検索 2022-07-09 20:46:55 |
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……いや、どうせならこいつを試してみようぜ
(舞台に降り立ち場が騒然となる中ワイヤーを巻き取り走り出せば、相手は残りのひとつであるSharkメモリを抜け目なく拝借して駆け出す。例の息子がなにやら叫んでいるが残念ながらこれは渡せない。怒号の中出口へと駆け抜けていこうとするが背後にはマ.ス.カ.レ.イ.ド・ド.ーパ.ントが迫ってくる。警備についていた人間にはあれが配られていたようだ、このままでは捕まるのは時間の問題だろう。相手から変身を持ちかけられるが意識の抜けた相手を抱えれば戦闘ではやはり分が悪い、銃弾が飛び交うなかで意識のない相手を置いておくのも危険すぎる。そうなれば先程手に入った新たな選択肢に思い至った。変身することができ、かつ相手の意識が失われない方法。おやっさんと同じロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バ.ー,を取り出すと相手へとそれを見せる。二人してこの場を無事に脱出するのにはうってつけの切り札だ。「このまま走れ!」と声をかけると同時、走るのを止め振り返ると半身のドライバーを腰へ宛てがう。ベルトが腰へと巻かれ、敵と対峙しながら紫のメモリを起動させた。メモリをセットし二人で変身する時と同じように右腕を掲げながらベルトを起動する。いつもと違い風もなく相手の意識が流れ込んでくることもなく装甲が構築されて変身を果たす。いつもは緑色に輝く右半身も漆黒の黒に染まって、ひとりで変身をした事実に一瞬自分でも驚いていた。だがモタモタしている暇はない。こちらへと向かってきた敵を右ストレートで沈め、放たれた銃弾を腕で弾き飛ばす。目の前に敵がいなくなった瞬間を狙って少しずつ後退しながら敵を退けていき)
それは、…っ! あれがロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バ.ー,の変身…。
(このまま逃げるか変身するかの判断を委ねると相手は第三の選択肢を提示する。今しがた奪ったドライバーを見せられると目を見開く。確かに相手が話していた鳴.海,荘,吉の姿が事実であればこちらが意識を失うことなく彼らに対抗が出来る。だが安全性が確認出来てない物を相手に使わせるのは不安で躊躇いを見せる。それでも相手が使う気なのを感じればその勘を信じて言われたまま先へと走る。途中振り返ると相手がドライバーを腰に装着し片方のスロットにメモリを挿入する。ドライバーを起動すれば左だけでなく右までも漆黒の色に染まった姿に変身していて息を飲んだ。初めて見るダ.ブ.ルではない変身。推察でしかなかった物が現実として目の当たりにして思わず立ち止まってその姿を眺めてしまうが敵と応戦しているのを見れば自分の役割を思い出して先に進む。元の入口は待ち伏せがいると容易に想像がつけば目指すは搬入口兼非常口のもうひとつの出口だ。走ってそこにたどり着けばセキュリティモードでロックが掛かっていた。近くの端末とロックの構造から最速で解錠方法を見つけると早速試みる。少しして電子音と共に解錠が通知されると「翔太郎、こっちが開いた!」と声を掛けて)
よし!このまま逃げ切るぞ!
(相手が先導する道を敵を倒しながら進んでいく。ダブルの時に比べ半身が欠け圧倒的に力は弱いがそれでも常人を上回るパワーがあるのは確かだ。量産型のマ.ス.カ.レ.イ.ド・ド.ーパ.ントならなんなく制圧することが出来る。相手が出口ではない方向へ向かっても相手がそう判断したのならと信じてついて行く、やがてたどり着いたのは非常口だった。なにやらロックらしきものが見えて相手がそれに向かうのが見えれば追っ手と拳を交え時間を稼ぐ、近場にいた最後の一人を床に沈めた所で声がかかれば振り返って非常口の方へ急いだ。扉をあけ共に外へ出れば素早く扉をしめ、傍らに積まれてあったガラクタを扉の方になぎ倒す。これでガラクタがつっかえになってそうそう扉は開かないはずだ。外に出た今変身したままでは変に目立ってしまうだろうとドライバーを閉じ元の姿にもどり、次いで仮面を外すと相手の手をとり走り始める。街へと出てしまえばこちらのものだ、細道や抜け道を選んで進み相手の体力が尽きないうちに会場から離れた路地で止まると「ここまでくりゃ大丈夫だろ」と軽く息を整えながら相手の方をみやり)
あぁ…彼らも下手に騒ぎを大きくしたくはないはずだ。行き当たりばったりではあったけど何とかなったね。
(開いた扉から外に出てガラクタをなぎ倒せば追っ手をそこで食い止めることに成功する。印象的だっただろう仮面を外すと手を引かれるまま走って裏路地を後にする。相手が知っている細道や抜け道を駆使して進めばかなり遠くまで逃げる事が出来ただろう。思えばずっと緊張感の中走りっぱなしで体力もそこそこ削られると路地の壁に背中を預けながら荒く呼吸をして息を整える。突然の侵入者に商品を全て奪われその有様を舞台で客に見られたのだ、今頃会場はてんやわんやだろう。自分達を追うことよりもお得意様のご機嫌取りを追われている想像がつけばつい悪い顔をして口角が上がる。直接元凶を潰すことは出来なかったが大きな損失を与えられたことは悪くない。ハラハラとした一連の出来事を振り返り感想を零すと「そのドライバーのおかげかな」と相手の手に握られたドライバーに視線を向け)
メモリも全部盗んでやったんだ、しばらくあいつらも動けねぇだろ。……そうだな。これがあれば俺だけでも戦えるのか…
(結果から言えばまんまと全てのオークション品を盗んでやったのだ、乱闘騒ぎに盗難騒ぎとなれば会場は大混乱だろう。あの責任者らしき男がさらに悪態をつきながら叫ぶ姿が頭に浮かべば同じく悪い笑顔を浮かべる。今日はお互い街を泣かせない探偵にはふさわしく顔をよく浮かべている。背後にいる組織ごと潰せなかったのは心残りがあるが、敵の内へと飛び込んで目的を達成した上に二人とも怪我なく無事だったのだから成果としては上々だろう。資金源のメモリを失い客を混乱に陥れ信頼を失った以上あの場を仕切る組織もこれから大きな動きをせざるを得ないはず、あの息子を見張っていればいつかまた尻尾を出す時がくるはずだ。相手が視線を向けたドライバーにこちらも目を向ける。おやっさんが使っていた半身のドライバー、ダブルに力では及ばないものの一人で変身できるのはメリットも多いように思える。それこそ今回の潜入だってこのドライバーがあれば相手を安全な場所におきながらひとりでできたかもしれない。ドライバーをじっと食い入るように見つめながらいつの間にかそれを握る手には僅かに力が篭っていて)
メモリも全部盗んでやったんだ、しばらくあいつらも動けねぇだろ。……そうだな。これがあれば俺だけでも戦えるのか…
(結果から言えばまんまと全てのオークション品を盗んでやったのだ、乱闘騒ぎに盗難騒ぎとなれば会場は大混乱だろう。あの責任者らしき男がさらに悪態をつきながら叫ぶ姿が頭に浮かべば同じく悪い笑顔を浮かべる。今日はお互い街を泣かせない探偵にはふさわしく顔をよく浮かべている。背後にいる組織ごと潰せなかったのは心残りがあるが、敵の内へと飛び込んで目的を達成した上に二人とも怪我なく無事だったのだから成果としては上々だろう。資金源のメモリを失い客を混乱に陥れ信頼を失った以上あの場を仕切る組織もこれから大きな動きをせざるを得ないはず、あの息子を見張っていればいつかまた尻尾を出す時がくるはずだ。相手が視線を向けたドライバーにこちらも目を向ける。おやっさんが使っていた半身のドライバー、ダブルに力では及ばないものの一人で変身できるのはメリットも多いように思える。それこそ今回の潜入だってこのドライバーがあれば相手を安全な場所におきながらひとりでできたかもしれない。ドライバーをじっと食い入るように見つめながらいつの間にかそれを握る手には僅かに力が篭っていて)
引き続き警戒って所だね。…翔太郎、それは許さないよ。
(今日に限っては探偵というよりかは怪盗のような動きが多かったがオークションを台無しに出来たのなら成果はあったといえるだろう。このメモリなどの売上が製造の資金ならば相手の言う通り暫くは派手に動くことは出来ないだろう。引き続きあの息子を中心に裏の流れはこまめにチェックした方が良さそうだ。そんな今日の成果のひとつでもあるドライバーに視線を向ければ相手もそれを見る。単独のメモリしか使えないようだが一人で使える分ダブルと違って片方の身体の心配をしなくても良いなど小回りの効く印象を受けた。確かに捜査する上でメリットは多い。その一方で相手の呟きと僅かに力の籠った手から何を考えているか容易に想像がついて咄嗟にその手首を掴むと真剣な顔を向ける。相棒のことだ、一人で動ける手段を手に入れればこちらには何も言わず隠れて無茶をするに違いない。この時のことを想像すれば圧をかけるような低い声が出てもう片方の手でドライバーを奪い取り「これは僕が預かっておくよ」と告げて)
っ、おいっ……分かった。でも必要なになったら使うからな
(手の中に収まるドライバーをじっと見つめる。相手と何処までも一緒に走る約束をしてはいるが、それでもどうしたってひとりで行くべき時は出てくる時はある。そんな時にこれがあれば今まで以上にひとりで切り込んで行くことができるはずだ。そんな思考を巡らせていれば相手から手首を掴まれて反射的にそちらをみる。そこにはこちらの考えを全て見透かしたような真剣な目があって、悪事がバレた時のようにたじろいでしまった。直感で感じた通り相手は全てお見通しだったようで低い声と共にドライバーは相手の手に渡る。咄嗟に声を出しなんとか二人の管轄に置けないか言い訳を探してみるも、その使い道は相手に黙って単独で乗り込む時などしか思い浮かばず説得力のある使い道を示すことはできなかった。結局は相手の言うことを飲む形になるも使う時は使うとドライバーを指さし苦し紛れの抵抗を見せていた。ロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バ.ー,はこちらで預かるとしてあとはアタッシュケースの中のメモリを無力化し今回のことをジンさんに報告しなければならない。そろそろ相手の呼吸も整った頃だろう「とりあえず事務所帰るか」と声をかけ後処理へと向け動き出して)
(/お世話になっております!そろそろ区切りかと思いお声掛けさせていただきました。二人の力で会場を見つけ出す所から潜入してオークション品を奪い去るところまで、随所で二人のコンビネーションが光ったお話になりましたね!とても気持ちよく展開のキャッチボールができて毎回ワクワクしながらお返事させていただきました。今回もありがとうございます!
この後の流れをご相談させていただきたいのですが、このままダ.ー.ク.ラ.イ.,ダ.ーの話へ一気にいってもいいですし、一旦日常なお話を挟んで二人の時間を過ごすのも良いかと思うのですがいかがでしょうか?検索様のご意見お聞かせいただければ幸いです!)
あくまで最終手段として必要になったら、だ。僕たちは二人で一人だろう?
(手首を掴んで見つめれば相手の瞳は動揺に揺れる。何やら言い返そうとしていたが自分が納得できるような使用方法が浮かばなかったらしく渋々承諾を口にしていた。相手のことだ、何も言わなければパトロール中に遭遇したド.ー.パ.ン.トに単独で挑んで傷だらけで返ってくのが容易に想像がつく。それに一本のメモリしか使えないならダブルよりも出力は弱いはずだ。相手の苦し紛れの言葉に更に条件をつけ足して滅多に使わないものだと強調して伝える。そして相手の目をしっかり見つめながらいつものフレーズを口にした。ここまで言えばひとまずは大丈夫だろう。息も大分整った。相手の言葉に頷けば後処理の為事務所に向かって)
(/こちらこそお世話になっております。潜入手段の確保から逃走するところまでお互いの得意分野を活かしたお話が出来て充実した事件でした。それぞれ打開策を見つけたりとさくさくお話が進んでとても楽しかったです。今回の運営や客、そして手に入れたロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バーなどでまた違った話が出来るようになるかなとも思いますので今から楽しみです。今回もありがとうございました。
次ですがせっかくですのでこのままダ.ー.ク.ラ.イ.ダーのお話はいかがでしょうか?今回ドライバーが盗まれたことで独自開発のベルトに力を入れるようになって…という背景なら自然だと思いますし二人の対立というのも楽しそうです。ダ.ー.ク.ラ.イ.ダーにも意識を乗っ取られたり勝手に暴走して制御が効かなくなったりと色々系統があると思うのですがどれが好みとかありましたらお聞かせください!)
(/それではぜひぜひダ.ー,ク.ラ.イ.ダ.ーのお話といきましょう!
完全に意識を乗っ取られるのをイメージしていましたが、強制変身させられて変身中だけ暴走するというのもシリアスな展開にできそうですね……!どちらも悩む所なのですがどちらがダ.ー.ク.ラ.イ.ダ.ーになってしまうかにもよると思っておりまして……探偵の場合ですと今回の騒動で変身者として目をつけられ街を泣かせないはずが街を脅かす存在になってしまうのもいいですし、検索くんの場合だと前回拉致された延長で末端組織の道具としてライダーにさせられ別系列組織の工場を強奪するのに利用されてしまう、というお話も面白いと思っておりました。この通りどちらがダ.ー.ク.ラ.イ.ダ.ーになるか非常に悩み所でして、検索様のご意見もお伺いしたいのですがいかがでしょうか?)
(/意識が乗っ取られて気づいたら破壊していたパターンも意識はあるけど体の制御が効かなくて見ている事しか出来ないパターンもどちらも違ったシリアスに出来そうですよね。こちらも大変悩む所ではあるのですが探偵君がダ.ー.ク.ラ.イ.ダ.ーになる展開はいかがでしょうか。忠告したにも関わらずロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バーがあるからと慢心して組織の危険な場所に踏み込んでしまってだとか動作確認の実験台にされて守りたいはずの街や人を襲ってしまうような絶望感のある話が出来そうです。その他こんな流れがやりたいや要素を取り入れたいなど事前に共有しておきたいものがありましたら是非教えてください。)
____あれは…!
(オークション品を少々手荒な方法で奪い去ってから一週間ほど、あの会場の情報や破壊したメモリをジンさんに渡してはいたが新たな情報はなかった。こちらの読み通り資金源である商品を失って身動きが取れないのだろう。だが息を潜めている間に新たな動きにむけ力を溜め込んでいる可能性だってある。まだまだ気の抜けない状況ではあるが事務所は至って平和で今日は依頼もない。それならばと相手に声をかけパトロールも兼ねて街へと繰り出していた。繁華街やオークション会場のあった裏路地を見て回ったが特に変わりは無い。今日はいつも通りかと思考を過ぎった瞬間、目の前の小さな路地へ入っていく男の姿が目に入る。その顔は間違いなく先日オークション会場を仕切っていた男で思わず息を飲んだ。まさかこんな白昼堂々歩き回っているとは。咄嗟に息を殺して男が入っていった路地へと近づき覗き込む。男はどこかへ向かっているようだ、あのオークション会場以外に彼が行くような場所があるのかもしれない。相手に『オークション会場にいた奴を見つけた』と手短に連絡を入れておくと男をつけていく。男はどんどんと人気のない場所へと入って川沿いにポツンと建てられた廃工場らしき建物へ入っていく。ここで見失うわけには行かないと抜き足で建物へ近づけば半開きになったままの扉をそっと開けて中へと侵入した。その瞬間、背後から何かが空気を切る音が聞こえる。次に後頭部へ強い衝撃があって脳が揺れた。声を出す間もなくその場へと崩れ落ちる。遠くの方で『こんなに活きのいいのが向こうから来てくれるなんて』なんて声が聞こえた気がした。意識は長く持たずそのまま暗闇の中へと引きずり込まれていって)
(/では探偵がダ.ー.ク.ラ.イ.ダ.ーになってしまうパターンでいかせていただきます!意識があるけど体の制御が効かないパターンでとことんシリアスにしてしまいましょう。それでは導入はオークション会場を仕切っていた男をたまたま見かけて深追いしてしまい、今後量産予定のドライバーの動作確認の実験台にされてしまう、といったものにさせていただきます!探偵が暴れてしまっているところを検索くんがぜひロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バーを使って止めにきていただければと!ひとまず導入回しておきましたので、いつも通りお互い好きな展開盛り込みながら進めていきましょう。/ご質問等なければこちら蹴りで大丈夫です!)
…は、…っ、なんで出ないんだ。……、
(オークション騒動から一週間ほど、入ってくる情報を見る限りは組織の動きもなく平和な日々を過ごしていた。パトロールに出かけるといった相手を見送りオークションに出品されていたメモリの情報を気まぐれに検索しているとス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンがメッセージの通知を伝える。切りよく本を読み終えた所で内容を確認すればあのオークションに関連した人物を見つけたという内容で思わず変な声が漏れた。メモリの被害を憎む相手がその後何をするかは容易に想像がついて嫌な汗をかきながらも電話をかけてみるがコール音が続くだけで一向に出る気配はない。最悪の事態が脳裏に浮かぶ中ガレージに戻り最後に届いたメッセージから何処から送られてきたものか位置情報を割り出せばここからそう遠くない路地であることが分かった。すぐさま事務所を飛び出そうとして相手に隠すように保管していたロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バーが視界に映る。一本のメモリで一人で変身するためのデバイス、それを使う意味を考えてしまえば逡巡するように動けなくなってしまう。だが気を落ち着かせるように一呼吸挟むとドライバーを手にして事務所を後にした。位置情報を拾った路地に駆けつけるが相手の姿も特に変わった物もない。あれからその人物を尾行したならばここから繋がる何処かへいるはずだ。彼らが根城にしそうな人気がなくそこそこ広い土地で車などが出入りしてもおかしくない場所を考えれば賑わいの少ない方向へと勘を頼りに進んでいく。やがて川沿いを進んでいけば廃工場のような建物が現れるとここだろうと当たりをつけて入り口から中を覗き込む。見た限りは人の気配はないが辺りを警戒しながらも中に足を踏み入れて)
(相手が足を踏み入れた廃工場は雑多にガラクタが置かれているものの人の気配はなく埃っぽい場所だった。当初は相手が発する音だけが響いていたが、不意に柱から人影が姿を現す。真っ黒なローブを纏いフードを目深にかぶっているが、そのフードの下にも顔全面を覆う仮面をつけている。しかしその仮面は先日オークション会場にいたスーツの男達が付けていたものと似通ったデザインをしている。さらに言えば、ローブを羽織る男の背格好は鳴.海.探.偵.事.務.所.の探偵に酷似していた。男は懐に手を入れると黒い塊を取り出す。その手に握られていたのはドライバーと思しきもので、ダ.ブ.ル.ド.ラ.イ.バ.ーとはまったく異なる造形をしていた。腰に宛てがうとベルトが展開して腰へと装着される。続いて男は一本のメモリを取り出す。ゆっくりとボタンが押されメモリが起動すれば辺りに『Locust』とガ.イ.ア.ウ.,ィ.ス.パ.ー.が響き渡った。男はメモリをドライバーの挿入口に装填し同時に右腕を掲げる。メモリを挿入口ごとドライバー内部へと倒せば、そこは禍々しく赤の光を放って男の体は黒く蠢く何かに覆われた。次の瞬間モヤは装甲へと形を変える、全身真っ黒なボディに金のラインが施され顔には二本の触角が生えており底の見えない黒の複眼が相手を捉えていた。間髪いれずに男が動きだす、相手との距離を一気に縮めるとそのまま一撃で相手の意識を奪おうとして)
…何者だい?…っ、仕方ないけど使うしかないか
(周りを警戒しながら廃工場の敷地を歩いていたがそれらしい物は見つからない。外れだったかと思い始めた所で不意に柱から人が現れて身構える。真っ黒なローブに会場で見張りや運営をしていた者のつけていた物に似た仮面をつけていてここの人物なのだと推測がつく。だが同時に何処かこの体格に既視感があって眉を顰める。だがそんな訳ないと無意識にその思考を脳から追い出して動向を伺うように問いかける。男が取り出したのは黒い何かでドライバーのようにベルトが展開して腰に巻き付くのを見れば思わず目を見開く。更にメモリを取りだしてガ.イ.ア.ウ.,ィ.ス.パ.ー.が響かせてからメモリを装填する見慣れた動作にそれが何なのか理解して息が詰まる。怪しげな赤の光が放たれた後真っ黒な装甲に身を包まれ鋭い触角と黒い複眼がこちらを捉えると一気に距離を詰めてきて反射的に地面に転がってその攻撃を避ける。明確に向けられた敵意。相棒がいない状態で唯一の対抗手段としてロ.ス.トドラ.イバーを腰に装着すると疾風のメモリを構える。片方しかないスロットに装填しドライバーを開けば辺りに風を吹かせながらも全身緑色の装甲を身に纏う。いつも左側に感じる頼もしい意識はそこにはなくて自分一人しか居ないのが物足りない。そんな戸惑いや不安を仮面の下に隠すと彼と対峙し、今度はこちらから風の勢いを借りて距離を詰め打撃を繰り出して)
(夢を見ているようだった。自分では動けないのに目の前にぼんやりと見える映像が自分の意思とは関係なく進んでいく。薄暗い倉庫、遠くに見える見覚えのあるシルエット。一瞬の暗闇の後にその人影へと近づけば人影は視界の外へと転がり出ていく。その人影を追うように視界が動けば、そこに居たのは相棒だった。
一撃で仕留める勢いで放った攻撃は躱されてしまい、男はゆらりと上半身を起こし体勢を立て直す。相手はドライバーを装着し緑色のメモリを装填してこちらと同じように装甲を纏う。その間も男はただ黙ってその様子を見つめるだけで驚きも戦きもしない。相手は構えると同時に想定外の速さで風と共に間合いを詰めてくる、咄嗟に腕で打撃を受け止めるとそこからは拳が装甲にめり込み軋む音が響いた。装甲は特別頑丈と言う訳では無いらしい。今度はこちらからも拳を繰り出し、しばらくは打撃の応酬が続いた。決定打もなく一度距離を取った所でこちらの背後からまた一人男が姿を現す。それはあのオークション会場を仕切っていた男で『そろそろお披露目の時間だ。いくぞ』と声がかかる。その声を聞いた男はまるでロボットのようにピタリと動きを止める、そして仮面の下で「了解」と一言返事をした。腕を軽く振ると触角が伸びるように体から黒いブレードが飛び出しそれを握る。そして傍にあったガラクタを思いっきり切りつけると不格好に積んであったガラクタは崩壊して派手な音と砂埃をたてて崩れ去る。音と埃が止む頃には二人の男は姿を消していた。同刻、相手のス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ン,からは電話を知らせる通知音が鳴り響いていて、画面には所長の名前が浮かんでおり)
_ っ、君はこの前の…、待てっ!
(ダブルの時よりも出力は劣るものの目の前の彼は頑丈という訳でもなく打ち込む拳には手応えがある。こちらの意思だけで体を動かし拳を受け止め隙を見ては打ち返すを繰り返す。互角とも呼べる状況の中、一旦距離を取って息を整えると背後から別の男が現れる。オーディションで商品の紹介をしていた男で恐らくメッセージにあった相棒が後を追っていた人物だろう。この男なら相棒の居場所を知っているはずだ。相棒に繋がるヒントに冷静では居られないままその場所を聞き出そうと掴みかかろうとするが男が彼に声を掛けると一言返事がされる。その声が聞き馴染みのある物と酷似していると感じてしまうと思わず足を止めてしまう。何故彼からその声がするのか。呆然とした隙に派手な音と共にガラクタがなぎ倒され砂埃で二人の姿が見えなくなる。正気を取り戻してその場所に踏み込み風で砂埃を払うもそこには誰もいない。男の不穏な言葉と片隅に生まれた疑念が頭を支配する中、逃げられたのを察して変身を解いた所でス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンに所長から着信が来ていることに気付く。このタイミングでの連絡に嫌な予感を覚えながらも電話に出ると「…何かあったのかい?」と落ち着かない様子で伺い)
『やっと出た!!もー翔太郎くんにかけても全っ然出ないし、フィリップくんにも繋がらないし……』
(相手と同じく電話越しの所長もまったく落ち着いていない様子で、開口一番に大声をあげる。所長は先程からずっと探偵へ連絡を取ろうとしていたらしく、まったく電話に出ない探偵にとうとう堪忍袋の緒が切れて相手へと電話することにしたようだ。だが依頼もなく至って平和な日だったはずなのに二人とも事務所におらず、しかも探偵と電話が繋がらなくて只事ではないのではと事務所で一人パニックになっていたらしい。ひとしきり文句を言った後所長が要件を話し出す。『この前二人が追っかけてた引きこもりの息子いたでしょ?アイツが突然外出したってお母さんから連絡があったの』どうやらこの一週間嘘のように静かだった息子が今度はまた突然家を飛び出していったのだという。その顔は嬉々として、同時に不気味で、母親はとても声をかけられなかったそうだ。新しく入った情報を探偵に共有しようとしたのに、と不満そうだが異常事態であるのは相手の声からも察していたようで『二人とも何かあったの?』と気遣うように問いかけていて)
彼が外出?もうオークションは終わったはずじゃ…。…僕も翔太郎を探しに来たんだ。それで川沿いの廃工場に来たら妙な男がダ.ブルとは違うベルトで変身して__ もしかしたら……、
(電話口の所長は酷く慌てている様子だ。あれからも相棒が電話に出ないという情報に無意識にス.タ.ッ.グ.フ.ォ.ンを握る手に力が籠る。出られないことに謝罪を挟みつつも要件を聞けば例の息子の奇妙な行動の情報で思わず聞き返してしまう。あの後あの会場は警察が調査に入って運営関係者こそ捕まえられなかったが今は使用できないと聞いている。被害を考えればまた別の場所でオークションをしているとも考えにくいだろう。先ほど男はお披露目だのなんだの言っていた。十中八九それに関連していることだろうと想像がつけば嫌な予感は募るばかりで普段は隣で一緒に情報を整理してくれる相棒がいないことがそれに拍車をかけている。所長から問われると長く息を吐いた後こちらもこれまでの情報を共有する。二人が姿を消したことまで話せば先ほどから頭に引っかかる疑念を口にしかける。だが根拠のない推測を現段階では話すべきはないと、あるいは言葉にすれば現実になってしまいそうで「いや、何でもない」と誤魔化す。また何かあったら連絡が欲しいと告げて電話を切る。情報収集のためバ.ッ.ト.シ.ョ.ッ.トに例の息子と相棒の顔情報と一致する人物を探すように指示を出して空に放つと建物の中へと入る。元々もう使わないつもりだったのか資料やメモリの類は綺麗さっぱり消えていたが入口の方に何かを引きずった跡、そして床には何かが暴れたような痕跡が残っていた。何となくそこが気になって近くのガラクタをどけると爪でひっかいたような『4-21』という文字を見つける。謎の文字列に頭を悩ませるも何処かへ向かおうとしていた男の言葉から住所の一部ではないかと気づく。このあたりの4丁目は市街地だったはずだ。その考えに至れば居ても立っても居られずその住所の付近へ走って向かい)
(相手も探偵の行方が分からないのを聞くと所長は『もー大事な時にどこいったのよ』と焦りを纏った声をあげる。その後相手が何か言いかけた事に不思議そうな声を漏らしたが、何も言わないのであればと追求することはなかった。所長は事務所で待機していることを告げ『任せなさい!』とせめて元気な声で返事をしてから電話を切った。
相手が4丁目へと向かい走り始めたのと同時刻、バ.ッ.ト.シ.ョ.ッ.トからの通知音が鳴り響く。それは相手がまさに向かおうとしている4丁目21番地に例の息子を発見したという知らせだった。その4丁目21番地はビルに囲まれた広場になっていて、キッチンカーが並びカフェや軽食を楽しめる場所になっている。そしてビルに囲まれているからこそ、その広場を見渡せる場所が無数にあり広場で繰り広げられることをよく観察出来る場所でもあった。人々で賑わいを見せるなか足音もなく人影が広場へ近づく。その人影は黒いローブに仮面をつけたあの男だった。無言のままドライバーを装着しメモリを装填する、再び禍々しい姿へと変身すると近場にあった椅子を人々の方へと投げつけた。途端にあがる悲鳴とその場を逃げるようにかけ出す人々、それらを無視して男は椅子をそこらに放り投げテーブルを掴みあげるとキッチンカーへと投げつける。派手な音と共にキッチンカーのガラスが砕けた。男は周囲のものを破壊することを止めることはなく、それを周囲のビルの上から複数の人影が見つめてる。不意にテーブルの傍に腰を抜かして動けないでいる男を見つけるとふらりとそちらへ近づく。そして傍らにあったテーブルを片手で掴みあげ高く掲げるとそのまま転がる男へ叩きつけようとして)
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