検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…、……だろ?なんたって俺達は二人で一人の探偵だからな。二人ならあのパレードに負けないくらい良い笑顔貰えんだろ
(揶揄いながらクスクス笑っていた相手の顔は柔らかな笑みに変わって、慣れないストレートな褒め言葉を受け取れば照れを誤魔化すように頬を指でかいた。だが相手だって考えていることは同じだ。大衆の歓声よりも目の前の困難を抱えている依頼人を救いたい、お揃いの大きな耳もお揃いのクチバシも持っていないが目指すべき所は同じの二人で一人な存在だ。こんなに沢山の笑顔を一度に生み出す事は出来なくとも沈んでいた顔を飛びっきりの笑顔にする事はできる。相手の得意げな顔を見つめていれば繋がった手を強く握られてそれが相手の決意表明に思えた。つまるところやる事はやはり今までと同じ、二人で風の街を泣かせない、そして悪人に罪を数えさせる、それだけだ。最後のフロートが通り過ぎていってパレード終了のアナウンスが流れる。やがて電灯がついて周囲は明るくなった。日もすっかり落ちてそろそろこのパークともお別れの時間が近づいている。満足気な相手に頷き返してから「最後に行きたいとこあるか?それかアキコの土産選びに入口の方行くか…」とやり残しはないか聞いて)
僕が事前に目星をつけていた所は全部回ることが出来たはずだ。 十分満喫出来たしアキちゃんへのお土産を買いに行こう。
(風の街から離れて夢の国で楽しい時間を過ごそうとも明日になればやることは変わらない。自分達が自分達である限り目の前の依頼人を救うために全力を尽くし幸せにするだけだ。改めて明日からの決意を固めた所でパレードは終わり暗かった道に街灯が戻る。ぞろぞろと人も動き始めて閉園が近付いているのが周りの空気からも感じられた。今からのことについて相手に問われるが事前に調べていた範囲は全部回ることが出来た。パーク全てを回りきった訳では無いが十分と言えるだろう。残したところは次の機会にでも巡れば良い。他に寄りたい所は無いと答えると人の流れに続いて入口の方へと向かう。夜の城や情景を眺めながら店が連なったエリアにたどり着く。同じくお土産を買い求める客でごった返していてはぐれないように手を繋いで店内へと入る。店内は広く様々なジャンルのお土産が売られていて「こんなに種類があると迷ってしまうね…、このパークならではの物が良いけど」と言いながら定番のお菓子コーナーに向かい)
俺も今日はこれで満足だ。なら今日最後の難関をクリアしにいくか。_____お菓子だけでもなかなかの種類だな。このパークならではっていうと……お、これなんかどうだ?
(人々は一様な方向、出口の方へと歩き始めていてこの夢の国での時間も終わりにちかづいているのが分かる。相手に想い残しはないようで、こちらも同じくだと返事をしておいた。さすがに一日では全てを回りきれなかったが今日行けなかった分はまた今度、相手と一緒に来た機会に取っておけばいい。帰り際にお土産を買おうという思惑は周囲の客も同じようで入口付近はかなりごった返している。手を繋いだまま早速所長様へのお土産探しだ。お土産用のお菓子は専門店が構えられるほど種類豊富で全てを見て回るだけでも大変だ。はぐれないよう傍を歩きながら相手のいう条件に合うものをと商品棚を眺めていると、ひとつの箱が目に留まる。見本としてクリアケースに入れられた箱の中にはネズミのキャラのモチーフである三つの丸を重ねた形のラスクが飾られている。これならコーヒーのお供としても良し、このパークならではという部分もクリアだ。見本を指さしつつ相手の反応を伺ってみて)
これは…ラスクかい? これならこのパークに来たことが一目で分かってお土産としてもピッタリだね、これにしよう。じゃあレジに…、…翔太郎、家でコーヒーを飲む用にどうだろうか。
(どれにするかと目を向けていると相手から声がかかる。ケースの中にはキャラクターを模した形のラスクが飾られていて枚数もそこそこあるみたいだ。先程あげた二つの条件をクリアしていて、ラスクの入った箱もキャラクターが描かれていて食べ終わった後も事務用具や小物を入れるケースとして利用出来そうだ。ナイスチョイスだと相手を褒めつつもその隣にあったラスクの箱を手に取る。これで所長へのお土産もバッチリだろう。レジにも多くの人が並んでいてさっさと会計を済ませようと最後尾に並ぼうと移動するがその途中に気になるものを見つけて言葉と足が止まる。興味惹かれるままふらふらと近づいたのはキャラクターの描かれた皿やコップなどが並ぶ食器コーナーだ。その中で同じくネズミのキャラクターの二人が影として描かれたシンプルなデザインのペアマグカップを手に取る。相手の家に住むようになって食事も共にするがその時は元々相手の持っていた食器を使っている。勿論それで不足は無いのだがこのマグカップが視界に入った途端自分専用の食器を置きたいと強く感じたのだ。だがお土産としては食器類は嵩張り重たいのも事実で家主である相手に手元のセットを見せながら控えめな調子で反応伺い)
だろ?ならアキコへの土産はそれで決まりだな。…フィリップ?……っ、…俺も……それが、欲しいと思ってた
(こちらの選んだ所長様へのお土産は相手にも好感触で得意げに笑みを浮かべる。これでスリッパが飛んでくることも無く、安心して土産話を聞かせる事ができるだろう。早速レジへと移動を始めたがその途中で相手が何かに惹かれるようにふらふらと別方向へ行き始め、不思議に思ったもののいつもの事だとそのままついて行く。たどり着いたのは食器のコーナーだ。キャラクターが全面に押し出されたものからパークのロゴをあしらったものまで様々だが、その中でもとあるペアマグカップに目を奪われた。このパークで一日過ごして大切な相手とお揃いの物を持つ魅力を知ってしまった身としては、身近なものでもひとつお揃いを取り入れたいと思ったのだ。事務所で使うのはハードボイルドから外れるので絶対にナシとして、家で使うにもキャラを全面に押し出したものは恥ずかしい。となるとシンプルながらも今日お揃いで買ったネズミかアヒルが描かれた物がいい。その条件に当てはまるペアマグを見つけた所で目を見開く。相手が目星をつけたペアマグを手に取ったからだ。伺うような目を向けられるがこちらは驚きで目を瞬かせていて、全く同じ物を選んだ嬉しさと気恥ずかしさでゆらりと目が泳いだ。なんとか絞り出すようにして自分の意向も乗せた返事をすると「買うか」と購入を決定し)
…、こんな所まで息ピッタリなんてね。…ああ! __ ありがとう、翔太郎。最高のお土産だ。
(一目惚れに近い形で気になったマグカップを手に取り相手の反応を伺う。了承してくれるだろうと何となく思うも今まで強請ったものと違ってその先もずっと形として残るものでもしかしたら渋い顔をするかもしれないとも不安が過ぎる。相手が手元のペアマグに視線を移したと思えばその目は瞬いて、動揺したように泳ぐ。その後絞り出すような声で同じ物を所望していたと聞けば今度はこちらが目を瞬かせてすぐににやりと口角があかる。数多く種類がある中でピンポイントで同じモノが気になることなど相棒だからこそと言えるだろう。思えば自分も無意識に相手の好みや性格を考えてガッツリキャラが描かれているよりもシンプルなデザインで普段使うものを選んでいた。喜びに声を弾ませて感想を告げながらも相手の決定に力強く頷いて同意を示す。大事そうにペアマグカップを抱えながら今度こそレジの最後尾に並ぶ。順番が来ればラスクとは別で袋に詰めて貰い店の外に出る。ずっと使うことになるマグカップ、自分専用で相手ともお揃いでこのパークに来た記念だったりと様々な意味合いが込められていれば幸せが込み上げてきて隣の相手に目を向けると柔らかな笑みと礼を告げて)
考える事までお揃いなんてな。____俺にとっても良い土産になった。これから毎日コーヒー飲むのが楽しみになりそうだ
(同じものを望んでいた事実を伝えれば相手の口角はみるみるうちに上がっていく。二人で暮らすようになって食器は一応事足りてはいるのだが、二人で選んでお揃いで思い出で、そんな沢山の想いが詰まったマグカップはきっと二人の家で幸せの象徴になってくれるに違いない。買わないなんて選択肢はないだろう。ドライバーを使わずともピタリと揃った思考にそれこそ今日出会ったキャラクター達のような特別な絆を感じ嬉しくて、しかし照れくさそうに笑っていた。レジに並んで購入が終われば正真正銘これは二人のペアマグカップとなった。こちらに向けられた相手の笑みには幸せが溢れ出ていて、それが伝搬してきてこちらの胸も幸せに満ちて笑顔が零れる。これを見る度に今日の事も日々の幸せも思い出す事になるだろうと幸福の予感がして、改めて相手としっかり指を絡めて手を繋ぎ直した。最後に最高のお土産を手にすれば今日この夢の国でやる事は全てやりきっただろう。閉園のアナウンスが流れ始めたのを聞けば「俺達の家に帰るか」と笑いかけて)
…そうだね、急がないとバスに遅れてしまう。 __ …あっという間の一日だったよ。
(最高のお土産を手にして幸せが胸を満たす。きっと沢山の想いがこもったコレはこれから家で過ごすひと時を彩ってくれるだろう。相手と笑みを向け合い指を絡めるように繋ぎ直すとこのパークから出る寂しさや名残惜しさもすっかり消えてしまった。園内には閉園のアナウンスと音楽が流れている。最後にもう一度園内に目を向けしっかりとその光景を目に焼き付けてから、手を握り返し今朝通ったゲートを通って夢の国を後にした。人の波に合わせて歩けばバス停にはずらりと多くのバスが待機している。ここから夢の国で楽しんだ人は各々自分の家に帰って行くのだろう。見慣れない地名や遠く離れた街の名前だったりして様々な人がこの場所で楽しんだかと思えば何処か感慨深い。その中から風.都.行きの物を見つければ手を引いてそれに乗り込む。既に多くの人がバスに乗り込んでいるようで朝来た時よりもカチューシャをつけていたりお土産を沢山膝の上に抱えていたりしている。奥の席に空きを見つけて隣に並ぶように座ると朝から楽しんでいたデートが終わりに近い実感と充実感を同時に覚えて軽く微笑みながらも感想を述べて)
あぁ、今日一日どの瞬間も忘れられねぇ思い出になった。お前が呪いの人形にビビってたとこも含めてな
(いよいよ帰宅の時間だ、相手が最後に夢の国を目に焼き付けるように振り返ったのが見えて同じく後ろを振り返る。沢山の人々と魅力ある建物やキャラクターで溢れる世界をしっかり脳へと刻んで、新たなお揃いの品であるマグカップで明日の朝に飲むコーヒーを楽しみにしながらゲートをくぐって夢の国をあとにした。バスへと乗り込むと乗客は自分達同様グッズやお土産を抱えていて各々沢山の思い出が出来たのだと一目で分かる。様々な人の幸せの余韻を感じながら相手の隣の席に座ればこちらも充実感いっぱいの顔で返事をした。ちょうど発車時間になったのかアナウンスの後バスは動き出す。どのアトラクションもエリアもフードもその時々に交わした二人の会話も含め忘れられないものになった。少しづつ離れていく夢の国を見遣りつつ、中でも印象深い相手の表情を思い起こして揶揄いつつニヤリと笑い)
ッ、ビビってはいない。演出に感心していただけだ。君だって落ちる瞬間僕よりも強く手を握っていただろう。情けない叫び声も覚えているよ
(風.都では見ることが出来ない建物や情景、食べ物、そして何より相手の様々な表情を楽しむことが出来た。充実した一日だったと言えるだろう。バスは定刻を迎えアナウンスの後にゆっくりと動き出す。すっかり見慣れた夢の国が離れていく姿は惜しい気持ちもあったが気持ちを新たに自分たちの街でいつもの日常に戻るのだと思えば不思議と心穏やかだ。今日あったことを振り返っていると例のホテルでの話を持ち出されると慌てて否定する。何が起こるか分からず警戒していたのは確かだが今こうしてそのときの話を持ち出されるのは恥ずかしくあくまで演出に乗っかっていただけだと若干目を泳がせながらも主張する。それに関連して持ち上がったエレベーターが急落下した時に強く手を握られたのを思い出せば反論とばかりにその時のことを指摘する。「今まで聞いた中で一番だったね」などと茶化すように笑って見せ)
嘘つけ、俺の腕にしっかり掴まってたクセに。…っ、それを言うならお前だって叫んでたじゃねぇか!ま、なんにせよお前があぁいうホラー系が苦手ってのは新しい一面だったな
(車窓から暫くは夢の国が見えていたもののやがてそれも遠ざかって見えなくなってしまう。一抹の寂しさはあるものの、あとは愛すべき風の街へ戻るだけだ。呪いのホテルでのことをつついてやると相手はあからさまに目を泳がせて思わず口元はニヤける。言い訳をしようともこの動揺っぷりが怖がっていた証拠だ。だが落下の瞬間という痛い所を逆につつかれてしまうと思わず声を詰まらせる。確かに視界が開けたあの瞬間に恐怖を感じ落下の度に相手の手を強く握ったのは確かだが、それなら相手だって手を握り叫んでいたというのは同じはずだ。なんとか形勢を取り戻すと再び相手を揶揄うためのニヤケ顔になり、新たな一面という名の弱点を得たことに満足気に笑い)
アレは周りが暗かったからはぐれないようにする為であって…。 だから苦手じゃないと言ってるだろう、強いて言うなら予測が出来ない状況が得意でないだけだ。 …何なら今度証明して見せても良い
(良い着目点を見つけたとばかりに相手の口元はニヤけたままだ。それらしい理由を並べてみるが響いてる節はない。急落下した時の話を持ち出してみるが相手の言う通りこちらも手を握ってされるがまま叫んでいたから如何せん分が悪い。更に続けてからかうような笑みで結論をまとめようとする相手に多少早口めに反論はしておく。子供のようにあの空気感や暗さに怖がっていたのではなく、相手とは違いなんの情報もないままアトラクションに連れられ何が起こるか分からない状況に多少戸惑っていただけだ。相手に弱点を握られるとどうなるかは項の件で身に染みて知っているからこそキッパリと相手の言葉を否定するが満足気な表情を見る限りこれでは適当に流されるだけだろう。数度視線を迷わせるもこれ以上揶揄われない為にも次の機会を提案して)
くく、ならそういうことにしとくか。どっちにしろ予測できない状況が苦手って情報は手に入ったったわけだしな。……なら、今度ホラー映画みるかでかいお化け屋敷にでもいくか?それなら予測不可能な状況が苦手かお化けが苦手か、はっきりするだろ?
(相手から反撃は飛んでくるもののいつもの勿体ぶった喋り方ではなく多少早口になっているのを動揺していると捉えればニヤけ笑いは崩れず、仕方なくこちらが折れたような口ぶりで返事をしておいた。新たな弱点の発見に気をよくしていると相手から次の提案が持ちかけられ興味深そうな顔を浮かべる。相手が何を苦手とするのかハッキリさせる良い機会だ。それに相手の弱点がより明確になると言うのならこちらとしても悪い条件ではない。証明すると宣言した相手を逃さぬよう次の計画をより具体的なものにしようとして)
…ああ、勿論構わないよ。どちらも体験したことが無いから興味はあるしね。
(相変わらず相手のニヤケ顔は崩れることはない。そんな状況を覆そうと次の機会を提案すれば興味があるように食いついた。下手をすれば自分の苦手なものを決定づけることになる提案だが、平然な顔をしていれば何も問題ない話だ。より具体的に話を詰め出した相手に若干の嫌な予感は覚えながらもまっすぐと相手を見つめてイエスの返答をする。それに人を怖がらせることに特化した演出や仕掛けにも興味が湧いていたところだ、ちょうどいいだろう。先の予定が決まったところでふと窓の外は段々と見慣れた景色へとなっていった。遠くには名物である風車も見える。風の街に帰ってきた実感を覚えながらも「帰ってきたね、僕たちの街に」と呟き)
ならクイーンとエリザベスにでも良いやつ聞いとくか____あぁ、俺達の愛すべき街だ
(どうやら相手は逃げずに正々堂々この挑戦を受けるらしい。それならばこちらもしっかりとした準備をしなければ。といってもこちらが知っているものを相手に見せるのは今回限りだ、フェアではない。それならばと第三者である情報屋から良いホラーを仕入れておく事を決めた。そうやって話しているうちに相手の目が窓の外へと向いてこちらも同じ方向をみる。そこにあるのは夜の中ライトアップされた風.都.を象徴する建物で、帰ってきたのだと自然と笑みが浮かんだ。二人の帰るべき場所であり守るべき街、その駅前のロータリーにバスが到着すれば人々の流れに乗ってバスを降りた。バスから降りた人々は各々自分の家へと帰っていく。自分達もと歩き出そうとするが頭の上にまだ大きな耳が乗ったままなことに気がつく。流石にこれをつけて歩くのは恥ずかしく「こっちはしまうか」と二人の耳を外した。代わりではないが、夜もふけ周囲に人がいなくなったこの状況ならばと相手の手を取ると夢の国の続きのまま手を繋いで歩き出して)
僕はこのままでも良いのに。…、帰ろうか。 __ …ただいま。
(夢の国の建物の作り込みや世界観に感動したとはいえ、安心出来るところ守りたいところとしてはこの風の街には敵わない。やがてバスはロータリーに止まり順番に客が降りていく。相手と共にバスを後にすればあとは帰宅するのみだ。そちらに足を向けた所で相手から頭に着けていたカチューシャを外される。周りを見れば被り物類をしたまま帰っている客がほとんどでまだ着けていたいと軽く意見を伝える。恐らく自分の庭の範囲に着いたからその姿を他人に見られたくはないのだろう。だがその代わりとばかりに手を取られると視線は相手の顔から手元に向かう。夢の国のままでいたいと言うのが自分だけでないと分かれば途端機嫌は治って笑を浮かべながら帰路へ歩き出す。特別な風景もアトラクションでもないが夢の国でめいいっぱい楽しんだ余韻と手のひらから伝わってくる熱、もう片方からぶら下げたお土産に終始口元は緩んだままだ。自分たちの家が見えてくれば進む速度を更にあげ、扉を解錠すると帰宅の言葉を告げ)
ただいま。アキコの土産はこっちに置いといて、俺達のマグカップは洗っとくか。明日から使わなきゃなんねぇしな
(風の街では探偵としてのメンツが勝ってカチューシャを外せば相手は少々不満気な顔を浮かべるが手を取り歩き出せば途端にその顔は華やいで、分かりやすい反応に胸に暖かなものが溢れて小さく笑う。風の街にはついたが今日一日が終わるまではまだ左.翔.太.郎.のままでいいだろう。夢の国の余韻をたっぷりと残したまま二人の家へたどり着けば相手に続いて帰宅の挨拶をする。夢の国は未知が沢山詰まった刺激的な世界だが、この二人の家は何処よりも安心できる二人の帰るべき場所だ。いつも通りジャケットを脱いでハットと共にしまえば相手の持つお土産を指さす。帰宅はしたが夢の国で感じた想いのまま、新たなお揃いの品となったマグカップを早く使いたくて仕方がないのだ。逸る気持ちをなるべく出さないように努めるが声は弾んでいて「お前は先に風呂入ってこいよ」と余韻の滲む楽しげな声で言い)
ああ、明日の朝から早速活躍して貰わなければ。 分かった、コレは君に任せるとしてさくっと入ってくるよ。
(家に辿り着けば帰るべき場所に帰ってきたような安堵感と安心感がある。相手の言葉に従い所長宛のお土産は一旦テーブルの方に置いてペアマグカップの方を袋から取り出す。梱包を解いて二つのマグカップを並べるとお揃いであることを改めて確認出来て口元が自然と弧を描く。明日から探偵として仕事に出掛ける朝と帰ってきて二人として寛ぐ夜の時間などに共にある存在となることだろう。相手の弾んだ声からもそんな時間を楽しみにする様子が伺える。入浴を促されると素直に頷いてマグカップ2つを相手に任せ、早速風呂場へと向かう。服を脱ぎ浴室に入ってシャワーでお湯を浴びる。今日一日楽しさと興奮でフルパワーで動いていたが単純に考えても朝早くからこんな時間まで移動も含め動きっぱなしで疲労が溜まっていて、安心出来る家で熱いお湯を頭から浴びればそれが表に出てくるようでもあった。何とか髪と身体を洗って全身を流してから寝る時の服に着替えて風呂を後にする。バスタオルを頭に被り軽く拭き上げながらも「上がったよ」と声をかけて)
おぅ、任せとけ。____今日はちゃんと髪拭いて出てきたみたいだな。じゃ、俺も入ってくる
(相手が風呂に入っていくのを見送ると早速箱から取り出したばかりの二つのマグカップを手に取る。パッと見はシンプルな図柄でこの部屋に馴染んでいるがその柄は今日の思い出を象徴するような二人のキャラクターだ。どちらを相手専用のものにするのか話し合わなければと思えば、またひとつ増えた相手との未来に柔らかな笑みを浮かべる。二つのマグカップをキッチンに持っていき綺麗に洗って乾かしておく。これで明日の朝から早速使う出番が回ってくるだろう。リビングに戻ってしばらくすれば相手が風呂から出てくる。今日は髪をびしょびしょに濡らしたままリビングに来るのは避けられたようだ。軽く揶揄いつつも入れ替わるようにして風呂へと向かう。熱いお湯を頭から浴びればさすがに疲労感が押し寄せて、軽く息を吐いた。だがそれは相手とめいっぱい夢の国を楽しんだ証拠でもあって口元にはやはり笑みが浮かんでいた。体を洗い終えて風呂を出ると寝巻きに着替えてリビングへ戻る。同じく髪を拭きながら疲労を示すようため息をつきながらも「今日はよく遊んだな」と小さく笑みを浮かべつつベッドに腰掛けて)
_…おかえり。朝早くから出掛けてこんな時間まで遊び回っていたからね。充実した一日だった。
(風呂から上がり相手に声をかけると子供扱いしたようなからかいの言葉の後風呂へと向かっていった。ふと台所の方を見れば水切りラックに洗ったのであろうマグカップが二つ乾かしてあって自然と笑みが零れた。アレを使う明日の朝が楽しみだ。ベッドに腰を掛けて髪を乾かし終わった後はバ.ッ.ト,シ.ョ.ッ.トを起動して今日撮った写真を確認する。どれもが園内の凝った作りの景色と笑顔の2人を写していてどれも楽しそうなのが全面に出ている。思い出のために写真を撮ろうとも話していたが後半になるにつれて撮った写真は少なくなっている。実際、写真を撮る事も忘れて園内で楽しむのに没頭していた。写真に残さずとも記憶には今日の思い出は沢山残っていてそれを振り返っていると相手が風呂から上がってきた。隣にスペースを空けて横に座る相手の言葉に声を掛ける。朝早くから夜遅くまで丸一日外出することなど依頼でも殆ど無い。大分疲れてはいるがやり切ったような心地よい疲労で同じく笑みを浮かべながら感想を告げる。「また行きたいね」と素直な要望を伝えつつも甘えるように相手の肩に寄りかかってみて)
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