検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ん…任せた。…ふふ、今にも食べられてしまいそうだ。…ん、ぁ、僕も好きだ、翔太郎
(加減など無く跡を付けるために噛まれた部位は痛みを発し続ける。だが散々焦らされた身体にはそれすら快楽で落とされたキスに幸福混じりの吐息を零した。思考も身体も蕩けかけていてあまり力が入らない。そんな中近くで名前を呼ばれて場所の移動を告げられると返事をする前に脇と膝下に腕を通されて身体が持ち上がる。これも元の身体に戻ったから出来ることでしがみつくように首後ろに腕を回して素直に身を預けた。ベットに下ろされるとすぐさま覆い被さられ既に熱に揺れる相手の瞳と視線が交わる。それと同時に片方の手がお腹からゆっくり上へなぞられると昂った熱を直接かき乱されているようで掌の動きに合わせて身体が小さく反応を見せる。状況を見れば相手の支配下にあるが自分だって相手の手綱を握っていたい。そんな気持ちから揶揄うように若しくは煽る様に言葉を紡ぐがそこにも期待の色が乗る。指先が傷に到達してそこを強く押されまた甘くも強い痛みが走ると甘さ混じりの声が漏れた。同時に告げられた好意の言葉に口元が緩み、自分も同じ気持ちということを伝えると相手の首からぶら下がっているネクタイを掴みこちらに引き寄せて噛み付くように口付け)
食われる側なのに随分余裕だな……っ、……ン……は、…ぁ…
(手のひらでゆっくり熱い体をなぞるだけで自分の下にいる相手は体を震わせる、この弱い刺激でさえ反応を示す様に相手の全てを支配しているような気になって脳を甘く痺れさせる。しかし状況とは裏腹に相手は冗談めかした言葉を発した、それはこちらを煽るようでいて自らの望みを口にしたような期待が乗っていた。相手も食われることを望んでいるのだと、もっと深く熱に溺れるのを望んでいるのだと知れば瞳が興奮と熱で満ちていく。痛みを与えても鼓膜を揺らすのは甘い声ばかりで腹に渦巻く欲望は激しく脈打って全身を巡り相手の事しか考えられなくなっていく。相手が望むならと動き出そうとするがその前にネクタイを掴まれ不意に引き寄せられる、そのまま噛み付かれるような口付けを施された。今にも相手を食おうとしていたのに相手へと引きずり込まれるようなキス、共に堕ちていくような口付けに脳内がかき乱された。考える間もなくこちらからも相手を食らうように舌を伸ばし深く深く口付けを交わす。頬で顔を固定したまま舌を絡ませて呼吸しようとする空気さえ食らって口内を蹂躙していく。時折先程の所有痕を強く押して刺激を与えるも、その時に吐き出された声と呼吸さえも奪うように舌で絡めとって決して互いの唇を離さずにいて)
こういう態度を崩すのも好きだろう? …っん、ぁっ…は、…ンっ、
(冗談めかして望みを伝えれば分かりやすく相手の瞳に色欲が宿って思わず口角が上がる。際限なく相手を求める欲は膨らむばかりで今更止まれそうにない。相手に全てを支配されたいのと同時に二人でもっと深く熱に溺れてしまいたくてわざと挑発するような言葉を選ぶ。こういう駆け引きだって今しか出来ない戯れで余裕そうにした方が相手の劣情を擽ることが出来るのは知っている。負けず嫌いと期待で瞳に熱を宿しながらもネクタイを手綱代わりに引っ張って引き寄せるとこちらから噛みつくようなキスを施す。触れるだけのかわいらしい物ではなくお互いを求めて食らうように舌を絡めると辺りに水音が響いた。口内を蹂躙される舌に息継ぎすら奪われると徐々に酸素が不足して苦しくなっていく。そんな中で赤い痕を強く押されるとそこから走る甘い痺れに身体は跳ねて身動ぎしそうになるが顔を固定されていればそれも適わない。熱くて苦しくて痛くて、だけどもそれが相手から与えられるものなら全て気持ちよくて幸福なことだと脳が認識する。思考が蕩けていくのを感じながら僅かに出来た隙間から甘く濡れた声を零し、抵抗するどころか相手の背中に腕を回して縋りつくに引き寄せながら深く溺れるようなキス続け)
ん、……っ……さすが俺の事よく分かってんじゃねぇか、フィリップ
(相手の口調は相変わらず余裕があってこちらを煽ってくる、だがその瞳には確かに熱が揺らいでいるのが見えて薄い笑みを浮かべる。相手に引きずり込まれるようにして始まった深い口付けは最初から遠慮などなく幻想的な雰囲気とは程遠い互いの息遣いと淫らに水が弾ける音に塗れた節操のないものだ。相手を押さえつけるように組み敷いて全てを奪うように、全てを塗り替えるように唇と舌とを動かせば口内では相手の苦しげな息遣いを感じる、甘い痛みを与えればこちらの体の下で相手が身を捩ろうとする動きがよく伝わった。そうやって相手は苦しげなのにこちらを求めるように縋り付くよう抱き着かれればこんな黒く粘度の高い欲望さえ受け入れられることに優越感と嗜虐心とがぐちゃぐちゃになって脳へ浸透していく。口端から漏れる甘い声でさえこの脳をクラクラと揺さぶっていてその声を食らうのも悪くないが欲はその甘い声をたっぷりと聞く方へと傾いてゆっくりと唇を離す。互いの間にかかった銀の糸を相手の唇ごと舐めとってから普段髪がかかって隠れている方の耳へと顔を近づける。熱い息と共に低い声で笑い混じりに声を吹きかければ再び口内へと親指をつっこんだ。先程の深いキスですっかり濡れたそこを親指で軽く掻き回した後、なんの前触れもなく耳朶へと歯を突き立てる。今度は舐めることもキスをすることもなく容赦なく硬い歯を柔らかなそこへと食い込ませてこちらの跡を刻み込んで)
…は、ぁ、…っ、ぁ、しょうた、ろ…ふ、…っあ!ぅ、…は
(息継ぎの都合など考えることのないお互いを貪るだけの口づけを続けていれば二人の息遣いと水音が響いて耳からも脳が揺さぶられる。相手の体格によって組み敷かれて逃げ場のない状態で注がれる熱は酷く荒っぽいがそれこそが自分が望むもので浮ついた頭で熱心に舌を絡ませていた。やがてゆっくりと唇が離れていきようやくまともに息が出来るようになれば注ぎ込まれた二人分の唾液を飲み込んで熱い息を吐く。息を整えている最中相手の顔が耳へ近づき熱い息と低く楽し気な声が吹き込まれるとそこに含まれる欲を感じ取っては甘い声が口から零れる。再び親指が差し込まれると従順に口を開いて本来人が触れる場所ではない位置を明け渡しながら舌足らずに名前を呼ぶ。無意識にその指を追いかけようと舌を伸ばした所で突然耳たぶに鋭い痛みが走って上擦った声が出る。その痕を刻み込むように更に硬い歯が突き刺さると痛いだけの行為であるはずなのに高まった体は快楽に近い物を拾いあげて身を震わせる。穴でも開きそうと感じてしまうほど強い刺激から反射的に逃げたくなってしまえば相手の腕の中で左右に首振って振りほどこうとして)
……お前は食われる側だろ、フィリップ?それにマジで食いちぎっちまったら困るからもうちょっと大人しくしなきゃ、な?
(再び口内へ親指を差し込めばそれを相手は実に素直に受け入れて、そんな仕草ひとつでも胸に愛おしさという名の黒い欲が滾ってしまう。異物の差し込まれた口で舌足らずに名前を呼ばれると幸せが満ちて、それを暴力的な愛部に変換して耳朶へと噛み付いた。途端に相手の体は鋭い刺激に反応してこちらの下で跳ね口からは待ち望んだ甘い声が漏れだしてゾクゾクと腹の底を擽る。無理やり吐き出された吐息が差し込んだ指先に当たって、その熱さにこちらもあてられさらに体の熱は上がっていく。だが相手は生物の本能なのか首を左右に振ってこちらを振りほどこうとする、これでは狙いを定められない。口に突っ込んだ手はそのままにもう片方の手で頭を押さえつけるようにして頭を拘束すれば再び耳に口を近づける。そして優しく低い声で相手の立場を刷り込むように囁いた。当然耳を食いちぎるなんてことはしないが相手に枷を課してもっと追い詰めてしまいたい。今の言葉をより相手へ刷り込むように舌の表面で噛み跡をなぞりさらには耳全体へと舌を這わせる。相手の動きを制限したあと先程より少しズレた位置、耳の縁に歯をあてがえば再びそこに噛みつき肌を食い破って)
や、…っひ、…ぁ、ン…はぁ…っあ! ぁ…しょ、たろ…っ
(相手の触れた部分から精神が昂ってずっと熱に浮かされているような気分だ。痛いのが気持ち良いなんて明らかに可笑しい状態なのに相手から刺激を受け取る度に甘い声が溢れて苦痛だけでは無い反応を示してしまう。それが怖くて頭をベットに擦り付けるように左右に首を左右に振っていたがもう片方の手で頭を押さえつけられるとそれも叶わなくなる。うっすら涙の膜を張った瞳で相手の様子を伺うも直ぐに口元が耳元に寄せられた。そこで囁かれる声は確かに聞き馴染みのある優しい口調なのに低くて立場を刷り込むような言葉に身体が固まる。そしてその後続いた暴力的な言葉に息を呑んだ。優しい相棒はそんなことはしないと断言出来るが万が一本当にやろうとすればこの状況では実現するのは容易だ。それほどまでに相手に追い詰められ、自分だけしか見れない暴力性を秘めた黒い欲を向けられると腹の一番底の部分が疼いて乱される。先程噛まれた部分に舌が這うと甘い痺れが広がって指を差し込まれたままの口から喘ぎ声が漏れる。鼓膜の近くで水音を発すれば身体は震えるが言い付けを守ろうと相手の服を強く掴んで耳は明け渡したまま我慢する。耳の縁に歯が宛てがわれると恐怖と期待に熱い吐息が漏れ、噛み付かれるとまた高い声が吐き出された。雁字搦めにされて熱を注がれてオーバーフローに近い頭は訳も分からず相手の名前呼んで)
…は、ァ………フィリップ……この世で一番愛してる
(刻みつけた跡に舌を這わせれば相手はこちらの言いつけを健気に守って服を掴んで必死に痛みという快楽に身を固めながら口から甘い喘ぎ声を溢れさせる。ぐちゃぐちゃに乱れた状態で呼ばれるこちらの名前はどうしようもなくこの体を熱と欲で震えさせ、それを発散するように今しがた噛み付いた場所へ軽く吸い付きリップ音と共に口を離した。ゆらりと体をもたげて拘束したままの顔を覗きこめばそこには薄ら水を張った瞳と上気した頬があってこちらの手によってグズグズに乱れた姿に思わず生唾を飲み込んで劣情に塗れた瞳を向け震える息を吐き出した。胸に溢れる気持ちはどうしようもなく相手を求めそれを暴力的な形で昇華しているというのに、相手はそれを受け入れ啼いてよがり愛しく名前を呼んでくれる。こんなどうしようもない恋人への想いを受け止めてくれるのはこの世でやはり相手しかいやしない。頭の拘束を解けばこれまでの行為に反して優しく目元にキスを落とす、そして心に溢れるままの想いを口にした。手のひらを胸板から下の方へゆっくりと滑らせると服の中に手を差し入れ下腹部を直にゆっくり撫でる、劣情を宿した瞳のまま真っ直ぐ相手を見つめると「お前が欲しい」と最後の望みを口にして)
ンっ、…は、ぁ…僕も、愛してる…っ、ぁ…あげるから、僕のぜんぶ、君のモノにして、
(こちらが反応を見せる度に耳元で震えた熱い息を感じてそれがまた自分を昂らせていく。噛み跡に吸いつかれると身体が跳ねてリップ音が脳を揺らす。漸く刺激が収まれば蕩けて乱れた顔を晒しながら覗き込む相手の顔を見つめる。その顔は誰がどう見ても劣情の色を宿していて自分しか映していない。拘束が解かれると先程の鋭い刺激に反して柔らかなキスを落とされた。それがどうしようもなく嬉しくて心を満たして力無く不格好に笑みを浮かべる。呼ばれる名前と告げられる言葉はこの世で一番欲しい音で真っ直ぐと相手を見つめこちらからも同じ想いを返す。それと同時に相手の掌が胸板からゆっくりと下へ向かい下腹部を撫でられると色の付いた声と共に腰が浮いてしまう。劣情を孕んだ瞳を向けられながらその先を望まれると腕を伸ばして火照った相手の頬に手を添える。入れ替わりから戻った今、この身体も心も合わせて相手のモノであるともう一度実感したい。声も匂いも視線も、支配欲や独占欲といった黒い感情も独り占めしてしまいたい。頬を優しく撫でると相手の真似をして手を首筋、胸板、お腹と下ろしていき腰の後ろへ添える。そのままこちらに引き寄せて熱い身体を押し当てると「ねぇ、翔太郎?」と誘うように甘く囁いて)
…フィリップ……っ、ぁ……ほんとお前は俺の煽り方をよくわかってるな
(暴力的な行為から一変して優しいキスを落とすと相手は熱と色に塗れながら不格好な笑みを浮かべグッとこの胸を鷲掴みにしてくる。劣情を隠さぬまま欲に近い場所を撫でてやればそれだけで腰は大きく跳ねて同時に甘い声が鼓膜を揺さぶれば食い時だと暗い声が囁いた気がした。頬に手を添えられれば相手の体は十分に熱を持っているのが分かって、熱にあてられた脳内はさらにグラグラと揺れ相手へとのめり込んでいく。そんな状態でこちらを求めるオネダリをされてしまえば何よりの幸福と粘度の高い独占欲とが同時に満ち足りた。相手の熱い手が体をなぞるだけで体が震えそうになる、そのまま一番滾る場所に相手の体が押し当てられればもう限界だった。口は三日月を描く、しかし瞳は熱に浮かされもう相手を食らうことしか考えられない。今日一日胸の奥で追い求め待ち焦がれた相手をようやくこの腕の中に引き戻すことができる。相手に誘われるまま再び唇を重ねると確信の部分へと手を伸ばした。)
(/本体から失礼します!そろそろかなと思いましたので暗転させていただきました。入れ替わりという定番のお話ながら二人らしい騒がしいやり取りであったり所長を絡めてギャグっぽいのりであったりが出来てとても楽しくやりとりさせていただきました。個人的には地.球.の,本,棚.周りのドタバタがお気に入りです。そこからお互いへの気持ちが膨れて甘いやり取りまで出来てとても満足です。今回もありがとうございました!
次の展開はいかがいたしましょう?ここ最近は緩い空気のお話が続きましたのでシリアス寄りのお話でもいいですしゆったりとした日常などでも良いと思うのですが、検索様のご希望などがあれば教えてください!)
(/区切りが良さそうですのでひとまずこちらだけで失礼します。コメディっぽく相手の体になったことの困惑やお互いの真似をしようとして上手くいかなったりと賑やかなやり取りが出来てとても楽しかったです。検索のワードをタイプライターでの入力を想定するというアイデアは探偵くんっぽくて背後共々感心しながらツッコミを入れさせて貰いました。刑事組との絡みも面白くてその後の甘い時間も含め充実したお話でした。おつき合いありがとうございました!
シリアス寄りの話ですとNメモリ辺りの子供へのメモリの流通・使い回しの件を元にした依頼や以前出てきた宗教組織関連の話、誘拐や人質にされた所長を二人で助けに行く話などが浮かんで日常回なら待ち合わせに憧れてちょっとしたデートを所望する検索や理髪店でどちらかが髪を切る話…みたいなのを思いついたのですが探偵様のご意見ありましたらお聞かせください!)
(/たくさん候補あげていただきありがとうございます!どれも楽しそうですね…特に待ち合わせに憧れる検索くんは想像するだけで可愛い姿が目に浮かびます。どれも魅力的なお題ですがここはメモリの使い回しを元にした依頼のお話をさせていただければと!元のお話もシリアスですので緊迫したやり取りができそうですし、出処を辿ればあげていただいてる宗教組織に繋がっていた、とかで話に連続性を持たせても良いなと思いました。基本は本編と同じで娘を探して欲しいって所から始める感じで大丈夫でしょうか?検索様の想定されている筋書きがあればそちら優先で大丈夫ですので、上記はあくまでこちらの思いつきと思っておいてください!)
…それで、その帰ってこない娘を探してほしいというのが今回の依頼内容かい?
(お互いを求めあって様々な欲を満たした翌朝、首元にある痕をガーゼで隠したり?みつかれた方の耳に髪をかけるなと念を押されたりと騒がしかったが相手がちゃんと馴染みのある顔や声であることに安心感を覚えていた。それからいつも通りの日常が戻ってきて数日経った頃、次の依頼は珍しく相棒が運んできたものだった。正確に言えば相手の通う店のオーナーが依頼人らしく最近急に顔を合わせなくなった娘の行方を捜してほしいというものだ。家に帰ってきている形跡があるため完全に行方不明という訳ではないが連絡が取れずに学校も最近はさぼり気味らしい。大体のあらましを聞けばガレージのホワイトボードを消しながら依頼内容を確認するように問いかけ)
(/ならばメモリの使いまわしの話にいたしましょう!きっかけなどは本編通りでいつものように好きな描写ややりたい事を盛り込んでいけたらと思います。出所も今まで出てきた宗教組織や違法バーなどの連中と繋がっていたという案も良いですね、ぜひぜひそうしましょう。出てくるメモリも本編通りでもオリジナルでも良いかなとおもってますので好きに発展させて貰えたらと思います。他にご相談・打ち合わせがなければこちら蹴り可能です。)
あぁ。父親想いの子で去年会った時は特に変わりなかったんだがな……部活頑張ってるって聞いてたから夜帰って来ねぇってのも気になる
(お互いを求め相手を食らった代償は翌日きっちり相手の体に浮かんでいて自分の証が刻まれているのは胸を擽るもののまともに他人に見せられるものではない。早く治ってくれという想いといつまでもそこにあってくれという相反する想いを抱えながら数日を過ごした。そして依頼は意外な所から舞い込んでくることになる、いつも世話になっている理容店のオーナーがその依頼主だ。オーナーの娘とは昔からの顔なじみで顔を合わせれば必ず声を掛けてくれるような子だったが、その子がまるでオーナーを避けるように家へ帰ってきていないという。無事ではあるのだろうが今までの彼女とは随分異なる行動をしているのは事実。顔を合わせなくなったのはこの最近らしい、となれば彼女を大きく変える何かがあったのだろうか。長らく顔を見ていないのはオーナーとしても心配だろう、もちろん顔なじみの自分自身も同じ想いだ。相手に一通りのあらましを話し終えると「まずは茜ちゃんを探し出す所からだ」とス,タ.ッ.グ.フ.ォ.ン.を取り出すと女子高生の情報屋二人と連絡を取り始め)
夜を何処かで過ごしているなら一人でない可能性が高い、彼女と共に過ごしている人物か場所が特定できれば早いだろうね。
(完全に行方不明でなければ警察は動けない。話を聞く以上強い反抗期のような行動にも思えるが顔なじみでもあり世話になっているオーナーの娘となればこの事態を放っておけないのが相棒だ。ここ最近になって急に行動パターンが変わった事から何かきっかけがあったに違いない。夕暮れも早くなったこの頃、夜に年頃の女性が一人で行動しているのは考えにくい。一緒に行動している人物か場所が分かれば彼女の行方も分かるだろうと自分の意見を述べると相手が早速情報収集のため連絡を取り始める。人探しとなれば基本的には相手の担当であり安楽椅子探偵の自分の出る幕はない。外が寒くなってきたことも相まって今回の件は相手に一任しようと決めればソファーに腰掛け、マイペースに本を読み始め)
ったく、……俺はクイーンとエリザベスんとこ行ってくるから何か分かったら連絡するからな
(相手の言う通り女子高校生が夜一人で出歩くのは考えにくい、一緒にいる仲間、もしくは通っている場所があると考えるのが自然だろう。彼女に会ってどうこうするのを考えるのは後回しにしてまずは彼女を見つけるのが優先だ。通知音がなったス,タ.ッ.グ.フ.ォ.ン.をみれば情報屋からの連絡でこちらが二人のもとに到着するまでに情報を集めておいてくれるという。さすが頼りになる二人だ、今の所出番のなさそうで呑気にソファでくつろぐ相手に小さくごちてから行き先を告げるとガレージを出てハットを頭に乗せ外へと繰り出した。情報屋の二人がいるのは最近流行りのカフェで二人へ合流し「で、彼女のことはどうだ?」と早速話題を切り出す。クイーンは自信たっぷりの笑みを浮かべ『もち、調べはついてるよ』と返事が返ってくる。さすがの情報網といったところだ。二人によれば茜ちゃんは最近陸上部の連中とつるんでいるらしい。その陸上部の連中というのが厄介な奴ららしく、陸上の成績はそこそこであるものの素行が悪く夜中に街を徘徊して遊び回っているらしい。エリザベス曰く『ヤバい奴ら』とも繋がっていると噂が立っているようだ。どうやら茜ちゃんが家に帰らなくなった原因は彼らと一緒に行動しているかららしい、彼らのたまり場だという河川敷を教えてもらえばそこへと向かいながら相手へ電話をかけて情報を共有する。「なんで茜ちゃんがそんなヤツらと」と電話口で呟きながら歩みを進めて)
分かった、行ってらっしゃい。__…もしかしたら、思っている物より彼女の居る環境は悪いかもしれない。 僕もそっちに行くから待っててくれ、
(足で稼ぐのは相手の役目であり情報収集はその最たるものだ。行き先と伝言を聞けば視線は本に落としたまま返事をして相手を送り出した。それから区切りが良い所まで本を読み進めふと時計を見れば若,菜.姫のラジオの時間に近いことに気付く。慌てて事務所スペースへと上がりラジオを付けるが馴染みのあるオープニングの後、若.菜.姫が体調不良でお休みである事を知らされるとがっくりと肩を落とす。メインパーソナリティが不在ということで急遽代わりの報道番組が始まってしまい、ラジオを切ろうと立ち上がった所で今日のテーマが風.都の非行少年・少女であると流れてきて動きが止まる。番組内の警察関係者の話では最近深夜に補導されている子供達が増えているらしい。それまでならこれまでもある程度見られた光景だが、最近では優等生とされる人物や夜遊びをした事がない人まで複数人で深夜に出歩くケースも増えてきているとのことだ。そして中にはメモリ所持者も居たという話を聞けば嫌な予感を覚えた。そのタイミングで相手から電話が掛かってくればまずは相手の集めた情報を聞く。そのどれもが自分の中に浮かんだ懸念を強めていく。相手のつぶやきが聞こえるといつもより硬い声で言葉を返す。そう思えば居てもたってもいられず、自分も河川敷に向かう事を告げると電話を切って事務所を飛び出した。急ぎ足で河川敷の近くに来れば見覚えのある後ろ姿を見つけて「翔太郎」と呼びながら傍に近づいて)
あ、おい!____ただの素行不良じゃ終わらなさそうだからな、心強いぜ相棒
(エリザベス達の調べを伝えれば電話口の相手の雰囲気が変わる。オーナーの娘を見つけて終わるはずの依頼だったが何やら雲行きが怪しくなってきた。どう転ぶか分からなくなってきた雰囲気に相手は事務所を飛び出してしまう。一人で行動するのはまだ危険なのだがそれを叱るよりもこの街の人のために飛び出してくるたのが嬉しい、それでこそ鳴.海.探.偵.事.務.所.の探偵だ。一足先に河川敷へたどり着き指定された場所にいけば嫌でも彼女と彼女の『友達』が見つかる。バカ笑いしながら何かを話しているがあまり品の良さそうな会話ではなさそうだ。そのタイミングで聞きなれた声が聞こえて振り返る、相棒の登場にこちらも探偵らしくニヒルな笑みで応えると先程見つけた一団を見るよう促した。「座ってるのが茜ちゃんだ」と目的の人物がいることを告げる、周囲のバカ騒ぎに対して彼女は控えめでなんとなく輪から浮いているように見えた。とにかくこの先がどう転ぶにしろ彼女に話を聞く必要がある。相手に目配せをすれば一団へと近づいた。訝しげな顔を向ける面々を無視して「よ、久しぶりだな茜ちゃん。ちょっとお父さんの事で話あんだけど」と声をかける。彼女はこちらの顔を覚えているようだが気まずいのか目線を泳がせている。何も答えない彼女の隣に男子がやってくれば『早く追い返せよ茜』と発破をかけるが彼女はまだ戸惑ったままだ。男子は嫌なニヤニヤ笑いを浮かべると『ほんっとお前はひとりで何も出来ねぇな!俺がお前の彼氏なの感謝しろよ?』と彼女の体を揺さぶり声をかけて周囲の人間はそれをみてクスクスと笑っている。不愉快な光景に眉をひそめていると男子はふらりと立ち上がり『マジそういうのダルいから。とっとと消えろよ!』と叫ぶと同時にメモリを取りだして)
僕としても気になる事があったから。…あの子が、_…っ!なんで君がメモリを、 っ、コネクタがない?
(声をかけると探偵らしい笑みが返ってくる。直接赴いた理由を話すと促されるまま目的の彼女とその周りに視線を向ける。男女混合のグループで中心となって騒いでいるのが女子高生達の話に出てきた陸上部の部員だろうか。バカ笑いしている彼らに対して彼女は何処か遠慮かちでただの友達では無い空気が感じられる。相棒の人を見る目が間違いない事を考えれば彼女があの場所にいる特別な理由があると推測が及ぶ。目配せを受けるとこちらは彼らの観察に務めて相手と彼女のやり取りを見守る。顔見知りに声をかけられた彼女は気まずそうに目を泳がせ黙り込んでしまう。それが気に入らないのか男子は彼女にニヤニヤと笑いながら話しかけ、周りはそれをくすくす笑う。いつの日か学校に潜入して目撃したいじめの空気と同じものを感じれば無意識に眉を寄せるも男子がメモリを取り出すと目を見開く。予想はしていたが実物を見ると驚きの方が上回る。一部のシンプルな物は量産して価格が下がったとはいえガ.イ.ア.メ.モ.リは学生の手の届かない値段で取引されているはずだ。それに今まで多くの使用者と戦ってきたが未成年だった者はほとんど居なかった。こちらの動揺を怖気付いたと解釈したのかまたゲラゲラと笑い声があがり『これがあれば俺達は超人になれんだ、邪魔するならぶっ潰す』と得意げに男子が意気込むとまっさらな腕にメモリを突き刺す。メモリ使用者ならあるはずのコネクタが無いことに困惑している内に男子はみるみる鳥のような怪物の姿に変わっていき大きく翼を広げたかと思えば自分達にに襲いかかってきて)
俺にはお前が茜ちゃんの彼氏には見えねぇけどな。…ッ、なんだと……フィリップ!あいつらにお灸据えてやんぞ!
(傍から見れば茜ちゃんがあのグループの中で虐げられているのは一目瞭然だ、彼女なんて体の良い言い方をしているがあの男子が茜ちゃんを大事に思っているとは思えない。早くここから彼女を連れていかなければと思った矢先に彼氏と名乗る奴がメモリを取り出して目を見開く。しかもそいつはコネクタのない場所にメモリをさしてさらに驚く事となった。コネクタなしでド.ー.パ.ン.トになる例は初めてで流石に狼狽えてしまう、それを使っているのがまだ年端のいかない高校生となれば尚更だ。怪物は先程よりも高揚しているのかさらに不快な笑い声をあげながらこちらへ襲いかかってくる。しかしただ突っ込んでくるだけの攻撃なら避けるのは造作もない、相手を抱えて横へ飛び初撃を避ければドライバーを取り出し腰にあてがった。ただでさえ使用者を狂わせるのがド.ー,パ.ン.ト.メ.モ.リだというのにあんなイレギュラーな形で使うとなると何が起こるか分からない、しかもそれを性格は悪いとはいえまだ幼い人間が使っていることに組織への怒りを覚えていた。とにかくあのメモリを破壊してしまわなければ、相手に声をかけると切り札のメモリを構えて起動させ)
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