検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…、……ンっ…ふ……ぁ………は、…ふぃりッ……
(舌先ごと唇を舐めあげると相手の口から吐息が漏れ出す、互いへの独占欲を隠さない中で恋人にしか許されない行為に反応を示す相手に幸福とは違うものが胸に侵食していく。こちらへと誘い込んだ相手の舌は口内へと侵入を果たすと隅々まで中を這い回る、こちらの呼吸を無視した行為に時折喉を震わせながら時折跳ねる水音に体を強ばらせた。ようやく互いの舌が絡むもその時点で口内はどちらのものとも分からない唾液で満たされていて、舌が控えめに動いても常に音が弾けていた。水音が聞こえてもより深みに嵌る心地を知っている体は止まることはなく、相手の動きが大きくなるのにつれてこちらも舌を絡ませ擦り合わせてそこを愛撫する。当然爆ぜる水音に気を使う余裕はなく、二人ぼっちならば気を使う必要もなくて、節操なく互いの舌を絡ませる音を部屋へと響かせていた。口が僅かに離れた折に唾液いっぱいの口で相手の名前を紡ごうとするがその前に再び唇が重なり深い愛情を意味するこのキスに没頭していく。息継ぎのタイミングもなく唾液が口いっぱいになれば僅かに唇を離して喉を鳴らして口内のものを飲み込む、既に息は荒くて腹からせり上る熱で頬は上気していた。暖かな布団の中、相手から向けられる感情をより強く感じたい。そう頭をよぎった時には至近距離にいる相手の瞳を見つめながら「お前の独占したいって気持ち、俺も欲しい」と強請る。既にはだけかけていた浴衣の襟に指をかけると、煩わしい布を引いて胸板を晒して)
……は、…ンっ……は、ぁ…、君が望むなら幾らでも、
(侵入した口内で好き勝手に舌を動かせば腕の中の相手の身体が強ばる。それを解すように後頭部を優しく撫でるが呼吸のタイミングを無視した深いキスはそのままでちぐはぐした愛を送り続けた。舌を絡み合わせていれば水音とお互いの呼吸音が響いてますます深みに落ちていく感覚がする。淫らな音を立てながら相手を強く感じる行為に夢中になっては自分の名前を呼ぶ声すら食らってしまう。やがて僅かに唇が離れていけば熱い息を零す。相手が溜まった唾液を飲み込む姿を見ればまたぞくりと興奮が背筋に走って同じく二人の物で濡れた自らの唇を舌で拭う。せり上った熱は布団のせいで外に逃げることはなく身体に蓄積していく。そんな状態で強請られながら自ら浴衣に手をかけ胸板を晒す扇情的な姿を見せられると瞳が熱に揺れて言葉を詰まらせた。そんな事を言われてしまえば止まる物も止まれなくなって欲の見え隠れする声色で応えると身体を動かして今度は自分が晒された胸板に顔を寄せる。独占の意味を込めた口付けを胸板に送るも一度だけでは消化しきれず何度もキスを振らせていく。素肌からは高まった熱も相手の匂いも感じられて脳内がくらくらと揺れる。浮かれた頭は欲のままリップ音を響かせるようになっていき、食むような仕草も交える。「翔太郎、」と名前を呼べば筋肉の筋に舌を這わせ上目遣いに相手の方に視線を向け見せつけるようになぞっていき)
…っ………ぁ、…ン……へへ、……ん、ッ!…あァッ!……ま、て…ふぃりっぷ…それ、やばい……
(唇を僅かに離せば相手は艷めく自らの唇を舌なめずりするように動かして、獲物を前にしたような仕草にゾクリと体が震える。そんな相手に愚かにも、しかし望むまま、胸板を晒すと相手の瞳はあからさまに揺れた。相手の脳内を熱で侵食したのを確信すれば共に堕ちて行く感覚には悦びさえ覚えて口には薄く半円を浮かべていた。熱を帯びた声色に腹の底にある熱をさらに焚き付けられた気がして、こちらの望みを叶えるというその言葉に熱い幸福の吐息を漏らす。そのまま相手の顔がこちらの胸板に近づく、そしてこちらの望むまま胸板にキスが降りてきた。独占を意味するその口付けは一度では終わらない、柔らかな唇が胸板に当たる度直接心臓に口付けられている気がして鼓動は否応なしに早くなっていく。口付けはさらにリップ音が加わり、食む動作が加わり、さらに独占の意味を色濃くしていくようで、そんな相手の独占欲を一身に受けているのが堪らなく嬉しくて、熱を持った体は上擦った声を漏らしながらこの熱に塗れた幸せな行為に子供っぽい笑い声を溢れさせていた。不意に名前を呼ばれて相手の方に目を向ける、その瞬間目の前に広がる光景に目を見開いた。相手は目線を交えながら唇の間からのぞく赤い舌でこちらの胸板をゆっくり舐め上げていく、守るものがない所への刺激に加えあまりにも妖艶な光景に背筋を反らせ大きく体を跳ねさせてしまった。当然声を我慢できるはずもなく甘く高い喘ぎ声を部屋中に響かせる。強すぎる刺激に瞳を揺らしながら相手へ訴えるようなことを言うも体は未だ細かに震えるほど次を期待していて、困惑したように眉をさげながら相手の背中に回していた手をぎゅっと握り)
、ン…、はぁ…何がヤバいんだい? …暑いから布団は要らないね、
(頭上から上擦った声と子供っぽい笑い声が聞こえてきてこの行為を喜んでくれているのが分かる。間近で感じる熱や鼓動が更に高まるとそれに当てられたように腹底の熱が煽られて思うがまま胸板に独占したい想いをぶつけていく。そんな行為も全て見て欲しくて名前を呼んでこちらに向かせると見せつけるように舌でなぞる。見開かれた瞳が欲に染まり喘ぎながらも大きく身体を跳ねさせる姿に無意識に口角があがった。吐き出した息は自分でもわかるほど熱くすぐ近くの相手の肌を掠めていく。甘い声でその刺激への訴えがされるも体は震え突き放す所か何かを求めるように背中の生地を握られる。そんな動作に腹奥の欲は掻き立てられるばかりでしらばくれるような口調をしながらリップ音と共に唇を離した。お互いの身体からは既に火傷しそうなほど熱く逆上せたように思考がまとまらない。それに布団でさえ相手の姿を見る邪魔はされたくないと思考が及べば剥ぎ取ってもう一方の布団の方に投げ捨ててしまう。同時に相手の身体を転がして上に乗っかるような体勢になって身動きを封じてしまう。すりすりと胸板に頬擦りをすれば「翔太郎、ちゃんと見てて」と宣言をしてから再び目を合わせながらゆっくりと胸板に舌を這わして)
ハ、…だから、それ……っ、……ぁ、フィリップ……ッ!、あッ、ん、ァっ
(徐々にキスが深くなり互いに染めあってゆっくりと熱に堕ちていくはずだったのに、先程のひと舐めで一気に劣情の坩堝へと叩き落とされてしまった。十分高まっていた体にあんなことをされては顔は真っ赤に染まっている。相手はこちらの反応に満足気に笑みを浮かべていて吐き出した息が胸板を掠めるとそのあまりの熱さに胸のうちがゾクゾクと疼いていた。こちらが困惑するまま声をかけても相手はしらばっくれてまた独占を意味するキスが施される、リップ音が鼓膜を揺らすと同時に脳内はクラクラと揺れるようだった。そのまま布団を剥ぎ取られれば、はだけた浴衣とそこからのぞく上気した体が晒されて横向きになっていた体は仰向けになり相手の下へと収まる。胸板に頬擦りされるとこれから先何が起こるのかは想像に難くない、あの刺激と光景が布団という目隠しがなくなった状態で襲い来る。為すすべのない状態では相手の名前を呼ぶことしかできず、強すぎる刺激の予感を前に思わず目を逸らした。しかし相手に名前を呼ばれオネダリをされれば熱に浮かされた体はどうしようもなく相手の言う通りに動いて相手と目線を交える。相手が顔を近づける、布団がなくなった分先程よりも赤い舌が鮮明に見えてそれが筋を這えばビクビクと体を震わせながら嬌声を吐き散らした。目に映る妖艶な動作がそのまま自分の弱い所に直接注ぎ込まれるような刺激に意識を超えて体が反応してしまう。経験のない強すぎる甘い刺激にある種の恐怖を覚えて目に薄らと膜が張るが相手から与えられる刺激はどうしたって嬉しくて幸福だ。あらゆる感情と劣情とでぐちゃぐちゃになった思考は荒い息を吐きながら「ふぃりっぷ…すきだ……」という単純な言葉しか吐き出せなくなっていて)
…っ、ん…ふふ、布団も無いのに熱いね、翔太郎。 …ん、僕も好きだよ、
(相手が逃げてしまわないように下に閉じ込めてこれからの行為を予告する。弱々しくも名前を呼ばれるとまた一つ支配欲が満たされ、言われた通りに目を合わせてくれる様に胸は高鳴った。視線すら捕まえて相手の弱い場所を舌でなぞるとその体は敏感に震えて甘い声が吐き出される。たったこれだけの仕草で相手が乱れているという事実が気分を高揚させて思わず小さく笑い声を零した。布団が無くなってもお互いの体に触れているせいで冬だとは思えないくらいに熱い。そのせいか普段に近い口調で話すつもりがその声色には熱が帯びてしまっている。そんな状態でたどたどしくも呼吸混じりに好意の言葉が聞こえてくるとまた激しく鼓動が脈打った。鎖骨辺りに到達した所で一旦熱に浮かされた顔をあげ、相手の言葉に応えるように好意の言葉と唇に触れるだけのキスを落とした。それだけでは消費出来ない想いを伝えるように今度は首筋に顔を近付け沢山のキスを降らせていき)
……、…っ、ァ……ふ、…ンッ……ふぃりっぷ……
(相手の舌が通った場所が未だ痺れているようで熱くさえ感じる。簡単に啼くようになった思考はすっかり熱に溶かされていて、相手の笑い声が聞こえればそれは互いにとって幸せな事だろうと頭は認識してふにゃりと締まりのない笑みを浮かべた。だがその言葉の中には確かに相手の熱を感じてこの胸を掻き乱せば縋るように添えていた手にまたグッと力が入った。こちらが突き落とされただけでなく相手も確実に劣情の中に堕ちている、その事実にどうしようもなく心は満たされていた。こちらが処理しきれなくなった気持ちの代わりに好意の言葉を口にすれば、同じ言葉と共に短いキスが降ってくる、意味は愛情だ。そのまま首筋へと口元は移動してそこに短いキスが幾つも降ってくる。意味を知らぬそのキスは既に熱い首へと絶えず降って、唇が触れる度に敏感になった体は小さく震えるがあれだけの刺激の後では到底もの足りなくなっていた。恐怖すら覚えた相手からの甘い刺激を欲している自分がいる。耐えきれなくなった体は縋るように強く抱きついて相手の耳元に口を寄せると「もっと…つよい独占のキスが欲しい…お前のもんだってキス…胸につけてほしい」と弱々しく呟いて)
……なんだい、っ…今日の翔太郎は甘えるのが上手だね…
(かなり好き勝手に想いを伝えているが相手はそれさえ嬉しそうに受け止めもっとと強請るように縋る手に力が籠るとますます劣情が煽られてしまう。応えるように再び愛情のキスを落としてから近くの首元に顔を埋め感情のまま口付けをする。確か首筋へのキスは執着だったはすで二人きりの空間にも関わらず自分の存在や想いを刻みつけたい今の心境にピッタリかもしれない。そうしていると呼吸と漏れ出る声の合間に名前を呼ばれて軽く顔をあげる。添えられた手を引き寄せられ相手が近付くと耳元で弱々しくも甘く更に強い刺激を望む声が注がれると劣情がかき乱されて熱い息が零れた。軽口を叩く余裕も徐々になくなって最後にリップ音を鳴らして首筋から離れるとお望み通り胸板の位置に戻る。心臓があるであろう位置に軽く手を添えると場所を予告するように優しくそこを撫でる。ちらりと相手を見上げ様子を見ながらも顔を寄せると同じ部位に短くキスを落とす。軽く舐めて濡らすとそのまま強く吸い付いた。満足がいった頃合に唇を離れば綺麗な痕として残り「僕のモノという証だ」と満足げに呟いて)
…は、…、……だって、きょうのお前は…おれをいっぱい甘やかしてくれて、…ぜんぶおれのなんだろ?……ッ…ふ、ァ……
(もっとと相手を求めて更なる甘い刺激を欲してそれを強請れば相手の特段熱い息が首筋を掠めて体がゾクリと震える。詰まった息を吐き出すと相手に負けないほどこちらの吐息も熱を持っていた。リップ音が鼓膜を揺らしクラクラと思考を揺さぶられながら拙い口調でそれに相反する独占欲を隠さない言葉を口にする。熱に塗れてしまった心は相手のことが欲しくて欲しくて堪らない、相手はまた胸板の位置へと戻ってキスを落とす場所を予告するようそこを撫でられると今から望みが叶えられるのに幸福を覚えて目を細め小さく笑った。同時に胸板にいる相手からはもう目を離せない体になっていて、そこへキスへ落とす姿がまるでスローモーションのようにゆっくりと見えて、眼の裏にその光景を焼き付ける。再びそこに赤い舌が這って上擦った声が漏れる、そのまま強く吸い付かれるのを感じると軽く身を捩るも甘んじて相手からの証を受け入れた。やがて相手の唇が離れる、満足気な顔を見れば心臓の位置に相手の所有痕がくっきり付いたのだろう。独占欲が最も強く現れた口付けに幸せそうな笑みを浮かべた。この宿に来てから二人でずっと互いのことしか考えない穏やかで幸せな時間を過ごしてきた。もうこの後のことを考える必要がないのなら、もっと相手に嵌って相手の熱に溶かされてしまいたい。その願いを今止めるものはなにもなく、胸板の傍で満足気にしている相手の頬に手を添えて視線を固定する。熱に浮かされもう相手しか見えない瞳を向けながら「もう、お前しか考えられないようにしてくれ」と最後のオネダリを口にし)
…ああ、甘やかすのもキスや証も全部君だけの物だ。っ…翔太郎、…愛してる
(自分が触れるだけで反応を示して幸せそうに笑うのを見れば心が満たされて幼くもあるその姿をもっと見たくなってしまう。強請られるままに胸板に唇を寄せて強く吸い付くと身を捩っていたが証が付いたことを告れば幸せそうな笑みが浮かぶ。先程言われた問いに思うがままを答える。こうやって相手が素直に甘えて乱れた姿を見せるのが自分だけであるように自分が一人に執着して愛でたり激しく心動かされて求めるのも相手だけだ。熱に浮かされた頭は二人だけの空間でお互いだけしか見えない深みに沈んでしまいたいと願っている。そんな意図を汲み取るように頬に熱い手が添えられると自然に相手の方を向く。とろりと熱に浮かされたような瞳で見つめられながら更に溶けてしまうことを望まれるとこちらの瞳も揺れて最後の理性も擦り切れていく。熱い息を吐いて名前を呼ぶ。もう余計な言葉を紡ぐ余裕はなくて押し寄せる感情に一番近い愛の言葉を告げるとはだけかけた相手の浴衣に手を掛ける。ゆっくりとありのままの姿にしながら言葉にならない分を伝えるように再び唇に口付け最後の深みに落ちていき)
(/いつもお世話になっております。そろそろ暗転かなと思いお声がけさせて頂きました。冬の温泉街一日目、やりたいこと盛り沢山でかなり長くなってしまいましたが新しいことをしつつ前回から変わったことを噛み締めるような出来事を色々出来てとても楽しくやり取りさせて貰いました。そしてなにより旅行先で素になった探偵くんの言動が終始ずっと可愛らしくて背後共々骨抜きにされながら甘やかせて頂きました…。ありがとうございました!
この後になりますが、事後でも翌朝でも好きな時間に飛ばして貰えたらと思います。二日目の予定も神社に行くしか決まってないので何かやりたいことなどもありましたらお聞かせくださいませ)
_____ん、……
(この世で二人ぼっちの空間で相手のことだけしか考えない幸福と決して他人に口外出来ない薄暗い感情とを熱が渦巻く最中でぶつけ合って事切れた夜、意識を手放す前に何とか浴衣を羽織って分厚い布団の中に潜り込んだところで意識を手放した。そこから何時間かが経過して意識が浮上する。体感的にはもうすっかり朝のようだが窓から差し込む光は薄い、今日も雪を降らす雲が空を覆っているのだろう。眠っている間も雪が降り続けたのか分厚い布団に包まれているはずなのに、そこから出ている顔の部分はしっかりと寒い。今日もよく冷え込んでいるようだ。隣へと目を向ければ愛しい恋人はまだ寝息を立てている、その温かさを求めるように相手へとにじり寄って回した腕の力を少し強めると顔を温めるために首元へと顔を埋めて)
(/暗転ありがとうございます。こちらこそ温泉街での食べ歩きから宿でしか出来ない特別な体験までやりたいことが多すぎてすっかり長くなってしまいましたが、終始二人の時間を楽しむことができてとても幸せな時間でした。風.都.から離れたからこそ探偵は検索くんにしか見せない姿でずっといられて、いつもより存分に甘やかして貰って背後共々幸せでした。ロルの中でも書きましたが終始二人で穏やかな時間を謳歌している感じがとても楽しかったです。今回もありがとうございました!
とりあえず上記は朝まで飛ばしておきました。こちらも二日目は神社にいって所長へのお土産買うくらいかなと思っておりましたのでその後はゆっくり風.都.に帰れればと!一日目と同じくやりたいことを詰め合わせていくように致しましょう!/こちら蹴り可です)
……、ん…
(相手のことだけを考えて昂った熱と愛おしい人との繋がりを感じる幸せな時間を過ごして気力を使い果たすとその身を抱きながら眠りについた。意識を手放す直前温かい物に包まれた記憶はあるがよく覚えていない。これ以上ないほど幸せと一日の疲れで意識は深く沈み込んで窓から薄い光が差し込んでもそれに気づく事はなかった。だが腕の中で何かが動く気配がして首元から下にかけて心地良い暖かさの物を感じると半分ほど意識は浮かび上がって無意識にそれを引き寄せて腕の中に閉じ込める。そのまま髪に顔を埋めると安心するような匂いがして心地良さに小さく声を洩らした。微睡みの中でうっすらと目を開くも辺りの暗さにいつもの感覚でまだ夜明けではないと錯覚すればまだこの時間に浸っていようと軽く擦り寄りながら目を閉じようとして)
……フィリップ……多分もう朝だ……
(温かさを求めて相手の首元に顔を埋めるとさらに引き寄せられて腕の中に閉じ込められてしまう。昨日の続きのように相手の体温に包み込まれてしまえばその心地良さを存分に味わった体は同じように体の力を抜いて小さく笑みを浮かべながら頬擦りをする。相手の鼻先がこちらの髪の中に埋まって擽ったい、だがそれも今はこの心地よさを助長するスパイスにしかならなくてふわふわと夢の続きのような心地を味わっていた。だがコタツの時と同じように再び寝てしまうのはマズイ、このままでは際限なく寝てしまってチェックアウトの時間すらすぎてしまいそうだ。しかし相手に抱かれるこの心地から抜け出すのは耐え難く、すっかり甘やかされて緩んだ体は駄々をこねるように動きそうにない。理性とわがままの間で揺れながら既に脱力しかけている相手にひとまず話しかけるもその場から動こうとはしなくて)
…しょうたろう?…仕事もないしまだいいだろう……、
(抱きしめた身体は外気に比べて暖かく頬擦りされると擽ったさに口元が緩む。心地良い微睡みの中では今が現実なのか夢の中なのかも分からずにこの幸せな気分に浸っていようと瞼を閉じて再び脱力しようとする。そんな中でこちらを呼ぶ声が聞こえてくれば緩慢な動きで顔をあげてそちらを向く。漸く相手と今の現状をぼんやりと認識出来た。あのまま眠ってしまって今は二日目の朝であるようだ。だがこの宿に来てダラダラする幸せや布団の外に比べて心地良い温もりを知ってしまえば普段の朝以上にここから動きたくなくなってしまう。いつもなら事務所に行くために起きなければと気持ちの切り替えをするが今日は休みでそれも起こらない。駄々をこねるようにこのままでいる理由を主張しながら額同士を合わせて抱きしめる力を強めた。暫くそうしていたが微睡んだ状態では理性もあやふやでぼんやりと相手を見つめると「…キスしてくれたら起きれるかもしれない、」と甘えたように言葉紡いで)
そりゃそうだけどな……目覚ましが必要ってことか
(相手もこちらも微睡みの中にはいて意識は覚醒しきっていない、このままでは二度寝まっしぐらといったところだ。こちらも体を動かそうとしないのと同じように相手からは起きる理由がないと駄々を捏ねられる、普段ならばそれを許さないのが自分の役目なのだが今日はどうにもその気がおきず曖昧な返事を返す。相手がこちらの体を引き寄せたのに合わせて顔を上げると額同士が合わさってより接触する面積が増えれば尚更起きるという選択肢が遠のいていく。どうしたものかと怠惰な自分を起こそうとしていると相手からオネダリがなされた。間近で紡がれたその言葉は寝起きなのも相まって甘えるような声色で微睡む意識の中でも胸が擽られるのが分かる。この幸福の空間の中で相手の願いを叶えないという選択肢はなく早速頬へと手を添える。しかし、ふと昨日の疑問が頭に浮かべば「…首へのキスってどういう意味なんだ?」と問いかけて)
あぁ、夢から覚める時のお決まりだろう?…首へのキスは執着心の現れだ。深い愛情に加えて自分の物だとアピールするような支配欲とか独占欲が含まれるらしい。
(快適なこの場から動かずにこのままで居たいと主張すれば今日の相手は無理やり起こすわけでもなく曖昧な返事がされる。どうやらお互い心地良い微睡みにいてなかなか抜け出せないようだ。額同士を合わせて至近距離で相手をみつめながら解決策と称して目覚めのキスを要望する。この夢のような時間から抜け出すには今よりも鮮明で幸せな相手の熱が必要だ。頭と心が求めるままそれらしい理由を口にしていれば頬に手を添えられ期待に口元が笑みを描く。思わず擦り寄ってしまいながらもその時を待っていたがふと首へのキスの意味を問われ動きが止まる。昨夜の自分が降り注ぐように送ったキスの正体を明かすようで気恥ずかしさが湧いてくるが相手の様子を見るに教えなければキスはお預けになりそうだ。仕方なく首へのキスの意味が執着だと説明すると急かすように相手を見つめて)
…、……そうか…
(こちらに擦り寄りながら目覚めのキスを要求する愛らしい姿に胸を擽られるばかりだが、昨夜めいっぱい施されたキスの意味を知りたくなってその内容を問う。何気なく問いかけたものだったがその内容の濃さに思わず目を瞬かせてしまった。一言で表すなら執着なのだろうがそこに乗っかる意味はあまりにも多い、それが昨日自分に山ほど注がれたのだと思えば思わず目を泳がせた。相手がそのキスの意味を知っていてあれをやったのだと思えば尚更だ。だがそれと同時に言葉で形容しきれない喜びもあって相変わらず目線をフラフラさせながら短く返事をする。だがその最中で相手と目線が交わって、相手がこちらを急かすように見つめているのに気がつくと期待の視線に思わずまた笑みを浮かべた。頬に添えたままだった手の親指の腹で頬を撫でたあと相手の顔を上へ向けさせる。そうすればこちらに向けて相手の首が晒されて口を寄せるとそこにキスを落とした。相手から多く貰った分唇の合間から舌先を覗かせて軽くそこを擽ってより特別な意味を持たせると唇を離す。相手から何か言われる前に愛情の意味を持つキスを立て続けに唇へと送ると「これで目ぇ覚めたか?」ととぼけた口調で言い)
…素面で説明させないでくれ、…ん、ッ!、…十分過ぎるくらい覚めたよ
(首へのキスの意味を説明すれば分かりやすく相手の目が瞬く。あの時には熱に浮かされて思うがままに行動していたが冷静になった今では相手に強く執着していると白状しているようなものでいたたまれない。本心であれば下手に否定も出来ないでいると短い返事から喜びのような感情を読み取って尚更恥ずかしくなってしまう。照れ隠しにツンとした態度を取りながら相手を見つめていると迷っていた相手の瞳と目が合う。笑みを向けられ頬を撫でられると強ばった力が抜けていって促されるまま顔を上に向き、晒された首筋にキスが落とされる。その柔らかな感触に加えいまさっき教えたばかりの執着の意味が込められているのだと思えば嬉しさと恥ずかしさと愛おしさなど様々な感情が込み上げてきて背中の浴衣の布地をギュッと握りながら受け止める。それだけでも十分満たされていたのに不意に生暖かい舌がそこを這うとぴくりと身体を跳ねさせる。一気に鼓動が跳ねてしまって文句を言おうと相手の方を向けば口付けで唇が塞がれ目を見開く。唇が離れて行く頃には顔は薄ら赤く鼓動も早くてすっかり眠気は何処かに行ってしまった。目が覚めるという当初の目的は達成出来たが今度は逆に落ち着かなくなってしまい、相手の胸板に額を押し付け顔を隠してからぽつりと返答をして)
目が覚めたなら何よりだろ?……おはよう、フィリップ
(キスの意味を解説し終えた相手は文句混じりの尖った口調で話しているがあんな意味を持つキスを解説した今ではそれも照れ隠しなのだとよく分かる。こちらも相手と同じくらいにその心と体を独占したくて執着しているのだと伝えるために、加えて少々の悪戯心を満たすために、キスと共に舌先での刺激を加えればこちらに抱きついていた体は腕の中で跳ねて小さく笑う。そのまま口を塞ぐために唇へとキスを送れば相手の顔には赤色が浮かんで益々満足気な笑みを浮かべていた。こちらの胸板で顔を隠して結局は文句混じりのことをいう相手を宥めるように頭をポンポンと優しく撫でながらすました顔で返事をする。相手の反応を見ていればこちらも微睡みから抜け出して胸に抱く相手の髪に軽く口付けたあとに今更ながら朝の挨拶をしておいた。これで布団を抜け出すには十分だろう「そろそろ朝飯食うか?」と未だ顔を隠した相手の興味を刺激するような事を口にし)
…おはよう。ああ、朝ご飯も特別なのだろう?
(こちらが反応を示せば満足げに相手は笑っていてそれが余計羞恥を煽る。意味を知った上で送られる首筋へのキスは特別で目がバッチリ覚める代わりに湧き上がる感情に翻弄されていた。そんな顔を見せないように胸板に額を押し付けていれば優しく頭を撫でられる。昨日とは逆の立場で甘やかされると自然と力も抜け、加えて髪にもキスが落とされると幾らか気持ちも落ち着いてきて短く朝の挨拶を返した。相手の温もりを感じながら朝ご飯の話題が出ると相手の狙い通り即座に食い付いて顔をあげる。昨日の夕食のラインナップを考えれば朝食にも期待が持てる。目に光を宿しつつ朝食の案に賛成を示すとあんなに渋っていた布団から抜け出して立ち上がる。浴衣を軽く整えると「行こう」と相手の手を取って寝室を後にして)
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