筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( 草だらけだった庭が見違えるほどスッキリしてきたことに気付いたのは作業を始めてそれなりに時間がたった頃。すずしいとは言っても身体を動かしているためそれなりに汗はかく。額に流れた汗を首に巻いていたタオルで拭くと立ち上がって一息。そんなとき背後からかけられた声に、そちらを向けば相手の姿。)
あ、はい!いただきます!
( 麦茶を、という言葉には、確かに作業中水分をとっていなかったな、なんて思うと笑って頷いて。縁側の方へと歩みを進めるとそこへ腰を下ろす。)
( 頷く様を見れば、腰を上げて台所へ。今まで他人のことなど気にせず過ごしてきた為だろうが、最初から用意して行けば良かったもののそこはまだまだ気を利かせる事が出来ていなかったようで。)
流石だな。すでに大分見違えた。
( 盆に麦茶を2杯入れてくれば、そのまま相手の隣へと腰を下ろしてコップを差し出すり
そして、前方に広がる庭を眺めれば、草を刈るだけで見違えるなと感心したように言葉を呟いた。自分の怠慢のせいで見る影も無かっただけで、これほど広いのならば様々な使い方も出来るだろう。
自分自身も麦茶に一つ口をつければ、ふぅと肩の力を抜いて例の如く寝そべった。 )
ありがとうございます。
いただきます。
( 麦茶を持ってきてもらえば、礼を言ってそれを受け取り。一口飲めば、美味しい、と声を漏らして。再び座りながら少しは綺麗になった庭を眺め、満足気に笑う。横に座る相手も、先程までとは大分変わった庭の様子に少し驚いてくれているようで、それも自分の中では達成感に繋がっている。)
良い庭です。
バーベキューとか、花火とか、家庭菜園もできますね。これだけスペースあれば。
( 先程まで考えていたことを述べてみる。家族で夏場はバーベキューなんかをしていたことを思い出して、父ならここの庭をバーベキュー場にするかもしれない、なんて考えては。)
……バーベキューか。私がやると言ったら、皆驚くだろうな。
( バーベキューや花火といった所謂賑やかで華やかな行事は決して嫌いではない。しかし、向いていないとは思う。どちらかといえば花火も静かに眺めていたいし、バーベキューに至っても、周りが楽しそうにしているのをただ眺める自分しか想像できない。
だからこそ、この庭でそれ等を開催すると言ったら、周囲は熱に浮かされていないか心配する事だろう。だが、大人気なくそれもいいな、なんて少し考える。)
家庭菜園、いいかもな。
…少なからず、何か育てれば私も少しはまともな生活が出来るかもしれない。
( その後、家庭菜園の言葉には特に反応を見せれば返答を続けて、再度麦茶を口にしようと上半身を起こせば、少しは作業を手伝おうと立ち上がる素振りを見せた。しかし、それはポケットに仕舞っていた携帯が着信を知らせる事で制されたのであった。
画面を覗けば、彼の父の名が表示されていた。)
やりましょ!俺、澄佳さんとやりたいです。
( バーベキュー、花火、家庭菜園。どれも思っていたより良い反応を示してくれて、実現できそうな予感に心を踊らせる。バーベキューに関しては幼い頃から用意を手伝っていたため、炭に火をつけることもお手の物だし、家庭菜園も野菜を育てるのは好きだ。)
…?仕事の電話ですか?
庭は、俺一人でもできるので、電話してきていいですよ?
( 麦茶を飲み干し、相手が立ち上がったのをきっかけに此方も立ち上がれば、先程途中になっていた場所に戻ろうとする。しかし相手の方を見ると着信がある携帯を片手に画面を見つめており、仕事か何かの電話だろうか、と疑問に思い。そうだとしたら、またここは自分に任せてくれればいいと付け足して。)
(/ もしよければ、お父さん役しますね!なんなら父ちゃん登場させますか?ここに笑)
……いや、仕事ではないが。
すまない。少し待っていてくれ。
( 画面の名前を一間見つめると、仕事の電話かと尋ねてくる相手にハッとして返答する。突然の着信に何事かと考えを巡らせるが、よくよく思えば、此方には息子がいるのだから様子を尋ねるために電話してくるのも当たり前だろう。
一瞬期待したものの、上記の思考を巡らせればそんな期待も淡く消え去り、呼吸を一つすれば通話ボタンを押した。)
…もしもし、先輩。どうかしましたか?
( しかし、通話に出る声は普段よりも何処か明るく嬉々としていて、表情もどこか柔らかなものがある。なんとなく、窮屈に結いあげた髪の毛を解き、風に靡かせれば相手の声が聞こえてくるのを待つ。)
( / ありがとうございます!
お父さんの登場、ありですね。笑
鈍感で優しい父親も良いのですが、実はずっと澄佳からの好意を知っていたという切ない展開が合っても良いなと少し悩んでいるこの頃です← )
( 仕事じゃない、とするなら、あんな表情を見せ固まっているくらいだ、一つの考えられるのは自分の父親からの電話ではないだろうか。自分にも昨夜電話がかかっていたが、早く寝てしまったのもあり気づかなかった。しかし、電話を盗み聞く趣味もない。また先程の場所へ行き、続きをしようと鎌を手に取る。作業を始めながら、なぜだろうか、モヤモヤする。そんな気持ちが一体何なのか分からず、無心で草をかろうとして。)
〈伊川 駿(いがわ しゅん)〉
_…あ、もしもし。澄佳?
うちの息子そっちに無事たどり着いたか?
( 電話越しに相手の声を確認すれば、昨日からそっちに邪魔をしている息子の存在について尋ねて。本当なら、菓子の1つでも持ってそっちに行きたいところではあるのだが、仕事が忙しくてままならない状況だ。「次の週末でも会いに行きたいんだけど、いいか?」なんて聞いてみて。)
(/ 最高ですね。それでいきましょ!お父さん登場させるので、そのときにでも澄佳さんが告白しちゃうとか。そのシーンを見て、翔は自分が澄佳に好意を持っていることに気づくとか…。)
( 久しぶり、といっても、同居についてお互いに連絡は取り合っていたので正確にはさほど久しぶりではないが…用がある時以外はほとんど連絡すら取らないので、耳元に聞こえてくる先輩の声はとても心地が良かった。
息子について聞かれれば「はい」と返事をして、尚も庭の整理をしてくれているその背に視線を映した。)
初日から、手伝ってもらってばかりですよ。
私が世話されてるぐらいだ。
( 家の管理や家事が条件ではあったが、既に想像以上の働きをしてもらっており、その意を素直に電話の相手へと伝えて、緩やかに微笑む。
そして、世間話を一言二言挟めば、次の言葉に一間固まって、情けない声を洩らした。)
週末、ですか…。
あ、いえ、全然、大丈夫です。待ってますよ。
( 先輩がこの家に来るのは、それこそ随分と久しぶりの事で、会いに行っても良いかと聞かれれば少しドキリとする。しかし、直ぐに会いに来るのは息子であると思い直せば、冷静に返事をした。 )
( / いいですね!ぜひぜひやりましょう*
素敵なご提案ありがとうございます! )
〈伊川 駿〉
それならよかった。
…じゃあ週末。行っとくけど翔の様子見に行くのもそうだけど、澄佳に会いに行くんだから、飯くらい付き合えよ。あ、そっち泊まってもいいなら飲んでもいいけど?
( 世話をされている、という言葉には予想通りしっかりやっているようで安心する反面、強がって無理にでも頑張ってしまうところがあるのも知っているため少し心配というところもある。しかし信頼している相手の元でなら大丈夫だろう。週末に、という言葉に若干の間が空いたことや、少し他人行儀な返事の仕方に、その理由を薄々感じているが、笑って上記のように返し。「まぁ、考えといて。じゃあな。」と、相手の返事を聞くこともないまま、仕事に戻らなければいけないのか手短に挨拶を済ませて通話を切る。)
〈伊川 翔〉
( 大体の部分は草が無くなったため、こんなものかと再び額の汗を拭う。後ろ手で通話をする相手の様子が気になるのか、ちらっとその様子を伺う。やはり自分と話すときとは違うその表情から察するに、通話相手は父親なのだろう。しかし、朝方の話で、少し腑に落ちないところがある。自分の父親をよく言うつもりはないのだが、あれ程までに相手の分かりやすい言動に自分の父が好意に気付かないはずがない。明るくひょうきんな性格ではあるが、相当頭は良いはずだ。そんなことをぼーっと考えている自分に、なぜこんなに相手のことが気にかかるのだろうか。とまたモヤモヤとする胸のつっかえが邪魔をする。)
(/ いえいえ!ある程度話進めたら週末までとばすのもありですね。また何か提案ありましたら、言ってください!)
…え、先輩…ッ、……。
( 此方の返事も待たずに通話を切られれば、脱力して耳に当てていた携帯をしまう。唐突で強引な先輩らしいく、いつものそんな彼に振り回されていたなとこれまた懐かしく感じる。
それにしても、自分にも会いに来るだとか泊まるとか言っていたが、そんな事を言ってしまう事にもどこか罪深さを感じ頭をかく。特に深い意味は無いことぐらい分かっているが、そこがまた、会える嬉しさと無性な寂しさを感じられて自分を悩ませるのだ。
まぁ、兎にも角にも、自分に出来ることは先輩が来るまでに多少は家の掃除をしておくことぐらいだろうか。)
……キミのお父さん、週末にくる気らしい。
( ふと、縁側から庭へと降りてくると、作業をしている相手の元へと近づいていき、隣に立てば小さく上記を告げて。事情を話してしまっただけに少し気まずくもあるが、そんな事を言っている場合ではない。事情がどうであれ、家主と同居人、そしてその親との関係はそれ以上でもそれ以下でもない。 )
( / そうですね。頃合いを見て時間操作も行いながらやって行きましょう!
ありがとうございます!そちらもまた何かあれば仰ってくださいね )
え…?父さんが?
( 相手が隣に立ったかと思えば、相手から告げられた言葉に少し目を見開く。なぜこのタイミングなのだろうか。とも思うが、親としては世話になる家主に直接挨拶をしに来るのは当たり前だ。確かに、向こうを出る時にそんなことを言っていたような気がする。先程の話を聞いてしまっては、相手のことが気にかかり。「…澄佳さん大丈夫ですか。もし、嫌だったら俺追い返しますけど。」と、隣に立つ自分より少し目線の低い相手を見つめて、真剣にそう言い。)
…あぁ、心配することはない。
友人が、久しぶりに訪ねてくるだけだろう。
( 真剣に、此方を心配そうに見つめてくる相手を見やれば、フッと口元を緩ませてあたかも何も気にしていないような口振りで返答した。実際に会うのは確かに久しぶりだし、多少緊張するが、単純な気持ちでいえば会えるだけでも嬉しいのだ。
それに、息子を心配して来てくれるなんていい親だ。自分は大事な息子を任された友人に過ぎないのだから、相手がどういうつもりでも、その役に徹するのみ。
十分に分かっているつもりでも、どこか、自分自身に言い聞かせているような気もする。)
そうと決まれば、私も少しは掃除しておかないとな。
今のままでは先輩にからかわれてしまう。
( 続けて上記を付け足せば、先程よりもさらに綺麗になった庭を見渡して礼をいい、相手の肩をポンポンと叩く。
先輩が来るとなると、仕事部屋や書斎も多少は整理しておかねば、せめて、恥ずかしいところはみせたくない。
そんな事を言えば小さく笑って、風に吹かれる髪の毛を耳へかける仕草を行い、もう一度大きな伸びをした。 )
…わかりました。
( 相手が何ともないと言う風に言うものだから、それ以上自分がとやかく言うことでもないと思えば、少し不服そうに頷き。しかし肩に触れられた手の感触に温かさを感じ、不満だったことなどどうでも良くなってしまった。全く自分でも単純な男だと思う。
長い髪を耳にかける仕草、その横顔、一連の動作に目を奪われていれば、我に返り「他に何かすることありますか?」とタオルで汗を拭いながら尋ねて。)
( 他にすることはあるかと訪ねてくる相手に、その顔をじっと見つめれば、タオルで拭ったにも関わらず、頬を伝う汗に気付いて手を伸ばす。「 休憩? 」と呟きながら汗を拭ってやれば、早々に踵を返して再度縁側から家の中へ。
庭を手伝おうかと思っていたが、通話をしている間にも随分と片付けて貰ったし、外での作業はこれで良いだろうと考えたようだ。風があるといっても、熱中症にでもなられたら溜まったものでは無いし、残りは家の中の掃除でもしてもらえばいい。
だが、ふと何か思い出したように歩みを止めれば、振り返って。)
………そうだ、休憩をしたら、一度私の部屋に来てくれないか。
そうですね。汗もかいたのでシャワーでもしてきます。
( 休憩、と言われると、確かに結構汗もかいたので一度シャワーでもしてくるか、と思う。ふと汗を拭おうと伸びてきた相手の手に肩を揺らし、思わず頬を赤くしてしまう。「わ、すいません!」と若干焦った声を漏らし。少し火照った顔を冷ますようにタオルで頬を押えながら、相手に続いて中へ入ると相手からの申し出に不思議そうな顔をして。)
…え?わかりました。
( そう言うと着替えを持ち浴室に向かう。シャワーを軽く浴びて着替えると、洗濯もついでにしてしまおうと、洗濯機を稼働させる。タオルで髪を拭きながら、相手の部屋へ向かう。ドアを数回ノックして。「入ってもいいですか?」と尋ねる。)
( 一足先に自室へと戻っていると、少しばかり執筆を進めて、だが、またすぐに行き詰まって頭をかく。
椅子の背に後頭部を預けながら天井を仰いでいると、外からノックの音が聞こえてきて、返事を一つ。
重い腰を上げれば扉を開けて、風呂上がりらしい相手を中へと促した。
比較的他の書斎や倉庫よりは片付いているものの、やはりデスクの周辺は自分の疲弊さが現れているようにも見える。しかし、何も自室の掃除を任せるために呼んだ訳では無い。)
……すまない。キミがあまり本を読まないのは承知の上なのだが、今回の主人公はキミに似ているからな、どうしても、意見を聞いてみたくて。
( 普段書いているものとは少し思考を変え、ターゲットを学生に絞ったものを書いているのだが、幾分、今の若者の感性や表現はわかったものでは無いし、登場人物が自分に似ているのであれば己の感性のままで良いはずだが、今回はそうはいかない。
明るく活発で、好きな人を一途に守ろうとする、そんな主人公にしたものだから、これは彼から助言を貰うのが1番だろうと考えたようだ。
早速パソコンの画面を相手に向ければ、ここだ、と指を指す。好きな人が目の前で悲しんでいるという、主人公にとっては辛い一場面。)
……もし、キミなら、悲しんでいる想い人を前に何を想う?
( 我ながら唐突で、難しいことを言っているのは分かるのだが、何かヒントを得れば筆が進む気がして、相手の顔をじっと見つめれば返答を待って )
俺に…?
はは、俺でよければ。でも参考にならなかったらごめんなさい。
( 部屋に入ると資料などが周囲にいくつもあり、パソコンの前で疲弊している相手を見れば、首を傾げて。ここに呼ばれた内容を聞けば、自分に似ている主人公、それならば少しは何か言えるかもしれないと、相手の横に行き画面を見つめて。小説の原稿を見る、もしかしなくてもこれは貴重な機会だな、なんて頭の端に浮かぶもその一部分の内容を読むのに必死で。)
俺なら、とりあえず傍にいてあげたいかな。
できるなら、その悲しみも共有したいし知りたい。
…それでまた笑ってもらえるように、楽しい話をたくさんしてあげたいです。
在り来りですよね…。
( 好きな人が悲しんでいる。そんな状況に自分が置かれたこともないが、例えば友人が、はたまた目の前の相手が悲しんでいたら。好きな人には笑って欲しいと思う。だから自分にできることは、傍にいて話をきくこと、そして笑わせてあげることかなと考えた。しかしそのどれもが、在り来りな回答だなと思う。こんなんで大丈夫なのだろうかと、近くにいる相手を見て。)
…いや、この上なく貴重な意見だ。ありがとう。
( 静かに相手の話を聞けば、表情は変えずとも何処か納得したように一つ頷いて「 そうか 」と相槌を打った。そして、話を聞き終わると遠慮がちに在り来りだと言う相手に首を振って上記を述べる。
人によっては確かに在り来りだと言うかもしれないが、自分はそうは思わなかった。勿論、好きな人には笑って欲しい。しかし、自分は楽しい話も出来なければ、相手が自分以外の人とでも楽しければそれでいいと思ってしまう。どこまでも考え方が悲観的で弄れているのだ。)
やはり、キミは真っ直ぐな人だ。
大学生活がはじまれば、また詳しく話を聞くとしよう。
( ありがとう、と礼を言えば、先程よりも少し晴れやかな表情になり、思った通り良い刺激となったようで機嫌良さそうに言葉を続けた。大学での生活がはじまれば、今度は学生のより詳細な描写が書けるだろうかと、また気になる事があれば教えてもらおうと算段しているようだ。 )
それならよかった。
…といっても、俺そういう経験全くないんで。想像でしかないんですけど。
( 思っていたより参考になったようで良かったと安堵の溜息を一つ。しかし、今言ったことも経験ではなく、想像なので、実際にそういう場面になったら今言ったような行動が取れるかは分からない。高校生になってから周りの友達に恋人ができるのを見て、なんとなく自分もそのうち、だなんて思っていたら大学生になってしまった。モテなかったわけでもないし、そこそこ友達も多かったのにどうしてだろうと考えると、周囲にとって自分はいい人で止まってしまうことが多いのだ。 )
…俺でよければいつでも!
( このような形で相手の役に立てると思うと嬉しく思い、笑顔でそう言う。自分に似たその彼の小説。できたら読んでみたいと思う。)
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