検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ん…香ばしくて美味いな!見た目より軽いからどんどん食っちまう
(近くにあった屋外のテーブル席に座ればそれぞれの前にワッフルを置く。既に香ばしく甘い匂いが鼻を擽っていて、熱々のうちに食べなければと気持ちが急かされるようだった。相手も同様ワッフルの魅力に抗えなかったらしく早速ナイフとフォークを動かし始めている。こちらも一口大に切り分けながら相手がワッフルを頬張る様子を観察すると、目を開いたかと思えばそれが幸せそうにトロンと綻んで顔いっぱいから美味しいという感情が溢れ出していて、よっぽどのものなのかと釣られて笑みが浮かんだ。相手に続いてこちらも一口まずは何も付けずに食べてみれば素朴な甘さが焼きたての温かさと共に口いっぱいに広がって、それを堪能するように暫く目を閉じたあと感想を口にしていた。ワッフルは腹持ちがよく生地がギッシリ詰まっているイメージだったが、これは適度に軽くて次の一口をすぐに食べたくなってしまう。その次の一口の前に付属されていたメイプルシロップをワッフルにかける。焼きたての温かさでシロップの甘さが周囲にふわりと広がってまるで先程乗ったアトラクションのようだ。再び一口大に切ってシロップたっぷりの部分を口に運べば増した甘みの分顔は幸せに蕩けて本命の味を堪能していて)
日本でよく提供されるリエージュワッフルよりもベルギーなどでよく食べられているブリュッセルタイプに近いワッフルのようだね。…ん、幸せの味だ。メイプルシロップの甘みともよくあっている
(ワッフルの美味しさを味わっているも相手もまずはシンプルな物を食べて堪能するように目を閉じる。風.都.ならび日本で多く提供されているのはリエージュタイプと言って生地自体が甘くずっしりとしていてワッフル単体で食べるものだが今食べているこれは軽い食感が特徴で主にトッピングと共に食べられる本場ベルギーのブリュッセルタイプに近いだろう。なかなか食べることの出来ないタイプに巡り会えたことに簡単な講釈と感激の感想を口にする。目の前の相手が付属のメイプルシロップをかけ、1口大を口に運べば表情は幸せそうに蕩けてめいいっぱいその甘さを感じているのがわかる。そんなに美味しいものかと自らもワッフルにメイプルシロップをかけて蜜でヒタヒタになった部分を口に運ぶ。先程の生地の美味しさに加えてシロップのかかっている分だけ甘みが増して多幸感に無意識に口角があがる。様子見で少しだけかけていたシロップを全部使ってしまえばさらにもう一口分切り分けて食べ、幸せそうに感想を述べて)
リエ……まぁ幸せの味には違いねぇな。こういうキャラクターの顔だと若干いたたまれねぇけど……ん、美味いもんは美味い
(ハードボイルドに甘い物は似合わないなんて言っていたのはどこへやら、たっぷりとメイプルシロップがかかったワッフルをまた一口食べてその味に浸っていると、相手がなにやらワッフルについての解説を挟む。スラスラと語られる情報にはいつもの如くついていけず言葉尻だけ捉えて繰り返そうとするが早々に諦めた。だがその後の一言には同意見だ、一口食べる毎にワッフルのほのかな甘みもシロップの濃厚な甘みもどちらも口いっぱいに広がって幸せの一言につきる。だがその幸せを味わう度にこのパークの主役たるキャラの顔を削らなければならなくて、これはキャラを模した食べ物にいつもついてまわる問題だ。だがそんな理由では止まれないほどにワッフルは美味しく、容赦なくホイップクリームがたっぷりのった耳の部分を切り取るとそのまま口へと運びシロップとはまた違う甘みに笑顔を零していて)
それを言ってしまうとこのパークの大抵のものが食べられなくなってしまうよ。 …この姿を僕だけが見られるというのも贅沢な一時だ。
(ネズミのキャラクターを象ったブリュッセルタイプのワッフルを焼きたての状態でメイプルシロップと食べる贅沢は正にここでしか体験出来ない事だろう。ワッフルの種類の希少性は相手には伝わらなかったようだが朝から動き回り無意識に疲れていた頭と身体に甘い物が染み渡っていれば幸せ以外の何物でもないだろう。キャラクターの顔を食べることに若干の抵抗の言葉を相手は呟くがその割には容赦なく耳の部分を切り分けていて思わず笑い声を零す。このパーク内はキャラクターを模したフードやスイーツも多い。可愛さと美味しさが両立した結果なのだとツッコミを入れながらもワッフルを切り分け口に運ぶ手は止まらない。受け取った時にはそこそこの大きさがあって食べきれるか若干不安だったが重すぎない感じを見るに心配はなさそうだ。ふと相手の方に目をやれば幸せそうな笑顔でワッフルを頬張っている。可愛らしい被り物などを身にまとい甘いワッフルを食べる様子は普段カッコつけのハードボイルドからはかけ離れ今しか見れない光景だろう。それを他の誰でもない自分だけが独占しているのだと改めて感じれば甘味とはまた違った幸せが胸を満たして)微笑みとともに呟きを零して)
まぁな、でも結局美味いから食っちまうんだよ。…、……ここは、風.都.じゃねぇし…俺が俺でいられんのは、お前の前だけだからな……
(このパークにおいてほとんどの食べ物は何かしらのキャラクターに掛けたものやストーリー性があるものばかりで、それを食べるのが可哀想だなんて言ってしまえば口にできるものはかなり減ってしまう。だがどの食べ物もそんな気持ちが気にならなくなるほどには美味しくて、というよりそもそもそこまで躊躇はないが、容赦なくネズミの顔のワッフルにナイフを入れてまた一口甘い生地を頬張る。そうやってワッフルを楽しんでいれば相手から不意打ちの一言が飛んできて目を瞬かせる。改めて今の自分を振り返れば可愛らしい女の子のアヒルのキャップを被って脇にはハチミツのツボのバケットを置きキャラクターの顔の形の甘いワッフルを堪能していて、とても風の街の人々には見せられない姿だ。ハードボイルドの欠片もない。そう思えば急に恥ずかしくなってきて目線を泳がせるが、この状況が嫌で今すぐ止めたいとは少しも思わない。探偵として爪先立ちしている所から一時踵を下ろして左.翔.太.郎.でいる時間、相手にしか見せられず、相手から与えてもらった特別な時間でもある。その思いを口にするもボソボソとぶっきらぼうな言葉にしかならず、どうこの気持ちを伝えようか暫し考えると目に入ったのは食べかけのワッフルだ。先程食べた耳とは逆側、もう一つだけ付いているホイップクリームがたっぷり乗った耳の部分である特別な欠片。それをナイフで切り取れば、特別な欠片を特別な相手の口元へと差し出して)
そう言ってくれるなら一緒にここに来た甲斐があったよ。 …いいのかい?…ん、一番甘くて美味しい。
(自分でも特別意識した訳ではなく気付けば溢れていた言葉。それを受けた相手の目は瞬いたかと思えば恥ずかしそうに泳ぐ。2人の街を離れ知らない人ばかりの場所で思うがまま過ごす機会はあまりない。良い意味で普段の相手らしくない姿である理由が場所の問題だけではなく自分の前だからとぶっきらぼうながらも言われてしまえば心を暖かい物で満たしてやまない。相手と共にいる時間は何時だって好ましい物ではあるが、ありのままの左.翔.太.郎を独り占め出来る時間はより一層特別で好きな瞬間だ。相手も背伸びせずにこの状況を楽しんでくれているのなら相棒として恋人として嬉しい。笑みを称えながら幸せを噛み締めていると相手がワッフルの耳の部分を切り取って口元に差し出してきて今度はこちらが目を瞬かせる番だった。カリカリとした外側でありクリームのたっぷり乗ったそこは恐らく一番美味しい所だろう。そこを差し出す相手に遠慮がちに確認を取るように伺うも相手なりの気持ちだろうと汲み取れば身を乗り出してフォークごと口にする。カリッとした食感と甘いホイップクリーム、そして何より相手の気持ちの籠ったワッフルは先程よりもずっと甘く美味しく感じられて口の端にクリームが付いたのにも気づかないまま幸せそうな笑みで特別なワッフルを味わっていて)
とっておき譲るのもお前だけだからな……____っ!……クリームが、ついてた
(甘いホイップクリームがたっぷり乗った一欠片を差し出せばこちらを伺うような問いかけがされる。それに肯定の意味で頷きながら、さらにもう一度相手が特別なのだと言葉を重ねていた。普段なら譲りたくないものだって相手とならば共有したくなってしまう。それほどに一心同体で、同時に笑顔で居て欲しい存在がフィリップという男だ。差し出したワッフルは身を乗り出した相手の口の中へと入っていって、その顔には幸せな笑みが浮かぶ。これこそがいつまでも見ていたくて傍に居て欲しい人の顔だと胸が満たされたが、同時に口の端についたクリームに目が止まった。幸せそうな相手からこぼれ落ちたような甘い欠片、相手を特別だと自ら口にした心は恋人以外の存在を見えなくしていてあの甘い欠片を口にしてしまいたいと衝動が走る。そう思った時にはもう体は動いていてこちらからも身を乗り出すと相手の口についたクリーム目掛けて、もはやキスをするのと同じ動きで顔を近づけた。相手のクリームとその傍にある唇まで奪おうと頬に手を添え近づいたが、突然何かにぶつかったように動きが止められてしまう。どうやらお互いが被ったキャップが大きくちょうどキャップのアヒル同士がキスをするようになった所でつっかかってしまったようだ。そこで今ここが屋外のテラス席であると我に返れば途端に目が泳ぐ。だが一度欲しいと思ったクリームを逃すことは出来ない、照れで頬を少々赤くしながらも口の端についた甘い欠片をゆっくりとした指の動きで拭き取るとそのまま口の中へと取り込んでしまって、言い訳するように一言だけ発し)
それは光栄だ。…、しょうた、ろ…っ。…ああ、ありがとう。 じゃあ僕のとっておきは君にあげよう。
(自分だけとはなんと甘美な響きだろう。相手の想いのこもったとっておきのワッフルは何よりも甘く美味しくて噛み締めるように味わっていると不意に相手の顔が近付いてきた。何かを欲して欲望のままに動いている瞳に目が奪われると全身に血が通うのを感じながらも身体は動けず、その行為を受け入れるように相手の名を紡ぐ。だがカツンと場違いな音が響きそれがキャップ同士が当たった音だと気付けば正気に戻り、公共の場でまたキス同然のことをされかけたことに顔を赤くする。未遂で終わったことが惜しいと思ってしまったことも含めてだ。相手も素に戻って目を泳がせているが乗り出した身体はそのままで指先が口端をゆっくりとなぞる。拭い取られたクリームが相手の口の中に取り込まれる動作にすら魅入られ鼓動が激しく打つ。何とかぎこちなくも礼を伝えると泳ぐ目線の先に自分の食べかけのワッフルを見つける。誤魔化すように同じくホイップクリームの乗った耳の部分を切り取るとお返しと称してフォークに刺したワッフル相手の口元に運んでみて)
お、おぅ……ん、……一番甘くて美味いな…
(乗り出していた体を元の位置に戻すも、無意識に相手を求めた衝動と未遂に終わった不満と周りの人の目がある場所で口付けを交わそうとしてしまった恥ずかしさと、あらゆる感情が綯い交ぜになって心臓の鼓動を早くさせている。相手へ近づいた瞬間に誘うように紡がれた自分の名前を呼ぶ声が頭の中で再び響く。あの瞬間、確かにお互い同じことを思っていたのだと思えば余計に消化不良の気持ちが胸を渦巻いた。だが互いに顔を赤くし目を泳がせてしまってはもうあの瞬間には戻れない、そもそもここは周囲に人も多いのだから最後には必ず理性が働いてしまうだろう。そうやってなんとか気持ちを消化しようとしていると相手からも特別なとっておきの一欠片が差し出された。ワッフルにたった二つしかないホイップがたっぷり乗った耳の部分、泳いでいた目は相手の視線を捉えて次に欠片へと移る。差し出されたワッフルを少し身を乗り出し口に収めれば、今日食べた中で一番甘くて幸せな味がして消化不良の気持ちはワッフルと一緒にゆっくりと喉下へ下った。自然と相手と同じ感想を口にしながら緩い笑みを浮かべると再び相手へと目線を戻して「ありがとな」と特別な欠片をくれた礼を伝えて)
これでおあいこだ。 こちらこそありがとう。……続きはまた夜にでもしようか。
(未だに心臓の鼓動は早く一度チラついた熱に消化不良ではあるがその先をする環境ではないのは重々承知だ。なんとも言えない空気になった中で相手と同じく一番美味しかったワッフルの耳の部分を差し出してみれば視線は自分から欠片へと移る。思えばこうして食べさせ合うことだって普段の基準から考えれば照れ臭いことに該当しそうだが夢の国の雰囲気と近くに迫った経験がその軸をあやふやにする。差し出したワッフルが相手の口に収まり同じ感想と緩い笑みが浮かぶとこちらもつられて口角があがった。とっておきの一欠片を交換して甘い一時に幸せを噛み締めながらお礼を伝える。その後メイプルシロップのかかった残りのワッフルも食べ進めあと一口分となった所でちらりと相手を覗き見る。幾度となく未遂を繰り返していると消化しきれず腹奥の欲は燻ったままだ。状況的に許される場面、例えば周りが暗くなった場所とかはとまで考えれば少し視線を泳がせた後予告のように提案する。だが強請っているのも同然であることに気付けば恥ずかしくもあり誤魔化すように最後の一欠片を口にすると「ご馳走様でした」と何事も無かったように押し切ろうとして)
、……その言葉忘れるなよ、フィリップ
(口の中に相手から送られた温かさと甘さが広がる。礼を口にされるとさらに笑みは深くなって「あぁ」と短く返事をした。その後はワッフルを互いに食べるだけのはずだったが、喉から飲み下したはずの熱は未だ腹で燻っていて鼓動の速さは未だ収まらない。今は昼過ぎで周囲に人がたくさんいる、その状況が歯止めをかけているだけで油断すれば腹に燻った熱を行動に移してしまいそうだ。お互いどこか集中できぬままワッフルを食べ進め終盤になったところで、相手から呟きが聞こえてきて思わず息を飲み相手の方をみた。予告のような提案であり期待を煽る誘惑のような一言に嫌でも燻った熱は焚き付けられていく。心音がまた早くなるのを感じたが、相手は先程の言葉を誤魔化すように目を泳がせている。それを見ればこちらを煽るような事を言っておいてこのまま逃げられてしまうような気がして胸が黒く支配された。今の一言を絶対に逃がしはしないと目を鋭くさせ、反射的に相手の腕を掴めば獲物を目の前にした獣のように真っ直ぐ相手を見すえ低い声を出した。このままずっとお預けは耐えられない、提案を決定事項に変えてしまえばゆっくりと手を離して、最後の一欠片を口に入れれば溢れそうな衝動ごと飲み込んで)
……っ、翔太郎。…ああ、約束だ。
(表面上はいつも通りを取り戻したはずだが、ありのままの姿を望むことはその先を求める行為と深く結び付いていて矛盾した状態に焦らされるばかりだ。糖分を摂取した頭はこの欲を治める方法よりもどうすれば言い訳が作れるかに思考が傾いてしまっている。その一つがこれから数時間後に訪れるであろう日の暮れで広い園内ならば何処かに人のいない空間もできるはずだろう。迷った末に呟いた場違いな誘い言葉は屋外のテラス席にやけに響いたように思えて顔に登る体温ごと無かった事にしてしまおうと誤魔化す言葉を続けたがそれを制止するように腕を掴まれる。視線を掴まれた部位から相手の顔に移せばその瞳は鋭く欲望にギラついていて思わず息を飲んだ。真っ直ぐと貫かれるような視線から逃げ出したい気持ちとその先を望んでいる本心とがぶつかれば短く震えた声で名を紡ぐ。提案はいつの間にか規定事項へと変わっていて逃げるのが無理だと悟れば観念したように返事をした。腕が解放されても胸の鼓動は早いままで、夜の予定が出来た今の状態でまともな顔をして園内を回れる気がしない。出来るだけ意識しないように務めつつ相手の最後の一口が飲み込まれていくのを見届けると「行こうか、翔太郎」と席を立って)
(/いつもお世話になっております! とても楽しいデートをさせてもらっている最中なのですがそれらしい話題も出たことですし、その他に日中にやりたいことなどが無ければ夕方過ぎか夜辺りまで飛ばして夜の園内を楽しむ時間に移行するのもアリだと思うのですがいかがでしょうか?他に行きたい所やりたい事があればそちらの方を是非やりたいとも思うのでご意見伺えたらと思います。)
___時間があっという間に過ぎちまったな
(手と目線とで逃がさぬように捉えてやれば相手からは震える声でこちらの名前が呼ばれて、その動揺でさえ今は体に毒だった。ここは夢の国で真昼間でスイーツを楽しむオープンテラスで、決して熱を吐き出す場所では無い。だが今日ここに来てから相手といる楽しさと幸福を改めて感じて、何度も心臓を高鳴らせてしまっては相手をもっと感じたいと願ってしまう。ここはデートスポットでもある、日が落ち暗くなれば二人きりで過ごせる場所も出てくるだろう。二人ともワッフルを食べ終われば相手に続いて立ち上がり夜までの時間を過ごす事とした。その後も海に住む亀に会いにいったり、地下坑道を駆け抜ける絶叫系アトラクションに乗ったりとパークを楽しんでいたが相変わらず二人ともがどこか浮ついている、約束のその時間が訪れるのを待ちわびながらパークを楽しんでいた。そうやって過ごしていればやがて日は落ちて建物は茜色に染まり電灯が灯り始める。昼とはまた違う顔を見せ始めたパークを眺めながらどこに行くでもなく歩いていて)
(/こちらこそお世話になっております!二人でパークを歩く姿を想像しながらのやりとりこちらもとても楽しませていただいております。行きたいと思っていた箇所は大体回れましたので、ひとまず夕方まで時間を進めさせていただきました。また違った風景や約束の時間など夜の時間もめいっぱい楽しみましょう…!
ここからまた思いっきり楽しみたかったのですが
、明日の日中は返信が難しそうです……いい所ですのにすみません。休み期間中は相変わらず不定期な返信頻度になってしまいますが、最後まで楽しくやりとりができれば幸いです。よろしくお願いします!/こちら蹴り可です!)
ああ、もうすっかり夕方だ。 夜も近くなってパーク内の雰囲気も大分変わってきたような気がするよ。 せっかくだし僕達も装いを変えようか
(ワッフルを食べ終えた後は目星を付けていたものや興味惹かれるままアトラクションを選ぴ、楽しんでいた。屋内から外に出て陽が徐々に落ちていくのを見る度に浮ついた態度をお互い取ってしまっていたのは気のせいではないだろう。そうして過ごしていれば日は落ちて辺りが茜色に染まる。薄明の頃に差し掛かれば空は幻想的に色付き園内の作り込まれた建物と相まって思わず立ち止まってしまうぐらい美しい景色が広がっていた。電灯が灯りはじめれば昼とは違った印象になり、別の場所に来てしまったような感覚にもなる。目的地も無く歩いていたが水辺の近くで夕日が沈むのを見届け終わると感想を呟く。ふとあることを思い出せば相手の方を向き、上機嫌に昼間に被り物と一緒に買ったカチューシャを見せる。せっかく買った訳だし、どちらも楽しまなければ勿体無いだろう。お互いの頭から被り物を外し大事にしまい込むと代わりに相手の頭にカチューシャを取り付ける。大きなネズミの耳の着いた姿は可愛らしく「やっぱり似合ってるよ、翔太郎」と告げて)
あぁ、あの城も一層幻想的に見えるな___お前も似合ってるぜ、フィリップ。これでまたお揃いだ
(水辺の柵に肘をついて寄りかかり、そこから見える非現実的な風景を眺めていればやがて日は落ちて空は暗くなる。メインストリートから少し奥まった場所にあるここは本来あまり長居する場所では無いのか照明が少ない。その代わりに木々の間からはこのパークの中心にそびえ立つ城が見えた。暫しその光景を見ていると相手から上機嫌な声が聞こえて向こうへと目を向ける。相手は二人の頭に乗っているキャップを取り、代わりに大きな耳のついたカチューシャが取り出した。目一杯楽しむためにと買ったもうひと揃いのグッズだ、そろそろこれを付ける頃合いだろうと思いつつもこれならば昼間の時のように顔を近づけても止められる事は無いと邪な考えがよぎってしまう。考えを顔に出さないよう努めつつカチューシャが付けられ褒め言葉が送られると少々照れくさそうに小さく笑みを浮かべる。一人だけ付けていても恥ずかしいだけだと相手の分を手に取ると、こちらからも頭へと付けてやった。大きな耳に加えて、大きなリボンが加われば愛らしさはまた増してこちらからも褒め言葉を送る。そのタイミングで園内放送が響く、もう少し日が落ちた時間に夜のパレードを行うという案内だ。つまり園内の客はパレードを見るためメインストリートに移動していくわけで、ここにはより一層人が寄り付かなくなるだろう。パークを楽しむならばパレードが見える場所へ誘う所だ、しかし人がどこかに集中すると言うならば二人きりになれる絶好のチャンスということ、頭には当然昼間の約束が過ぎる。園内放送の後暫く黙っていたが、最後には「これでまたお揃いだな」とパレードに誘うことはせず代わりにカチューシャをつけて目元を隠してしまった前髪を目にかからないように整えてやって)
それは良かった。こちらの格好でも目一杯楽しまなくては。…、…そうだね。…翔太郎、僕たちは少し夜景を見て行かないかい?
(相手の頭にカチューシャを付けると照れ臭そうに笑う。自分の分は相手に付けて貰えば大きな耳をつけた2人組が誕生してアヒルの被り物同様、この場所ならではの格好を楽しもうと意気込んでいた。そんな中園内に設置されたスピーカーから放送が流れる。その中で案内されたパレードに関しては軽くではあるが検索済みだ。アトラクションと並んでこのパークの目玉コンテンツであり光や音楽と共にキャラクターが乗り物に乗ったりしながら登場する興味深いイベントだ。他の場所では滅多に見られないパレードは普段なら直ぐにでも飛び付き相手の手を引いて一番乗りの勢いで駆け付けただろう。だがそれよりも脳裏を過ぎるのは昼間の約束だ。パレードに興味惹かれることは相手も十分分かっているだろうに何も言わない。放送が終わって静寂が二人を包む。様子を伺うように相手に目線をむけていれば放送など無かったように言葉の続きを語り目に掛かった前髪に相手の手が触れて整えられる。その行動を見ていればドライバーが無くとも相手の考えている事がわかるような気がした。何故なら自分も同じ事を考えているからだ。一度迷う様に視線を伏せるが再び真っ直ぐと僅かな欲を覗かせた瞳で相手を見据えて名前を呼ぶ。そしてそれらしい理由を取り付ければパークの中心から逆方向、細く入り組んだ建物の裏の方を指さすと誘いをかけてみて)
………あぁ。パレードまでまだ時間あるし、今日は散々騒いだからゆっくりするか
(前髪を整えてやりながら相手の反応を待つ。普段ならば聞き慣れない単語であるパレードに興味を示し夜のパークでしか見ることの出来ないものだと知れば、相手は真っ先に見に行こうと言い出すだろう。だが相手から返ってきたのは二人の時間を過ごす選択だ、そして当然その意味も理解している。こちらと同じものを相手が望んでいるのだとその事実だけで鼓動が早くなるのを感じる。夜景を見るという理由付けにこちらも長々とそれが良いと返事をした。本心と違う事を言う時ほど人は多くを語ってしまうというものだ。相手が指さした方が夜景を見るのには適した場所かは分からないが、二人きりになるにはきっと良い場所だろう。お揃いの姿になった相手の手を取れば指を絡ませしっかりと握って歩き出す。多くの人がパレードのため明るいメインストリートを目指しているであろうなか、入り組んだ建物の間を抜けて裏手の道へと入っていく。街灯も少なく当然人の気配はない。昼の約束がまた頭の中をリフレインしながら自然と鼓動と相手と繋ぐ手の力は強くなっていって)
…この辺だろうか。翔太郎、…続きしても良いかい?
(夜景が見たいというのが単なる理由付けであることなど探偵でなくてもバレバレだろう。相手から返ってきた言葉も何処か言い訳を並べているようで何を望んでいるかは容易に読み取れた。手が取られ指を絡ませるようにして繋ぐ。夜になり下がりつつある気温の中で相手の手が異様に暖かく感じればこれから行うことの予感に鼓動は早くなっていく。手を握り返しながらも建物の間を抜けて裏の通りに辿り着く。メインの通りからは離れ最低限のライトアップされていないこの場所はよっぽどの物好きで無ければ寄り付かない所だろう。2人の足音だけが聞こえていた場所でゆっくりとその足取りを止め相手に向き直る。今から行うのは衝動的でも偶発的でもない、平和な園内の賑やかな場所から離れ自らの意思でする二人だけの秘密の時間だ。その背徳感により鼓動が早くなっているのを感じながらも半歩近付いて相手の名を紡ぐ。もうこの行為を止める理由はない。頬に手を添え伺うように尋ねるが燻っていた熱は限界に近く、結局は答えを聞く前に突き動かされるままゆっくりと唇を重ねて)
だな……、フィリッ……、…
(人が集まり楽しい時間を過ごす場所の片隅にある暗く静かで人の居ない一角、二人の足音だけが響くようになった所で相手の足が止まってこちらも向こうへと向き直る。おおよそ夜景を見るのに適した場所ではないが、二人の望む事を考えれば互いの顔がぼんやりと見えるこの場所が一番良い所だろう。既に鼓動は早いのに手を添えられ名前を呼ばれれば、それだけで次に何が起こるかを察してまた血の巡りは早くなった。相手の名前を呼ぼうとするがその前に互いの唇が重なる。今日幾度となく奪いたいと思ったそれがようやく触れ合うとそれだけで至福の息が漏れだした。早々に唇だけの触れ合いでは足りなくなって繋いでいた手を一旦解くと相手の体に腕を回して抱きしめ触れ合う部分を増やす。唇を僅かに離して直ぐに重ねこちらからも口付けを送れば、大切なものを愛でるように背中をゆっくりと撫でていて)
(/お返事な大変遅くなってすみませんでした…昨日昼の用事のあとそのままダウンしてしまったのですが、本日は問題なくお返事出来そうですので二人の秘密の時間楽しむことができれば幸いです。よろしくお願いします!/こちら蹴りで大丈夫です!)
…ん、…やっと出来た…。
(いざ許される場所に移動すれば言葉を交わす僅かな時間すら惜しい。触れた唇は今日何度も欲しいと思った柔らかな感覚をしていて胸の中に幸福が溢れる。繋いでいた手が解かれ背中に回されると抱きしめられた分、相手との距離が近付いてより強くその熱を感じられるようになる。僅かに離れ再び重なる唇。何度もお預けをされて焦らされた欲求がやっと叶った口付けは甘美な味がしてこちらからも求めるように腕を背中に回し抱き着きながらその味を求める。今度はより長く唇を重ねてからそっと離すと漸く得ることの出来た幸せに瞳を煌めかせ笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ。だが燻っていた欲は一度や二度の口付けでは発散しきれず視界いっぱいに相手を映しながらももう一度唇を重ねて)
(/いえいえ、季節の変わり目で体調第一ですのでお手隙な時にお返ししてもらえれば十分です。夜のパーク内も是非お互いのペースで楽しめたらと思いますのでよろしくお願いします! 蹴推奨です。)
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