検索 2022-07-09 20:46:55 |
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っ、やるしかないようだね。行くよ、翔太郎、
(男がメモリを起動する。その姿が更に忌々しい怪物になっていくのと同時に相手が激しい頭痛を訴えてその場に蹲る。間近にいる分その力は強いようで唸り声をあげる姿を見れば鋭い目付きで男を睨む。相手が支配されてしまうのは時間の問題だ。本当に相手の意識をこちらに移せるのか、イレギュラーな状態でファングを制御出来るのか不安は尽きない。だが相手が託すように最後の意識で名前を呼ぶのを聞けば覚悟は決まった。既に転送されていた切札を装填すればファングを変形させもう片方に差し込む。必ず奴を倒すと強く決意を持てば相棒の名前を呼びながらドライバーを開く。装甲を纏う感覚と同時にあの時には感じなかった左側の意識を確かに感じると何だか酷く安心した。「聞こえているかい、翔太郎」と念の為反応を伺いつつも目の前の怪物と対峙して)
ッ、……あぁ、バッチリだ。そう何度も体乗っ取られてたまるかよ
(激しい頭痛と共に意識に他人が侵食してくる、唸り声を上げそれに抵抗しながら何とかドライバーにメモリを差し込んだ。意識が濁流に飲み込まれようとしていく中でそこから一気に引き上げられる感覚を覚える、まるで水中から水面へと無理やり体を出された気分だ。だがそのおかげでまともに息をすることができ、頭の中ではもうなにも鳴り響きやしない。相手の体の中で意識を目覚めさせると仮面の下で口角をあげる、どうやら読みは間違っていなかったようだ。手駒になるはずの男が地面へと倒れ生贄となるはずのもう一人の男が変身を遂げれば目の前にいる本物の怪物は動揺するが『お前も私の同胞にしてやろう!』とこちらへ向かってくる。だが真正面からの戦いでフ.ァ.ン.,グ,ジ.ョ.ー.カ.ー.に太刀打ちできる敵など存在しない。吸血鬼が人ならざる力を持っているとしてもそれはこちらも同じだ。こちらを切りさこうと振り下ろされた鋭い爪を手首を掴んで動きをとめセイバーで体を切り裂いてやる。口を開けてこちらへ襲いかかってこようともセイバーの鋭さの方が上だ、そのまま口に攻撃を加え立て続けにセイバーの連撃を叩き込む。『おのれ…』と苦しげな声をあげてフラフラと怪物は宙へと逃げる、だがあの状態なら十分に的を絞ることが出来るはずだ。「決めるぜフィリップ!」と声をかければホーンを操作してマ.キ.シ.マ,ム.ド.ラ.イ.ブ,を発動させ)
あぁ、フ.ァ,ン.グ.ス.ト,ラ,イ,ザー!!
(相手から応答が返ってくれば同じく口角をあげる。やはりメモリの力は対象の肉体に対して作用するもののようだ。目の前の光景に動揺した男だったが力づくで服従させようと襲いかかってくる。吸血鬼同様鋭い爪と牙を持っているようだが切れ味ではこちらの方が上だ。息のあった動きで攻撃を受ける前にその身体を掴みセイバーで切り裂く。噛み付こうとする男の口に連撃を与えれば相当なダメージになったようでマントらしい物をなびかせ宙へ逃げようとする。相手から声が掛かると短く返答して高く飛び上がる。怪物を捉え声を揃えながら回し蹴りを食らわせると残光が浮かび、呻き声を上げながら地に落ちる。排出されたメモリが砕け散るのと共に目を向けると床に倒れている相手の耳や爪から赤い靄が立ち上り消えたと思えば元の人間の物に戻っていた。どうやらこちらの方も無事に解決のようだ。変身を解くと意識を取り戻したであろう相手の元に向かい「僕達の作戦勝ちだ」と得意げな笑みを見せながら立ち上がるのを助けようと手を差し伸べて)
あぁ、二人で一人の探偵の勝利ってとこだ
(相手と息と声とを合わせ渾身の一撃を怪物へ叩き込むと怪物は地面に叩きつけられメモリが砕け散った。変身が解除されると意識が自分の体へと戻っていく。しかし体へ戻ってももうあの頭痛は襲い来ることはない、しっかりと焦点のあった目でこちらに近づいてきた相手を見上げればいつも通りのニヒルな笑みを浮かべた。差し伸べられた手を掴んで立ち上がる、これでこの騒動も終わりだろう。視界に入った手はいつも通りのもので歯に指を添えてみるが鋭い牙は見当たらない、メモリが破壊されその影響も全て消えたといった所だろう。ジンさんへと連絡をとれば吸血鬼化した人間は一時暴れだしたものの今はもう全員人間へと戻り正気を取り戻しているようだ。この屋敷のことと諸悪の根源の話を伝えれば通話を切る、あとは警察に任せておけば大丈夫だろう。ひと段落ついたものの未だ格好は仮装姿のままでパッと見は吸血鬼のままだ。ちらりとひらひら舞うマントをみやったあと「しばらく吸血鬼は勘弁だな」と苦笑いを浮かべて)
全くだ、少なくともまた来年まで封印かな。…、帰ってご飯でも食べようか。
(繋がった手を引っ張って相手が立ち上がれば自然と笑みが浮かぶ。取り押さえられていた人々も吸血鬼化の効果は消え正気を取り戻したという報告を聞くことが出来れば胸をなでおろす。こちらの状況も伝えてあとの処理を警察に任せれば正真正銘この件は解決だ。元の姿に戻っても格好は仮装したヴァンパイアのもので相手の言葉を聞けばこちらも苦笑いを浮かべる。ハロウィンとして非日常なイベントを楽しんでいたがまさか本当に吸血鬼になるような事件に巻き込まれるとは。次お目にかかるのは早くとも来年のハロウィンであることを願いたい。そんな話をしていればイベントを楽しみ吸血され戦闘までした身体はお腹を鳴らして空腹を訴える。静かな屋敷内に響いた音にバツの悪そうに視線を泳がせるも諦めて食事を所望しては屋敷を後にして)
(/お世話になっております。そろそろ区切りかなと思いましてお声がけさせて頂きました! 季節ネタとしてのハロウィンでしたが思いっきり仮装を楽しみ一緒にお菓子を要望したりコンテストを堪能したりと楽しむことができ、後半の吸血鬼パロも前回のお話を絡ませながらも吸血行為や変化した身体を楽しむことが出来てとても楽しかったです。非日常な姿や吸血鬼になった探偵君を見ることが出来て満喫した時間でした、ありがとうございます!
次のお話ですが最近こちらのリクエストを沢山聞いてもらってる状況かなと思いますので探偵様のやりたいお話をさせて貰えたらなと思っております。何でも大丈夫ですので是非アイデアお聞かせくださいませ!)
(/お世話になっております!上の方はこのまま夜明けに二人でご飯を食べにいくところかと思いますので一旦置いておきますね。
こちらこそこの季節らしいお話で思いっきりハロウィンを楽しめました。女子高生組に仮装を任せるという流れはなかなか二人では思い切った仮装が出来なかったと思いますので良いアイディアを出していただけたなと背後で思っておりました。その後吸血鬼化してからも先日のダ.ー,ク.ラ.,イ,ダ.ーのお話を交えつつ薄暗いお話ができて楽しかったです。こちらこそありがとうございました!
ここ最近は激動なお話が多かったように思いますのでまったりしたお話がしたいなというのがこちらの希望です。ガジェットを弄っているうちに不具合で一時的に検索くんが猫になってしまうとか、公園でフェアみたいなのをやっていて大阪名物を食べに行く話だとかいかがでしょうか?)
(/確かに色々波乱万丈なお話が続いてましたのでまったりした話良いですね。大阪名物も気になるのですが前者の猫になる話が面白そうです。ちなみに猫になるっていうのはどれくらいを想定していますか?完全に猫の姿になる、元の姿に耳や尻尾が生えて猫化する、身体はそのままで行動が猫っぽくなる…など様々な段階があると思うのでお好みの状態を教えて貰えたらと思います。)
(/では猫になるお話にいたしましょう!こちらの想定は完全に猫になるパターンでした。人間の言葉は話せるけどしばらく猫のフリをする検索くんとか、気づかずに愛でる探偵とか、ネタばらしされてからもしばらく猫の姿を堪能する二人、なんて話が出来ればと思っておりました。もし検索様は別パターンが良ければ最初は完全な猫→戻りかけて一部猫化な流れも良いかなと思います!)
(/なるほど、承知いたしました。ならば完全に猫の姿にしてしまいましょう!それとこれは好みの話なのですが直接人間の言葉を話すというのも中々奇妙なので新開発しようとして猫化する原因となってガジェットの翻訳機能で会話が出来る、といった設定はいかがでしょうか? 迷い込んだ猫だと思って可愛がる→ふと検索の不在に気付いて机に放置してあるガジェットを触るとスピーカーor脳内に声が聞こえてきて正体に気付く、といった流れが分かりやすいかなとも思いました。一部猫化の過程はどちらでもと言った感じなので探偵様の好みと話の流れ次第で良いかなとも思っております。)
___おいフィリップ、ガレージこもって何やってんだ?
(吸血鬼の騒動が収まりやっと普通の食事を美味いと思って食べられるようになってから数日、ハロウィンと吸血鬼騒動の熱気も収まり街は穏やかな日々を送っていた。事務所も大方同じ様子で大きな依頼もなく平和的に解決できるものばかりで実に平穏な日々を送っていた。デスクで報告書をまとめる作業も終わり一区切りついて軽く伸びをしたあと、今日相手と事務所に来てから長い時間その姿を見ていないことに気がつく。ガレージに降りていくのは確認したがその後上がってくる様子は無い。相手が静かにしているときは大概何かに夢中になっているとき、つまりは何かしている時だ。それがトラブルに繋がることもしばしばあるわけで一応と様子を見に行くことにした。ガレージへの扉を開けて階段を降りながらそこにいるはずの相手へと話しかけて)
(/なるほど、では猫化後は人語は喋れなくてガジェットを介して話をするようにしましょう。そして流れも考えて下さりありがとうございます。最初は猫が検索くんとは気づかずに可愛がったりしたいのでぜひその流れでお願いします。個人的にはスピーカーから声が流れて来た方がシュールかなと思いますのでそちらでお願いしたいです。こちらも一部猫化の流れはどちらでも……といった感じですので流れ次第ということにしておきましょう。猫の検索くんを存分に愛でられればこちらとしては満足ですので!それでは導入置いておきますので例のごとく上手くのっていただければ幸いです!/こちら蹴りで大丈夫です)
__にゃあ、
(吸血鬼騒動も幕は閉じ街中のハロウィンの飾りが外されると共に平和な日常が戻ってきた。大きな依頼は入ってないが寧ろ今の自分には好都合だった。あの男は吸血鬼になった者だけを感じる音波のようなものを出して操ろうとしていたが、もしそれに近いものを街の犬や猫など小動物に対して出来るようになれば彼らと意思疎通が可能となる。メモリによる人間には感じ取れない異変を感じることが出来ればより捜査の手は捗る。そのアイデアが浮かべばいても立ってもいられず朝からずっとガレージに籠って試行を凝らしていた。まずはよく見かける猫をターゲットにこちらの言葉を伝えられるような新規のガジェットを組み立て、試しに起動してみると頭に甲高い音が鳴り響いたかと思えばぐらりと視界が揺らいでその場に倒れ込む。それから少し経ち目を開くと妙な違和感を覚えた。やけに視野が低いというか床に近い。身体を起こそうと動いて視界に入る黒い長毛。自分の手を動かそうとすればそのもふもふとした黒い手が動いて思わず動きが止まる。咄嗟にホワイトボードの方を見れば目の前の影は猫のシルエットをしていた。驚愕の声をあげたはずなのに聞こえてくるのは人では無い鳴き声。どうやら猫になってしまったらしい。突然の変化に驚くも猫に変化する興味深い現象への好奇心の方が上回ってしまうのが自分の性だ。そのタイミングで扉が開く音が聞こえるとそちらを向く。そこには様子を見に来たのであろう相棒の姿があり、階段を降りてくるのを見れば一番下で待ち「翔太郎」と声をかけようとするも実際は猫の鳴き声を発して)
何処行きやがったんだ……ん?なんだ迷い込んだのか?
(ガレージへの扉を開けて螺旋階段の上からガレージ内を見回すも相手の姿を見つけることは出来ない。一応リ.ボ.ル..ギ.ャ.リ.ー.の通路はあるが基本的にガレージからは出ることが出来ないはずだが一体どこに行ったのか。こちらの気が付かないうちに事務所外に出たのかもしれないが、相手が無断で一人出かけるのも考えにくい。頭を捻りながら階段を下ろうとした所で鳴き声が聞こえて目を瞬かせる。そのまま階段を降りれば一番下に黒猫が見えてまた目を瞬かせた。相手の姿が見えないのも奇妙だがこの場所に猫がいるのも奇妙な光景だ。それこそリ.ボ.ル..ギ.ャ.リ.ー.の通路から入ってきたのだろうか。目の前の黒猫は柔らかな黒毛に愛嬌のある顔をしていて傍にしゃがみこんでも逃げる気配がなく、自然と口角も上がるものだ。人馴れしているのだろうかと思いながらいつもよりも猫なで声で話しかけながらゆっくり手を伸ばして頭を撫でてやり)
にゃー、にゃ、
(相手が降りてきて自分の存在に気付けば近付いてきて傍にしゃがみこむ。当たり前だが相手にも自分は猫に見えているようで自らの相棒とは気付いていないようだ。こちらを見つめる相手の口角があがっていて声も幾らか甘くて柔らかい。自分に甘い相手は何度も見たことはあるがそれとも違う態度。猫にしか見せないであろう対応を見れば元に戻る方法を探すよりも一旦はこの状態を堪能しようと決め、猫らしく大人しく撫でられることにした。不思議と頭を撫でられるのは心地良くもっとと強請るようにその手に擦り寄る。無意識に黒い尻尾は上機嫌に揺れていて鳴き声をあげながらもぺろりとその手を舐めてみて)
、……なんだよ人懐っこいな。こんなとこに入ってきたらフィリップの実験台にされちまうぞっと
(猫探しの時は猫と接触するだけでもなかなか苦労することが多いが、この黒猫は全くこちらから逃げて行く様子がない。それどころか頭を撫でてやればこちらの手に擦り寄ってきてしっぽをゆらゆらと揺らして上機嫌になっている。いつか猫カフェに行った時に出会った猫以上に人懐っこいやつだ、無意識にまた口元が緩めば猫をそっと抱き上げて腕の中に収めた。指先でかくようにしながら黒猫の頭を撫でてやりつつ階段を上がってグレーチングの上を歩いていく。相変わらず相手の姿は見えずホワイトボードの前は無人だ。消息の掴めない相手の心配をしつつ腕の中にいる黒猫の頭を撫でる手は止めずに猫には通じないはずの冗談を口にしていて)
ん、にゃ!
(相手の反応を観察する為に猫っぽく振る舞うはずが撫でられるのが気持ちよくて気付けばそういう目的を抜きに擦り寄っていた。ふと身体が浮いて持ち上げられるとそのまま相手の腕の中に収まる。普段では有り得ない状態に猫になったのだと改めて実感する。無事に変化する際にいたホワイトボード近くまで戻ってきたが床はグレーチングで人間ならば特に気にならない隙間も猫の足では引っかかってしまいそうだ。その為大人しく抱かれたままでいることにするが人間の自分の姿が無いことを良いことに聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。まるで何でも構わず実験台にするなんてマッドサイエンティストみたいでは無いか。冗談とはいえ失礼な言い様に一番近くにあった相手の手に爪を立てて引っ掻き抗議を申立てて)
いてっ?!なんだよ、頭はもういいのか?……にしてもお前どこの猫だ?首輪はねぇけど、この毛並みは野良じゃねぇな……
(黒猫の頭を撫でていれば突然鳴き声と共に猫パンチが飛んできて思わず手を引っ込める。まさかそれが今しがたの自分の発言のせいだとは思わずどこか気に入らない所を撫でたのだろうかと顔を覗き込んだ。頭を撫でていた手は背中からしっぽの付け根あたりを撫でる動作に切り替えて猫の方を観察する。飼い主の情報に繋がりそうなものはなく、飼い猫なのはなんとなく分かるが近所で黒猫を飼っている家も思いつかない。悩みながらも今度はホワイトボード横の作業スペースへと近づいた。こちらもこちらで悩みの種で相手の姿はやはりない。スペースの傍らにはス.タ,ッ.グ.フ.ォ,ン.が置かれていて連絡もつきそうにないが相手がこれを置いて外に出ることはないだろう。ますます頭を捻りつつ、それとは別に腕に抱く猫の体温は心地よくてしっぽの付け根を軽くかいてやりながら「あいつトイレでも行ってんのか?」と今考えうる可能性を口にしていて)
(今の身体なりの抗議を表明してみるが返ってくるのは見当違いの言葉だ。ぺちぺちと相手の腕の腕に当たるように尻尾を振り人間だった時と同じ色の目でじっと見つめて怒りを訴える。だが相手の手が背中を撫でおろすように動くとふわふわとした心地が全身を包んで行動も緩やかになっていく。相手が小さくなった時に身体に精神が引っ張られるといった考察をしたがこの身体になってから撫でられるのがいつも以上に気持ちよくそれが正しかったことを実感していた。飼い主は君だろうなんて思いながらも抱かれたまま作業スペースの辺りに近づけば制作していたガジェットが見える。恐らく変化の前後を思い返してもあれが原因なのは間違いないだろう。それを伝えなければと思うが尻尾の付け根に触れられると一層多幸感を覚えて甘えた声を出してしまう。暫く相手の腕の中で伸びをしたりすりすりと動いたりして心地よさを堪能していたがふと我に返ると首をぶんぶん振った後相手の腕の中から作業スペースの机へ飛び移る。無自覚に出来た猫の跳躍力に感心を抱きつつ机にある試作品を前脚で触って原因を確かめようとして)
あ、……そこ乗るとフィリップに怒られんぞ…ん?なんだこれ…?
(最初は抗議を示すように騒がしかったしっぽも体を撫でていれば腕の中でリラックスするようになって、気を許す姿に口元は既にゆるゆるになっていて締まりのない笑みを浮かべる。しっぽの付け根を撫でてやると甘えた声を出して愛おしさが一気に溢れてしまった。姿を消した相手を探さなければならないのにもっとこの黒猫に構いたくなってしまう。相手が事務所のどこかにいるのは確かなのだからもう少し黒猫との時間を過ごそうかと気持ちが傾きかけたところで黒猫は頭を振って腕の中から飛び出して思わず声をあげる。しかし逃げていくわけではなく作業スペースに着地すると何かを叩いていて前脚あたりを覗き込んだ。そこには見た事もないガジェットがあって手にとってしばらく観察すると何やら電源ボタンのようなものを見つける。とりあえず黒猫が機械類の多いここに居続けるのはよろしくないだろうと黒猫を抱えるとソファの方へ移動し腰掛け膝の上に猫を乗せる。親指で額を優しく撫でてやりながら興味本位で装置の電源を入れてみて)
にゃぁ、『撫ですぎだよ、翔太郎』
(緩み切った表情はとてもじゃないがハードボイルド探偵を名乗れない面だ。そんな相手に撫でられてリラックスしている自分が言えた義理ではないが。このまま可愛がられていると本当に心まで猫になってしまいそうで解決の糸口でもあるガジェットの元に移動する。だが肉球のある手ではまともに操作できず他から見れば叩いているような仕草となる。相手がガジェットの存在に気付くとそれを没収され再び抱えられてしまった。移動してソファに座った相手の膝の上に乗せられると歩み寄って近づく。それに合わせて額を優しく撫でられると満足そうに目を軽く細めながら声を上げる。すると電源を入れた装置から一瞬ノイズ音が聞こえた後、柔らかな口調の自分の声が聞こえてきて思わず耳がピンと立てて反応を示す。自分の思っていることが人間の言葉として発せられている。もしかしたらという推測の元相手を見上げながらもう一度名前を呼ぶように短く鳴いてみると『翔太郎』とガジェットのスピーカーから声が聞こえてきて)
うぉっ?!……おいフィリップ、どういう悪戯だよこれ
(見慣れぬガジェットの電源を入れるとノイズが聞こえた後に突然相手の声が発せられて思わず声を上げてしまった。不意打ちの音声に周囲を見回してみるが肝心の相手の姿は見つけられず眉を顰める。だが次に黒猫がひとつ鳴くと間髪いれずにガジェットから相手の声が流れてきて思わず目を見開いた。これではまるで猫の声が相手の声に変換されて聞こえてきているようで目を見開いたまま黒猫とガジェットを交互にみる。しかし黒猫とガジェットに関連があるとはまだ分からない。相手がこちらを驚かせるためにどこかに隠れて猫の声と共にスピーカーから声を出しているのだろうとあたりをつける。膝上にいる黒猫の顎下を撫でてやりながら再度周囲を見回すとどこかに隠れているはずの相手を見つけようと誰もいない空間へ声をかけて)
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