相乗りで何処までも 【 〆 】

相乗りで何処までも 【 〆 】

検索  2022-07-09 20:46:55 
通報



唯一無二の相棒へ。




コメントを投稿する

  • No.2981 by 探偵  2023-08-06 12:40:06 


な、……はぁ?可愛らしいってこれがか?どこが可愛いんだよ
(鍵のかかっていない部屋へ一歩入ればそこはさらに異様な空間だった。ズラリと並べられた赤い目、正面に掲げられた大きな絵画もまるでこちらを監視するように、あるいは味を見定めるようにギョロりとこちらへ視線を向けている。いるだけでも神経がすり減りそうな場所だが相手とメアリーは涼しい顔で部屋を進んでいて一番年上の自分が物怖じするのも情けなく口を真一文字に結びながら中を調べる。そんな自分を置き去りにしてメアリーは人形をひとつ持って相手へと駆け寄り手の中のものを見せている。歳の近い二人が仲睦まじく話す様にチクリと胸が痛むのに気づかないフリをしていた。そうやって感情を抑えていたせいか、相手に話を振られるとついキツイ口調で返事をしてしまった。近場にあった緑の人形を指さしつつ、ありえないと顔に浮かべながら返事をすれば『翔太郎には分かんないんだー可愛いのにね』とメアリーに言われてしまいまた口を噤む。相手の感性は独特ではあるが、今はメアリーによって二人の違いをさらに強調され二体一の構図に断絶された気分だ。そして、そのタイミングで悪口を聞きつけたぞと言わんばかりに指さしていた緑色の人形が床へと落ちて粉々に砕け散った。思わず身を固めるもここでビビっていては美術品の思うツボだろうとグッと声を出すのを堪える。軽く息を吐いて砕けた人形の方をみれば中から鍵が飛び出ていてそれを拾い上げると「これが反対側の鍵だな。とっととこの気味の悪い部屋から出ようぜ」とぶっきらぼうに言い)

  • No.2982 by 検索  2023-08-06 15:07:34 

確かに君の趣味では無いだろうけど、そこまで言う程かい? …まあ、分かったよ。 …? 何か音が…っ!
(相手も凡そ同じ反応が返って来ると思ったのだがキツイ言われ方をしてしまって思わず目を見開く。ウサギというのは一般的に見ても可愛らしいと分類される生物のはずだ。この真っ赤な目は確かに怖いと思う人も居るだろうが現に彼女も可愛いと言ってるのだから自分だけ感性がズレているという事は無いだろう。そうなれば相手のハードボイルド論に反する故の反発なのかと考えるがこんな時までこだわりを見せる相手に少し怪訝な目線を向ける。そうしていると相手が指さしていたウサギの置物が床に落ちて粉々に砕け散った。砕けた音に一瞬身を固めるも中から鍵が出てきた。乱雑に鍵拾いあげぶっきらぼうな言い方をする相手にらしくない物を感じていると『翔太郎へんなの』と彼女が呟く。若干ピリッとした空気を感じながらも部屋を後にして分かれ道へと戻ってくる。早速鍵のかかった扉に向かおうとすると唯一飾ってあった絵画から変な音が聞こえて来て表面が蠢く。それは段々とこちらに近付いてきて思わず足を止めて何が起こるか注意深く警戒する。だが異変が起きたのは自分の背後で床から木のようなものが突然生えてきた。今度は自分の足元で何かが這い上がっている動きを感じて戸惑っていると『フィリップ、危ない!』と彼女に腕を思いっきり引っ張られて間一髪で避ける。思わず尻餅をついてしまうが硬そうな植物を介して相手と分裂させられると「翔太郎、大丈夫かい?」と焦ったように植物の隙間から様子を伺って)

  • No.2983 by 探偵  2023-08-06 18:39:58 


なんだこの音……、!……あぁ俺は無事だ。お前とメアリーも大丈夫そうか?
(こちらがキツイ言い方をしてしまった自覚はあって相手から怪訝そうな顔を向けられればバツが悪く目をそらす。メアリーの呟きも聞こえれば自分が招いた事ではあるが部屋の中には鋭い空気が流れてしまった。この不気味な空間に陰鬱な空気は胸の不安に拍車をかけそうで、早くこの空気を払拭しようと足早に部屋をでていく。あの部屋で美術品が動き出さなかったのは幸いだった。部屋を出た勢いそのままで廊下の反対側にある鍵穴のあった扉へ行こうとするが茶色一色の絵画が蠢き始め相手と共に足を止めた。直後すぐ側の床から木が生えてくる、これに巻き込まれてはひとたまりもないだろう。咄嗟に相手とメアリーとに手を伸ばしこちらへ引き寄せようとするが、その前にメアリーが相手の手を引いて奥側へと逃げていき、自分一人が後ろへ飛び退く形で木を回避した。慌てて地面から飛び出した木へと駆け寄り手をかけどかそうとしながら相手へと近づこうとする。しかし這い出てきた木は石のように固く動かすこともできなければライターで燃やすことも出来なさそうだ。木の隙間から伺いみるに二人とも無事ではあるようだが思わぬ形で分断されてしまえば「くそっ!」と声をあげ木を叩く。しかし固いそれはビクともしなかった。何かこれを削れそうなものを探そうかと思考を巡らせた時に『私とフィリップが向こうの部屋で何かないか探してくる!』とメアリーから声がかかる。正直この訳の分からない空間で別行動を取るのは得策ではないし、メアリーが相手へ『いいよねフィリップ?』と声を掛けているのをみれば相手とメアリーとが近づいていくのにどこか胸がザワついている。しかしそんなこちらの事情だけでこの場から動かない選択をするほど幼稚でもなく「分かった」と一言返せば木々の間へ手をいれ持っていた鍵を相手の方へと差し出し、不安を殺した目で相手をまっすぐ見つめながら「気をつけろよ」と鍵を託そうとして)

  • No.2984 by 検索  2023-08-06 21:18:35 

こちらも問題は無いけど…この木を何とかしないと。…そうだね、立ち尽くすよりこれを何とかする手段を探すのが利口だ。 直ぐに戻るから待っててくれ、__ 役に立ちそうな物は無いみたいだし一度翔太郎の所に戻ろうか…え。さっきまでそこに居なかったはずなのに
(二人を遮る木に触れてみるが石や陶器のような硬い素材で出来ているようでびくともしない。幸い怪我はないがこの不気味な美術館で分断されてしまうのは不安が募る。相手と合流する為にもこの木を何とかしないといけないがその方法は浮かばない。そんな中彼女が一つの案を出せばそちらを向く。確かに鍵は手にいれたのだ、この先に状況を打破する道具や手段があるかもしれない。少なくともこのままで居るより可能性はあるだろう。彼女の意見に賛同すれば木の隙間から差し出された鍵を一度掌ごと包み込んでから受け取る。目を合わせて直ぐに帰ってくることを告げると『フィリップほら、早く行こう』と腕を引っ張られ、渡してもらった鍵を使って扉を開く。たどり着いたのは倉庫のような場所だ。画材などがダンボールで積んであるがハンマーのような役に立つ物は見当たらない。彼女はバレットナイフに興味を持ったみたいだがそれではあの木は削れないだろう。めぼしい物がなければ再度相手の元に戻って作戦会議でもしようと彼女に声をかけるがいつの間にか出口を複数の無個性が塞いでいて目を見開く。慌てて駆け寄って彼女と共に押したり引っ張ったりするが動く気配がない。合流出来ないどころか先程の場所に戻れなくなるなんて。焦りが募っていると『仕方ないからこっちに行ってみようよ』と彼女がもう1つの扉を指差す。こちらに行けば進めるだろうが相手の元に直ぐに戻ると約束したばかりだ。悩んでいると『戻れないから仕方ないじゃん、こっちになにか役立つものがあるかもしれないし』と催促されて勢いに押されるままもう1つの扉から出て階段を昇っていき)

  • No.2985 by 探偵  2023-08-06 21:58:24 


頼んだぜ。____遅いな…なんかトラブルにでも巻き込まれてんのか?
(差し出した手に相手の手が伸びてくる。鍵を受け取ると同時にこちらの手を包み込むように握られればそれだけで不安は消し飛ぶようだった。こちらからも強く握り返して鍵を受け渡す。今はあの温もりを失う恐怖よりもあの温もりを絶対に守り抜く覚悟を決めなければ。相手がメアリーに手を引かれて行くのを黙って見つめて送り出せば静かにその場で待っていた。しかし一度開かれた扉が再び開かれることはなく長い時間が過ぎていく。進むしかない状況ではあるが戦闘手段のない状態で相手を女の子と二人きりにさせるのはかなり不安が残ってい。試しにドライバーを装着し意識を繋げてみようとしたが本来腰につければベルトが装着されるはずなのにそれすらなく、いつもの手が使えないことにまたため息をついた。待っているとは言ったものの二人が帰ってくる気配はない。じっとしているのも性分ではないがこの辺りで調べられるのはあの部屋しかなかった。気は進まないが軽く息を吐いて気合いをいれ、再び赤い目が並ぶ部屋へと帰ってくる。目はギョロリと赤く髪はボサボサで肉を食いちぎらんとする鋭い歯をした人形がズラリと並ぶこの部屋はとても居心地が良いとは言えない。当然この人形が可愛いとも思えず「やっぱこの部屋は好きになれねぇな」と一人ボヤく。シンと静まる部屋をもう一度丁寧に調べ直してやがて相手が調べていた本棚へとたどり着いた。そこで相手が手にしていた本、『心壊』を手にして軽く目を通す。精神の疲弊と幻覚、その内容に軽く嫌な予感がチラつくが頭を振ってそれを振り払った。それと同時に本棚に動かされた跡があるのに気がついて本棚を力づくで動かしてみれば後ろに隠し通路を見つける。新たな通路への期待とこの部屋を抜けられる安堵感を胸にニヤリと笑うと隠し通路へと入っていって)

  • No.2986 by 検索  2023-08-06 23:12:56 

この部屋も広いようだね。…何処かの扉が抜け道か何かに繋がっていると良いけど _ 二人だけ?…どうにかして全員が帰れる方法を探すけど無理ならばひとまず君と翔太郎を帰すかな。それからどうにか迎えに来て貰うよ
(促されるままたどり着いたのはまた広い空間だ。絵画の他に扉も幾つかあるのを見れば希望的観測を口にする。これまで異常なことばかりだったのだ、突然相手のいる場所に通じる抜け道があっても可笑しくない。部屋全体が謎解きのような仕組みが施されていてヒントなどを元に仕掛けを解いていく。何か手掛かりが無いかと陶器で出来たマネキンの頭のような物を手にして試しに1つ割ってみると『あのね、もしこの美術館から二人しか出られないとしたらフィリップはどうする?』と唐突に彼女に問われる。まさかの議題に驚いて口元に手をやりながら考え込むも思っている事をそのまま答える。巻き込まれた一般人と可能性の高い相手を返して内と外から帰還する道を探すのが利口だろう。すると『駄目だよ、ひとりぼっちは寂しいんだよ。フィリップは私と一緒に出よう、ね?』と何処か必死めいた表情で迫られる。何処か恐怖を感じるような気迫に曖昧な返事をしては部屋を後にして謎解きを進めていて)

  • No.2987 by 探偵  2023-08-07 07:43:22 


……悪いなお嬢ちゃん、俺は遊んでる暇はねぇんだ
(隠し扉を抜ければそこは細長い廊下で、歩き始めるとすぐにあの人形が床に落ちている。傍には『翔太郎わたしを連れて行って!』と書き添えられていたがそれを無視して先へ進んだ。しかし人形はまるで先回りするように定期的に床に座り歩いてくるこちらを待っていて、『遊ぼうよ』『なんで無視するの?』『たくさんのお友達紹介するね』と必ずなにか添え書きがしてあった。横目にみつつも終始無視を決め込めば、最後にはこの廊下の先にある唯一の扉の前に人形が置いてあり『えいえんにここにいろ』と脅しのような言葉が書かれていた。相手と離れ離れになっている状況やずっとついてくるこの人形につい苛立ちを募らせてしまうが、そこをぐっと飲み込み努めてハードボイルドらしく人形に話しかけながらそれを持ち上げ扉の脇におき中へと入る。中はそこそこ広い部屋でざっと見て回っると順番に謎解きをする必要があった。道中紐を引っ張って上からタライが落ちてきたり壁から手が生えてきたり毒ガスを吸う羽目になったりと散々で、紫の薔薇の花びらは一気に半分程に減ってしまったがなんとか先へと進むことは出来ていた。その途中で本棚の並べられた部屋へとたどり着く。絵画の名前を答えなければならない場所がありそれを調べるのにうってつけの場所だろう。本棚の中から作品集を見つければ手当たり次第に読み始める。順にページを捲っていたがとあるページで手が止まった。思わず絶句してしまい冷や汗が一気に噴き出る。ページいっぱいに描かれていたのは金髪の女の子、作品名はメアリー。つまり今相手と一緒にいるのはこの美術館に迷いこんだ人間ではなくこちらを襲い来る美術品だ。「あいつも絵画だったのかよ。フィリップ…!」と呟くと共に本を閉じるが、目の前にある大きな絵画が静かにこちらの様子に聞き耳を立てていて)

  • No.2988 by 検索  2023-08-07 11:01:10 

…メアリー?何かあったのかい?
(少し引っかかりはあるもののこの場を何とかしなければならないのは変わらない。作品の名前を入力する仕掛けなどを解いたりして一旦広い部屋に戻ってくると釣り人の絵画が傘を釣り上げていた。階段を登ってきたのを踏まえここが二階だと仮定すると釣り針があるだろう一階にいるのは相手だ。根拠は全くないが不思議と相手によるものだと思えては少し口元が緩んで傘を回収した。その傘を立ち尽くす女性の絵に差し出せば室内なのに突如雨が降り出したりと異様な現象ばかり起きるが少しずつそんな空間にも慣れてきた自分がいる。その変化一つ一つに無邪気に反応する彼女は微笑ましくこの状況ではちょっとした癒しだ。手に入れた鍵を使い下に降りていくがその扉の前はまたもや無個性が邪魔をしていて通れない。仕方なく元の部屋に戻ると今まで一緒についてきた彼女が突如一直線に歩き出して慌ててそれを追いかける。そして『告げ口』の絵画の前で立ち止まると顔を伏せてしまった。心配になって名前を呼びながら顔を覗き込もうとするが俯いているせいか影になっていてその表情は読めない。もう一度優しく名前を呼べばその肩は震え、強く手首を掴まれる。思った以上の力強さとひんやりとした体温にぞっとしていると『私とフィリップは友達だよね…?』と俯いたまま縋るように問われ「あ、ああ…」と歯切れの悪い返事を返していて)

  • No.2989 by 探偵  2023-08-07 12:36:33 


……またお前か
(本を本棚にねじ込むようにしまう、美術品がなぜ薔薇を狙うのか分からないが相手の薔薇が取られればきっとよくない事がおこる。しかしメアリーが人間のふりをして近づいたとしてすぐに襲わなかった理由に検討はつかない。もしかすればあの扉を通り二人きりになった瞬間、もう既に薔薇が奪われているかもしれないと嫌な思考がよぎって頭を振った。謎解きの最中に自分が関与していないものが変化していることが度々あった。確証はないがきっと相手の行動によってこちらのいるエリアにも変化が起こっている。とすれば相手は無事なはずだ。再びあの手を握る事ができると自身に言い聞かせて部屋を出る。絵画の名前を答える場所へと戻ってくれば何故か話しかけてくるその絵に向かってそれ自身の名前を伝えた。そうすれば遠くの方でカチャリと錠が外れる音がする。この部屋で開いていない扉はあと二つ、そのうちのひとつへと進んだ。しかし鍵が開いたであろう扉の前には再びあの赤目の人形が座っていて傍には『さっきイイものひろったよ わたしのたからものにするの!』と書き添えられている。ため息と共に呟いたあとに人形を無視して中へと入る。だが扉を閉めた瞬間に足が止まった。部屋中にはあの赤目の不気味な人形がズラリと並んでいて、全員がこちらをギョロリとした目で見つめている。思わず息を飲むが動き出す気配はなくそのまま部屋の探索を開始した。しかし最後の扉を開く鍵は見つからない。一度出直そうかと扉に戻ろうとした所でそこに文字が現れた。『たからさがししようよ 誰がカギをもってるかな?』と震えた文字で記されている。それを読み終えた瞬間に不気味な程低い鐘の音が鳴り響いた。慌てて振り返れば真正面に見える何も描かれていなかったはずの絵画に巨大な手が見える。額縁に手をかけているのを見るにあの絵画から出てこようとしているのだろう。弾けるように動き出すと手近にあった人形を手に取る。外から触ったのでは中に鍵があるか分からない、仕方がなく人形の頭を思いっきり引きちぎり中身を確認する。しかしこれはハズレだ。すぐ近くにある人形にまた手を伸ばして頭をちぎるが中にはなにもない。鐘の音はどんどん低くなり見ないようにしているが視界の端では絵画から化け物がゆっくりと姿を現している。だがここで自分が倒れてしまえば相手にたどり着くことは決してない「くそっ!」と気合いを入れるように叫べば次々と人形の首をちぎっていって)

  • No.2990 by 検索  2023-08-07 18:50:17 

…、何処かが開いたみたいだね。扉の先に進めば出口が近いのかもしれない。一緒に元の世界に帰ろう、メアリー
(彼女に手を掴まれたまま沈黙が続く。相手とは違って人の感情の機微には疎い。だから彼女が何を考えてるのか分からないが強く掴まれた手だけが何かを訴えているようであった。そんな中何処かからカチッと音が響いた。こちらは何もしていないのなら相手が仕掛けを解いてくれたのだろう。それを契機に彼女に声をかける。先程の問いかけを踏まえても彼女は1人になることを寂しいとおもっているのかもしれない。こんな時相手ならどう声を掛けるか。そう考えると答えは直ぐに出て彼女の手を上から重ねて包み込むと優しく語り出す。すると彼女はゆっくりと顔を上げて『…本当?』と問われる。それに頷くと漸く強ばっていた彼女の表情が緩んで少し安心する。改めて共にこの美術館を脱出する約束をすれば解除された扉を探す。新たに解除された先には浮いたパレットと虹が描かれていてその先に鍵があった。残る出口は無個性がいた所と茶色の扉だけだ。鍵を使って茶色の扉を開ければ下へと続く階段が続いていた。下に降りれるのならばもしかしたら相手がいるのかもしれない。思わずそんな期待が高まると階段を駆け下りる。降りた先には上の空間と似たような空間が広がっていて相手がいるかもしれないと辺りを探索始めて)

  • No.2991 by 探偵  2023-08-07 19:53:31 


あった!!
(傍から見れば猟奇的な行動だろうが今はただひたすら人形の頭をちぎっては中身を確認するのを繰り返す。鐘の音は低くなりいよいよ絵画の中の怪物が額縁から抜け出さんと身を乗り出した時、頭を引きちぎった人形の中に鍵を見つける。思わず叫び声を上げればすぐさま立ち上がり扉へと駆け寄って閉ざされた扉の鍵を開けた。勢いよく飛び出し今はとにかくあの部屋から逃げなければとがむしゃらに走った。息をするのを忘れて走っていれば何かにぶつかり足が止まる。それは『待ってよフィリップ!』と相手を追いかけていたメアリーだった。ようやく相手の無事な姿を確認できれば「フィリップ!」と無意識に声をあげていた。こちらはよろめく程度ですんだがメアリーは後ろへ軽く飛んでしまって、同時にその場に黄色の薔薇を落としてしまう。それに目線を移せばその正体に息を飲む。拾おうと手を伸ばせば『私の薔薇に触らないで!』とこれまでに無い鋭さを持ったメアリーの怒号が飛んできた。一瞬動きを止めるも構わず拾おうとすれば『触らないでって言ってるでしょ!』とさらに鋭い声が飛んできてメアリーはパレットナイフを構えてこちらに襲いかかってきた。咄嗟に彼女の腕を掴んで動きを止める。彼女は見た目以上に力は強いが押し切れない程では無い。しかしその正体を知っていてもなお、その姿が女の子だからという理由で全力を出し切れず取っ組みあったまま硬直していて)

  • No.2992 by 検索  2023-08-08 11:01:29 

翔太郎! これは…造花?っ、メアリーこれはどういう事だい?
(声が聞こえそちらを向くと探していた相手の姿があって思わず声をあげる。合流出来たことに安堵はするも相手がぶつかってしまった彼女は後ろに飛んで薔薇を落としたのを見れば心配して近づこうとする。相手が薔薇に手を近づけようとした途端、鋭さを持った彼女の怒号が聞こえてきてその異変にこちらも動きが止まる。幾ら命の代わりとはいえ声を張り上げるほど他者に触られたくない物だろうかと思いながら黄色の薔薇に目を向けると違和感に気づく。とても美しい薔薇ではあるが自分たちの薔薇のような生命力は感じられずあまりにも綺麗過ぎる。まるで人工物のようだと感じたままを口にすれば彼女の肩が小さく跳ねた。彼女の声を無視して相手がそれを拾おうとすると先ほど興味深そうに見ていたパレットナイフで襲い掛かるのを見て目を見開く。咄嗟に相手も彼女の腕を掴んでそれを止めるも目の前の出来事に上手く頭がついていけていない。同じく美術館に迷い込んだ人物ではなかったのか。ひとまずこの状況を何とかするのが先だと考えれば自らも彼女の腕を掴んでその真意を問う。それを疑いの目だと感じたのかその目が動揺に揺れて唇が?みしめられる。『離して!!』と一段激しく叫び彼女が二人を振りほどこうと抵抗をはじめ、少女の物とは思えない力強さに思わず手を離してしまう。拘束から逃れた彼女だったがその反動で勢いよく床に倒れてしまいそれからぴくりとも動かなくなってしまった。「…メアリー?」と彼女のそばにしゃがみこんで身体を揺らし起こそうとして)

  • No.2993 by 探偵  2023-08-08 12:38:11 


あぶなっ………フィリップ。こいつも、メアリーも美術品だ。作品集の中にメアリーの肖像画があった。作者の最後の作品だったらしい。……俺達と一緒に迷い込んじまったのかと思ったけど、メアリーも他の美術品と同じで俺達の薔薇を狙ってたんだな
(メアリーと取っ組みあっていると相手から質問か投げられて彼女はさらに動揺の色を見せて腕に籠る力はこちらが押さえきれないほどになる。力任せに腕を振りほどかれてしまいなんとかパレットナイフは避けることが出来たが彼女は勢い余って床へと倒れてしまった。心配そうに相手が側へと寄るのをみれば、床に落ちた黄色の薔薇を拾って隣へとしゃがみこみ相手へとそれを改めて見せる。手の中にあるのは相手の指摘通り造花だ。そしてひとりで彷徨うなかでみつけた真実を相手へと伝える。他の美術品とは違いまるで人間のように振舞っていたが彼女もまた美術品のひとつで、その証拠がこの造花といったところだろう。説明をしながらざっと相手の様子を窺う。目立った外傷はなさそうで苦しんでいないところをみるに緑色の薔薇も無事だろうか。相手の腰に手を回せばようやく失うかもしれないと考えが過ぎったものの温かさを感じることができて震えそうになるのを堪えながら息を吐く。なにせ相手は命を狙っている存在とずっと一緒にいたのだ「怪我してねぇか?」と確認するように相手に問いかけて)

  • No.2994 by 検索  2023-08-08 16:59:36 

メアリーも作品…、確かにそう言われると合点がいく場面が幾つかある。だけど薔薇を狙っているようには…。僕の方は何ともないよ、君の方が随分と花弁が散ってしまっている
(ゆすってみても彼女は糸が切れた人形のように動かない。隣に相手もしゃがむと黄色の薔薇を見せながらこのエリアで見つけたであろう真実が明かされる。人間にしか見えない立ち振る舞いをしていた彼女が美術品だったことに驚きはするが一方で他の作品を怖がる素振りを見せなかったり彼女の都合よく物事が進んでいたりしたことを考えれば納得がいく。素直にその事実は受け止めるも薔薇を狙っていたという点には疑問が残る。ただ薔薇を散らすのが目的なら二人で謎を解いている間いくらでも機会があったはずだ。だが実際はそんなことはなく寧ろ共にいることや美術館の外に出る事を望んでいたように見えた。その事を伝えようとするがその前に相手から手が回されると心配や不安だったのが伝わってきて口を閉ざす。床に座りこちらからも腕を回して緩く抱き着きながら無事だと伝えると相手の胸ポケットの薔薇が別れた時よりも散ってしまっているのに気付く。一人でいる時に花弁が散るようなことがあったのだと思えば胸が痛むと共に眉尻が下がって恐る恐る残った薔薇に触れる。もしかしたら全て散っていたのかもしれないと思えば触れる体温がより大切な物に思えて「でも無事でよかった」と呟くと共に少し腕に力を込めて)

  • No.2995 by 探偵  2023-08-08 18:52:32 


それなら余計メアリーの目的が気になんな……これくらい何ともねぇよ。ちゃんともう一回会えて良かった
(こちらが知り得た情報を相手に伝えれば粗方は納得していたようだが、薔薇を狙っていたという点については疑問が残るようだ。こちらもそこは疑問が残る所で薔薇を単純に奪うだけなら相手と二人きりの間にいくらでもチャンスはあったはずだ。それなのに相手の薔薇は別れる前と変わらぬ形をしていて手を出された気配はない。彼女が絵画である以上こちらに近づいたのには何らかの意図があるはずだ。傍で倒れたままのメアリーにもう動かないでくれと願っていれば、相手の腕が回されて二人の距離がさらに近づく。全身で相手の確かな温もりを感じれば今度はゆっくりと深呼吸をして、こちらからも背中へ手を回して緩く抱きしめる。相手の指が花びらに触れれば何処か擽ったい感覚がして、絵画にむしられた時とは違う心地よい感覚に小さく笑みを浮かべる。ここでは薔薇として生命が可視化されより生死を意識するせいかこうやって再び会えた事がより一層嬉しくて心底安心を覚える。だがまだ終わったわけではない。この不気味な美術館から抜け出し、風の街へ、馴染みが待つ事務所へ、二人の家へ、帰るまで安心は出来ない。抱きしめる腕の力を強めると「よし、とっととこの美術館から抜け出してやろうぜ」と目を合わせ互いを鼓舞するように力強く言って)

  • No.2996 by 検索  2023-08-08 20:42:34 

戻ってくると約束したからね。…ああ、この世界のメアリーが美術館の外に出ようとしていたという事は何処かに出口があるはずだ。…行こう。
(彼女の目的には謎が残るが結果的には何も被害は無かった。相手からも背中に腕が回されるとより距離が近付き全身で温もりを感じることが出来て安堵の息を吐いた。相手からも似たような言葉を告げられると別れる時に約束した言葉を持ち出しては小さく笑い声を零す。だが全てが解決した訳ではない。美術品である彼女が美術館の外を目指していたということはその出口が存在することを意味している。相手の鼓舞をそんな理屈で補強すればこの不気味な美術館にも希望が見えてきてゆっくりと腕を解いていく。彼女はやはり動かない。それが美術品の証拠のように思えたが先程まで一緒に行動して共に居たいと言ってくれた彼女をこのまま放っておくのは躊躇われてせめてもの思いで黄色の薔薇を手に握らせた。偽物でも彼女にとっては大切な物のはずだ。このまま動かないようにと願いながら立ち上がると相手に声を掛けて次の場所に続いているであろう扉に向かう。唯一開かなかった場所、即ち無個性の像が複数体で入口を塞いでいる扉の前にたどり着き「二人で力を合わせたら動かせそうだ」と提案すると押す準備をして)

  • No.2997 by 探偵  2023-08-08 21:49:14 


なるほど、さすが俺の相棒だな。___よし、任せとけ。せーのっ
(出口を探そうと言ったものの正直そのあてはなかったが、絵空事の希望は相手の理論によってより強固なものとなる。メアリーの目的はこの絵画が蔓延る世界からの脱出だ、となれば必ず出口があるはずという相手の理論は間違いないだろう。宛のない道ではないことにさらに希望は膨らんで、風.都の探偵の笑みを浮かべれば腕を解き立ち上がった。相手はメアリーに黄色い薔薇を持たせている、離れている間の事は分からないが情が湧くくらいには良い時間を過ごしたのだと分かる。やはり彼女が相手の命を狙っていたとは考えにくい。謎が深まる中相手に誘導され唯一閉ざされていた道へと向かう。無個性が並んでいて襲われるかと一瞬身構えたがこれは動かないタイプのものらしい。相手が無個性に手を添えたのを見れば同じ個体に手を添え、息を揃えて力の限り像を押す。そうすれば鈍い音と共に無個性は動いて下へと続く階段への通路が出来る。脱出するはずが下へ下へと移動していることには目をつぶって階段を降りていけば、階段を降りきったところで雰囲気はガラッと変わってしまった。まるで無限に広がっているように見える空間に子供がクレヨンで書いたようなピンク色の道が四方に伸びていて、その先にあるのもクレヨンで書いたような歪な建物ばかりだ。また毛色の違う異様な空間に「なんだこれ…」と呟くしかなくて)

  • No.2998 by 検索  2023-08-09 00:20:27 

今までも色々と不可解な現象に巻き込まれたけど一段と不思議な空間だ。これも作品ということだろうか
(自分と彼女だけでは動かせなかった像も相手の力を借りて息を合わせるとゆっくりとズレすことが出来て道が開く。そこから続く階段を降りていくと正に異様とも呼べる景色が広がっていた。何処までも広がっているように見える空間に手描きの線のような形で道が敷かれていてその外へは何故か出れない。更に先に進んでいくと一本道だった道が四方に広がりクレヨンで書かれた歪な建物が現れる。ひとまず辺りを警戒しながら進めばクレヨンで描かれた湖や家、木々や蝶のような生物までいて一つの街のようでもある。今までも変な現象ばかりだったが空間ごと異様なのは初めてで興味深く辺りを見ながら進んでいく。その道中自分と似た格好の人形らしきものが吊るされているのを見れば多少気分は悪くなるも見ないふりをしておく。ぐるりと一周し中央あたりにやってくれば家の壁に『もものかぎは かならずおもちゃばこにしまうこと』という文字を見つける。これまでの過程を考えればその桃の鍵は次に進むのに必要になってくるだろう。「ひとまず桃の鍵があるというおもちゃ箱を探せば良さそうだね」と次なる方針を提案して)

(/この辺りの謎解き割と難解だったような気がするのでサクサクッとやりたい所だけ纏めて描写して貰っても大丈夫です…!返信不要です)

  • No.2999 by 探偵  2023-08-09 07:52:11 


作品っつーよりはラクガキみたいだな……今まで散々いやがった無個性も女性の絵画もねぇし、また違う世界みたいだ
(異様な美術館の雰囲気にもようやく慣れてきた所だったが、これまで以上に奇妙な空間に周囲を注意深く観察しながら進む。今度こそ離れるわけにはいかず、相手の手を取りしっかりと握ったままクレヨンの道を歩いた。相手が何も無い空間に向かって眉をひそめているのに不思議そうな顔をしつつ空間の中央辺りにやってくれば、子供の字でメモらしきものをみつけ桃の鍵を探そうと頷き返す。クレヨンのチューリップに水をやったり、クレヨンの太陽の光を浴びて温かさを感じたりと相変わらず奇妙な体験続きだが、途中に寄ったクレヨンの美術館に入れば壁いっぱいに相手と自分と赤い目の人形とそしてメアリーが拙いながらも描かれていて目を瞬かせる。自分の顔は仏頂面だが相手とメアリーは笑顔を浮かべていて、この状況を望む人物のことを思えば「ここはメアリーが描いた世界なのかもな」とひとり呟いていた。歩みを進め各地に隠された記号を集めた後、それらを使って仕掛けをとけば何処かの鍵が開く音が聞こえる。閉ざされた扉は残り二つ、桃の扉は桃の鍵で開くであろう事を考えれば行先は中央の建物だ。連れ立って歩いていけば予想通り閉ざされていた扉が開き中に入る。室内はやはりクレヨンで描かれた歪な空間で、部屋の奥にポツンと青色の箱が置かれている。訝しげな顔で近づけば「これがおもちゃ箱か?こんなかに桃の鍵があんのかよ…」と覗き込むと中は真っ暗で底が見えなかった。見えない桃の鍵を探して相手と箱の中を覗き込んでいると『行ってみたら?』と声が聞こえる。それは間違いなくメアリーの声で、しかし振り返る間もなく女の子とは思えない力で背中を押されてしまえば二人の体はおもちゃ箱の中へと落ちていって)

  • No.3000 by 検索  2023-08-09 10:58:34 

え、っ!___…ん、ここは、おもちゃ箱の中? …っ!翔太郎!
(相手と手を繋いだまま奇妙な空間の仕掛けを解いていく。道中美術館と称された建物に入れば彼女と自分たち、そして赤い目の人形が子供らしい絵柄で描かれていた。あの美術館の中、人物画の数は少なく彼女と近い歳となると殆ど無かったはずだ。相手の言う通りここが彼女の描いた絵ならば本当に友達が欲しかったのかもしれない。そんなことを考えながらも美術館を後にして記号を解き中央の建物へと向かう。手に入れた鍵で扉を開けて部屋の奥に入れば青色の箱が置かれている。中を覗き込んでも塗りつぶしたように真っ黒で鍵があるかは見えない。だが箱らしい箱はこれだけだ。どうすべきか悩んでいると後ろからメアリーの声が聞こえて思わず声をあげる。動かなくなっていた彼女が何故ここに。そんな疑問を口にする暇もなく箱を覗き込むために前のめりになっていた背中を強く押されると箱の中に落ちてしまう。周りは真っ黒で地面が見えずに高さの感覚も掴めない。いつまでも落ちていくような感覚にいつしか意識を失っていた。次に意識が浮上すると何とか身体を起こして周りを見渡してみるそこもクレヨンで描かれた場所だったが先ほどの場所よりも落書き感が強く混沌とした場所だった。状況的に言えばここがおもちゃ箱だろうが一緒に落ちた相手の姿がない。それに加えて各所に緑色の花弁が散っているのを見ればポケットを探るも薔薇がなく血の気が引いていく。どちらも探さなくてはと立ち上がり周りを警戒しながら進んでいると少し先にうつ伏せで倒れている相手を見つけ、慌てて駆け寄るとすぐそばに膝をつき身体を揺らしながら呼びかけて)

[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:1対1のなりきりチャット







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック