検索 2022-07-09 20:46:55 |
通報 |
なら行くか。…、……最初はメインのゆで卵を作るとこからだ
(事ある毎に短い口付けを送りあって一時も離れずに朝の穏やかな時間を過ごす、時間に追われる事も相手以外を考える事もないこの空間では相手への愛おしさを隠すことはなくてその分とめどなく溢れてきてしまう。またひとつ答えの分かりきった問いかけをすると当然のように望む答えが返ってきて、その当然が今は何よりも愛おしくて胸を暖かく満たしていく。手を引かれてキッチンへと立つと先程の立ち位置を交換し後ろから抱き締められると柔らかな心地と温かさに無意識に口角があがった。後ろから覗き込む相手の顔に手を伸ばすとその頬を人差し指で軽く撫でてやりながら工程を解説する。なによりもまずメインの食材を作らなければならない。冷蔵庫から卵を贅沢に4つ取り出すと鍋にいれて水を張る、昨日はまともに食べていないのだからこれくらいボリュームがあってもいいだろう。鍋を温めてゆで卵を作り始めると今度はパンの用意だ。いつもならトーストで済ませてしまうところだがそれでは特別にはならない。食パンの耳を取り除いてからたっぷりバターを塗るとフライパンを取り出して軽く温めてから食パンの両面を焼いていく。やがてキッチンはバターの香りとパンが焼ける香ばしい匂いに満たされていって)
…ん、今日の君は甘々だけど卵はハードボイルドで頼むよ。…ますますお腹が空く匂いだ。
(キッチンまで移動してきて相手を後ろから抱きしめると手が伸ばされて頬を軽く撫でられる。心地良さに軽く擦り寄りながらもこれから行う工程を説明させて冷蔵庫に卵を取りに行くのをついて行く。卵たっぷりという言葉に嘘偽りなく二人で四つも使うのを見るとその贅沢さに口元が緩む。鍋に水を張るのを見ながら半熟を通り越して生卵のような今日の相手の対応を持ち出しては背後でくすくすと笑いながら揶揄う言葉を向ける。卵を茹でている間、パンを用意するようだが今日はトーストするだけでなく、耳が除かれてたっぷりバターが塗られる。更にフライパンを熱してパンを焼き始めるとバターが溶けて良い匂いと音がしてくる。そこにパンが焼けた香ばしい匂いが混ざり、ひっくり返すと美味しそうな焼き目が出来上がっていてますます食欲がそそられる。無意識に相手を抱き締める腕に力を込め、期待を寄せる呟きを零して)
何言ってんだ、俺はいつでもハードボイルドだろ?……よし、そろそろ頃合いだな
(背中に相手の存在を感じながら調理を進めていく、相手がこちらの手に擦り寄るのに心満たされていたというのに相手はいつもの言葉でこちらをからかってきてちらりとこちらを覗く相手の方をみる。再び手を伸ばすと今度は相手の頬をツンツンとつつきながらお決まりの言葉を返しておいた。服も髪も今の格好も、ハードボイルドを自称するには全く相応しくないことは今は言及しないでおく。バターを染み込ませたパンに焼き目を付けていけば腰に回る相手の腕に力が入るのが分かる、目の煌めきに続き相手の期待がよく分かる仕草に胸を擽られながら腰にある腕を軽く撫でてからフライパンの火をきった。そろそろゆで卵がハードボイルドに仕上がる時間でボウルに水を張るとお玉でゆで卵をすくい上げて冷やす。触れるようになったところで卵を取り出し、卵をコツンと角にぶつけてから殻を剥いていく。中からはしっかりと茹で上がった白身が見えて水を捨てたボウルへと入れた。4つ分の殻を向き終えるとフォークでゆで卵を粗めに潰していく。食感が残る程度に潰し終えればマヨネーズと砂糖、マスタードを加えて味付ければ具材も完成だ。あとはひとつにまとめるだけ、スペースを確保してラップを広げるとこんがり焼けたパンを一枚置く。その上にたっぷりと味付けした卵を乗せてもう一枚パンを乗せるとラップに包んで軽く縛って形を整えた後に半分に切る。これで具材が飛び出ることもないだろう。もうひとつ同じものを作って皿へ乗せれば相手の方を見て「これで俺のスペシャルたまごサンドの完成だ」と口角を上げて)
まぁそういうことにしておこうか。…凄く美味しそうだ、早速食べよう!
(ゆで卵に掛けて今日が一段とハーフボイルドであることを揶揄うと頬をつんつんとつつかれる。今の格好もこうやって抱き着かれて調理している体勢もまったくもって相手の目指すハードボイルドではないと思うのだが今はこの甘い対応を望んでいるのだから深く言及しないことにした。パンが焼き上がると卵も良い頃合のようでお湯から引き上げ水で冷やされる。一つ一つ殻を剥かれたゆで卵がボウルに入ってフォークで粗めに潰されていく。市販品よりも食感が残るぐらいに崩れたゆで卵にマヨネーズなどで味付けがされると美味しそうな中身の完成だ。こんがり焼かれたパンに卵が乗せられ、形が整えられてから半分にカットされる。中身がこんもりと入って綺麗な断面に思わず「おお…」と声が漏れる。そのままもう一組も同じようにサンドされてカットされたものがお皿に乗れば店さながらの出来栄えだ。自慢げに完成を伝える相手に感謝を伝えるように強く相手を抱き締め、無邪気な笑みと共に素直な感想を告げる。普段よりもひと手間もふた手間もかかった特別なたまごサンドはとても美味しそうで居てもたっても居られなくなると急かす声掛けで相手にお皿を持たせ、自分はその背中を押してテーブルの法に移動して)
なんせお前のための特別なたまごサンドだからな。…、そうするか
(いつも以上に気合いを入れて作った自覚はあったがこれはなかなかに会心の出来だ。断面か
のぞく荒目でたっぷりと入った卵は見た目の満足度も高く食欲も満たしてくれることだろう。完成を告れば相手から感謝と共に後ろから強く抱きしめられ、心ごと抱き締められた心地につい口が緩む。ここまで気合いの入れたものを作れたのも相手のためだからこそだ。コーヒーと同じくらいに特別なサンドイッチを持たされるとリビングの方へ背中を押される、今度は移動する時も一緒のようだ。そのまま二人で移動してくればテーブルへと皿を置き、再び二つ並んだ椅子の左側へと座る。そろそろこちらの腹の虫も鳴り出しそうだが相手のために作ったものならばまずは相手が食べているところをこの目に焼き付けたい。待ちきれぬ視線を相手に向けつつ「勢いあまってこぼすんじゃねぇぞ?」と今度はこちらから勢い余る相手を子供扱いしてからかっていて)
君じゃないんだから子供扱いしないでくれ。 じゃあ、いただきます
(相手の作った特別な朝ごはんを食べたい気持ちと空腹で相手の背中を押しながらリビングに移動する。またさっき座っていた椅子の右側に座ると改めてたまごサンドのビジュアルを観察する。こんがりと焼かれたパンの部分も粗めの卵の断面もやはり美味しそうで自分の為の特別という響きを思い出すと口角があがる。そうやって見つめていたが相手に意趣返しのように子供扱いされると少しむすっとして反論しつつ待ちきれないのも事実で手を合わせると早速その一つを手に取る。せっかくならば一番具の詰まった真ん中から食べることに決めると大きく口を開けてかぶりついた。良い音の鳴るバターの風味のついた香ばしいパンに食べ応えのあるゴロゴロした食感のたまご、隠し味のマスタードの風味が絶妙にマッチしていて目を開く。空腹の体に満足のいく味でもあればすぐさま相手の方を向き「ほいひい!」とついたまごサンドを頬張ったまま無邪気な顔で感想伝え)
それだと俺が子供みたいじゃねぇか。……そうか…、美味いんならなによりだ
(先程の仕返しに軽くからかってみれば相手は分かりやすく不満気な顔を浮かべていて満足気に口角をあげる、しかしその分しっかり反論されてしまうとこちらからも言い返してしまいそれこそ子供の言い合いのようだった。堂々巡りの言い合いは脇に置いて相手の様子を見守る、その手に特別なたまごサンドの半分が収まり相手は豪快に口を開けてかぶりつく。香ばしいパンが奏でる音は作った本人としても美味しそうな音をしている、ほどなくして相手が口いっぱいにたまごサンドを頬張りながら感想を伝えてくると締まりのない笑顔を相手へ向けた。まだ咀嚼しきっていないのに感想を伝えてくるとはよっぽど美味しかったらしい、相手のためにと想いを込めて作ったものを食べてこんなにも全力で想いを返してくれるのが何よりも嬉しい。体を乗り出すとまだ咀嚼している口の端に軽く口付ける、卵の味を微かに感じながら軽く笑みを浮かべてゆっくりと頭を撫でてやる。このまま相手が食べる姿を見つめていてもいいのだが流石に相手も気まずいのとこちらの腹も限界が近いのとで代わりにピタリと体をくっ付けてから自分の分を手にとる。同じく大口で一口齧りつけば調味料によって引き立てられたタマゴが口いっぱいに広がってなかなか美味い。満足気にサンドを頬張りつつ「これで昨日まともに食えなかった分も取り戻せそうだ」と分厚いたまごサンドを見つめて言い)
ん、パンはサクッと良い焼き加減で卵もシンプルな味を最大限引き出せる味付けをしてるから凄く美味しい。幾らでも食べられそうだ。
(相手が作ってくれたたまごサンドはその手間暇を見守っていた分以前何処かで食べた物よりも何倍も美味しく感じられてまだ口の中にある状態にも関わらず表情を明るくしながらその感想を伝える。すると相手の顔も嬉しそうに緩んで暖かな気持ちに包まれる。大口でかぶりついたせいで中々咀嚼し切れないがその状態で相手が近付いて口端にキスが落とされるとぱちりと目を瞬かせる。だが頭を撫でられると僅かに浮かんだ文句も幸せと居心地の良さが勝って漸く口内のものを飲み込むと何が美味しいかを具体的に言語化して伝える。隣を見れば相手も同じく豪快に齧り付いていて同じ物を食べていることに不思議と笑みが零れる。材料としてはシンプルなはずだが相手の言う通り昨日の不足を取り戻せるくらい満足感があっていつに無く食欲を見せて更に一口かぶりつく。その味に満足そうにしつつ「これも愛情の隠し味のおかげかな」と以前の発言を持ってくると楽しそうに相手の顔を覗き込んで)
お前がそんなに満足してくれてるなら作った甲斐が有るってもんだ。……ん、まぁ…そう、かもしれねぇな
(口いっぱいに頬張ったものを漸く飲み込んだ相手は具体的にどう美味しいかを伝えてくれる、あの一口からこれだけの情報を拾い上げてくれるのも嬉しく褒め言葉のオンパレードになかなかに擽ったい気持ちだ。だがそれは相手がそれだけ自分が作ったたまごサンドを美味しいと思ってくれている証拠でもある、その為にいろいろと工夫を凝らしたのだからここは素直に相手の好意を受け取って置くべきだろう。また一口かぶりついていると相手は『愛情』なんてクサイ言葉を持ち出して思わず目が泳いだ。相手のことを最大限に想って作った特別なたまごサンドに愛情を入れていないなんて言葉が通るわけもなく、むしろこれは相手の温もりを感じながら愛情を注ぎに注いだ代物だろう。いつもならそんな甘い台詞は即座に否定する所だが、こちらを覗き込んで近づく相手の前では気持ちが流れてしまって気恥ずかしさを隠すよう目を逸らしながら肯定の言葉を口にする。だが恥ずかしいものは恥ずかしく「こっち見てないで食え」と観察するような相手の頬をまた人差し指でつついてやり)
道理でこんなに美味しい訳だ。 …作ってくれてありがとう、翔太郎。
(答えなんてとうに分かりきっているがちょっとからかいたくもなってしまって顔を覗き込んで問いかける。すると露骨に目が泳いで言葉も歯切れが悪くなるものだから悪戯っぽい笑みが浮かんでしまう。それでも肯定の返事が返されると胸は華やいで幸せでいっぱいになる。自分がコーヒーを美味しくいれようとしたのと同じように相手も心を込めて作ってくれたのだろう。こちらが声を弾ませていれば恥ずかしくなったのか頬をつつかれる。もっともなことではあるが一旦たまごサンドを皿に置くと真っ直ぐに相手を見て作ってくれた感謝を伝え、頬に触れる相手の手を取るとその甲にキスを落とした。無邪気な笑みを見せながら手を離すと相手の言われた通りに食事を再開する。あっという間に半分を食べ切ってもう半分も手に取る。愛情のこもったたまごサンドを口にしながら「今日は何しようか」と今後の予定を尋ねて)
ん?……な、………ど、ういたしまして……
(普段は口にしないような言葉も二人だけの空間でくっついてひとつの気も張っていない状態では恥ずかしいながらも口にできてしまう。相手はなんとも上機嫌だが場の空気を変えるために食べるのに戻るよう誘導しておいた。それだというのに相手はたまごサンドを皿へと置いていて意図が掴めず不思議そうな顔で相手を眺める。直後真っ直ぐの目線と共に真っ直ぐに感謝を伝えられると先程の流れもあって照れ臭そうに笑みを浮かべた。こちらから返事をしようとするが、その前に頬をつついていた手を取られてまた意図が分からず間の抜けた顔を浮かべる。こちらの手は相手の口元に引き寄せられて手の甲にキスが落とされる、いつかの夢の国でされたのと同じようにまるで王子様がするような所作に思わず声が詰まって頬が赤く染まってしまった。だがここで狼狽えていては本当にただのお姫様になってしまう、なんとか平常心を保って返事をしようとするも結局はすんなりと言葉が出てこずに動揺を隠す事は出来なかった。相手が何かに言及する前に再びたまごサンドを手にして口にする、未だに胸は変に跳ねたままだがその中で相手から今後の予定を聞かれた。口の中のものを咀嚼しながら行先の候補を考えるも、結局はひとつの答えにしかたどり着かない。朝食をたまごサンドにした時点で答えは決まっているようなもので、僅かに相手の方に擦り寄ると「今日はこのまま……家でお前と過ごしたい」と呟くように言えばちらりと相手の方を見て)
…なら今日はおこもり決定だ。確かこういうのをお家デートと言うんだったね。
(相手に感謝を伝えてその気持ちを表すためにも手の甲にキスを落として見せればみるみるとその頬が赤く染まっていく。距離感や手軽さを考えれば普通の口付けの方が特別な意味を持つがあまりする事が無くて見せつけるような仕草である分効果抜群だったようだ。どうにか言葉を紡ごうとしているがあからさまに動揺していて相手を乱せたことに楽しそうな笑みを見せる。ご機嫌なまま特別なたまごサンドを再び味わいながらもこれからの予定を尋ねる。相手は何か考えていたようだが相手が擦り寄ってきてこちらが考えていた事と同じ答えが返されると自然に笑みが浮かんで賛同を示す。この空間を崩したくないという理由でたまごサンドをリクエストしたのだからある意味当然の選択ではあるのだが丸一日外に出ないというのも珍しい機会だ。デートプランを組み立てる時に見かけたワードみたいだと無邪気に口にしながら最後の一口を食べ切り「ご馳走様でした」と手を合わせるとこちらからも改めて相手に腕を回して抱き着いて)
まぁ間違ってねぇな。これもデートってことで
(互いの色の寝巻きに身を包んで目も当てられない髪の毛のままなんてことのない時間を過ごしている。ここから髪を整え外行きの服に着替える選択肢だってあるのだが、ずっとこうやってくっついているのが今は心底心地好くて、外へ出ればくっついていられないという思考が過ぎればもう答えは決まってしまった。こちらの答えに相手は笑みを浮かべている、相手も同じくこの空間を崩したくないとまだ願ってくれているのが分かれば心はまたふわりと暖かくなった。だいたいパトロールも兼ねて休みの日も外へ出るもので家で一日過ごすのは珍しい、それもデートだと相手が称すれば思わず笑ってしまう。一緒に住んでいるのだから家に二人でいるのはある意味当たり前の光景だが、選んで家に籠るなら確かにそれもデートと言えるのかもしれない。こちらも最後の一口を食べて手を合わせる、相手の方を見ればこちらへ近づいてくるのが見えて自然とこちらからも腕を回して互いに抱き合うようになった。柔らかな体温を感じ堪能するようにゆっくりと呼吸する、だが椅子に座ったままではくっつける面積には限界があった。相手の体温に触れていれば願望はすんなりと口からでるようになっていて、互いの頬をピタリとつけると「フィリップ、ベッドでもっとお前の近くにいたい…」と自らの願いを伝えて)
んー…、じゃあベッドに戻ろうか。
(この状況もデートみたいだと告れば相手が笑って同意がされる。普段ならばさっさと終わらせてしまう朝食までの時間も今日は贅沢にのんびり過ごしていてこれからも何か急ぐ必要はない。心もお腹も満たされた状態で相手に抱きつくと当然のように受け入れられて相手からも腕が回される。何だか今日はずっとひっついている気がするがこれも外に出ないで二人だけの家で過ごす特権と言えるだろう。食後の幸福感に満たされて相手の温かさを感じていれば相手と頬がぴたりと合って至近距離のままお願いがされる。それはこちらも望むことであって目を細めて笑みを見せると賛成の返事を返しては最後にぎゅっと抱き締めてから一旦腕を解いた。お皿とマグカップをキッチンに運んできてから相手の手を取ると早速移動する。一時間ぶりぐらいにベッドの上に戻ってくると相手も横に招いて向かい合う。窓から差し込む太陽は既にそこそこ高い位置にあってこの時間に家にいるのも珍しい。加えて食後にベッドに戻ることも最初の頃に牛になるとかどうたらで怒られた行動であれば「食べてすぐベッドに戻るなんて何だか少し悪い事をしてる気分だ」と悪戯っぽく話しながらいつもはうるさく言いつける側の相手の頬を軽く撫でて)
今日はお家デートなんだろ?なら、したい事する分には問題ねぇ
(接触面積を増やすために頬をくっ付けてこちらの願いを伝えれば、くっついていた頬があがる感覚が伝わってきてこちらも同じくそこをあげる。当然返ってきた答えはイエスだ、こちらからも強く抱き締めてから一度体が離れる。朝からずっとくっ付くようにして動いているせいかこうやって一時離れるだけでもなんとも寂しい気分になってしまう。椅子を元の位置に戻し終えると相手が戻ってきてベッドまでの僅かな距離さえ手を繋いで移動する。今は少しでも相手の体温に触れていたい。相手の隣に体を横たえると悪戯っぽく笑いながら相手がこちらの頬を撫でる、それに擦り寄りながら確かにそうやって小言を言った覚えがあって軽く笑った。さらに体を近づけ相手の背中に手を回すと視界いっぱいに相手を収める、事務所では食べてすぐ寝るなんて許されないが今は二人だけの空間でなんたってデートの時間なのだ。それならば互いの望みを叶えるのは悪いことではないはず、そんな言い訳を口にしながらゆっくりと相手の背中を撫でていた。今日は相手の体温が一段と胸に温かさと安堵とをもたらして離れ難い、相手との時間が何よりも愛おしい。いつだって忙しなく煌めく瞳を見つめつつ「またお前とどっかに出かけてぇな」と胸に浮かんだままの願望をまた口にしていて)
確かにそうだね。…、何処に行こうか。そろそろ夏も近いから前に言っていたプールにも行ってみたいし、またアキちゃんにお休みを貰って旅行っていうのも良いね
(またベットに戻ってきて以前言っていた小言に触れると相手が軽く笑う。いつもなら怒られる所だが今日はその本人が望んでいるのだから問題ないだろう。二人でベットに転がっていれば相手から背中に腕が回されて更に距離が近づく。その状態で背中が撫でられるとふわふわと居心地が良くて自然に柔らかな笑みが浮かぶ。こちらからも緩く腕を回して至福の息をついていれば相手と目があって願望が告げられる。不意な言葉に少し驚くもそこに込められた思いを受け取ると胸に温かさが満ちて腕に軽く力を込めると早速前向きな返事をする。今日は一日ひきこもることを選んだが行ってみたい所は幾つもある。以前夏の匂いを探しに出かけた時に見たプールという施設も気になるし、この時期ならではのことがしたい。またこの街と温泉街以外の世界も見てみたいし何より二日間相手を独占したい気持ちもある。楽しそうに候補をあげていきながら「君は何処か行きたい所はあるかい?」と尋ねて)
そういやまだプール行ったことなかったな。……この前ジンさんにキャンプ勧められてな、お前と行きてぇと思ってたんだ
(ただただ相手の事を考えて感じるこの時間が愛おしくてより二人だけの時間を拡張するために出掛けることを提案してみれば、相手は唐突な話題に驚きはしたもののすぐに好意的な返事が返ってきて腕に力が籠るのを感じると胸が暖かく満たされ柔らかく笑みを浮かべる。次のデートの行き先を決めるのだってお家デートの醍醐味のひとつだろう。最初に出てきたのはプールで開園前を見て以降行っていないのを思い起こす、こういう季節ものは機を逃すとあっという間にいけなくなってしまうもので、今年はしっかり予定を覚えておかなければと脳に刻みつけておいた。次いで相手が望んだのは旅行でまた笑みが深まっていく。こちらが望む相手だけを考える時間を最も確保できるのが旅行だ、加えて相手と初めてを共有できることも多くいつでも思い出深くなるのだから旅行には何度だって二人で行きたい。こちらの行きたい所を問われればその旅行に準じた行き先、キャンプを候補にあげた。ジンさんは随分本格的なことをしているようだが今は手軽にキャンプを楽しめる場所もあると説明を受けていて、相手の頬に手を添えて親指の腹でゆっくりとそこを撫でながら「森の中で二人っきりで過ごすのも良いと思わないか?」と期待を込めつつ問いかけて)
夏の醍醐味のようだからね。…へぇ、刃.野.刑.事がキャンプ。ああ、街から離れて自然の中で君と過ごすのも楽しそうだ
(誰にも邪魔されない穏やかな状態で次の余暇の相談をする。あの日嗅いだ塩素の混じった香りはまだ夏とイマイチ結びついていないが相手と過ごしてみれば新しい記憶として頭に残るだろう。更に旅行の案も出せば相手が嬉しそうにするのが分かって胸が満たされる。まだ単なる案を出す段階なのにその様子を想像して楽しみになるのだって相手との予定だからだろう。続けて相手に行き場所を問えば意外な情報が転がってくる。刃.野.刑事がキャンプとは少し意外な気もしたが確かに自然の中で寛ぐ姿は似合うように思う。関心を持った声をあげていれば相手の親指が頬を撫でる。居心地の良さを覚えながら一緒にキャンプをすることを誘われると目を期待と好奇心で輝かせながら元気に賛同の意思を伝えた。冬の温泉街でもぽつんと離れた一棟で過ごしたがより自然の中で過ごすことになるのは楽しみだ。以前ラジオで話題になっていたのを思い出すと「確かバーベキューというものをするのだろう?」とこちらは軽く足を絡ませながら話題を振って)
だろ?…あぁ。自分達でテント立てて外でバーベキューして、夜は焚き火したりしてな
(未来の予定を話しているだけで相手の声は弾んでいたが、ジンさんから勧められた行き先を伝えれば相手の瞳はより一層期待と好奇心とで輝き出して予想以上の反応に口元が締まりなく緩んでしまう。当然好意的な反応が返ってくれば頬を撫でる指を止めることは出来なかった。相手の知識の中にはキャンプに関する事も多少あるようで、互いの足が絡まって体温を共有して浮遊感の伴った幸せに浸りつつ頷き返す。アウトドアだからこそできることは山ほどあってジンさんから聞き齧った知識を順番に上げていく。最初こそジンさんに勧められたからとあげた場所だったが、こうやって相手と話しているうちにどんどんイメージは膨らんでこちらの胸にも期待が募っていった。そこでふとジンさんがキャンプを勧めていた時に外で飲む昆布茶が最高だったと呟いていたことを思い出す、相手の体温に包まれ今日特別なものを飲んだ身ではそこから連想されるものはひとつしかない。先程したのと同じように互いの額をくっつけて目を閉じる、軽くグリグリとそこに擦り寄りながら「キャンプ行った時に、外でお前のコーヒーが飲みてぇな」とまだ未確定の予定にも関わらずひとつ願望を伝えて)
テント、バーベキュー、焚き火……普段は出来ない事ばかりだ!…なら、それまでに外での美味しいコーヒーのいれ方を調べておこう
(相手に頬を撫でられながら未来の予定を話し合う。キャンプについてはラジオなどで何となく雰囲気は知っているが相手からあげられる単語のどれもが興味惹かれるもので同じ言葉を口にしながら目は輝きを増していく。囲炉裏での焚き火でも心穏やかに癒されたのだから屋外の自然の中ならば尚更効果がありそうだ。普段の生活では体験出来ないイベントに胸を躍らせていると相手の顔が更に近づいて額がくっついて相手の顔が視界を占領する。その状態でぐりぐりと擦り寄ってそんな非日常な空間でも自分の入れたコーヒーを強請られるとぎゅっと胸が掴まれて口元も緩んで仕方ない。屋外では制限もあるが相手が望むのならその為の調査や準備をしておくと宣言して、溢れた愛おしさのまま唇を重ねた。ゆっくりと離れると「楽しみにしててくれ」と既定事項のように告げてから緩く後頭部を撫でて)
トピック検索 |