霧に紛れた本音　〆　

ははっ、心配性だなぁ。君に秘密を守るよう約束を持ち掛けた僕が
言うワケないでしょ。

（なぜだろうか。
だんだんこうして悠君と話していると、自分の中でがんじがらめになって
渦巻いていたどす黒い感情がほんの少し消えていくような感覚になっていく。
都会から田舎に飛ばされ荒みきった僕の心が、人間味を取り戻したように感じた。
これが昔は知りもさえしなかった人との繋がりの暖かさというものなのだろうか）


す、凄い落ち込むね。……参ったなぁ……じゃあ、
堂島さんには話しておくからさ、今日僕ん家泊まる？アパートだし狭いけど。

（一瞬自分自身でも何を提案しているのか分からなかったが
妙に残念そうな相手の顔を見てそんな言葉がつい口をついて出た）


……明らかヘンだよ。こんなの誰かが見たら誤解するって。うん。

（こんな深夜だ、誰も通っていないのは当然だが流石に
この状況を客観的に見れば変な空気が漂っているのは言うまでもなく）

…それは確かに。じゃあさっきのも含めて二人の秘密ですね。

（先程の約束のことを考えればお互いに秘密を守り合うことになり頷いて。彼と自分だけが知っていることがあるという事実が仄暗い欲を満たすようで悪いことをしているような気持ちにもなる。仲間の誰も知らない面を見せられる彼に内緒話のように告げて）

…、良いんですか？ 行きたいです

（予想もしなかった彼の言葉に分かりやすく動き固まり何度か瞬きして。彼の移住スペースに招かれるというわかり易い親密な提案に嬉しさ半分驚き半分で改めて問い直すもまたとない機会に参加を表明して）


ですよね。…足立さんの手が冷たくなくなったのでプラマイゼロだと思います

（疑問に思っていることを彼からも肯定されるとどうしようかと視線迷わせ。それでも握った手を離すのは若干惜しくて繋いだ手に目線落としながらも通じるか怪しい屁理屈をこねて）

だって一気に顔が変わったもん。「えー」みたいな。
僕とまだ話したい、って君の目が言っているんだよ？
……落ち着いていてもやっぱり子供だなぁ。

（先程の露骨に落胆した彼の様子を思い出し、つい
笑いそうになってしまうが堪えて。所詮強がりを見せていても
大人になれていない所はあるのだと思った）


う、うん。いいよいいよ。刑事に二言はない、ってね。
……あ、でもサボりの言い訳を使ってたからウソはついてたか。
（苦笑混じりに呟く反面、表情がコロコロ変わるなぁと
瞬きを繰り返す悠君を見て）

いや、プラマイゼロって……少し意味が違うような気もするけど。
とりあえず、そろそろ手離してくれると助かるんだけどなー。


（相手は何を考えて僕の手を繋いだのだろう。
『寒いから』と理由を述べていたが、少しだけ違うなにかも想像がついて。
一瞬浮かんでしまったそれを頭から振り払い、とにかく悠君へ
手を離してもらうよう促す）

だって一気に顔が変わったもん。「えー」みたいな。
僕とまだ話したい、って君の目が言っているんだよ？
……落ち着いていてもやっぱり子供だなぁ。

（先程の露骨に落胆した彼の様子を思い出し、つい
笑いそうになってしまうが堪えて。所詮強がりを見せていても
大人になれていない所はあるのだと思った）


う、うん。いいよいいよ。刑事に二言はない、ってね。
……あ、でもサボりの言い訳を使ってたからウソはついてたか。
（苦笑混じりに呟く反面、表情がコロコロ変わるなぁと
瞬きを繰り返す悠君を見て）

いや、プラマイゼロって……少し意味が違うような気もするけど。
とりあえず、そろそろ手離してくれると助かるんだけどなー。


（相手は何を考えて僕の手を繋いだのだろう。
『寒いから』と理由を述べていたが、少しだけ違うなにかも想像がついて。
一瞬浮かんでしまったそれを頭から振り払い、とにかく悠君へ
手を離してもらうよう促す）

(/背後出し失礼。またも二重投稿失礼しました……)

子供扱いしないで下さい。…足立さんとまだ話したいとは確かに思いましたけどそんな顔してませんって。

（表情の変化について指摘されると子供扱いにこれまた拗ねたように言葉を返して。彼の推測は凡そ図星だったがそこまで顔色に出ている自覚はなかった。だからこそ反論するが必死に言い張る所こそ幼さが目立ち）

やった。足立さんは結構嘘つきですよね、直ぐ見回りって言ってサボってますし

（本当のことだと分かれば表情明るくして素直に喜びを見せ。いつもは軽くテキトーな印象を受けるが過去や話を聞く限りは彼は表面を取り繕うのが上手い気がする。何処からが本当の彼なのかと興味を持てばサボりのことを例に尋ねてみて）

そうですか？ あ、すみません。…もう少し早い時間なら夜ご飯も作れたんですけど

（彼に言われると直ぐに手を離して。自分の体温を分け合って二人とも大体同じ温度だ。寒すぎる状態も解消すれば彼のアパートにお邪魔しよう、といった所で何となく彼の食生活思い出すとお節介焼きがちな所を覗かせ）

あっはは、ゴメンゴメン。機嫌を悪くさせるつもりはなかったんだよ。

（拗ねる相手に悪意のない笑いを浮かべて謝罪する。
しかし反論するその様子は子供っぽさが目立って余計に面白かった。
もう少しからかってやろうか、と悪戯心も出るがやめておこうと思い踏みとどまって）


それ、ハッキリ言われちゃうと痛いんだよなぁ……。
本当の事だから否定できないのが情けないけど。


（手を離した彼が発した言葉に対して）
うーん……今の時間じゃなんだから、夕食はいいよ。
今日はなんだか疲れたし、帰ったら寝るつもり。
君はまぁ……テキトーにくつろいでて。


（そう言ってから「さ、こっちこっち」と言って自宅に続く道へと歩き出す。

真夜中の商店街を抜けた住宅地は濃い霧も相まって深い。
その深さは、自分の闇を映しているのか。それとも世界の変化の現れか。
時折辺りを見回してはそんな事を考える。


やがて――

前方に街灯で照らされた二階建てのアパートが見えてきた。
階段を上がって自室に辿り着くとカギを開け）


ここだよ。散らかってて汚いけど、あがってって。

（先に入った入口の下には、替えの革靴やスニーカーが乱雑に転がっている。
それを見てつい片づけておけば良かったかな、と額を抑え）

俺だって高校生ですからね。
（子どもに分類されるとはいえ、もうすぐ大人に近い年齢だとあくまで主張するが笑われてもさほどイラつくことなく寧ろ好ましいとさえ思っていて）


嘘つきは泥棒の始まりですよ、…なんて。
お言葉に甘えてテキトーにくつろぎます。

（茶化したように笑えば彼に導かれるまま隣を歩く。通学路の道でも商店街への道ではない場所を歩くのは滅多になく同じ街のはずなのに新鮮味があった。
月明かりの下、彼の足取りに並んで濃い霧の中で見慣れた場所から段々と離れて知らない道を歩く行為は違う異世界にでも迷い込もうとしている様にも思えてくる。

駆け落ちという言葉が頭に浮かんですぐに消えた。

それから少しして彼のアパートにたどり着けば導かれるまま部屋に入り）


お邪魔します。……何か想像通りで安心しました。

（入口に乱雑に転がった靴。お世辞にも綺麗なだとか整頓されているとは言えない玄関ではあるが、生活感が見て取れて本当に彼がここで生活しているんだと改めて実感した。若干失礼なことを言いながらも興味深そうに部屋内見渡して）

わかったわかった、悪かったって。
（此方が悪戯っ子のように笑っていても平然と言葉を紡ぐ相手に対して
肩をぽんぽんと叩き）


人聞き悪いなぁ。刑事に説教？
……うんうん、そうして。スペース無かったら勝手に
置物とか動かしちゃっていいから。



（部屋の中へ案内した時、彼の発した言葉を聞いて）

想像通り……って、それで安心されてもなぁ。
まぁいいけど。こっち、リビングね。


（少し不服そうな顔をするも、興味深々に部屋を見渡す
悠君にリビングの場所を案内する。

リビングにはいつも見るテレビと小さいテーブル。その上には
電子レンジで温めなければ食べられないであろう唐揚げと、
飲みかけのビールが置いてあり）

足立さんのそれは絶対、悪かったって思ってない奴です。…そんなに分かりやすかったですか？

（肩を叩く彼の方に視線向けると今までの交流から気持ちがこもってないタイプの言葉だと判断し。比較的ポーカーフェイスだとか表情が硬いと言われがちな為かそんなに笑うほど表情に出ていたかと気になって）


刑事だろうとダメなことはダメですよ。
わかりました。アレな雑誌とか見つけても見ないフリしますね

（彼の言葉に頷きながらも相棒とのやりとり思い出せばさらりとボ.ケてみて）


もしモデルルームみたいな部屋だったら相当ビックリしてたと思います。はーい、…もしかして晩酌の最中でした？

（もし整頓されたホコリひとつない部屋であったならば彼の全てが嘘に見えそうで、彼の面影や性格が滲んだ部屋に酷く安心した自分がいた。案内されるままリビングに向かえばテレビとテーブル。独占男性の生活とはこんな感じなのかと新鮮さを感じながらもテーブルの上の状況に浮かんだ疑問投げかけ）

だから言ったじゃないの。意外と顔に出てるんだって。

（にやにやと笑いながらつん、と彼の鼻を突き。
こうして見ると割と可愛い所があるなと一瞬思って）



はいはい。
うん、自由に……って、そんな雑誌持ってないよ！

（最後の一言に実際隠しているのは確かだが、それを
ズバリと当てられた事でつい強く言い返してしまう）


そんな小綺麗な部屋に住めるほどのお金が無かったからね。



（彼から投げられた質問に対してはっと気が付くと）


……ああ、それ？今朝の食べ残し。
いけないいけない……捨てるのすっかり忘れてたよ。

不覚でした。でも結果的にこういう機会に恵まれたのでラッキーだと思うことにします。

（つんと鼻つつかれると反射的に目瞑るも悔しそうに呟き。だがそれを読み取られたからこそ彼の家に訪れる機会を得たのだから悪くなかったと感想告げ）


その反応は何かありそうですね。安心してください、どんな性癖だろうと俺は引きませんから。

（わかりやすい反応にニヤリと笑って。真面目な眼差しで告げるが会話内容は男子高校生そのもので）


……、明日俺が朝食作りますね。あと、定期的にご飯作りに来ます。

（夕飯かと思えば朝飯で、朝飯にしても不健康な物に思わず黙り込んでしまい。普段の食生活が見て取れて、気づいた時には口を開いて食事の用意を申し出て。妙にほっとけ無ければ決定事項のように今後のことも宣言し）

高校生が刑事の家に泊まるって、ラッキーなの？
……あ、そっか。君にとっては嬉しいんだっけね。

（先程家に泊まるかと提案した時の反応を思い出しそう言って）


そ、それをそういう真剣な顔で言われても困るんだけど……。


今日は朝メシ食べてたら急に呼び出しがあってねー。そのまま
投げっぱなしで家を出ちゃったんだよ。
……やっぱり、思ってたより仕事はキツいもんだね。
（少しだけ目を伏せて）

なんだか悪いなぁ。んじゃ、お言葉に甘えて明日は頼むよ。



え、えぇ！？まさかこれから毎日僕ん家来るつもり？


（突然宣言された彼の言葉につい大げさに驚いてしまう。自分の事を気遣って料理を振舞ってくれるのだろうが、逆にその裏に何かあるのでは無いかとも考えて。増してや今の状況は、『真犯人』の僕と事件の真相を掴もうとしている彼しかいないのだから）

嬉しいですよ。それだけ足立さんが俺の事信頼してくれてるんだなと思えたんで

（人を家に招く意味。それは親密さと同義で恥ずかしげもなくそう伝え）

すみません、でもどんな子がタイプとか聞いたことないんで気になるのはホントです。

あー…刑事さんなら有りそうですね。…良く頑張りました

（理由知れば頷くも不意に零された愚痴と弱みに瞬きすると無意識に彼の頭に手を伸ばして優しく撫でて労い）

任せてください。

毎日ってのは流石にバイトとか仲間との用事で難しいですけどできる限りは。 足立さんの為ってのもありますけど、この状況知ってて何もしないのは俺自身が何か嫌なので。
……迷惑なら辞めますけど

（仲の良い人がこの生活をしていると分かった上で何事も無く放置するのは気持ち悪い物があり。結局は自己満足の為の世話焼きなのだが、押し付けるのも何か違うと思えば付け足すようにポツリ呟き）

まあ……さっきの話もそうだけど、胸の内にしまってた事を君に話したのは
信頼みたいなもんがあったんじゃないかとは僕も思ってるよ。
それになんだかんだで話す時間は多かったし。

（率直に言ってくる彼に対して妙に照れくさくなり、後頭部を掻く）


タイプの女性ねぇ。でも今はそれどころじゃないからなぁ。
それに……　……いや、何でもないよ。

（ふと生田目に言い寄られていた小西早紀を思い出す。
高校生のくせにあんなのと――それだったら僕の方がまだ釣り合うじゃないか。
なのに生意気に拒絶しやがった。学生と大人なら対して変わらないクセに、
なんで僕じゃダメだったんだ。
鮮明に思い出すほど表情に影がかかるが、すぐに笑顔で取り繕って）


ちょっ、今度は僕を子供扱い！？
よく頑張りました、じゃないよ！手どけて！
髪もロクに洗ってないし汚れてるから！
（予想外の行動に一瞬びくりとしては慌ててどうでもいいことを口走り。
少し頬が熱を帯びた気がした）


あの時のシチュー美味しかったからねー。期待しちゃうよ？



悠君……。

いや、迷惑ってワケじゃないけど……ホント世話好きだなって改めて思ったよ。
それもこんな大人に対してさ。
何だか世話されちゃう気がして恥ずかしくなるよ、まったく。

（自分を心から気遣っているような発言に、僕は無意識のうちに眉尻を下げていた。
なぜここまでして、彼は僕を労わるのだろう。深く繋がりを求めているのだろう。
それでも、彼の言った『僕の為』という所に僅かながら嬉しさを感じて）

見掛けたら大抵の時は声掛けてましたからね。仕事以外なら俺が1番話してるんじゃないですか？

（この街が来てからの付き合いで狭い街の中では見掛けることも多く結果的には話をする回数も時間もそれなりに積み重なっている。そんな中では自惚れを口にして）


確かにそうでした。…？ 見た目をちゃんとしたらモテそうなのに。

（今の状況なら恋愛などに現を抜かすのも難しいだろう。納得しつつも何かを言いかけた彼と暗くなった表情に不思議そうにするもあまり触れられたくないのだと思えば話題を変えてみて）


あ、すみません。菜々子にするのが癖になってて…

（はっとして慌てて手を引っこめる。可愛い従姉妹が何かをやり遂げた時や上手くできた時にいつも頭を撫でるのが習慣ではあるが、ついそれが出てしまって。何故歳も性別も何もかも違う彼に重ねたか分からず恥ずかしそうに言い訳して）


あの程度であればいくらでも。何かリクエストがあれば作りますよ。


世話好きというか、俺が大切な人だと思う人には元気で過ごして喜んでほしいだけですよ。そんな俺に見つかった足立さんが悪いので諦めてください

（世話焼きだからというよりは大切だと思う人達に喜んで欲しいと思う行動が結果的に世話焼きになっている状態で。何故彼には尚更積極的に世話をやろうとするのか、自分の中で答えは分からないが緩い笑みと共に告げればテーブルの上片付けて）

確かに……うん、仕事じゃない時話してるのってだいたい悠君だ。
だからかな、僕も地味に君と話しててイヤな気持ちにならないのは。

（なんて、上機嫌気味に言ってみて。せめて自宅ではリラックスしようとジャケットを脱ぎ）


えぇ？ちゃんとって言われても……え、例えばオシャレとか？
それだと警察学校に通っていた時のメガネしか無いよ。どこにでもあるやつだけど。

（話題を変えた彼の一言に目を瞬きさせる。こんなくたびれた大人が今更オシャレなどしてモテるものだろうか、と思い比較的誰もがかけているようなメガネを取り出してみせ）


はぁ……急になにするの、ビックリしたじゃない。
僕は菜々子ちゃんじゃないし、君のいとこでもないでしょ？

（肩で深いため息をつくと撫でられた頭の部分を軽く触る。ほのかな温かさが伝わってきて、
両親からはこんな事されなかったな、と心の中で呟き）



本当？じゃあ、ハンバーグとか作れない？冷蔵庫にキャベツと肉はあるんだけど。
あと他は……テキトーに惣菜を買ってあるから任せちゃうよ。

（リクエストと聞かれてぱっと思い浮かんだのはハンバーグ。
八十稲葉に来てからは口にする回数が減った為だ。
そして恥ずかしげもなく大切な人に元気でいてほしいという言葉に）


……はは、大切な人、か。そんな事さらっと言って顔から火出ないの？
けど、そうだね。もう今更逃げられないだろうし、そうするよ。


（苦笑いを浮かべて上記を述べれば、部屋の隅にある寝床に腰かける。

テーブルの上を片付ける悠君の姿と視界に映るテレビを見比べると
僕の中のペルソナ『マガツイザナギ』が反応した。
霧が濃い影響なのか、その反応は普段よりも強い。

今冷静に考えれば、ここで彼を始末してしまえば一連の事件は永久に真相が分からないまま終わる。収納棚にはモデルガンと一緒に署から支給されたスペアの拳銃もある。マガツイザナギのこの慟哭のような反応は、『やれ』という事なのだろう。


でも、僕にできるのか。妬ましいと感じながらも
心から楽しいと思った時間を過ごした悠君を、堂島さんの大事ないとこを、
僕は――。

そんな事を座りながら考えていた）

地味に、ってのは余計ですよ。でも俺から話しかけることが多かったんでちょっと迷惑かなって心配だったんですけど、そう思ってもらえてるなら良かったです。


お洒落もその一つですね、試しに掛けてみてくださいよ

（メガネは簡単だが割と大きく印象を変えるもの。せっかくなら見てみたいと掛けることを強請って）


そうなんですけど、…何か似てるなと思って。
菜々子が疲れてそうな時とかこうするとちょっと喜ぶのでつい…

（従姉妹でもましては自分から褒めてあげるような歳でもないのだが、我慢強いけどついポロリと本音が出る所とか世話を焼きたくなる所は似ている気がして。だから同じ対応をしたのだがよく考えなくても失礼な扱いに歯切れ悪そうに言い訳重ね）


基本的な奴でいいなら作れますよ。キャベツは…サラダ行きだな、まあなんかそれっぽく作っときますね

（ハンバーグ程度なら多分作れそうだと告げて。相変わらず常備されているキャベツに思わず笑ってしまいそうになりながらも献立を決めていき。足りない調味料は家かジュネスで調達しようかと考えながら告げて）


言葉にしないと伝わらないこともありますから。
素直で助かります。…明日も朝早い感じですか？

（仲間とその影に出会って学んだこと。心で思っていても伝えないと意味が無いことも多い。だからこそ自分の想いを言葉にするのは差程抵抗はなかった。
缶と惣菜のパックを手馴れたように片付ける。そこに向けられる視線も感情も気付かぬままテーブルの上を綺麗にしながら彼の回答に悪戯そうに笑った。ついでに目に付いたゴミや文房具などを片付けたり整理しながらも明日の予定確認して今から直ぐに寝るのかと行動確認して）

迷惑なんて思ってないよ。君と話していて聞き込みのフリもできたし
（へら、と笑ってはサボっていた時の事を例に挙げ）


え、今？まぁ、別にいいけど。……久しぶりにメガネするなぁ。よいしょ。……どう？

（見てみたそうに強請る彼の顔を見て、断れずにメガネをかけてみる。警察署に勤務するようになってからかけなくなったメガネ。今の自分のボサボサな髪、ワイシャツとスラックスに果たして釣り合っているのかと自分で疑問を持ち、聞いてみる）


どこがさ。僕は大人だよ？
歳も性格も全然違うのに……もしかして君、僕の事そういう風に見てた？
（少し膨れた顔をして、じとっと彼の眼を見ては上記）



うん、全然料理は悠君の好きなように作っていいから。僕は作れても
ビールのつまみになるキャベツの千切り程度だからねー。
料理できるのっていいなぁ。



……そうか。そうだね。いやいや、悠君には参りました……なんて。
うーん、明日は一応休みなんだよ。急な用事が入らなければ家にはいるかな。

（カレンダーに目を通しながらそう答える。

テーブルを片付け、その上散らばった小道具を整理している彼を見てしばらく考え込んでいたが、今日はあくまでも『寒いから泊まらせた』だけだ。いずれ機会が来れば彼に対しこうして親しくするフリはもう必要無いだろう。……だが、悠君と話している時の僕から出た言葉や嬉しいといった感情は、表面上作っているというのを否定しているもう一人の僕もいる。それでも、後戻りはもう出来ない。
ふう、と息をつくと寝床の上に着替えず寝そべって）



悪いけど、眠くなってきちゃったから僕は寝るよ。
……おやすみ。

（一声かけてから、僕はシーツを手繰り寄せて寝に入った。
しかし、完全に寝るつもりは無い。……眠ろうとしていても、心臓の動悸のようにマガツイザナギが唸りを上げる。その度に、胸が苦しくなる。こんな状態で眠れるはずがない。これを鎮める方法は、僕の頭の中で一つしかなくて）

(/上げ失礼します)