検索 2022-07-09 20:46:55 |
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おい気をつけろよ、紐ついてて良かったな。あっ……俺はまだ味見しても良かったけどお前がそういうなら仕方ねぇ。ま、これでチャラだな
(一粒の間隔を開けて口付け未遂をし互いの唇が触れたポップコーンを奪い取ってしまえば相手の顔はみるみる赤くなっていく。仕掛ける側となれば余裕は十分にあって愛らしいキャップにバケットに加え真っ赤に染まった顔はさらに追い打ちをかけたくなるような可愛さだ。音を立ててバケットが相手の手からずり落ちるとバケットの中でポップコーンがざわめく音がして、それさえも相手が動揺している証拠に思えればしてやったりのニヤケ顔は我慢できなくなってしまった。相手を窘める事を言うもそこに本心はなく先程してやられた分をきっちり返すことができて気分も上々だ。こちらがニヤケているうちに相手はポップコーンの蓋を閉めて逃げるようにこの場を立ち去ってしまう。慌てて相手を追いかければその手を取って繋いでしまいブラックペッパー味と同じく何度でも繰り返したくなる行為だと追撃のように言い添えておく。実際はあれ以上やればこちらの恥ずかしさが勝ってしまうように思うがここはハッタリというやつだろう。これで相手への借りもなくなり気分爽快のまま人の流れに従って歩きつつ「で、どこいくんだよ?」と肝心の目的地を聞いて)
、味見し過ぎたら待つ時に食べる量が減るだろう。 ……それは、アレだよ翔太郎。今日は風.都.だけでは無く地球を守るというのはどうだい?
(状況としては先程自分が仕掛けたのと一緒だがされる側となると話が違う。これ以上の追撃とにやけ顔から振り切るようにその場から立ち去ろうとするがその手は呆気なく捕らわれてしまう。これからも一緒に園内を回るのだから今逃げても仕方ないのだが動揺した頭ではそこまで思考が回らない。それらしい言葉で反論しつつも手は軽く握り返してから人の流れに沿って進んでいく。何も考えずに歩き出した中で目的地について問われると思わず立ち止まって迷ったように目を泳がす。適当に歩いてたどり着く程園内の土地勘は無いが今からガイドブックを見せて欲しいと強請るのも逃げていると思われそうで避けたい。どうしようかと周囲に目線を向けたところで宇宙船をモチーフした建物と玩具をテーマしたキャラクターが目に入る。下調べした際にそれとなく目星をつけていたアトラクションだ。これ幸いとそちらを指差すと最初からそれが目的とばかりに相手に声をかける。アトラクションのストーリーを思い出せば相手の賛成を煽るように言葉を続けてみて)
ま、それもそうだな。後のお楽しみに取っとかねぇと。ん…?ほぉシューティングゲームってとこか。よし、なら地球丸ごと救ってやろうぜ
(手を捕まえて覗き込んだ顔は未だ動揺が収まっておらず、余裕のあるこちらはそれらしい言い訳を言う姿を楽しむことさえ出来る。今回はこれで勘弁してやろうと相手の言うことに同意しつつも後を引くような台詞を返しておいた。計画なく歩き出したはずだがそれさえも誤魔化す気のようで覗き込んだ目は右往左往するのに何も考えていなかったとは言い出さない。相変わらず楽しげに小さく笑ったままその様子を眺めていたが、やがて相手の目線はある方向で止まり指さされた方向を見やった。あれはこちらも下調べの際に目星をつけていたアトラクションだ、今行き先を思いついただろと追撃することも出来たがここはその言葉を飲んでやり、代わりに世界観に乗っかった返事をしておいた。建物の中へ入って列へと並べば宇宙の世界と玩具の世界とが混じった騒がしくも楽しげな空間にテンションも上がっていく。壁に的の点数を解説するボードが掲げられており「点数が出るなら罰ゲーム賭けて勝負するか?」と上機嫌なままに勝負を持ちかけて)
…なるほど、この的を狙うわけだね。その勝負、勿論受けて立とう。罰ゲームの内容は勝者が決めるという事にしようか、今からその内容を考えておかなくては。
(目的地としてそのアトラクションを指させば相手から前向きな返事が返ってくる。ひとまずは疑いを誤魔化せたようだ。密かに安堵しつつも建物に入って列に並ぶ。おもちゃと宇宙が混ざりあった世界観の内装はアニメ調の色使いで先の二つのリアル感を追求したアトラクションともまた違った雰囲気を感じる。隣の相棒がテンション上がっていくのにつられてワクワクしていると世界観に合わせてゲームの内容の説明がなされる。基本的には光線銃で特定の的を撃ったらポイントが自動的に加算されるのだが、その的の種類によってポイント数が異なる。射的同様難しい的ほど高得点という訳だ。ポイントごとのランク付けも提示されていて俄然やる気が煽られる。そんな中で相手から勝負が持ちかけられると得意げな笑みと共にそれに乗っかる。銃の扱いはそれなりに長けている自信はある。罰ゲームに関してお互いの意欲を高める為にも勝者が決める物だと定めれば既に勝った様な心意義でニヤリと笑って宣言しておいた。キャラクターから現状の説明を受けると暗めな場所に移りいよいよ乗船だ。今回のアトラクションは1グループに1台のようで動く歩道からクルーザーに乗り込めば「これが銃か」と設置されていた銃を手にして)
ふ、上等だ。ト.リ.ガ.ー.メ.モ.リ.を持ってる身としちゃ負けられねぇな、覚悟しとけよ?___よし残らず撃ち抜いてやるぜ
(先程相手に反撃をした勢いそのままで罰ゲームを持ちかけたが相手からは好感触な返事が返ってくる。それどころかもはや勝ったも同然の顔をしていればこちらも闘志を煽られるというものだ。あくまでもクールに努めようと女の子のアヒルのキャップを被っていることは気にせず、軽く左手を振ってニヒルに笑うとこちらも退く気はないと宣戦布告をしておいた。気合いの入ったところで小型宇宙船を模したクルーザーに乗り込み設置されている銃を取り出す。ちらりと相手を見遣れば向こうも準備が出来ているようだ、気合いを入れるように呟いたあと脇をしめて銃を構える。やがてクルーザーはゆっくりと暗く開けた場所に移動してブラックライトで照らされた玩具の巨大ロボットが現れる。ロボットの体にいくつか的が見られるが、仲間の船に攻撃しようと伸ばされた腕には回転ノコギリがついていてそこにも的があるのを見つけた。乗船前にみた説明書きを思い出せばより高い得点なのはノコギリの方だ。味方を襲わんとしている武器のほうに光線銃を向けトリガーをひけば、ピュンと高い音と共に回転している的が点滅し命中を示す。思わず「よしっ!」と声をあげた後暫く回転ノコギリを集中的に攻撃していて)
さて、ゲームスタートだ。的の当て方はこんな感じだね…スティックは…これか。多くの得点を取った人が勝ちなら妨害もありだろう?
(お互いに勝負を取り決め宣戦布告をし合うとアトラクションの開始だ。暗めの室内にブラックライトで照らされた玩具のロボットや星のような煌めきは世界観を十分に演出出来ていていつもなら観察するところなのだが罰ゲームが掛かった戦いでは的の方に注目がいく。手始めに設置してある的で使用感や判定の感覚を掴めば早速本番だ。目に見える的を撃っていくがふと隣を見れば回転しているノコギリに設置されている高得点の的を狙っているのに気付く。だがこの位置から自分が同じ的を狙うのは難しい。最後に高得点だった人が勝ちというルールの上で勝つ為には自分が得点を重ねる事と同じくらい相手に得点を取らせないということも重要だろう。乗り込む前に見たクルーザーの説明を思い出すと中央部のジョイスティックを捻って操作する。すると機体は右回転を始めて自分の位置から狙いやすい巨大ロボットが斜め前に来る場所で手を離す。上下に動くロボットの手に高得点の的を見つければ光線銃を向けそこを集中的に攻撃して得点を重ねていき)
なにっ?!そんな機能あったのかよ!……させるかッ!
(回転する的であれタイミングさえ掴んでしまえば連続で命中させるのもわけは無い。確実に高得点の的を射抜いていたが、突然クルーザーが予期せぬ動きをして思わず声をあげる。隣を見れば相手が中央にあるジョイスティックに手をかけているのが見えて妨害されたのだと悟った。得点を気にするあまり的の得点の説明は見ていたがクルーザーが動くという説明は見逃していて、見事に狙いを外されてしまうと悔し紛れに抗議の声をあげる。だがジョイスティックは二人の間にあってどちらも動かす事が出来る位置にある、つまりはこちらからも相手を妨害することが可能というわけだ。罰ゲームがかかっている以上は容赦する必要はない。良い位置取りでロボットの的を打ち続けている相手から次に狙うべき的へと目を向けるとその位置を確認する。少ない得点ながら近場にある的をいくつか撃ち抜いたあと、打てる的がなくなったタイミングで今度はこちらがジョイスティックを操作してクルーザーを回転させた。エネルギーバッテリーが並び動きの少ない狙いやすい的が並んだ位置で、相手をなるべく的から遠ざけるよう斜めにクルーザーを止めると目と鼻の先にある的を片っ端から撃ち始め)
説明はよく見ておくべきだよ、翔太郎。 くっ、だがここからでも正確に当てれば問題ない。
(クルーザーが動けば当然狙いもブレる。狙いやすい位置から的を撃ち抜きながらも妨害出来たことに得意げな言葉を返す。デジタル表記されたスコアは一歩リードのままロボットの前を通り過ぎていき次なる的を探す。だがその瞬間今度は相手がジョイスティックを操作してクルーザーは回転し、この位置からは横一列に並んだ的が狙いにくい意味で止まると思わず声を上げた。その間にも確実に得点を積み重ねていく様子に焦ってしまうも相手にくっつくような形で身を乗り出して腕を伸ばし負けじと的を撃っていく。そのままこのアトラクションの宿敵であるキャラが攻撃してくるエリアに移動してくると相手の手に重ねる形でジョイスティックを持ち、クルーザーが正面になるように操作する。「これくらい慣れたものだ」など言いながらも動く的を正確に狙ってトリガーを引き)
得点さえ勝っちまえば問題な、…おい!なら、お手並み拝見といこうじゃねぇか
(クルーザーが動くとは不覚だったが驚くのも初回だけだ。仕組みさえ頭に入れておけば不意打ちにも対応できるというもの。有利な位置で確実に得点を重ねていたが相手がこちらへくっついてきてさらにジョイスティックの上で手が重なれば二人の差異はほとんどなくなってしまった。また声をあげ抗議を示すも相手は余裕の面持ちで動く的を狙っている。クルーザーはさらに進んでクリーチャーが多く蠢くエリアへとやってきてそこら中に的が漂っている。得点は僅差で負けていて早く追いつきたいところだ。的を狙ってトリガーを引くことは二人で一人の状態でよくやっていることではある、それならばより難易度をあげてなお得点をあげられる方がこの勝負を制するだろう。ニヤリと至近距離にいる相手に怪しげに笑ってみせたあと、ジョイスティックを思いっきり右へと倒しそのままでキープする。当然クルーザーは止まることなく回転を始めてその状態のまま高得点の動く的を撃ち抜いていき)
え、…なるほど、了解した。どんな状況だろうと正確に撃ち抜いてみせよう。
(罰ゲームが掛かっていれば全身全霊でゲームに挑む。と言っても普段銃を使う時は二人で一人、同条件での射撃の腕はほぼ同等と言えるだろう。追い上げてくる得点を何処かで引き離さなくてはと密かに焦っていると相手がニヤリと笑ってこちらを向く。そのまま相手がジョイスティックを操作すると機体は回転を始めてしまい一瞬驚きの声をあげてしまう。だがすぐにその意図は掴めてニヤリと笑い返す。更に縛りを加えることで単純な腕くらべという訳だ。改めて宣戦布告を行えば銃を構え直して的を狙う。高得点の的は動いていることが多く、両方別々の動きをしていると当てるのはかなり難しい。手頃の的で確実に点数を重ねて行きながらも良い角度になれば高得点の的も撃ち抜くようにして接戦を繰り広げていき)
グ、さすがに酔ってきたな……、…あれは……
(こちらからの宣戦布告に相手も不敵な笑みを返してきてさらに勝負は負けられないものになっていく。スティックを倒し続けクルーザーが回転する中でも動きのある的に狙いを定め確実に高得点を狙っていくが、ひとつの体で戦う同士射撃の腕は同等らしく得点は拮抗している。クリーチャーが溢れるエリアを抜けたところでさすがに目が回りそうになって倒しっぱなしだったスティックを元に戻した。次のエリアでは再び宿敵が現れこの物語の主人公たるレンジャーが一斉攻撃を指示する。恐らくここが最後の山場だろう。宿敵に取り付けられている的はどれも得点が高く未だ回り続けている頭で確実に得点を重ねていくがこの拮抗状態を脱することは出来ない。その時宿敵の胸にあるマークに目が止まった。光線銃で狙う的は全てZのマークが着いていたが宿敵の胸にも同じマークがある。マークは小さいがZのマークを狙えというならばあの胸元も的に該当するはずだ。狙いを定めるように目に真剣さを宿すと一発逆転を狙いって宿敵の胸元に照準を合わせて)
ここが最終局面のようだね、ここからは文句無しの真剣勝負だ。_ っ、1000点差で君の勝ちだ
(縛りを課しても尚得点はほぼ並んだままだ。流星群のような場所を抜ければ宿敵であったキャラクターが現れアトラクション最後の盛り上がりを演出している。ラストに相応しく設置された的の得点も高いものが多くここでの得点が雌雄を決することになるだろう。ここからは妨害なしの真剣勝負だ。気合いを入れるように呟けば正確に的を狙って得点を獲得していく。集中し過ぎて無言になってしまいながらも宿敵の肘辺りに高得点の的を見つければ連続してトリガーを引く。相手は別の所を狙っているようだがそれを確認する余裕もない。上の方にも見つけた的を最後の最後まで撃っていたがやがて宿敵が無事捕らえられた事を示すエリアに移動してゲームは終了だ。ミッションクリアしたことを称えられながらも銃を元あった場所に戻し肝心の得点を確認する。ランク表を見る限りはなかなかの上位のようだが問題の相手の得点よりも1000点低い、つまり後半の的1枚分の差で負けだ。悔しそうに負けを認めるがそれ以上に熱中して勝負に挑んだ達成感と楽しさが胸を占めていると自然と笑みが浮かぶ。案内に従ってクルーザーから降りると「楽しかったね、翔太郎!」と負けたにも関わらず笑顔で相手に話しかけて)
くそ、負けられねぇ…!____よしッ!俺の勝ちだ!
(小さな胸元のマークを狙っては見たものの的が反応する事はなくその間に相手が確実に高得点をあげているのが横目に見える。宛が外れたかと周囲のマークに狙いを切り替え互いの得点を確認する余裕のないままゲームは終了した。銃を元に戻してようやく落ち着いた所で二人の得点を比べれば思わず目を見開いた。こちらが宿敵の胸元を狙っている間相手は着実に点数を重ねていて最後の追い込みだけでは恐らく足りなかったはずだが、結果的には相手の点数を上回る結果になっていた。読みは悪くなかったらしい、目の前に二人のランクも表示されなかなかの点数であることが示されればそれでもなお僅かに競り勝った事が嬉しくて思いっきりガッツポーズを決めていた。この白熱した展開に興奮冷めやらないようで相手の顔も満面の笑みのままだ。当然こちらも存分に楽しんだのだが大切な事を忘れてはいけない。「罰ゲームのこと忘れてねぇだろうな、フィリップ?」と笑顔の相手に向かって勝ち誇った笑みのまま問いかけて)
まあ…ちゃんと覚えてはいるよ。勝ったのだから好きな罰ゲームを決めるといい。 だけど結果は僅差だったのだから無茶な罰ゲームは無しだ。僕の可能な範囲のものにしてくれ
(手数としてはこちらが上回っていたと思うのだが結果としては逆転されてしまっている。何処か自分の知らない高得点の的があったのだろうか。だが慣れた射撃で相棒と接戦を繰り広げた興奮は冷めることなく上機嫌な笑みのままに建物を後にする。暗めの室内から明るい外に出たところで罰ゲームの話を勝ち誇った顔で振られると一瞬動きが固まる。ただの勝負なら勝った負けただの騒いでここで終わりだが今回は罰ゲーム付きだ。それも調子に乗って勝者がその内容を決めると自分が言い出していたのを思い出せば若干歯切れ悪くも覚えていると返す。約束通り相手には罰ゲームを決める権利を与えるべきだろう。仕方ないとばかりに相手にその事を告げるが更に言葉を続ける。基本的に常識的でハーフボイルドな相棒であるが時折変な方向に突っ走りがちでもある。そのノリで実行するのに躊躇するような罰ゲームを課されても困る。それにあと数発外していれば自分が勝者になっていたほど僅差の勝負だったのだから罰ゲームの程度も軽くあるべきだろう。そんな根拠の元やけに嬉しそうな笑顔を見せる相手に釘を刺しておきながらも罰ゲームの内容を伺って)
そんなに心配すんなよ、無茶は言わねぇって。このパークにプリンセスって所謂王女様がいっぱい居んだろ?そのプリンセスの誰かと王子様っぽいポーズで写真撮るのが俺からの罰ゲームだ
(満面の笑みを浮かべていた相手は罰ゲームの話を出せばピタリと動きを止める。相手にはこちらが考えた罰ゲームをこなす義務があるわけで、こちらといえばポップコーンの一件から絶好調だ。上向きっぱなしのこちらを警戒してか釘を刺すような事を言われるがひらりと軽く手を振ってその言葉を受け流す。罰ゲームを持ち出した時からその内容は決めていて人差し指を立てつつ説明をすれば最後にはビシりと相手を指さした。このパークならではでいて羞恥心に打ち勝たなければいけない類の罰ゲームだ。しかもプリンセスは大抵王子様とセットで行動しており彼を振り切る必要もある。極めつけはプリンセスはパークを比較的自由に歩いていて周囲の目の中で写真を撮らなければならないのだ。自分では絶対にやりたくない類の罰ゲームに「準備できたら行こうぜ王子様」と楽しげに笑いながらからかい混じりに言って)
王子様っぽいポーズってあまり想像がつかないのだが…。まあ分かったよ、それらしい写真を撮れば良いのだろう? …すぐに終わらせよう。
(相手から提示された罰ゲームの内容に思わず眉を顰める。要はパーク内のプリンセスと共に写真を撮ればいいのだがそこに付随する【王子様っぽいポーズ】は正直ぱっと浮かばない。そもそも童話などにも馴染みがなくプリンセスの憧れの恋人と言ったニュアンスや軽くテーマパークについて調べた時の知識しかない。だがそれが日常離れした事であることと写真に収めなければ行けないことだけを理解すればますます表情を悪くなる。だが罰ゲームをやると言い出した以上やるしかないだろう。ため息混じりにその条件を承諾すれば早速どうすれば終わらせられるかを考える。心底楽しそうにからかうように王子様呼びする相手を見ればますますその決意は固まるばかりでぽつりと呟く。あまり気は乗らないがそのプリンセスの誰かを見つけないことには始まらないだろう。「プリンセスを探すの手伝ってくれ」と相手に頼めばなんとなく彼女達が居そうな城の近くへと歩き出して)
そうだな、膝まづいて手を取るとかダンスするとかが王子っぽいんじゃねぇか?ガイドブックによりゃ……___お、ちょうど散歩中みたいだ
(罰ゲームの内容を告げれば相手は明らかに顔色が悪くなる。普通にパークを訪れるだけならば絶対にやらない事だが実行が不可能な罰ゲームではなく、相手の出した条件には合致しているだろう。相手とは正反対の明るい顔で王子様っぽいポーズをレクチャーしつつ城の方面にむかって歩き出す。ガイドブックにはランダムに歩いているキャラクターのことも記載されていて、彼女らはおとぎの世界をモチーフにしたエリアにいるらしい。誰に出会えるかは運次第だがプリンセスであれば問題はないだろう。暫く歩き城の裏手にきたあたりで人だかりを見つける。その中心には煌びやかなピンク色のドレスを纏っているお姫様と隣で微笑む王子様がいてちょうど来園客と写真を撮っているところだ。ガイドブックを参照すれば魔女の呪いによって眠りについていたお姫様らしく、しかも王子様の方は相手と名前が同じだ。思わぬ偶然に「運が良いなフィリップ王子」と揶揄う口調は止まらず、後は相手のタイミングに任せこちらはバ.ッ.ト.シ.,,ョ.ッ.ト.を取り出しいつでも準備万端でいて)
彼女がプリンセスか。…これは持っていてくれ、行ってくる。
(自分が指示する側なのをいいことに随分とご機嫌だ。レクチャーされた王子様らしいポーズはどれも日常ではしない行為でいまからしなければならないと思えば気が重くなってきた。罰ゲームを実行するため居る可能性が高い城の裏手にくれば目的のプリンセスと王子様がいてその周りには女性客が募っている。2次元をそのまま現実に落とし込んだような姿で写真を撮りたがる人の気持ちも分かる。隣で相変わらず茶化しながら撮影の準備を始める相棒にこうなれば相手が羨ましがるぐらい王子様らしいことをしようと前向きに気持ちを切り替える。覚悟を決めたように息を吐くと首から下げていたバケットを相手の首に掛け被り物も預けると彼女達の元に向かう。女性客ばかりの中に混じり順番を待ち、撮影を終えた人が避けるといよいよ自分の番がやってくる。「一緒に撮影しても良いですか?」と彼女に問えば王子の方を向いた後笑顔で頷かれ王子も少し警戒するようにこちらを見るもまだ余裕そうな表情だ。王子様らしいポーズ、こうなれば堂々とやりきるしかないだろう。一歩彼女と距離を詰めればそれらしく片膝をついて身体を落としその手を優しく取る。直後周りの客から歓声のようなものが聞こえてくるが羞恥を押し切ってその手にキスの振りをするように僅かに顔を近付ける。視界の端で王子が慌ててるような様子が見えるも待機しているであろう相手に撮影するよう横目で合図を贈り)
おっと…最高の一枚を期待してるぜ?
(人々に囲まれたプリンセスは本当におとぎの国から来たかのように美しく眩しくて自分であれば話しかけるのさえ気合いを入れる必要がありそうだ。その彼女に話しかけ王子様として写真を撮るなんて考えたくもない。だが今回ばかりは高みの見物だ。覚悟のこもった一言にいよいよかと笑みを浮かべているとバケットを首からかけられキャップも預かる事となる。王子様なら可愛らしい装備は不要ということらしい。女性客が多い中満を持して輪に入っていく背中を見送りつついつでも写真が撮れるようこちらもその輪に近づいておく。やがて順番が回ってきて紳士的にプリンセスに話しかけた後相手はこちらの教えた通り跪いて手を取り、さらにはその手に口づける素振りをみせた。突然王子のような仕草をする男の登場に周囲の客は湧いていて、この状況下で堂々と罰ゲームをやりきる相手の根性には素直に感心していた。相手の格好は奇抜ながらもそれが非日常のこの空間とも合っていて不思議なことにプリンセスとも釣り合って見える。異様な盛り上がりの中相手の合図を受けてシャッターを切ればプリンセスに傅く王子としてなかなか良い写真を収めることが出来た。プリンセスが嬉しそうに感謝を伝えると共に胸に手を当て優美にお辞儀するのもまた絵になるものだ。王子様として写真をとるミッションはバッチリだろう、撮り終えたことを伝えるように相手に向かって軽く手をあげ合図を送って)
…ありがとう、とても良い写真が撮れたよ。 __ 満足したかい? …僕のお姫様。
(周りの反応を見るにちゃんと提示された通り王子様らしい格好は出来ているのだろう。こういった少し変わったゲストの対応も慣れているようで優雅に感謝を伝える仕草はまさにプリンセスだ。相手の方を向けば上手く撮れたらしく合図が返ってくれば立ち上がりこちらからも軽い笑みとともに礼を伝える。罰ゲームではあったがこれもこの場所でしか出来ない貴重な体験だ。彼女を取られ少し不機嫌そうな王子に立ち去るから心配要らないと告げてから相手の元に戻ろうとする。だが目立つ行動をした自分の行方を追う幾つかの視線に気付けばふと良い案が浮かんだ。いつも二人で一人ならば先程から調子に乗っている相手にも多少同じ目にあってもらわなければ。 相手の元にたどり着けばいつもの調子で問いかけるも答えを聞く前に先程と同じく目の前に膝づいてバ.ッ.ド.シ.ョ.ッ.トを持っていた方の手を取る。そして今度は手の甲に軽く触れるだけのキスを落とした。こちらに向いていた女性客が密かに湧きざわめくのを感じながらも手を持ったまま立ち上がる。先程王子様と呼ばれた意趣返しに可愛らしい被り物とバケットを首から下げた相手を楽しげな笑みと共に真っ直ぐと目を合わせお姫様呼びしてみて)
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