相乗りで何処までも 【 〆 】

相乗りで何処までも 【 〆 】

検索  2022-07-09 20:46:55 
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唯一無二の相棒へ。




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  • No.3402 by 検索  2023-09-28 15:13:33 

__居た! っ、変身…! これ以上街は壊させない
(所長の頼もしい声を聴けば幾らか気持ちも軽くなって事務所と情報収集を任せて探偵としてやるべきことに着手する。こちらの推理を裏付けるように息子の所在が同じく4丁目21番地にあると通知が入れば目的地へと急ぐ。現地近くまで来ると人々の叫び声が聞こえてそちらに駆けつける。そこには先ほどの禍々しい黒に覆われた男が居て椅子を人々に向かって投げつけていた。この場の物を全て破壊しつくそうとする行動を見れば逃げ惑う人の波に逆らって男に近づき、同時にドライバーを腰に装着しては緑のメモリを装填・起動して変身を果たす。男が逃げ遅れた男性に近づきテーブルを高く振りかぶるのに気付けば風の勢いで一気に加速してその間に入り攻撃を受け止める。そのままテーブルを地面にはたきおとすと男性に強く声を掛けてその場から逃がす。これ以上暴れてこの街の物や人に被害を出させるわけにはいかない。この場に例の息子の姿が見当たらずふと上を見上げると何人かがビルの上からこちらを見ているのに気付く。見慣れないドライバーにお披露目というキーワードからして試作品の動作確認のつもりだろうか。メモリの売買だけでなくこの街を脅かすドライバーの開発にまで手をつけていることに怒りを覚えるも目の前の男を止めるのが先だ。キッチンカーや逃げる人々から遠ざけるように立ち塞がり打撃を加えていく。両者ほぼ互角に反撃を食らいながらも広場の中央まで男を追いやると風を纏った素早い蹴りを足元に当て体勢を崩させようとして)

  • No.3403 by 探偵  2023-09-28 17:46:35 


(男がテーブルを大きく振りかざし床に転がる男性ごと破壊しようと腕が振り下ろされる。しかしテーブルは風を纏った相手に止められてしまった。再び現れた緑の装甲を纏う敵に動揺することなく男は口を噤んだまま相手へと再び拳を振るう。殴られた分だけ反撃を加えるも男は少々押され気味で破壊対象である人々や建造物から距離を取らされてしまう。だが男が相手へ一撃を入れる度に周囲の建物からこちらを見下ろす人影が興奮している様子が見受けられた。さながらここがオークション会場の舞台上、といったところだろうか。男はまるで痛みを感じていないかのように攻撃の手を緩めることは無く相手をただ打ち滅ぼそうと動く。しかし次の一撃を相手の顎へ叩き込もうとしたところで、男の動きが一瞬止まった。そのタイミングで風を纏った蹴りで足元を綺麗にすくわれると黒い体は地面へと叩きつけられるように倒れた。その一撃で男の変身が解ける、同時に顔を強く打った衝撃で男の顔を覆っていた仮面がパキンと高い音を立てた。ゆらりと男が立ち上がる、同時に男の仮面はその半分が破壊され地面へと欠片が崩れ落ちていく。緩慢な動きで立ち上がった男は顔を上げて相手と目線を合わせた。半分に欠けた仮面の向こうにあった顔は連絡の取れない探偵のものだった。なんの感情もない、どこを見ているのかも分からない目でただ相手に目を向いている。一時の静寂の後、少し離れた場所からオークション会場を仕切っていた男が歩いてくると『何をモタモタしてる!ちゃんと本気を出せ!』と怒号を飛ばした。その言葉に反応するように探偵の体が動き出すと再びドライバーにメモリを装填し直し右腕を掲げる。そして紛うことなき探偵の声で「変身」と呟くように言えばドライバーを起動させ再び赤い光の後に黒の禍々しい装甲を纏った。軽く腕を振ると腕からは触角のようなブレードが飛び出す、再び距離を詰めると硬さと鋭さを持ったそれを迷いなく相手へと振り下ろして)

  • No.3404 by 検索  2023-09-28 19:14:12 

…な、しょう、たろう…? っ、翔太郎! やめてくれ、
(目の前の物を破壊する為に動く仕草は人間味がない。それでもこちらの方が疾風メモリを最大限活かして加速する分幾らか優位のようで足元をすくうように蹴りを打ち込むと狙い通り男は地面に打ち付けられ変身が解ける。痛みを感じていないように緩慢な動きで立ち上がる相手の仮面が地面に崩れ落ち風で深く被っていたフードが外れる。その男の顔を認識した途端大きく目を見開いて乾いた声が漏れた。そこにいるのは確かに探していた相棒で、だけど感情も意思すら感じ取れないのっぺらぼうな顔は酷く不気味で思わず確かめるように名を口にする。可能性を考えなかった訳では無い。行方を追った先に男がいた理由、そっくりな声とわざわざこの場所を床に残した理由を考えれば結びつく推理だ。だがそんなはずがないと何度も気付かない振りをしていた真実が今目の前にあって呆然と立ちすくんでしまう。一瞬の静寂の後先程の男が相手に怒号と共に指示を出せばやることを思い出したかのように動き出して再び黒の禍々しい装甲を纏う。理屈でいえばあのメモリかドライバー自体が相手の意思を奪い乗っ取っているのだろう。だがパニックになった頭では冷静に物事を考えることも動くことも出来なくなっていた。取り出したブレードの物を迷いなく振りかざされてやっと間一髪後ろに避けるが中身が相手だと知ってしまえば先程のように攻撃することが出来なくなってしまう。何度も呼びかけるように相手の名前を呼ぶが一切反応はなく、防戦の一途だ。先程から一転、相手からの攻撃を避けるばかりでかわしきれなかったブレードが腕や足を掠めると苦痛の声をあげ徐々に追い詰められていき)

  • No.3405 by 探偵  2023-09-28 19:43:13 


(ずっと、夢を見ているようだった。街を泣かせる奴の視線で進む酷い夢、目につくものを破壊し人を傷つけようと体が動く。そこに見慣れた姿が割って入りきて街を泣かせないよう守る為にこちらへ戦いを仕掛ける。この視点からは初めてだが見慣れた光景だ。暫く戦闘が続いた後視界がぐるりと周って地面へ落ち、再びゆっくりと立ち上がる。そこで目の前の相手が戸惑った仕草をした気がした。手に持つブレードが相手へと襲いかかる。いつまでこの悪夢が続くのだろうかとぼんやりとした考えが過ぎった矢先、目の前の相手から確かに自分を呼ぶ声が聞こえて、同時に意識が覚醒した。今見ているのは夢でもなんでもない、現実に、目の前で起こっている事だと分かる。だが体は止まらない、相手を深く傷つけようとブレードを幾度も振り下ろし攻撃を加え続けている。止めろと叫んでも声になることすらない。こちらの意思とは裏腹にブレードが相手の装甲を傷つければその感触だけは認識できて肝が冷えた。確かに今自分は相手を攻撃し傷つけた。目の前で何が起こっているのか分かるのに体は一切言うことを聞かなかった。その間にも体は攻撃し続け、相手は徐々に躱せる攻撃が減っていきブレードと装甲の間で派手に火花が爆ぜる。相手を存分に傷つけた後体は相手の首を切り裂かんと大きくブレードを振りかざす。それだけはダメだ。絶対に。何よりも大切な相手の命を奪う事なんて許されない。血管がちぎれそうな程全力で声にならない叫びをあげる。そうすれば相手にトドメを刺そうとしていた体は腕を振り上げたところで止まった。体内で体の主導権を奪い合っている間ブレードを振りかざした腕はガタガタと激しく震えていて)

  • No.3406 by 検索  2023-09-28 20:33:50 

っ、ぐ……っ、…しょ、うたろう? 翔太郎!
(この街を泣かせるものは止めなくてはならない。だけど大切な相棒を傷つけたくない。そんな二つの思いがせめぎあっては状況を打開する策も見当たらず居るかも分からない相手の意識に呼びかけながら攻撃を避けるしかなかった。だがそれも疲労とダメージが蓄積すればするほど身体は上手く動かなくて鋭いブレードが装甲を削り火花が散る。息も絶え絶えの中、強い攻撃をまともに受けてしまえばその衝撃で吹き飛ばされ床を転がりながら変身が解ける。生身になった身体でそれでも相手を何とかしなければという意地だけで片膝をつき立ち上がろうとするがそれよりも先に相手が高くブレードを振りかざす。死にたくない。だけどそれ以上に相手に自分を殺した罪を背負わせる訳にはいかない。その想いとは裏腹にダメージを受けた身体は動けそうになくて腕が頂点まで振り上げられたのを見れば覚悟を決めたように強く目を瞑る。一瞬の静寂。いつまで経っても予想していた攻撃がこなくてゆっくりと顔を上げる。そこには何かに対抗するようにブレードを持つ腕が振り上げられたまま激しく震えていてまたもや目を見張る。それが相棒自身の意識であると直感で分かれば呼び止めるように何度もその名前を呼び、重い身体を無理やり動かして立ち上がると黒い装甲ごと相手を抱きしめた。武器を持つ相手に自殺行為にも近い行為だが込められるだけの力で抱き着くと「僕の相棒は、こんな物に好き勝手される男じゃないだろう!帰ってきてくれ、翔太郎」と喉が枯れるぐらいの勢いで叫んで)

  • No.3407 by 探偵  2023-09-28 22:03:06 

……っ、ガ……ふぃ、り……ぷ
(攻撃を止める間もなく変身が解ける、そこには何よりも大事な相棒で恋人の相手がいて、しかしその体はボロボロだ。その理由は全て自分にある。これ以上絶対に相手を傷つけられない、このままブレードを振り下ろされれば相手の命は確実に尽きてしまう。全ての力を振り絞って自分の意識を燃やしていれば相手の声が段々ハッキリと聞こえてくる。枯れるほどに力強い声と相手がこちらの体を抱きしめるのを感じれば絞り出すような声が口から漏れだした。脳内に覆い被さっている何かを打ち破れそうな感覚に更に力を込めようとした。しかし背後に控えていた男が『いい加減にしろ実験体!』と叫んでその声が耳から脳に響くと途端に自分の意思がハンマーで打たれたように揺らいで朦朧としていく。体の方は震えがピタリと止まって纏わりつく相手の体を掴むと無理やり引き剥がして投げ飛ばした。男は悠々と探偵へ近づくと『まだ自我が残ってるか……やはり洗脳の方はまだ改良の余地が多いな。明日までに脳のチューニングをしておかないと。まだまだお披露目会は終わらないからな』とドライバーを指でコツコツと叩きながらひとりブツブツと呟く。男の声が聞こえる度意識は靄が増していく。その後男に言われて変身を解くと体は言われるがままに男に連れられどこかへ移動していき)

  • No.3408 by 検索  2023-09-28 22:39:05 

っ、翔太郎! ッ、い……待、て…しょうた、…__
(確実にまだ本来の相棒の意識は残っている。それを呼び戻すようにその体を抱きしめて声を掛け続けていれば絞り出すような声で名前を呼ばれてその複眼を見つめる。意識を取り戻しかけていると希望を持った瞬間背後からあの男の怒鳴り声が聞こえてきた。その瞬間相手の纏う空気が変わって体を掴まれたかと思えば床に投げ飛ばされる。痛みが全身を走って声をあがるがそんなことなど眼中にないのか男が相手に近付いて何やらブツブツ呟いている。聞こえてくる単語はどれも相手を実験体としか思っていないものばかりで怒りと恨みが湧いてくる。このまま相手を行かせる訳にはいかない。だが身体は既に限界で視界の中で相手が変身を解き男と何処かに歩き去っていく背中に床に這ったまま必死に手を飛ばすもそれが届く訳もなく視界が暗くなっていくと共にそのまま意識を手放して)

  • No.3409 by 探偵  2023-09-28 23:01:52 


(視界には靄がかかっているが自分の体の周りで起こっていることはぼんやりと認識できる。自分の腰に付けられたドライバーの評判が客の間で上々であること、戦闘力は申し分ないこと、洗脳機能には改良余地があること、そして明日は銀行強盗をもってドライバーの実力を示す話が周りで飛び交う。その間に硬い椅子に座らされれば頭に何かの装置が被せられ、ドライバーに幾つものケーブルが繋がれた。手と足とが固定された気配があって、その直後に視界は真っ白にはじけ飛んだ。
意識を手放した相手の体は鳴.海,探.偵.事,務.所.へと運ばれていた。通報を受けた警察と騒ぎを聞きつけた所長が相手を見つけ応急処置を施したのだ。刃,野,刑.事は病院へ行くのを進めたが相手を放置したまま未だ行方の分からない探偵に所長は何かを察して、相手からすぐに事情が聞けるようにと事務所へ連れて帰ることを決めた。簡易ベッドに相手の体を運んだあと刃.野.達は事務所を引き上げていく。ひとり残った所長はベッドの傍らに椅子を置いて相手が無事目を覚ますのを待っていた。長い時間の後、突如静寂を引き裂くようにス.タ.ッ.グ,フ.ォ.ン.が通知音を響かせる。それはバ.ッ,ド.シ.ョ.ッ.ト.から探偵の顔と一致する人間を見つけた知らせで所長は相手を起こしてしまうと思い必死に通知音を止めようと四苦八苦していて)

  • No.3410 by 検索  2023-09-29 00:04:56 

__ っ、翔太郎! …事務所? っ、行かなきゃ
(相手が自分に背を向け去ってしまう。何度手を伸ばそうとその間をすり抜けて遠く遠くに消えていく。それを必死に追いかけていると相手が自分の名前を呼んで、それに応えるように叫び上体を起こすとそこは見慣れた事務所のベットだった。目の前には心配そうな顔をした所長がいて浅く息をしながら最後に見た記憶を手繰り寄せる。結局相手を追いかけることが出来ずに意識を飛ばしたのだ。全身に覚えのない包帯やガーゼが当ててある辺り恐らく所長や刃.野.刑事辺りの警察がここまで運んでくれて処置してくれたのだろう。有難いことではあるが気絶していたという事はアレから時間が経ったということだ。男の言葉を思い出して背筋が冷たくなる中ス.タ.ッ.グ,フ.ォ.ン.の通知音に気付くと所長から受け取って内容を確認する。相棒の居場所が分かったという内容を見れば早く行かなくてはと強迫観念に襲われベットから降りてその場所に向かおうとする。その腕を掴まれ『フィリップ君まだ安静にしてなきゃ』と引き止める所長の顔を見れば今にも泣き出しそうなほど心配そうな表情をしていた。思えば幾らか身体を休めたとはいえまだ重く節々が痛い。一般的に言えば動いてはいけない類の体調だろう。だが例の男が相棒だったと説明すれば所長の表情がますます悲痛なものに変わる。その上で「翔太郎を取り返さないと」と話せば腕を掴む力が少し弱まった。何やら迷っている様子だったがパチンと自身の頬を叩いたかと思えばキッチンの方に向かい何かを持って戻ってくる。それは半分になった饅頭のようで無理やり口に押し込められるとずっと食事をしなかった分凄く美味しく甘く感じられた。『せっかく買ってきた高級なお饅頭なんだから二人で帰ってきて残り半分を翔太郎君に食べさせること!所長命令よ』と張った声で言う所長にずっと引き攣っていた口角が僅かに緩む。自分の意思と頑固さを汲んだ所長なりの優しさなのだろう。「ああ、絶対に翔太郎と一緒に戻ってくる」と約束すればゆっくりと腕を離してくれた。策なんてないが諦める訳にはいかない。今日は自分がハードボイルドな出番だと頭の中で考えて痩せ我慢をしながらもバイクに乗り込めばバ.ッ.ト.シ.ョ.ッ.トが通知した位置情報の場所に向け走り出して)

  • No.3411 by 探偵  2023-09-29 07:51:00 


(バ.ッ,ド.シ.ョ.ッ.ト.が探偵を見つけたのは最初に二人が対峙した川沿いの廃工場のすぐ近くだった。男率いる組織は少し先に併設されていたもうひとつの工場に全ての機器を移動させていた。自身が機器類を付けられ拘束された椅子の傍らでは自分の腰にあるドライバーとメモリと同じものがいくつか並んでいて職員らしき人間がそれを弄っている。組織が抱える機器類はそれほど多くないがメモリを独自改造してネットで売り捌くビジネスはよく儲けが出るらしい。そんな話を男が自分に向かって意気揚々と話している。オークションが失敗し、だからこそこのドライバーの実力を客に示し早々に高値で売る必要があると。目の前にテーブルが運ばれ男が上面図を広げる、どうやら繁華街にある銀行の内装のようだ。男はそこから明日の作戦を話し始める。といっても内容は正面から乗り込んで力づくで金を奪うという内容だった。曰くその方が実力を示せるからだと。目に付いた人間は全員殺せと命令される、自らの手でこの街を絶対に泣かせるわけにはいかないのに口が「了解」と勝手に動く。その後も男は街を恐怖に陥れる計画を話している。意識は水面に浮かんでいる時のようにぼんやりとたゆたっていて、そんなことさせないだとか絶対に許さないだとか、そんな意識を強く持つことはできなかった。やがてその意思は止めろというシンプルな言葉しか出力することができなくなって、止めてくれと自らの体に懇願するしかなくなる。愛する街を泣かせ、何よりも大事な人をこの手にかけようとした。あれ以上の事をやるなんてとても耐えられない。自我が薄れていく中で思い出すのはボロボロになりながらこちらへと抱きつく相手の姿、せめて相手が無事であるのを段々と止まっていく頭で祈る事しかできなくなっていて)

  • No.3412 by 検索  2023-09-29 10:30:58 

……、
(すっかり暗くなった深夜の街をバイクで走る。バ.ッ,ド.シ.ョ.ッ.トが見つけた相手の居場所は意外にも昼に向かった廃工場のすぐ近くだ。傍らにバイクを停め相手を見つけた際に録画して送られてきた映像を確認する。相手は椅子に拘束されていて机には同じ型のようなドライバーとメモリが置かれていた。あまり近づいていないせいか音声は聞きづらいが明日銀行を襲撃してその力を誇示するという計画をあの男が語っていて無意識にス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンを握る手に力が入る。撮影できたのはそれまでのようで改めて相手をそのような残忍な行動をさせる訳にはいかないと腰につけたままの一人用のドライバーに手を添える。彼らの行動を見る限り男の声に従っているようであった。そして抑え込まれているものの相手の意識も存在している。状況を考えれば理想の世界に囚われていた時と同じでまた相手を取り戻せると自分の中で言い聞かせる。ストレートに取り戻せるのがベストではあるが一応最悪の切り札は考えてある。使えば所長と相棒に怒られそうであるから本当に最終手段ではあるが。明日作戦を開始するならそれを阻止するのはこのタイミングしかないだろう。ポケットの中に手を入れお守りを握りしめゆっくりと深呼吸をすれば幾らか昂った気持ちは落ち着いた。覚悟を決めると気づかれないように忍び足で工場の敷地内に入っていき)

  • No.3413 by 探偵  2023-09-29 12:32:27 


(相手の事が脳内に巡る、これまでの思い出と先程相手を幾度も斬り付けた光景が交互に浮かぶ。脳内とは別に体は相変わらず男の演説を無反応で聞き続けていた。自我が完全に眠りにつこうとしたその時に、皮肉にも探偵の鋭い勘が働いて相手が工場内に入ってくるのを察知して目線をあげる。男は探偵が何かに反応したのを見逃さず入口へと目を向けた。『どうやってここが……往生際の悪いネズミだな!』と怒りを隠さない声で叫ぶと装置のボタンを押す。すると探偵の体を拘束していた鉄具が外れて、体がゆらりと立ち上がる。頭に乗せられた装置を外しブチブチと手荒にベルトに接続されていたケーブルを引き抜くとゆっくり前へと進み相手に近づいていく。『ここにある装置は絶対に壊すな!今度こそそいつを殺せ!』と命令が下された。意識が認識できたのはぼんやりとしたシルエットだけだがそれでもここに来たのが相棒なのだと確信できる。だが止めろと小さく抵抗したところで体は止まらない。最後に相手をみた様子では相当なダメージを負っていた、戦える状態じゃない。止めてくれと意識で叫ぶ間に、体はメモリをドライバーへ装填し「変身」と低い声と共にドライバーを起動させて装甲を纏う。今度は最初から本気だと言わんばかりに早々にブレードを手にすると相手へ一気に駆け寄りその体を切り裂かんとして)

  • No.3414 by 検索  2023-09-29 15:26:19 

生憎僕は負けず嫌いなんだ、…もう君たちの好きにはさせない。
(かなり注意を払っていたにも関わらず相手がこちらを向く。探偵らしい仕草に一瞬喜びそうになるが男もこちらを向いて存在に気付く。怒号をあげれば相手を拘束具が外れてゆらりこちらに近付いてくる。状況は依然悪い。だがいつもの相棒の真似をして不敵に笑って見せれば疾風のメモリを構え、こちらもドライバーを起動させてて装甲を纏う。感情が昂っているせいかいつも以上に強い風が工場内に吹き荒れ、一気に切りかかってきた相手の攻撃を床を転がって躱す。男の命令を考えれば何をすべきかは決まった。狙うべきは相手ではなくその背後の機械で闇雲に打撃によって壊していく。その様子に男が更に怒りの声をあげて自分を止めるように相手に命令を出し、相手がそれに従ってブレードで切り裂こうと振りかぶるもぎりぎりのタイミングで避ければ機械の方にめり込み銅線がショートを起こして派手に火花が散る。自分の拳と誘導した相手の攻撃で同様のことを何度か繰り返せば工場内はかなり荒れ、これでは新たな開発やメンテナンス等は暫く出来ないだろう。上手く行ったことと怒り狂う背後の男の反応に仮面の下で口角を釣り上げる。だがそれで一瞬気が緩んでしまったのだろう、再び避けようとした瞬間上手く足が動かず身体がふらついてまともにブレードの攻撃を食らってしまう。ボロボロの身体に更にダメージが入れば「っく…」と苦し気な声が口から洩れて崩れた体勢を何とか立て直そうとしていて)

  • No.3415 by 探偵  2023-09-29 17:45:59 


(相手はまともに戦える状態ではない、逃げろと叫んでもそれが言葉になることはなく意識の中に小さく響くだけだ。しかし相手が不敵に笑うのが見えて変身と共に巻き起こった風が僅かに頬を掠めるのを感じると、相手の存在を直に感じた気がして酷く安心した。相手は体と対峙することなく装置を破壊していく。体が相手へ斬り掛かる度に止めろと叫び相手の名前を呼ぶ。だが心配を他所に相手は体の攻撃さえ利用して装置を破壊していく。このまま永遠に相手に攻撃が当たらないのではと淡く希望を抱いた瞬間、相手の足がもつれてブレードが相手の装甲を斬り裂く。その感触が手から伝わればまた体が冷えて息を飲む、皮肉にも同時に意識が僅かに呼び起こされた。体は相手の体勢が崩れたのを見逃さずさらに一撃を加える。無防備な状態への攻撃は嫌になるほど手応えを感じて、止めろという言葉が音にはならずとも震えた気がした。今度こそトドメを加えようとブレードが高く振りかぶられる。今度は叫んでも動きが止まることはない。随分薄れた意識の中で靄を振り切るように力の限り叫ぶ、ブレードは勢いよく振り下ろされた。しかしブレードは相手を斬り裂く事は無く腕が無理やり体の方へ引っぱられた。するとブレードの柄が腰にあるドライバーに強い衝撃を加える。その瞬間に脳は錐揉みされるようにかき乱され酷い頭痛に飲まれていきながら視界は黒く染まった。体の方は手で頭を押さえ苦しげな声を挙げる。苦しみから逃れるため手近にあった装置を滅多打ちにし始めた。男はこちらの様子に驚いたように目を見開くと『何をしている!そいつを殺せ!』と再び命令が下る。しかしあらゆるものが混濁する体に男の命令は酷いノイズになり頭痛として体を襲えば獣のように雄叫びを上げ、装甲がモヤとなり震えて霧散して変身が解けた。手にはブレードが残ったままで体は何処も見ていない目で男へ近づくと力づくでその体を床へと引き倒す。男が悲鳴をあげるのもお構いなしにブレードを掲げると男を殺すためそれを振り下ろそうとして)

  • No.3416 by 検索  2023-09-29 19:31:16 

_ッ、…え、翔太郎? 何がどうなって…翔太郎ッ!!!
(ぐらりと一度大きく体勢が崩れブレードが装甲を斬り裂くと痛みと同時に今まで無理をして動かしていた身体が悲鳴をあげる。何とかまだ動こうと足に力を込めるもさらに一撃を食らえば一瞬意識が遠のいたような気さえした。だけどまだ目的を果たしていない。気力と相手を取り戻さなければという意地だけで浅い呼吸を繰り返して意識を繋いでいた。相手の腕がもう一度高く構えられる。動かない身体で自らに向かって振り下ろされる動作がやけにスローモーションのように見えて拳を強く握った。だがその刃先は自分に当たらず宙を切り代わりに柄の部分がドライバーに当たって激しい音が響いた。すると相手は苦しそうに頭を押さえて声を上げ近くの装置を力任せに滅多打ちしていて異常としか呼べない状況に呆然とその光景を見ることしか出来ないでいた。実験台が暴走して装置を壊している姿に男は声を荒げて命令を下す。だが相手はますます狂乱するように獣にも近い雄叫びをあげ、禍々しい装甲がモヤとなって消えていく。焦点の合わない目で残ったままのブレードを片手に床に倒した男に迫るのを見れば何をするつもりなのか察して無理矢理足で地面を蹴って走り出す。あの男はメモリを売りさばき果ては相手を実験台にした許すことが出来ない人物だ。だがそれは相手が男を手に掛け殺人の罪を背負う理由にはならない。喉が張り裂けそうなくらいの声で相手の名前を呼び走っていれば過度な負担がかかった緑の装甲が風を起こしながら崩れていく。そんなことも気にせずブレードを振り下ろす相手の身体を全力で押せば位置がズレて刃は男の真横の空間を切り裂く。勢いのまま相手を床に押し倒せば馬乗りになってその身体を抑え込む。視界の端で男が恐怖のあまり失神してるのを気にする余裕もなく両手で相手の顔を掴んで強引にこちらを向かせれば「そこにいるのだろう、翔太郎!君が僕の相棒ならこんな物に支配されてないで早く帰ってきたまえ」と叫ぶように呼びかけて)

  • No.3417 by 探偵  2023-09-29 20:21:24 


(頭が酷く痛い、あの男が声を発する度に二つの相反する本能がぶつかり合い頭が張り裂けそうになる。その痛みを取り除くために体はただ音の発生源である男を壊そうとした。しかしブレードが振り下ろされる前に体は横から大きな力がかかり軽く吹き飛ばされる。そのまま地面に転がれば傍らにブレードが転がり落ちた。横からの力は相手がこちらへ体当たりしたもので、そのまま馬乗りされれば無理やり顔が固定された。相手が何か叫んでいる、酷いノイズだ、男の命令とは違い体の内側から何かが呼び起こされそうになってまた激しい頭痛に襲われる。音の発生源を再び止めるため体は相手を排除しようと動き出す。間髪入れずに右腕が動くとこちらを見下ろす顔についている首を強く掴んでそこを締め上げ始める。その瞳は強く開かれているのに相手のことを見ていなかった。しかし一方で、左手が細かに震え出すと這うように動きながらゆっくりと腹部へ向かう。そして弱々しい力ながらもドライバーを掴んだ。そこを握り潰そうとしているのかドライバーを包むように握るもとてもドライバーを破壊できる力ではない。あらゆる行動が乖離する体は相手をぼんやりと見上げてゆっくりと口が動く。音はひとつも発せられなかったがその口は確かに相手の名前を呼ぶように、『フィリップ』と動いていて)

  • No.3418 by 検索  2023-09-29 21:26:51 


…ぅ、ぐ……しょ、たろ…
(何度も呼びかけるように叫べば相棒の顔が苦しそうに歪む。酷い頭痛に襲われているような仕草に胸は苦しくなるがここで諦めるわけにはいかない。必ずそこには相棒がいるはずだと信じて必死だった。邪魔者を排除する為か相手の右腕が伸びてきてこちらの首を掴んで締め上げる。気道と血管が圧迫されると痛くて苦しくて相手を掴む手の先からゆっくりと力が抜けていく。酸素が回らず霞んでいく視界の中で相手の左手がゆっくりと腹部のドライバーに移動するのが見える。このドライバーを壊すことが出来たら。そんな考えが微かな希望のように頭に浮かべば手に意識を向け相手のドライバーへと移動させていく。どこを見ていたか分からなかった瞳がこちらを向いて初めて視線が重なった。その口がゆっくりと、だけど明確に動いて自分の名前を紡げば薄れていた意識がクリアになって伸ばしていた手を相手の物と重ねる。何があっても相棒を取り戻す。取り戻さなければ。強まる想いに応えるようにスロットに刺さったままの緑のメモリがバチバチと反応を示して辺りに風が発生する。何度も一緒に感じてこれからも二人で感じていく約束をした風.都.の風だ。無意識に口角が上がる。もう一度相棒の名前を呼びドライバーを掴む手に力を込めるとミシミシと音を立て端からヒビが入っていき)

  • No.3419 by 探偵  2023-09-29 22:15:34 


………っ、…フィリ、ップ…
(ただ目の前にある自分を苦しめるものを排除するために右腕は相手の命を奪おうとする。しかし左手に相手の手が重なれば目線が揺れようやく焦点が結んで相手を真っ直ぐと見つめる。その後に感じたのは愛すべきこの街の風。いつも共にあってこれからも共にある相手の温もりと風を感じればドライバーを握る手に力が入る。ドライバーが軋む音が響く中、相手から名前を呼ばれるとその顔には感情が宿って力を振り絞るように歯を食いしばって手に力が篭れば、相手と共に握っていたドライバーは高い音と共に砕け散った。同時に長く潜っていた所から水面上に顔を出した時のように大きく息を吸った、同様に深い眠りにつきかかっていた意識は相手を認識するほどには覚醒した。たどたどしい声で名前を呼んでゆっくりと体の力が抜けていく。首にかけていた手はそのまま滑り落ちる、かと思われた時に右手が意思に反して再び相手の首を絞めつけた。周囲を認知できるほどに意識は浮かんでいるのに体に残る洗脳の残滓がそれを許さぬよう意識を抑え右腕を動かす。自分の体は容赦なく相手の首を絞める、このままでは相手を殺してしまう。何よりも大事で大切で愛しい人が息絶えてしまう。そんなことは絶対に許されない。体は右腕以外動かない、悲痛な顔を浮かべるとただ弱々しく「逃げろ…」と懇願するように言うことしか出来なくて)

  • No.3420 by 検索  2023-09-29 23:41:25 

…っは、…ッ……、__
(目の前の相棒の顔に表情が戻る。それだけで相手が戻りつつあるのが分かって更に手に力を込める。軋む音が大きくなり、やがて高い音と共にドライバーが砕け散る。それと同時に相手の顔つきが見慣れたものになってたどたどしくも名前を呼ばれると戻ってきたのだと安堵が胸に広がる。首を締めていた相手の手の力が抜けていき呼吸が出来るようになれば深く息を吸って酸素を取り込む。これで何とかなったと思いかけた瞬間再び相手の右手が首を絞め始めると目を見開く。まだ効果が消えきって無かったのかと脳裏で考えるも容赦ない力で締められるとその思考も薄らいでいく。見下ろした相手が悲痛な顔で何かを伝えているが音は聞こえても意味に結びつかない。だけどその顔も声も見知った相棒のもので、何とか取り返せたのだと目的は達成したのだと感じればこれで十分なのかもしれないと諦念に心が傾いていく。そもそも先程ドライバーを壊すのに全て使い切って抵抗する力は殆ど残っていない。あれだけ相手に殺人の罪を負わせたくないと思っていたのに、今ではこのまま痛くて苦しいのが続くのならば相手に殺して貰うのも悪くないのかもしれないと逸脱した考えが頭を支配する。最期だと思えばもっと相手を感じたくて左手に触れると力無く指を絡める。首が締められ音にもならない掠れた声で「しょうたろう」と紡ぎぎこちなく笑っているようにも見える表情を浮かべたのを最後に全身の力が抜けてゆっくりと瞼が閉じていこうとしていて)

  • No.3421 by 探偵  2023-09-30 08:29:15 


……、…させるかッ!!
(いくら意思を込めようとも右腕が相手の首から外されることはない、それこそ最後の悪あがきのように今首を絞める相手だけは仕留めようと力が込められていく。言うことは聞かない癖に右手が首を絞める感触だけはしっかりと伝わってきて、相手がこの手の中で命尽きようとしているのが手に取るように分かる。逃げろと言う言葉はもはや聞こえていないのか相手は無反応で、指が力無く絡められるとこの状況に似合わない行動に動揺で瞳が揺れた。そのまま音にならない声で名前を呼ばれて全てを諦めた笑顔とも言えない表情を見せられると、瞬間体中の血が一気に沸騰した気がした。頭の中に残る自分とは違う何か、そんなものに相手を奪われるわけにはいかない。相手にあんな表情をさせてひとりいかせるわけにはいかない。相手の手が重なり動かなかった左手に力が入って絡まった手を一度強く握る。そして渾身の力を込め気合いと共に叫べば、意識を覆っていた最後の膜を破りさって左腕が動き出す。傍らに落ちていたブレードを握る、これがきっと洗脳の残滓が残っている証拠なのだろう。自分の意識を確実に奪うように、そして体に残る何かをたたき出すようにブレードの柄で自分のこめかみを思いっきり殴った。そんなところに衝撃が加われば当然意識は飛ぶ、相手の首を掴んでいた腕は今度こそ外れて力無く地面へ落ちていく。同時にブレードは黒いモヤとなって霧散して気を失った探偵だけがそこに残って)

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