名無しさん 2022-06-26 12:22:50 |
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「……やってみろ。だがその前に、貴様ら全員の首を刎ねてやる。」
(龍鷹の表情は変わらず、冷淡に抑えてはいるが怒りの隠しきれない声色で答えながら男を睨み)
「勘弁してほしいな。そもそも今回の件にお前たちは関係無い、主人の用があるのはこいつだけだ」(淡々と言い返すと感情の読めない視線を龍鷹に向け「用のないお前には見逃してもらいたいものだが?」と首を傾げて)
「……俺だってそいつの生死なんてどうでもいいが、そいつは生憎と俺の主の得意先でな。俺の主が怒るんだ。」
(呆れたように肩を竦めるものの、傷が刻まれた方の瞳を細めると相変わらずの目つきで男たちを睨みつける。その頃蛇骨はマリーナから話を聞くなり白蘭に電話、マリーナを店に残して店を閉め、一歩ずつゆるりゆるりと、まさに蛇のような足取りで路地を出、龍鷹が走り去った方へと向かっていて)
「そうか…それは残念だ。……邪魔をするならお前を殺すしかないな。」(龍鷹の言い分にふむ、と考えると冷ややかな殺意を目を滲ませる。紅花を抱える仲間に「先にそいつを運んでおけ」と指示をすると拳銃の上部をスライドさせて玉を装填し)
「……はっ、殺してみろ。俺は殺しても死なんぞ。」
(龍鷹は青龍刀を正面切って構え、相手を嘲笑うように唇の端を歪める。その背後からこつん、こつん…とやけに落ち着き払った足音が聞こえたかと思えば「尓好~。悪いけどオニーサンのお得意サマだからさァ、連れてかれると困るんだよネ。」とやけに軽い調子の声が後を追うように聞こえ)
「ちっ…時間をかけ過ぎた。……何故こんなにもこいつに構う。あんた程なら得意先なんぞこいつの他に山ほど居るだろう。」(龍鷹の後ろから蛇のように現れた蛇骨の姿を視界に入れると舌打ちをする。蛇骨が現れれば他に繋がりのある者も出てくるだろうと警戒を強めれば、得意先というだけで阻止してくる蛇骨の真意を問い)
そんなノ…オニーサンの勝手じゃナァイ?
(いつものように煙管の煙を燻らせ、明確な回答を返すことはなく微笑む。「龍鷹~、紅花サンの確保。」龍鷹に指示を出すと龍鷹も困惑した様子で「…一人で大丈夫なのか?蛇…」と口を挟みかけたものの蛇骨の冷ややかな視線に貫かれ、黙って頷くと紅花を抱える男たちの方に走っていく。蛇骨はそんな姿を見送ったあと、「さァて、『悪い子』は躾け直さないとネ。」と男には薄ら寒い雰囲気の笑みを向けて)
「聞いていた通り、薄気味悪い男だ…。」(呆れた様子を示すように態とらしく方を上下させると銃口を蛇骨に向けて呟いて。一方、紅花を抱えていた男たちは路地の片隅に停めていた車の後部座席に紅花を寝かせると運転席や、空いている席に座って。男たちが何故主人が紅花を攫ってこいと指示したのか下卑た話を笑いながらしていれば、揺れと話し声で意識を取り戻した紅花が隣に座る男の首を鷲掴み、座席に押し付けながら殺気を滲ませた声色で「動くなよ」と脅し)
……くふっ、褒め言葉だヨ。
(銃口にたじろぎすらせず、いつもの風体でいつもの煙管から煙を揺らしている姿で蛇骨は一際不気味に笑う。龍鷹は車に無理やり身体を押し込むと「…助かる」紅花に視線を一瞬だけ向けると言葉少なに呟いて後部座席の男たちから順に青龍刀で首を刎ねては窓を開け、蛇骨に銃口を向ける外の男目掛けて放り投げてゆく。「蛇!紅花は確保した、後はその男だけだ!待っていろ、今…」龍鷹の声を掻き消すように薄ら寒い蛇骨の声が「龍鷹~?オニーサン一人で大丈夫って言ったよネ~?聞こえなかったノ~?」と重ねては龍鷹はぴたりと黙り込んでしまい)
「…なんだ死んだか。使えない奴らだ。」足元に転がってきた男たちの頭を無感動に見ればふん、と鼻を鳴らし。目の前にいる蛇骨が何もしてこないことに薄らと寒気を覚えるような気はするが、目的の紅花は取り返されてしまったしこれ以上ここに居ても意味は無いと判断すれば蛇骨に向けていた拳銃を降ろして。車の中では意識を失う前の記憶を掘り返しながら龍鷹の声に「うるさ…」と小さく抗議をする。頭に手をやれば、ぬるりとした感触があり頭から血を流していることと、撃たれた肩辺りが血で赤く染っていることに気がついて椅子に寄りかかって)
……つまんないノ。
(心底退屈そうに呟くと「龍鷹~、紅花サン持って帰っといてヨ。」と車の龍鷹に呼びかける。蛇骨は銃口を下ろした男をじっと眺めるとこつん、一歩踏み出したかと思えばまるで蛇が絡みつくように男の背後に回り込んでおり、唇から紫の毒々しい煙を吐き出して)
「ッ!!」(さっさと帰って主人に失敗したことを告げよう、と姿を消す手段を考えていれば一瞬のうちに背後に回られゾッと背筋に悪寒が走る。まさに蛇に捕食されるような恐怖を覚えれば体の震えを抑えるように自分の手首を掴んでいて。龍鷹は蛇骨の言葉に頷くと車の中からタオルを見つけ出し紅花の頭の傷を押さえるように当て、「歩けるか?」と尋ねる。紅花も蛇骨の言葉が聞こえたのか「人を物みたいに言うんじゃねぇよ…」と零しながら龍鷹の手を借りて車から降りて)
……知ってル?蛇ってねェ、獲物が自分より大きくても丸呑みできるんだヨ。
(するり、男の首筋と胸元に手を這わせると蛇骨は口を開き、長い舌を突き出して底冷えするような笑みを浮かべてみせる。「…オニーサンとオハナシ、しよっかァ。」声は酷く柔らかいのに瞳だけは爛々と冴えていて)
……おーい。そっちで勝手に話進めないでくれる?おにーさん。(車から降り、蛇骨の方へ歩いていれば自分を誘拐しようとした男となにやら話しているのが分かり眉を寄せ。龍鷹の腰から青龍刀を鞘ごと抜き取れば足早に歩いていき、軽く蛇骨の頭に当てて話を中断させる。傷を押さえていたタオルを落としてきたため再び血が滲みでるのと、刀を持っていない片腕はだらんと垂れ下がっていることに違和感を感じながら、自分抜きで話をしていることに不快感を示して)
血の気多いなぁ…。んで、君だけど多分小花の事でいつも楼に来てる旦那の遣いだろ?(あっさり譲ってくれたことは有難いが、血の気の多さに呆れたように息を吐き。男に視線を合わせると肩に青龍刀を担ぎ尋ねる。男が頷いたことを確認すると「じゃあこのまま帰って旦那に伝えて。『近いうちに請求しに行きます』って」と声を低くし伝言を伝えて。目には怒りと殺気を滲ませており、男も蛇骨の恐怖から顔を青くしたまま数回頷くと逃げるように姿を消して)
あっはっはっ!紅花サンも怖いねェ!
(普段とは打って変わり、大声を出す幼い笑い方をすると瞳の端に笑い過ぎで涙を溜めながら紅花を見つめ、「くふっ…オニーサンも中々だったでショ?」と楽しげに言いつつ青龍刀を返せと言わんばかりに手のひらを差し出して)
妓楼一値段の高い俺に相手させて、傷まで負わせたんだから絞りとってやんなきゃ気が済まないんですぅ。(もう用はないとばかりに差し出された手に青龍刀を乗せて返すと、龍鷹が差し出したタオルを頭に当て。「おにーさんも中々っていうか結構怖かったけど…あの男も可哀想になぁ。」と先程の様子を思い出しながら少しも可哀想とは思っていない声色で返し、貧血で僅かに揺れ始めた視界を細めて)
くふっ、今更ァ?オニーサンは怖いヨ。
(煙管から煙を吐き出し、楽しげに笑いながら青龍刀を受け取ると龍鷹の腰に戻してやり、「…ああ、そうダ。マリーナは白蘭に頼んでオニーサンのお店にいるから大丈夫だヨ。」と付け加えて)
そうか、良かった…無事着いたんだな。(マリーナには途中一人で行動させてしまったことに申し訳なく思っており、無事蛇骨の店にいることを聞くと安心して。「なら、早く迎えに行ってやらないとなぁ」と呟いて)
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