相乗りで何処までも 【 〆 】

何となく普段の服装にも似ている気がするよ、
(キウイを切り終わると隣から息を吐くような音が聞こえて思わず視線を向けた。この間相手のパフェに変化がない辺りずっと見守られていたのだろう。相変わらず心配性ではあるが口を挟まずにいてくれたことが何だか擽ったい。黒を基調とした相手のパフェと色鮮やかな自分のパフェ、シルエットも含めて普段の自分達の格好に似ているような気がして口元に笑みを浮かべながら呟く。以前パティシエばかりを狙う事件でケーキの上に乗っていた飾りを思い出せば残った半月型のキウイを少しズラしてくるくる巻いて行けば薔薇っぽい見た目に仕上がる。グラノーラを地面に見立てるように生クリームとサイコロ状のキウイの上に敷いてその真ん中にキウイの薔薇を置けばグラスの中で咲く薔薇の完成だ。お墓とゴーストの小さなクッキーをグラノーラの地面に突き刺してからワイングラスの口を薄いチョコレートで蓋をする。丁度相手も一番上の層と飾り付けに着手するようで「パフェにおける一番大事なところだ」と期待の視線向けながら様子伺い)

…そう言われればそうだな。ならこれを追加するか
(次の層を作ろうとお菓子の山からダークチョコチップクッキーを取り出していると、相手が二人の格好とパフェが似通っていることに気がつく。改めて二人のパフェを見てみれば色鮮やかで華やかでふわりと広がるような器は相手を、ベース色が黒で縦に長い器は自分を表しているようだ。意識していたわけではないが自然とそうなっていたことにこちらも口元を綻ばせる。それならばより自分を表すようにとお菓子の山へ再び手を伸ばすと鮮やかな紫色のグミを取りして相手が使っていた包丁とまな板の端っこで適度な大きさにグミを切る。平べったく切った紫のグミをグラスに貼り付けるようにぐるりと配置すれば黒に紫が加わりよりこちらの格好に近づいただろう。続いてクッキーを袋に入れて砕いていると相手は最後の仕上げに取り掛かったようで、先程切ったキウイを花のように盛り付けていて芸術的な見た目に思わず「おぉ」と感嘆の声をあげた。そして相手の視線を受ける中こちらも最後の仕上げに取り掛かる。砕いたクッキーを最後の層として入れると生クリームで蓋をする、最後の飾り付けの部分は生クリームをこんもりと盛りミントの葉を飾り付けた。最後に相手の使っていたイチゴジャムを拝借すると差し色として、あるいはネクタイのように、一筋生クリームの上に垂らせば「完成だ」と相手の方を向いて)

ハーフボイルドの君らしいパフェだね、…こっちも、これで完成だ。
（相手の色とも呼べる紫のグミを一周させるとますます相手らしくなって小さく笑う。落ち着いた色の見た目とは裏腹に生クリームがたっぷり入った層にクッキーやブラウニーが入っていて甘いことが想像できる中身は正に相手にそっくりなパフェだろう。一番上部に生クリームが盛られミントの葉とネクタイのようなイチゴジャムが垂らされるとますますそう見えて笑みを浮かべながら素直な感想を告げる。自分も最後の仕上げをしようと相手が使い終わった生クリームを受け取ってチョコの蓋の上に絞る。その上にサイコロ状の二色のキウイフルーツと相手のブラウニーの残りを長方形に近い形に切ってクリップのように斜めに挿せばこちらのパフェも完成だと告げる。自分のグラスを持って相手のパフェの横に並べると二つのパフェの違いがより感じられて「なかなか良い仕上がりだね」と声を弾ませて告げ）

これのどこがハーフボイルドだ！ってかハーフボイルドじゃねぇよ！！ったく……なんか、食べんのがもったいなくなっちまうな
(黒色をベースに同じ色でも違う様相の層を作ることができて自分の中でも満足していたが、相手がそれをハーフボイルドだと表現すれば聞き捨てならず間髪入れずに突っ込んだ。パフェである以上は中身が甘いもので溢れるのは仕方がないだろうと言い訳をしようとするがその前に相手は最後の仕上げに取り掛かってしまって不満気なまま言葉を引っ込める。相手の仕上げはというとさらにキウイが追加され緑が足されブラウニーで作られたクリップが刺さりより相手を象徴するような出来になる。二つのパフェが並べばそれぞれ個性的でありつつ互いの要素を感じる二人で一人の探偵が並ぶような仕上がりで期待以上のものが出来たと相手とパフェとを順に見つめた。お菓子消費で始めたパフェ作りがこんなにも良いものになるとは思わなかった。当然このあとはこれを食べなければならないのだが直ぐに無くなってしまうのはもったいないと思いが働き「写真撮らねぇか？」と相手に視線をむけ提案し)

(/本体から失礼します。今日で検索様とお会いして3年になりますね。改めてここまで長く楽しくやり取り出来ていること幸せに思います。いつもいつも幸せな時間をありがとうございます。1年前のやり取りで800レス目くらいだったのを思うと改めて濃い1年間だったと噛み締めております。ふと検索様との過去のやり取りを読み直したりするのですが、本という形にして手元に置いておけないかなと考えたりしています。まだまだ検索様とお話を紡ぎたいテーマはつきませんので、これからも仲良くしていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。/こちら蹴りで大丈夫です)

ああ、ある意味作品ともいえるものだからね…。写真か、確かにそれなら記録に残すことが出来る。
（ハーフボイルドに対して入る鋭いツッコミも気にせずに最後の仕上げをしてから二つのパフェを並べるとそれぞれの好みを反映しつつそれとなく二人の雰囲気を感じられる様子に仕上がって満足げな表情を見せる。だが満足いくものが出来たからこそ相手の呟きは同感出来る。一方でアイスなど溶けやすい材料を使っていないとはいえ放置していれば劣化していくのも事実。残念そうに呟いていると相手の提案に顔を上げる。写真ならば今のままの姿を記録に残すことが出来る打って付けの手段だ。ぱっと表情を明るくしてすぐさま賛成を示すと相手の机からバ.ッ.ト.シ.ョッ.トを持ってきて撮影を始める。せっかくの出来栄えを一番きれいに撮るためにも色々な角度や場所から撮っていった。ある程度納得のいくものが撮れたがせっかくならパフェだけでなく一緒に作ったこの時間の思い出も残したくて「製作者の顔も一緒に残しておこうか」と提案して相手の隣に並び）

（/今日で三年になるんですね。日数に加えて前のスレも合わせれば5000に近いレスを続けている事を考えるととても長く深いお付き合いをさせて頂いていて感謝しかありません。嗜好が似ていることもそうですが探偵様のロルの使い方や展開の仕方がすごく好きでいつも楽しくやり取りさせて頂いています。本当にありがとうございます！自分もエピソードごとにリンクを作って読み返したりするので本という形で残そうとしてもらえるくらい気に入って貰えていること凄く嬉しいです。候補として挙げてもらったものも全部出来てませんしまだまだ探偵様とやりたい話沢山ありますのでこちらこそこれからもよろしくお願いします。/蹴り可能です）

だろ？せっかく作ったんだから記録残しとかないとな。___良い案だ
(写真を撮ることを提案すれば相手の顔は分かりやすく明るくなってこちらもつられて顔を綻ばせる。二つのパフェはこの時しかないものだ、ならば何時でも思い出せる形に残しておくのが一番だろう。相手は早速バ.ッ.ト.シ.ョッ.トを取ってきて撮影を始める。てっきり保存用に一枚撮って終わりかと思っていたが相手は角度や場所を変えて何枚も撮る気合いの入りぶりで、思いつきで作り始めたパフェも作ったかいのあるものになる。事務所を背景にそれぞれのモチーフを有したパフェが撮られるとますますパフェは作成者に近づいているような気がして愛着も増してしまうというものだ。相手から二人の顔と共にパフェを撮ろうと声を掛けられると当然肯定の返事を返してそれぞれの前にそれぞれが作ったパフェを配置する。バ.ッ.ト.シ.ョッ.トをライブモードにすると二人とパフェとが映る位置へと移動させた。この何気ない日常の時間と少しだけ特別なパフェ作りの時間が今何よりも幸せで尊いものに思えて、心のままに相手の腰へと腕を回すと体をこちらへと引き寄せた。これでは恋人の写真になって当然他人には見せることができないが今はその恋人の写真を望む自分がいて「目瞑るなよ」と冗談を飛ばしていればシャッターがきられて)

、瞑らないよ。…じゃあ仕返しにもう一枚、
(自らも写真に映ることを提案すると良い返事が返ってきた。パフェを良い位置に配置してからバ.ッ.ト.シ.ョッ.トを飛ばして全体を映す画を作る。なんて事ない日常の延長だが今日は二人で初めてパフェを作った記念日でもある。それを記録に残そうとカメラを見つめているとふと腰に手が回って引き寄せられる。少し驚くもただ並ぶよりも近い恋人としての位置に思わず口元が緩んで相手の揶揄うような冗談に軽い調子で言葉を返す。恋人といることで自然に浮かんだ笑みのままシャッターが切られ、確認せずとも良い写真が撮れたのが分かる。これで本来の目的は達成した訳だがふと先程されたことを思い出した。にやりと笑って告げるとバットショットはそのままに離れていこうとする相手の肩を掴んで引き寄せると頬に軽く口付ける。その瞬間と少し後にシャッターが降りると「良い写真が撮れたかな」と悪戯に笑って)

仕返し？、なッ？！…馬鹿、お前！！今の写真消せ！！
(シャッターがきられて恋人の二人の写真がまたひとつ増える。なんでもないような日常でいて二人で初めてパフェを作った記念日だ。今の写真を現像するのが楽しみだと考えていた矢先、相手が不穏なワードを口にしてそちらに意識を取られる。咄嗟のことで何に対する仕返しなのか分からないでいると肩を引き寄せられてそのまま頬に口付けが落ちた。唐突のことで心の準備が出来ておらずしかも今は写真を撮るためにレンズが向けられていることを考えれば思いっきり動揺してしまい驚きで目を見開いて焦った声を出してしまった。悪いことにシャッターがきられたのはその情けない顔を浮かべている瞬間で、きっと困惑と照れが入り乱れた顔が写真に収められたことだろう。相手の方を素早く見るとそこには悪戯な笑みが浮かんでいてその顔にも心中を掻き乱されるものだから言いたい事が多すぎてシンプルな言葉しか出てこない。ひとまず今の写真を見られるわけにはいかず中身を確認される前に消してしまおうとバ.ッ.ト.シ.ョッ.トを捕まえようとして)

嫌だよ、せっかく良い写真が撮れたのに。 それに僕のス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンに転送するように設定済だ。
(頬に口付けをして離れてみれば思いっきり動揺して焦った反応する姿にますます口角は吊り上がる。これであの時の仕返しは果たすことが出来ただろう。先程よりも更に人には見せられない恋人の写真が撮れた訳だが相手にとっては恥ずかしいのかそれを消すように言われるもバッサリとそれを切り捨てるように告げる。珍しい相手の表情を捉えた写真を消すつもりはさらさらない。加えてパフェを撮った時から写真を自分のス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンに自動的に送るように設定していることを明かして消しても無駄ということを告げる。言外に諦めるように伝え「写真も撮ったことだしパフェの実食に移ろうか」と話題を誘導しようとして)

ぐ、……絶対に他人に見せるなよ。お前だけしか見るなよ！
(ハードボイルド探偵として恋人からキスを受けて動揺している瞬間の姿を残しておくことなんてできない。バ.ッ.ト.シ.ョッ.トを捕まえようと手を伸ばしたがライブモードになったバ.ッ.ト.シ.ョッ.トは簡単には捕まらず高度を上げて逃げていってしまう。追い討ちのように相手からきっぱり写真の消去にノーを突きつけられてしまい、さらにはすでにス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンに転送済みだと言われれば写真を撮る前から既に手遅れだった事実が明らかになりまさにぐうの音も出ないというものだった。口角が限界まであがった相手の顔を恨めしそうに見たあと盛大にため息をついて他人に見せないよう釘を刺してこちらが折れることとなった。パフェを食べる流れに乗っかることにするとパフェスプーンを取ってきて相手に渡し)

見せないよ、僕だけの宝物だ。ありがとう、…ん、美味しい
(羽ばたくバ.ッ.ト.シ.ョッ.トに手が届かず削除が叶わないと分かると恨めしそうにこちらに視線が向く。結局折れたのか強めに釘を刺されるが言われなくてもそのつもりだ。自分にしか見れないであろう恋人の写真、それを大切な宝物と嬉しそうに称してその事を約束する。仕返しが出来たことととっておきの写真が撮れたことに満足げにしながらもパフェを食べる流れに移ると相手からパフェスプーンを受け取って席に着く。今一度パフェの全体を眺めてその姿を記憶に留めてから一番上の生クリームとキウイをすくって口に運ぶ。甘い生クリームと爽やかな酸味も感じるキウイの組み合わせに口元が緩んだ。次にブラウニーを崩して生クリームと共に食べてみれば今度はそれぞれの甘さを感じられて満足そうに感想呟き)

、ならいいけどよ……ん、ダークチョコと生クリームが良いバランスになってて美味い
(他人には絶対に見せられない醜態とも言うべき瞬間の写真だが、相手はその写真を宝物だという。そんな事を言われてしまえばもう消せだなんて言う言葉はいえなくなってしまった、たとえ相手が悪戯を含めて満足そうな顔をしていても。すっかり甘やかしている自覚はあるものの甘んじて受け入れながら自作のパフェを食べ始める。カカオの苦味の強いクッキーと生クリームはちょうどいい塩梅で口の中で混ざり合い文句のない味だ。続けて一口食べるも、ふとお菓子の方に注力しすぎてパフェには大抵ついてくるフルーツを入れ忘れていたことに気がつく。対して隣の相手のパフェにはキウイたっぷりで甘酸っぱい果肉と生クリームの相性が良さそうだ。相手のパフェを指さしながら「キウイのとこ一口くれねぇか？」と聞いてみて)

こうやって一度に様々な種類の甘味を楽しめるのもパフェの魅力だね。…、良いよ。あーん、
(フルーツとブラウニーを同時に食べる機会などあまりないがパフェとなっていればそれぞれを少しずつ楽しむことが出来る。贅沢な食べ方が出来るのもパフェならではだとご機嫌に語りながらも蓋の薄いチョコレートをスプーンで割って中のグラノーラと生クリームの部分をすくいあげて口に運んだ。興奮のあまりそこそこ量の多いパフェに仕上がったが甘味の方向性の違いや食感の違いもあって飽きずに食べ進めることが出来そうだ。そのまま食べ進めていると相手からキウイ部分を食べてみたいと強請られる。確かに相手のパフェは様々なお菓子が入っているが果物の類は入っていない。違った種類のパフェを食べられるのも二種類作った理由だろうと快諾すると再びスプーンをグラスに入れて生クリームとサイコロ状のキウイが埋まった部分をすくい取る。相手の方向を向けばそのままスプーンを口元に差し出して)

、……写真撮んなよ？ん、……甘酸っぱくて美味いな
(器を選んだ時点で多少覚悟はしていたものの二人分のパフェにはぎっちりとお菓子とフルーツが詰まっていて見た目重視で作った結果かなりの量になっている。相手の言うように少しずつ色んな味が楽しめるのを考えれば食べるのに苦労することはないだろうが暫くは何も食べずに過ごす事ができそうなボリュームだ。腹が膨れてしまう前にフルーツを一口貰おうと思い声をかければすんなりと了承される。早速スプーンを伸ばそうと思ったが相手は自分のスプーンでこちらの分を掬いとり生クリームをたっぷり纏ったキウイを差し出してくる。これも慣れた行為ではあるが先程のことを思うとバ.ッ.ト.シ.ョッ.トが飛んでいないことをちらりと確認して冗談めかして釘をさしてから差し出されたスプーンを口に含んだ。キウイ独特の味に生クリームが相まって爽やかな甘味だ。満足気に顔を緩めるとこちらもスプーンで砕いたクッキーに生クリームを纏わせ掬いあげるとそのまま相手に差し出し「こっちも食ってみるか？」と問いかけて)

丁度熟し加減もバッチリみたいで良かった。ああ、食べてみたい。…ん、クッキーがアクセントになると共にちょっぴりほろ苦くて大人の味だ
(フルーツを強請る相手に生クリームを絡ませたキウイを差し出すと撮影のことをからかいながらもスプーンを口にする。すっかりこの行為も慣れたものだが相手のパフェには無い甘酸っぱい味に分かりやすく顔を緩めるのを見ればこちらまで嬉しくなってしまう。買ったキウイも選別方法を使って決めたが丁度良い具合の熟し方のようでパフェにはピッタリだ。同じ美味しい物を共有出来たことに嬉しそうとしていると今度は相手が生クリームと砕けたクッキーがたっぷり乗ったスプーンを差し出してくる。表情明るくしてすぐに前向きな返事をするとスプーンを口にする。自分と同じ生クリームの甘味とクッキーの外は少し柔らかくなった所と中は変わらずサクサクとした食感を感じられて絶品だ。「二種類も食べられて今日は贅沢だ」と顔を綻ばせて)

まさにハードボイルドな味だろ？これも二人で作った特権だな
(こちらの差し出したスプーンが相手の口の中へと吸い込まれていく、これも恋人にしかできない特権だ。笑みを浮かべながらこちらのパフェを咀嚼する相手を見ていれば自然と顔も綻んで暖かいものが胸に溢れるというものだ。パフェである時点でハードボイルドからは遠い存在になっているのだが相手の口にした『苦くて大人の味』というワードに即座に反応してクールなキメ顔で返事をする。元はと言えば甘くなりすぎないようにするためにビターな味を選んだ結果黒色中心のパフェになったのだがそれが自分を象徴するようなものに変化するとは思わなかった。一層目を食べ終わり二層目であるチョコフレークとマシュマロを頬張る。相手の次の層というとキウイが華やかに飾られた部分だ。相手のパフェを象徴するような箇所に「ここからが本番って感じだな」なんて言いながらパフェを食べ進めて)

ああ。切り方一つで印象が変わるのだから盛り付けというのも中々奥が深いね。…、見てくれ翔太郎。これがサイクロン、ルナ、そして下のジャムがヒートだ、
(何気無く零した大人の味というワードに相手が分かりやすく反応を示す。甘味ばかりの材料の中では、という話だが相手っぽいと評したパフェを表す評価としては嬉しい言葉だったらしい。甘いパフェを食べながらクールなキメ顔をするアンバランスさが面白くてクスクスと笑いながらも食べ進める。お互い二層目に入ると先程とはまた違った味わいを覚える。このバラや飾り付けも調べたままの技術を試したものだがただ雑に切ったものよりも見た目は華やかで気分が上がる。料理における見た目の重要性を感じながら食べ進めていたが緑と黄色のキウイフルーツ、そして底に入れたイチゴジャムの色合いの組み合わせである事に気付くと思わず相手に呼びかける。それを一つ一つ自分のメモリに重ね合わせて説明すると「僕のメモリてんこ盛りだ」と嬉しそうに告げて)

ん？……クク、てんこ盛りか。確かにお前のメモリばっかりだな。なら俺も………………トリガーはギリギリこれとして、メタルは……無理だな
(こちらは重ねる事で見た目を担保していたが相手の方はキウイの切り方だけでそれを一手に担っている。同じキウイでも色と形が違えばこれだけ華やかになるのだ、いつかの日に相手がフルーツカットの仕方で検索に没頭する日もやってきそうだ。その日が捜査の日と被らないことを願っていると相手から声を掛けられ再び向こうのパフェへと目を向ける。嬉々としてパフェの中身を差しながら相手のメモリと同色であるのを説明されると笑い声を漏らす、『てんこ盛り』というワードもパフェにピッタリだ。それならばとこちらも少々トッピングを足して三つのメモリでてんこ盛りとしたいところだ。ジョーカーは紫のグミとして他の二色を、と考え始めたところで手が止まる。残りのメモリはメタルとトリガー、色で言えば銀色と青色、どちらも食べ物ではなかなか見ない色合いだろう。暫くお菓子の山をあさって青色をした小粒の青色チョコは見つけるがさすがに銀色の食べ物はない。せいぜい包み紙くらいだ。考えたがいい案は浮かばずギブアップとばかりにチョコを摘んだまま相手に苦笑いを浮かべるしかなく)

無意識にこの色を選んだみたいだ。銀色…、トッピングだけどコレとかどうだい？
(指をさしながら説明すればこちらの気付きを共有出来たようで相手が笑い声を漏らす。完全に偶然の類ではあったのだがすっかり生活に馴染んだ色に何だか擽ったく思えた。それを見てか相手もメモリの色で揃えようとお菓子の山を探し始める。だが相手の残りのメモリは青色と銀色、どちらも食べ物としてはあまり見ない類の色である。辛うじて青色のチョコレートを見つけたようだが銀色は見つからないようだ。確かにお菓子にはそんな物は無い、と考えたところで一応買っておいていたトッピングの存在を思い出すと自分の袋の中からアザランを取り出して見せる。銀色の糖衣菓子はそれ単品ではお菓子とは言えないが相手のシックなパフェに彩りを添えるにはピッタリかもしれない。それを見せながら「これで君もてんこ盛りだ」と提案して)

なんだ？…おっ、確かにこれなら銀色だな！ならこれとこのチョコで……よし、これで俺のメモリてんこ盛りだ
(こちらのメモリの色を食材で揃えるのはハードルが高かったかと諦めかけたところで相手が何かを思いついたようで自分の買い物袋を覗き始めて隣から同じく覗き込む。中から出てきたのは製菓用に使用するアラザンでその色は求めていた銀色そのもので思わず感嘆の声をあげた。相手から袋を受け取ると早速開封する。グラスの内側を一周するようにはり付けた紫色のグミ、その内にあるチョコフレークの上に青色チョコを数粒乗せフレークの合間に入っていくようにパラパラとアラザンを入れればこれでジョーカー、メタル、トリガーの色が揃う。相手とお揃いの状況になれば再び二つのパフェを並べる。同じてんこ盛りになったことに「これでまたお揃いだ」と満足げに笑みを向けて)