匿名さん 2022-07-01 23:15:18 |
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気になるって…私って何か珍しい?周りの子と比べると地味だし…。( 同じく歩幅を揃え歩き出し彼の言う気になると言うのは果たして意識して良いものなのか探るような言い方をし。門の所で止まれば同じく駅の方を指差して )私も駅の方だよ。家は駅の近く。もしかしたら向坂くんと家が近いかもね。
珍しいっていうか……つい気になっちゃうって感じ。今何考えてるのかな、とか、俺のことどう思ってるのかな、とか。( 視線を空の方に向ければ、自分の心中に合致する言葉を探すも結局あまり差異のない言葉選びになり。補足のために具体例を挙げる最中に彼女の方へと視線を戻せば、まるで具体例の文言をそのまま問い掛けているかのように数秒目を合わせて。帰る方向が同じだと分かれば表情を緩め、彼女の指差した方へと再び歩き出し )そうかもしれない。もしそうだったら、家まで送るよ。
( 相手の視線を追えば同じく空へと向け自分なりの返答を探していれば目が合い暫くその瞳に吸い寄せられ彼の言葉の意味を理解しようと慎重に訊ねて。一緒に歩けば隣に異性が居る事、自分が隣に居ていいのかと意識してしまい少し俯き )そんなに考えてくれてるんだね…その答えって今言った方がいい…?途中迄でいいよ…こんな私の家まで時間割いてもらったら悪いから。
今聞いても気を遣わせちゃいそうだから、いいよ。( 見つめ合ったまま答えを焦らすようにほんの僅かな無言の時間を設け、ふっと息を洩らすと元の笑みに戻って。気になる彼女と並んで歩く最中、自身も少し前の地面に視線落とせば相手だけに聞こえる声で )……俺が、月岡さんとちょっとでも長く話してたいんだよ。
嘘…ついてるように見えたかな。私は向坂くんの事…本当に素敵な人だって感じたよ。( 相手が息を洩らした時、過去を振り返り何か引くような事をしてしまったのかと考え再び誤解を招かないように本音混じりに述べて。俯いていれば耳許から彼の声が聞こえピタリと歩みを止めて )……それなら、ゆっくり歩きますか?
じゃあ、この先があると思っててもいい?( 微かに目見開くと、表情は穏やかながらも真剣さを灯した瞳で問い掛け。彼女が足を止めたことに気がつくと自身も足を止めて振り返り、驚きを滲ませながらも素直に頷けば、一歩一歩を踏みしめるようにゆっくりと歩き出して )……うん。
この先…どうなるかわからないけど、私は向坂くんの事をもっと知りたいって思ったし私の事も知って欲しいと思った。( その表情はとても真剣で彼の言葉の意味に重さを感じ自分なりに応えて。止まって見つめていれば頷きゆっくりと歩き出す相手に歩幅を合わせるように自分も歩み出し然り気無く話題を振り )……今日の選択授業どうだった?
……俺も同じ気持ち。色んな話、たくさんしよう。( 予想していたより何倍も好意的な色良い返答に、綻ぶような安堵の笑みを浮かべ。わざと歩みを遅らせる可笑しさと彼女からの提案のおかげで自然と口角を上げていれば、上機嫌なまま振られた話題について語り出し )今日はいくつか曲聴いて感想書くだけだったよ。月岡さん、「G線上のアリア」ってどんな曲かわかる?
うん、もしかしたら3年間じゃ足りないかもね。( 彼と同じ気持ちと今日一番の笑顔を見た気がし茶目っ気な返答をすれば此方も自然と口角を上げ微笑み。ゆっくり、ゆっくりと歩みを意識すれば振られた話題に空を見上げ考え )色んな音楽が知れて楽しそうだね。……知ってるよ、よくバレエとかで使われる曲だよね?
足りなかったら卒業後も話そう。( 軽口を言い合うような和やかな雰囲気を感じ取れば、それに乗せて願望を口にし。この時間が続くようにと願うあまり、意識せずとも歩調が緩む中、ちらりと彼女の横顔を盗み見ながら )すごい、物知りだ。俺は曲名と曲を別々にしか知らなくて、今日初めてあの曲が「G線上のアリア」なんだって知ったよ。
そうだね…向坂くんは夢とかある?( 穏やかな時間が続けばいいなと思いながらも現実的且つ自分が興味のある質問をし。相手の言葉に何回か頷き彼の顔の方へ顔を向ければ瞳が合い少し間が出来るも優しい眼差しで見つめ話を続けて )私も最初はそうだったよ。曲を知ってから曲名を知って……クラシックって意外と知らない曲名ばかりかも。
夢…とはちょっと違うけど、うち家が和菓子屋だから、それ継ぐかな。( 悩む素振りもなく、幼い頃からぼんやりと想像していた将来像を口に出し。目が合って、彼女の優しく微笑む表情に一瞬見惚れるように言葉を失うも、すぐに我に返って )だよね。聴いたことあるけど曲名知らないとか、その逆とか。……美術は今日どうだった?
家が和菓子屋なんだね…凄い…向坂くんの作った和菓子を私も食べたい。( 初めて聞く内容に目を見開き、彼の事を知った第一歩と同時に未来を想像しては珍しく力説し。相手の表情が少し変わったような気がし暫く不思議そうに見つめるも今日の出来事を話そうと )うん、本当にそんな感じ。…今日は外に出て風景を書いたよ。空にも色んな色があってね、私には難しい。
…あ、そうだ。今日時間あったらうち寄ってってよ。( 彼女の言葉で思い出したかのように眉上げると、邪悪さは無いものの何かを企むように口元に弧を描き。何気なしに空を見上げれば、発言の意図を理解しようとじっと目を凝らして )…空?
向坂くんの家に?えっとね…予定は無いから行けるよ。( 彼の誘いと表情を見つめると突然の事に少し間を起き予定など無いのに頭の中で考えてしまい、そのせいか慌てて応えて。空を見る相手を見ては同じく空の方へ視線を向け指を差しながら )うん…空って青だけじゃ無くて雲だったり今は夕焼けだったり夜は星と月があって…色々あるんだ。
うん。…あ、他にも寄ってくところあったら言って。どこでも付き合うから。( 返答を聞けば、嬉しそうににっこりと表情緩め。そのままの調子で続ければ、瞳を覗き込むように見ながら尋ね。彼女の語る言葉に空に向ける瞳を大きくすると、感心したような声を漏らして )そっか、虹が架かったり曇り空だったり雪が降ったり…確かに色々だ。…月岡さんはどんな空が好き?
…今日は特に用事は無いから大丈夫。( 瞳が合い笑顔をと思うも行くと言ったその瞬間から緊張が走っていた為か少し表情が強張り。彼の質問に深く考えどの空が好きか少し黙った後に )──私は…星と月が好きだから晴れた夜かな。特に冬の夜は空気が澄んでて夜空が綺麗に見えるから好き。向坂くんは?
分かった。じゃあ真っ直ぐ俺の家に行こう。…あ。( 思いつきを実行しようと逸る気持ちから歩調が少し速まり、それに気がつくとぴたりと一度立ち止まってから元の速度へと戻して。よく晴れた濃紺の夜空と輝く星々を青空に描くと、無邪気な子どものように自然と口元が緩み )──冬になったら見てみようかな…。…俺、は、朝方の晴れた空と、教室の中から見る夏の空、かな。何となく。
あっ…うん。……ごめんね、普通に歩いた方が良かったかな?( 隣に居るはずの彼が前へ前へと歩き出したのに気付けば視線を斜め先の相手の方へ向け歩幅を合わせようと少し足早になるも立ち止まってくれた相手の隣に再び並び歩き出しては訊ねて。相手の指先を見つめ、描くものを想像しては此方も自然と笑みを浮かべて )きっと綺麗だよ…でも寒いから暖かくして見てね。向坂くんの好きな空…私も見てみる。同じクラスだから向坂くんが窓を見てたらこの時なんだなって思うかな。
ううん、このままがいい。…って言っても、もう着いちゃうんだけど。( 気遣わしげに尋ねる彼女に、ゆるりと軽くかぶりを振って答え。しかし、先の方に慣れ親しんだ看板を見つければ僅かに眉下げて。ようやく視線を空から地上へと戻せば、その時を夢想しながら ) その時は月岡さんのところまで教えに行くよ。…授業中だったら、合図送る。
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