検索 2022-07-09 20:46:55 |
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可能性としては薄いが……それでも調べるのが探偵ってもんだからな。それに怪人本人なら未来予知も可能ってわけだ
(こちらが提示した可能性に相手は驚きの顔を見せる。無理もない反応だ、正直証拠もなくこじつけと言われても仕方がない。だが街のヒーローならあの怪人にまったく無関係でもないはずだ。掲示板に目撃情報が書き込まれた時間もどこか怪しく、怪しいのならば調べてみる価値はあるだろう。この奇妙な糸のほつれを相棒なら解いてくれるはずなのだから。相手も異論はないらしい、「あぁ」と返事を返せばさらなる情報収集のため通学路の方へと移動していき)
□
【救世主】
鳴.海.探.偵.事.務.所.か……あぁ、貰おう…、…
(相手に連れられてやってきたのは彼らの活動拠点である探偵事務所だ。随分間の抜けた看板を掲げているのを冷めた目でみやった後に階段を上り事務所へと入る。ク.ジ.ゴ.ジ.堂とはまた違う種の落ち着いた雰囲気が広がる空間だ。コーヒーを勧められるとなんの気なしに返事をする。が、直後自らの行いに眉を顰める。探偵二人とソウゴの話に流されるまま二手に別れて怪人の中身を探すことになってしまったが自分達の目的はラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.を手に入れること、極端な事を言えばここがどうなろうと知った事では無いのだ。ソウゴと出会い奴の目指すべき道を一緒に歩む事を誓った身としては流石に全てを捨ておくなんて昔のような思考は持っていないが、このままでは目的を見失ってしまいそうだ。ソウゴの影響で随分と甘い思考になってしまったものだとため息をつく。この時代の仮.面.ラ.イ.ダ.ーが風.都,の探偵ならば選択肢は二つに一つ、ならばここで相手がそうであるかを確かめればいい。相手がコーヒーを持ってこちらへ近づいたタイミングで自身のラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.を取り出し相手の方へ向けると「お前、これと似たようなものを持っていないか?」と問いかけて)
…おまたせ、ちょうどこの前新しい豆を買ったばかりだから悪くない味のはずだ。 それは君達が使ってた……もしかして、
(コーヒーの提案に肯定の返事がされると相手を置いて簡易キッチンに向かう。自分と他人だけが事務所に居るというのもなかなか珍しい光景だ。自分のカップと来客用のカップを出してきていつもの手順でコーヒーを淹れる。抽出を始めると事務所に良い香りが広がって二つのカップにコーヒーを入れ終わると相手の所に運ぶ。コーヒー豆の説明をしながら相手の前にカップを置いていると相手が纏っていた装甲が描かれた懐中時計のようなものを見せられる。確か相手とソウゴはこれを使って姿を変えていた。未知の物体に興味深そうにそれを観察していたがふとそれに近しい物に心当たりがあればぽつりと呟き、自分のコーヒーも置いて一旦相棒の使っているデスクに戻る。引き出しを開けると見せられた物と似た形のそれを取り出す。何時からか分からないが気付けば事務所にあったもので、不思議と相棒共々手放そうとは思えなくてずっと保管していた物だ。それを持って相手の物に戻ってくると掌の中の物を見せながら「コレのことかい?」と問いかけて)
【救世主】
感謝する。………っ、ラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.!いや……それはお前が持ってたのか?それとももう一人の方が?それか鳴海とかいう奴か?
(自分がいると答えたコーヒーを今更要らないと言い出すこともできずコーヒーを受け取る。ラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.にどう反応するかとうかがっていれば何か思い至ったのか相手はその場を離れていった。その間にコーヒーを飲んでみると相手の言う通り香り高く飲みやすい味で自然と心が落ち着くような味わいだ。普段コーヒーを飲む習慣はないが日々の生活に取り入れても良いかもしれない。ソウゴとの時間を過ごす時にちょうど良いお供になりそうだ。そんなことを考えていれば相手が戻ってくる、相手が手に持っていたものは間違いなく探していたもので思わず声が出た。あの預言者の言うことは間違っていなかったらしい。しかしよく見ればそのラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.には色がなく白黒だ、そういうデザインというわけでもなさそうで何かピースが足りないのかもしれない。不可解な状況にまずはこれの持ち主を探ろうとする。二人のどちらかだと思ったが事務所の名前のことを思えば鳴海という探偵がいるのではないかと問い)
誰が持っていたかと言われてもいつの間にかこの事務所にあったよ。鳴海ってのはこの事務所の所長だけど、彼女も身に覚えがないようだった。…このラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.という物は君達の目的に関連する物なのだろう?
(思い当たるものを見せれば相手が声をあげる。どうやら当たりのようだ。相手と向かい合うように座って改めてラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.と呼ばれる物に視線を向けると薄らと何か模様か絵柄が入っているようにも見えるが白黒のせいでよく分からない。続けざまにこの持ち主について問われるが事務所にあったのだから誰のものかハッキリとしたことは言えない。所長に関しても同じ場所にいて身に覚えが無いのは確認済みだ。それに一度どんな物か分解しようともしたが現代の技術とは思えない技巧だったのはよく覚えている。そのことに加えて二人が話していた内容や見せた時の相手の表情をひっくるめて考えてみれば相手の方を向いてコレがこの街に来た目的ではないかと言い当ててみる。「そして恐らくあの怪人の発生にも関連がある、違うかい?」と何処か得意げな顔で言葉を続けて)
【救世主】
一筋縄ではいかないか……な、貴様……あいつがベラベラと喋ったせいか……不本意だが、あいつの流儀に則るしかないようだな
(どうやらラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チの持ち主はハッキリとしないらしい、恐らくこの状態では本来の力を発揮することはないだろう。ウォッチさえ手に入れれば犯人がどうあれア.ナ.ザ,ー.ラ,イ.ダ.ーを倒して終わりだと思っていたがそうもいかないようだ。どうしたものかと考えながらコーヒーを口に含んだ所でウォッチがこちらの目的である事と、怪人と関連があることを言い当てられてしまうと思わずコーヒーを吹き出しそうになってしまった。なんとか耐えて飲み込むと得意げな笑みに対して鋭い視線で睨みつける。ソウゴが最初に話した内容は理解できないだろうと高を括っていたがこれまでの状況と合わせて相手は先程の答えへとたどり着いたらしい。流石は探偵といったところか。簡単にウォッチが手に入らない以上はもう少しこの時代でこの探偵といなければならない。となるともう少しこちらの事情を話した方が良さそうだ。あとでソウゴに文句を言ってやることを内心決めつつこちらの事情を話し始める。各時代に装甲を纏い何らかの悪と戦う仮.面.ラ.イ.ダ.ー.という存在がいること、ソウゴはそれらライダーの力を継承する魔王になる未来にあること、ウォッチはその力を形にしたものでライダーから受け継いでいること、自分達の敵には別の王を立てようとするタ.イ.ム.ジ.ャ.ッ.カ.ー.がいてそいつらがライダーの歴史を奪っている事など一通りを説明する。最後に「ア.ナ.ザ.ー.ラ.イ.ダ.ー.を倒せるのは対応したライダーのウォッチの力だけだ。だから俺たちにはそれを探していた」とウォッチをみやりながら言い)
…かなり現実離れした話だけど話の筋は通っているし君が御伽噺をしているようには見えない。君の話をまとめるとここは歴史を奪われ改変された時間で、このウォッチの持ち主が君達と同じ仮.面.ラ.イ.ダ.ー.でありあの怪人を倒す鍵になるという訳だ。…状況については何となく理解はしたけど、君は将来危険な魔王になる常.磐.ソ.ウ.ゴの協力者ってことかい?
(これまでの要素を踏まえた上でこちらの推理を披露してみせれば相手はコーヒーを吹き出しそうになる。そのリアクションや分かりやすい表情の変化が何処か相棒と重なって妙に親近感を覚えていた。睨まれつつも観念したような言葉が聞こえてくると相手の事情が説明されていく。未知の仮.面.ラ
.イ.ダーという存在にそれを統べる魔王、ラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チの力と歴史改変など事前情報がない状態で聞けば創作物だと思ってしまうような内容だ。最後まで聞き終わると言われたことを脳内で整理しつつ素直な感想を口にする。これまでの言動や起きた現象に一致していて相手の顔も嘘を言っているようには見えない。既に歴史が改変されていて自分達が仮.面.ラ.イ.ダ,ーである可能性があるというのはにわかに信じ難いがそこは飲み込んで話を進めるしかないだろう。この街を守るためには暴れ回っているあの怪人を倒さなければならない。だがその為にはこのウォッチが必要で相手の反応を見るに何かが足りないのだろう。それを何とかする方法も探らなければならないがそれよりも個人的な興味が上回ると一旦コーヒーを一口飲んだ後、彼らの目的と関係性を問う。今の話をそのまま飲み込むなら常.磐.ソ.ウ.ゴは将来魔王になる人物であり、相手が手助けするような関係だ。力が宿ったとしても悪事を行うような人にこのウォッチを渡す訳にはいかない。そのためにも何故相手が彼に協力するのかという理由を探ろうと見定めるように見つめていて)
【救世主】
……最初俺はあいつを始末するべきだと思っていた。俺は元々あいつが最.低,最.悪.の.魔.王.になって世界を滅ぼした未来から来た戦士なんだからな。あいつを倒し未来を変えるのが俺の目的だった。だが…今のあいつと出会って、ソウゴは自分が信頼にたると俺に信じさせてくれた。あいつは必ず全ての民を守る最.高.最.善.の,魔.王.になる、俺はその夢を実現させるため側近としてあいつの一番近くに必ず居続ける。そして、もしあいつが最.低.最.悪.の.魔.王.になると俺が思った時には、俺が必ずあいつを倒す。それがソウゴと俺の関係だ。
(相手からすれば荒唐無稽な話だったはずだが相手は現在の状況と照らし合わせてこちらの事情を理解してみせる。想像以上に頭の回る奴のようだ。ライダーである可能性のある相手がこちらの事情を把握しているのなら今後いくらか動きやすい所も出てくるだろう。だが理解はしたようでも納得はしていなかったようでソウゴとの関係性を問われた。相手の目にはこちらを見定めようという魂胆が見える、大量の未知の情報を与えたあとに一番痛いポイントをついてくるとはやはりこの探偵は侮れない。自分の心情をソウゴ以外の他人に話すのは好まないが自分と、そしてソウゴの信頼を得るためには自分達の関係を話さなければならないだろう。一呼吸置いたあとにソウゴとの関係を話し始める、始まりから変化したその経緯を簡単に説明したあとに自分の責務を無意識に力のこもった声で説明すれば鋭い視線のまま相手を見つめ反応をうかがい)
_そうか、道理で……、すまない、僕達と少し似通っていると思ってね。君にとって常.盤.ソ.ウ.ゴが価値観を大きく変えさせた信頼に値する人物であるように僕にとっての翔太郎も色んな事を教えてくれて全てを変えてくれた大切な相棒なんだ。翔太郎のためにも僕はこの街を守りたい
(相手と彼の関係について問えば一瞬黙り込んでしまう。突き返される可能性も考えてはいたが一呼吸を挟んでその経緯が説明されていくと大人しく聞いていた。途中相手が未来から来た戦士だとか魔王が世界を滅ぼすという気になる話もあったが常.盤.ソ.ウ.ゴに出会いその関係性の変化を語る口調は力強く、信頼するには十分だった。最初の使命に逆らっても尚彼を信じて傍にいると誓う信頼関係と出会ったときに見た二人のやり取りに繋がり、ずっと自分の中で引っかかっていた妙な感覚に説明がつけば全てを聞き終わった後一人納得するように呟く。そのまま考えを巡らせていたが相手の鋭い視線を関しては謝罪を挟んでお互いが似ているとその感覚を伝える。相手が常.盤.ソ.ウ.ゴに出会いその志を傍で支えるようになったように自分も相棒に出会って大きく変わった。そして相棒の目指す理想や夢を一緒に叶えたいと思っている。無意識に表情を柔らかくしてこちらの関係も共有すると「君も厄介な人物に惚れ込んだみたいだね」と揶揄い交じりに感想を告げて)
【救世主】
…そうかお前も……、な!……全くだ。あの魔王についていくのは骨が折れる。まぁ、お前の方も随分とあの男に惚れ込んでいるみたいだがな。あんな危なっかしい奴が相棒なら苦労するだろう?
(静かな視線で相手を睨み続ける、ここまで話しても信用できないと言われればそれまでだったが相手が語ったのは向こう二人の関係についてだった。相手が語る言葉は見かけの内容は違ってもこちらと根本は同じ、お互い全てを変えてくれた大切な存在を持ち合わせていたようだ。表情が柔らかくなるのを見ればあの探偵への信頼が垣間見える、こちらにとってソウゴが唯一無二なように相手にとってもあの探偵は相棒と呼ぶ程に唯一無二らしい。続いた揶揄いの言葉には反射的に反論しようとするがここまでソウゴの事を語っておいて今更というものだろう、言葉を飲み込むと軽く息を吐き同意を示す。その顔はようやく解れて仏頂面が少々柔らかくなると文句を言いながらも我が道をいく王の事に思いを馳せていた。だが先程の相手の言い草もなかなかなもので深く硬い絆が見える一方ア.ナ.,ザ.ー.ラ.イ.ダ.ーに生身で殴りかかっていくあの相棒の血の気の多さは考えものだろう。こちらも王様には散々振り回されているが相手も同じようなものだろうかと聞いてみて)
職業柄多くの人に接するようになったけど自ら王になろうとする人物は初めて見たよ。大変そうだが一緒に居ても飽きないだろうね。ああ、考えるより先に身体が動くタイプで突っ走って怪我は多いし、犯人にも情が湧いて流されてしまうし、とんだハーフボイルド探偵だ。
(自分と似た状態ならと揶揄いの言葉を投げかけると分かりやすく反応を示して観念したように同意が返ってきた。言葉こそ振り回されている文句ではあるがその表情は今まで見ていた仏頂面から多少柔らかくなっていて、そうやって苦労するのも悪くないと思っているのは見ていて明らかだ。殆ど彼とは会話はしてないが自分を倒しに来た戦士すら虜にしてしまうとは既に王の素質があるのかもしれない。そんな相手の王への印象を述べていると今度はこちらの相棒について話が振られる。大切な存在を持つ親近感から警戒心はいつの間にか緩んでいて頭に浮かんだ文句が次々に口から零れた。それでも離れようと思わないのはそれだけ惚れ込んでしまっている証拠なのだろう。幾らか打ち付けたように感じる空気の中持っていたス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンがメッセージの通知を伝える。送り主は今話題にしていた相棒で内容を確認すると話題になっていた警察官と怪人が同一人物である可能性を示した出来事と掲示板のアドレスが羅列されていた。「どうやら翔太郎たちが手がかりを掴んだみたいだ」と言いながらその画面を見せ相手にも情報を共有して)
【救世主】
ソウゴも大概甘いがお前の相棒も随分甘い奴のようだな。お互い苦労人のようだ。……それがあいつとお前の相棒か掴んだ情報か。パソコンはあるか?
(相手に件の相棒のことを問えばスルスルと文句が出てくる、まるで先程の自分と同じ様子に無意識に口角があがった。文句の内容は本音なのだろうがその顔を見るにそれらが悪いものとは思っていないのだろう。寧ろそれが良い部分でもあるとでもいいたげだ。自分が先程そうだったのだからよく分かる。同じ甘い人間を隣に置く者同士相手には妙な親近感を覚えていた。それぞれの警戒心が解けた所でタイミング良く相手の端末が通知音を鳴らす。こちらへ向けられた画面の内容を一通り読む、小さい可能性だと文面に断りはあるが恐らく重要な情報だ。なにせ魔王が関わっている、あいつが動いて何も起こらなかった試しはないのだから。向こうはまだ情報収集を続けるというのならこちら二人がやることはじっくりとこの掲示板を調べる事だろう。残念ながら未来から持ってきた端末はツクヨミが持ったままだ、できるだけ大きな画面で内容を見るためパソコンがあるか問いかける。まずは相手の相棒が違和感を覚えた部分から検証すべきだろうと「目撃情報の書き込みを洗い出すぞ」と方針を共有し)
ああ、ガジェットの修理の際に使っているものが一つある。 ついてきたまえ。
(お互いの関係を共有し親近感を覚えると警戒心も解けて場は幾らか和む。そんな中あの二人が調べてくれた情報が届いて相手と共有する。その反応を見る限り思うことは同じのようだ。相棒が掴んだ手がかりを確実な物にする、それが自分達のやるべきことだろう。パソコンについて問われると素直に肯定を返す。この事務所のもう一つの秘密の場所、当然普通の依頼人には明かさない場所だが相手ならば入っても問題ないだろう。立ち上がると相手に声をかけ相棒のハットのかかった壁を押せば隠し扉が開き螺旋階段が現れる。そのまま相手を引き連れ階段を降りグレーチングを歩いていけば目的の場所にたどり着く。作業台には相手の要望したパソコンがあって分かったことはいつも通りホワイトボードに書いていけば情報の整理もしやすいはずだ。「ここは好きに使ってもらって構わない。ひとまず掲示板内の目撃情報と書き込みを洗い出して妙な所を見つけよう」と提案して)
【救世主】
、…隠し扉か。……ここがお前の仕事場か。ならば遠慮なく使わせてもらう
(より情報を整理しやすいようにパソコンの有無を聞けばどこかへと案内されるようだ。立ち上がり近づくが相手が向かう先は何も無い壁しかなく怪訝そうな顔を浮かべる。直後壁が開けば驚きで目を見開いた、ただの探偵事務所とは言えない設備にやはり相手かその相棒か、どちらかが仮.面.ラ.イ.ダ.ー.,なのだろうと確信が深まる。相手に続き螺旋階段を降りてガレージへとたどり着けば興味深げにぐるりと中を見渡した。秘密基地と呼ぶに相応しい場所だ、加えてパソコンと壁いっぱいのホワイトボードが並ぶ光景は情報を整理するにはピッタリの場所だろう。早速パソコンを開いて先程送られてきた警察官のファンが集う掲示板を開く。確かに先程の騒動が起きた時間と一番最初の目撃情報が書き込まれた時間はかなり近い、まるであの警察官が現れるのを予知しているようだ。もう一つ前の目撃情報は朝の通学路で、怪人が現れたから例の警察官が来るはずだ、という趣旨の書き込みが一番早い。通学路で学生が目撃しているせいかその後複数の目撃情報がほぼ同時刻に書き込まれていた。その前の目撃情報は繁華街での事でここ最近の目撃情報は全て怪人が現れた後に例の警察官が現れたという内容ばかりだ。担当警察官なら当然ではあるが、あいつが拾ってきた情報なら何かしらの意味があるはずだ。暫く眺めているとある法則に気がつき「ここ最近の目撃情報を一番最初に書き込んだ奴の名前、全て同じだ」と画面を指さしつつ相手へと視線を向け)
…本当だ。掲示板だから偶然重なった可能性もあるけど…、ちょっと借りるよ。…やはり書き込み元のIPアドレスが一致している、端末の貸し借りをしていない限りは同一人物と見て良さそうだ。
(隠し部屋もといガレージの存在を特に疑問に思わず過ごしていたが相手の話を聞いた後になって考えると元の歴史の自分達が何かの為に使っていた場所なのだろう。相手の言う通り安楽椅子探偵の自分の仕事場は主にここだ。設備も整った所で再びパソコンから例の掲示板を確認する。相棒がそのシュン様と呼ばれる人物と接触したであろう出来事の会話がリアルタイムで掲示板に書き込まれているようだが気にせず過去のログを見てみると確かに最初の目撃情報は早く、その後に目撃者らしき人々の書き込みが続く。違和感がないか画面を見ていると相手が名前の共通点に気付く。確かに相手の指さす妙に早い目撃情報はどれも名前は一緒だ。自由に名前が設定出来る以上被った可能性もあるがその判別方法なら心当たりがある。少しパソコンの操作を借りると自作のソフトを立ち上げサイトの解析を行う。暇潰しにと作ったグレーなやり口だがこれも操作の為だ。サイトを運営するサーバーに入り込みその中身を解析してみると相手の指摘した三件はどれも同じIPアドレスだ。少なくとも同じ端末から書き込まれたものでありほぼ同一人物だとみて良いだろう。更に解析を続けると「…どうやらこのサイト自体も同じ人が立ち上げたみたいだね」と新たに分かったことを告げて)
つまり自分が発信する情報を拡散する為にサイトを作ったわけか……こんな事をして利益があるのはあの警察官くらいだ。街のヒーローというのはこいつの自作自演なのかもしれんな
(こちらが書き込みの法則を見つければ相手へとバトンタッチしてその様子を見守る。どうやら自作の解析ソフトを動かしているようでこの時代の技術を考えれば最新鋭かそれ以上の能力を発揮している。節々に感じていたがここでも只者では無い様子を見せられ内心感心していた。やがて解析が終了しそのIPアドレスから投稿者どころかサイトの運営者まで同じである事が暴かれると益々例の警察官の疑いは濃くなっている。単に人気を得るために自分の出没場所をリークしている可能性はあるが、その書き込み時間と怪人が出没する時間が同じであるならば怪人と警察官との繋がりを示すものにもなるだろう。怪人として街の人々を襲ったあとヒーローとして人々に手を差し伸べさらなる人気を獲得している、というのもおかしな話ではない。全てが警察官による自作自演、街のヒーローを作り上げるための茶番劇なのかもしれない。怪人と警察官とが繋がってきたところで掲示板に新たな書き込みがされたとサイトに通知が出る。すぐに内容を確認しにいけば例の投稿者が『シュン様が薫風通りに行くのを見かけた』と書き込んでいた。薫風通りと言えばソウゴと翔太郎が向かったはずの通学路だ、拡散力のある学生の前に再び現れて名声を得る気なのかもしれない「向こうに連絡を取って俺達も向かうぞ」と視線をやり)
加えて言えばこれまでその警察官とア.ナ.ザ.ーラ.イ.ダ
.ーが一緒にいる姿は目撃されていないようだ。自作自演の線は十分にあるね。っ!ああ、奴の尻尾を捕まえよう
(サイトの運営者と第一発見者が一緒と分かれば疑惑はますます深まる。相手の推理通り自分の活躍を拡散する為にサイトを作り情報を流していると考えた方がしっくりくる。それを踏まえ書き込みを見ていけばこれまで警察官と怪人が対峙したという目撃情報が一切無いことに気付く。目的もなしに怪人が暴れ、やけに到着が早いにも関わらず毎回遭遇すらしてないというのはやはり不自然だ。相手の方を向いて同意するように頷いていると掲示板に新たな書き込みの通知が入る。急いで見に行けば同じ投稿者が新たな警察官の目撃情報を載せている。自分達の推理が正しければまた怪人として暴れ、その後彼が現れるはず。相手の言葉に力強く頷くと事務所を後にして薫風通りへ急いで)
【魔王】
んー、あまり良い成果はないね。あ、ゲイツから連絡だ
(あれから怪人が出没したという薫風通りを訪れ周囲の学生などに聞き込みを行ったが成果はイマイチだ。新たに分かったのは人々に襲いかかったにも関わらず途中でピタッと動きを止め直ぐに去っていったということくらいだ。困ったように呟いていると懐に入れていたフ.ァ.イ.ズ.フ.ォ.ン,xが着信を告げる。出てみるとア.ナ.ザ.ーラ.イ.ダ ーと例の警察官がそちらに向かっているという旨で急な話に困惑して居るとゲイツが言った通り路地の方から例の怪人が現れ周囲は騒然としはじめる。怪人が周囲の人に襲いかかろうとするのを見れば「翔太郎、街の人は任せた」と相手に告げ変身して立ち向かっていき)
あいつらが何か見つけたみたいだな。……っ!あぁ、任せたぜ
(通学路での聞き込みはイマイチ成果が上がらない。シュン様に対して肯定的な意見も多く辟易としていたところで相手へ着信が入った。てっきりあのサイトの結果を知らせてくれるものだと思い電話口から漏れる声に聞き耳を立てていたが内容は怪人と警察官がここへ向かっているという緊急の電話だった。あのサイトから何か情報を得たのかもしれないと思っていた矢先に悲鳴が上がり怪人が姿を現す。即座に相手の雰囲気が変わり装甲を纏って怪人に向かって行くのを見れば周囲の人を逃がし始めた。怪人は今まで存在しえなかった自分の力に対抗出来る存在に苛立ちを隠せない様子で相手と拳を交えている。粗方の人を逃がし終わった所で相棒と家臣とが見慣れぬバイクに乗ってこの場にやってきた。ゲイツはいの一番に相手の方を確認するも『やはりウォッチがなければ…』と苦々しい顔を浮かべる。矢継ぎ早にこちらの方を向けば『おい!お前は探偵事務所にあったラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.に見覚えはないのか?!』と詰め寄られるが、そもそもそのラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チ.がなんなのか分からず「なんの事だよ!」と叫び返していて)
コレだよ、翔太郎。この力があればあのア.ナ.ザ.ーラ.イ. ダ.ーを倒せるみたいだけどどうやらまだ不完全な状態らしい。……さっきの話だと君達はア.ナ.ザ.ーラ.イ. ダ.ーを倒し切ることは出来ないが一時的に奴のウォッチを壊すことは出来るのだろう? 元の歴史の僕達なら何とか出来るかもしれない。
(ゲイツが出現させたバイクで現場へと向かう。一番人通りの多い場所にたどり着く途中人がこちらの方向へ走って逃げてるのが見えれば推理は当たったのだと分かった。やがて例の怪人とそれに応戦している魔王、最後の人を誘導した相棒の姿をみつけるとバイクから降りる。ゲイツが相棒に詰め寄るのを見れば懐から持ち出したウォッチを取り出して見せながら簡単な説明をする。だが絵柄は変わらず白黒のままだ。怪人と魔王は拳を交え接戦を繰り広げているが彼の目的を考えればそのままでは逃がしてしまう可能性が高い。何とかしなければと考えを巡らせているとふとゲイツから受けた説明を思い出し確かめるように尋ねる。完全に倒しきるためには対応する力のウォッチが必要だが撃破自体は不可能とは言っていなかった。そして一時的にでも怪人のウォッチが壊れるとその間だけ歴史は元に戻り記憶も取り戻すとも。今は何も浮かばないかライダーの力と記憶のある元の歴史の自分達ならば何か良い策が取れるかもしれない。手短に策を伝えると「頼めるかい?」とゲイツにお願いして)
それ、いつの間にか事務所にあったやつか!……なんかお前ら仲良くなってねぇか?
(ピンと来ない話でゲイツに詰め寄られまたも睨み合いの時間となる。すぐに相手からその答えが示されるもそれは見つけた時に謎のまま終わった物体で答えられることはなかった。これの使用方法など分かるはずもない、ましてや完全なものにする方法も検討がつかなかった。白黒の物体を眺めていると相手がゲイツへと話しかける。二人でいる間に情報共有したのかその内容は理解できなかったがゲイツは相手の言葉を聞いて『その手があったか…試してみる価値は十分にある』と呟きを漏らし相手へと頷く。こちらに対してあれだけ棘のある態度をとっていたのに相手とはすっかり打ち解けていて思わず二人の顔を交互に見て口を挟んでしまった。その視線を無視してゲイツは最初に会った時に見かけた何かの機械を腰に当て先程とは別のラ.イ,ド.ウ.ォ.ッ.チ,を手にすると『変身っ!』と声をあげ装甲を纏って走り出す。ソウゴが応戦する所へ弓のような武器で援護射撃を打ち込み、間近に迫った所で弓を変形させ斧にすると怪人へと叩きつける。大きく怪人がよろけた所をゲイツが後ろから羽交い締めにすると『ソウゴ!こいつを一旦倒せ!』と叫んで)
ちょっとした共通点があって意気投合したんだ。翔太郎、手短に状況を説明する
(やりたいことをゲイツに伝えれば直ぐにその意図を理解してくれたらしい。策に乗ってくれる返事を受けると「任せた」と言って怪人を彼らに託す。その間打ち解けた空気に気付いたのか二人を交互に見る相手に軽い笑みを浮かべて何があったのかを簡素に伝える。その内容は二人には伏せておくべきだろう。ゲイツが装甲を纏いソウゴが戦っている怪人へと攻撃を始める。その様子をちらりと見ては相手に視線を戻して歴史が改変されていることや本来自分達が彼らと同じライダーであること、そして手元のウォッチが怪人を倒すために必要であることを要点だけ掻い摘んで説明をする。一方ゲイツが加勢するとソウゴの声が弾む。斧で斬りかかりよろめいた所を羽交い締めして声がかかると理屈は分からずとも側近の言うことは信頼しているのか『分かった!』と返事をして腰部の機械を操作して一回転させる。高く飛び上がると怪人の周りには何かの文字が取り囲む。その文字が1つに纏まり足裏にくっつくとギリギリでゲイツが避け一人になった怪人にキックが当たり着地したところで爆発が起こる。煙が晴れるとそこには例の警察官とラ.イ.ド.ウ.ォ.ッ.チに似た形の物が転がってヒビが入る。その瞬間世界が静止して歴史が元に戻すと困惑したように「ここは、」と呟き零し)
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