検索 2022-07-09 20:46:55 |
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(呼吸のために胸板が動けばそれに引っ張られて脇腹の所有痕が刺激されて悩ましげに眉を顰める。脇腹は体の中でも使われることの多い部分だ、暫くは動く度に相手のものである証がその存在を主張することだろう。寝巻きのズボンが相手の手が重なって剥がされる、グズグズに溶かされて独占欲を隠さない欲に塗れた相手の低い声を聞けば腹の底に溜まる欲望は掻き回されるばかりで熱い吐息を吐き出していた。最も熱い部分に擦り寄る相手は今日一番に官能的で喘ぎ声を止めることは出来ない。こちらを見るように言われ視線を向ける、相手のクリップで髪を止められて視界はいつも以上に確保されていた。恍惚の表情を向けたまま小さく頷くと相手が自分の望むものへと手を掛けて甘く啼きながら夜へと堕ちていった。そんな二人だけの時間を存分に過ごした日から暫く、相手に刻まれた脇腹の所有痕は案の定事ある毎にこちらにその存在を主張していた。特に走った時は顕著で、その度にあの夜相手が見せつけるようにしながこちらを上目遣いで見つめる姿が思い出されて諸々を顔に出さないようにするのに必死になっていた。その所有痕も息を息を潜めて少々寂しくなってきたところで今日は所長様に一泊旅行の許可を貰った日だ。行先は当然あの日話したキャンプ場だ、ジンさんへの情報収集もバッチリでいいキャンプサイトを紹介してもらっている。そこはキャンプのための道具は一通り揃っているらしく家から持っていくのは着替えくらいだ。一通りの準備を終えると、相手の方を向いて「よし、準備できたかフィリップ?」と既に期待の宿した目で相手へ問いかけて)
(/こちらこそお世話になっております!暗転ありがとうございました。二人っきりの空間で二人だけの時間を過ごして、いつも以上に何もかも飾らない探偵で検索くんに甘えたり、スキンシップ多めで甘やかしたりできてこちらもとても楽しかったです!甘い一時も検索くんがとにかく妖艶で何度もノックアウトされてまともでいられない探偵を動かすことが出来ました…二人でたっぷり甘い時間を過ごすことができてとても満足です……こちらこそありがとうございました!
それではこの流れでいい時期にもなってきましたしキャンプに行きましょう!今回もいろいろご都合主義を入れつつ二人の思い出を作ることが出来ればと思います!それらしい導入置いておきますのでいい感じに乗っていただければ幸いです。今回もよろしくお願いします!/こちら蹴りで大丈夫です!)
もちろんバッチリだ、早速行こうか。
(相手が望むままに、そして自分の欲のままにその熱い体に触れて二人だけの時間に溺れてから数週間程。暫くは上にあるものを取ったりする時や猫探しの依頼の後に妙な表情を浮かべる相手が見られたがそれも少しずつ減ってきた頃、ある程度依頼をこなして余裕が出来たからと二日間のお休みを貰えることになった。その行先は話し合うまでもなく決まっていてその日までにお願いされていたコーヒーの入れ方や大まかなキャンプの知識を調べていた。そうして迎えた当日、キャンプの道具は現地で貸して貰えるようで最低限の荷物を肩掛けのバックを持つと相手から声がかかる。その目はいつも以上に期待の色に輝いていて相手も楽しみにしているのが分かって小さく笑う。こちらも弾んだ声で言葉を返すと相手の手を取って家を後にした。相手から聞いた場所はここからそれなりに離れた山の中で「興奮して事故らないでくれよ」と揶揄うような言葉向けつつヘルメット被って相手の後ろに乗り込んで)
そんなガキじゃねぇよ!待ちに待った日だってのに事故ってられるかよ
(相手の準備の程を確認すれば向こうもいつでも出発できるようで良い返事が返ってくる。その声色から楽しみにしているのが十分に伝わってきてこちらも浮かれ調子で手を取って家を出ることとなった。荷物はそれほど多くなくキャンプ場が山奥となれば当然移動はバイクでヘルメットを被る。そのタイミングで揶揄うような言葉が相手から飛んでくればすかさずツッコミを入れておいた。いろいろな邪念を振り払いながらこれまで依頼をこなしてきたのだ、まだキャンプが始まってもいないのに中止になるなんて勘弁願いたい。バイクへと跨り相手も乗り込んだのをみれば早速発進させる。風.都.から少々離れた位置にあるというそこはジンさん曰く初心者向けの場所らしく、気軽ながら本格的にキャンプの醍醐味を味わえる所だという。すっかり人里離れ山道を抜けていけばそのうちキャンプ場の小さな案内看板が道に出てきた。それに従い細い道を走っていけば開けた場所に出る、そこにはポツンとログハウスが建てられていて周囲には何台か車やバイクが止まっていた。あれが所謂管理小屋らしくまずはあそこで受付やら道具の借り受けやらをやるらしい。バイクから降りてヘルメットを取るとすっかりそこに吹く風は風の街と変わっていて「空気が美味いと山奥に来たって感じするよな」と軽く伸びをしていて)
ふふ、じゃあ任せた。__ ああ、山の中だから何となく涼しい気がするよ。それに絶好のキャンプ日和だ。
(相手の浮かれた様子を揶揄うとすぐさまツッコミが入る。テンションが上がった時に事故が起こりやすいというのはよく言われることだが相手はそういう時でもちゃんと交通ルールを守る人物だ。楽しみにしていたと堂々と言う相手に小さく笑みを浮かべると緩く腰に腕を回して運転を託した。バイクは段々と知らない道に入っていき山道を抜けていく。物珍しい景色を興味深く眺めていれば目的地の看板が見えてきてそこに記された方向の細い道を通ると開けた場所に出てきた。駐車場に到着してヘルメットを脱ぐと辺りは当然ながら木々に囲まれていて街の中では見慣れない光景にわくわくしてくる。軽く伸びをしている相手に素直な感想を述べつつ空を見上げると雲一つない快晴で今からすることに期待を膨らませる。相手が既に予約をしてくれていたはずで「とりあえず受付しに行こうか」と声を掛けては管理小屋に向かう。キャンプ場の名前が書かれた受付の前に立つと管理人らしき人物が出てきて「予約していた左です」と名乗れば確認をしてくれて目の前で道具の準備がされていき)
これも日頃の行いって奴だ。____、…え、あぁ、はい
(相手の言葉に釣られて空を見上げる、青々としげる木々の上に広がる空は雲ひとつなく晴れ渡っていて心地よい日差しが差し込み過ごしやすい気温に保ってくれている。まさにキャンプをするにはうってつけの日だろう。これも先日の休みから今日まで所長様の無茶ぶりに耐えながらしっかりと探偵として仕事をしてきたからこそだ。相手に声をかけられまずは受付をすまそうと管理小屋へと入る。対応してくれた管理人に相手が自分の苗字を名乗るのをみれば小さく心臓が跳ねた。相手はただ予約した名前を言っただけなのだが、自分の苗字を名乗っていることに妙な特別感を覚えてしまって変に狼狽えてしまう。視線を泳がせていると管理人に説明をするからと声をかけられ慌てて意識を引き戻した。まずは地図を見せられて施設の場所と自分達のテントサイトの場所を教えられる。各テントサイトは他のグループとは離れるように設置されていてしっかり二人だけの空間は確保されそうだ。そしてまずはテントを立てた方が良い事、食事は時間になったらこの管理小屋に取りに来て欲しい事、片付けのお願いなどがなされて説明が終わった。礼を伝えたあとに用意された荷物を受け取る、恐らくテントであろう大きめのものを背負うと「残りは任せていいか?」と相手の方へ目をやって)
ああ、任せてくれ。 僕達の場所は向こうだね。
(管理人に予約した相手の苗字を伝えて準備されるのを待っている間ちらりと相手の方を見れば妙に視線を泳がせていて微かに首を傾げる。何か気になることでもあったかと聞く前に管理人が戻ってきてこの場所の使い方を説明してくれることになれば少々引っかかるもののそちらに意識を向けた。自分達がテントを立てて過ごす場所を地図で教えて貰って、食事のことや片付け、注意事項などが説明される。刃.野.刑事がおすすめするだけあってサポートや用意は十分のようだ。こちらも礼を伝えて荷物を受け取り、その中でも大きい物を相手が持つとテントの外で使う折り畳みの椅子や細々したものが入った袋を自分が持って大きく頷く。教えてもらった地図を頼りに自分達のテントサイトの方角を指さすと早速移動を開始した。目印を頼りに歩いていれば自分達の番号の記された場所に辿り着く。説明された通りそれぞれのテントサイト同士は十分な距離が確保されているのに加えて木の配置などで上手く区切られているお陰で他のグループの人達の姿は見えなくて開放感とプライベート感が両立しているようだ。充実したキャンプの予感にわくわくしながらもひとまず近くに荷物を纏めて置いて「まずは説明された通りテントを立てようか」と相手の運んできた荷物の方を見て)
おぉ……めちゃくちゃいいロケーションじゃねぇか…おぅ、テントを立てなきゃ宿無しになっちまうからな
(それぞれ荷物を抱えて教えてもらった地図を頼りに自分達のテントサイトへと向かう。相手の案内を頼りに本日の宿泊場所へとたどり着けば思わず感嘆の声をあげた。二人で過ごすには十分なスペースがあるが他のテントサイトが見えることは無く二人だけの時間も存分に過ごすことが出来そうだ。これは風都に帰った時ジンさんによくお礼を言わなければならない。一旦荷物を置くと相手の言葉に頷き答えて早速運んできたテントが入った袋を開ける。管理人がまずテント作りを勧めたのはこれがなければ一夜を過ごせないからだろう。テントを立てるよう指定された場所は整備されていてペグを刺すのも問題なさそうだ、となれはあとは順番通りに組み立てれば今夜の宿を確保出来るはずだ。袋の中身を全て取り出したあとに説明書を手に取る、中に入っていたのはドーム型テントと呼ばれる一般的な形のもので「まずはインナーテント広げてポール通すところからだな」と最初の手順を読み上げると指定場所にインナーテントを広げて「お前はそっちからポール通してくれ」と呼びかけて)
分かった、ここから通せば良いのか。
(流石整備されているだけあって場所はバッチリで快適に過ごすことが出来そうだ。持ってきたものと借りた荷物を置くと今日の宿兼拠点ともなるテントの設置に取り掛かる。一式のセットには丁寧に説明書が付いていて組み立て方を写真付きで教えてくれていた。初めは一番内側のインナーテントというものを作るらしく相手から声がかかると反対側に回ってポールを通す位置を探す。それらしい場所を見つけると早速スリーブにポールを通して真ん中でバッテンになる形でポール同士をくっつけていく。ポールを全て通すことが出来れば四隅の金具に一つ一つ差し込んでいく。二つ差し込んだ所で反対側にいる相手に「行くよ、翔太郎」と伝えてから軽く引っ張るような形でテントを立ち上げて残りの端も金具に差し込むと本体は自立して思わず「おお…」と声を漏らす。テントと聞いてかなり狭い空間を想像していたがそれよりも高さも広さも十分にありそうな仕上がりに「意外と大きいね、これが今日過ごすテント…」と思ったことを口にしていて)
よし、せーの……あぁ、これなら二人で寝ても余裕ありそうだな
(こちらももう一方のポールをスリーブに通すと相手と声を合わせてポールを持ち上げる。ポールを金具に差し込めばきっちりと自立して同じく感嘆の声を漏らしていた。二人で過ごすのに十分な広さに加え側面にはメッシュ素材の窓らしいものがあり通気性も抜群だろう。屋外とはいえ快適に過ごすことが出来そうだ。思わずその広さに心奪われてしまったが「まだ完成じゃねぇぞ」と自分のことは脇において相手を揶揄うように言うともうひとつの大物、フライシートを取り出す。インナーテントよりももう一回り大きいそれをひとりで被せるのには時間がかかりそうで、反対側を相手に任せると再び声を揃えてインナーテントをフライシートで覆った。あとはテントを固定するだけで「このペグってのを地面に打つみたいだな」と説明書に目線を落としながら金具とハンマーを手に取って)
へぇ、二層構造なんだ。ああ、せーの…
(ポールを立ち上げテントが立体的になれば今日はここで過ごすのだと実感が沸いて興味深そうにその外見を確認する。メッシュ素材の窓に中もしっかりしていて一晩過ごすには申し分ないだろう。そうしていれば揶揄うような声が掛けられ目を向けると大きなシートのようなものを相手が抱えている。感心した声をあげつつ反対側から広げるのを手伝って掛け声と共にインナーテントの上にシートを被せた。雨風などを防ぐためのしっかりした作りのようで一気に立派なテントが出来上がる。内部の紐をポールに結び、端っこのバックルも留めてズレないようにすればいよいよテントの固定だ。金具とハンマーを持った相手の元に向かい一緒に説明書を覗き込みながら「垂直じゃなくてテントの逆方向の斜めに傾けて打つみたいだね」と要領を把握する。ペグの一つを貰って輪っかを引っ掛け慎重にその角度になるように突き刺すと「打ち込むのは君の方が適任だ」と相手に任せて)
真っ直ぐ打ち込むもんじゃねぇのか…あぁ、これもいつもの役割分担ってやつだな
(いよいよテント設営の最終段階となる。せっかくテントを設置したのに風に流されて転がっていくのは勘弁願いたい、快適なテント生活のためにもしっかりと固定しなければならないだろう。相手と共に説明書を覗き込むがペグの打ち方には指定がありイマイチその有用性が分からずに首を傾げていた。しかし相手はその要領を理解したようでペグをひとつ持ち出すと角度を吟味してから地面に差し込む。打ち込むのを任されれば頭を使うのが相手、体を使うのがこちらといういつもの役割分担になって自信が滲む笑みを向けると相手が決めてくれた位置にペグを打ち込んでいく。テントに繋がる糸がたわまないように気をつけながら相手がペグの位置と角度を決めこちらが打ち込むのを繰り返していけばテントの固定も終わり、エアーマットを取り出してテント内に広げエアーポンプで空気を入れれば「これで完成だな」と晴れて設営完了となった。早速靴を脱いで中へと入り風が通るようにフライシートを捲ってメッシュ部分を窓のようにするとテント内に涼しい風が通っていく。そのまま寝転がってみるとテント内でも外の空気を感じることができて「めちゃくちゃ快適だ…」と思わず呟いて)
初めてでもスムーズに立てることが出来たね、いつもとは逆だ
(こちらが位置を決めて仮置きをして相手が地面に打ち込む。抵抗が生まれるように斜めに挿すのはなかなか難しそうではあったが相手の手に掛かればしっかりとめり込んで固定が出来そうだ。インナーテントを含めた本体をしっかり固定してからフライシートもロープを伸ばしていきその先でビスを打ち込めばテントの完成だ。二人で協力すれば初心者向けとだけあって特に苦労することなく立てることが出来て軽く風が吹いても堂々とそびえ立つテントに満足げな表情で感想を告げる。より快適にするためテント内にエアーマットが敷かれるとより拠点らしくなる。いつもはこちらが先に動いて初めてを体験するのだが今回は相手が真っ先に靴を脱いで中に入っていくものだから思わず笑ってしまった。自分も続いて靴を脱いでテントの中に入る。メッシュの部分のシートを捲って開けるとその間を涼しい風が通って見た目以上に快適な空間になっている。試しに入り口を閉めてごろんと相手の横に寝転がるが軽く腕を伸ばせるくらいの広さはあって床もマットのおかげで凹凸も気にならない。辺りを興味深く眺めていたが相手の方に体を向けると「これなら夜も心配無さそうだ」とご機嫌にその機能性を評価して)
な、窓開けるためだっての……あぁ、それに周りに気を使う必要もなさそうだな
(自分達の過ごす場所を自分達の手で作るというのはなかなかに少年心を擽るものがあって、まるで秘密基地が出来上がったような気分にいてもたっても居られずにテントの中へと入った。そんなこちらに相手は笑みを浮かべていて揶揄うようなことを言われると子供っぽいと言われたようで思わず言い訳を口にしていた。しかしそんなことを口にしたところで上機嫌であるのは傍からみても明らかでエアーマットに寝転がると気持ちよさそうに伸びをする。相手もテント内へと入ってきて二人で寝転がるが窮屈さは全くない、なんならいつも二人で眠るベッドよりも広い場所を確保できている。中の作りはシンプルだが一夜を過ごすには十分でこちらも相手の方へと体を向けて向かい合った。相手もテント内の快適度に文句はないらしい、しかも周囲に人の目がないとすればそこは二人きりの空間でルールも適用外だ。相手の背中に緩く腕を回して一呼吸つくと「さて、テントが出来たら次はお待ちかねのバーベキューだな」と期待を煽るようにしながら次にやることを提案し)
ある意味僕達には一番重要な点かもしれない。 メインイベントの一つだね、火起こしは囲炉裏でも経験済みだからある程度出来そうだ
(何やら言い訳をしているが終始ご機嫌なのは明らかで今も気持ちよさそうに伸びをしている。手順に従っただけだが自分だけの小さな基地にテンションが上がるのはこちらも同じで上機嫌でごろんと寝転がると相手と向かい合う。屋外だけど二人きりの場所という不思議な状態で背中に腕が回された。今回の主目的はキャンプを楽しむことだが人目を気にしないでその姿を独占するというのも大事な要素の一つだろう。かちらからも緩く腕を回して同意の返事をしていた。移動とテントの設置の休憩を少し挟むと早速相手が次の行動の提案をする。キャンプといえば真っ先にあがるくらい定番のイベントにまた瞳は期待を乗せて頷く。火起こし自体はあの一棟貸の家で一度実践済だからそこまで心配もないだろう。一度ぎゅっと相手に抱きついてからバーベキューに意識を移すと体を起こしてテントを後にした。「確かバーベキューの道具は共通の炊事場にあると言っていたはずだ」と管理人の説明を思い出すと共通スペースの炊事場へと歩き始め)
あぁ、バーベキューは火力がねぇと始まんねぇからな
(キャンプができる場所という条件だけならばいくつか候補地があったが、人気の場所へいけば周囲に人がいて恋人としての振る舞いは出来なかっただろう。せっかく二日も休みを貰ったのに風の街にいる時と同じような振る舞いしか出来ないのではきっと物足りない、バイクを持ち出しここまで走ってきた甲斐が有るというものだ。相手からも腕が回されて暫し穏やかな時間を過ごしていたが時間的にもう少しすれば腹の虫が鳴る頃だ。バーベキューの話を出せば相手の瞳はこちらの想定以上に輝いて自然と笑みが浮かぶ。昼食をとるのだってキャンプとなればいろいろと用意することもある、少し早めに準備に取り掛かろうと声をかければ相手から強く抱きしめられる。こちらからも動き出す活力を貰うためにぎゅっと抱き返せば相手に続いてテントを出た。まずはバーベキュー道具を揃える所からだ、相手と共に共通の炊事場へと移動すれば水洗い場の脇にテントサイトの番号ごとにバーベキューの道具が固められている。自分達の番号の元へと近寄れば組み立て前のバーベキューコンロや炭が入った箱が置かれている。包丁やまな板など簡単な調理器具もありこれで食材を切れば良さそうだ。少し回り道をすれば管理小屋によっていけそうで「ついで食材も持っていっちまうか」とコンロを持ち上げながら言い)
途中で取りに行くのは面倒だしそうしようか。
(お互いにエネルギーを補給してから炊事場に移動する。説明された通りバーベキューの道具が一式まとめられていてこれを自らの場所に持って行って火を起こす仕組みのようだ。道具が揃っていく様にわくわくしているとついでに管理小屋に寄ることを提案され、すぐさま賛成を示す。きっと火を起こしてバーベキューが始まる頃には相手からも二人だけの空間からも離れ難くなっているはずだ。森の遊歩道を歩くような気分で遠回りをして管理小屋に寄ると用意されていた食材や調味料などのセットを受け取る。お肉や野菜などが十分と用意されていて今からこれを焼くと思えば美味しそうだ。自分が食材達を持って移動し二人が立てたテントの元に帰ってくる。作業用の簡易テーブルを立ててその上に食材のセットを置くと「よし、とりあえずまずは火起こしかな。今回はこの中で作れば良いんだね」と相手の持つ組み立て前のバーベキューコンロに視線向け)
あぁ、このコンロの中で火を起こすんだ。炭が炎をあげずに真っ赤になってる状態にすんのが理想だな
(調理器具の一式をこちらが、食材の一式を相手が持って遊歩道を歩く。木々に囲まれた道は木陰になっていて風が通り抜けるだけでもかなり涼しい。二人が歩く音と木々が揺れる音だけが響く空間もまた非日常的だ。テントサイトに戻ってくると簡易テーブルを広げて食材やら道具を置く。まずは火起こしをという相手に頷きながらコンロを組み立てていく。といってもポールを継ぎ足すくらいですぐに完成だ、地面に置けば立って作業をするのに丁度いい高さになっている。前回の囲炉裏の時は平たい炭の上で火を起こしたが今回はこの四角い空間の中で火を起こすようだ。墨を置く金網をコンロへとセットする、これで炭の下にも空気が通るようにしているのだろう。側面にも穴が沢山みられてこれも通気性の確保のためだろうか。炭が入ったダンボールをあけるもののどう炭をセットしたものか悩むようにコンロを様々な方向から見たあとに「ここはお前に任せた方が良さそうだな」と相手の方を見て)
なるほど…、熱い火の扱いは任せてくれ
(相手がコンロを組み立てて地面に設置してくれる様子を眺める。火を起こして置いておくための専用の道具であるためか全体的に通気性が良さそうでこれならば火も長持ちしそうだ。初めて見るバーベキューコンロの観察を終えると相手は炭を置く場所を悩んでいるようでこちらと目が合ったかと思えば火の役割を任された。自分の持つメモリの一つに掛けて得意げな表情を見せると相手と位置を変わってコンロの前に立つ。道具の中には以前使ったものと同様の着火剤も入っていてそれを一番下に置くと細かい炭を選んでその上に適度に隙間が出来るように立てかけ、煙突に近い形を作る。良い感じに出来上がったところで点火棒で着火剤に火をつけ、一緒に入っていたうちわで軽く仰いで風を送ると数分もしない内に炭の方にも火が回る。ある程度火が安定してきた所に更に大きめの炭を周囲に設置して火を広げていく。最効率を求めて慎重に作業しながら放置しても良い状態まで持ってくれば「あとは放置していれば自然と火も広がっていくはずだ」とトングを置いて相手に伝える。火起こしが終わればいよいよバーベキューの開始で赤くなっていく炭火を見ると「囲炉裏の料理も美味しかったから今回も凄く美味しいだろうね」と無邪気に期待を口にして)
ありがとよ。火だけじゃなくて風の扱いもお前の得意分野だったな。…あぁ、とびっきり美味い奴が食えそうだ
(こういうものは炭の間を空気がどう通っていくか計算しつつ効率よく火が移るように炭を組み上げていくのだろうがそういう理論に基づいた思考は圧倒的に相手の方が得意だ。加えて相手がメモリにかけて自信満々に返事をすれば思わず吹き出してしまう、ここはお熱いものの扱いが上手い相手に任せてしまうことにした。傍から炭が積み上がっていくのを見守る、小さい炭を厳選して煙突状にする様子を感心しながら見つめていればやがて火が灯った。そこから相手はうちわを使い風を使って火を大きくしていく。コンロに組み込まれる炭が大きくなって、その炭にも火がつくとあっという間に炭は煌々と赤くなっていった。火がついたのを伝えられれば礼を伝え火のメモリだけでなく相手のメインメモリに掛けて返事をしておく。いよいよ食材に手をつける場面で相手は期待で目を輝かせている、しっかり赤くなった炭で焼く肉を外で食べるとなれば美味いのは間違いない。こちらも期待を寄せつつ炭の上に金網をセットすると食材の入った箱を開ける。肉類はそのまま焼くことが出来そうだが野菜は切る必要がありそうで、箱の中には一緒に金串も入っている。これで好きに焼串を作れるようで「火が大きくなるまでに野菜用意しちまおうぜ」と包丁とまな板を取り出して)
ああ、切るのは任せていいかい? これで好きな物を刺して焼けそうだね、僕は…玉ねぎと椎茸、かぼちゃ、ナス、トウモロコシにしよう
(火が上手くいったことを伝えると相手のメインメモリに掛けて返事がされて思わず口元が緩む。偶然ではあるがこういったのも二人ならではの共同作業だ。炭火の上に金網がセットされて焼くための準備を整え、相手が食材の箱を開く。肉類は問題ないが野菜は大まかに切られているかそのままで自分達の好きな大きさに切るスタイルのようだ。切ったことのない野菜も含まれていれば今回は相手にカットをお願いする。相手が切っていくのを眺めていたが一緒に入っていた金串に興味を持つとそのうちの一本取り出してみる。よく見る竹串よりも長さがあっていかにもキャップって感じがする道具だ。これで焼いたときのことを想像してワクワクしつつ何を串にしようかと食材に目を向け気になったものを今の内から選ぶがあからさまに野菜類の中央にあるピーマンを避けたようなチョイスをしていて)
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