検索 2022-07-09 20:46:55 |
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なんでか知らねぇけどサイダーだけこのタイプがあるんだよな……、…はーー染み渡る美味さだ
(サイダーが飛びましたものの直ぐに瓶の口を塞いだことで大惨事は避けられた、相手に説明するのに夢中ですっかり最後のお約束を忘れてしまっていたらしい。相手はこちらを見て笑っていて格好悪い見本になってしまったが、湯上りの姿で笑う相手が見れたのならとりあえずは良しとすることにした。開け方は知っているもののサイダー以外でこの形は見たことはなく、そもそもこのタイプの瓶を見かける機会もかなり減っていて、奇しくも相手はここで瓶サイダーは初体験となったんけだ。こんな所でまた相手の『初めて』を見ることができるとは思わず相手がこちらを見よう見まねでサイダーを開ける所を見守る。こちらの失敗から学んだ相手はガラス玉が転がる音と同時にサイダーを口で受け止めて難なく最初のトラップを乗り切っていた。そのまま初めての瓶サイダーを飲み込むと良い飲みっぷりと共に無邪気な笑顔が向けられる。それにはこちらも釣られて笑ってしまうというもので、同じく一口サイダーを飲めば火照った体には一段と美味しく感じられた。喉を鳴らしながら瓶を傾けると冷えたサイダーを飲み進めていき)
昔から親しまれているというのも大きいだろうけどビー玉とガラスの透明さで涼やかさを表現してるのかもしれないね。 …あれ、…ああここに引っ掛けるのか。
(利便性の観点からか普段暮らしている中でも瓶に入った飲料はあまり見かけることは無い。たまに見かけても王冠のような蓋がされている物が多くビー玉で栓をするタイプはこれが初めてだ。温泉旅行でも瓶に入った牛乳が売られていたが昔ながらを感じられる風流な部分と透明な液体に合わせて透き通るような涼やかさを演出する為の工夫なのでは無いかと考察を口にする。その由来などは家に帰ってから調べることにしよう。瓶サイダーの洗礼を相手の見本のおかげで何とか乗り切るともう一口とさっぱりとした味を楽しむ。風呂上がりということもあって隣の相手も良い飲みっぷりだ。そうして楽しんでいながら瓶を傾けると中でビー玉が転がって口の部分を塞ぐ。そんな中突然サイダーが飲めなくなってしまうと困惑の声をあげて状態を確認する。ビー玉がまた栓になってしまった事と手前の出っ張りの使用法が分かれば新たな発見に一人目を輝かせぶつぶつと分析するように呟きを零した。転がってしまわぬように注意を払いながらサイダーを飲んでいると浴衣の相手が視界に入っては「良い風呂上がりだ」と幸せそうに微笑んで)
さすがの観察眼だな、相棒。……あぁ、ここに来てからずっといい時間だ
(サイダーを飲み進めていると相手からまた困惑の声があがり目線を向ける、どうやらビー玉が飲み口を塞いでしまったようだ。こちらは意識せずともビー玉をでっぱりにひっかけ飲んでいたがこれも初体験故のリアクションだろう。早速飲み方のアドバイスをしようとするが相手はその前に瓶の構造を観察してその使い方を早々に導き出す。自ら答えを得た相手はずっと何かを呟いているがその目は好奇心に輝いていてサイダーに夢中になっている様子にこの光景を目に焼き付けようとずっと見つめてしまった。一通りの観察が済んだ相手を褒めつつこちらもまたサイダーを口にする。相手がこちらを見て微笑めばその幸せそうな表情だけで心が華やいで呼応するようにこちらも幸せを感じる、相手しか考えないこの空間で想像していた以上にただただ幸せを享受出来ていた。瓶を限界まで傾けてサイダーを全て飲みきると満足気に息を吐く、体はすっかり適温に落ち着いたようだ。飲み終わってからもちょっとした楽しみがあって、「フィリップ」と声をかけ瓶の口の部分を捻って開けると中に入っていたビー玉を手のひらに出す。何に使うわけでもないのだが「記念にこれは持って帰るか」とビー玉を摘んで相手にみせて)
…美味しかった。なんだい、…!勿論持って帰るよ、二人でサイダーを飲んだ記念だ
(中に転がるビー玉に飲み口を塞がれるなどこの瓶ならではの体験で妙な形状も引っ掛けるためのものだと分かれば工夫の数々に関心は尽きない。ちらり相手の方を見れば初めての瓶サイダーに夢中になっている自分を柔らかな表情で見守っているようで何だか胸が擽ったい。決して派手ではないがこうやって穏やかに小さな幸せを共有できるのが嬉しくて体は大分適温に戻ってきたのに胸は温かいままだ。瓶を傾けサイダーを飲み切れば中のビー玉がからんと音を立てる。風呂上りならではの体験とこの土地のサイダーを十分に味わったところで相手から声がかかって傍に近寄る。すると相手は飲み口を捻って開け、中からビー玉を手のひらに取り出すのを見ると目を瞬かせる。続けて持ち帰りを提案されるとぱっと表情を明るくして強く頷いた。自分も同じ要領で瓶からビー玉を取り出す、照明を反射してきらりと光る様は宝石のようでかざして暫く見つめた後にぎゅっと握りこむ。何の変哲もないガラス玉だが二人で風呂上りに飲んだという思い出が経てたった今大切な宝物となった。大事な記念品だと無邪気な笑みを見せると「無くさないようにしなければ」と鞄のある場所に向かって大事に仕舞いこんで)
そうだな、この宿に泊まった記念だ
(サイダー瓶からビー玉を取り出してみると相手の目はまた輝いて、それこそビー玉でもそこに埋まっているのではないかと思えてしまう。相手も瓶を開けそれぞれの手のひらにビー玉が収まる、相手はそれを大切そうにぎゅっと握って記念だと心底嬉しそうな無邪気な笑みを見せて、ビー玉と一緒にこの心まで掴まれた気分になった。手のひらにあるのはガラスの玉ではなくて間違いなくこの宿で二人穏やかで幸せな時間を過ごし雪見風呂を楽しんで火照った体でサイダーを飲んだ証だ。こちらも大切な記念品を強く握ると頷き返す、ビー玉をこんなに大切に思うのなんていつぶりだろう。相手はなくさないようにと早々にビー玉をカバンにしまいに行っていてそんな行動からもこの記念品とこの時間とを想ってくれているのが伝わって胸に積もり積もった想いを溢れさせるようにゆっくりと息を吐き出した。こちらもカバンの方へ近づいてビー玉をしまう、帰ったら家で保管する場所を決めなければ。サイダーを飲み終えた所でこちらが考えていたことは大体やり終えて「さて、この後どうする?」と相手の方をみやって意向を聞き)
んー…まだ寝てしまうには勿体ない時間だし…君とくっついていたいかな。
(思い出に残る宝物が出来てこの旅を彩る記念品が出来れば上機嫌にそのことを確かめ合う。無くさないようにしっかりと鞄に仕舞いこむと相手も同じく鞄に入れていて自然と笑みが零れた。風呂上がりのサイダーを楽しむことが出来ればひとまず当初から決めていたイベントは終わりだ。相手にこの先の意向を聞かれると暫し悩みこんでしまう。まだ寝てしまうには早い時間ではあるが特にコレをやりたいと決まった物がある訳でもない。そうなれば願うのはいつもと同じことでただ相手の傍に居てその存在を感じていたい。ストレートにその願望を伝えると早速その腕に抱き着いて引っ張るようにしてリビングへと向かう。またのぼせたり眠ってしまわぬように少し弱めの温度設定でコタツのスイッチを入れてから足を布団の中に入れた。中は冷たかったが徐々に温められて先ほどと同じ温もりを宿していく。相手も隣に並んで入るように招きながら再び自堕落な時間を過ごそうとして)
なら、二人でゆっくりする時間にするか
(相手にこの後のことを聞けば暫く悩む様子を見せる、宿にあるものは大方体験し終わって決まっていることといえばあとは寝るくらいだ。とはいえ相手の言うように寝るにはまだ早い時間でどうしようかと悩んでいると相手から何ともいじらしいお願いがなされて自然と口元が緩んだ。今日この宿に来てから相手だけの事を考えて過ごす時間がどれほど幸せかは存分に味わっていて、それをさらに強請られたのなら断る理由はどこにも無い。相手がこちらの腕に抱きつく、手を繋ぐよりもより近い距離のままで返事をすればコタツの方へと移動した。相手に招かれるまま空けられた隣へと座りコタツの中へと入る、スイッチの入っていなかったそこは最初こそ冷たかったがジワジワと熱を持ってくる。最初に使った時程の熱はないものの温かいコタツ布団の中は十分に体を蕩けさせる威力を持っていて脱力するように息を吐いた。そのまま肩をくっつけるように相手へと身を寄せながら「ここで寝ちまわねぇようにしねぇとな」と笑いながら口にして)
数時間ならともかく一晩寝たら体がガチガチになりそうだ。そういえば寝具の類が見られないけど寝るのは二階なのかい?
(幸せに緩んだ心は自分がしたいことに素直でより近い距離感のままコタツに移動する。隣合うような形でこたつの中に入れば足元からじわじわと熱が伝わってきて息を吐いた。相手も同じように脱力したようで身を寄せられると居心地の良い重さに笑みが零れた。先程のように微睡みに身を任せて眠ってしまう幸せは十分に味わったがそのまま一夜を過ごせば柔らかなカーペットの上とはいえ寝返りしにくいここでは体が固くなってしまいそうだ。多少の自制は必要そうだと考えつつもそういえば寝室らしきスペースが見当たらないことに気付く。一階はあらかた見たがそれらしき場所は無かった為まだ足を踏み入れていない二階にあるのだろうか。テーブルに並べていたせんべいを適当な大きさに割りながら今夜の寝場所について確認を取る。せんべいの欠片を口にして軽い食感を味わうと「翔太郎」と声をかけながらもう一欠片を相手の口元まで運んで差し出し)
明日は神社行かねぇとだし、動けなくなっちまうのは困るからな。あぁ、ベッドは二階で今回も敷布団のはずだ
(相手にピタリとくっついてコタツがジワジワと熱を持てばどんどん体の力は抜けていくもののそれは即ち自堕落まっしぐらという事で、油断しきらないように気をつけねばならない。相手の言うことには同意するよう頷く、再びコタツの魔力にやられてしまえば明日にいく大事な場所への道も厳しいものになってしまう。気持ちよくお礼を言いに行くためにも、宿が用意してくれたふかふかの布団で寝るためにもここで寝るのはご法度だ。ベッドの場所を聞かれると二階で間違いないと頷く、大人数でも泊まれるように上階にある部屋は全てベッドルームになっているらしい。質問に答えている間に相手はせんべいを割って口へと運んでいて、その流れで欠片をこちらへと差し出してくる。それに素直に齧り付くと軽くて適度な塩味に相手の方を見ながら美味いと言いたげに頷いた。机の上には買ってきたお菓子が広げっぱなしで、手を伸ばして小粒のチョコを手に取ると外装を破いて中身を摘み「お返しだ」と相手に差し出して)
出る時には厳しい戦いになりそうだ。ここまで手の込んでいる宿なら布団も上質な物だろうね。…ん、甘い
(今日は比較的ノープランだったが明日は神社に行く予定がある。かなり奥まった場所で本殿までは階段だった事を考えても万全に動ける状態で行くべきだろう。だが先程は二人ともコタツの魔力にやられた身であるため軽い笑みを浮かべながら試練の時に意気込みを見せていた。どうやら予想通り寝るのは二階のようで全てがベッドルームらしい。囲炉裏といい露天風呂といい癒す為に万全な体制が整えてあるこの宿ならば寝具の方も期待出来そうだ。寝る時のことについて話しながらせんべいを相手の口に差し出すと相手は素直にそれに齧り付いた。ちょっぴり餌付けしているようでもあるが満足そうな反応を見れば無意識に口元が緩む。その様子を見守っていると相手がチョコに手を伸ばして外装を破いてから差し出される。顔を近付けチョコを咥えて口に含むと幸せな甘みが広がって緩く笑いながら感想伝え)
あぁ、コタツに負けねぇくらい寝心地良いはずだ……ここには全部が揃っちまってるな。塩っぱいのも甘いのも、お前も
(ここまで期待以上のものが出てきた宿だ、突然寝具にも期待して良いだろう。このゆったりとした浴衣のまま相手と布団に潜り込むのが楽しみだ。とはいえこのコタツには今求めるものが全て揃ってしまっている。温かい空間に机にはいっぱいのお菓子やらが広がっていて一歩も動かずとも快適な空間だ。そして何より、隣に居て欲しい人がすぐ側にいる。こちらが与えたチョコを相手が緩い笑みと共に咀嚼するのを見れば胸にまたジワリと幸せが広がっていた。コタツという限られた空間の中では自然と身を寄せ合う形になるがそれ以上に二人の体は近づいていて、コタツの温かさと相手の柔らかな体温を同時に感じられる。先程とは違い浴衣姿でコタツに入っていれば布団の中の足は当然素足で、何の気なしに相手の足の裏に足先で触れながら思ったことを口にすればすぐ隣にいるその恋人へと目を向けて)
、確かに幸せだと感じる物が全部手の届く範囲にある環境だ。…また君と旅行に来ることが出来て良かった
(今日寝る時まで期待が持てそうな予感にわくわくしつつも差し出されたチョコの甘味を十分に味わう。バレンタインも重なって冬はチョコレートが数多く売られている印象があるが口内で溶けていくチョコはコタツとも相性が良いようだ。新たな発見をしていると不意に足裏に相手の足先が触れる。テーブルの下が布団で隠されていて中の様子が見えない分少し驚いてしまった。だがその後続いた言葉は今の環境の幸せを噛みしめるようなもので目が合えば自然と笑みが浮かんだ。心地良い環境でこの場所ならではの服装に身を包み美味しいお菓子があって愛おしい人が隣にいる。極楽という言葉がよく似合う状況だ。同意するように頷きながらこちらもコタツの中で足先をつんつんとつついたりすり合わせたりと触れ合わせる。こうした幸せを感じられるのも二人でまたこの温泉街に来れる環境にあったからだ。これまでに様々な危機があって下手をすれば旅行どころではない可能性だってあった。それを踏まえるとこの穏やかな時間も尊いものに思えて相手を見てぽつりと言葉を零せば更に隣り合った相手に寄りかかるようにしてくっつく面を増やして)
ほんと、そうだな……お前を守ってくれたこと、明日神社でめいっぱいお礼言わねぇと
(特に意味もなく、それこそただじゃれつくように相手の足へ触れれば、向こうからもつつかれたりすり合わせたりして足を触れ合わせる。この意味を持たない行為が今はたまらなく幸せで理由なくただただ相手へと触れる事が許されている事に胸は幸福で満ちてならない。まさに極楽の時間を過ごしていると相手が目線を交えながら呟きを零す、その言葉にはただ再びこの温泉街へ来られた事への喜びだけではないのを感じて噛み締めるように呟く。相手を初めて風.都.の外へと連れ出したあの日から今日まで数え切れない事があった。怪我をする事もあり危険に飛び込んで行くこともあり、相手は一度入院までしている。ここに二人揃って来られたのは当たり前のことではなかっただろう。相手がこちらへと寄りかかってくるのを抱き留めるように背中へと腕を回す。この温もりが今腕の中にあるのがとても尊い事のように思えた。そう思えばもっと相手の存在を感じたくなってしまって、体を相手の方に向けるともう片方の腕も背中側へ回して軽く引き寄せる。相手の抱き心地に浸るようにゆっくり深呼吸をした後に、この当たり前ではない状況にきっと手を貸してくれたであろう存在にお礼を言わなければと口にして)
…ああ、それに僕たちが成長した姿もしっかり見て貰わなくては。
(意味もなく足先をくっつけたりしながら今二人でここに居る幸せを噛みしめるように呟けば相手からも同意の言葉が返ってくる。初めて来たときは事務所の外に出る事を許されたばかりの頃だったが今日という日まで様々な場所に行って思い出を積み重ねた一方で街を守るために様々な危機に見舞われることも多かった。無事にこの冬の温泉街を楽しむことが出来ていることも決して当たり前のことではないはずだ。過去を思い返しながら相手に寄りかかっていれば背中に腕が回されて抱き留められた。更に相手がこちらを向いて両方の腕の中に閉じ込められるとその温かさに安心したような息を吐いて腰辺りに両腕を回す。きっと手助けをしてくれたであろう存在に相手が言及すれば緩く口角をあげて相槌をうつ。絶対的に信仰しているという訳ではないがあの時の祈りとお守りに助けて貰った覚えは幾つかあって是非ともお礼が言いたい。加えてお願いするだけでなくあの日から色々な経験を経て探偵として人として成長したことを報告したいという気持ちも口にする。一度くっついてしまえば離れがたく首元に顔を埋めいつもとは違うシャンプーやボディーソープの匂いの中に相手特有の匂いを感じるとその場所で深く呼吸しながら「明日も充実した一日になりそうだ」と期待を寄せて)
あぁ、あの時と今じゃ随分と変わったからな
(相手を両腕に収めると相手からも腰に腕が回される、間近にいる相手が安心するように息を吐いているのを見れば自分のテリトリーの中で気を許しているのに喜びを感じてまた胸が温かくなった。神様を本気で信じている訳では無いが前回の旅で導かれるように神社に立ち寄って互いに送りあった御守りは文字通り肌身離さず持ち歩いていて御守りの存在で奮い立った事は少なくない。そうやっていくうちに隣にいるこちらから見ても前回の旅から相手は確実に変わっていて、それを自覚し報告したいという姿にはどうしても保護者のような気持ちでその成長を喜んでしまう。そういう自分もきっと相手によって変わっている、お参りは自分と向き合う時間だなんて言われるがこちらも手を合わせて色々報告することになりそうだ。明日への期待を高めていれば相手が首元に埋まりさらに触れ合う場所は増えていく。しかし隣合うこの位置関係では限界があってこれ以上近づくのは難しそうだ。だがそれに反して相手への想いは増していくばかりでもっと相手に触れたいと想いは募る。コタツで緩んだ体は願いにも忠実で、腰を軽くあげて相手の方に体を捻ると正面から相手へと抱きつく、そのまま上半身を押すと床へと体を倒させて上から覆い被さるようにして相手を自分の中へと閉じ込めた。こうすればもっと相手と近い距離にいられる。こちらからも首元に顔を埋めてそこの体温と相手の匂いを感じると「このまま寝ちまわねぇように気をつけねぇと」と笑いながら言い)
…ふふ、今日はお互いくっつきたがりのようだ。強い精神力は探偵の基礎能力なのだろう?
(様々な事件や依頼などをこなし相手と過ごす中で変わったことや成長したことは幾つもある。今回のお参りはそういったことを振り返りつつもこれからも相手と健やかに過ごすことをお願いする場になりそうだ。その一方で変わらないことも沢山あってその大きなひとつは相手への想いだろう。存在を確かめるように首元に顔を埋めていると相手が動き出す。それに合わせて顔を上げるといつの間にか真正面にいて、より密着するように抱き着かれ思わず目を瞬かせた。そのまま床に押し倒されてしまえば完全に相手の中に閉じ込められて更に近くに感じる恋人の存在に口元が緩んでいくのが分かる。寒い中での温もりは理性を緩ませ人を素直にさせるらしい。ご機嫌に二人の距離が近い事を話しながら今度は相手が首元に顔を埋めると後頭部に手を伸ばしてそこをゆっくりと撫でていく。すっかり相手と触れ合うことや寝ることを身体が覚えていればこうやって抱き合うだけで安心して体の力は抜けていく。きっと相手も同じ事だろうと理解しながら揶揄うように言葉を返してはより深みに誘いこもうと背中も回した腕でぽんぽんと撫でて)
そりゃお前と二人っきりなんだから、当然だろ……
(相手を腕の中に閉じ込めて覆い被さってしまえば全身で相手の体温を感じる事が出来る、先程よりも薄着の浴衣の状態ではより素肌が触れ合う場所も多く相手の体温とコタツの緩やかな温かさがちょうどいい塩梅だ。さらに相手から頭を撫でられてしまえば心地良さはさらに増して、寝てはいけないと口にしたばかりなのに気が抜けてしまいそうになる。ただでさえ相手の上にいるのだからここで脱力しては相手に体重をかけて息苦しくさせてしまうだろう。脱力しすぎないようにしながら頭を撫でられるのに身を任せていると相手から探偵の基礎能力の話を持ち出され、痛いところを突かれて言葉をつまらせる。何事にも流されず動じないクールな精神力はハードボイルド探偵にはなくてはならない能力だ。しかしこの特別な宿で過ごすうちにいつもよりもより心のまま行動してしまっている。普段ならばどうにかしてハードボイルド探偵であることを主張するべきなのだが、そうなれば相手から離れなければならなくなる。それだけは今どうしても許せなくて言い訳をするように呟くと埋めていた顔をグリグリと動かしながら「今日は左.翔.太.郎.だからいいんだよ…」と駄々をこねるような言い訳を重ねて)
嬉しい事を言ってくれるね。…ああ、今日は僕だけの大好きな左.翔.太.郎.だ。
(全身で相手の温もりを感じながら頭を撫でてみると自分の上で居心地良さそうにしている。とても探偵とも年上とも思えない姿は可愛らしく猫でも撫でるように手を動かしていたが眠らないためにも探偵としての精神力について触れると相手は言葉を詰まらせた。どうやら今の自分が半熟どころか生卵位になっている自覚はあるようだが離れ難いと言った所だろうか。その理由が自分と二人きりでくっついているからであれば口元は緩みっぱなしで声が弾む。いつもならば自分がいかにハードボイルドなのか主張しそうであるが今日はすっかり甘えたモードのようで埋められた顔がグリグリと押し付けられる。自分にしか見ることが許されないような姿と駄々をこねるような言い方に胸は幸せで満たされて独占欲をチラつかせながら素の相手を肯定する。愛おしさは湧き上がるばかりでそのまま背中を撫でながらこめかみ辺りに口付け落として)
あぁ…そういうことにしとていてくれ……
(風の街の探偵として、おやっさんに早く追いつくためにも常にハードボイルドでなければならないのだが、今はこの温もりを手放すことがどうしてもできなかった。二人っきりで相手のことだけを考える時間に浸りきってしまいコタツ同様ここからは簡単に抜け出すことはできない。ここが風の街ではないのなら今は尚更探偵であることよりも相手の恋人であることを優先したかった。そんな理屈さえも愛しい人に肯定されてしまえばもう肩肘張る必要は微塵もない、相手の口から発せられる『大好き』なんて言葉だけで胸はふわりと華やいで腕の中に閉じ込めていた相手を強く抱き締める。大切なものを全身で感じていると背中を撫でながらこめかみに口付けが降ってくる、また胸に幸せが灯った感覚がしてこちらからも頬に口付けを送った。その間も背中を撫でる手は止まらなくて堪らなく心地好いのだがその分自堕落へと突き進んでいる気がする、顔を持ち上げて相手を真上から見下ろすと「お前、俺の事寝かそうとしてないか?」と冗談まじりに聞いて)
してないよ、君が先に寝たら僕が一人で暇になってしまうだろう。単に自分がしたいように甘やかしているだけだ
(依頼のことやメモリのことを考えることなくただお互いを感じて思う時間を過ごしていれば相手はありのままの左.翔.太.郎で身を委ねてくれていてずっと胸が温かい物で満たされている。溢れる想いのまま好意を告げればさらに抱きしめる腕に力がこもって笑い声が零れた。背中を優しく撫でてすぐそばのこめかみに口づけを落とせばお返しに頬に唇が触れてその柔らかな感触に思わず目を細めた。幸せな心地のまま相手の背中を撫でていると埋められていた相手の顔が持ち上がって目が合う。相手の寝顔を見るのは好きだが二人で一緒に眠りにつくならともかく相手だけ寝てしまうのは不本意だ。せっかくの貴重な時間なのだから反応のある相手と一緒に居たい。平然とした顔でさらっとそんなことを言いながらも手は止めずに相手を甘やかし続ける。もう片方の手で相手の頬を軽く撫で「僕を寂しがらせるつもりかい?」と悪戯に笑いながら問いかけて)
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