃああああああ゛あ゛!!』と悲痛な叫びをあげるとあっという間に全身の血管が浮き出て皮膚が黒く変色していく。変色した皮膚はやがて何かの形を取り始めて、彼女は人間とド,ー.パ.ン,ト,が入り交じった歪な形へと変化してしまって)
、そうやって人を道具のように使う君達の方がよっぽど悪魔らしいだろう。な、ッ…あれだけの量のメモリを直で取り込めば体が限界を迎えるのも時間の問題だ。
(一つのメモリでも人体に与える影響は甚大であるのにそれを重ね掛けさせる手法はそれこそ人を人として見ていないからこその案だろう。非人道的行為とそれによってもたらされる被害にいよいよ我慢の限界のようで相手がフードを脱ぎ捨て声を張り上げる。かつて自分に向けられた名称で相手を呼ぶがこちらから見れば彼らのやってることの方がよっぽど悪魔だ。非難するような言葉を向けながら自らの意思で相手と一緒に居ることを示すように隣で並ぶと男は目の前で精製した小型メモリを手にして彼女の首に直接突き刺した。同じ団体の仲間内への使用に目を見開くがその間にも彼女は悲痛な叫び声をあげながら全身の血管が浮き出て皮膚も被害者と同じように黒く変色していく。通常のメモリはある程度リミッターがありコネクタで毒素を抑える運用をしているがそれを取っ払っての直刺しが身体にどんな影響を与えるか想像に難くない。ド.ー.パ.ン.トとも言えない異形の姿になった彼女は力に飲まれているのかこちらに襲い掛かってくる。咄嗟に後ろに下がって距離を取るがその間も彼女の体は変化して呻き声のような声をあげていて宗教団体の一員だったとはいえこのまま放っておくわけにはいかない。「翔太郎、彼女はド.ー.パ.ン.トではないが原因はメモリであるのには変わらない。彼女がメモリを入れられた一点だけを狙ってメ.モ.リ.ブ.レ.イ.クすればこれ以上の拡大は食い止められるかもしれない」と自分の考えを述べると懐から取り出した疾風のメモリを構えて)
あぁ、彼女をこのまま見殺しにはしねぇ!変身っ!
(呻き声をあげ異形の姿に変わってしまった彼女はこちらに向かって襲いかかってきて相手と共に距離を取る、本来は不適合である彼女がメモリを無理やり差したせいか体の変化は中途半端だがその力は尋常を超えている。無理やりドーピングをした状態だろうがあの状態で長く体が持つとは思えない、早くあのメモリを体から取り出さなければ。例え教団の一員でこの件に加担していようと悲痛な声をあげる彼女を放ってはおけない、彼女にはきっちり人間に戻って罪を数えさせなければならない。隣に立った相手の左でドライバーを腰に装着し切札のメモリを起動させると相手の意識と共に装甲を纏って変身を果たす。襲いかかってきた彼女の腕を掴んで止めるがやはり人間の力ではない、だが下手に生身の部分にダメージが入れば彼女の体が危ないだろう。皮膚が変色しド.ー.パ.ン.トになりかけている部分だけに拳を加えて彼女を後退させる。そのまま左半身を青色へと変化させるとト,リ,ガ,ー,マ,グ.ナ.ム.を構えて次々とド.ー.パ.ン,ト部分に光弾を打ち込んでさらに彼女を後退させた。ついでに後ろに仰々しく鎮座している小型メモリを精製していた機械にも光弾を打ち込めば機械は派手な火花を散らした後に破損部分から嫌な煙を吐き出し始める。機械が半壊した頃には彼女はフラフラと立っている状態になる、これならばピンポイントでメモリを狙えるだろう。「決めるぜフィリップ!」と声を掛ければ右半身を黄色へと変えて)
ああ、ト.リ.ガ.ーフ.ル.バ.ー.ス.ト!
(二人で彼女に向き合うとドライバーにメモリを差し込み変身を果たす。生身の部分に攻撃が当たらないように拳を打ち込んで距離を取ると左側のメモリを変え的確に変異した部分にだけ弾を撃ち込み彼女に膝をつかせた。更に後ろの機械にも光弾が打ち込まれると接続部がパチパチと火花を散らしては画面の表示が消えて煙を吐き始める。これでもう使用することは出来ないだろう。彼女は何とか立ち上がるがその姿はフラフラでろくに動けないらしい。右側を相性の良い黄色に変え、相手の声に応えるとマグナムにト.リ.ガ.ー.メモ.リを装填し動脈のように浮き出た首元に照準を合わせ構える。声を揃えて引き金を引くと黄色と青の光弾が同時に射出され、変幻自在な軌道を描いてはピンポイントにメモリの位置を撃ち抜いた。呻き声をあげながら倒れる彼女からは血しぶきのように緑の粒子が散って空中に消えていく。床に倒れて動かなくなった彼女に変身を解除してから駆け寄り首元に触れてみるが辛うじて脈はあるようだ。「ちゃんと生きているみたいだ」と安堵の息をつくがいつの間にか青色のブローチを付けた男は現場から消えていて)
もうひとりは逃がしちまったが、彼女が生きてるならそれでいい
(マ.キ.シ.マ.ム.ド.ラ.イ.ブを発動させると百発百中の光弾が変幻自在の軌道を描いて彼女の首筋を正確に撃ち抜く、彼女の体から吹き出した緑の粒子の多さに改めて小型メモリの毒性の高さを感じて息を飲んだ。変身を解除し相手と共に彼女の元へと駆け寄ればまだ息はあるようで一安心する、教団のトップとやらは逃がしてしまったがこれ以上の被害は防げたようだ。相手が彼女に触れる間にも二人の間には緑の粒子が僅かに流れていく、リ.ボ.ル.ギ.ャ.リ.ーに匿っている女性と相手が接触した時のことを思えば小型メモリによる影響は地.球,の,本,棚と繋がる相手が触れる事で相手が全て吸い上げて地球へと還元してしまうのかもしれない。目の前に倒れている彼女も匿っている彼女も命の危機は去ったがきっちり専門機関に診てもらわなければならない、それに先程のモニターを見る限りまだここには実験は施されたが生き残っている人もいるはずだ。周囲を見回しながら「フィリップ、俺は他に捕まってる人がいないか探してくるからジンさんへの連絡頼めるか?」と役割を振って)
…そうだね、当事者がいればその宗教団体の調査も進むはずだ。 分かった、こっちは任せてくれ。
(いつの間にか男の方は姿を消したが彼女の命は取り留めることが出来た。小型メモリの製造が出来なくなれば今回の計画も途絶えたも当然だろう。最悪は防ぐことが出来たことに安堵の息を零して今の状況を前向きに捉えることにした。相手が周囲を見回しながら他の被害者の捜索を申し出て、こちらには警察への連絡を任されると了承して相手と別れた。早速刃,野.刑事に連絡を入れ捜査協力を受けていた件で改造したメモリを無理やり埋め込んでいた本拠地を見つけたことを伝えると警察の捜査を数歩進んだ状況にかなり驚かれてしまった。だがほぼ二つ返事で信用してくれると直ぐに救急と捜査部隊を引き連れてくれるようだ。続いて匿っている彼女に連絡を取って宗教団体の目論見を阻止したこと、直ぐに迎えに行くからもう少し待っておいて欲しい事を伝える。これでひとまずやるべき事が済んだがそのタイミングで気絶していた依頼人の彼女が小さな呻き声をあげながら目を開く。フラフラとしていた視線がこちらを向いて『…教祖様、』と縋るように呼ばれるが自分はそんな崇高な物でも理想でもない。「君が求める物はここにも地.球.の,本.棚にも無いよ。ちゃんと現実に向き合って自分の罪を数えたまえ」と冷たく思ったままの言葉を送っていれば遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。相手の方は他に捕まっている人を見つけられただろうか。ぐったりと力を失った彼女を横目にIDカードを借りるとエレベーターを降りて警察を案内するなどして事態の収束に動いて)
これでここに捕まってた奴は全員だ
(相手に彼女と警察の方を任せれば施設内へと歩き出す。相変わらずの真っ白な空間には息が詰まりそうになるが軽く息を吐きながら通路を進んでいく。やがてコンテナが並ぶ空間へとやって来る、壁の一面がガラスになったそれはまるで飼育ゲージが並べられているようだった。コンテナをいくつか覗いていけばようやく人を見つけて入口のロックを外せば閉じ込められていた人が中から飛び出してきた。どうやら彼は小型メモリを埋め込まれる前だったらしい。他にもうひとりと、恐らくメモリを埋められてぐったりとした人をひとりみつけ、肩を貸しながら相手の元へ戻ってくればちょうど警察が到着したところだった。捕まっていた人と彼女とを警察に預けて事情を説明する、あとでもうひとり引き渡したい女性がいることを伝えると一旦ジンさんは現場を見にいった。相手の隣に立つ、一件落着はしたものの教団のトップは取り逃してしまって「まだまだこいつらとは縁がありそうだな」と決意を宿しながら呟いていて)
(/お世話になっております!そろそろ区切りかと思いましてお声がけさせていただきました。かなりざっくりとした内容しか決めていなかったので物語がどう転ぶかこちらも楽しみにしながらやり取りさせていただいていたのですが、宗教団体との過去の因縁が再び浮き彫りになりつつ新たな脅威も生まれつつで、緊迫したお話ながらもさらに教団と因縁を深めるお話になってとても楽しかったです!今回もありがとうございました。
この後のお話ですがいかがしましょう?小話的なものを挟んでも良いですし、続けて事件なお話でも良いかと思うのですが検索様のご希望はありますか?)
お疲れ様。…そうだね、また何処かで決着をつけなくては。
(下に到着した刃.野.刑事達を誘導して現場へと引き連れる。するとちょうど相手が他の2人に肩を貸しながら戻ってきた所で労いの言葉をかけると二人でこれまでの経緯や事情を説明する。かなり重大な事件であることが伝わると早速現場検証に取り掛かるようだ。これで今回の事件で自分達の役割は終わりだろう、一件落着ではあるがここで起こったことを思えばこれで良かったとはとても言えない。小さく息を吐いた所で相手が横に並ぶと視線を向ける。どうやら相手も似たようなことを考えているのだろう、彼らの執念を考えればこれで諦めるとは思えない。気は重いがこの街の探偵として警戒を続け次こそ被害を食い止め、決着をつけることを心に誓う。とはいえ今日は衝撃的な物を多く見聞きして身体的にも精神的にも疲れているはずだ。警察からも帰宅の許可が出ると「帰ろうか、翔太郎」と声を掛けラボスペースを後にして)
(/こちらこそいつもお世話になっております。大まかな流れだけ決めて始めた話でしたが緊張感のあるシリアスな流れや探偵らしい行動が出来てとても充実した話になったと思います。前回の件を踏まえて怒りを募らせたり手を引き?がしてくれる探偵君がかっこよくて良かったです。今回もありがとうございました。
次の話としてパトロール中雨に降られてしまった探偵君を検索が迎えに行く話、普段とは逆で私的な調べ物に夢中になっている検索に探偵君が構ってほしい話、初めて夏祭りに行った直後ぐらいの自分と入れ替わって初々しい相手と話す話なんかが浮かんだのですが興味を持ったものや探偵様のご希望等あればお聞かせください!)
(/一旦こちらだけで失礼します。そして魅力的な案を沢山だしていただきありがとうございます…!どれも素敵で迷うのですが、大騒ぎしながら楽しめるお話がいいなと思っておりましたので片方が初々しい頃と入れ替わってしまうお話はいかがでしょうか?以前別のお話で探偵側は付き合う前に戻ってしまったことがあるので、今回は検索くんの方が過去に戻ってしまう感じがいいなと思うのですがいかがでしょう?)
…さて、そろそろ帰ろうか、…!
(宗教団体による一連の事件は警察によって捜査が進められその被害の大きさが浮き彫りになる形となった。混乱を避ける為に情報規制が敷かれたようだが噂という形で今回の件は街に広がり風.都に暗い影を落とした。だが依頼人だった彼女以外にも団体の数人が逮捕されたようでメモリの入手経路や資金の調達先などの調査が今も進んでいると刃.野.刑事が教えてくれた。何か尻尾が見つかるといいが今は探偵の出番ではないだろう。それから一週間ほど、事務所はいつも通り猫探しなど比較的平和な依頼が続いていた。今日も探し物や身辺調査などの依頼が多く外担当ではないのもあってほぼ興味の読書をしながら一日を過ごした。暑い中出歩き疲れたから早めに帰ると言った所長を見送り、終業時間になれば本を閉じて相手に声を掛けながら帰宅の準備をする。だがその瞬間自分の体の前にゆらゆらと水面のような模様を描く銀色のオーロラが現れる。異常な現象に固まっているとそのオーロラはこちらに近づいてきて、それをくぐると忽然と姿を消してしまった。それから数秒もしない内に再び銀色のオーロラが出現し事務所の中を通り過ぎると安楽椅子探偵が現れ「戻ってきた…?」と困惑の声をあげながら辺り見渡していて)
(/では検索の方が入れ替わる話に致しましょう。不思議な状態ではありますがお互いに大騒ぎしながら関係性や距離感の変化を楽しめたらと思います。結構強引な展開ではありますが上記の方で導入を回させて頂いたので上手く乗って頂けると助かります。必要であれば時王組か電車組出しつついつも通り好きにやりましょう/こちら蹴りで大丈夫です。)
そうだ、な……なっ!フィリップッ!!
(人々が怪力化する騒動の後ジンさんを筆頭とした警察がラボを含め今回の事件の実態を調べてくれてつい先日その報告を受けた。ラボには『実験』を施された人間のリストもあり被害者の数が明らかになったが想像以上の人数に相手と共に驚き、引き続き調査を続けていくというジンさんにこちらでもあの教団を追い続けると宣言しておく。小型メモリの製造装置は壊したがあの組織を根絶やしに出来たわけではない、きっといつかまたホシを求めて動き出すだろう。固い決意をしたもののその後に事務所に舞い込んできた依頼は比較的平和なものが多かった。ついてくるとうるさい所長様と共に街を駆け回り、一足早く帰った所長様から遅れて自分達もそろそろ帰る時間だ。デスク周りの片付けを始めると相手から帰宅しようと声がかかって片付けをしながら返事をする、しかしその言葉尻が止まったことに違和感を覚えて顔をあげた。その時にはもう相手は銀色のオーロラに飲み込まれる所で思わず声をあげる、直後相手はその場から消えてしまい慌てて立ち上がって先程まで相手がいたところへ駆けていく。しかし直後、再びオーロラが揺らめくと相手が現れて慌てて駆け寄ると両肩を掴んで「大丈夫か?!今お前一瞬だけ消えて…」と困惑しつつ、何か変わったことはないか体の隅々までみると頬に手を添え目線を合わせて瞳を覗き込んで)
ああ、だいじょう、ぶっ、…翔太郎、その…いつもより近くないかい?
(事務所から変な場所に飛ばされたと思ったらまた事務所に戻ってきていて、あの銀色のオーロラも含め妙な現象に巻き込まれたことに困惑の声を零す。だがそれ以上に奥の棚で整理をしていたはずの相手がすぐ側にいて両肩を掴まれると驚いてしまう。異常が無いか確認するように問われると今の状態を答えようとするが頬に手を添えられ瞳を覗き込むように近付かれるとその距離の近さに体は固まって一気に顔が赤くなっていく。自分達の中に恋人という関係が加わったのは確かだがここまで近くに相手が居るのにはまだ慣れてない。相手が手馴れていることまでは頭が回らず、間近から注がれる相手の視線に耐え切れないように目線を泳がせながら困ったように問いかけて)
え、……あ、あぁ悪い……
(相手が急に消えて急に戻ってくるなんていうありえない状況が起こって心底焦りながら相手を隅々までチェックする。あの現象はメモリによるものなのだろうか、だとすれば何かしらの影響があるのではと思考が先走りして終始近くで相手を観察していた。瞳にメモリによるモヤがないかと頬に手を添えた途端相手は一気に顔を真っ赤にして予想だにしない表情に思わず目を開いてこちらも動揺してしまう。相手の方が動揺は大きいようで目線が思いっきり泳いでしまっている、近いと言われて反射的に手を離して一歩下がるがどことなく違和感を感じた。立場が逆なら相手も同じことをしただろうし、不意打ちだったとはいえ相手があの距離であんなに動揺するなんて珍しい。とはいえ珍しい姿をみればそれを弄りたくなってしまうもので未だ顔の赤い相手に「なんだよ、キスでもすると思ったのか?」と揶揄うように言いながら顔を覗き込み)
……っ、な、なに言って、
(こちらの反応に相手も目を見開いたように見えたがその事に意識が行くほどの余裕はまだ無い。頬から相手の手が離れて一旦距離が出来ると力を抜くように息を吐くが心臓は未だどきどきしていて落ち着かない。今までも何かと距離感が近いことはあったがさっきのは明確に恋人としての態度で不意打ちに加えて刺激が強すぎる。深呼吸でもして平常を取り戻そうと考えたタイミングでまた相手の顔が覗き込んできて『キス』というワードが聞こえると夏祭りでした初めての行為を思い出してはまた顔は赤くなりあからさまにテンパった声と反応をしてしまう。だが意識してしまっているのは確かで困ったように眉尻を下げちらり覗くように相手の方を見ると「…仕方ないだろう、この前初めてしたばかりだし、」と若干不貞腐れたようにも告げて)
え、……は?初めて?何言ってんだ、昨日寝る、時も……
(冗談のつもりでキスという単語を出してみれば何故か相手の顔は一層赤くなってまた声を詰まらせてしまう。これだけの接触でこんなにも赤くなる相手を見ていると何故かその雰囲気がこちらにも伝染して、気軽に接触しているのがどことなく恥ずかしくなってきた。相手は顔を赤らめたまま不貞腐れた顔をしていてそれもなかなか目に毒だが、その顔で言われた言葉には思わず間抜けな声が出た。これまで短くない恋人としての時間を過ごしてきてキスなんて数えられないほどしてきたのに、とそこまで考えた所で改めてその多さを自覚し勝手に動揺すると共にやっと冷静に相手の発言を紐解く事ができる。明らかに矛盾した発言に相応の態度、とてもあれがこちらを揶揄うための演技だとは思えない。目を瞬かせたあとに自分の予想を確かめるため「俺達温泉旅行とかキャンプとか2回目の夏祭りとか、行ったよな?」と問いかけて)
昨日…? 何のことだい、温泉旅行に行くのは明後日で夏祭りもこの前君と行ったのが初めてだ。
(まだ経験が少ないのだから仕方ないと相手も同様であるはずの状況を伝えると何故か間抜けな声をあげて動揺を見せる。そして昨日の話があがるが昨夜は相手は自宅に帰ってしまって自分もいつものように事務所で寝たのだから一緒に居たとも取れる相手の発言は間違いだ。だが相手がこんな事で嘘をつくような人物ではないのも分かっている。相手も何かおかしいことに気付いたようで確かめるように問われるがそのどれもがまだ未経験なものや知らないワードが含まれている。僅かに首を傾げると経験してないと主張して、現在の自分の認識を共有するがピンと来ていない反応を見ると先ほどのオーロラと合わせて自分の知っている相棒でない可能性が出てきて恐る恐る“今日”だと認識している年月日を伝えてみて)
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