検索 2022-07-09 20:46:55 |
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あぁ、お前が今日感じた不安を忘れさせるくらいには甘やかしてやるよ。よし、ならまずはスーパーだな
(戯れるように、あるいはこの気持ちが少しでも伝わるように、こめかみにキスを落とせば相手から強く抱き締められて、さらに体が近づく分幸せが胸へと募る。大切なものを愛でるように頭を撫でて甘やかす宣言を冗談めかして言えば相手の口角があがって悪戯な笑みが浮かぶ、どうやら今の発言を冗談ですませてはくれないらしい。言質を取ったと言わんばかりに確認の問いが飛んでくるが相手が心底安心できるように甘やかしてやりたいとこちらも思っていて、つまりはこちらとしても何の不都合もない。頭を撫でる手は止めず甘んじて相手が囲った逃げ道のない場所へと自ら踏み入れると、ひとつめのワガママを聞き届け笑みを零す。相手が初めて家に来た時に作った料理だ、今日はより一層気合いを入れて作る必要があるだろう。そろそろ事務所を閉める時刻でタイミング的にも今日は店じまいだ、相手のワガママを叶えるため最初の行き先を決めればもう一度口付けを送ってからそっと体を離した。そのまま相手の手を取るとガレージを出て事務所スペースへと移動していき)
(/どこまで幼馴染の味方をするかめちゃくちゃ悩んだのですが、結果的に良い半熟の塩梅になって良かったです!
それではせっかくこんなに良い雰囲気ですし、このまま続けてしまいましょう!より一層絆が深まったあとの二人だけの時間楽しめれば幸いです。それでは今回もよろしくお願いします。/こちら蹴りで大丈夫です!)
それは楽しみだ。 …今日はこっちを通っても良いかい?
(きらりと目を輝かせて言質を取ったとばかりの笑みで一つ目のリクエストをすれば相手から頭を撫でられながら優しい笑みが返される。炒飯は相手が初めて作ってくれた料理で今日も自分の為だけに作ってくれるなら美味しいに違いない。くすくす笑って期待を口にしていると材料を買うための目的地が告げられてもう一度口付けが送られる。相手の体が離れて少し寂しく思うも手を取られる特別対応にふにゃりと口元が緩んでご機嫌にその後ろを着いていく。事務所に戻って簡単な後片付けだけ済ませると金具からハットを取って相手の頭に被せる。そのまま事務所を後にするが当然そこは外で人目がある場所だ。だが今はこの繋いだ手までは離したくなくてルート的には遠回りになるものの人気の少ない裏路地のルートが思い当たるとそちらを指さして相手にお願いして)
ありがとよ。……あぁ、もちろんいいぜ。甘やかすって約束だからな
(ガレージから事務所スペースへあがるだけなのにその間も相手から離れたくなくて手を繋いだまま歩く、相手はそれにご満悦なのか緩い笑みを浮かべていてそれだけでこちらの心も華やかになるというものだ。事務所を軽く片付けた後相手からハットを頭に乗せられる、自分には欠かせないものが相手によって添えられて、これだって相手にしか許されない特別な行為だ。事務所を後にし外へ出る、いつもならばここから先で手を繋ぐ事は出来ない。だが相手から裏路地を通りたいとお願いされるとその意図を察して口角があがる。これからは相手を甘やかす時間だ、相手の願いを叶えるなんて基本中の基本だろう。繋がった手をぎゅっと握りなおして路地裏へと入っていく。そのまま人が通らない道だけでスーパーへ行けるように脳内に地図を思い浮かべ手を繋いだまま歩みを進めた。せっかく遠回りするのならばと「炒飯作るならちょっとアレンジでもしてみるか。ガッツリ濃い味にするかいつもと違う食材使って食感足してみるか」と夕飯のレシピの相談を始めて)
やった、じゃあ行こう。 アレンジか…ならこの前紹介されていたエビチャーハンはどうだい? エビなんて普段あまり食べる事無いからちょっと特別感があるし
(普段とは違う裏路地の方を通るように提案すれば相手にはその意図が伝わったのか口角があがって承諾の返事がされる。暖かな手は離れることなくぎゅっと握り直されるとぱっと表情を明るくして素直に喜びを示すとこちらからも手を握り返して路地に入っていく。何処を曲がればスーパーに繋がるかは分かっていないがそこは相棒に任せていればバッチリだろう。ご機嫌のまま歩いていれば相手から夕飯の相談がされる。相手が作ったものなら何でも良いつもりだったがせっかくなら前回とは違うものが良いかもしれない。何にするか悩んでいれば先日ラジオで紹介されていた郊外にある中華料理屋のメニューであるエビを使ったチャーハンが思い出されて好奇心のままそれをリクエストする。普段の食事は何かと肉に寄りがちで海鮮が出てくるのは珍しい。その中でもエビはココ最近食べた記憶が無く何となく豪華で特別な印象がある。色々あった今日だからこそつかの間の贅沢も良いだろうと弾んだ声で提案と理由を語ると相手の方に視線向け反応を伺って)
お、いいな!エビなんて滅多に食わねぇし、何よりお前が食いてぇならそれで決定だ
(二人で手を繋いだまま人気のない路地裏を歩いていく、いつものルートよりもそこそこ遠回りだがこの手を繋いだままでいられるならそれも苦ではない。何より今は相手の温かな手をなるべく長く握っていたかった。相手のリクエストである炒飯にさらに手を加えようと提案すればエビを足すことが提案される。普段は値段重視だが依頼をひとつ解決したこと、それに相手をとびきり甘やかす特別な日であることを思えば特別な食材を選ぶべきだろう。そもそも相手にリクエストされた時点で今日はそれを覆すことなんて出来ないのだ。快諾の返事をしてさらに進めば遠回りしたというのにそろそろスーパーにつく頃合だ。次の角をまがれば元の大きな道に戻って人出も多い。少々名残惜しくはあるが再び相手の手を強く握ると「またあとでな」と言葉を添えてそっとその手を離して)
じゃあ今日は翔太郎特製エビチャーハンだ。…ああ、さっさと買い物を済ませてしまおう
(相手の手を握りながらチャーハンのアレンジとしてエビをリクエストすれば前向きな返事がされる。普段食べることがあまりない食材で何より【自分が食べたいから】を尊重してくれる相手の姿勢に口角が上がる。彼女に対する相手の甘さに一時は嫌気が刺したが今自分だけに注がれている特段な甘さは胸を幸せで満たして無意識に手に力がこもる。楽しみの度合いが更に増して路地を進んでいたが道順からしてそろそろスーパーが近いはずだ。角を曲がる前に強く握られて離すことを予告されるが今はこの後にもまた二人きりになれる事を知っている。名残惜しい気持ちもあるが緩い笑みで買い物をすることを持ちかけると角を曲がって大きな通りに入り目的地であるスーパーに向かった。カゴを持って入店すると早速今回のメイン食材であるエビを買おうと海鮮コーナーに弾む足取りで向かう。魚や貝などパック詰めされた物が並ぶ中、狙いのエビを見つけるが立派な殻付きなものから調理済みの物まで種類が幾つかある。ラジオで説明を聞いた限りではどれを使うのか分からずプリプリな食感という表現から身が厚いことを推測すれば【特別入荷】と書かれた伊勢海老のパックを手に取り「翔太郎、エビってこれかい?」と得意げな顔で相手に見せて)
まずはメインのエビだ、な……ンな高ぇもん買えるわけねぇだろ!
(スーパーが近づき互いの手が離れる、だが少し名残惜しくともこの後の時間も二人きりの時間なのだと分かっていれば幸せが途絶えることはない。何より今から二人の特別な夕飯の買い物をするのだ。スーパーへやって来ると早速今日のメインであるエビを手に入れるために魚介のコーナーへと進む。相手の足取りはどこか浮き足立っている、きちんと食べた事のないエビという食材に興味津々なのだろう。その様子を微笑ましく見つめながらエビが並べられた場所へとやってくる。いつもは選んだとしても冷凍品だが今日は特別なのだから生鮮品だ。どれにすべきかと選び始めたところで真っ先に相手がパックを手にする、何かお気に入りでも見つけたのかと思ってそちらを見れば、そこにはエビはエビでも特大のエビが収められていて一瞬言葉を失った。すぐさまツッコミを入れるもハッと目を開く。好奇心が高まり相手を甘やかすと宣言している以上、高いからダメという理由だけでは特別な日だから買いたい、と返されてしまう可能性がある。ギリギリの生活を送っているわけではないが流石に伊勢海老は一食分にしては費用が重すぎる。軽く咳払いしてから相手の肩に手を置くと「フィリップ、それはエビっちゃエビだが素材の味を楽しむタイプのもんだ。俺らが作ろうとしてる炒飯みてぇな濃い味のなかに入れんのは不向きでな、買うならこっちだ」と伊勢海老から気を逸らしつつ剥かれた状態のものを手に取って相手へと見せて)
これじゃ無いのかい?…なるほど、こっちの方が炒飯に適しているならこちらにしよう。
(メインを張る食材ならば大きく目を引くものだろうと一番立派な海老を手に取って得意げに相手を見せる。好奇心が高まった状態では当然そこに書いてある値段など見ていない。だがそのパックを見た相手からは大声でツッコミが入って目を丸くする。言われてから見てみれば確かにそこそこ値が張っている価格だ。これでは無いのかと不安げに相手を見ていれば肩に手を置かれエビについての説明がされる。どうやらこの大きなエビは素材を味わう料理に使うらしく今回の炒飯には不向きらしい。それが誘導する為の説明とは気付かずに素直に納得すると伊勢海老の方は売り場に戻して相手が選んだむきエビの方をカゴに入れる。これでひとまずメインの材料は確保することが出来た。以前の炒飯の材料である卵などはまだ家にあったはずで「あと何か必要なものはあるかい?」と相手に問いかけて)
よし…卵はあるし、あとはレタスだな。他に買っとくのあるか?
(なんとか誘導に成功し伊勢海老を回避すると胸を撫で下ろす。特別な日だと銘打った手前、相手がどうしてもこれがいいと言い始めればきっと断りきるのは困難だっただろう。普段においても相手に強く強請られれば断りきれないことは棚に上げておいて無事に剥き身のエビをカゴへといれた。だがこれだって大ぶりで普段なら買わないもの、十分特別な日の食材になるだろう。他に必要なものを問われ冷蔵庫の中身を思い出しつつ返事をする、食感をプラスするため野菜のコーナーへ行きレタスをカゴの中へと入れた。これで炒飯の準備はバッチリだろう。他に買うものがないか相手へ問う、今日が特別な日ならばと小さく笑みを浮かべ「今日なら好きなもん買ってやれるぞ」とつい唆すような甘い言葉を付け加え)
他に好きな物…ならずっと気になっていた物があるんだ。
(食卓にあがるには珍しいエビがカゴに入ると一緒に入れる組み合わせとしてレタスが候補に上がって野菜コーナーに向かう。この前食べた炒飯も十分美味しかったか異なる食感の二つの具材が入ればまた違った味わいになりそうで今から楽しみだ。これで炒飯に関しては準備万端だが他に希望が無いか問われ唆すような甘い言葉が続くと少し悩んだ後、一つ良い案が浮かぶと声を弾ませて告げ移動を開始する。たどり着いたのは冷凍コーナーの一角、個包装のアイスが多く並ぶ中冷凍庫の引き戸を引いて取り出したのは少しお高めのバニラアイスだ。それもちゃっかり今日だけでは食べきれないような大容量の物を選ぶと「これなら毎日冷たくて甘いアイスが食べ放題だ」と無邪気な笑みと共に相手に見せて)
お前……何日かけて食う気だよ。ま、聞いといて買わねぇってのはナシだからな
(相手に今日は特別に買い物のハードルが低い事を伝えて欲しいものがないか聞いてみれば、思い当たるものがあったようで声を弾ませながら移動を始める。後ろをついていきたどり着いたのはアイスのコーナーだ。その中から相手はバニラアイスを選び出す、よくある個包装のものではなくしっかりと濃い味のするいわゆるちょっといいアイスだ。しかも手にしているのは大容量のものでどうやら数日はこのバニラアイスを楽しむ気でいるらしい。欲望を満たすのに十分なそれに思わず突っ込んでしまうも素直なチョイスには笑ってしまってもいて、大きめの容器をカゴへと入れた。アイスを選んだ以上は早めに帰らなければならない。そのままレジへと向かうと会計をすませて袋詰めを行う。袋を手にすると「お前の機嫌取るときはバニラアイス買うのが良さそうだな」と袋のなかでも堂々たる存在感を放つ容器をちらりと見てから言い)
疲れた時の糖分が補給出来てこれから暑くなってきても食べやすい、冷凍保存するから消費期限もそこまで気にしなくて良いしバニラアイスなら君も一緒に食べられるだろう? あくまで合理的な判断の上だ。 …それは聴き捨てならないな、僕は食べ物で釣られたりしないよ。
(相手に自分が今欲しい取っておきの物を見せるとツッコミが入って笑いを零される。これだけでは単に自分が好きな物を沢山食べたい子供のように思われていそうでアイスをカゴに入れてからコレを選んだ理由を幾つも並べて理論的に考えた上であることを饒舌に説明する。甘い物が食べたい気分だったというのも大きいが依頼などで疲れて帰ってきた時に相手と一緒に食べられる保存の効く物を家に置いておきたいとなれば自然とアイスに絞られたのだ。その態度こそ好んでいる証拠でもあるのだがそれに気付かないままレジを通して会計を済ませた。袋詰めをすれば今日買った炒飯の具材よりも存在感の大きいバニラアイスに無意識にニコニコしていたが相手に今後の事を触れられるとむすっと表情を変える。自分はそんなにチョロくないと主張しながら袋を持つとスーパーを後にして帰り道を歩き始めつつ「君はオムライスとあの店のシュークリームで機嫌が取れそうだけど」とくすくす笑って)
そりゃ残念だ。なら次にそのアイス買うのはだいぶ先になりそうだな。…な、……そりゃ気分を切り替えるきっかけにはなるだろうけどな、それだけで機嫌よくはならねぇよ!
(相手は大容量のバニラアイスを選んだ理由をつらつらと述べる、いかに合理的であるかを述べる中にこちらが食べる分も入っている事に心が温まりつつ、ひとつのバニラアイスに対してこれだけの利点を上げられる時点で十分バニラアイスがお気に入りなのだという点は指摘しないでおいた。それならばご機嫌取りに使えると思ったのだが今度は相手の顔は不満気なものになりそんなに安くないのだと返事が返ってくる。その表情の変わりようにまた心擽られつつ、その用途に使えないのなら暗に今日だけの特別で次買う機会はそうはないと大袈裟な手振りで返事をする。とは言うもののこれだけ気に入っているのなら相手はバニラアイスが好きだと覚えておいて損はなさそうだ。そんなことを思いつつ帰り道を歩き始めたところでこちらが釣られそうな食べ物が並べられ言葉を詰まらせる、正直その二つが並べられて機嫌が直る様は容易に想像ができた。とはいえそのラインナップは子供っぽく、あくまでもキッカケにしかならないと言い訳を叫ぶも結局は半分認めているようなものだろう。してやられた空気に「シュークリームはお前も好きだろ」と苦しい反撃をするしかなくて)
う、まあそうだね…。この前僕が作った時はあんなに喜んでいたじゃないか。 あのお店のシュークリームは絶品だからね
(あくまで合理的な判断であってそれがあるだけでは機嫌が揺さぶられたりしないと主張すれば大袈裟な手振りで次が遠い事を宣言されると視線が泳ぐ。一人用の物ならともかくこのサイズは相手の財布の紐を考えたらそうそう買って貰えない物だ。だが反対すれば自分の意見を翻すことにも繋がり曖昧な口調で返事をするしか無かった。だがそう意味ではあくまでも同じことでお気に入りの二つをあげてやれば言葉を詰まらせた。少し間が空いて反論がされるが気分が切り替わるきっかけという点は否定しないようで自信たっぷりに以前オムライスを作ってあげた時のことを引き合いに出しながら揶揄うような目を向ける。シュークリームの件に関してはあっさり認めて絶品だと称する。こうして考えてみると気に入っている物は甘い物が多い。甘党という訳では無いはずだが経緯を考えればどれもハードボイルドを気取っている相手が折れて甘やかしてくれたりご褒美として買ってくれたりする物が多くそういう背景を込みで食べたくなるのかもしれない。そんな平和な会話をしていればあっという間に家にたどり着いて鍵とドアを開けると「ただいま」と言いながら中に入って)
あれは、そりゃ…お前が作ったってのもあるし……ただいま
(相手に出会う以前は明確にオムライスが好物だと自覚したことはなかったが、体が小さくなった時に心惹かれ、相手がエスコートしてくれたデートでも食べ、極めつけに疲労でダウンした時に相手が作ってくれたこともありすっかり好物となってしまっている。オムライスがあれば気分が上向きになるよう体にインプットされたとも言えるわけで、そんな状態で相手の言葉を否定することはできない。それにあの日作ってくれたオムライスの効能を否定することなどできず、ぶつぶつと小さく言い訳を口にしていた。深く追求されるまえに帰宅の挨拶をしてしまい有耶無耶にすると買い物袋をキッチンへと置いて、リビングに移動しハットとジャケットを仕舞う。帰宅したならば早速特別な夕飯作りの開始だ。相手に向かってニヤリと笑うと「さて、早速晩メシ作り始めるか」と腕を捲りあげ、キッチンへと向かう準備を整える。しかしそこでふと今日は特別に甘やかすと約束したのを思い出せばふらりと相手の傍へと近づいて、なんの前置きも無しに後頭部へと手をやる。そのまま何も言わずに唇を軽く重ねる、ゆっくりと顔を離すと改めて「おかえり」と目線を交えて言い)
(/背後から失礼します。本日はなかなかお返事できずにすみません…先程のレスに付け忘れてしまったのですが、明日も背後事情によりいつも通りお返事するのが困難でして、次にお返事できるのは下手すると明日の夜になるかもしれません。時間確保できればお返事させていただきます。お待たせしてしまい申し訳ありませんが、お待ちいただければ幸いです。よろしくお願いします!/こちら蹴りで大丈夫です!)
サイズギリギリだ。ああ、宜しく頼む。…な、に、……ただいま、翔太郎。
(何やら小さく言い訳のような物を並べているがそれだって自分が作れば機嫌を直すほどのお気に入りということを示していて自然に口元が緩む。また何かあったら、何かなくとも相手がリクエストしてくれたら作ってあげようと心に決めながら帰宅を果たした。相手がハットなどを仕舞う内にキッチンに置かれた買い物袋からアイスを取り出して冷蔵庫に入れる。小さめの冷凍室のスペースをかなり取ることになったが暫くは自分の物が相手の冷蔵庫を占拠することにちょっとした喜びを感じていた。こちらに戻ってきた相手がにやりと笑って夕食づくりに意気込んでいる姿を見れば期待を寄せて隣で調理風景を見ていようとする。だが相手は台所に向かうのではなく傍に寄ってきて何も言わずに後頭部に手を添えられる。急な行動に目を丸くして固まっているとそのまま顔が近づいて唇が重なった。ゆっくりと離れていって漸く状況が掴めると薄ら顔を赤くして視線を揺らしつつ相手の瞳に戻して応対する言葉を返した。些細な挨拶さえ今日は特別仕様となれば嬉しいのと同時に何だかくすぐったい。それを誤魔化すように袋からむきえびとレタスを取ってくると台所に並べて「こっちにも愛情のトッピングが期待できそうだ」なんて冗談交じりに告げて)
(/ご連絡ありがとうございます。レス速度についてはお気になさらず、今日についても把握致しました。何よりリアルが第一ですので忙しかったりお疲れだったら無理に今日中に返さずとも余裕があるときに返信頂けると幸いです。探偵様とやり取りしている事自体がとても楽しいので過去のやり取りを見返したりしながらゆっくりお待ちしております。/こちら蹴りでお願いします)
任せとけ、愛情たっぷりで作ってやるよ
(気を取り直しながらハットやらを仕舞っていれば相手の方からは冷凍庫をあけて何やらゴソゴソとする音が聞こえる。相手の呟きを聞くにどうやら冷凍庫の大半はあの大容量アイスで埋まってしまったらしい。冷凍庫に鎮座するアイスを想像すれば思わず小さく笑ってしまった、しばらく冷凍食品は控えめのほうが良さそうだ。料理を始める前に不意打ちで甘い挨拶を送ってみれば、相手の顔が赤くなり思わず口角があがる。しかし恥ずかしそうに揺らぐ視線をなんとかこちらに合わせて挨拶を返すその姿はなんとも愛らしくて口元が緩んだ。空気を変えようと料理の準備を進める相手にこちらも冗談めかして返事をしながら相手の頭を軽く撫でてやる。いつまでも戯れていたいところだが相手のリクエストを叶えるのだって相手を甘やかす行為のひとつだ。今度こそキッチンへと立てばさっそくむきエビのパックを手に取る。封を開けるとまずは包丁で背中側に切込みを入れていく。一通り終われば爪楊枝を一本取り出して「エビを使う時は『背わたを取る』ってのが大事なんだ」と調理風景を見つめる相手に解説しつつ、エビをひとつ手にとると爪楊枝を使って実演してみせて)
…、ん。 背わた…?へぇ、この黒いヤツだね。人間で言うはらわたみたいな物だろうか
(こちらの反応に相手は嬉しそうにしていて余計照れ臭さが増す。調子を取り戻そうと以前恥ずかしそうに言っていた愛情というワードを使って揶揄うつもりで言葉を告げたのに予想に反して乗り気な返事と共に頭を撫でられると嬉しさと羞恥は増して小さく頷くぐらいしか出来なかった。甘やかすように強請ったのはこちらなのに特段甘い対応に変に調子が狂う。幸い相手が調理に切り替えてくれれば軽く呼吸をしてからその横に並んでその様子を覗き込む。初めにするのはエビの準備のようで慣れた様子で背中に切込みが入れられて行く。それから爪楊枝を取り出して手順を説明してくれるが聞きなれないワードが出てきてますます相手の手元に注目する。相手がエビを手に取って丸まった背の少し内側に爪楊枝を刺してゆっくりと引き抜く。すると黒く細長い物が一緒に着いてきて興味深そうに声をあげて観察する。エビの構造と語感から腸のようなものだろうと推測を口にしつつ「僕も手伝うよ」と言って爪楊枝とエビを一つ手に取る。相手の真似をして爪楊枝を突き刺し引っ張ってみるが途中でちぎれてしまう。だが隣の節の所を浅く差し込んで引き抜いてみれば今度は綺麗に取ることが出来て「結構細かい作業だ…」と感想呟いて)
、……まぁ、間違ってねぇけど途端に物騒になるな……いい感じだ。これも料理にいれる愛情のひとつだな
(隣に立ってこちらを覗き込んでいる相手に今回のメイン食材であり調理工程で一番珍しいであろう背わたを取る作業を見せてやれば予想通り好奇心を宿した目で手元のエビをジッと観察している。子供のような食い入りように小さく笑みを浮かべていたが相手がそれを人間に例えると思わず息を詰まらせる。相手が言うことはなにも間違っていないのだが、人間で置き換えればはらわたを細長いもので、とまで考えてそれ以上は止めておいた。こちらが余計なことを考えている間に相手も爪楊枝を手に取って背わたを取り始める。途中でちぎれてしまったが取り除ければ問題はない、再度爪楊枝を差し入れ無事に背わたを取れるもその素直な感想には思わず笑ってしまう。背わたを取らずとも調理は出来てしまうがより美味しく食べるには必要な作業だ。美味しく食べるためのひと手間はまさに愛情という名の調味料だろう。冗談めかしてそんなことを言いつつ作業を進めていく。時折背わたが見つからなくて睨めっこしたり、なんども背わたがちぎれて声が出たりしつつ自分が持つ最後の分の処理が終わって)
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