検索 2022-07-09 20:46:55 |
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みたいだな..…やるじゃねぇか、あいつ!
(二人の誘導に成功して相手のもとへ戻ると肩を叩き労われ、それにニヒルな笑みを浮かべて返す。だがこちらができるのはここまでだ、あとは豪次第だと見守っているとネックレスを手に取って意を決して菜月ちゃんに声をかけていた。どんなやり取りをしたかここからでは聞こえないが二人の表情からなんとなくその内容を察した。二人がレジへ移動したあとにアクセサリーコーナーへ戻れば揃いのネックレスがなくなっている。こちらの予想は恐らく当たっているのだろう、どうやら菜月ちゃんにプレゼントを買えただけでなくお揃いのアイテムを手にすることが出来たようだ。弾む相手の声にこちらも興奮を隠しきれない様子で頷き返す。お揃いのプレゼントを送る事ができたなんて二人の仲もかなり深まった事だろう。順調な様子にこちらまで嬉しくなっていれば二人は店を出てまた歩き始めた。聞かされていたプランはここまでだったがまだ二人とも帰る気配はない。豪が誘導する方向には公園がある、きっとそこで二人の時間を作るのだろう。もはや見守るというよりは野次馬に近い気もするが二人に続いて店を出れば「このまま行けるかもな」と期待を滲ませながら尾行を再開して)
もともと好印象ではあったようだし、猫カフェでの交流やお揃いの物を買ってお互いを意識するようになればその可能性は高いだろうね。あとは一歩を踏み込めるかどうかだが…
(一時は少し心配したものだがお揃いのネックレスを買うことが出来たなら大成功と言えるだろう。確実に縮まっているように見える距離感に自分の時と同じ感情を重ねて嬉しくなる。会計を済ませた二人が店を出ると何処かへ歩き始めてその後を追うように尾行を再開する。ここから先のプランは聞いていないためその足取りを追うしかない。相手の期待の滲んだ声に頷くと冷静に今の状況を分析する。好意がなければ猫カフェであんなに距離を詰めて過ごしたりお揃いの物を許容したりはしないだろう。傍から見れば十分に可能性があるように見えるが当事者は色々なことを考えてしまうものだ。問題はその不安を振り切って行動を起こせるかだろう。すっかり自分事のように見守るようになっていれば二人は公園へとたどり着く。大きな木の下の日陰になっているベンチに並んで座るのを見れば自分達も近くの木に身を潜める。二人は会話を続けているが目が泳いだりと待ち合わせ時よりもぎこちない部分が目立つ。その状態に身に覚えがあるだけにじれったさを感じ「僕たちも傍から見ればあんな感じだったのだろうか」と呟きながらその様子を見守っていて)
あぁ、あとは豪が気合いを見せれるかだけだ……、まぁそうかもな…お前の笑顔も見れなかったし
(公園の片隅にあるベンチに座る二人は仲睦まじく見えるもののどこかお互いに緊張していてまたヤキモキが募る。二人で猫カフェに行き、お揃いの物をプレゼントし、二人っきりの公園となればお膳立てはバッチリだ。あとは豪次第といった所だろう。なかなかそれらしい雰囲気にならずガジェットを使って何かキッカケを与えるべきかと考え始めた矢先に相手の呟きが聞こえてくる。自分達の場合誰かに相談することはなかったが、相手と対面するとずっと焦っていたり目線を泳がせていたりと忙しなかった思い出はあって、十分周囲にじれったさを与えていたかもしれない。当人達は誤魔化せていると思っているのだろうが正直一目瞭然だ。夏祭りでクイーンに二人の状態を一発で見抜かれたのもよく分かる。あの時は相手と向き合う度に心臓が煩くて大変で、特に幸せそうにしている時の顔はまともに見れなかった。じれったさはあるもののここで他人の介入があれば変に冷めてしまうかもしれない。豪を信じて我慢することにすればジッと二人の動向を見守る。豪はふと思い出したように鞄をあさって先程購入したネックレスを取り出す、そして彼女に一声かけてから向き合ったままそのネックレスをつけてあげていた。ほぼ抱きしめるような格好になれば思わずグッと拳を握り「今だいけっ!」と小声で念を送っていて)
あんな感じで落ち着きのなかった頃が懐かしいような恥ずかしいような気分だ。
(こんなに離れてもなおじれったい空気が伝わってくるがこちらの呟きに相手が反応を示す。今でこそ目を合わせることも体を触れ合わせることも平然に出来るようになったがあの時はまともに視線を合わせることも稀だったように思う。恋は盲目という言葉もあるが周りが見えないくらい相手の言動一つ一つが気になって反応してしまうのが今の二人なのだろう。その時を思い出せば懐かしさと同時に妙な羞恥を覚えて吐き出すように呟いた。変に介入して拗れる方が問題そうで大人しく見守っていると彼がカバンからネックレスを取り出して彼女につけてあげている。隣では自分のことのように拳を握り必死に念を送る相手の姿に思わず口元がにやけるも応援したい気持ちは同じだ。緊張してなかなか金具が引っかからないのかそれとも離れがたいのか長い間抱きしめるような体勢になっていたがゆっくり離れて顔を合わせる。彼の顔はここから見てもわかるほど赤くなっているがそれでも彼女を真っすぐと見つめながら見つめて何かを告げるのが見えた。少し間が空いて彼女の顔が縦に振られ腕が回す様子を見れば結果は明白だろう。話を聞いてデートに同行した分彼の願いが成就したのが感慨深くて思わず相手の方を向くと「やったよ、翔太郎」と歓喜の声をあげて)
よしっ!あいつやりやがったな!
(群衆に紛れてしまえば人目にはつかないのだろうがこうやって微妙な距離感の二人が緊張しながら向き合う姿を観察していればあの二人がどんな状況かは明白で、過去を思い出し段々と恥ずかしくなってくるのも分かる。相手の呟きに「だな」と共感しながら豪がネックレスを付ける様子を見守った。なかなか取り付けることが出来なくてずっと至近距離でいるのをみれば豪の立場と自分を重ねてしまってこっちまで恥ずかしくて焦りそうになってしまう。ようやく二人が離れて豪が菜月ちゃんを見つめる、その雰囲気からついに決心したのだと悟れば無意識に息を飲んだ。豪が何か言った後に菜月ちゃんが頷き豪へと抱きつく、どうやら豪の願いは叶えられたらしい。思わずガッツポーズをしてしまい相手をみれば丁度視線がかち合って、こちらも興奮気味に相手の肩を叩いて喜びを共有する。昨日相談に乗ってからここまで見守った甲斐があったというものだ。二人は互いに手を取って真っ赤な顔で見つめあったまま笑いあっている。幸せ溢れる空間にこちらの胸にも幸せがおすそ分けされて「俺達が見守るまでもなかったかもしれねぇな」と冗談めかして口にする。あとは真に二人っきりの時間とした方がいいだろう「こっそり帰るか」と二人に背を向けた後に相手に声をかけ)
そうかもしれないね。 ああ、あとは二人だけの時間だ。
(息を飲んで見守っていたが無事に願いを果たして瞬間を目撃すれば他人の出来事でありながら相手と喜びを共有する。彼の真摯な姿も昨日との変わりようも知っているからこそ結ばれて良かったと心から思う。顔を赤くしながらも想いが通じ合えたことに二人は幸せそうにしていて見ているだけでも微笑ましい光景だ。あの様子ならば相手の言う通り見守る必要は無かったかもしれないが結果良ければ全て良しと言ったところだろう。今回の大きな目的を達成したのを見届けた所で声を掛けられると頷いて音を立てないようにして公園を去る。あれ以上他人が見守るのは野暮というものだ。見守るという仕事も終えあとは事務所に帰るだけだが何となく自分まで浮かれた気分になっていれば何も言わずにここまでやって来た大きな道ではなく人気の無い狭い道へと入る。そこで相手の方を向いてその手を取って軽く握ると「少し遠回りして帰っても良いかい?」とお願いして)
……あぁ、俺もそんな気分だ
(相談を受けたのは昨日と直近だがそれでもめいっぱいヤキモキした分、豪と菜月ちゃんが結ばれるのは嬉しい。頑張ったのは豪なのだがまるで自分のことのように好きな人と無事結ばれたのが嬉しかった。このまま事務所に最短ルートで帰ることも出来るが、相手が何も言わずそこから外れて細い道へと入っていくのをみれば同じく何も言わずに隣を歩いてその道へ入る。人気がなくなり二人きりの空間になれば条件は満たされた。相手の方を向いたタイミングで手を取られると小さく笑みを浮かべる。同じ幸せを共有するこの時間をもう少し長く味わっていたい。人気のないルートを頭の中で思い描いてその通りに進んでいく。二人を影から見守ることによって今では当たり前になっていて、でも忘れたくはない想いをたくさん思い返すことが出来た。繋いだ手をゆらゆらと軽く揺らしながら「今日はペアマグでコーヒー飲んでゆっくりしねぇとな」と夢の国で買った二人のお揃いのことを口にして)
良いアイデアだ。あ、せっかくならばおやつにあのシュークリームを買って帰るのはどうだい?
(本来の帰り道から外れ細い道に入っても相手は何も言わない。二人きりになったタイミングで声を掛けると相手の口元には笑みが浮かぶ。どうやら同じことを考えていたらしい。すっかり慣れ親しんだ手の感触と温もりのはずだが初々しい2人を見たせいかどうも懐かしくそして愛おしく感じられて時折力を込めたりしながらも人気の無い道を進んでいく。今日は何かと今までのことを思い返すような一日だった。その一つ一つがあって今があるのだと幸せを感じていると手を揺らす相手から今夜の予定が告げられて声を弾ませながらそれに応える。あの夢の国で買ったマグカップも2人のお揃いに変わりはない。コーヒーを入れたペアマグを頭に思い浮かべるとせっかくならそのお供も欲しくなってきて、ふと思い付いたように無邪気な笑みを相手に向けるとすっかり馴染みとなった洋菓子屋のシュークリームをリクエストして)
(/お世話になっております!ひとまず一区切りつきましたのでお声がけさせていただきました! 高校生の恋愛相談から始まり好きな人を問われ恥ずかしがる所やデートの尾行、そして猫カフェで猫を戯れたりと平和な二人を満喫出来てとても楽しかったです。結ばれる前後のことに加えて要所要所にこれまでの思い出が出てきて長く探偵君と探偵様とやり取りをさせて貰ってるからこそ深みのある描写が出来て本当に良かったです。今回もありがとうございました!
恋愛相談としては一段落つきましたと思うのですが引き続き事務所や家に帰ってからのまったりした時間を過ごすか場面を新たに違う話をするか悩みましたので探偵様のご意見がお伺い出来たらなと思います。)
お、いいな。美味いコーヒーには美味いお供がいねぇとな
(人気のない二人だけの道を手を繋ぎ歩いて帰る。豪達は今日晴れて付き合うことになったわけだが、付き合った長さで言えば自分達は先輩だと言える。その長さ分数え切れない、しかしどれも大切な思い出を積み上げてきていて、傍から二人を見ることによって改めてその時々の幸せを思い出すことができた。そのひとつであるお揃いのマグカップの話を出せば相手からは思い出のシュークリームが出てきていい案だと同意する。自分の憧れだったシュークリームは相手との思い出になって気まずい空気を変えたこともある、今からは二人の大切な時間を彩るものになりそうだ。新たな思い出が加わる予感を胸に手を繋ぎ歩けば、やがて事務所へとたどり着いて)
(/こちらこそお世話になっております。今回は改めて互いへの想いを口にしてみたり、恋人としての二人の思い出を随所で振り返ったりと積み重ねた時間を感じることが出来るやり取りができてとても楽しく返信させていただきました。検索様のおっしゃる通り、検索くんと検索様と長くやり取りさせていただいているからこそのお話になったと思います。猫カフェでのゆったりしたデートも存分に癒されました。こちらこそありがとうございました!
こちらもそろそろ場面転換かと思いましたので、上の方は蹴っていただいても大丈夫です!この後ですが、穏やかなお話が続きましたのでピリッとシリアスなお話ができればと思っています。以前に検索様にあげていただいていた闇オークションに潜入する話か、前に出てきた末端組織のお話の続きでその組織が独自に開発したドライバーを使用されてどちらかが一時的にダ.ー.ク.ラ,イ.ダ.ー.になり、もう一方はロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バ.ー.で対抗する、みたいなお話も楽しそうかなと考えておりました!検索様のご希望等はいかがでしょうか?)
…何か収穫はあったかい?
(若い高校生の恋模様を見守った日の夜は非常に穏やかで懐かしくも幸せを噛み締めるような一時だった。その次の日改めて事務所を訪れた彼が彼女と付き合えた事を報告しに来てくれて締まりきらない顔で惚気の様なものを聞かされたのは記憶に新しい。そんな平和な日々を過ごしていたがこの街の風は気紛れでまあ新たな問題を運んできた。以前遭遇した盗撮犯の事件と高校での裏サイトを利用した改造メモリの使用事件。何れもインターネットの暗部を利用した犯罪であり関連した人物は皆何処かしらかで入手したメモリを持っていた。その件で警察の方でも捜査を続けていたようで最近新たに逮捕したメモリ使用者がサイト経由で参加したオークションでメモリを競り落としたという証言をしたという。そのサイトは既に削除されていたようだが経歴を見る限りつい最近まで存在していたらしい。その話を刃野刑事から聞けばこの街を守る探偵として捜査しない訳には行かない。殆ど情報はないに等しいがいつものように二手に分かれて手掛かりを探す事にした。関連ワードで検索していたが思うような結果は得られず、事務所スペースに戻ったところで丁度相手が聞き込みから帰ってくれば成果を尋ねて)
(/では場面転換といたしましょう。ダ.ー.ク.ラ.イ.ダ.ーになる案とても面白そうです!是非是非やってみたいのですがせっかくならロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バ.ーを入手→二人でいるなら使わないだろうと事務所で保管→相手を抑え込む為に初めて使用という流れの方が更に盛り上がるかなと思いますので入手イベントの様なものを挟んでからそのお話をするのはいかがでしょうか? そんな末端組織や裏で暗躍する人物の資金源を目撃するという意味でも先に闇オークションに潜入する話をやりたいです。それらしく上記で初回は回させて貰ったのですがこんな展開がやりたいみたいなのがありましたらお聞かせください!)
___あぁ、ひとつ気になる話があった。あいつらやり方をアナログにしたのかもしんねぇ
(二人の歩んだ道を振り返りながらコーヒーとシュークリームを堪能した翌日、事務所にやってきた豪の顔はこれでもかというほど嬉しそうで幸せそうで菜月ちゃんと仲良くするようエールを送ってまた送り出した。幸せな空気が流れていた事務所は奇妙な風によって一変する。ジンさんが仕入れてきてくれた改造メモリの出処、サイトは削除されていたが敵の尻尾は垣間見えた気がした。いつも通り相手は検索で、こちらは足を使って調査を進めると奇妙な話を耳にした。なんでもずっと引きこもりだった息子が突然部屋から出てきて『僕は絶対にあれを手に入れなきゃならない!』と母親の制止を振り切って外に出るようになり、それ以降も時折外出してはイライラした様子で帰ってきて部屋で何かが欲しいと叫んで暴れている、という話だ。息子が半狂乱で叫ぶ言葉の中に『メモリ』というワードが入っていたらしく、その息子がなんらかの形でド.ー.パ.ン.ト.メ.モ,リ.を手に入れようとしている可能性は高い。それが例のオークションサイトに繋がるかは分からないがどちらにせよ見逃せない話であるのは確かで)
(/うまくふたつのお話繋げていただいてありがとうございます!こちらもひとつの流れに出来ないかなと思っていたのですが、これは大いに盛り上がるお話に出来そうで今からとても楽しみです。今回のオークションでロ.ス.ト.ド.ラ.イ.バ.ーを入手する、という認識で大丈夫でしょうか?あとは闇オークションっぽく仮面を被って潜入するとかドライバーをうまく盗むか奪うか、ハラハラする展開ができればと思っています!)
…なるほど、今回の件に絡んでるかはさておきガ.イ.ア.メ.モ.リが関連している可能性は高いだろうね。その息子の外出先が何かの手掛かりになりそうだ。
(闇雲な状況ではその犯人のメモリが採算が取れないとの理由で早期に製造が打ち切られたマイナー品であることしか検索では分からなかったが相手は気になる話を拾ってきたようだ。その話はメモリの売買を匂わせるようなもので今もなお彼がその欲しい物を手に入れられてない辺り入手条件が限られている方法なのかもしれない。例のオークションサイトに関連しているかは分からないが探ってみる価値のある情報であり、息子の外出先を追えばその現場に辿り着くことが出来るだろう。だがもしそこがオークションが行われているような場所ならば組織の本拠地かそれに近しい場所であるのは間違いない。「問題はそうやってそこに潜入するかだ」と考えを巡らせながらも相手に視線を向けて)
(/そういう認識で間違いないです。メモリの力を最大限引き出せるみたいな触れ込みで出品されているのを見てダ.ブ.ル.ドラ.イバーと同じ技術であることを認識するだとか探偵君が以前おやっさんの持ち物として盗み見た物と同じだったとかで入手を決めるみたいな流れかなと思っております。良いですね、敵の拠点みたいな場所なので危機に巻き込まれながらも怪盗みたいな事が出来たら楽しそうです…!いつも通りお互い好きなことを取り入れながらもハラハラしたお話にしていきましょう。何もなければこちら蹴り可です)
こじつけかもしんねぇがずっとネットで行われてたオークションがリアルの開催になって引きこもりが外に出るようになった可能性はある。……手っ取り早いのはその息子をつけるのが一番だがもう少し情報が欲しいな……その息子周り検索して怪しい動きがねぇか探ってくれねぇか?
(憶測も憶測だが息子がオークションに入れ込んでいるのなら引きこもりが外へでる理由にもなるだろう。どちらにせよその彼がメモリに関わりがあるのは間違いがない。それならばオークションを追うのではなく一旦標的をその息子に移すべきだ。息子の動向を見張り後をつければ彼が何処へ行っているのかを知ることが出来るがその前にもう少し情報が欲しい。彼が引きこもりならば外界との連絡手段はネットワークを介したものだろう、となれば地.球.の.本.,棚でそれらを覗き見ることも簡単に出来るはずだ。彼がどこかへ行っているとしてそこへの潜入方法も彼の周りに眠っているかもしれない。相手の方を向けば視線がかち合う、まずは情報収集だと息子に関する事項の検索を頼んで)
分かった、彼を中心に再度調べてみよう。
(刃野刑事も一連の事件を受けサイバー犯罪の取締を強化していると言っていた。摘発を恐れてリアルでの開催になり、それに参加するために息子が外に出るようになったという相手の考察はある程度筋が通っているように思う。視線が合って彼に関する検索を頼まれると力強く頷き、名前や住所などを聞くとガレージに戻って検索を再開する。調べる対象が分かっていえば情報を得るのは容易い。彼自身とその周辺について調べたことをホワイトボードに書き込んでいく。彼の様子が変わったらしい数か月前からとあるサイトへのアクセスが急激に増えてきていること、そのサイトは連日のメモリ絡みのネット犯罪に使用されていた海外サーバーと同一なものであること、削除済の痕跡からメモリの隠語や会員ランク、完全匿名といった単語が見られたことから彼がメモリの暗部と関わりがあるには間違いないだろう。その間に通販で仮面のような物の購入履歴が一件、そして『傷・痣 簡単 隠し方』『タトゥー 見えない服』などといった検索履歴と何もないであろう裏路地の住所と行き方を調べていたという情報を得る事が出来た。あらかた書き終わると「この裏路地と何かを隠したがっている様子なのが気になるね」と自分の意見を述べて)
___どうやら俺の探偵の勘は当たってたみたいだな。こいつはオークションサイトにかなり夢中だった。そんな奴が何も無い裏路地に行くわけねぇ。きっとここでオークションを続けてんだ。仮面と傷を隠す服は完全匿名制だからだ。つまり、顔を隠してる奴でも入場を許されるってことだ
(相手に続いてガレージに降りれば検索が開始されて、次々と書き出されていく検索結果を眺める。手がかりの少ない状態ではなかなか結果を得られないものだが個人という特定のことを調べるのなら相手の検索能力が光る。検索結果をみれば彼がメモリを売買していたオークションサイトに没頭と言っていいほどはまりこんでいるのは明白で、芋づる式にオークションサイトの片鱗も垣間見えれば不敵に笑う。これで大きく前進だ。きっとオークションサイトがなくなってからの彼の行動には全て意味があるはずだ、半狂乱になるほどオークションに心奪われているなら全ての時間をそのために使うだろう。裏路地はきっとオークションの会場に違いない、仮面と服は完全匿名を守るためだろう。オークションで素性を知られないのはこちらとしても好都合だ、再び不敵な笑みを浮かべれば「俺達もその路地裏に行ってみるか」と潜入することを告げて)
ああ、更に情報を得るには実際に現地に踏み込むしかなさそうだ。 …ところで潜入にあたって身を隠す為の仮面だとか服はあるのかい?
(彼の周辺を探れば点と点は繋がり疑惑は確信へと変わる。おおよそは相手の推理通り、事前に知っていなければ通り過ぎてしまうような場所で完全匿名性のオークションを続けているのだろう。事前に推測した通りの結果に相手は不敵に笑っていて改めて感心するばかりだ。だがかなり筋が通っているとはいえ、あくまで今ある情報を繋ぎ合わせただけで決定的な証拠がある訳では無い。やはりその推理が正解か確かめ更に情報を得るには現地に行くしか無いだろう。相手の声かけに同意し方針は決まるが一つの問題が立ちはだかる。彼も仮面を用意して通っていたということは会場の者も似たように素性を隠しているのが予想される。自分達も何かと名前を知られているようだから潜入調査をするならば変装をした方がよいだろう。だが伊達眼鏡のような簡易的なものでは無く女装の時のような大変身でもないとなればその候補が頭に思い浮かばず、この事務所の主にアイデアを尋ねてみて)
おいおい忘れたのか?お前から言い出したのに。服はあとで考えるとして……俺達は二人で一人の仮.面.シ.ン.ガ.ーだろ?
(恐らく外部から得られる情報はここまでだ。あとはあの息子が出かける日に合わせて何も無いはずの路地裏に行きそこにあるものを確かめるしかない。敵の懐に飛び込むようなものだが虎穴入らずんば虎子を得ず、真相を得るためには潜入するしかない。それにもしそこがオークション会場だったならば周囲の視線はオークションに集中しており互いの素性も分からない。こそこそと調べ回るには絶好の環境だ。ターゲットに近づいていく感覚に高揚していると相手から潜入の際の服装を問われ、肩を竦めてわざと呆れたような声を出した。服装はいつもと違うテイストのものを着るとして例の息子のように顔を隠すことは必要そうだ。それにピッタリのものがもうこの事務所にある。依頼人からもらったあれやこれやが積み上げられた場所へ足を向けて奥から目当てのものを引っ張り出してくると、相手の元に戻ってそれを差し出す。手にしていたのは黄色と青色の布地が貼られた仮面だ。いつか飛び入りで参加したオーディション番組で相手がどこからか用意したこれが再び日の目を見ることになりそうだ。「顔を隠すのにピッタリだろ」と黄色の方を差し出して)
…、そう言えばこの状況にピッタリなものが既にあったね 。こうすれば、仮.面.シ.ン.ガ.ーの再結成だ。
(潜入の際の服装について問えば肩を竦めて呆れたような反応が返ってきて思わず目を瞬かせる。思い当たる節がなく首を傾げていたが相手の後ろをついて行き物置のような場所から見覚えのある仮面が出てくると「あ、」と短く声が漏れる。いつしか同じように素性を隠してオーディション番組に出演する為に使ったものだ。再びお目にかかることとなった仮面に口元が緩むと相手から黄色の方を受け取って早速目元に装着する。目元が覆われ少しだけ視界の狭まる感じが懐かしくこれが潜入の格好だと思えば気分も上がって得意げな顔で特別な二人で一人の姿を宣言して)
あぁ、これで仮面の方は問題ねぇだろ?どうせなら服は爆弾魔事件の時の一張羅でいくか?……にしても、なん であいつはわざわざ傷やタトゥーを隠す服ってのを調べてたんだろうな
(二つの仮面を見せれば相手は以前これが活躍した時のことを思い出したようだ。早速目元に仮面をつければ懐かしいシンガーが戻ってくる。あの時は相手に言われるまま慌ただしくこれを着けたが、まさか再び日の目見ることになるとは。こちらも仮面を目元に宛てがう、少々視界は狭くなるが動き回るのには問題ないだろう。あとは二人の服装を変えれば正体を隠すことができそうだ。流石に相手の奇抜な格好のままでは目立ちすぎる。それっぽい要人を装うなら唯一持っている高級服を持ち出すのもありだろうかと考えた所で、相手の検索結果を思い出す。なぜあの息子はわざわざ傷やタトゥーを隠すやり方や服を探していたのだろうか。そこになんらかの意味があるならば服装にも指定があるのかもしれないと頭をひねり)
そうだね。わざわざオークションを開くぐらいだ、多額の金が動く場所に似合う服装の方が紛れやすい。 傷やタトゥー…もしかして生.体.コ.ネ.ク.タを隠すため? 参加者がメモリを買い求めるなら事前準備としてコ.ネ.ク.タ.手術を受けていてもおかしくない。まだメモリを一度も刺したことがなければコネクタは不安定で身体に現れたままのケースも多かったはずだ、
(相手も目元を青色の仮面をつければ二人で一人の完成だ。続いて服の候補もあげられると問題ないと頷く。裏サイトから続くオークションなら巨額な金で取引されてもおかしくない。この仮面との相性は置いておくとしてそれらしい身なりを揃えた方が自然だろう。大体の服装が決まったところで相手がふと疑問を呟く。身分を隠すなら仮面とそれらしい服装で良いはずだ。何か個人を特定出来るような傷やタトゥーがあるという情報は無かったはず、顎に手を添えその意味を考えた所でメモリだからこその跡が頭に浮かんではっとした顔をしてその単語を口にする。本来購入と共に施術するものだがオークションでメモリを落とすつもりなら事前にコ.ネ.ク.タを準備している可能性もあるだろう。安定しない間はコネクタが浮かびあがったままのことも多く、周りから見ればメモリ所持者であると疑われても仕方ない。そんな危険を犯してまで事前にコネクタをつける意味を考えると「そのコネクタがオークション会場に入るための紹介状なのかもしれない」と考察を述べてみて)
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