検索 2022-07-09 20:46:55 |
通報 |
……、おやすみ翔太郎。
(眠りに入ることに誘うと相手もこの空間を逃したくないようで同意の返事が返ってくる。今日はこれからの予定や目標を立てて新しい服を買って、充実した一日だった。お互いの色の寝間着に身を包んでその体温を抱いて眠れば上質な睡眠が取れるに違いない。心地良い微睡みの中にいると後頭部に手が添えられて唇が重なる。触れるだけのキスを長い間続けていれば相手の存在を強く感じることになって胸が温かい物で満たされていく。ゆっくりと相手が離れていけば目を開いて小さく笑みを見せる。今一度回した手で相手を引き寄せて全身でその温かさを感じながら言葉を返せば睡魔に身を任せるように目を閉じて安らかな眠りに落ちていき)
(/こちらこそお世話になっております。まったりとした空気感の中冬支度をしながらも新しい物を買ったり旅行の約束をしたりとこれからを予感させる日常を楽しむことが出来てとても良い時間でした。丁度冬に旅行の話がやりたいなと考えていた所だったのでコタツも含め温泉街に行くのが楽しみです。ありがとうございました!
どちらもやりたいなと思っているので悩むのですが後者はいかがでしょうか。原作をサブスクで見返そうとしたら現在配信していないようでかなりうろ覚えになるのですがそれでも宜しければ二人ならではのアレンジや描写入れつつ19世紀ロンドンで探偵をやってみたいです!)
____妙な事になってきたな
(互いの色を纏って深い深い眠りについた翌日、なんとか定刻に起きる事が出来てスリッパも免れ無事に所長から冬の旅行の了承も貰って『じゃあその分みっちり働かないとね!』と所長がとってきた依頼を精力的にこなす日々を送っていた。それから一週間ほど、またも所長が取ってきた護衛の依頼先で予想外の事がおこった。事務所にやってきたのは一人のミステリ作家で、事情は話せないがとあるVRゲーム試遊イベントの間護衛をして欲しいという内容だった。なんでもそのミステリ作家はVRゲームに組み込まれる5つの物語のうちのひとつのシナリオを担当していたそうだが、事情があって命を狙われているらしい。護衛の理由を知りたいところだったがイベントまで時間がなく、そこを突き止められずにイベント当日を迎えた。ゲーム会社の本社の巨大ホールにイベント会場が設けられ、依頼人は別室で仕事をしているとのことでその部屋に向かったが、部屋に入った時には依頼人が殺されていたのだ。しかも依頼人が仕事で使っていたらしきPCには『M』の文字が刻まれたガ.イ.ア.メ.モ.リ.がすでに破壊された状態で刺さっていたのだ。さらにそのPCのキーボードはJ、T、Rの部分だけ血痕があり、依頼人の指にも血がついていたことからダイイングメッセージだろうという見解がなされた。メモリが見つかったこともありすぐさまジンさんを呼んで現場検証を始めて貰ったが犯人は浮かび上がってこず、眉間にシワを寄せながら事件現場を眺めていて)
(/こちらもまったく同じ状況で利用しているサブスクでは視聴することができず……うろ覚え同士となりますがこの二人ならではの物語にしていきましょう!なんとなくメモリと絡めてみましたが大筋は映画通りということでお願いします。それでは仮想空間ではありますが19世紀ロンドン楽しみましょう!/こちら蹴りで大丈夫です!)
手がかりになるのはメモリとこのキーボードの血痕だろうね。J、T、R……ジャック・ザ・リッパー?
(冬への支度を済ませ旅行の予定を所長に申請すればその前払いとばかりに依頼をこなす日々を送っていた。その中で舞い込んだのはミステリー作家の護衛依頼だ。被害者は危害とは縁がなさそうに思えたがその理由は明かされず、だが何処か深刻な形相で話すものだからその依頼を引き受けることとなった。そして当日、依頼に加えて運が良ければVRゲームを体験出来るかもしれないという好奇心で相手と共にイベント会場へと向かうこととなった。護衛の依頼のため依頼人が仕事をしている別室へ向かうと既に事切れた依頼人と破壊されたPCを発見した。直ぐに警察を呼んで現場検証をして貰ったが凶器などは見つからず、周囲もある程度誰でも入れる状態であれば犯人を絞ることに難航していた。刃野刑事の手配もあって特別に捜査している現場の入口まで入ることが許されている状態で眉間にシワを寄せる相手に目を向ける。大した犯人の足取りが掴めない今、手がかりになるのは破壊されていたメモリとダイイングメッセージと思われるキーボードについた血痕だ。かすれ具合や依頼人の指先に血が付いていたことからしても命が尽きる直前に何かを伝えようと残したのは間違いないだろう。顎に手をやりながら血痕のついていたアルファベット3文字を読み上げると近々何処かで見たような文字列であることが引っかかる。何とか思い出そうと考え込んでいるとパソコンが乗っている机の端に今回のイベントの企画書を見つける。その瞬間依頼を受けた際に彼が自分の担当シナリオについて語っていたのを思い出すとそこに出てきた連続殺人犯の名前を口に出す。そこからもしもの可能性が繋がっていけば「翔太郎、今日試遊されるVRゲームって」と目線をやりながら相手の意見を伺って)
あぁ、でも肝心の意味が……そうか、VRゲームのシナリオに切り裂きジャックが出てくるんだ。ってことはゲーム内の切り裂きジャックに犯人のヒントがあるってことか
(護衛をするはずだった依頼人が殺されているこの状況で簡単に引くことはできず、何か思いつかないかと現場を観察していると隣にいる相手が何かに気づいたようにこの世で一番有名な殺人鬼の名前を口にしてそちらを見る。そして視線が企画書に移りこちらを向いてVRゲームの話が出ると自分の中でもそれらのキーワードが繋がった。ミステリー作家がVRゲームのために作成したシナリオは19世紀末ロンドンを舞台に世界で一番有名な探偵シャーロック・ホームズと世界で一番有名な殺人鬼切り裂きジャックを織り交ぜたストーリーになっていると事務所で語っていた。なんでもホームズと共に切り裂きジャックを捕まえるという筋書きらしい。あのダイイングメッセージが殺人鬼の名前を示すなら依頼人が死に際に伝えたかったことはゲーム内に存在し依頼人が生み出した切り裂きジャックを意味するはずだ。となるとこの事件を解くためにはゲームの内容を知るしかない。だがそのゲームはこれからのイベントで初お披露目されるもので事前に情報を手に入ることはできないだろう。となれば実際にゲーム内にいる切り裂きジャックを調べるしかない。相手に目配せしたあとジンさんに声をかけると二人の推理を伝えゲームに参加したい旨を伝える。ジンさんは少々戸惑った様子だったが理解はしてくれて早速主催者へと連絡を取ってくれた。しばらくして空きが出ている二名分に二人が参加できるよう手配してくれたのを聞いて礼を伝える。この依頼人を泣かせた奴を特定するためにもゲームに挑まなければならないようだ。「よし、いくぞフィリップ」と声をかければイベント会場へと移動して)
ああ。見方によってはその情報を葬るために犯人が依頼人に手を掛けたとも取れる。ゲームの内容が犯人に繋がる唯一の手掛かりだ。
(今回のVRゲームのシナリオはこの為に作成した書き下ろしで体験者にもネタバレ禁止をお願いしている気合の入れ様だ。その中に何か犯人に不都合な情報やヒントを盛り込んだのならこのイベントに合わせて護衛を頼んだ意味もパソコンが破壊されている理由も理解が出来る。となればそのゲームを実際にプレイしてその手掛かりを掴むしかないだろう。相手と目配せすると刃.野.刑事に話を通して主催者の方に連絡を取ってもらう。運よく二人分の欠席が出ていたようでその枠に参加させてもらうこととなった。相手の言葉に頷くとイベント会場へ向かう。会場ではお披露目会が始まったばかりのようでゲーム会社関連の人物やスポンサーの者たちが真剣に話を聞いていた。今回のVRゲームは脳波に働きかけることで催眠状態になり、作り上げられた仮想現実にてゲームの世界観を体験出来る新時代型の物だ。まさにゲームの中に入り込めるという画期的な開発はかなりの注目を集め今回の体験会も限られた人しか参加出来ないらしい。開発者の技術的な話や今回用いられた人工知能についての説明は興味深くつい事件のことを置いて熱心に聞いていたがついにメインである体験の時間が宣言されると周りから歓声があがる。対象者が壇上にあがるようにアナウンスがあると「行こうか」と声を掛けてゲーム機の元に向かい)
もともとは護衛を頼まれてたんだ。あの人がなんで殺されたか、絶対に真相突き止めてやろうぜ
(相手と共に会場に入れば、会場の前方には壇上に司会者が立ちその後ろにズラリと丸い卵のような機械が並んでいてなかなか壮観な景色だ。開発者の話は小難しくほとんど理解できないが、なにやら明晰夢のようなものを見れるらしいのは理解できた。隣の相手が真剣に壇上の人間の話を聞く間こちらはぐるりと会場を見回してみる。今回のイベントの参加者は自分達を含めて50名らしいが、参加者に選ばれたのは財閥の子供だとか若い実業者だとか有名人の二世だとか、将来を期待されている若い人間ばかりらしい。自分や相手と同じ歳の人間ばかりで年齢的には混じっても目立たなさそうだが、住む世界が違う人間なのは間違いなさそうだ。いよいよゲームが開始するというアナウンスがあれば相手に頷き返して機械のもとへ向かう。卵型の機械の中には椅子がひとつ置いてあるだけで相手に目配せしてから中の椅子へと座る。この時点で視界はほぼ機械に覆われてほとんど外は見えなくなってしまった。暫くした後全員が機械に入ったと司会の声がきこえ、カウントダウンのあとに『スタートです!』と合図が聞こえる。周囲から機械音がしたかと思えば上からゆっくりとヘルメットのような機械が降りてきて頭をすっぽりと覆い、機械も丸ごと自分を包んで暗闇に閉じ込められてしまった。完全に視界を奪われてしまえば耳元で『ゲームスタート』と機械的な音声が聞こえる。その瞬間、目の前を覆うバイザー部分に一瞬赤いモヤが走った気がして目を見開く。しかしそれをきちんと認識する前に意識は強制的に沈んでいって)
__…ここがゲームの中か、本当に現実みたいだ。…、これはさっきの…、っ!!
(促されるまま卵型の機械の中に入って中に設置してある椅子に座る。待つ間内部を確認してみるがゲームに没頭できるように防音性の高い材質が使われていて眠るのに最適な環境になっている。開発者の説明を聞くに根本の仕組みはナ.イ.ト.メ.ア.ド.ー.パ.ン.トの依頼の際と同じだろう。全員が準備が出来たのか司会がアナウンスをすると機械の蓋がゆっくりと閉じられていく。スタートの合図が聞こえると同時にヘルメットのような機械が降りてきて頭部が固定される。何となくあの施設で研究の際に使われていた物と似ているなと思い出していると耳元で機械的な音声が聞こえた後、真っ暗な視界の中赤い何かが揺らいだような気がしたまま意識が落ちていった。浅く意識が浮上する気配がしてゆっくり目を開く。見覚えのない薄暗い場所で身体を起こしてみれば周りには同じように今目覚めたという参加者がいてその中には相手の姿もある。相手の元に向かいながら手を握ったり開いたりしてみるが特に違和感はない。だが状況を見るにここがゲームの中だろう。少しすると女性の声でゲームの趣旨が説明され、目の前には今回遊べるゲームのタイトルとイメージ図が現れる。今回は一つのゲームだけが遊べると告げられたかと思えば急にその音声にノイズが走って音が割れる。思わず眉を寄せ周りからもざわめきが聞こえると音声は意識を失う前に聞こえた機械的な音声となり『ただそれだけだとスリルに欠けるから今回だけの特別ルールを設けよう。5つのゲームの中で君たちには様々な困難が待ち受けているだろう。この世界はゲームの中だが現実と同じ、もし君達全員がゲームオーバーになってしまったら君達の脳に直接高出力の電磁パルスを流して脳を破壊する。つまり君達は二度と現実に戻れずに死ぬ。』と告げる。辺りが一瞬静まり返り一斉にパニックに陥る。その中で相手に視線をやれば「もしかしてこれも犯人が、」と推測を口にして)
あぁ、ゲームの中とは思えねぇな。…ッ!!……野郎、事件の真相をもみ消す気かよ。でも、その言い方なら一人でもクリアすりゃいいってことだよな?
(意識がゆっくりと浮上するとがらんと何も無く薄暗い空間が視界に入ってきて目の前の光景に一瞬戸惑う。しかし周りにいるのは同じゲームに参加していた人々だ、つまりこの空間がVRゲーム内ということだろう。現実と遜色ない感触に夢だとは信じられずにいれば相手が近づいてきていつものように話しかけてくる。同じく自分の意志で返事をすることが出来ればやはりここがゲーム内というのが信じられなかった。やがてゲーム案内の音声が流れ出し5つのステージが紹介される、二人が選択すべきは19世紀ロンドンのステージだ。説明を聞いていれば突然耳障りな音が聞こえて眉を顰める。直後聞こえてきたのは意識を手放す直前に聞こえた機械音声でルールに命を懸けることが追加されると息を呑んだ。周囲がパニックになる中相手と目を合わせると推測に同意するよう頷く。犯人が知られたくない何かがあのロンドンに隠されているというならば、犯人はその情報を現実に持ち出させない気だろう。だがあくまでもこれはゲームだ、一方的に殺されるのではなくクリアをすれば全員無事に帰ることができる。それを指摘してやれば先程案内をしていた女性の声がノイズで混じるようにしながら『その通りだ』と返事が返ってきて、不可解な現象に眉をまた顰めていた。ここがゲーム内である以上そのルールに従いクリアするしかない。未だパニックに陥る周囲の人々をよそに目の前の空間に5つの扉が現れると『さぁ早く挑むゲームを選ぶといい』と機械音声は参加者を急かしてくる。戸惑いながらも数人が歩みを始める中「よし。かのシャーロック・ホームズと俺達、どっちが優秀な探偵か勝負といこうぜ」と気取った顔で若干ストーリーの趣旨に反することを言うと真っ直ぐと221Bと書かれた古ぼけた扉、19世紀ロンドンのステージへ続く扉へ歩んでいき)
ああ、事件を解決する為にも僕達が生きて現実に戻る為にもそのゲームをクリアしよう。__ここは…本当に19世紀のロンドンにやってきたようだね、
(シナリオ作成者が居なくなった今ゲームをクリアして情報をえる可能性のある自分達を消してしまえば真実は闇の中だ。だが相手の問いとその回答を聞く限り最初からゲームの起動を阻止したり無条件に電磁パルスを流すのではなくわざわざ全員がゲームオーバーになったらと条件がつくのが気になる。それが出来ない条件のような物があるのかそれとも何か企んでいるのか、今の段階では判別が出来ない。どちらにしろ今の自分達にはゲームをクリアする選択肢しかないだろう。機械音声は命を掛けるゲームの選択を迫る。各々が動く中かの有名な探偵に張り合う相手にいつもの調子で返答しつつ決意を固めると古ぼけた扉の前に立つ。自分たちとこのゲームを選んだ他数人の顔を確認した所で『それではゲームを開始する』と機械音声が告げると眩い光に包まれて反射的に目を閉じた。光が段々と引いていき穏やかな風を感じれば瞼を開ける。目の前には写真や資料などで見たヴィクトリアン様式の建物が立ち並び夕暮れ時のようで辺りは暗くなりつつある。情景から見るにどうやら19世紀ロンドンのステージに降り立ったようだ。辺りを確認しながらもふと懐を探れば持っていたはずのガジェットやメモリの類はどれもなく、どうやら身一つで挑まないといけないらしい。心もとないが「確かこのゲームのクリア条件はこの時代の連続殺人鬼 ジャック・ザ・リッパーを捕まえることだったね」と目的を再確認して)
あぁ、確かあの依頼人はホームズと協力してジャック・ザ・リッパーを捕まえるシナリオだって言ってたはずだ。つまり、俺達がまず会うべきは名探偵シャーロック・ホームズってことだな
(扉の前に立ち機械的なアナウンスが開始を告げると眩い光に包まれて思わず目を閉じる、次に目を開けた時に見えたのは夕暮れ時霧に包まれた見慣れぬ街並みで思わず辺りを忙しなく見回した。見たことも無い景色にあっけに取られていたが知識のないこちらがみてもここは過去の風景、つまりここは19世紀のロンドンなのだろう。馬車が闊歩しどこか薄ぼんやりとした街並みは見慣れぬせいもあって不気味に見えた。相手にゲームのクリア条件を確認されると出発前に女性の声がアナウンスしていた内容を思い出す。併せて依頼人の話を思い出しながら、各ストーリーにはお助けキャラなる人物が配置されていてこのストーリーにおいてそれがあのシャーロック・ホームズであるのを思い出した。ホームズと共に殺人鬼を見つけ出す物語ならばその名探偵は必ず殺人鬼へ至るヒントを持っているのがゲームの筋というものだろう。まずは名探偵に会うことを提案するも当然土地勘も宛もなく「でも、ホームズってどこにいるんだろうな」と苦笑いを浮かべていて)
この世界の探偵に接触してみる訳だね。…この世界に入るときに見た221Bの扉、確か彼が作中で下宿していた場所の住所だったような。 ひとまずはそこに行ってみるのはどうだい?
(女性の声によるゲーム説明、そして依頼人が事務所で話していた内容をすり合わせればやるべき事は見えてくる。名探偵と協力して現実では未解決のまま終わった連続殺人鬼を捕まえるというのがこのシナリオの大きな筋書きだ。相手から名探偵に会うことを提案されると同意するように頷く。事件を解決するにはいつも通り情報収集からだ。だが肝心の彼の居場所が分からずに悩んでいたがふとこの世界に入る前の扉の文字を思い出す。事務所に来て少しした頃、事務所に置いてあったシャーロック・ホームズシリーズの本は一通り読んだことがある。その作中で彼は友人かつ相棒とも呼べるジョン・H・ワトスンと共同生活をしていたのがベーカー街221Bだ。そこに行けば何かしら接触の手がかりが掴めるだろうと提案してみる。「どこにあるかは街の人に聞いてみよう」と方針を固めると人がいそうな方向な歩き始め)
なるほど、つまりやることはいつも通りってわけか。よし、なら聞き込み開始だ
(シャーロック・ホームズという名前は知っているがそこまで内容を詳しくしっているわけでもない。早速詰まってしまったかと思ったが相手から住所のヒントがだされれば途端に光明が見えて自信あり気な顔を浮かべる。しっぽを掴めたのならば次にやることは決まっている、足で情報を稼ぐだけだ。相手と共に歩いていくとやがて人通りの多い道へとたどり着く。喧騒の中馬車が行き交い物売りが呼び込みをしそこら中から話し声が聞こえて聞き込みをするならここが一番だろう。周囲を見回すと立ち話に花を咲かせているマダム二人を見つけ「ちょっといいですか?」と声をかける。話に快く応じてくれた二人に221Bと書かれた扉を探していると切り出せば、二人は目を瞬かせたあとに華やかに笑い出し今度はこちらが目を瞬かせる。『この辺に221Bかつく場所は沢山あるけれど、あなたが探しているのはきっと一番有名な221Bでしょう?』と笑顔を向けられる、どうやらホームズはこの世界でも有名人なようだ。一人のマダムが向こうを指さすと『ここから二つ行った角を曲がったところがベーカー街、そこの221Bにいるわよ。彼が』と勿体ぶった言い方をされた。とにかく場所が分かれば良いと礼を言えば教えられた通り二つ先の角を曲がる。一変してひっそりとした通りになり、しばらく歩けば見覚えのある扉を見つけた。ゲーム開始時に選んだ扉と全く同じものが添えられた建物の前にたどり着くと「ここみだいだな」と金具に手をかけ扉に打ち付けノックして)
すみません、ホームズさんを尋ねに来たんですけど…
(暇つぶしの行為が役に立ったようでその住所が示す場所を聞き込みすることにする。人通りの多い道へ出ると馬車が行き交い今の服とは違う格好をした人物が行き交うのを見ればその作りこみに感心の声を上げる。思わず辺りを見渡しながらも相手は二人組に声を掛け住所の場所を問う。すると彼女達は何処か揶揄うようにも笑ってその場所を教えてくれる。小説でもこの頃からホームズは有名になっていてそれを汲んだ舞台設定なのだろう。礼を伝えて離れ、言われた通りの道を進みながら「…どうやら既に有名人のようだね」と感想を口にする。ある意味探偵の先輩でもある彼が街の人からも評判が良さそうなのが分かればますますどんな人物なのか期待が高まっていく。辺りの景色も見渡しながらもひっそりとした通りを進めば見覚えのある扉が現れる。相手が扉をノックすると中から物音がした後、女性が現れる。女性に要件を伝えると『申し訳ないけど今丁度調査に出掛けて言った所なのよ』と不在を伝えられる。出直すべきかと考えたところで女性か相手のハットに気付き『もしかして貴方達も探偵さん?』と問われる。頷き巷を賑わせている切り裂きジャックの調査をしていると伝えるとホームズも今その事件を追って出掛けていったことを教えてもらうと『良かったらうちで待ったらどうかしら、ホームズが調べた書類もあったはずよ』と思わぬお誘いがあり「宜しければ是非」と返事をすれば家へと招かれる。相手に目配せすれば誘われるまま家の中に足を踏み入れ)
探偵ってのは良い帽子を被ってるもんなのかもな……ここがホームズの部屋か
(ドアをノックすれば管理人らしき女性が対応してくれるも当の探偵はいないようだ。お助けキャラがいなければ話を進められずどうしようかと考えていれば、こちらの帽子をみて探偵だと言い当てられるとまたも目を瞬かせる。探偵ならばと家に入れてくれることになり有難くあがらせてもらうと玄関先に鹿撃ち帽が備えられているのが見えた。確かホームズのシンボルは鹿撃ち帽と木製のパイプ、こんなところで探偵と帽子とか繋がるとは思わず少々調子よさそうにハットの位置を整えていた。街で聞き込みをしたとき少ない情報からでも直ぐにあのマダムはこの鹿撃ち帽の名探偵にいきついた、有名になりたいわけではないが自分達も風の街で人々にもっと慕われるようにならなければと妙な気合いが入っていた。部屋に通されるとあまり片付けられていないゴチャついた空間が広がる。手前に置いてある机の方には紙の資料が雑多に広がっているがあれが捜査資料だろうか。奥にある暖炉の前には二つの椅子が備えられていてあれが名探偵とその相棒の定位置なのだろう。相変わらずの作り込みに関心しながら「とりあえずホームズを待つか?」と相手に問いかけつつ、ふらりと暖炉前の椅子へと近づいてそこへ座ってみて)
英国紳士という言葉があるようにその人の品性や恰好を示すアイテムなのかもしれない。…捜査中って感じの部屋だね。ああ、このゲームをクリアするためにも彼と合流はしたい。
(探偵ということと女性の厚意で家に上がらせてもらう事になって彼の部屋である二階へと上がる。その途中ホームズが被っているであろう鹿撃ち帽を見れば親近感を覚えたのか相手がハットの位置を整えるのを見れば小さく笑みを浮かべる。探偵との関連性は分からないがこの時代の男性にとって帽子が紳士の象徴的なアイテムであったのは間違いない。相手の言葉に同意を示しながらも部屋に通されると物が多い印象を受けて周りを見渡す。手前の机に近づいて観察してみれば紙の資料や推理をまとめたような手書きのメモが雑多に広がり近日中の新聞が纏められている。散らかった部屋は難しい事件に煮詰まっているときの事務所やガレージの光景に似ていて時代は変われども探偵がやることは一緒なのだと変な感心を覚える。名探偵の部屋に対して落ち着きなく見て回って観察をしていたが相手に問われると暖炉前にやってきて意見を述べる。連絡手段がないこの時代では接触するにはここで待つのが一番だ。そんなことを話していると突如鐘の音のようなものが聞こえる。定刻を告げる音かと思ったが部屋の時計を見てもピッタリの時刻ではなく音の発生源を探ろうと窓の外を見る。そこには立派な時計台がそびえ立っていたがその短針は周りの暗さや部屋の時計とは違い12を過ぎた場所を指し長針は8の位置を指している。奇妙な状態に眉をひそめていると長針が通常と逆の方向に動き7へと近づく。この世界に来た時確か長針はもっと過ぎた10辺りを指していたのを思い出せば時計台を指さしながら「あの時計台、ゲーム参加者の残り人数を指しているのかもしれない」と自分の推測を口にして)
鐘の音……?…最初が50人でそっから減ってるってことか。もう10人近く脱落しちまったのかよ
(自分と同じ探偵で架空の人物とはいえ世界的な有名人の椅子に座ってみれば、なんとなく神聖な場所に座ったようでゆっくりと呼吸をする。浮かれ調子だったがそれも落ち着き本来の目的、事件の真相を改めて解き明かすことを胸に刻みながら相手と言葉を交わしていた。その最中に鐘の音が鳴り響き相手と共に窓の外をみる、そこにあったのはロンドンの象徴である時計台だったが、時報を告げるタイミングではない時刻に相手と共に不可解な顔を浮かべる。しかも針は逆に動いてますます不可解だ。難しい顔を浮かべていると相手が分数がゲームの残り人数を示しているのに気がついて再び文字盤に目をやる。確かここにきたばかりの時は50を指していてそこから逆回り、しかも不規則に針が動いているとなれば相手の推測はあっているだろう。これもゲーム参加者を煽るための仕掛けといったところか。一刻も早くゲームをクリアしなければと思っていたところに誰かが階段を上がってくる音が聞こえ、いよいよホームズとご対面かと扉の方に近づく。しかし扉から現れたのは先程の女性で『今ホームズから電報が入ったのだけれど、一週間は戻れないそうなの。捜査資料は自由にみて構わないそうだけどすぐに会うのは難しそうね』と告げられてしまった。本来お助けキャラであるはずのホームズが不在なんてゲームとしてありえない。となれば考えられる可能性はひとつで「あのアナウンスしてたヤツが妨害してやがんのか」と苦々しい顔を浮かべた。こうなれば切り裂きジャックを正真正銘この二人で捕まえなければならないことになる。机へ近づくと「やるしかねぇみたいだな」と目の前に広げられた捜査資料へ目をやって)
恐らくそうだろうね、犯人はどうしてもこのゲームをクリアして欲しくないらしい。…だがここにも探偵が居る事には気づいていないみたいだ。
(他のゲームの詳細は聞いていないがこの短時間で脱落とはかなりペースが早い。一人でもクリアすれば解決という条件とは言え残り人数が可視化されると妙に焦ってしまう。事件の解決を急ぐためにも彼と合流したいところだが扉が開いて現れたのは先ほどの女性だ。急に帰ってこないことを告げられると目を瞬かせる。それらしく返事をして女性が去っているのを見届けると顔を見合わせ犯人の介入を疑う。真相を闇に葬りたいならクリアできないように妨害を講じても不思議ではない。頼みの綱が切れかなり絶望的な状況ではあるがミステリー作家の作り上げた謎なら必ず答えがあるはず、ならば名探偵に代わって二人で一人の探偵が解き明かすしかなさそうだ。気合を入れるためにも得意げな言葉と勝気な表情を見せると正式な許可が出たこともあって捜査資料に目を通す。現在起きている事件は3件、どれも人通りのない路地などで女性が襲われ残忍な形で殺害されている。現実の事件で確認されているだけでも5人の殺害の記録が残っていることを考えれば連続殺人はまだ続くと考えていいだろう。痛々しい被害の記述に眉をひそめながらも捜査資料を見ていくが切り裂きジャックの素性を掴めるような情報はない。ホームズの作成した犯行現場を書き込んだ地図を見ながら「次の犯行現場が分かれば接触できるのだが…」と呟きを零して)
みたいだな。風.都.の探偵の実力、見せてやらねぇと
(ホームズがお助けキャラに設定されている以上名探偵ありきのシナリオが組まれている可能性が高くホームズが取り除かれた状態で切り裂きジャックにたどり着けるのか一抹の不安が過ぎる。しかし隣をみればそこにはいつもの自信に満ちた笑みが浮かんでいてこちらも自然といつものハードボイルド探偵が浮かべるニヒルな笑みが宿った。今このロンドンにいる探偵はホームズだけではない、二人で一人の探偵の実力を見せつける時のようだ。それにこれがゲームだというならば進行不可能になることはないはず、つまり助力はないがクリアはできるはずなのだ。相手と並んで捜査資料を眺める、凄惨な殺人現場に犯人の異常性を見ながら順番に資料を捲っていくと、とあるメモと一括りにされた紙束を見つける。それはこれまで起きた事件の直前に発売された新聞で、広告の部分になにやら書き込みをして別の意味の文字が隣に書き添えられている。文字が書き添えられた広告は全て同じ会社が出していてご丁寧に社長の名前が掲載されていた。一番古い新聞の広告には社長の名前に丸印がつけられその下には記憶にある名前が添えられていて「なぁ、モリアーティ教授ってホームズのライバルだったよな?」と記憶を確かめるために相手へと話しかけ)
ああ、ライバルかつ悪役的ポジションの人物だったはずだ。広告が出たあとに事件が起きている…まるで殺人予告のようだね。…あ!翔太郎、今日の夕刊にも同じ広告がある。
(ぱらぱらと彼の調査日誌のようなものを読んでいると相手から声がかかる。その名前に覚えはあってホームズの一連のシリーズの中でライバルかつ宿敵のような人物だ。近付いて相手が見ていた新聞に目を通す。ホームズがチェックしている通り事件が起きる前の新聞には同じ会社の広告が出ている。間隔が不規則であることと3回連続ということから偶然というのも考えにくい気がする。まるで殺人が起きるのが分かっているような事案を予告と称しながらも端の方に置かれた新聞を手に取る。状態からして一番の新しい新聞のようでホームズもまだ確認していない物のようだ。軽く目を通していたがそこに先程の会社と同じ広告を見つければ思わず声を上げて急いで相手にもこの情報を共有するように新聞見せ)
殺人予告か……これ、暗号になってんのか
(見覚えのあった名前の記憶は正しかったようで、となるとこの広告はホームズの宿敵であるモリアーティ教授に繋がるものらしい。その名前がなぜ新聞に書き込まれているのか疑問に思っていると相手が今朝の新聞を見つけ、しかもそこにホームズがチェックしていたのと同じ広告があるのだと聞けば共に新聞を覗き込んだ。ホームズが意味もなく同じ会社の広告をチェックするはずがないと再び書き込みのされた過去の広告を見れば、広告の文字と横に添えられた文字とが時折対応しているのに気がつく。どうやら読み替えの法則があるようだ。新聞の端に『一文字飛ばしで』という走り書きを見つければ、読み替えと一文字飛ばしを組み合わせることで広告の文字が別の意味を持つことに気がついた。新聞に解読後の文字を並べていけば、『ジャックへ』の後に一番目の被害者の名前と場所の指定のあと『殺せ』の二文字が並んで息を飲んだ。あとの二つの新聞広告も同じく殺人を指示する内容で、この広告が切り裂きジャックへの連絡手段なのだろう。ならばと新しい広告を読み解けば今度は『トマスへ』から始まり近くのバーで落ち合う約束が書かれていた。切り裂きジャックに指示を出している人間が近場のバーに来る、きっとそこで殺人鬼の情報を聞き出せるはずだ。「俺達はこの広告を使って指示を出してる奴に会わなきゃならねぇみたいだな」と相手が見つけた広告を指差し)
トピック検索 |